JP6714845B2 - ウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

ウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、ウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置に関する。
電動モータの回転出力をステアリングシャフトに伝達する電動パワーステアリング装置のウォーム減速機において、電動モータに駆動連結される第1端部と第1端部の反対側の第2端部とを有するウォームシャフトと、ステアリングシャフトに連結されるウォームホイールとの間のバックラッシを抑制するために、付勢部材によってウォームシャフトの第2端部をウォームホイール側に付勢する構造が種々提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特許文献1の付勢構造では、ウォームシャフトが、軸受を貫通して軸受から軸方向外方に突出する延設部を含んでおり、圧縮コイルばねが、その延設部に嵌合するフッ素樹脂コーティングされたブッシュを介して、延設部をウォームホイール側に付勢している。
特開2010−116150号公報
特許文献1では、ウォームシャフトを収容するハウジングは、電動モータのモータハウジングと連結される電動モータ側の第1端部と、前記第1端部の反対側の端部であってウォームシャフトの第2端部とウォームシャフトの軸方向に対向する第2端部とを備えている。
前記ハウジングの第2端部が閉塞されているため、ウォーム減速機の組立時において、前記付勢構造は、ハウジングの第1端部側の開口を通して、ハウジングの内奥側(第2端部側)部分に組み入れられる。このため、組立性が悪い。
そこで、本発明は、組立性に優れたウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、一端に開口部(17c)を有するハウジング(17)と、前記ハウジングに収容されて、電動モータ(14)に連結される軸方向(X)の第1端部(18a)及び前記第1端部の反対側の第2端部(18b)を有するウォームシャフト(18)と、前記ウォームシャフトと噛み合うウォームホイール(19)と、前記ハウジングに対して前記第1端部を回転可能に支持する第1軸受(33)と、前記第2端部を回転可能に支持する第2軸受(34)と、前記第2軸受を保持する軸受ホルダ(50;90)と、前記軸受ホルダを支持し、前記開口部を外側から塞ぐ状態で前記ハウジングに取り付けられた蓋部材(44;80)と、前記軸受ホルダと前記蓋部材との間に介在し、前記ウォームシャフトが前記ウォームホイールに近づくように前記ハウジングに対して前記軸受ホルダ及び前記第2軸受を介して前記第2端部を付勢する付勢部材(70)と、を備え、前記蓋部材、前記軸受ホルダ、及び前記付勢部材が、ユニット化されており、前記蓋部材は、前記軸受ホルダの被案内部(5a)と係合して、前記付勢部材の付勢方向(Y2)及び前記付勢方向の反対方向(Y1)への、前記軸受ホルダの移動を案内する案内部(44b;83)を含むウォーム減速機(15;15P)を提供する。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ
請求項のように、請求項において、前記案内部は、前記ウォームシャフトの前記軸方向及び前記付勢部材の前記付勢方向の双方と直交する直交方向(K)への、前記軸受ホルダの移動を規制しつつ案内する第1案内面(44s,44t; 87)と、前記ウォームシャフトの前記軸方向への、前記軸受ホルダの移動を規制しつつ案内する第2案内面(44u,44v;85a,86a)と、を含んでいてもよい。
請求項のように、請求項又はにおいて、前記案内部は、前記被案内部とキー結合されていてもよい。
請求項のように、請求項1〜の何れか一項において、前記軸受ホルダは、前記第2軸受の外輪(43)の外周(43a)に嵌合し前記ウォームホイール側に開放するC字形の嵌合部(51;91)を含んでいてもよい。
請求項のように、 請求項1〜の何れか一項において、前記軸受ホルダと前記ハウジングとの間に配置された緩衝部材(240)を備え、前記蓋部材、前記軸受ホルダ、前記付勢部材、及び前記緩衝部材が、ユニット化されていてもよい。
請求項の発明は、請求項1〜の何れか一項のウォーム減速機を介して電動モータの動力をステアリングシャフト(6)に伝達する電動パワーステアリング装置(1)を提供する。
請求項1の発明では、組立時において、開口部を外側から塞ぐように蓋部材をハウジングに組み付けるときに、蓋部材とユニット化された軸受ホルダ及び付勢部材が、蓋部材とともに一括して組み付けられる。このため、組立性に優れる。
また、蓋部材の案内部によって、前記ウォームシャフトの第2端部を前記付勢部材の付勢方向及び付勢方向の反対方向へ円滑に案内することができる。
請求項の発明では、第1案内面によって、ウォーム軸の軸方向及び付勢方向の双方と直交する直交方向への、軸受ホルダの移動を規制しつつ案内し、且つ、第2案内面によって、ウォーム軸の軸方向への、軸受ホルダの移動を規制しつつ案内することで、軸受ホルダ及び第2軸受を介して前記ウォームシャフトの第2端部を付勢方向及び付勢方向の反対方向へ円滑に案内することができる。
請求項の発明によれば、蓋部材の案内部と軸受ホルダの被案内部とのキー結合により、蓋部材と軸受ホルダをユニット化しつつ、ウォームシャフトの第2端部を案内する機能を達成することができる。
請求項の発明では、軸受ホルダがウォームホイール側に開放するC字形の嵌合部を含む。このため、ウォームシャフトの第2端部が第1端部側へ近づくようにウォームシャフトを軸方向に小型化しても、軸受ホルダがウォームホイールと干渉するおそれがない。可及的に、ウォームシャフトの軸方向に関してウォーム減速機を小型化することができる。
請求項の発明では、蓋部材、軸受ホルダ、付勢部材、及び緩衝部材がユニット化されているので、緩衝部材を別途に組み込む場合と比較して組立性に優れる。
請求項の発明では、組立性に優れた電動パワーステアリング装置を実現することができる
本発明の第1実施形態のウォーム減速機が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 第1実施形態のウォーム減速機の要部の断面図である。 第1実施形態において、ウォーム減速機の要部の断面図である。 第1実施形態において、蓋部材、軸受ホルダ、付勢部材及び緩衝部材を含むユニット部の斜視図である。 第1実施形態において、前記ユニット部の断面図である。 第1実施形態において、前記ユニット部の軸受ホルダ及び緩衝部材の分解斜視図である。 第1実施形態において、前記ユニット部の分解斜視図である。 第1実施形態において、前記ユニット部の別角度からの分解斜視図である。 第1実施形態のウォーム減速機の製造工程を示す工程図である。 第1実施形態のウォーム減速機の製造工程であって、第2サブアセンブリの組立工程を示す概略図である。 (a)及び(b)は、第1実施形態のウォーム減速機の製造工程であって、第1サブアセンブリとしてのユニット部をハウジングに組み付ける工程を示す概略断面図である。 (a)及び(b)は、第1実施形態のウォーム減速機の製造工程であって、ウォームシャフトを含む第2サブアセンブリを組み付ける工程を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態のウォーム減速機の要部の断面図である。 図13のXVI−XVI断面図であり、付勢部の断面を示している。 第2実施形態において、蓋部材、軸受ホルダ及び付勢部材を含む第1サブアセンブリとしてのユニット部の断面図である。 第2実施形態において、ユニット部の斜視図である。 第2実施形態において、ユニット部の分解斜視図である。 第2実施形態において、軸受ホルダの斜視図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1を用いて、本発明の第1実施形態のウォーム減速機を含む電動パワーステアリング装置の概要について説明する。図1は、本発明の第1実施形態のウォーム減速機を含む電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
電動パワーステアリング装置1は、操舵機構4及び転蛇機構Aを備え、運転者のステアリングホイール2(操舵部材)の操作に基づき、転舵輪3を転舵させる。操舵機構4は、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構5を備えている。
操舵機構4は、ステアリングホイール2の回転に連動して回転するステアリングシャフト6を備えている。ステアリングシャフト6は、入力シャフト7a、出力シャフト7b、インターミディエイトシャフト9、及び、ピニオンシャフト11を含む。入力シャフト7aは、ステアリングホイール2(操舵部材)に連結されている。
出力シャフト7bは、トーションバー7cを介して、入力シャフト7aに連結されている。また、出力シャフト7bは、自在継手8を介してインターミディエイトシャフト9に連結されている。インターミディエイトシャフト9は、自在継手10を介して、ピニオン11aを有するピニオンシャフト11に連結されている。
転蛇機構Aは、ラックシャフト12及びタイロッド13を有している。ラックシャフト12は、ピニオン11aに噛み合ったラック12aを有している。タイロッド13は、一端がラックシャフト12に連結されて、他端が転蛇輪3に連結されている。
運転者のステアリングホイール2の操作に応じて、ステアリングホイール2が回転すると、入力シャフト7a、出力シャフト7b及びインターミディエイトシャフト9を介して、ピニオンシャフト11が回転する。ピニオンシャフト11の回転は、転舵機構Aにより、ラックシャフト12の軸方向の往復運動に変換される。ラックシャフト12の軸方向の往復運動により、転舵輪3の転舵角が変化する。
アシスト機構5は、トルクセンサ21、ECU(Electronic Control Unit) 16、電動モータ14、及び、ウォーム減速機15を有している。
トルクセンサ21は、入力シャフト7aと出力シャフト7bとの間の捩れ量を検出する。ECU16は、トルクセンサ21により検出された捩れ量から得られる操舵トルクT及び図示しない車速センサにより検出された車速Vに基づいて、アシストトルクを決定する。電動モータ14は、ECU16により駆動制御される。ウォーム減速機15は、電動モータ14の回転力を出力シャフト7bに伝達する。その結果、アシストトルクが出力シャフト7bに付与されて、運転者のステアリング操作が補助される。
図2を用いて、本発明の第1実施形態のウォーム減速機について説明する。図2は、本発明の第1実施形態のウォーム減速機の要部の断面図である。
ウォーム減速機15は、図2に示すように、ハウジング17、ウォームシャフト18、第1軸受33、第2軸受34、ウォームホイール19、及び、付勢部を有している。ウォームシャフト18、第1軸受33、第2軸受34、ウォームホイール19及び付勢部は、ハウジング17内に収容されている。
ウォームシャフト18は、軸方向Xに離隔する第1端部18a及び第2端部18bと、第1端部18a及び第2端部18b間の中間部の歯部18cとを有している。ウォームシャフト18は、ハウジング17の収容部17aに収容されている。ウォームシャフト18は、電動モータ14の出力軸14aと同軸上に配置されている。ウォームシャフト18の第1端部18aは、電動モータ14の出力軸14aの端部と軸方向Xに対向している。ウォームシャフト18の第1端部18aと電動モータ14の出力軸14aの端部とは、動力伝達継手20を介して、トルク伝達可能に連結されている。
動力伝達継手20は、第1回転要素23、第2回転要素24及び中間要素25を有している。第1回転要素23は、ウォームシャフト18の第1端部18aに一体回転可能に固定されている。第2回転要素24は、電動モータ14の出力軸14aの端部に一体回転可能に固定されている。
第1回転要素23は、ボス26と、フランジ27と、複数の係合突起29とを含む。ボス26は、ウォームシャフト18の第1端部18aに嵌合固定されている。フランジ27は、ボス26から径方向外方に延びる。複数の係合突起29は、フランジ27から第2回転要素24に向けて軸方向Xに突出する。複数の係合突起29は、回転方向Z(周方向に相当)に互いに回転方向Zに間隔を空けて配置されている。
第2回転要素24は、本体28と、複数の係合突起30とを含む。本体28は、電動モータ14の出力軸14aに嵌合固定されている。複数の係合突起30は、第1回転要素23に向けて軸方向Xに突出している。複数の係合突起30は、回転方向Z(周方向に相当)に互いに回転方向Zに間隔を空けて配置されている。第1回転要素23の係合突起29と第2回転要素24の係合突起30とは、互いに回転方向Zに間隔を空けて交互に配置されている。
中間要素25は、径方向外方に放射状に延びる複数の係合突起32を備えている。複数の係合突起32のそれぞれは、回転方向Zにおける第1回転要素23の係合突起29と第2回転要素24の係合突起30との間に配置されている。そのため、電動モータ14の出力軸14aのトルクは、第2回転要素24、中間要素25及び第1回転要素23を介して、ウォームシャフト18に伝達される。加えて、中間要素25は、弾性部材により構成されている。そのため、第1回転要素23は、第2回転要素24に対して、揺動可能に構成されている。すなわち、ウォームシャフト18は、電動モータ14の出力軸14aに揺動可能に連結されている。
ウォームホイール19は、芯金部19a及び歯部19bを有している。芯金部19aは、例えば金属材料からなり、環状に形成されている。
芯金部19aは、出力シャフト7bの外周に嵌合されて、出力シャフト7bと一体回転する。歯部19bは、例えば樹脂材料からなり、環状に形成されている。なお、本発明は、電動モータ14のトルクをピニオンシャフト11の上流の出力シャフト7bに付与する、本実施形態のコラムアシストタイプに限られない。例えば、電動モータ14のトルクをピニオンシャフト11に付与するピニオンアシストタイプであっても良く、この場合には、ウォームホイール19は、ピニオンシャフト11に固定される。
歯部19bは、芯金部19aの外周に嵌合されて、芯金部19aと一体回転する。歯部19bの外周面には、ウォームシャフト18の歯部18cの歯と噛み合う歯19cが形成されている。
第1軸受33は、例えばころがり軸受により構成されている。第1軸受33は、内輪35、外輪37及び複数の転動体を有している。内輪35は、ウォームシャフト18の第1端部18aの外周に嵌合されて、ウォームシャフト18と一体回転する。外輪37は、ハウジング17に設けられた軸受孔36に嵌合されている。外輪37は、軸受孔36の端部の位置決め段部38と軸受孔36に螺合された止定部材39との間で軸方向に挟持されている。第1軸受33は、内部隙間を有している。
本実施形態では、動力伝達継手20の中間要素25が弾性部材により構成され、かつ、複数の転動体と内輪35及び外輪37との間には、僅かな隙間が設定されている。そのため、ウォームシャフト18は、第1軸受33の中心Bを支点として、ハウジング17に対して揺動可能に支持されている。
第2軸受34は、例えばころがり軸受により構成されている。第2軸受34は、内輪40、外輪43及び複数の転動体を有している。第2軸受34は、ハウジング17の保持孔61に収容されている。内輪40は、ウォームシャフト18の第2端部18bに嵌合されて、ウォームシャフト18と一体回転する。内輪40の一方の端面は、ウォームシャフト18の第2端部18bに形成された位置決め段部42に当接している。
図2ないし図8を用いて、ウォーム減速機15の付勢部の詳細について説明する。図3は、ウォーム減速機15の要部の一部の断面図である。図4は、ウォーム減速機15のサブアセンブリを構成するユニット部Uの斜視図であり、図5はユニット部Uの断面図である。図6は、ユニット部Uの要部の分解斜視図である。図7は、ユニット部Uの一方向からの分解斜視図であり、図8は、ユニット部Uの別方向からの分解斜視図である。
図2に示すように、本実施形態の付勢部は、受け座形成部材としてのばね座形成部52が設けられた軸受ホルダ50と、付勢部材としての圧縮ばねを提供する圧縮コイルばね70とを有している。付勢部材(圧縮コイルばね70)は、ウォームシャフト18がウォームホイール19に近づくように、第1軸受33の中心Bを支点として、ハウジング17に対してばね座形成部52及び第2軸受34を介してウォームシャフト18の第2端部18bをウォームホイール19側に付勢する。
ハウジング17は、軸受ホルダ50を介して第2軸受34を保持する保持孔61を有している。軸受ホルダ50及び圧縮コイルばね70は、ウォームシャフト18の第2端部18b及び第2軸受34とともに、保持孔61に収容されている。
保持孔61は、ウォームシャフト18の第2端部18bを第1方向Y1及び第2方向Y2に移動可能に軸受ホルダ50を保持すべく、偏倚孔に形成されている。第1方向Y1は、ウォームシャフト18とウォームホイール19との芯間距離D1(ウォームシャフト18の中心軸C1とウォームホイール19の中心軸C2との距離)が増加する方向である。第2方向Y2は、芯間距離D1が減少する方向である。第2方向Y2は、ばね座形成部52に対する圧縮コイルばね70の付勢方向に相当する。第1方向Y1は、圧縮コイルばね70の付勢方向の反対方向に相当する。
ハウジング17に設けられた保持孔61は、収容部17aに連通する軸方向Xの貫通孔からなる。保持孔61の一端(軸方向外方X2側の端部)は、ハウジング17の端面17bに開口する開口部17cを介してハウジング17外へ開放されている(図11も参照)。
図2に示すように、ウォームシャフト18の第1端部18aは、電動モータ14に近い側の端部であり、ウォームシャフト18の第2端部18bは、電動モータ14から遠い側の端部である。すなわち、ウォームシャフト18は、第1端部18aが開口部17cから離れた位置に配置され且つ第2端部18bが開口部17cに近い位置に配置されるように、ハウジング18内に収容されている。
保持孔61の内周61cにおいて、保持孔61の前記一端に、拡径部61aが形成されている。保持孔61の内周61cにおいて、拡径部61aのウォームシャフト18側の端部には、段部61dが形成されている。段部61dは、ハウジング17の端面17bの向く方向と同方向に向いている。
ウォーム減速機15は、保持孔61の開口部17cを外側から覆う状態でハウジング17に取り付けられた蓋部材44を備える。ウォーム減速機15は、緩衝部材240を備える。
図4及び図5に示すように、蓋部材44、軸受ホルダ50、圧縮コイルばね70、及び緩衝部材240が、ユニット部Uとしてユニット化されている。図2に示すように、ユニット部Uは、保持孔61に収容され、保持されている。ユニット部Uの蓋部材44は、開口部17cを外側から塞ぐ状態でハウジング17に取り付けられている。
図10に示すように、ユニット部Uは、ウォーム減速機15の組立時において、開口部17cを通してハウジング17内に組み入れ可能な大きさに設定されている。
図2に示すように、蓋部材44は、ハウジング17の保持孔61に固定され、蓋部材44によって軸受ホルダ50が支持されている。すなわち、保持孔61は、蓋部材44を介して軸受ホルダ50を間接的に保持している。軸受ホルダ50は、第2軸受34を保持している。圧縮コイルばね70は、蓋部材44と軸受ホルダ50との間に介在している。図6に示すように、緩衝部材240は、ハウジング17と軸受ホルダ50との間に介在するC字形の部材である。
具体的には、図2に示すように、緩衝部材240は、ハウジング17の保持孔61の内周61cと内周61cに対向する軸受ホルダ50の外周との間に介在し、保持孔61と軸受ホルダ50との接触打音の発生を抑制する。緩衝部材240は、弾性を有するゴム又は樹脂により形成されている。
図2、図7及び図8に示すように、蓋部材44は、蓋部材本体44aと、案内部としてのキー44bと、一対の係合凸部44cとを備えている。蓋部材44は、樹脂又は金属によって形成されている。蓋部材本体44aは、円形板状に形成されている。蓋部材本体44aは、外周44dと、内面(ウォームシャフト18側の面)である第1端面44eと、外面である第2端面44fと含む。
図2に示すように、蓋部材本体44aは、保持孔61の前記一端の拡径部61aに圧入嵌合されて、保持孔61の前記一端を閉塞する。すなわち、蓋部材本体44aの外周44dが、保持孔61の内周61cの拡径部61aに圧入嵌合されている。蓋部材本体44aの第1端面44eが保持孔61の段部61bに当接することにより、蓋部材44が、軸方向Xに位置決めされている。
図7に示すように、蓋部材本体44aの第1端面44eから、案内部としてのキー44bが、突出形成されている。また、図8に示すように、第1端面44eから、一対の係合凸部44cが、突出形成されている。
図7に示すように、蓋部材44のキー44bは、圧縮コイルばね70の付勢方向(第2方向Y2)から見て、T字形に形成されたT字形突起からなる。キー44bは、蓋部材本体44aと一体に形成された一体キーである。キー44bは、第2方向Y2に長手に延びている。
蓋部材本体44aの第2端面44fには、ユニット部Uを保持孔61内に組み込むときに、蓋部材44を保持孔61の周方向に位置決めする表示部としての矩形溝44pが形成されている。矩形溝44pは、キー44bと平行に第2方向Y2に延びている。矩形溝44pは、例えば、開口部17cの周縁部に設けられた凹部等の表示部(図示せず)に対して位置合わせされる。表示部としては、凸部、凹部、塗料の塗布部等を用いることができる。
図6に示すように、軸受ホルダ50は、嵌合部51と、嵌合部51の軸方向外方X2側の部分に配置された端壁状のばね座形成部52とを備える。軸受ホルダ50は、ポリアミド樹脂等の樹脂材料により一体成形されている。
図3に示すように、嵌合部51は、第2軸受34の外輪43の外周43aの少なくとも半周に嵌合するC字形に形成されている。嵌合部51のなすC字形は、第2方向Y2(ウォームホイール19側)に向けて開放している。
第2軸受34の外輪43は、軸受ホルダ50のC字形の嵌合部51から嵌合部51の開放側(ウォームホイール19側)へ突出している。図2に示すように、第2軸受34の外輪43においてウォームホイール19に近い部分(嵌合部51からウォームホイール19側へ突出する部分)と、保持孔61の内周61cとの間に、隙間S10が形成されている。このため、例えば、ウォームホイール19の歯部19bが磨耗した場合であっても、ウォームシャフト18は、常にウォームホイール19側に向けて付勢される。
図6に示すように、嵌合部51の外周51aには、周方向に延びる保持溝51bが形成されている。保持溝51bに、緩衝部材240が嵌合されて保持される。緩衝部材240は、C字形の本体241と、本体241の一対の周方向端部241aにそれぞれ形成されて内向きに突出するアングル状の係合爪242とを備える。
図4及び図6に示すように、本体241には、蓋部材44のキー44bとの干渉を避ける切欠きからなる逃げ部243が形成されている。図3に示すように、係合爪242は、第2軸受34の外輪43から径方向外方に離隔している。
図4及び図6に示すように、軸受ホルダ50のC字形の嵌合部51は、一対の周方向端部51cに、係合凹部51dを形成している。図4及び図8に示すように、緩衝部材240の各係合爪242が、軸受ホルダ50の対応する係合凹部51dに引っ掛け係合されている。これにより、緩衝部材240が、軸受ホルダ50に保持されている。
図2に示すように、保持孔61の内周61cにおいて、軸受ホルダ50の嵌合部51の第1方向Y1側の部分に、第1ストッパ部170が設けられている。第1ストッパ170部は、第2隙間S20を介して、軸受ホルダ50の嵌合部51の外周51aと対向している。
第1方向Y1に関して、緩衝部材240の厚みが、第2隙間S20の隙間量よりも大きくされている。悪路走行時の振動等により、ウォームシャフト18がウォームホイール19から跳ね上げられた場合に、保持孔61の第1ストッパ部170が、嵌合部51の外周51aと当接し、軸受ホルダ50の第1方向Y1への過度な移動を規制する。これにより、圧縮コイルばね70の劣化やウォームホイール19の破損が抑制される。
図4及び図7に示すように、ばね座形成部52は、蓋部材44のキー44b(案内部)とキー結合する被案内部としてのキー溝52aと、第1受け座としての第1ばね座55とを含む。
図2に示すように、第1ばね座55は、ウォームシャフト18の第2端部18bの端面18dに、軸方向Xに隣り合うように配置されている。第1ばね座55は、径方向に関して中心軸C1に比較的近い位置に配置されることになる。このため、温度変化によってばね座形成部52の寸法が変化しても、第1ばね座55の位置の変化が小さい。したがって、圧縮コイルばね70のセット長が変化し難く、付勢荷重が安定する。
図7に示すように、第1ばね座55は、第2方向Y2に関してキー溝52aの底に形成され、図2に示すように、圧縮コイルばね70の第1端部71を受ける。図7に示すように、キー溝52aは、圧縮コイルばね70の付勢方向(第2方向Y2)から見て、T字形に形成されたT字形溝からなる。キー溝52aは、第1方向Y1に向けて開放されている。
図7に示すように、案内部としてのキー44bは、第1案内面44s,44tと、第2案内面44u,44vとを含む。第1案内面44s及び第1案内面44tは、キー44bにおいて、ウォームシャフト18の軸方向X及び圧縮コイルばね70の付勢方向(第2方向Y2)の双方と直交する直交方向Kに対向する面である。第1案内面44s及び第1案内面44tは、キー溝52aの対応する内面と係合することにより、ウォームシャフト18の軸方向X及び圧縮コイルばね70の付勢方向(第2方向Y2)の双方と直交する直交方向Kへの、軸受ホルダ50の移動を規制しつつ、軸受ホルダ50を付勢方向(第2方向Y2)とその反対方向(第1方向Y1)に案内する。
第2案内面44u及び第2案内面44vは、キー44bにおいて、ウォームシャフト18の軸方向Xに対向する面である。第2案内面44u及び第2案内面44vは、キー溝52aの対応する内面と係合することにより、ウォームシャフト18の軸方向Xへの、軸受ホルダ50の移動を規制しつつ、軸受ホルダ50を付勢方向(第2方向Y2)とその反対方向(第1方向Y1)に案内する。
図4及び図7に示すように、蓋部材44のキー44b(案内部)が、軸受ホルダ50のキー溝52a(被案内部)とキー結合して、圧縮コイルばね70の付勢方向(第2方向Y2)及び付勢方向の反対方向(第1方向Y1)への、軸受ホルダ50の移動を案内する。 図2及び図5に示すように、蓋部材44のキー44bは、第1ばね座55に対して第1方向Y1に対向する対向面44hを有している。キー44bは、対向面44hを貫通して、圧縮コイルばね70の一部を収容する円孔からなる収容部44jを形成している。
第1方向Y1に関する、収容部44jの底に、圧縮コイルばね70の第2端部72を受ける第2受け座としての第2ばね座44kが配置されている。収容部44jの内周面に、圧縮コイルばね70の外径部を支持して圧縮コイルばね70の倒れを抑制するばねガイド44mが形成されている。
図5に示すように、蓋部材44の一対の係合凸部44cは、ユニット部U単独の状態で軸受ホルダ50と係合して、軸受ホルダ50を介して圧縮コイルばね70の付勢荷重を受ける。具体的には、係合凸部44cは、ばね座形成部52の第2方向Y2側(ウォームホイール19側)の端部52bと係合する。
図2及び図5に示すように、ばね座形成部52の端部52bと係合する係合凸部44cの係合面44nは、ウォームシャフト18側に向かうにしたがって、第1方向Y1に変位する傾斜面に形成されている。
したがって、図5に示すように、保持孔61に組み込む前のユニット部Uでは、圧縮コイルばね70が係合面44nに及ぼす付勢力が、ばね座形成部52の端部52bを軸方向外方X2へ促す力成分を持つ。これにより、係合面44nからの端部52bの離脱を抑制することができるので、ユニット部Uのユニット化の状態が安定して保持される。
なお、図2に示すように、保持孔61に組み込み後のユニット部Uでは、軸受ホルダ50に対して、ウォームシャフト18の第2端部18bの第2軸受34が嵌合された状態では、圧縮コイルばね70が縮められて、軸受ホルダ50のばね座形成部52の端部52bが、係合凸部44cに対して第1方向Y1に離隔する。このため、ウォーム減速機15の組立状態において、ウォームシャフト18の第2端部18bが第2方向Y2に変位することが、係合凸部44cによって妨げられることがない。
次いで、本実施形態のウォーム減速機15の製造方法は、図9の工程図に示すように、第1サブアセンブリ(ユニット部U)組立工程(ステップS1)と、第2アセンブリ組立工程(ステップS2)と、第1サブアセンブリ組付工程(ステップS3)と、第2サブアセンブリ組付工程(ステップS4)とを順次に含む。
第1サブアセンブリ組立工程(ステップS1)では、図5に示すように、蓋部材44、軸受ホルダ50、圧縮コイルばね70及び緩衝部材240を含むユニット部Uが第1サブアセンブリSA1として組み立てられる。具体的には、図8に示すように、蓋部材44の収容部44jに圧縮コイルばね70を収容しつつ、緩衝部材240が予め組み付けられた軸受ホルダ50のキー溝52aに、蓋部材44のキー44bをキー結合させる。
また、図5に示すように、ばね座形成部52の第2方向Y2側の端部52bと蓋部材44の係合凸部44cとを係合させる。これにより、圧縮コイルばね70の付勢力が,係合凸部44cの傾斜面からなる係合面44nに与えられる。このため、ユニット部Uのユニット化の状態が安定保持される。
第2アセンブリ組立工程(ステップS2)では、図10に示すように、ウォームシャフト18の第1端部18aに第1軸受33及び動力伝達継手20が組み付けられ、且つ第2端部18bに第2軸受34が組み付けられた第2サブアセンブリSA2が組み立てられる。
第1アセンブリ組付工程(ステップS3)では、図11(a)及び(b)に示すように、第1サブアセンブリSA1として組み立てられたユニット部Uの蓋部材44がハウジング17の開口部17cを外側から塞ぐようにして、第1サブアセンブリSA1(ユニット部U)がハウジング17に組み付けられる。
第2サブアセンブリ組付工程では、図12(a)に示すように、第2サブアセンブリSA2が、ウォームシャフト18の第2端部18b側から、軸方向外方X2に向けて、ハウジング17の収容部17a内に組み入れられる。第2サブアセンブリSA2は、ハウジング17の他端側から第1サブアセンブリSA1(ユニット部U)側へ向けて収容部17a内に組み入れられ、図12(b)に示すように、第2サブアセンブリSA2の第2軸受34が、ユニット部Uの軸受ホルダ50の嵌合部51に嵌合保持される。
本実施形態のウォーム減速機15では、組立時において、開口部17cを外側から塞ぐように蓋部材44をハウジング17に組み付けるときに、蓋部材44とユニット化された軸受ホルダ50及び圧縮コイルばね70(付勢部材)が、蓋部材44とともに一括して組み付けられる。すなわち、蓋部材44、軸受ホルダ50、及び圧縮コイルばね70をユニット部Uとして一括してハウジング17の一端の開口部17cの外側からハウジング17内に組み込むことができ、組立性が向上する。
また、蓋部材44の案内部(キー44b)によって、軸受ホルダ50を介してウォームシャフト18の第2端部18bを圧縮コイルばね70の付勢方向(第2方向Y2)及び付勢方向の反対方向(第1方向Y1)へ円滑に案内することができる。
また、蓋部材44のキー44b(案内部)と軸受ホルダ50のキー溝52a(被案内部)とのキー結合により、蓋部材44と軸受ホルダ50とをユニット化しつつ、ウォームシャフト18の第2端部18bを案内する機能を達成することができる。
また、ユニット部Uが緩衝部材240を含むので、緩衝部材240を別途に組み込む場合と比較して、組立性が一層向上する。
また、軸受ホルダ50が、ウォームホイール19側に開放するC字形の嵌合部51を含む。このため、ウォームシャフト18の第2端部18bが第1端部18a側へ近づくようにウォームシャフト18を軸方向Xに小型化しても、軸受ホルダ50がウォームホイール19と干渉するおそれがない。可及的に、ウォームシャフト18の軸方向Xに関してウォーム減速機15を小型化することができる。
また、軸受ホルダ50のC字形の嵌合部51に、第2軸受34を圧入する必要がない。したがって、圧入に起因する嵌合面(嵌合部51の内面)のクリープの発生を抑制して、第2軸受34からの軸受ホルダ50の脱落を抑制することができる。
また、本実施形態では、付勢部材(圧縮コイルばね70)は、ばね座形成部52(軸受ホルダ50)及び第2軸受34を介してウォームシャフト18の第2端部18bを付勢しており、ウォームシャフト18の第2端部18bを直接的に付勢していない。そのため、ロストルクが抑制される。
また、本実施形態の製造方法によれば、第1サブアセンブリSA1を、ハウジング17の一端の開口部17cの外側から、第1サブアセンブリSA1の蓋部材44が開口部17cを塞ぐようにしてハウジング17に組み付けるので、組立性が向上する。
また、第1サブアセンブリSA1を組み立てる工程において、圧縮コイルばね70が、蓋部材44の係合凸部44cに係合した軸受ホルダ50を係合凸部44cに付勢することで、第1サブアセンブリSA1(ユニット部U)の各部品が安定してユニット化される。このため、図11(a)及び(b)に示すように、組み立てられた第1サブアセンブリSA1をハウジング17に組み付ける工程において、第1サブアセンブリSA1の部品がばらけることを抑制することができ、組み付け作業性が向上する。
(第2実施形態)
図13〜図18に基づいて、本発明の第2実施形態のウォーム減速機15Pを説明する。
図13は、第2実施形態のウォーム減速機15Pの要部の断面図である。図14は、ユニット部UPの断面図である。図15は、ユニット部UPの斜視図である。図16は、ユニット部UPの分解斜視図である。
図13の第2実施形態のウォーム減速機15Pが図2の第1実施形態のウォーム減速機15と主に異なるのは、下記である。
図2の第1実施形態では、圧縮コイルばね70がウォームシャフト18の第2端部18bないし第2軸受34の軸方向外方X2に配置されている。これに対して、図13の第2実施形態では、圧縮コイルばね70が、第2軸受34の径方向外方であって第2軸受34に対してウォームホイール19の反対側に配置されている。
また、第2実施形態では、図15及び図16に示すように、ユニット部UPは、蓋部材80、軸受ホルダ90及び圧縮コイルばね70(付勢部材)を含む。すなわち、蓋部材80、軸受ホルダ90及び圧縮コイルばね70が、ユニット部UPとしてユニット化されている。
図13に示すように、ユニット部UPの蓋部材80は、軸受ホルダ90を支持した状態で、ハウジング17の開口部17cを外側から塞ぐ状態でハウジング17に取り付けられている。
図17は、ユニット部UPの分解斜視図である。図18は、軸受ホルダ90の斜視図である。図14、図17及び図18に示すように、軸受ホルダ90は、ばね座形成部(受け座形成部)としての嵌合部91と、一対の平板部92とを含む。軸受ホルダ90は、ウォームシャフト18の軸方向X(図14において紙面と直交する方向)から見て、逆U字形形状に形成されている。軸受ホルダ90は、ウォームシャフト18の軸方向Xに対向する一対の端面90a,90bを有している。
図13及び図14に示すように、嵌合部91は、第2軸受34の外輪43の外周43aに嵌合し第2方向Y2に向かって開くC字形に形成されている。嵌合部91は、一対の第2方向Y2側の端部91aを含む。一対の平板部92は、嵌合部91の一対の端部91aから第2方向Y2にストレートに延びている。これにより、ウォームシャフト18の軸方向Xから見て、軸受ホルダ90は、全体として、逆U字形形状に形成されている。
図17及び図18に示すように、 嵌合部91は、第2方向Y2に向くC字形の内面91bと、第1方向Y1に向く外面91cとを含む。図18に示すように、外面91cには、ばね端支持部としての凹部93が形成されている。図14及び図15に示すように、凹部93の内壁面によって第1ばねガイド94が形成されている。凹部93の底面によって、圧縮コイルばね70の第1端部71を受ける第1ばね座95が形成されている。図13に示すように、第1ばね座95は、第2軸受34の径方向外方に配置されている。
図14、図17及び図18に示すように、一対の平板部92は、嵌合部91の一対の端部91aから第2方向Y2にストレートに延びている。一対の平板部92は、ウォームシャフト18の軸方向X及び付勢方向(第2方向Y2)の双方と直交する直交方向Kに対向する。一対の平板部92の外側面に、一対の被案内面96が形成されている。
図13及び図17に示すように、蓋部材80は、蓋部材本体81と、フランジ82と、案内部としての案内支持部83とを含む。
図13に示すように、蓋部材本体81は、ウォームシャフト18側の第1端面81aと、第1端面81aの反対側の第2端面81bと、外周81cとを含む。蓋部材本体81の外周81cは、保持孔61の内周61cに圧入嵌合されている。
フランジ82は、蓋部材本体81の外周81cから径方向外方に延設されている。フランジ82は、ハウジング17の端面17b(開口部17cの周囲部分)に当接している。すなわち、フランジ82は、ハウジング17の端面17bに当接する当接部82aを含む。
図17に示すように、案内支持部83は、蓋部材本体81の第1端面81aから突出している。図14に示すように、案内支持部83は、軸受ホルダ90を嵌合支持して、軸受ホルダ90の付勢方向(第2方向Y2)及び付勢方向の反対方向(第1方向Y1)への移動を案内する。
図17に示すように、案内支持部83は、 包囲部84と、一対の第1フランジ85と、一対の第2フランジ86とを含む。包囲部84は、ウォームシャフト18の軸方向Xから見て、第2方向Y2に開放する略C字形形状に形成されている。図14に示すように、包囲部84は、軸受ホルダ90のC字形の嵌合部91の外面91c及び一対の平板部92の被案内面96(外側面)を包囲する。
図17に示すように、包囲部84の内面84aは、軸受ホルダ90の嵌合部91の外面91cと対向する対向面84bを有している。対向面84bには、ばね端支持部としての凹部84cが形成されている。凹部84cの内壁面によって第2ばねガイド84dが形成されている。図14及び図15に示すように、凹部84cの底面によって、圧縮コイルばね70の第2端部72を受ける第2ばね座84eが形成されている。
図17に示すように、包囲部84は、軸受ホルダ90の一対の平板部92の外側面の被案内面96にそれぞれ沿う一対の第1案内面87を含む。一対の第1案内面87は、直交方向Kに対向する平坦面からなる。
図14及び図17に示すように、一対の第1案内面87は、被案内面96を介して、ウォームシャフト18の軸方向X及び第2方向Y2の双方と直交する直交方向Kへの、軸受ホルダ90の移動を規制しつつ、軸受ホルダ90を第1方向Y1及び第2方向Y2に案内する。
図17に示すように、第1フランジ85は、包囲部84の内面84a及び蓋部材本体81の第1端面81aに沿い、第2方向Y2に延びている。第2フランジ86は、蓋部材本体81から遠い側の端部において包囲部84の内面84aに沿い、第2方向Y2に延びている。
各第1フランジ85と対応する第2フランジ86とは、軸方向Xに対向する第2案内面85a,86aを有している。第2案内面85a,86aは、軸受ホルダ90の一対の端面90a,90bに沿う。第2案内面85a,86aは、ウォームシャフト18の軸方向Xへの、軸受ホルダ90の移動を規制しつつ、軸受ホルダ90を第1方向Y1及び第2方向Y2に案内する。
各第1フランジ85の第2方向Y2側の端部から、フック状の係合凸部85bが、延設されている。図15に示すように、一対の係合凸部85bは、ユニット部UP単独の状態で軸受ホルダ90と係合して、軸受ホルダ90を介して圧縮コイルばね70の付勢荷重を受ける。具体的には、係合凸部85bは、一対の平板部92の第2方向Y2側(ウォームホイール19側)の端部92aと係合する。
各平板部92の端部92aと係合する、係合凸部85bの係合面85cは、図15に示すように、第1方向Y1と直交する面であってもよいし、また、図示していないが、ウォームシャフト18側に向かうにしたがって、第1方向Y1に変位する傾斜面に形成されていてもよい。
本実施形態のウォーム減速機15Pでは、組立時において、開口部17cを外側から塞ぐように蓋部材80をハウジング17に組み付けるときに、蓋部材80とユニット化された軸受ホルダ90及び圧縮コイルばね70(付勢部材)が、蓋部材80とともに一括して組み付けられる。すなわち、蓋部材80、軸受ホルダ90、及び圧縮コイルばね70をユニット部UPとして一括してハウジング17の一端の開口部17cの外側からハウジング17内に組み込むことができ、組立性が向上する。
また、蓋部材80の案内部(案内支持部83)によって、軸受ホルダ90を介してウォームシャフト18の第2端部18bを圧縮コイルばね70の付勢方向(第2方向Y2)及び付勢方向の反対方向(第1方向Y1)へ円滑に案内することができる。
また、軸受ホルダ90が、ウォームホイール19側に開放するC字形の嵌合部91を含む。このため、ウォームシャフト18の第2端部18bが第1端部18a側へ近づくようにウォームシャフト18を軸方向Xに小型化しても、軸受ホルダ90がウォームホイール19と干渉するおそれがない。可及的に、ウォームシャフト18の軸方向Xに関してウォーム減速機15Pを小型化することができる。
また、軸受ホルダ90のC字形の嵌合部91に、第2軸受34を圧入する必要がない。したがって、圧入に起因する嵌合面(嵌合部91の内面91b)のクリープの発生を抑制して、第2軸受34からの軸受ホルダ90の脱落を抑制することができる。
また、ウォーム減速機15Pの製造方法は、図9の第1実施形態で示された製造工程と同じ製造工程で製造される。このため、第2実施形態の製造方法においても、第1実施形態の製造方向と同じ作用効果を奏することができる。
本発明は各前記実施形態に限定されるものではなく、例えば付勢部材として、圧縮コイルばね70に代えて、皿ばねその他の板ばねを用いてもよい。また、図9の製造工程において、第1サブアセンブリ組立工程(ステップS1)と第2サブアセンブリ組立工程(ステップS2)の順序は逆であってもよい。
その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…電動パワーステアリング装置、3…転舵輪、4…操舵機構、5…アシスト機構、6…ステアリングシャフト、7…コラムシャフト、11…ピニオンシャフト、14…電動モータ、14a…出力軸、15;15P…ウォーム減速機、17…ハウジング、17a…収容部、17b…端面、17c…開口部、18…ウォームシャフト、19…ウォームホイール、20…動力伝達継手、33…第1軸受、34…第2軸受、40…内輪、43…外輪、43a…外周、44…蓋部材、44a…蓋部材本体、44b…キー(案内部)、44c…係合凸部、44d…外周、44e…第1端面、44f…第2端面、44h…対向部、44j…収容部、44k…第2ばね座、44m…ばねガイド、44n…係合面、44s,44t…第1案内面、44u,44v…第2案内面、50…軸受ホルダ、51…嵌合部、51a…外周、52…ばね座形成部、52a…キー溝(被案内部)、52b…端部、55…第1ばね座、61…保持孔、61c…内周、61d…段部、70…圧縮コイルばね(付勢部材)、71…第1端部、72…第2端部、80…蓋部材、81…蓋部材本体、81a…第1端面、81b…第2端面、82…フランジ、82a…当接部、83…案内支持部(案内部)、84…包囲部、84a…内面、84b…対向面、84c…凹部、84d…第2ばねガイド、84e…第2ばね座、85…第1フランジ、85a…第2案内面、85b…係合凸部、85c…係合面、86…第2フランジ、86a…第2案内面、87…第1案内面、90…軸受ホルダ、90a,90b…端面、91…嵌合部(ばね座形成部)、91b…内面、91c…外面、92…平板部、93…凹部、94…第1ばねガイド、95…第1ばね座、96…被案内面、240…緩衝部材、C1…ウォームシャフトの)中心軸、C2…(ウォームホイールの)中心軸、D1…芯間距離、K…直交方向、SA1…第1サブアセンブリ、SA2…第2サブアセンブリ、U;UP…ユニット部、X…軸方向、X2…軸方向外方、Y1…第1方向(芯間距離が増大する方向。付勢方向の反対方向)、Y2…第2方向(芯間距離が減少する方向。付勢方向)

Claims (6)

  1. 一端に開口部を有するハウジングと、
    前記ハウジングに収容されて、電動モータに連結される軸方向の第1端部及び前記第1端部の反対側の第2端部を有するウォームシャフトと、
    前記ウォームシャフトと噛み合うウォームホイールと、
    前記ハウジングに対して前記第1端部を回転可能に支持する第1軸受と、
    前記第2端部を回転可能に支持する第2軸受と、
    前記第2軸受を保持する軸受ホルダと、
    前記軸受ホルダを支持し、前記開口部を外側から塞ぐ状態で前記ハウジングに取り付けられた蓋部材と、
    前記軸受ホルダと前記蓋部材との間に介在し、前記ウォームシャフトが前記ウォームホイールに近づくように前記ハウジングに対して前記軸受ホルダ及び前記第2軸受を介して前記第2端部を付勢する付勢部材と、を備え、
    前記蓋部材、前記軸受ホルダ、及び前記付勢部材が、ユニット化されており、
    前記蓋部材は、前記軸受ホルダの被案内部と係合して、前記付勢部材の付勢方向及び前記付勢方向の反対方向への、前記軸受ホルダの移動を案内する案内部を含むウォーム減速機。
  2. 請求項において、前記案内部は、前記ウォームシャフトの前記軸方向及び前記付勢部材の前記付勢方向の双方と直交する直交方向への、前記軸受ホルダの移動を規制しつつ案内する第1案内面と、前記ウォームシャフトの前記軸方向への、前記軸受ホルダの移動を規制しつつ案内する第2案内面と、を含むウォーム減速機。
  3. 請求項又はにおいて、前記案内部は、前記被案内部とキー結合されているウォーム減速機。
  4. 請求項1〜の何れか一項において、前記軸受ホルダは、前記第2軸受の外輪の外周に嵌合し前記ウォームホイール側に開放するC字形の嵌合部を含むウォーム減速機。
  5. 請求項1〜の何れか一項において、前記軸受ホルダと前記ハウジングとの間に配置された緩衝部材を備え、
    前記蓋部材、前記軸受ホルダ、前記付勢部材、及び前記緩衝部材が、ユニット化されているウォーム減速機。
  6. 請求項1〜の何れか一項のウォーム減速機を介して電動モータの動力をステアリングシャフトに伝達する電動パワーステアリング装置。
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