JP6715812B2 - 誤検出防止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タッチパネルにおけるユーザの指示位置の誤検出を防止する誤検出防止方法に関する。
近年、携帯端末やPDAなどの電子機器は、ユーザが操作するための入力手段として、タッチパネルを用いる機器が主流となりつつある。タッチパネルは、例えば、ユーザの指が接触することにより、タッチ位置に応じた信号を出力する入力デバイスである。
ところで、タッチパネルは、タッチパネル上に水滴が付着することにより静電容量が変化すると、その水滴をユーザのタッチ位置であると誤検出してしまう。
タッチパネルにおけるユーザのタッチ位置の誤検出は時に重大な問題を引き起こす。例えば、タッチパネルを備えるプログラマブル表示器は、FA(factory automation)の分野で発展してきたことから、一般に工場設備などの環境に設置されることが多い。このような環境において、タッチパネルによるユーザのタッチ位置の誤検出は、重大な事故につながりかねない。このため、タッチパネルによるユーザのタッチ位置の誤検出防止対策は重要となる。
このような問題を考慮して、特許文献1には、相互容量方式のタッチパネルへの接触が水滴であるか否かを判定する技術が開示されている。
特許第4994489号公報(2012年5月18日登録) 特開2015−191550号公報(2015年11月2日公開)
本発明者らは、(1)タッチパネル上に付着する水滴形状が複雑である場合、(2)タッチ位置の検出時にノイズが発生した場合、及び(3)複数の指が近接してタッチしている場合、のいずれにおいても、特許文献1の技術が有効に機能しないことを見出した。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、タッチパネルへの接触が水滴であると判定する判定技術の精度を向上させることができる誤検出防止方法を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る誤検出防止方法は、相互容量方式によるタッチ検出が可能なタッチパネルにおける誤検出を防止する誤検出防止方法であって、受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の総和を算出し、算出された総和が一定の閾値以下である場合、タッチパネル上に水が付着していると判定する。
上記構成によれば、タッチパネルへの接触が水滴であると判定する判定技術の精度を向上させることができる。
受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の総和を算出するとき、当該静電容量の変化量がゼロとなる範囲を除く範囲を算出範囲とすることが好ましい。
受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の総和を算出するとき、当該静電容量の変化量がすべて一定の符号付き閾値以上である場合、タッチパネル上に水が付着していないと判定することが好ましい。
本発明の一態様に係る誤検出防止方法は、相互容量方式によるタッチ検出が可能なタッチパネルにおける誤検出を防止する誤検出防止方法であって、受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の、隣接する受信電極間の差分の総和を算出し、算出された総和に、プラスの一定の閾値を上回るもの又はマイナスの一定の閾値を下回るものの少なくとも一方がない場合、タッチパネル上に水が付着していると判定する。
上記構成によれば、タッチパネルへの接触が水滴であると判定する判定技術の精度を向上させることができる。
受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の総和を算出するとき、当該静電容量の変化量がゼロとなる範囲を除く範囲を算出範囲とすることが好ましい。
受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の総和を算出するとき、当該静電容量の変化量のすべてが一定の符号付き閾値以上である場合、タッチパネル上に水が付着していないと判定することが好ましい。
本発明の一態様によれば、タッチパネルへの接触が水滴であると判定する判定技術の精度を向上させることができるという効果を奏する。
(a)、(b)及び(c)は、本発明の実施形態1に係るタッチパネル上に、水の付着がなく、且つ、タッチがない場合における、上記タッチパネルに含まれる受信電極の電圧波形を示す図である。 (a)、(b)及び(c)は、上記タッチパネルの上に、水の付着がなく、且つ、タッチがある場合における、上記受信電極の電圧波形を示す図である。 (a)、(b)及び(c)は、上記タッチパネルの上に、水の付着があり、且つ、タッチがない場合における、上記受信電極の電圧波形を示す図である。 (a)及び(b)は、上記受信電極の電圧波形の最大値と上記受信電極の静電容量の変化量との対応関係を示す図である。 (a)及び(b)は、上記タッチパネル上に、水の付着がなく、且つ、タッチがない場合における、上記静電容量の変化量を示す図である。 (a)及び(b)は、上記タッチパネル上に、水の付着がなく、且つ、タッチがある場合における、上記静電容量の変化量を示す図である。 (a)及び(b)は、上記タッチパネル上に、水に付着があり、且つ、タッチがない場合における、上記静電容量の変化量を示す図である。 (a)及び(b)は、上記タッチパネルにおける、指によるゴーストの発生を示す図である。 (a)及び(b)は、上記タッチパネルにおける、指によるゴーストの発生を示す図である。 上記タッチパネルにおける、指によって発生したゴーストの配置を示す図である。 (a)及び(b)は、上記タッチパネル上に、水が斜めに付着した場合における、上記静電容量の変化量を示す図である。 (a)及び(b)は、上記タッチパネル上に、水が斜めに付着した場合における、上記静電容量の変化量を示す図である。 上記タッチパネル上に、水が斜めに付着した場合における、上記静電容量の変化量の配置を示す図である。 上記タッチパネル上に、丸い水が付着した様子を示す図である。 上記タッチパネル上に、丸い水が付着した場合における、上記静電容量の変化量の配置を示す図である。 上記タッチパネル上に、丸い水が付着した場合における、上記静電容量の変化量の配置を示す図である。 上記タッチパネル上に、3つの水が連結して付着した様子を示す図である。 上記タッチパネル上に付着した、連接する3つの水によって生じる静電容量の変化量の配置を示す図である。 上記タッチパネル上に丸い水が付着した様子を示す図である。 上記タッチパネル上に、3つの水が連結して付着した様子を示す図である。 上記タッチパネル上に付着した、連接する3つの水によって生じる静電容量の変化量の配置を示す図である。 上記タッチパネル上に丸い水が付着した様子を示す図である。 上記タッチパネル上に、4つの水が連結して付着した様子を示す図である。 上記タッチパネル上に付着した、連接する4つの水によって生じる静電容量の変化量の配置を示す図である。 上記タッチパネル上に付着した、連接する4つの水によって生じる静電容量の変化量の値の配置を示す図である。 本発明の実施形態1に係るタッチパネル装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係る水付着の有無の判定方法の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係るタッチパネル上に、水の付着がなく、且つ、タッチがある場合における、上記タッチパネルに含まれる受信電極の静電容量の変化量及びその測定値を示す図である。 本発明の実施形態2に係る水付着の有無の判定方法の処理手順を示すフローチャートである。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について図1〜図27に基づいて説明すると以下の通りである。
(検出原理)
図1〜図25を参照して、相互容量方式による水検出について説明する。相互容量方式は、送信電極と接地電位との間に電圧(駆動電圧)を印加し、送信電極と受信電極との間の電圧波形を測定する。
図1を参照し、相互容量方式のタッチパネル1に水の付着がなく、且つ、タッチがない場合における、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形について説明する。図1の(a)は、タッチパネル1の断面模式図、図1の(b)は、送信電極14に印加される印加電圧を示す図、図1の(c)は、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形を示す図である。
図1の(a)に示すように、タッチパネル1は、フロントカバー11、受信電極12、絶縁層13、送信電極14及び基板15を備える。基板15は、絶縁物からなる基板であり、基板15上に、送信電極14、絶縁層13、受信電極12及びフロントカバー11がこの順で積層されている。なお、タッチパネル1は公知の相互容量方式のタッチパネルであり、ここでは、その構造に関する説明は省略する。
タッチパネル1に水の付着がなく、且つ、タッチがない場合、受信電極12と送信電極14との間に、フロントカバー11及び絶縁層13を介した、静電容量C1が形成される。図1の(b)に示す電圧を送信電極14に印加すると、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形は図1の(b)に示す電圧波形となる。
次に、図2を参照し、タッチパネル1に水の付着がなく、且つ、指Fのタッチがある場合における、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形について説明する。図2の(a)は、タッチパネル1の断面模式図、図2の(b)は、送信電極14に印加される印加電圧を示す図、図2の(c)は、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形を示す図である。
タッチパネル1に水の付着がなく、且つ、タッチがある場合、図1の(a)と同様、受信電極12と送信電極14との間に、フロントカバー11及び絶縁層13を介した、静電容量C1が形成される。
さらに、指Fのタッチにより、静電容量C2、C3及びC4が、それぞれ形成される。
人体は受信電極12に比べて大きい表面積を持つため、静電容量C4は静電容量C1、C2及びC3よりも大きく、また、静電容量C1、C2及びC3は同程度である。また、人体が接地電位との間に導電性を有している場合もある。
指Fのタッチにより、静電容量C3と人体とが直列に接続されるため、図2の(b)に示す電圧を送信電極14に印加すると、指Fを介した、受信電極12から人体へ電流が大きく分流される。このため、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形の最大値は、図1の(c)に示した電圧波形の最大値よりも小さくなる。図2の(b)に、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形を示す。
最後に、図3を参照し、タッチパネル1に水Wの付着があり、且つ、タッチがない場合における、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形について説明する。図3の(a)は、タッチパネル1の断面模式図、図3の(b)は、送信電極14に印加される印加電圧を示す図、図3の(c)は、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形を示す図である。
タッチパネル1に水Wの付着があり、且つ、タッチがない場合、図1の(a)と同様、受信電極12と送信電極14との間に、フロントカバー11及び絶縁層13を介した、静電容量C1が形成される。さらに、水Wの付着により、静電容量C5及びC6が、それぞれ形成される。
ここで、図2の(a)で示した指Fでタッチパネル1をタッチしたときと異なり、水Wは接地電位と電気的に接続されてはいない。このため、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形の最大値は、図1の(c)に示した電圧波形の最大値よりも大きくなる。図3の(b)に、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形を示す。
図4の(a)は、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形の最大値の大小を示す図、図4の(b)は、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量を示す図である。
図1〜図3を用いて説明したとおり、受信電極12の電圧波形の最大値は、受信電極12と送信電極14との間の静電容量に比例する値となる。本発明者らは、指のタッチ及び水の付着のない状態からある状態になったときに生じる、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量に着目し、本発明を発明するに至った。
図4の(a)及び(b)に示すように、指によるタッチがなく、且つ、水の付着もない状態における、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形の最大値を基準とし、指のタッチによって減少する、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量をプラスの値として検出する。一方、水の付着によって増加する、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量をマイナスの値として検出する。
図5の(a)及び(b)に、タッチパネル1に水の付着がなく、且つ、タッチがない場合における、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形の最大値と、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量と、の関係を示す。
図5の(a)において、T1は電圧が印加された送信電極14を、T2は電圧が印加されていない送信電極14を、それぞれ表すものである。図5の(b)に示すように、受信電極12と送信電極14との間の静電容量は、いずれの受信電極12(図中、R1〜R12は受信電極12を表すものである。)においても、静電容量の変化は見られない。
図6の(a)及び(b)に、タッチパネル1に水の付着がなく、且つ、タッチがある場合における、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形の最大値と、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量と、の関係を示す。
図6の(a)において、F1は指がタッチしている範囲を表すものである。図6の(b)に示すように、指のタッチにより、受信電極12(ここでは、R3及びR4)と送信電極14(ここでは、T1)との間の静電容量の変化量がプラスの値として検出される。
タッチした指がタッチパネル1に接触する範囲の各辺の長さは1cm程度であれば、受信電極12同士の間隔、及び、送信電極14同士の間隔は、それぞれ、指の接触範囲の各辺の長さの1/2程度であり、概ね5mm程度になる。図6では、指は受信電極12(R3及びR4)の上部をタッチしている。なお、図6では、検出原理を説明するため、送信電極14(T1)のみの上部をタッチしているものとする。
図7の(a)及び(b)に、タッチパネル1に水の付着があり、且つ、タッチがない場合における、受信電極12と送信電極14との間の電圧波形の最大値と、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量と、の関係を示す。
図7の(a)において、W1は水が付着している範囲を表すものである。図7の(b)に示すように、水の付着により、受信電極12(ここでは、R3及びR4)と送信電極14(ここでは、T1)との間の静電容量の変化量がマイナスの値として検出される。
付着した水がタッチパネル1に接触する範囲の各辺の長さは1cm程度であれば、受信電極12同士の間隔、及び、送信電極14同士の間隔は、それぞれ、水の付着範囲の各辺の長さの1/2程度であり、概ね5mm程度になる。図7では、水は受信電極12(R3及びR4)の上部に付着している。なお、図7では、検出原理を説明するため、送信電極14(T1)のみの上部に水が付着しているものとする。
図6の(b)及び図7の(b)を比較すればわかるように、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量の絶対値は、タッチパネル1に水の付着がなく、且つ、タッチがある場合よりも、タッチパネル1に水の付着があり、且つ、タッチがない場合のほうが小さくなる。
(課題)
本発明者らは、上述した検出原理の課題を見出し、さらなる鋭意検討を進めた結果、上述の検出原理における課題を解決するための手法を発明するに至った。まず、本発明者らが見出した課題を説明する。
図8は、タッチパネル1を2本の指により斜めにタッチした場合における、それら2点を頂点とする隅角位置にゴーストが発生する原理を説明する図である。なお、ゴーストとは、指でタッチしていない位置及び水が付着していない位置に生じた静電容量の変化量を意味するものである。
指F2は、送信電極T1に電圧が印加されている間は、電圧が印加されていない送信電極T2と強く静電結合する。指F1と指F2との間に人体(手)を介して電流が流れることにより、指F2が静電結合している受信電極R6及びR7の各々と送信電極T1との間に、受信電極R6及びR7の各々と送信電極T1との交差部分の上に水が付着している場合と同様の電圧波形が生じる。ただし、指F1と指F2との間に人体(手)を介して流れる電流は、人体を介して人体の外へ流れ去る電流に比して小さい。このため、指F1と指F2との間に電流が流れることにより生じる電圧波形は、水が付着している場合に比して小さくなる。
その結果、図8の(b)に示すように、受信電極R6及びR7の各々と送信電極T1との間の各静電容量の変化量がマイナスの値として検出される。
一方、図9の(a)及び(b)に示すように、指F1は、送信電極T2に電圧が印加されている間は、電圧が印加されていない送信電極T1と強く静電結合する。指F1と指F2との間に人体(手)を介して電流が流れることにより、指F1が静電結合している受信電極R3及びR4の各々と送信電極T2との間に、受信電極R3及びR4の各々と送信電極T2との交差部分の上に水が付着している場合と同様の電圧波形が生じる。ただし、指F1と指F2との間に人体(手)を介して流れる電流は、人体を介して人体の外へ流れ去る電流に比して小さい。このため、指F1と指F2との間に電流が流れることにより生じる電圧波形は、水が付着している場合に比して小さくなる。
その結果、図9の(b)に示すように、受信電極R3及びR4の各々と送信電極T2との間の各静電容量の変化量がマイナスの値として検出される。
図10は、上述した図8及び図9のゴーストの発生原理に基づき発生したゴーストを説明するための模式図である。図10では、送信電極T1又はT2に電圧を印加したときに、受信電極R3、R4、R6及びR7の各々と送信電極T1との間の静電容量の変化量と、受信電極R3、R4、R6及びR7の各々と送信電極T2との間の静電容量の変化量とが、タッチパネル1上に模式的に示されている。
図10に示すように、タッチパネル1を2本の指により斜めにタッチした場合、それら2点を頂点とする長方形の一方の対角としたとき、他方の対角の位置にゴーストが発生することになる。
図11の(a)及び(b)は、タッチパネル1を2つの水が斜めに付着した場合における、それら2点を頂点とする隅角位置にゴーストが発生する原理を説明する図である。図11の(b)に示すように、水W1と水W2との間は導線で電気的に接続されており、水W1と水W2との間に導線を介して電流が流れる。なお、導線で電気的に接続されているとは、具体的には、2つの水が細い水の筋で繋がっている状況を想定している。
送信電極T1に電圧が印加されたとき、水W1と水W2との間が電気的に接続されていなければ、水W1の付着による、受信電極R3及びR4の各々と送信電極T1との間の各静電容量の変化量は、マイナスの値として検出される筈である。
しかし、図11の(a)及び(b)では、水W1と水W2との間を導線で電気的に接続しているため、それらの間を電流が流れることにより、受信電極R3及びR4の各々と送信電極T1との間の各静電容量の変化量はマイナスの値からプラスの値に転じることになる。
その結果、受信電極R3及びR4の各々と送信電極T1との間の各静電容量の変化量がプラスの値として検出されることとなる。
なお、水W1と水W2との間に導線を介して電流が流れることにより、水W2が静電結合している受信電極R6及びR7の各々と送信電極T1との間に、受信電極R6及びR7の各々と送信電極T1との交差部分の上に水が付着している場合と同様の電圧波形が生じることとなる。その結果、受信電極R6及びR7の各々と送信電極T1との間の各静電容量の変化量がマイナスの値として検出されることとなる。
一方、図12の(a)及び(b)に示すように、送信電極T2に電圧が印加されたとき、水W1と水W2との間が電気的に接続されていなければ、水W2の付着による、受信電極R6及びR7の各々と送信電極T2との間の各静電容量の変化量は、マイナスの値として検出される。
しかし、図12の(a)及び(b)では、水W1と水W2との間を導線で電気的に接続しているため、それらの間を電流が流れることにより、受信電極R6及びR7の各々と送信電極T2との間の各静電容量の変化量はマイナスの値からプラスの値に転じることになる。
その結果、受信電極R6及びR7の各々と送信電極T2との間の各静電容量の変化量がプラスの値として検出されることになる。
なお、水W1と水W2との間に導線を介して電流が流れることにより、水W1が静電結合している受信電極R3及びR4の各々と送信電極T2との間に、受信電極R3及びR4の各々と送信電極T2との交差部分の上に水が付着している場合と同様の電圧波形が生じる。その結果、受信電極R3及びR4の各々と送信電極T2との間の各静電容量の変化量がマイナスの値として検出されることとなる。
図13は、上述した図11及び図12のゴーストの発生原理に基づき発生したゴーストを説明するための模式図である。図13では、送信電極T1又はT2に電圧を印加したときに、受信電極R3、R4、R6及びR7の各々と送信電極T1との間の静電容量の変化量と、受信電極R3、R4、R6及びR7の各々と送信電極T2との間の静電容量の変化量とが、タッチパネル1上に模式的に示されている。
図13に示すように、タッチパネル1に、電気的に接続された2つの水が斜めに付着した場合、それら2点を頂点とする長方形の一方の対角としたとき、他方の対角の位置にゴーストが発生することになる。
図10及び図13を比較すればわかるように、2本の指でタッチした場合と、2つの水が付着した場合とで、上述の静電容量の変化量の極性(プラスとマイナス)は同じである。
次に、丸い水がタッチパネル1上に付着している場合、上述の2つの水の付着による静電容量の変化量を組み合わせた結果となる。図14は、タッチパネル1に丸い水W3が付着した様子を示す模式図、図15は、水W3の付着による、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量を説明するための模式図である。図15では、送信電極T1→送信電極T2→送信電極T3の順で、電圧が印加されているものとする。
図15に示すように、水W3の外周には、水付着による静電容量の変化量(マイナスの値からプラスの値に転じた変化量)及び上述のゴースト発生による静電容量の変化量(マイナスの値の変化量)が現れる。
水W3の内部には、水付着による静電容量の変化量(マイナスの値の変化量)が現れる。さらに、水W3の内部には、上述のゴースト発生による静電容量の変化量(マイナスの値の変化量)が現れる。このため、水W3の内部には、それら2つのマイナス値の変化量が重畳され、現れることになる。
本発明者らが見出した、上述した検出原理の課題を整理すると、以下の通りとなる。
(1)ノイズによる誤検出
図7を用いて説明したように、水の付着による静電容量の変化量は小さい。ノイズにより図7の(b)に示した静電容量の変化量と同レベルの変化量が生じた場合、水付着の誤検出が生じてしまう。
(2)マルチタッチによる誤検出
図10を用いて説明したように、タッチパネル1に2本の指で斜めにタッチした場合、ゴースト発生による静電容量の変化量(マイナスの値の変化量)が現れる。このため、検出感度を高くすると、ゴースト発生による静電容量の変化量が大きくなり、その結果、水付着の誤検出が生じてしまう。
(3)水付着を指によるタッチと検出する誤検出
図13を用いて説明したように、2つの水が繋がっていた場合、指によるタッチがないにも関わらず指でタッチした場合と同じ極性の静電容量の変化量が検出される。その結果、指によるタッチであると誤検出してしまう。殊に検出感度を高くすると、誤検出は顕著となる。
(上述の課題を解決するための手法)
以下、図16〜図25を用いて、本発明者らが発明した、上述の課題を解決するための手法について説明する。ここでは、図15に示した、タッチパネル1に水W3が付着している場合を例として説明する。
図16に示すように、まず、左上の部分(点線で囲った部分)に注目する。そして、図17に示すように、この部分を水W11、水W12及び水W13が連結したものであると考える。
図18は、水W11、水W12及び水W13の各々の付着による、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量を説明するための模式図である。図18に示すように、水W11及び水W13の各々の付着による静電容量の変化量1及び3(マイナスの値からプラスの値に転じたもの)、水W11と水W13とが斜めに付着したことにより発生したゴーストによる静電容量の変化量5(マイナスの値)、並びに、水W12の付着による静電容量の変化量(マイナスの値)と水W11と水W13とが斜めに付着したことにより発生したゴーストによる静電容量の変化量(マイナスの値)との和である変化量2(マイナスの値)、が現れる。
次に、図19に示すように、左下の部分(点線で囲った部分)に注目する。そして、図20に示すように、この部分を水W13、水W12及び水W14が連結したものであると考えてみる。
図21は、水W13、水W12及び水W14の各々の付着による、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量を説明するための模式図である。図21に示すように、水W13及び水W14の各々の付着による静電容量の変化量6及び4(マイナスの値からプラスの値に転じたもの)、水W13と水W14とが斜めに付着したことにより発生したゴーストによる静電容量の変化量8(マイナスの値)、並びに、水W12の付着による静電容量の変化量(マイナスの値)と、水W13と水W14とが斜めに付着したことにより発生したゴーストによる静電容量の変化量(マイナスの値)との和である変化量7(マイナスの値)、が現れる。
次に、図22に示すように、図15に示した水W3の左半分(点線で囲った部分)に注目する。そして、図23に示すように、この部分を水W11、水W12、水W13及び水W14が連結したものであると考える。
図24は、水W11、水W12、水W13及び水W14の各々の付着による、受信電極12と送信電極14との間の静電容量の変化量を説明するための模式図である。図24に示すように、図18に示した左上の部分における静電容量の変化量と、図21に示した左下の部分における静電容量の変化量と、が重畳された変化量が現れる。このことは、図15に示した水W3の右半分に関しても同様のことが言える。
ここで、付着している水が包含する送信電極14の数が増えると、水の外周及び内部の静電容量の変化量は、包含する送信電極14の数が増えた分だけ加算するように増加していく。
しかしながら、それら静電容量の変化量の増加は、各受信電極12に沿って観察すると、プラスの値が増加するとともに、マイナスの値も同時に増加していることがわかる。
そこで、測定して得られた静電容量の変化量の値を、受信電極12毎に受信電極12上の値の総和を求めると、総和の値は、水が包含する送信電極14の数が増大しても、プラスの値とマイナスの値とが打ち消し合うことで、プラスの大きな値にはならないことになる。
図25に、一つのプラスの静電容量の変化量を+1、一つのマイナスの静電容量の変化量を−1とした場合、重複しているところを加算して、その加算結果を示す。
受信電極R3に沿って加算すると、静電容量の変化量の総和は、
(−1)+(+2)+(−1)=0
受信電極R4に沿って加算すると、静電容量の変化量の総和は、
(+1)+(−3)+(+1)=−1
となる。
水の付着がなく、指のタッチがある場合、図6に示したとおり、プラスの値を示す静電容量の変化量は、プラス側に大きな値となる。また、図8及び図9に示したとおり、複数の指によるタッチで生じるゴーストによるマイナスの値を示す静電容量の変化量は、そのプラス側の大きな値に比して絶対値が小さな値となる。
そのため、指のタッチがある場合、受信電極12に沿った静電容量の変化量の総和は、プラス側に大きな値となる。
また、水が付着している範囲の中に指のタッチがある場合、指の直下にある受信電極12に沿った静電容量の変化量の総和は、プラス側に大きな値となる。しかし、その周囲の受信電極12に沿った静電容量の変化量の総和は、プラスの大きな値にはならず、指が水に取り囲まれていることがわかる。
そこで、水が付着している範囲の中に指のタッチがある場合、指のタッチ位置の算出精度が低くなるため、水が周囲に存在していることを優先し、タッチ位置の算出を取りやめることが好ましい。これにより、誤った座標を出力することが防止できる。
(タッチパネル装置の構成)
次に、本実施形態に係るタッチパネル装置の構成について説明する。図26は、本実施形態に係るタッチパネル装置の構成を示すブロック図である。図26に示すように、本実施形態に係るタッチパネル装置は、タッチパネル1と、駆動部4と、測定部5と、検出部6と、制御部7と、を備えている。タッチパネル1は、複数の受信電極12及び複数の送信電極14を含む。
本実施形態に係るタッチパネル装置は、例えば、プログラマブル表示器、携帯電話機、スマートフォン、携帯音楽再生機、携帯ゲーム機、TV、PC、デジタルカメラ、デジタルビデオ等のタッチパネル1を搭載する電子機器である。
本実施形態に係るタッチパネル装置は、ユーザによる指又は導電性ペン等によるタッチ検出が可能であり、上記タッチにより指定された処理を実行する。本実施形態に係るタッチパネル装置は、上述した検出原理に基づき、タッチパネル1の水付着の有無の検出を行う。
なお、本実施形態に係るタッチパネル装置は、通信部、音声入力部、音声出力部等の部材を備えていてもよいが、発明の特徴点とは関係がないため当該部材を図示していない。
制御部7は、電圧を印加する送信電極14を駆動部4に指定する。また、制御部7は、送信電極14と受信電極12との間の静電容量の変化量の測定を測定部5に指示する。
駆動部4は、制御部7からの指示に従い、電圧を印加する送信電極14に方形波パルス状の電圧を印加する。このとき、駆動部4は、その他の送信電極14を固定電位へ接続した状態とする。
測定部5は、制御部7からの指示に従い、受信電極12に生じる電位の変化に基づき、当該受信電極12と、そのとき電圧を印加されている送信電極14との間の静電容量の変化量を測定する。なお、測定部5により測定される変化量は、上述のプラス又はマイナスの値となる。
制御部7は、電圧を印加した送信電極14の識別情報を検出部6に与える。そして、制御部7は、測定部5により測定される変化量の検出を検出部6に指示する。
検出部6は、制御部7からの指示に従い、受信電極12ごとの静電容量の変化量を測定部5から検出する。そして、検出部6は、検出した静電容量の変化量を、制御部7から入力した、送信電極14の識別情報に対応づけて記憶する。
制御部7は、すべての送信電極14について、上記処理を行った後、水検出判定の実施を検出部6に指示する。
検出部6は、送信電極14の識別情報ごとに対応付けて記憶している、受信電極12ごとの静電容量の変化量に基づき、水付着の有無を判定し、判定結果を外部へ出力する。
制御部7は、以上の一連の処理を繰り返す。
次に、本実施形態に係る水付着の有無の判定方法の処理手順について説明する。図27は、本実施形態に係る水付着の有無の判定方法の処理手順を示すフローチャートである。
図27に示すように、まず、測定部5から取得したすべての静電容量の変化量が、符号付きの値で一定の閾値以上である場合(S1にてYes)、水の付着なし(水なし)と判定する(S5)。水の付着による静電容量の変化量は、指のタッチによる静電容量の変化量よりも小さい値となるため(図6、図7、図8、図9、図11、及び図12参照)、一定の閾値以上であれば、水の付着なしと判定することが可能となる。
ここで、上述の一定の閾値は、マイナスの値であって、指によって生じるゴーストによる静電容量の変化量(マイナスの値)よりも小さな値とすることが好ましい。
より好ましくは、上述の一定の閾値は、マイナスの値であって、次の(A)〜(C)の条件を満足する値である。
(A)指によって生じるゴーストによる静電容量の変化量(マイナスの値)よりも小さな値である。
(B)図7に示した水W1によって生じる静電容量の変化量(マイナスの値)よりも大きな値である。
(C)図11及び図12に示した水W1及び水W2によって生じるゴーストによる静電容量の変化量(マイナスの値)よりも大きな値である。
例えば、タッチパネル1による静電容量の変化量の検出可能範囲が−127〜+127であるとする。指のタッチがある、と判定可能な静電容量の変化量を+60程度となるように、タッチパネル1の検出感度を調整する。
この場合、2つの指によって生じるゴーストによる静電容量の変化量は、−10程度になる。
水によって生じる静電容量の変化量は、−40程度になる。
2つの水によって生じるゴーストによる静電容量の変化量は、−40程度になる。
接続された2つの水によって生じる静電容量の変化量は、+40程度になる。
以上より、一定の閾値は、−12程度の値に設定すれば良い。
測定部5から取得したすべての静電容量の変化量が、符号付きの値で一定の閾値以上でない場合(S1にてNo)、測定部5から取得した静電容量の変化量を、受信電極12ごとに、各受信電極12に沿って総和を計算する(S2)。
上述のS2で算出した値の中に一定の閾値以上であるものがある場合(S3にてYes)、水の付着なし(水なし)と判定する(S5)。水の付着による、受信電極12に沿った静電容量の変化量の総和は、プラスの大きな値にはならないため(図24及び図25参照)、一定の閾値以上であれば、水の付着なしと判定することが可能となる。
最後に、上述のS2で算出した値の中に一定の閾値以上であるものがない場合(S3にてNo)、水の付着あり(水あり)と判定する(S4)
〔実施形態2〕
本実施形態2は、差動アンプを用いることにより、タッチパネル1の本来の機能において、指のタッチ位置の検出の精度を向上させる実施形態である。指でタッチしたときの、指の中心に位置する付近では、上述した静電容量の変化量の分布は平坦となり、指の中心の位置を算出するための数値の精度が低下する。これに比して、隣接する受信電極間の、静電容量の変化量の差分を取得する場合、差分の値を充分に増幅してデジタル化することができる。また、指の中心の位置は、差分の値の符号が反転する位置である。このため、作動アンプを用いることにより、高い計算精度でタッチ位置の検出を行うことができる。
次に、本発明の実施形態2に係るタッチパネル装置について説明する。
本発明の実施形態2と上述の実施形態1とが異なる点は、図28の(a)に示すように、互いに隣接する2つの受信電極12同士を差動アンプ100に接続し、各差動アンプ100の測定値を用いる点にある。図28の(a)では、測定値をSで表現し、添え字の値を差動アンプのマイナス側に接続した受信電極の添え字に合わせて表現するものとする。
本実施形態では、受信電極12ごとの静電容量の変化量の総和に代えて、受信電極12ごとの測定値の総和を算出する。実施形態1では総和に対する閾値をひとつだけ設定していたが、本実施形態では、となりあう2つの受信電極の静電容量の変化量の差分となる、差動アンプの測定値を用いるため、静電容量の変化量が生じている一連の受信電極の、番号が小さい側と番号が大きい側の両端において、プラスとマイナスの符号が異なる値が算出される。
そのため、本実施形態では、プラス側とマイナス側の2つの閾値を設定する。
具体的には、図28の(b)及び(c)に示すように、受信電極R1と受信電極R2との静電容量の変化量の差分が測定値S1となり、受信電極R2と受信電極R3との静電容量の変化量の差分が測定値S2となり、受信電極R3と受信電極R4との静電容量の変化量の差分が測定値S3となり、受信電極R4と受信電極R5との静電容量の変化量の差分が測定値S4となり、受信電極R5と受信電極R6との静電容量の変化量の差分が測定値S5となる。測定値S1〜測定値S5を、それぞれ、受信電極R1〜受信電極R5の各測定値として扱うものとする。
測定値S2はプラスの値となり、測定値S4はマイナスの値となる。つまり、
測定値S1+測定値S2=受信電極R2の静電容量の変化量
測定値S2+測定値S3=受信電極R3の静電容量の変化量
となる。
次に、本実施形態に係るタッチパネル装置の構成について説明する。
制御部7は、電圧を印加する送信電極14を駆動部4に駆動指定し、測定部5に静電容量の変化量の測定を指示する。
駆動部4は、制御部7からの指示に従い、電圧を印加する送信電極14に方形波パルス状の電圧を印加する。このとき、その他の送信電極14を固定電位へ接続した状態とする。
測定部5は、制御部7からの指示に従い、受信電極12に生じる電位の変化に基づき、当該受信電極12と、そのとき電圧を印加されている送信電極14との間の静電容量の変化量の、隣接する受信電極12間の差分を符号付きの値で測定する。この測定結果を測定値と呼ぶことにする。測定値は、隣接する受信電極12のうち、受信電極12に番号を昇順で付したとき、番号が小さい側の受信電極12の番号に対応付け、その受信電極12の測定値として扱う。差分は、番号が小さい受信電極12の電位を差動アンプのマイナス側に入力し、番号が大きい受信電極12の電位を同一の差動アンプのプラス側に入力して、当該差動アンプの出力を得ることによって取得する。
制御部7は、電圧を印加した送信電極14の識別情報を検出部6に与え、測定部5からの測定結果の検出を指示する。検出部6は、制御部7からの指示に従い、測定部5から測定値を検出し、制御部7から入力した、送信電極14の識別情報に対応づけて記憶する。
制御部7は、すべての送信電極14について上記処理を行った後、水検出判定の実施を検出部6に指示する。
検出部6は、送信電極14の識別情報に対応付けて記憶している、受信電極12ごとの測定値を用いて、水付着の有無を判定し、判定結果を外部へ出力する。
制御部7は、以上の一連の処理を繰り返す。
次に、本実施形態に係る水付着の有無の判定方法の処理手順について説明する。図29は、本実施形態に係る水付着の有無の判定方法の処理手順を示すフローチャートである。
図29に示すように、まず、測定部5から取得した測定値を、送信電極14の識別情報に対応付けたものごとに、番号が小さい受信電極12側から、隣り合う測定値の和を算出し、その各和の値がすべて、符号付きの値で一定の閾値以上である場合(S11にてYes)、水の付着なしと判定する(S16)。
ここで、上述の各和の値とは、静電容量の変化量の値である。指によるタッチがあれば、各和の値(静電容量の変化量)はプラスで大きな値になる一方、指によって生じるゴーストによりマイナスで小さな値になる。S16では、各和の値が、プラスで大きな値又はマイナスで小さな値であると認められた場合に、水の付着なしと判定する。そのため、指によって生じるゴーストを含めて排除可能な閾値(静電容量の変化量の値としての閾値)を用いて判定を行う。
上述の各和の値がすべて、符号付きの値で一定の閾値以上でない場合(S11にてNo)、測定部5から取得した測定値を、受信電極12ごとに総和を計算する(S12)。
上述のS12で算出した値の中で、プラスである第1の閾値を超過するものがない場合(S13にてNo)、水の付着ありと判定する(S14)。
上述のS12で算出した値の中で、プラスである第1の閾値を超過するものがある場合(S13にてYes)、上述のS12で算出した値の中で、マイナスである第2の閾値を下回るものがある場合(S15にてYes)、水の付着なしと判定する(S16)。
上述のS12で算出した値の中で、第2の閾値を超過するものがある場合(S15にてYes)、水の付着ありと判定する(S14)。
ここで、指のタッチの外側(タッチしている領域と、その領域より外側との境界部分)では、測定値はプラスに大きな値又はマイナスに大きな値になる。指のタッチがあるとき、そのプラスに大きな値及びマイナスに大きな値が共に現れることになる。一方、水の外側(水が付着している領域と、その領域より外側との境界部分)では、測定値はプラスの値又はマイナスの値になるものの、通常、その絶対値は小さな値になる。水の付着の状況によって「静電容量の変化量」の分布が急峻になって大きな測定値が得られる場合があっても、絶対値の大きな測定値がプラスとマイナスとで対になって現れることはない。
(本発明の効果)
(1)ノイズによる誤検出
ノイズによって生じる静電容量の変化量は、プラスとマイナスで均等に生じることはなく、不均衡で生じる。このため、ノイズによって生じる静電容量の変化量の、受信電極12に沿った総和は、プラスの大きな値となり、その結果、水ではない要因があることがわかるため、誤検出を防止することができる。
(2)マルチタッチによる誤検出
検出感度を高くして、2つの指によるタッチで生じるゴーストが受信電極12で検出できる程度に大きな値を示したとしても、静電容量の変化量の、受信電極12に沿った総和は、プラス側に大きな値を示す。このため、水の付着によるものではないことがわかるため、誤検出を防止することができる。
(3)水を指によるタッチとする誤検出
送信電極に沿った静電容量の変化量のパターンによらず、水の付着によって生じる静電容量の変化量の、受信電極12に沿った総和は、プラスの大きな値にはならない。このため、水の付着によるものであることがわかり、誤検出を防止することができる。
以上の説明では、送信電極14に0Vから所定のプラスの電位を持つ方形波パルスを印加し、それによって受信電極12に誘起される電位のプラスの最大値を測定することによって、送信電極14と受信電極12との間の静電容量が測定できることを利用した。
しかし、同一の原理に基づいて、与える方形波パルスの極性がマイナスのものを用いてもよく、また、方形波パルスの定常時の電位は0Vに限るものではない。その場合、受信電極12に誘起される電位の極性はマイナスとなる場合でも、指のタッチがある場合とない場合とでの受信電極12に誘起される電位の極性と大きさとを斟酌することによって、以上の説明と全く同じ原理で静電容量の変化量を検出することができる。
また、受信電極12に誘起された電位について、その安定した最大値をもって測定値とする必要はなく、受信電極12に誘起される電位の時間変化から静電容量の変化量を決定づけるように測定してもよい。また、送信電極14に印加する駆動電圧は方形波パルスである必要はなく、たとえば、より高い周波数の正弦波であってもよい。その他、送信電極14と受信電極12との間の相互容量、あるいはその変化量が測定できる技術であれば、どのような技術を用いてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 タッチパネル
14、T1〜T3 送信電極
12、R1〜R12 受信電極
4 駆動部
5 測定部
6 検出部
7 制御部
11 フロントカバー
15 基板

Claims (6)

  1. 相互容量方式によるタッチ検出が可能なタッチパネルにおける誤検出を防止する誤検出防止方法であって、
    受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の総和を算出し、
    算出された総和が一定の閾値以下である場合、タッチパネル上に水が付着していると判定する
    ことを特徴とする誤検出防止方法。
  2. 受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の総和を算出するとき、当該静電容量の変化量がゼロとなる範囲を除く範囲を算出範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の誤検出防止方法。
  3. 受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の総和を算出するとき、当該静電容量の変化量のすべてが一定の符号付き閾値以上である場合、タッチパネル上に水が付着していないと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の誤検出防止方法。
  4. 相互容量方式によるタッチ検出が可能なタッチパネルにおける誤検出を防止する誤検出防止方法であって、
    受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の、隣接する受信電極間の差分の総和を算出し、
    算出された総和に、プラスの一定の閾値を上回るもの又はマイナスの一定の閾値を下回るものの少なくとも一方がない場合、タッチパネル上に水が付着していると判定する
    ことを特徴とする誤検出防止方法。
  5. 受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の、隣接する受信電極間の差分の総和を算出するとき、当該静電容量の変化量の差分がゼロとなる範囲を除く範囲を算出範囲とすることを特徴とする請求項4に記載の誤検出防止方法。
  6. 受信電極に沿って、当該受信電極と各送信電極との間の静電容量の変化量の、隣接する受信電極間の差分の総和を算出するとき、当該静電容量の変化量のすべてが一定の符号付き閾値以上である場合、タッチパネル上に水が付着していないと判定することを特徴とする請求項4又は5に記載の誤検出防止方法。
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