JP6714845B2 - ウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
前記ハウジングの第2端部が閉塞されているため、ウォーム減速機の組立時において、前記付勢構造は、ハウジングの第1端部側の開口を通して、ハウジングの内奥側(第2端部側)部分に組み入れられる。このため、組立性が悪い。
請求項4のように、請求項1〜3の何れか一項において、前記軸受ホルダは、前記第2軸受の外輪(43)の外周(43a)に嵌合し前記ウォームホイール側に開放するC字形の嵌合部(51;91)を含んでいてもよい。
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか一項のウォーム減速機を介して電動モータの動力をステアリングシャフト(6)に伝達する電動パワーステアリング装置(1)を提供する。
また、蓋部材の案内部によって、前記ウォームシャフトの第2端部を前記付勢部材の付勢方向及び付勢方向の反対方向へ円滑に案内することができる。
請求項4の発明では、軸受ホルダがウォームホイール側に開放するC字形の嵌合部を含む。このため、ウォームシャフトの第2端部が第1端部側へ近づくようにウォームシャフトを軸方向に小型化しても、軸受ホルダがウォームホイールと干渉するおそれがない。可及的に、ウォームシャフトの軸方向に関してウォーム減速機を小型化することができる。
請求項6の発明では、組立性に優れた電動パワーステアリング装置を実現することができる。
(第1実施形態)
図1を用いて、本発明の第1実施形態のウォーム減速機を含む電動パワーステアリング装置の概要について説明する。図1は、本発明の第1実施形態のウォーム減速機を含む電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
操舵機構4は、ステアリングホイール2の回転に連動して回転するステアリングシャフト6を備えている。ステアリングシャフト6は、入力シャフト7a、出力シャフト7b、インターミディエイトシャフト9、及び、ピニオンシャフト11を含む。入力シャフト7aは、ステアリングホイール2(操舵部材)に連結されている。
転蛇機構Aは、ラックシャフト12及びタイロッド13を有している。ラックシャフト12は、ピニオン11aに噛み合ったラック12aを有している。タイロッド13は、一端がラックシャフト12に連結されて、他端が転蛇輪3に連結されている。
トルクセンサ21は、入力シャフト7aと出力シャフト7bとの間の捩れ量を検出する。ECU16は、トルクセンサ21により検出された捩れ量から得られる操舵トルクT及び図示しない車速センサにより検出された車速Vに基づいて、アシストトルクを決定する。電動モータ14は、ECU16により駆動制御される。ウォーム減速機15は、電動モータ14の回転力を出力シャフト7bに伝達する。その結果、アシストトルクが出力シャフト7bに付与されて、運転者のステアリング操作が補助される。
ウォーム減速機15は、図2に示すように、ハウジング17、ウォームシャフト18、第1軸受33、第2軸受34、ウォームホイール19、及び、付勢部を有している。ウォームシャフト18、第1軸受33、第2軸受34、ウォームホイール19及び付勢部は、ハウジング17内に収容されている。
第1回転要素23は、ボス26と、フランジ27と、複数の係合突起29とを含む。ボス26は、ウォームシャフト18の第1端部18aに嵌合固定されている。フランジ27は、ボス26から径方向外方に延びる。複数の係合突起29は、フランジ27から第2回転要素24に向けて軸方向Xに突出する。複数の係合突起29は、回転方向Z(周方向に相当)に互いに回転方向Zに間隔を空けて配置されている。
芯金部19aは、出力シャフト7bの外周に嵌合されて、出力シャフト7bと一体回転する。歯部19bは、例えば樹脂材料からなり、環状に形成されている。なお、本発明は、電動モータ14のトルクをピニオンシャフト11の上流の出力シャフト7bに付与する、本実施形態のコラムアシストタイプに限られない。例えば、電動モータ14のトルクをピニオンシャフト11に付与するピニオンアシストタイプであっても良く、この場合には、ウォームホイール19は、ピニオンシャフト11に固定される。
第1軸受33は、例えばころがり軸受により構成されている。第1軸受33は、内輪35、外輪37及び複数の転動体を有している。内輪35は、ウォームシャフト18の第1端部18aの外周に嵌合されて、ウォームシャフト18と一体回転する。外輪37は、ハウジング17に設けられた軸受孔36に嵌合されている。外輪37は、軸受孔36の端部の位置決め段部38と軸受孔36に螺合された止定部材39との間で軸方向に挟持されている。第1軸受33は、内部隙間を有している。
第2軸受34は、例えばころがり軸受により構成されている。第2軸受34は、内輪40、外輪43及び複数の転動体を有している。第2軸受34は、ハウジング17の保持孔61に収容されている。内輪40は、ウォームシャフト18の第2端部18bに嵌合されて、ウォームシャフト18と一体回転する。内輪40の一方の端面は、ウォームシャフト18の第2端部18bに形成された位置決め段部42に当接している。
保持孔61は、ウォームシャフト18の第2端部18bを第1方向Y1及び第2方向Y2に移動可能に軸受ホルダ50を保持すべく、偏倚孔に形成されている。第1方向Y1は、ウォームシャフト18とウォームホイール19との芯間距離D1(ウォームシャフト18の中心軸C1とウォームホイール19の中心軸C2との距離)が増加する方向である。第2方向Y2は、芯間距離D1が減少する方向である。第2方向Y2は、ばね座形成部52に対する圧縮コイルばね70の付勢方向に相当する。第1方向Y1は、圧縮コイルばね70の付勢方向の反対方向に相当する。
図2に示すように、ウォームシャフト18の第1端部18aは、電動モータ14に近い側の端部であり、ウォームシャフト18の第2端部18bは、電動モータ14から遠い側の端部である。すなわち、ウォームシャフト18は、第1端部18aが開口部17cから離れた位置に配置され且つ第2端部18bが開口部17cに近い位置に配置されるように、ハウジング18内に収容されている。
ウォーム減速機15は、保持孔61の開口部17cを外側から覆う状態でハウジング17に取り付けられた蓋部材44を備える。ウォーム減速機15は、緩衝部材240を備える。
図10に示すように、ユニット部Uは、ウォーム減速機15の組立時において、開口部17cを通してハウジング17内に組み入れ可能な大きさに設定されている。
図2、図7及び図8に示すように、蓋部材44は、蓋部材本体44aと、案内部としてのキー44bと、一対の係合凸部44cとを備えている。蓋部材44は、樹脂又は金属によって形成されている。蓋部材本体44aは、円形板状に形成されている。蓋部材本体44aは、外周44dと、内面(ウォームシャフト18側の面)である第1端面44eと、外面である第2端面44fと含む。
図7に示すように、蓋部材44のキー44bは、圧縮コイルばね70の付勢方向(第2方向Y2)から見て、T字形に形成されたT字形突起からなる。キー44bは、蓋部材本体44aと一体に形成された一体キーである。キー44bは、第2方向Y2に長手に延びている。
図3に示すように、嵌合部51は、第2軸受34の外輪43の外周43aの少なくとも半周に嵌合するC字形に形成されている。嵌合部51のなすC字形は、第2方向Y2(ウォームホイール19側)に向けて開放している。
図4及び図6に示すように、本体241には、蓋部材44のキー44bとの干渉を避ける切欠きからなる逃げ部243が形成されている。図3に示すように、係合爪242は、第2軸受34の外輪43から径方向外方に離隔している。
図2に示すように、保持孔61の内周61cにおいて、軸受ホルダ50の嵌合部51の第1方向Y1側の部分に、第1ストッパ部170が設けられている。第1ストッパ170部は、第2隙間S20を介して、軸受ホルダ50の嵌合部51の外周51aと対向している。
図2に示すように、第1ばね座55は、ウォームシャフト18の第2端部18bの端面18dに、軸方向Xに隣り合うように配置されている。第1ばね座55は、径方向に関して中心軸C1に比較的近い位置に配置されることになる。このため、温度変化によってばね座形成部52の寸法が変化しても、第1ばね座55の位置の変化が小さい。したがって、圧縮コイルばね70のセット長が変化し難く、付勢荷重が安定する。
図5に示すように、蓋部材44の一対の係合凸部44cは、ユニット部U単独の状態で軸受ホルダ50と係合して、軸受ホルダ50を介して圧縮コイルばね70の付勢荷重を受ける。具体的には、係合凸部44cは、ばね座形成部52の第2方向Y2側(ウォームホイール19側)の端部52bと係合する。
したがって、図5に示すように、保持孔61に組み込む前のユニット部Uでは、圧縮コイルばね70が係合面44nに及ぼす付勢力が、ばね座形成部52の端部52bを軸方向外方X2へ促す力成分を持つ。これにより、係合面44nからの端部52bの離脱を抑制することができるので、ユニット部Uのユニット化の状態が安定して保持される。
第1サブアセンブリ組立工程(ステップS1)では、図5に示すように、蓋部材44、軸受ホルダ50、圧縮コイルばね70及び緩衝部材240を含むユニット部Uが第1サブアセンブリSA1として組み立てられる。具体的には、図8に示すように、蓋部材44の収容部44jに圧縮コイルばね70を収容しつつ、緩衝部材240が予め組み付けられた軸受ホルダ50のキー溝52aに、蓋部材44のキー44bをキー結合させる。
第2アセンブリ組立工程(ステップS2)では、図10に示すように、ウォームシャフト18の第1端部18aに第1軸受33及び動力伝達継手20が組み付けられ、且つ第2端部18bに第2軸受34が組み付けられた第2サブアセンブリSA2が組み立てられる。
第2サブアセンブリ組付工程では、図12(a)に示すように、第2サブアセンブリSA2が、ウォームシャフト18の第2端部18b側から、軸方向外方X2に向けて、ハウジング17の収容部17a内に組み入れられる。第2サブアセンブリSA2は、ハウジング17の他端側から第1サブアセンブリSA1(ユニット部U)側へ向けて収容部17a内に組み入れられ、図12(b)に示すように、第2サブアセンブリSA2の第2軸受34が、ユニット部Uの軸受ホルダ50の嵌合部51に嵌合保持される。
また、蓋部材44のキー44b(案内部)と軸受ホルダ50のキー溝52a(被案内部)とのキー結合により、蓋部材44と軸受ホルダ50とをユニット化しつつ、ウォームシャフト18の第2端部18bを案内する機能を達成することができる。
また、軸受ホルダ50が、ウォームホイール19側に開放するC字形の嵌合部51を含む。このため、ウォームシャフト18の第2端部18bが第1端部18a側へ近づくようにウォームシャフト18を軸方向Xに小型化しても、軸受ホルダ50がウォームホイール19と干渉するおそれがない。可及的に、ウォームシャフト18の軸方向Xに関してウォーム減速機15を小型化することができる。
また、本実施形態では、付勢部材(圧縮コイルばね70)は、ばね座形成部52(軸受ホルダ50)及び第2軸受34を介してウォームシャフト18の第2端部18bを付勢しており、ウォームシャフト18の第2端部18bを直接的に付勢していない。そのため、ロストルクが抑制される。
また、第1サブアセンブリSA1を組み立てる工程において、圧縮コイルばね70が、蓋部材44の係合凸部44cに係合した軸受ホルダ50を係合凸部44cに付勢することで、第1サブアセンブリSA1(ユニット部U)の各部品が安定してユニット化される。このため、図11(a)及び(b)に示すように、組み立てられた第1サブアセンブリSA1をハウジング17に組み付ける工程において、第1サブアセンブリSA1の部品がばらけることを抑制することができ、組み付け作業性が向上する。
(第2実施形態)
図13〜図18に基づいて、本発明の第2実施形態のウォーム減速機15Pを説明する。
図13の第2実施形態のウォーム減速機15Pが図2の第1実施形態のウォーム減速機15と主に異なるのは、下記である。
また、第2実施形態では、図15及び図16に示すように、ユニット部UPは、蓋部材80、軸受ホルダ90及び圧縮コイルばね70(付勢部材)を含む。すなわち、蓋部材80、軸受ホルダ90及び圧縮コイルばね70が、ユニット部UPとしてユニット化されている。
図17は、ユニット部UPの分解斜視図である。図18は、軸受ホルダ90の斜視図である。図14、図17及び図18に示すように、軸受ホルダ90は、ばね座形成部(受け座形成部)としての嵌合部91と、一対の平板部92とを含む。軸受ホルダ90は、ウォームシャフト18の軸方向X(図14において紙面と直交する方向)から見て、逆U字形形状に形成されている。軸受ホルダ90は、ウォームシャフト18の軸方向Xに対向する一対の端面90a,90bを有している。
図13及び図17に示すように、蓋部材80は、蓋部材本体81と、フランジ82と、案内部としての案内支持部83とを含む。
フランジ82は、蓋部材本体81の外周81cから径方向外方に延設されている。フランジ82は、ハウジング17の端面17b(開口部17cの周囲部分)に当接している。すなわち、フランジ82は、ハウジング17の端面17bに当接する当接部82aを含む。
図17に示すように、案内支持部83は、 包囲部84と、一対の第1フランジ85と、一対の第2フランジ86とを含む。包囲部84は、ウォームシャフト18の軸方向Xから見て、第2方向Y2に開放する略C字形形状に形成されている。図14に示すように、包囲部84は、軸受ホルダ90のC字形の嵌合部91の外面91c及び一対の平板部92の被案内面96(外側面)を包囲する。
図14及び図17に示すように、一対の第1案内面87は、被案内面96を介して、ウォームシャフト18の軸方向X及び第2方向Y2の双方と直交する直交方向Kへの、軸受ホルダ90の移動を規制しつつ、軸受ホルダ90を第1方向Y1及び第2方向Y2に案内する。
各第1フランジ85と対応する第2フランジ86とは、軸方向Xに対向する第2案内面85a,86aを有している。第2案内面85a,86aは、軸受ホルダ90の一対の端面90a,90bに沿う。第2案内面85a,86aは、ウォームシャフト18の軸方向Xへの、軸受ホルダ90の移動を規制しつつ、軸受ホルダ90を第1方向Y1及び第2方向Y2に案内する。
本実施形態のウォーム減速機15Pでは、組立時において、開口部17cを外側から塞ぐように蓋部材80をハウジング17に組み付けるときに、蓋部材80とユニット化された軸受ホルダ90及び圧縮コイルばね70(付勢部材)が、蓋部材80とともに一括して組み付けられる。すなわち、蓋部材80、軸受ホルダ90、及び圧縮コイルばね70をユニット部UPとして一括してハウジング17の一端の開口部17cの外側からハウジング17内に組み込むことができ、組立性が向上する。
また、軸受ホルダ90が、ウォームホイール19側に開放するC字形の嵌合部91を含む。このため、ウォームシャフト18の第2端部18bが第1端部18a側へ近づくようにウォームシャフト18を軸方向Xに小型化しても、軸受ホルダ90がウォームホイール19と干渉するおそれがない。可及的に、ウォームシャフト18の軸方向Xに関してウォーム減速機15Pを小型化することができる。
また、ウォーム減速機15Pの製造方法は、図9の第1実施形態で示された製造工程と同じ製造工程で製造される。このため、第2実施形態の製造方法においても、第1実施形態の製造方向と同じ作用効果を奏することができる。
その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
Claims (6)
- 一端に開口部を有するハウジングと、
前記ハウジングに収容されて、電動モータに連結される軸方向の第1端部及び前記第1端部の反対側の第2端部を有するウォームシャフトと、
前記ウォームシャフトと噛み合うウォームホイールと、
前記ハウジングに対して前記第1端部を回転可能に支持する第1軸受と、
前記第2端部を回転可能に支持する第2軸受と、
前記第2軸受を保持する軸受ホルダと、
前記軸受ホルダを支持し、前記開口部を外側から塞ぐ状態で前記ハウジングに取り付けられた蓋部材と、
前記軸受ホルダと前記蓋部材との間に介在し、前記ウォームシャフトが前記ウォームホイールに近づくように前記ハウジングに対して前記軸受ホルダ及び前記第2軸受を介して前記第2端部を付勢する付勢部材と、を備え、
前記蓋部材、前記軸受ホルダ、及び前記付勢部材が、ユニット化されており、
前記蓋部材は、前記軸受ホルダの被案内部と係合して、前記付勢部材の付勢方向及び前記付勢方向の反対方向への、前記軸受ホルダの移動を案内する案内部を含むウォーム減速機。 - 請求項1において、前記案内部は、前記ウォームシャフトの前記軸方向及び前記付勢部材の前記付勢方向の双方と直交する直交方向への、前記軸受ホルダの移動を規制しつつ案内する第1案内面と、前記ウォームシャフトの前記軸方向への、前記軸受ホルダの移動を規制しつつ案内する第2案内面と、を含むウォーム減速機。
- 請求項1又は2において、前記案内部は、前記被案内部とキー結合されているウォーム減速機。
- 請求項1〜3の何れか一項において、前記軸受ホルダは、前記第2軸受の外輪の外周に嵌合し前記ウォームホイール側に開放するC字形の嵌合部を含むウォーム減速機。
- 請求項1〜4の何れか一項において、前記軸受ホルダと前記ハウジングとの間に配置された緩衝部材を備え、
前記蓋部材、前記軸受ホルダ、前記付勢部材、及び前記緩衝部材が、ユニット化されているウォーム減速機。 - 請求項1〜5の何れか一項のウォーム減速機を介して電動モータの動力をステアリングシャフトに伝達する電動パワーステアリング装置。
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