JP6715488B2 - 外装用超大判タイルユニット - Google Patents

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Description

本発明は、乾式施工用タイルユニットに関する。さらに詳述すると、本発明は、外装用としての使用に好適な超大判タイルユニットに関するものである。
近年、建物の外装材としてのタイルの使用が増えている。例えば、木造建物の外装用タイルとしては、主に数cm〜大きくても20cm前後の比較的小型なタイルが使用されており、モルタルあるいは接着剤などで下地に直に接着される(特許文献1)。また、大判タイルと称される、コンクリート建造物などに主に使用される60cm角程度までのタイルもある(JIS A 5209「陶磁器質タイル」)。このタイルは、長さ及び幅が50〜600mm、厚さは5〜25mmが基本的な寸法であり、タイルの裏面にあり溝を切削してからグリップ金具を取り付け、このグリップ金具を利用して壁面に固定されたレールなどに引っかけて固定する乾式施工によるものが知られている(特許文献2)。
特開2006−144298号公報 特開2005−002713号公報
一方、近年、大判タイルよりも遙かに大きなタイル、例えば長辺3m、短辺1.5m程度にも及び且つ厚みが5,6mm(場合によっては3mm程度)〜10mm程度の薄板状の超大型のタイル(本明細書では、超大判タイルと呼ぶ)が海外では開発されている。この超大判タイルは、接着剤だけで貼り付けられることによって、主に床材や内壁材あるいは天板材などとして用いられている。
しかしながら、超大判タイルは、軽量化のために薄く成形されているため、強度低下を招くあり溝をタイルの裏面に研削してグリップ金具で把持する特許文献2に記載の工法は適用が難しい。
また、タイル厚みを極力薄くして軽量化に努めても、依然として数十kgから100kg程度の重量があるため、モルタルや接着剤だけで壁面に取り付けるだけでは、タイルそのものの強度と外壁構造物としての支持力や耐久性に不安が残り、そのままでは外壁材としての使用が危惧される。
しかも、超大判タイルは、5〜10mm程度の薄さでぺらぺらして撓み易い上に数十kgから100kg程度の重量があるため、運搬時や施工の際などに取り扱い難いという問題を有している。特に、不陸調整が難しいという問題を有する。さらに、外壁材としての用途において必要とされる、万が一のための脱落防止対策も講じ難いという問題を伴う。
本発明は、外装材としての使用を可能とする超大判タイルユニットを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1記載のタイルユニットは、タイルとタイルを裏面側から支える骨組みとを備え、タイルと骨組みとは骨組みのタイルと対向する面に接着剤を塗布してタイルを接着させることにより複合パネルとしてユニット化され、骨組みは、第1の突条と第2の突条と鉛直方向に出没して不陸調整を行う不陸調整用ボルトとを有し建物躯体側の下地金物に載置されて固定される上框と、建物躯体に固定されず下段に配置される他のユニットの第1の突条あるいは建物躯体に固定された係止プレートと係合されて建物躯体の壁に対して接近離反する動きが規制される係合凹部を有する下框とを有し、上框を下地金物の上に載置して第2の突条を下地金物に取り付けて吊り下げられる一方、下框を下段のタイルの第1の突条あるいは建物躯体に固定された係止プレートと係合させることにより、タイルユニットの左右方向への水平移動を許容し並びに一定振幅を超えて出入り方向に揺動するときにのみその動きが制止されるように保持されるものである。
また、本発明にかかるタイルユニットは、上框の両端の少なくともいずれか一方に、少なくとも上の段に配置される他のタイルユニットの前方に配置されて他のタイルユニットのタイルの剥落を防ぐタイル剥落防止ブロックを備えることが好ましい。
また、本発明にかかるタイルユニットは、骨組みの横連結方向側の縦框に縦目地カバーを備え、該縦目地カバーの自由端を横に配置される他のタイルユニットの縦框に重なるように配置してなることが好ましい。
また、本発明にかかるタイルユニットは、タイルの裏面の骨組みによってバックアップされていない部分には、飛散防止膜が貼り付けられることが好ましい。
また、本発明にかかるタイルユニットは、第1の突条及び前記第2の突条には、建物躯体の壁面に対して水平旋回可能に備えられる足場繋ぎアームを貫通させる長孔を有することが好ましい。
また、本発明にかかるタイルユニットは、下框には、表側のタイルに向けて突出しタイルの下端に当接されるタイル受けが備えられていることが好ましい。
また、本発明にかかるタイル外壁面施工法は、請求項1記載のタイルユニットを準備する工程と、建物駆躰の壁に高さレベル及出入り方向への位置出しがされた下地金物を固定する工程と、タイルユニットのタイルの上框部分を下地金物に載置して吊り下げると共に、下框部分を下の段の他のタイルユニットの第1の突条あるいは建物躯体の壁面から一定の位置に保持される係止プレートに嵌合させると共に、必要に応じて不陸調整してから上框を下地金物に固定する工程とを備え、タイルユニットを下から上にさらには横方向に順次展開しながら建物躯体に下地金物を介して固定し外壁を構築することを特徴とするものである。
また、本発明にかかるタイル外壁面施工法において、下地金物は、建物駆躰の壁に直接固定される一次ブラケットと、該一次ブラケットの上に搭載されてタイルユニットの出入り方向へ調整移動可能に固定される二次ブラケットとから成り、一次ブラケットで高さレベルが出され、二次ブラケットで出入り方向への位置決めが設定されるものであることが好ましい。
また、本発明にかかるタイル外壁面施工法は、タイルユニットの四隅の他のタイルユニットとの間の目地部分に、タイルユニットの前方に配置されて上の段のタイルユニットのタイルの剥落を防ぐタイル剥落防止ブロックを配置することが好ましい。
また、本発明にかかるタイル外壁面施工法は、横に隣り合うタイルユニットの間には縦目地カバーが備えられるものであって、縦目地カバーは、先に建物躯体の壁に取り付けられるタイルユニットの他のタイルユニットが連結される側の縦框に備えられ、該縦目地カバーを後から建物躯体の壁に取り付けられる他のタイルユニットの縦框に重なるように配置することが好ましい。
請求項1記載の超大判タイルユニットでは、上框を下地金物に載せて固定する一方、下框側をフリーにして吊り下げているので、地震発生時に壁面にかかる応力や変形などに対してフリーとなる。このため、タイルが破損して脱落するようなことがほとんど考えられないか、あるいは極々少ないものとなる。しかも、重心が支点よりも下にあるため、落下し難く安定的に支持される。また、例えば地震時の強い横揺れが働いたときにも、タイルユニットが揺動せずに建物躯体と共に全体的に左右に水平移動するので、タイル同士の衝突もなければ、タイルに過大な歪みや応力や剪断力が作用することが少ないので、タイルが落下したり、損壊して落下することを防ぐことができる。
また、横揺れ時にもタイルユニットが揺動せずに建物躯体と共に全体的に左右に水平移動するため、目地の間隔が変動せず、一定に保たれるため、目地を必要以上に広く採る必要がなく、細くすることができる。このため、タイルの並びがすっきりしたデザインにすることができる。
また、薄く撓み易い超大判タイルが骨組みで補強されるため、取り扱い易く施工し易い。また、重量があっても、上框が下地金物に載せられて吊り下げられた状態で不陸調整用ボルトの押し出し量を制御することができるので、不陸調整が容易に実施できる。
本発明の超大判タイルユニットの一実施形態によって外壁を構築した一例を部分的に示す正面図である。 同外壁の縦断面図である。 上の段のタイルユニットの下框と下の段のタイルユニットの上框との関係を示す実施形態の一例を示す縦断面図である。 最も上段のタイルユニットの上框部分の構造の一実施形態を示す縦断面図である。 最も下段のタイルユニットの下框部分の構造の一実施形態を示す縦断面図である。 左右に展開されるタイルユニットの隣合う縦框部分の関係の一実施形態を示す横断面図である。 最も右端のタイルユニットの縦框部分の構造の一実施形態を示す横断面図である。 図6の隣合うタイルユニットとタイル剥落防止ブロックとの関係の一実施形態を示す正面図である。 図7の右端の上下に配置されるタイルユニットとタイル剥落防止ブロックとの関係の一実施形態を示す正面図である。 本発明の超大判タイルユニットの他の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の超大判タイルユニットの一実施形態によって外壁を構築する場合の足場繋ぎの一実施形態を示す縦断面図である。 図11に示す足場繋ぎの平面図である。
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図9に、本発明の超大判タイルユニットの実施形態の一例を示す。本実施形態のタイルユニット1は、超大判タイル(以下、単にタイルと呼ぶ)2と、該タイル2を裏面側から支える骨組み3とで構成されている。本実施形態のタイル2は、例えば横1.5m×縦3mほどの超大判タイルであって、軽量化のために例えば6mm程度の薄さの厚みに成形されている。
骨組み3は軽量で尚且つ強度に優れることが好ましく、例えばアルミ押出型材の使用が好ましい。本実施形態の場合、例えば図1に示すように、骨組み3は、上框4と下框5とこれらを連結する左右の縦框6並びに縦組子7と横組子8とで成る格子を組み合わせることによって田の字形に構成されている。ここで、骨組み3を構成する部材のうち、周縁に配置される上框4、下框5及び両縦框6の少なくとも4部材については、超大判タイル2のベース色と共色の粉体塗装で焼き付け塗装を行うことが好ましい。尚、アルミ型材同士の接合は一般には例えばビスホールと呼ばれるC形の畝を利用してタッピングビスをねじ込むことにより行われ、場所によってはアングルを介在させてタッピングビスがねじ込まれることによって行われる。
骨組み3の各框4,5,6並びに格子(縦組子7と横組子8)のタイル2の裏面と対する面は、タイル2に対し接着される面(以下、タイル接着面9と呼ぶ)であり、接着剤例えば弾性接着剤10の係着力を増すために表面が荒らされた粗面とされている。また、タイル接着面9には、裏面側に向けて貫通する孔11が少なくとも1つ、好ましくは複数開けられ、余分な弾性接着剤10が裏面側に漏れ出すように設けられている。
また、タイル接着面9の周縁には、例えば図3に示すように、ゴムスペーサ12が配置されると共にそのさらに内側にはバッカー材(バックアップ材とも呼ばれる)13が配置されている。ゴムスペーサ12として硬めのゴム材料例えばEPDMなどが採用されている。さらに、バッカー材13としては例えば発泡ポリスチレンや発泡ポリエチレンなどが採用されている。ゴムスペーサ12の配置により、骨組み3を構成する金物に直にタイル2が接触することを防ぐことができる。そして、バッカー材13で囲われた内側の空間に弾性接着剤10が充填される。弾性接着剤10は、タイル接着面9に開けられた穴11を通じてタイル接着面9の反対側の面に漏れ出して裏面に沿って径方向外側へ膨らみ、アンカーとして機能する。したがって、接着剤10の剥がれ止めとなる。これによって、弾性接着材10のタイル接着面9に対する係着力が強化される。しかも、穴11を通じて余分な弾性接着剤10が裏面側に漏れ出ることで、タイル裏面側においてバッカー材13及びゴムスペーサ12を乗り越えて弾性接着剤10が骨組み3の外側にはみ出るのを防ぐことができる。これにより、タイルユニット1の外観を損ねることがない。尚、ゴムスペーサ12並びにバッカー材13は、骨組み3の所定の位置に予め貼り付けられている。バッカー材13は弾性接着剤10を閉じ込めるようにタイル接着面9の全周に敷設され、タイル2とタイル接着面9とが弾性接着剤10の表面と裏面との二面でのみ接着されるように設けられている。他方、ゴムスペーサ12は、必ずしもバッカー材13の外周の全周面に設けられることはなく、場合によっては断続的に配置するようにしても良い。
また、タイル2の裏面の骨組み3によってバックアップされていない部分には、飛散防止膜14が貼り付けられている。飛散防止膜14としては、例えば、飛散防止フィルム(あるいはシート)やガラス繊維のメッシュであり、接着剤で貼ることが一例として挙げられる。
タイルユニット1は、例えば図3に示すように、骨組み3の上框4の部分が建物躯体の壁28に取り付けられた下地金物29に被せられるように載せられてから固定される、吊り下げ構造とされている。例えば、下地金物29に被せられる上框4は、下地金物29の内方への潜り込みを可能とするため背面側が開放された概略ハット形の型材が採用され、開口部(切り欠かれた部分)が壁28の方を向くように配置される。そして、下地金物29に被せられる上框4の上辺4aには、不陸調整用ボルト19が備えられると共に、上段に配置されるタイルユニット1の下框5の係止凹部22と嵌合して出入り方向(壁28に対して接近離反する方向)にのみ係止される第1の突条20と下地金物29と固定されるための第2の突条21とがタイル接着面9と平行に設けられている。
第1の突条20は、外側即ち上辺4aのタイル接着面9寄りに配置され、上段に配置されるタイルユニット1の下框5の係止凹部(雌部材)22と嵌合する係合凸部(雄部材)である。本実施形態の場合、第1の突条20は、例えば、上框4と一体成形の垂直に起立するプレートから成る。第1の突条20は、上段に配置される他のタイルユニット1の下框5の対向する係合凹部22と嵌合して、上段に吊り下げられた他のタイルユニット1の下端が出入り方向へ所定幅以上に揺れるのを阻止するためのものであるが、同時に横目地カバーを兼ねる。つまり、上下のタイルユニット1の間の隙間・目地16から奥が見えないように第1の突条20によって塞がれている。
第2の突条21は、上辺4aの第1の突条20よりも奥側(壁28)の端部から垂直に起立するプレート状の縁から成り、二次ブラケット31と連結されることによって、タイルユニット1を下地金物29を介して壁28に固定するためのものである。第2の突条21は、二次ブラケット31のC形チャンネル部37に締結用ボルト25の頭を側方から差し込み、ナット26を締め付けることで二次ブラケット21の任意の位置に固定するように設けられている。第2の突条21は、締結用ボルト25を貫通させる縦長な長孔24を有し、二次ブラケット21に対する締結用ボルト25の位置が鉛直方向に調整可能に設けられている。
また、第1の突条20と第2の突条21には、図11及び図12に示すように、足場(図示省略)を壁28に繋ぐ足場繋ぎ50の足場繋ぎアーム57を貫通させるための孔51,52が設けられている。孔51,52は、本実施例の場合、例えばタイル2の下端縁に沿って幅方向に横長な細長い窓(スリット)から成り、上段のタイルユニット1と下段のタイルユニット1との間の隙間である目地16の位置に設けられている。足場繋ぎ50は、例えば1800mmあるいは3600mmの間隔で設けられることが一般には要求される。したがって、1つのタイルユニット1の骨組み3の上框4には、少なくとも1箇所、好ましくは複数箇所例えば2箇所に足場繋ぎアーム57を通過させる細長い窓51,52が設けられる。ここで、足場繋ぎ50は、二次ブラケット31が存在しない所を選んで取り付けることが好ましいが、二次ブラケット31が配置された位置であっても、第1の突条20の窓52と第2の突条21の窓51と対応する高さ位置に足場繋ぎアーム57を通過させる細長い窓(図示省略)を二次ブラケット31に設けるのであれば、足場繋ぎ50を設置することが可能である。この場合には、二次ブラケット31と第1の突条20及び第2の突条21を貫通して足場繋ぎアーム57がタイル2の外に突出し、図示していない足場が連結される。
上框4の上辺4aには、当該上框4の内方へ向けて上下方向(鉛直方向)に出没可能な不陸調整用ボルト19が備えられている。例えば、本実施形態では、上辺4aの第1の突条20と第2の突条21との間に不陸調整用ボルト19を貫通させる透孔と、上辺4aの裏面側で不陸調整用ボルト19の回転を直進運動に変換するナット27を回転不能に収容するためのC形チャンネル部23とが設けられている。そして、C形チャンネル部23が形成する溝状空間にナット27を差し込んだ状態で不陸調整用ボルト19を上辺4aの上からねじ込むことで、不陸調整用ボルト19を任意の位置で上下方向に出没可能に備える。これにより、左右の不陸調整用ボルト19を回転させることでタイルユニット1の水平に対する傾き並びに高さを微調整することができる。尚、不陸調整用ボルト19は、図示の如きボルトとナットの組み合わせに限られず、上框4の上辺4aに直接雌ねじを切って、それに螺合させる押しボルトによって構成しても良い。
他方、下框5は、本実施形態の場合、図3あるいは図5に示すように、下段に配置される他のタイルユニット1の上框4の不陸調整用ボルト19、第2の突条21並びに二次ブラケット31などとの干渉を回避するため、背面の少なくとも下部並びに底辺が切り欠かれた逆L形の型材で構成されている。しかしながら、この断面形状に特に限定されるものではない。また、下框5には、建物躯体の壁面から一定の位置に保持される係止部材に嵌合してタイルユニット1の下部即ち下框5の部分が出入り方向に一定範囲内でのみ揺動し且つ水平方向並びに上下(鉛直)方向に移動し得るように設けられる。例えば、下段に配置される他のタイルユニット1の第1の突条20あるいは一次ブラケット30に固定される係止プレート39と係合してタイルユニット1の出入り方向への移動を規制する係合凹部22が下端に備えられている。係合凹部22は、例えば、本実施形態の場合、タイルユニット1を建物躯体の壁28に沿って配置したときに鉛直方向下向きに開口する箱形を成し、下段に配置される他のタイルユニット1の第1の突条20あるいは係止プレート39に対し奥側で当接する係止片22aと、第1の突条20あるいは係止プレート39に対し手前側で当接する係止片22bとを有し、それらの間の一定幅内で相対的に出入り方向に移動可能に収容される。
また、下框5には、タイル2側に向けて突出しタイル2の下端に当接するタイル受け48が備えられることが好ましい。このタイル受け48は、ユニット組み立て時におけるタイル2と骨組み3との位置決めを容易にするものであるが、仮に接着剤10の経年によるクリープ破壊(あるいはずれ)が起きたとしても、タイル2を受支えてずり落ちを防ぐ支持部材としても機能するものでもある。タイル受け48は、下框5を構成する部材例えばアルミ押出型材と一体に成形しても良いし、場合によっては別体にして独立した部品としても良い。尚、タイル受け48を下框5と別部品で構成する場合には、下框5のタイル接着面9の側の面における凹凸が不均一にならないので、下框5のアルミ押出型材の成型を容易にすることができる。他方、下框5とタイル受け48とをアルミ押出型材で一体成形する場合には、フランジ状のタイル受け48が下框5の全長(幅方向全域)にわたって形成できるので、タイル2を受支えてずり落ちを防ぐ支持部材としての機能が高まる。勿論、アルミ押出型材で一体成形する場合においても、成型後にフランジ状のタイル受け48の一部切り欠いて少なくとも1箇所、好ましくは複数箇所例えば幅方向の中央と左右の計3箇所にタイル受け48を残すようにして軽量化を図るようにしても良い。
本実施形態のタイル受け48は、例えば、50mm〜100mm程度の幅の鋼板を交互に90°折り曲げることによって、タイル2の下端面と当接するフランジ部48aと、タイル接着面9と平行な鉛直部48dと、フランジ部48aと平行な引っ掛け部48b及び鉛直部48dと平行なアンカー部48cとを有する略Z形の金具に形成された、アルミ押出型材から成る下框5とは別体の独立した部品として構成されている。このタイル受け48は、図10に示すように、下框5のタイル接着面9に明けられた細長い窓(スリット)49にアンカー部48cと引っ掛け部48bとを差し込んでから鉛直部48dをタイル接着面9に宛がうことで窓49に引っ掛けられ、その上からゴムスペーサ12とバッカー材13とが配置されて弾性接着剤10が塗布されることによって下框5に仮固定される。そして、上から貼り付けられるタイル2の自重によってタイル受け48は下框5に押しつけられながら共に固着される。尚、タイル受け48は、少なくとも1箇所、好ましくは複数箇所に備えられる。例えば幅1.5m×縦3mの本実施形態の超大判タイルの場合、タイル2の幅方向の少なくとも中央と左右両端の計3箇所に設けられることが好ましい。
下框5とタイル受け48とは、タイルユニット1の組み立ての際、下框5の細長い窓49に一端のアンカー部48cを潜らせて下框5のタイル接着面9を構成する辺の裏面側に差し込みながら、引っ掛け部48bを細長い窓49の縁に載せると共に鉛直部48dをタイル接着面9に宛がうようにして下框5に引っ掛けるようにセットされる。そして、弾性接着剤10がタイル接着面9に塗布される際に、その上にタイル2を貼り付けることで、タイル2と骨組み3・下框5との間に係止部材48が固着される。下框5にセットされたタイル受け48は、一端のフランジ部48aが骨組み3・下框5の下端縁でタイル2側に向けて突出するので、タイル2を貼り付ける際の位置決め部材として利用することができる。これにより、ユニット組み立て時のタイル2と骨組み3との位置決めが簡単になる。尚、フランジ部48aは、本実施形態の場合、例えばタイル2の厚みの半分程度にまで達する長さに形成されているが、このことに特に限定されるものではなく、少なくともタイル2の下端縁に引っ掛かる程度の長さを有していれば足りるし、またタイル2の表面よりも外に突出する長さであることが望ましい。また、タイル受け48の他端のアンカー部48cは窓49に充填される接着剤10の中に埋没し接着剤10の栓を蓋するように配置されるため、アンカー効果を発揮して下框5から容易に離脱することがないようにする。
縦框6は、本実施形態の場合、下框5と同じ断面形状の型材、即ち背面の少なくとも下部並びに底辺が切り欠かれた逆L形の型材が採用され、係合凹部22並びに開口部(切り欠かれた部分)が外側方を向くように配置されて上框4と下框5とを連結する。このように配置することで、係合凹部22がタイルユニット1の両側の縁に存在することとなることから、係合凹部22を利用して各種カバー部材などの取り付けを可能とする。
中骨は、本実施形態の場合、矩形断面の角パイプで構成されている。例えば、縦組子7は通しの1本ものであり、2分割された横組子8との連結は突き合わせた状態でアングルを介してタッピングビスで連結されて十字形に組み合わされている。
上述の骨組み3とタイル2とから成るタイルユニット1を建物躯体に固定する下地金物29は、特定の形状に限られるものではないが、本実施形態の場合、例えば建物躯体の壁28に直接固定される一次ブラケット30と、該一次ブラケット30に対して出入り方向(建物躯体に対して接近離反させる方向)に摺動可能に搭載されて任意の位置で一次ブラケット30に固定される二次ブラケット31とを有する。
一次ブラケット30は、例えば不等辺山形鋼(L形のアングル鋼)で構成され、長辺側をアンカー部材35例えばケミカルアンカーなどで建物躯体の壁28に固定される。一次ブラケット30の長辺側にはアンカー部材35の直径よりも大きな孔34が設けられ、壁28に対し上下左右方向にある程度移動可能に設けられている。これによって、一次ブラケット30は、壁28への取付時に上下方向に高さ調整が行われる。また、一次ブラケット30の短辺側、即ち壁28に対して垂直に突出する部分には、二次ブラケット31と一次ブラケット30とを締結するための締結用ボルト46が貫通される長孔38が出入り方向に長軸が配置されるようにあけられ、二次ブラケット31の固定位置が出入り方向に調整可能に設けられている。即ち、二次ブラケット31は、長孔38の範囲内で出入り方向への調整移動が許容され、締結用ボルト46によって任意の位置で固定される。尚、本実施形態の場合、一次ブラケット30は、図6に示すように、二列のタイルユニット1の間に跨がるように配置されて共用されるように配慮されているが、これに特に限られるものではなく、各タイルユニット1の列毎に独立して配置するようにしても良い。
他方、二次ブラケット31には、骨組み3の上框4を固定するための締結用ボルト25を建物躯体の壁28に沿って水平方向に移動可能に収容するC形チャンネル部37が設けられている。このC形チャンネル部37は、締結用ボルト25の頭部をスライド可能に嵌め込むためのものであり、ボルト頭部の二面幅よりも僅かに大きく且つボルト頭部の対角線長さよりも短い長さに相当する幅を有し、嵌合されるボルト頭部の回転を阻止しながらも摺動可能とする。また、二次ブラケット31は、十分な支持剛性を確保するため、十分に広い一次ブラケット30に当接される座面を確保するための底部プレート33を有する。そして、この底部プレート33には、当該二次ブラケット31を一次ブラケット30に固定するための締結用ボルト46の頭部を摺動可能でありながら回転不能に収めるC形チャンネル部32が備えられている。このC形チャンネル部32は壁38に沿って水平方向に締結用ボルト46の頭部を相対的にスライド可能にさせるものである。したがって、一次ブラケット30の長孔38を貫通した締結用ボルト46の頭部を二次ブラケット31の底部のC形チャンネル部32に側方から差し込んで収容すれば、締結用ボルト46のナット47を回転させるだけで一次ブラケット30の短辺に二次ブラケット31を締結することが可能となる。尚、二次ブラケット31はタイルユニット1の幅方向全域に通しで存在させる必要はなく、部分的に例えば少なくとも一次ブラケット30が設けられているところに存在すれば足りる。また、二次ブラケット31は、本実施形態の場合には二列のタイルユニット1の間に跨がるように配置されて共用されるように配慮されているが、これに特に限られるものではなく、各タイルユニット1の列毎に独立して配置するようにしても良い。
ここで、建物躯体の壁28に取り付けた後のタイルユニット1のタイル2が破損することは自然状態では考え難いが、何らかの不測の事故や衝突などで仮に破損が起こる場合にはタイルの縁、特に角部分での欠損が考えられる。この場合にも、弾性接着剤10で骨組み3に固着されているので落下することは防がれるが、接着剤の経年劣化などによる接着力の低下により剥落する可能性も全く無いとは言えない。勿論、定期検査においてそのような事故は未然に防がれるものであるが、より万全を尽くすため、本実施形態の場合、タイルユニット1の間の目地16には、何らかの不測の事故などでタイルの縁が欠損して骨組み3から剥落しようとするのを防ぐタイル剥落防止ブロック15が配置されている。このタイル剥落防止ブロック15は、タイルユニット1の前方側に配置されて通常時にはタイル2と接触しておらず、タイル2が壁28から離れる方向に揺れるときに当接して、それ以上の脱落方向への移動を抑えるように機能するものである。タイル剥落防止ブロック15は、例えばタイル2の前方に向けて突出するように上框4の上辺4aに固定された支持アーム18に支持されることによって、タイル2の前方に配置されている。また、タイル2に欠損が起こるとすれば、タイル2の縁、特に四隅の角2cの部分において起こることが考えられる。そこで、本実施形態では、タイル2の縦目地と横目地とが交わるタイル2の四隅の角2cの部分にタイル剥落防止ブロック15が備えられている。
尚、タイル2の四箇所の隅2cは、運搬中や骨組み3への貼り付け作業中などに欠け易いので、例えば図8に示すように、角落しされることが好ましい。そこで、4枚のタイルユニット1の隅2cが突き合わされる部分には、目隠しを兼ねるタイル剥落防止ブロック15が配置され、タイル剥落防止ブロック15に角落し部分が隠れるように配慮されることが好ましい。本実施形態の場合、タイル剥落防止ブロック15は、図8に示すように、例えば円板から成り、支持アーム18を上框4の上辺4aにビス止めなどで取り付けることによって、タイルの前面との間に一定のギャップを開けて平行に配置される。タイル剥落防止ブロック15の支持プレート18は、左右に並ぶタイルユニット1のいずれか一方の上框4にビス止めなどで固定される。これにより、左右ならびに上下に隣合うタイルユニット1の独立性が相互に担保される。本実施形態では、タイルユニット1の四隅に配置されているが、これに特に限られるものではなく、例えば図9に示すように少なくとも2つのタイルユニット1の間に跨がるように配置されることもあれば、場合によっては1つのタイルユニット1にのみ掛かるように配置されることもある。図9に示すように、上下に隣合うタイルユニット1の間に跨がるように配置されるタイル剥落防止ブロック15は、下段のタイルユニット1の上框4に取り付けられる。
左右に並べられるタイルユニット1の間には、例えば図6に示すように、縦目地カバー(目地隠し)17が備えられる。縦目地カバー17は、縦框6並びに上框4及び下框5の端にまで達する例えば帯状の樹脂プレートであり、その基部が例えば先に壁面に取り付けられるタイルユニット1の縦框6並びに上框4及び下框5の端部に予めビス止めされると共に、自由端側が後から隣に設置される他のタイルユニット1の縦框6並びに上框4及び下框5の端部に宛がわれるように当接することで、目地16の端から端までが覆われる。例えば、本実施形態の場合、縦框6は下框4と同じ横断面形状のアルミ押出型材が用いられているので、下框4の下端に備えられている係合凹部22に相当する部位が縦目地カバー17の基部を取り付けるための端部あるいは縦目地カバー17の自由端を宛がう端部としてそれぞれ利用されている。例えば、タイルユニット1の横連結方向が右から左に設定された本実施形態の場合には、縦目地カバー17の基部は、先に壁28に取り付けられるタイルユニット1の左側の縦框6の縁の係止凹部22の奥側の係止片22aにビス止めによって固定される。そして、後から壁28に取り付けられるタイルユニット1の右側の縦框6の係止凹部22の奥側の係止片22aには縦目地カバー17の自由端側が宛がわれる。これによって隣合うタイルユニット1の間に形成される隙間即ち目地16が縦目地カバー17で塞がれ、目地16の部分から奥が見通すことができない構造とされる。因みに、上下に配置されるタイルユニット1の間の目地16では、上段のタイルユニット1の下框5の係止凹部22に嵌合される下段のタイルユニット1の第1の突条20が嵌合されようにして配置されるので、この第1の突条20が上下に配置されるタイルユニット1の間の目地16を塞ぐ横目地カバー(目地隠し)として機能する。
また、最も上段に配置されるタイルユニット1の上縁部には、目隠しと雨水侵入防止対策を兼ねたカバーパネル41を備えることが好ましい。例えば、図4に示すように、第1の突条20と第2の突条21とを利用して、カバーパネル41が取り付けられる。カバーパネル41は、前下りの傾斜面からなる天井面と垂直に落ちる前面とを備え、後端縁側が第2の突条21から壁面(後方)側へ向けて張り出した支持プレート42に例えばビス止めで固定される一方、前端縁側が第1の突条20に例えばビス止めで固定されている。また、カバーパネル41の前方には、タイル剥落防止ブロック15がパネルの固定箇所を覆うように配置され、目隠しとされている。タイル剥落防止ブロック15は、上框4の上辺4aにビス止めされた支持プレート18によって支持される。
他方、最も下段に配置されるタイルユニット1の下縁部にも、目隠しと雨水侵入防止対策を兼ねたカバーパネル40を備えることが好ましい。例えば、図5に示すように、壁28に固定されている一次ブラケット30を利用して、下からの目隠しと雨水の浸入防止を兼ねたカバーパネル40が取り付けられる。同時に、一次ブラケット30には、下框5の係合凹部22と係合する第1の突条20に相当する係止プレート39が備えられている。係止プレート39は例えばL形を成し、一次ブラケット30に基部が締結用ボルト45で固定されて、垂直方向に起立する自由端が下框5の係合凹部22に侵入する位置となるように配置されている。また、本実施形態では、係止プレート39の自由端側には、例えばカバーパネル40の一端がねじ止めされると共に、さらにこのカバーパネル40を利用してタイル剥落防止ブロック15の支持プレート18が取り付けられている。
さらに、両端に配置されるタイルユニット1の外側の縦框6にも、目隠しと雨水侵入防止対策を兼ねたカバーパネル43が支持プレート44を介して取り付けられている。また、タイル剥落防止ブロック15も取り付けられる。
以上のように構成されるタイルユニット1によれば、予め工場で超大判タイル2と骨組み3とが組み立てられて、補強された複合パネルとしてユニット化されてから建築現場に搬入することができる。したがって、タイルユニット1は極めて撓みの少ない複合パネルとして取り扱い易く、施工し易い。
例えば、上述のタイルユニット1は例えば次のようにして建物躯体の壁28に簡単に取付けられる。まず、建物躯体の壁28に予め取り付けられた下地金物(ファスナー)29に、タイルユニット1の上框4の部分を被せるように載せてから第2の突条21を下地金物29に固定することによって吊り下げられる。
下地金物29は、一次ブラケット30が建物躯体の壁28の所定位置にケミカルアンカーボルト35などで固定される際に、高さレベル出し並びに水平レベル出しが実施される。ケミカルアンカーボルト35に対し、一次ブラケット30の孔34は大きめに設定されているので、一次ブラケットの上下左右方向の位置並びに傾きを調整することで、一次ブラケットの高さ位置、水平レベルなどが求められる。
壁28に固定された一次ブラケット30の上に二次ブラケット31を載せて出入り方向の位置調整を行って、壁28から一定の距離を離したところに固定する。即ち、位置レベル出しが行われる。尚、最も下段の下地金物29については、他の高さの一次ブラケット30とは異なり、天地逆向きに取り付けられ、タイルユニット1の背面に一次ブラケット30が完全に隠れるように配慮されて取付けられる。また、最下段の下地金物29については、二次ブラケット31に代えて、最下段のタイルユニット1の下框5の係合凹部22と嵌合させて出入り方向への位置出しを行う係止プレート39が取り付けられる。
次いで、タイルユニット1の上框4の部分を下地金物29の上、具体的には例えば二次ブラケット31の底部プレート33の上に被せるように引っかけて載せる。同時に、下框5の係合凹部22を最下段の下地金物29に支持される係止プレート39の先端の鉛直方向に延びる辺に嵌合させる。この状態で、二次ブラケット31のC形チャンネル部37に頭部を引っ掛けた締結用ボルト25を用いて、上框4の第2の突条21を二次ブラケット31に仮固定する。そして、タイルユニット1の左右に離して配置された2箇所の不陸調整用ボルト19を各々調整して高さ並びに水平出しを行う、いわゆる不陸調整を行う。これにより、タイルユニット1の出入り方向位置及び高さ位置出しと左右方向の傾き調整が行われる。同時に、タイルユニット1の目地16の位置が決まるので、例えば壁28に目地の位置を墨入れし、この目地の位置に合わせて、足場繋ぎ50を取り付ける位置即ちアンカー打ちの位置を位置出しする。尚、タイルユニット1の仮固定は、落下事故を防ぐための措置として行われるのが好ましいが、場合によっては仮固定せずに上述の各種位置出しや目地の位置出しが行われることもある。また、下から2段目以降のタイルユニット1からは、上側のタイルユニット1の下框5の係合凹部22が下側に配置されるタイルユニット1の上框4の第1の突条20と嵌合される。
一般に、建物躯体には、足場を繋ぐための足場繋ぎが予め設けられている。したがって、一般的なタイル貼り工法では、既設の足場繋ぎを利用して足場を構築してタイル貼り作業に入る。このとき、足場繋ぎの場所を残して周囲の壁面にタイルを貼り、貼り終えた後に、足場をばらし、足場繋ぎを取り外してから、残された壁面(足場繋ぎが存在していた場所)にタイルを貼る工法が採られている。大判タイル貼り工法の場合には、タイル貼り作業が二度手間となり煩わしいという問題があるが、そのような手順を採らざるを得ないのが実情である。しかしながら、例えば長さ3000mm×幅1500mmもの大きさがある超大判タイルの場合には、予め設けられた既存の足場繋ぎがタイルユニット1に隠れて使えなくなることもあることから、従来のタイル貼り工法を採ることはできない。
そこで、本実施形態にかかるタイル外壁面施工法では、既設の足場繋ぎが邪魔となる場合には、邪魔となる足場繋ぎを取り外してから、例えば上述したようにタイルの目地の位置に相当する位置に新たな足場繋ぎを設置して足場を繋ぐようにしている。例えば、図11及び図12に示すように、タイルユニット1の目地の位置に合わせて位置出しされた足場繋ぎ50を取り付ける位置にアンカー53を打ってファスナー金具55をアンカーボルト54で取り付ける。
次に、ファスナー金具55に足場繋ぎアーム57を締結ボルト56で旋回可能に連結する。つまり、目地16に合わせて先に足場繋ぎアーム57を取り付ける。そして、上述のアンカー53の打ち込み作業やファスナー金具55の取付作業を容易に行うために、下地金物29の上から一旦取り外されたタイルユニット1を、再度下地金物29の上に載せて、必要に応じて位置出しや不陸調整などを行ってから二次ブラケット31に上框4の第2の突条21を締結する。次いで、足場繋ぎアーム57を旋回させて第2の突条21と第1の突条20との細長い窓51,52を通してタイルユニット1の目地16の間からタイル2の外に飛び出させる。そして、この足場繋ぎアーム57の先端に足場繋ぎ金具58を締結ボルト59によって着脱可能に取り付け、該足場繋ぎ金具58を介して図示していない足場を壁28に連結する。図示していない足場と足場継ぎ金具58とは、足場ボルト60によって連結される。しかして、タイルユニット1の目地16の部分において出没する足場繋ぎアーム57を介して、図示していない足場と建物躯体の壁28とが連結される。
尚、足場繋ぎ50の設置に際しては、タイルユニット1を下地金物29の上に載せてから目地の位置を求める上述の手順に必ずしもよるものではなく、一次ブラケット30の取付位置を示す墨出し線を基準にアンカー53を打ち込む位置を予め墨出ししておいて、タイルユニット1を載せる前に、予めアンカー53とファスナー金具55並びに足場繋ぎアーム57を取り付けることも可能である。この場合には、各種調整のためには仮固定された第2の突条21と二次ブラケット31とは、一旦取り外される工程が不要となるため、調整がとれた時点で締結用ボルト25を締め増して完全締結を図ることができる。
尚、タイルユニット1には、下地金物29に取り付ける前に、タイルユニット1の連結されて行く側の縦框6例えば横連結方向が右から左へと展開される本実施形態の場合には左縦框に目地隠しカバー17が予めビス留めなどで取り付けられている。また、タイルユニット1の上框4の上辺4aの両端あるいはいずれか一端には、タイル剥落防止ブロック15が取り付けられる。タイル剥落防止ブロック15は全てのタイルユニット1の角あるいは縁に掛かるように配置されることが望まれるが、全てのタイルユニット1の骨組み3に取り付けて支持する必要はない。
以上の作業を繰り返し、タイルユニット1を下から上へ、更には横方向へ順次設置する。そして、一番上の段までタイルユニット1が設置されると、横の列例えば壁に向かって左横に次のタイルユニット1の列を貼り付ける。これを繰り返しながら横方向に連結を展開して行く。このとき、先に壁に取り付けられたタイルユニット1の左の縦框6に予めビス留めなどで固定されている縦目地カバー17の先端が、固定しようとするタイルユニット1の右の縦框6に重なるように配置される。これにより、隣り合うタイルユニット1の間の目地16には縦目地カバー17が配置されることとなるので、左右のタイルユニット1の間の目地16から奥の壁面が見えないように隠される。しかも、タイルユニット1の大部分が拘束されることなく吊り下げられて壁面を構成することができる。
タイルユニット1の壁28への取付が全て完了した後は、足場解体に伴って、足場が切り離された足場繋ぎアーム57は、建物躯体の壁28側へ旋回させて目地16の奥に隠される。
以上のようにして施工されたタイル外装は、骨組み3の上框4の部分が下地金物29(二次ブラケット31及び一次ブラケット30)を介して建物躯体の壁28に固定されることにより、下地金物29に吊り下げられる取付構造となる。つまり、タイルユニット1は上框4の第2の突条21のみが二次ブラケット31のC形チャンネル部分37に締結され、2カ所の不陸調整用ボルト19を介して二次ブラケット31の底部プレート33並びに一次ブラケット30に載置されている。他方、骨組み3の下框5の部分は、1段下の他のタイルユニット1の上框4の第1の突条20あるいは最下段のタイルユニット1においては一次ブラケット30に固定された係止プレート39に係合凹部22が係合されることによって、一定振幅を超えて出入り方向に揺動するときにのみその動きが制止されるように保持される。つまり、下框5の揺動が下段の他のタイルユニット1の上框4の第1の突条20あるいは係止プレート39によって一定範囲内で収められて増幅されないように抑制される。また、左右のタイルユニット1の間は相互に連結されず、下地金物29を介して上框4の部分だけで建物躯体の壁28に固定されている。
したがって、タイルユニット1は、地震発生時や暴風などに晒される時に建物躯体の壁28にかかる応力や変形などに対してフリーとなる。しかも、重心が支点(不陸調整用ボルト19と二次ブラケット31との設置点)よりも下にあるため、落下し難く安定的に支持される。このため、タイル2が破損して脱落することもない。また、例えば地震時の強い横揺れが働いたときにも、タイルユニット1が揺動せずに建物躯体と共に全体的に左右に水平移動する。そして、タイルユニット1が全体的に左右にスライドするので、タイル同士の衝突もなければ、タイルに過大な歪みや応力や剪断力が作用することが少ないので、タイルが落下したり、損壊して落下することが少ない。また、目地16の間隔が変動せず、一定に保たれるため、必要に応じて目地16を細くすることができる。例えば、10数mmあるいは10mm程度にすることで、タイルの並びがスマートですっきりしたものにできる。しかも、目地16は、奥の方に配置される縦目地カバー17及び第1の突条20によって遮蔽されるため、奥深く立体感のある印象を与え、タイル外装の美観を一層引き立てる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
1 タイルユニット
2 タイル(超大判タイル)
3 骨組み
4 上框
5 下框
6 縦框
9 タイル接着面
10 弾性接着剤
15 タイル剥落防止ブロック
16 目地
17 縦目地カバー
18 支持プレート
19 不陸調整用ボルト
20 第1の突条
21 第2の突条
22 係止用凹部

Claims (10)

  1. タイルと前記タイルを裏面側から支える骨組みとを備え、
    前記タイルと前記骨組みとは前記骨組みの前記タイルと対向する面に接着剤を塗布して前記タイルを接着させることにより複合パネルとしてユニット化され、
    前記骨組みは、第1の突条と第2の突条と鉛直方向に出没して不陸調整を行う不陸調整用ボルトとを有し建物躯体側の下地金物に載置されて固定される上框と、前記建物躯体に固定されず下段に配置される他のユニットの前記第1の突条あるいは前記建物躯体に固定された係止プレートと係合されて前記建物躯体の壁に対して接近離反する動きが規制される係合凹部を有する下框とを有し、
    前記上框を前記下地金物の上に載置して前記第2の突条を前記下地金物に取り付けて吊り下げられる一方、前記下框を下段のタイルの前記第1の突条あるいは前記建物躯体に固定された係止プレートと係合させることにより、前記タイルユニットの左右方向への水平移動を許容し並びに一定振幅を超えて出入り方向に揺動するときにのみその動きが制止されるように保持する
    ことを特徴とするタイルユニット。
  2. 前記タイルユニットの前記上框の両端の少なくともいずれか一方に、少なくとも上の段に配置される他の前記タイルユニットの前方に配置されて前記他のタイルユニットの前記タイルの剥落を防ぐタイル剥落防止ブロックを備える請求項1記載のタイルユニット。
  3. 前記骨組みの横連結方向側の縦框に縦目地カバーを備え、該縦目地カバーの自由端を横に配置される他のタイルユニットの縦框に重なるように配置してなる請求項1または2記載のタイルユニット。
  4. 前記タイルの裏面の前記骨組みによってバックアップされていない部分には、飛散防止膜が貼り付けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のタイルユニット。
  5. 前記第1の突条及び前記第2の突条には、建物躯体の壁面に対して水平旋回可能に備えられる足場繋ぎアームを貫通させる長孔を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のタイルユニット。
  6. 前記下框には、表側の前記タイルに向けて突出し前記タイルの下端に当接されるタイル受けが備えられている特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のタイルユニット。
  7. 請求項1記載のタイルユニットを準備する工程と、
    建物駆躰の壁に高さレベル及出入り方向への位置出しがされた下地金物を固定する工程と、
    前記タイルユニットのタイルの前記上框部分を前記下地金物に載置して吊り下げると共に、前記下框部分を下の段の他の前記タイルユニットの前記第1の突条あるいは前記建物躯体の壁面から一定の位置に保持される係止プレートに嵌合させると共に、必要に応じて不陸調整してから前記上框を前記下地金物に固定する工程とを備え、
    前記タイルユニットを下から上にさらには横方向に順次展開しながら前記建物躯体に前記下地金物を介して固定し外壁を構築することを特徴とするタイル外壁面施工法。
  8. 前記下地金物は、前記建物駆躰の壁に直接固定される一次ブラケットと、該一次ブラケットの上に搭載されて前記タイルユニットの出入り方向へ調整移動可能に固定される二次ブラケットとから成り、前記一次ブラケットで高さレベルが出され、前記二次ブラケットで出入り方向への位置決めが設定されるものである請求項記載のタイル外壁面施工法。
  9. 前記タイルユニットの四隅の他の前記タイルユニットとの間の目地部分に、前記タイルユニットの前方に配置されて上の段の前記タイルユニットの前記タイルの剥落を防ぐタイル剥落防止ブロックを配置することを特徴とする請求項7または8記載のタイル外壁面施工法。
  10. 横に隣り合う前記タイルユニットの間には縦目地カバーが備えられるものであって、前記縦目地カバーは、先に前記建物躯体の壁に取り付けられるタイルユニットの他の前記タイルユニットが連結される側の縦框に備えられ、該縦目地カバーを後から前記建物躯体の壁に取り付けられる他のタイルユニットの縦框に重なるように配置することを特徴とする請求項7から9のいずれか1つに記載のタイル外壁面工法。
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