JP6714442B2 - 美容シート用不織布、美容シート、及び該美容シート用不織布の製造方法 - Google Patents

美容シート用不織布、美容シート、及び該美容シート用不織布の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、美容シート用不織布、美容シート、及び該美容シート用不織布の製造方法に関する。
従来、美容シートなどの基布として、親水性繊維を含む不織布が用いられている。これは、親水性繊維を用いることで、化粧水などの液状成分を多く含浸させることができ、肌への湿潤補給を高めることができることによる。
例えば、特許文献1には、美容シートの基布等として使用しうるセルロース系不織布が開示されている。また、特許文献2には、極細合成繊維層と、親水性繊維層の少なくとも二層を積層した積層不織布からなる美容シート用不織布が開示されている。
特開2007−314905号公報 特開2005−124916号公報
しかし、親水性繊維を含む不織布が、直接肌に接すると、化粧水が適量を超えて肌に付着するため、肌がべたついて不快感を与えるという問題があった。また、このべたつき感を抑えるために、親水性繊維の構成比を低くした場合には、肌へのうるおい感が乏しくなってしまうという問題があった。
そこで、本発明では、このような実情に鑑み、身体に接触させた際に、さらっとした快適な感覚を与えつつも、潤い感も与えることができる、美容シート用不織布、美容シート、及び該美容シート用不織布の製造方法を提供することを主目的とする。
本願発明者は、前述した課題を解決するために鋭意研究を行った結果、美容シート用不織布の構造に着目し、該構造を特定の構造とすることにより、身体に接触させた際に、さらっとした快適な感覚を与えつつも、潤い感も与えることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明では、まず、親水性繊維を少なくとも含む保水層と、
前記保水層の少なくとも一方の面に積層された熱融着性の合成繊維層と、
の少なくとも二層からなり、
前記合成繊維層は、合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分を有し、
前記合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分の円相当径が0.06〜0.6mmであり、かつ、その存在頻度が16〜250個/cmであり、
前記合成繊維層を身体に接触させる身体接触面とし、
前記合成繊維層における合成繊維の繊度は、0.05〜0.5dtexであり、かつ、前記合成繊維層の目付が3〜10g/m であることを特徴とする、美容シート用不織布を提供する。
本発明において、一枚(200cm)当たりの前記合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分の面積比率を、0.6〜4%であるものとすることができる
に、本発明において、前記保水層は、前記親水性繊維を前記保水層全体に対して70質量%以上の割合で含むものとすることができる。
また、本発明では、本発明に係る美容シート用不織布に美容成分を少なくとも含む液体が含浸された、美容シートも提供する。
更に、本発明では、親水性繊維を少なくとも含む保水層と、前記保水層の少なくとも一方の面に積層された熱融着性の合成繊維層と、の少なくとも二層からなり、前記合成繊維層は、合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分を有し、前記合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分の円相当径が0.06〜0.6mmであり、かつ、その存在頻度が16〜250個/cmであり、前記合成繊維層を身体に接触させる身体接触面とし、前記合成繊維層における合成繊維の繊度は、0.05〜0.5dtexであり、かつ、前記合成繊維層の目付が3〜10g/m であることを特徴とする、美容シート用不織布の製造方法であって、
ウォータージェットを用いた水噴射工程、を少なくとも有し、
前記水噴射工程の最後に、前記合成繊維層側からウォータージェットを当てることを特徴とする、美容シート用不織布の製造方法も提供する。
本発明によれば、身体に接触させた際に、さらっとした快適な感覚を与えつつも、潤い感も与えることができる、美容シート用不織布、美容シート、及び該美容シート用不織布の製造方法を提供できる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本発明に係る美容シート用不織布1の第1実施形態を模式的に示す模式断面図である。 本発明に係る美容シート用不織布1を、マイクロスコープで身体接触面側から撮影した図面代用写真である。 本発明に係る美容シート用不織布1を、走査型電子顕微鏡(SEM)で身体接触面側から拡大撮影した図面代用写真である。 本発明に係る美容シート用不織布1の第2実施形態を模式的に示す模式断面図である。 本発明に係る製造方法における水噴射工程の一例を示す模式概念図である。 加熱・熱風乾燥工程の一例を示す模式概念図である。 保水層製造工程の一例を示す模式概念図である。 合成繊維層製造工程の一例を示す模式概念図である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
1.美容シート用不織布1
図1は、本発明に係る美容シート用不織布1の第1実施形態を模式的に示す模式断面図である。本発明に係る美容シート用不織布1は、保水層11と、合成繊維層12と、の少なくとも二層からなる。
本発明において、これらの層を貼り合わせる方法は特に限定されず、ウォータージェット法、熱融着法、ニードルパンチ法などを用いることができる。なお、これらの層を貼り合わせる際には、保水層11と合成繊維層12とが接触している必要がある。
以下、各層について詳細に説明する。
<保水層11>
保水層11は、親水性繊維を少なくとも含む。
保水層11を構成する親水性繊維は特に限定されず、例えば、美容成分を少なくとも含む液体などを含浸させることのできる親水性繊維であり、具体的には、コットン、パルプ、麻、レーヨン、キュプラなどが挙げられる。また、本発明では、これらのうちの2種類以上の親水性繊維を混ぜて用いてもよい。
本発明では、必要に応じて、親水性繊維以外にも、疎水性繊維等の他の繊維を混ぜて保水層11を形成してもよい。この場合、構成比(質量比)は特に限定されないが、親水性繊維を保水層11全体に対して70質量%以上の割合で含むことが好ましい。これにより、保水層11が美容成分を少なくとも含む液体となじみ易くなり、保水層11中で該液体の液量にムラが生じることを防ぐことができる。
また、特に、親水性繊維以外に疎水性繊維を混ぜて保水層11を形成した場合には、親水性繊維/疎水性繊維=30/70〜99/1とすることが好ましい。
保水層の目付は10〜100g/mが好ましく、10〜60g/mがより好ましい。これにより、製造工程において、合成繊維層12と貼り合わせる際の取り扱い性が向上する。また、目付を100g/m以下とすることで、美容シートとして使用する際に、自重による剥がれ易さなどが解消される。
<合成繊維層12>
合成繊維層12は、保水層11の少なくとも一方の面に積層された熱融着性のものであり、合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分a(以下、単に「部分a」ともいう)を有することを特徴とする。また、本発明において、合成繊維層12は、身体に接触させる身体接触面とすることも特徴とする。
本発明では、合成繊維層12を接触させる身体の部位は特に限定されないが、顔及び/又は首(特に、のどの付近)とすることが好ましい。
図2は、本発明に係る美容シート用不織布1を、マイクロスコープで身体接触面側から撮影した図面代用写真である。また、図3は、本発明に係る美容シート用不織布1を、走査型電子顕微鏡(SEM)で身体接触面側から拡大撮影した図面代用写真である。図2及び3中、部分aは暗く見えている箇所である。このように、本発明において、合成繊維層12には、部分aが複数存在し、この部分aは、例えば、ウォータージェットによる水流噴射が当たった箇所の合成繊維が、切断されたり動いたりすることにより、形成される。
本願発明者は、前述した従来の美容シートにおける問題に着目し、鋭意研究を行った結果、この部分aの円相当径を0.06〜0.6mmとし、かつ、その存在頻度を16〜250個/cmとすることにより、さらっとした快適な感覚を与えつつも、潤い感も与えることができることを初めて見出した。
本発明において、部分aの円相当径は0.06〜0.6mmの範囲であれば特に限定されないが、0.08〜0.5mmとすることが好ましい。これにより、身体に接触させた際のさらっと感を更に向上させることができる。
また、美容シート用不織布1の一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は特に限定されないが、0.6〜4%であることが好ましく、1.5〜3%であることより好ましい。これにより、身体に接触させた際のさらっと感を更に向上させることができる。
更に、美容シート用不織布1の一枚(200cm)当たりの部分aの総面積は特に限定されないが、100〜900mmであることが好ましく、140〜850mmであることがより好ましく、200〜400mmであることが更に好ましい。これにより、身体に接触させた際のさらっと感を更に向上させることができる。
合成繊維層12を構成する合成繊維は、熱融着性であれば特に限定されず、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等からなるポリオレフィン系繊維、PET(ポリエチレンテレフタレート)等からなるポリエステル系繊維などの疎水性繊維や、ナイロン6、66等からなる脂肪族ポリアミド系繊維などが挙げられる。また、本発明では、これらのうちの2種類以上の繊維を混ぜて用いてもよい。
本発明では、特に、合成繊維層12を、これらの繊維により形成された「熱融着性不織布」とすることができる。
本発明では、前記合成繊維として、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、及びこれらの複合繊維を用いることが好ましい。また、前記合成繊維は、鞘芯複合繊維であることが好ましい。これにより、身体に接触させた際のさらっと感を更に向上させることができる。なお、このような鞘芯複合繊維としては、具体的には、国際公開第2015/012281号パンフレットに記載の延伸複合繊維等が挙げられる。
前記合成繊維の繊度は特に限定されないが、0.05〜0.5dtexが好ましく、0.1〜0.3dtexがより好ましい。これにより、身体に接触した際に感じるチクチク感を抑えることができる。
合成繊維層12の目付も特に限定されないが、2〜20g/mが好ましく、3〜10g/mがより好ましい。これにより、製造工程において、部分aを形成する際の取り扱い性が向上する。
部分aを形成する方法としては特に限定されないが、ウォータージェット(水流交絡)法、抜き型刃又は鋭利な先端突起等の押しつけによる孔あけパンチ法、ニードルパンチ法などが挙げられる。これらの方法で合成繊維層12に部分aを効果的に形成するためには前記熱融着性不織布は、構成繊維交点で繊維が溶融接合された熱融着不織布であることが好ましい。
<その他>
図4は、本発明に係る美容シート用不織布1の第2実施形態を模式的に示す模式断面図である。本発明に係る美容シート用不織布1は、図4で示すような3層構造(合成繊維層12の間に保水層11が存在するもの)としてもよい。これにより、図4で示すように、いずれの面も身体接触面とすることができるため、表裏の区別が無くなり、ユーザビリティが向上する。
本発明に係る美容シート用不織布1の製造方法は特に限定されないが、後述する本発明に係る製造方法により製造することが好ましい。しかし、前述の通り、部分aを、ウォータージェットを用いずに、抜き型刃又は鋭利な先端突起等の押しつけによる孔あけパンチ法や、ニードルパンチ法などにより形成し、本発明に係る美容シート用不織布1を製造することも可能である。
2.美容シート
本発明に係る美容シートは、本発明に係る美容シート用不織布1に美容成分を少なくとも含む液体が含浸されたものであることを特徴とする。なお、美容シート用不織布1は、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
前記美容成分を少なくとも含む液体は特に限定されず、例えば、化粧水等が挙げられる。また、本発明では、前記化粧水として、市販のものを用いてもよい。
前記美容成分も特に限定されず、例えば、抗皺成分若しくは皮膚の引き締め成分、アンチエージング成分、保湿成分、皮膚の美白成分若しくは脱色成分、抗炎症成分、抗にきび成分、DNA修復成分、皮膚の脂質バリア修復成分、抗セルライト成分、創傷治癒成分、ストレッチ・マーク/傷跡(scar)除去成分、ふっくら(plumping)成分、むだ毛成長遅延成分(hair growth retardation agents)、育毛刺激成分、クマ減少成分又は腫れぼったさを解消する成分(de-puffing agents)、コラーゲン合成若しくは血流促進成分、抗酸化成分、皮脂をコントロールする成分、並びに毛穴を小さくする成分などが挙げられる。
前記抗皺成分の具体例としては、アセチルヘキサペプチド-8、パルミトイルオリゴペプチド、ジペプチドジアミノブチロイル、ベンジルアミドジアセテートなどが挙げられる。前記皮膚の引き締め成分の具体例としては、緑藻エキス(algae extract)、プルラン(pullulan)、スイートアーモンドの種のエキス(sweet almond seed extract)、カルボマー、パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルテトラペプチド-7、コルクガシ(Quercus suber)エキスなどが挙げられる。前記アンチエージング成分の具体例としては、テプレノン、レスベラトロール三リン酸三ナトリウム、虎杖根(Polygonum cuspidatum root)エキス、ホエイタンパク質などが挙げられる。前記保湿成分の具体例としては、ヒアルロン酸、グリセリン、尿素、トレハロースなどが挙げられる。前記皮膚の美白成分又は脱色成分の具体例としては、アスコルビン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルアミノプロピル、ソウハクヒエキス(mulberry root extract)、オウゴンエキス(Scutellaria baicalensis extract)、ブドウエキス(grape extract)、フェルラ酸(ferulic acid)、ヒノキチオール(hinokitol)などが挙げられる。前記抗炎症成分の具体例としては、イワヒバエキス(spike moss extract)、シールホイップ(seal whip)エキス、虎杖根エキスなどが挙げられる。前記抗にきび成分の具体例としては、サリチル酸、グリコール酸、ラクトビオン酸などが挙げられる。前記DNA修復成分の具体例としては、テトラヒドロキシシクロヘキサン酸アルキル(C1-C8)、ミクロコッカス溶解液、ビフィズス菌発酵エキスなどが挙げられる。
前記皮膚の脂質バリア修復成分の具体例としては、フィトスフィンゴシン(phytosphingosine)、リノール酸、コレステロールなどが挙げられる。前記抗セルライト成分の具体例としては、コレウス・フォルスコリ(Coleus forskohlii)の根のエキス、タイサンボク(Magnolia grandiflora)の樹皮のエキス、ハスの葉エキスなどが挙げられる。前記創傷治癒成分の具体例としては、ミモザテヌイフローラ樹皮エキス(Mimosa tenuiflora bark extract)、ダイズタンパク質などが挙げられる。前記ふっくら成分の具体例としては、サッカロミセス/キシリヌム(Saccharomyces/xylinum)/紅茶培養物、ハナスゲ(Anemarrhena asphodeloides)の根のエキス、ヒアルロン酸ナトリウムなどが挙げられる。前記むだ毛成長遅延成分の具体例としては、ウルソール酸、フィトスフィンゴシン、ボスウェリア・セラータ(Boswella serrata)エキスなどが挙げられる。前記育毛刺激成分の具体例としては、セルノア属(Serenoa serrulata)フルーツエキス、リコリス(甘草)エキス、アセチルグルコサミンなどが挙げられる。前記クマ減少成分若しくは腫れぼったさを解消する成分の具体例としては、ヘスペリジンメチルカルコン、ジペプチド-2、パッションフラワー(Passiflora incarnata、トケイソウ)のフラワーエキス、リノール酸、イソリノール酸などが挙げられる。前記コラーゲン合成若しくは血流促進成分の具体例としては、アルギニン、ノルウェイ産ケルブ(Ascophyllum nodosum)エキス、紅藻(Asparagopsis armata;アスパラゴプシス・アルマタ)エキス、カフェインなどが挙げられる。前記抗酸化成分の具体例としては、ノルジヒドログアイアレチン酸(nordihydroguaiaretic acid)、グレープシードエキス、緑茶葉エキスなどが挙げられる。
3.美容シート用不織布1の製造方法
本発明に係る製造方法は、本発明に係る美容シート用不織布1の製造方法であって、ウォータージェットを用いた水噴射工程を少なくとも有する。また、必要に応じて、加熱・熱風乾燥工程、保水層製造工程、合成繊維層製造工程などの他の工程を有していてもよい。なお、美容シート用不織布1は、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
<水噴射工程>
図5は、本発明に係る製造方法における水噴射工程の一例を示す模式概念図である。水噴射工程では、合成繊維層12の上に保水層11を重ねて置いた状態のものや、合成繊維層12の間に保水層11を入れた状態のもの等を、含水状態とし、コンベア上に乗せてウォータージェットを用いて水噴射する。
本発明において、ウォータージェットの台数は特に限定されない。また、ウォータージェットを用いて水噴射する際は、両面に対して、それぞれ片面からジェットを当てることが好ましい。更に、片面ずつ当てる場合は、2回以上当て、少なくとも1回以上は保水層11側から合成繊維層12に向かって当てることが好ましい。
本発明に係る製造方法では、水噴射工程の最後に、合成繊維層12側から(保水層11に向かって)ウォータージェットを当てることを特徴とする。これにより、保水層11を形成する親水性繊維を、合成繊維層12を形成する繊維熱融着性不織布に絡めて「交絡不織布」を形成し、これらの層を貼り合わせることができる。また、保水層11を形成する親水性繊維の端部が、不織布の外側に出てくることを防ぎ、美容シートとして身体に接触させた際に、チクチク感などの不快感を軽減することもできる。
その後、本発明に係る製造方法では、図5で示すように、吸引脱水し、裏返して再ジェットすることも可能である。しかし、本発明に係る製造方法では、この場合であっても、最後には、合成繊維層12側から(保水層11に向かって)ウォータージェットを当てる。
<加熱・熱風乾燥工程>
図6は、加熱・熱風乾燥工程の一例を示す模式概念図である。本発明に係る製造方法では、必要に応じて、水噴射工程の後に、加熱・熱風乾燥工程を行うことができる。また、加熱・熱風乾燥工程では、例えば、合成繊維層の鞘芯複合繊維及び保水層に配合された鞘芯複合繊維のそれぞれ鞘材樹脂(低融点成分)の融点以上の温度であって、芯材樹脂(高融点成分)の融点未満の温度に加熱した熱風のサクションにより、保水層11と合成繊維層12とを熱融着させることもできる。
<保水層製造工程>
図7は、保水層製造工程の一例を示す模式概念図である。本発明に係る製造方法では、必要に応じて、水噴射工程の前に、保水層製造工程を行うことができる。保水層製造工程では、例えば、図7で示すように、ステープルファイバー等の短繊維を用い、この短繊維をカード機等によりカーディングしてウェブとし、「ステープルファイバーウェブ」等のウェッブとする。
<合成繊維層製造工程>
図8は、合成繊維層製造工程の一例を示す模式概念図である。本発明に係る製造方法では、必要に応じて、水噴射工程の前に、合成繊維層製造工程を行うことができる。合成繊維層製造工程では、例えば、図8で示すように、鞘芯複合繊維を分散剤としての界面活性剤を加えた水中に均一に分散させた「繊維スラリー」を、メッシュ上に抄紙し、湿った状態のウェブ(「抄紙ウェブ」)を作製する。その後、このウェッブを2枚の加熱板間に挟持し、例えば、温度135℃で10分間の条件でプレスして、加熱(乾燥)するとともに、該複合短繊維の鞘部を溶融させてウェッブ構成繊維間を接合し、熱融着性不織布とする。
<その他>
本発明に係る製造方法では、その他にも、図示しないが、鞘芯複合繊維製造工程等の他の工程を行うことができる。鞘芯複合繊維製造工程は、例えば、国際公開第2015/012281号パンフレットに記載の延伸複合繊維の製造方法等により行うことができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
[測定]
(1)部分aの円相当径及び部分aの存在頻度等の測定
実施例1〜8及び比較例1〜5の美容シート用不織布を縦10cm、横20cmに裁断し、縦横3列ずつ9つの領域に均等に分け、光学顕微鏡(株式会社キーエンス製マイクロスコープ)を用い、反射光により各領域10箇所ずつ画像撮影した。部分aは、試料台の色であるところの黒色が透けて見えるため、撮影した画像では暗く見える。一方で、部分a以外は明るく見える(図2も参照)。この暗明コントラストを利用して、画像の暗い部分(明度256階調中の0〜70とした)を部分aとして選択し、選択した面積を円相当径に換算した。また、選択した部分aの個数を数え、その個数を美容シート用不織布の面積200cmで除して、部分aの存在頻度を算出した。更に、美容シート用不織布一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率、及び円相当径に換算する際に選択した部分aの総面積も計測した。
(2)性能評価
実施例1〜8及び比較例1〜5の美容シート用不織布に化粧水(「極潤」(商品名);ロート製薬株式会社製)を20ml含浸させ、20〜50代の女性モニター30名により、のど部分を中心に覆うように首に貼り付けて、さらっと感、しっとり感について、各人の評価にて「○:良い」「×:悪い」の択一で判定した。24名以上のモニターが「○」と判定した場合、性能評価結果は「良い」と評価した。そして、24名以上のモニターが「×」と判定した場合、性能評価結果は「悪い」と評価した。7〜23名のモニターが「○」と判定した場合、性能評価は「良くない」と評価した。
[さらっと感の性能評価基準]
○:べたつき感がなくさらっとしており、快適であった
×:べたつき感があり、不快に感じた
[しっとり感の性能評価基準]
○:肌がしっとりとして、十分にうるおい補給ができた
×:肌がしっとりせず、十分なうるおい補給ができなかった
<実施例1>
[鞘芯複合繊維の製造]
芯材として結晶性ポリプロピレン樹脂を用い、鞘材として高密度ポリエチレン樹脂を用いて、鞘芯型複合紡糸口金を使用し、鞘芯構造の未延伸繊維を作製した。鞘芯の断面比(鞘/芯)は40/60となるようにした。また、紡糸条件は、芯材の押出機シリンダー温度を275℃、鞘材の押出機シリンダー温度を255℃、紡糸口金温度を270℃、紡糸速度を600m/分として、繊度が0.67dtexの未延伸繊維を紡糸した。
次に、3台のローラー間に予備延伸槽(一段目、温水)及び本延伸槽(二段目、加圧飽和水蒸気)が連続して配置された二段延伸装置を用意した。そして、まず、紡糸工程で得た未延伸繊維束400本(約54万dtex)が準備できた後、直ちにまとめたトウを予備延伸槽にて導入ローラー(G1ローラー)速度10m/分、予備延伸引出しローラー(G2ローラー)速度29m/分の条件で93℃の温水で予備延伸処理した。その後、連続して延伸繊維引出しローラー(G3ローラー)の速度を増加させて、124℃の加圧飽和水蒸気中で、延伸繊維引出しローラー(G3ローラー)速度50m/分として、二段目の本延伸を行った。これに連続して仕上げ油剤(海面活性剤)を付与した後、カッターにて3mmに切断した。得られた鞘芯複合繊維は、繊度0.15dtex、繊維長3mmのチョップドファイバーであった。
[美容シート用不織布の製造]
(1)保水層の製造
繊度1.7dtex、繊維長40mmのレーヨンのステープルファイバーを用いて、乾式カード法で目付50g/mの親水性繊維ウェッブ(保水層)を得た。
(2)合成繊維層の製造
上記「繊維の製造方法」で作製した、繊度0.15dtex、繊維長3mmのポリエチレン・ポリプロピレン鞘芯複合繊維を、分散剤としての界面活性剤を加えた水中に均一に分散させ、メッシュ上に抄紙して湿ったウェッブを作製した。この湿ったウェッブを2枚の加熱板間に挟持し、温度135℃で10分間プレスして乾燥するとともに、複合短繊維の鞘部を溶融させてウェッブ構成繊維間を接合し、目付3g/mの熱融着性不織布(合成繊維層)を得た。
(3)美容シート用不織布の製造
54メッシュのプラスチック製コンベアネット上に、含水状態とした合成繊維層である前記熱融着性不織布を置き、その上に同じく、含水状態とした保水層であるレーヨンウェッブを重ねて置き、孔径0.1mmの孔が、前記コンベアネットの幅方向に、孔間隔1mmで直線上に配置されたウォータージェットノズルを用いて、水圧4.0MPa、コンベアネットの搬送速度10m/分の条件で、ウェッブ側から前記熱融着性不織布に向かって水を噴射し、ウォータージェット法によって前記ウェッブと前記熱融着性不織布を積層した。更に、この積層した不織布を裏返して、再び、54メッシュのコンベアネットの上に置き、孔径0.1mmの孔が、孔間隔1mmで直線上に配置されたノズルを3列に並べて用い、1列目のノズルからの水圧2.0MPa、2列目と3列目のノズルからの水圧8MPa、コンベアネットの搬送速度10m/分の条件で、熱融着性不織布側からウェッブに向かって水を噴射した。その後、ここで得られた不織布を搬送速度5m/分の搬送コンベアに置いて105℃で乾燥した。得られた美容シート用不織布の目付は45g/m、部分aの円相当径は平均0.12mm、部分aの存在頻度は128個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は1.5%、部分aの総面積は295mmであった。
[美容シートの製造]
得られた美容シート用不織布を10cm×20cmに切断し、化粧水(「極潤」(商品名);ロート製薬会社製)を20ml含浸させて美容シートを作製した。作製した美容シートは、ポリエチレン製の袋の中に、大量な余剰空気を除いて封入し、密閉した状態で、室温で2日間養生し、化粧水を不織布全体に均等に含浸させた後、性能評価用試験体とした。
[性能評価]
性能評価は、合成繊維層側が各モニターの肌に接触させるようにし、のど部分を中心に覆うように首に装着した。各モニターによるさらっと感についての評価では、28名が「○」と判定した。しっとり感についての評価では27名が「○」と判定した。したがって、さらっと感は良い、しっとり感は良いと評価した。
<実施例2>
実施例1の「(3)美容シート用不織布の製造」において、ウォータージェットに用いるノズルの孔径を0.08mmに変更した以外は、実施例1と同じ手順で美容シート用不織布を作製した。得られた美容シート用不織布の目付は45g/m、部分aの円相当径は平均0.08mm、部分aの存在頻度は131個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は0.7%、部分aの総面積は138mmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、25名が「○」と判定した。しっとり感についての評価では25名が「○」と判定した。したがって、さらっと感は良い、しっとり感は良いと評価した。
<実施例3>
実施例1の「(3)美容シート用不織布の製造」において、ウォータージェットに用いるノズルの孔径を0.2mmに変更した以外は、実施例1と同じ手順で美容シート用不織布を作製した。得られた不織布の目付は45g/m、部分aの円相当径は平均0.23mm、部分aの存在頻度は101個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は4.0%、部分aの総面積は805mmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、24名が「○」と判定した。しっとり感についての評価では26名が「○」と判定した。したがって、さらっと感は良い、しっとり感は良いと評価した。
<実施例4>
実施例1の「(3)美容シート用不織布の製造」において、ウォータージェットに用いるノズルの孔間隔を1.5mmに変更した以外は、実施例1と同じ手順で美容シート用不織布を作製した。得られた不織布の目付は45g/m、部分aの円相当径は平均0.13mm、部分aの存在頻度は69個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は0.9%、部分aの総面積は175mmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、26名が「○」と判定した。しっとり感についての評価では27名が「○」と判定した。したがって、さらっと感は良い、しっとり感は良いと評価した。
<実施例5>
実施例1の「(3)美容シート用不織布の製造」において、ウォータージェットに用いるノズルの孔間隔を0.8mmに変更した以外は、実施例1と同じ手順で美容シート用不織布を作製した。得られた不織布の目付は45g/m、部分aの円相当径は平均0.12mm、部分aの存在頻度は224個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は2.7%、部分aの総面積は541mmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、25名が「○」と判定した。しっとり感についての評価では28名が「○」と判定した。したがって、さらっと感は良い、しっとり感は良いと評価した。
<実施例6>
[ポリプロピレン単一繊維の製造]
結晶性プロピレン樹脂に、結晶核剤としてジメチルベンジリデンソルビトールを0.2質量%添加した樹脂を用い、ポリプロピレン単一未延伸繊維を作製した。紡糸条件は、押出機シリンダー温度を267℃、紡糸口金温度を270℃、紡糸速度を200m/分とし、繊度が0.45dtexの未延伸糸を紡糸した。
次に、前記の紡糸工程から連続して延伸工程が実施することができるように、3台のローラー間に蒸気延伸槽(1段目、常圧蒸気100℃)及び緊張熱処理槽(2段目、常圧蒸気100℃)が連続して配置された二段延伸装置を用いた。そして、まず、紡糸工程で得た未延伸糸を、紡糸工程に連続して、導入ローラー(G1ローラー)速度200m/分で導入し、延伸繊維引き出しローラー(G2ローラー)の速度を620m/分に増加させ、蒸気延伸槽(1段目、常圧蒸気100℃)にて延伸を行った。その後、連続して緊張熱処理引き出しローラー(G3ローラー)を延伸繊維引き出しローラー(G2ローラー)と同速で引き出し、緊張熱処理槽(2段目、常圧蒸気100℃)にて緊張熱処理した。更に、これに連続して仕上げ油剤(海面活性剤)を付与した後、カッターにて3mmに切断した。得られたポリプロピレン単一繊維は、繊度0.16dtex、繊維長3mmのチョップドファイバーであった。
その後は、実施例1の「(2)合成繊維層の製造」において、繊度0.15dtex、繊維長3mmのポリエチレン・ポリプロピレン鞘芯複合繊維に、新たに前記の繊度0.16dtex、繊維長3mmのポリプロピレン単一繊維を50:50の質量割合で混綿して用いたこと以外は、実施例1と同じ手順で美容シート用不織布を作製した。得られた不織布の目付は45g/m、部分aの円相当径は平均0.12mm、部分aの存在頻度は130個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は1.5%、部分aの総面積は295mmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、28名が「○」と判定した。しっとり感についての評価では27名が「○」と判定した。したがって、さらっと感は良い、しっとり感は良いと評価した。
<実施例7>
[美容シート用不織布の製造]
(1)保水層の製造
実施例1の「(1)保水層の製造」において、繊度1.7dtex、繊維長40mmのレーヨンステープルファイバーと、繊度2.2dtex、繊維長38mmのポリエチレン・ポリプロピレン鞘芯複合繊維のステープルファイバーを、70:30の質量割合で混綿し、乾式カード法で目付50g/mの親水性繊維ウェッブ(保水層)を作製した。
(2)合成繊維層の製造
実施例1の「(2)合成繊維層の製造」と同じ方法で熱融着性不織布を得た後、この不織布に孔径0.5mmの抜型刃で、縦横直線上に2mm間隔で孔をあけ、熱融着性不織布(合成繊維層)を作製した。
(3)美容シート用不織布の製造
前記ウェッブを、速度5m/minの金網コンベアにのせ、前記合成繊維層の上に重ねて置いた。風温140℃、風速2.7m/secの熱風を5秒間吹きつける熱風融着法により、美容シート用不織布を作製した。得られた熱融着性不織布の部分aの円相当径は平均0.50mm、部分aの存在頻度は16個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は3.1%、部分aの総面積は628mmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、24名が「○」と判定した。しっとり感についての評価では26名が「○」と判定した。したがって、さらっと感は良い、しっとり感は良いと評価した。
<実施例8>
実施例1の「(3)美容シート用不織布の製造」において、54メッシュのプラスチック製コンベアネット上に、合成繊維層である熱融着性不織布、保水層であるレーヨンウェッブ、更にその上に肌への接触層である熱融着性不織布を重ね、実施例1と同じ条件で、美容シート用不織布を作製した。得られた不織布の目付は46g/m、部分aの円相当径は平均0.12mm、部分aの存在頻度は125個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は1.5%、部分aの総面積は297mmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、28名が「○」と判定した。しっとり感についての評価では26名が「○」と判定した。したがって、さらっと感は良い、しっとり感は良いと評価した。
<比較例1>
実施例1の「(3)美容シート用不織布の製造」において、ウォータージェットに用いるノズルの孔径を0.05mmに変更した以外は、実施例1と同じ手順で美容シート用不織布を作製した。得られた不織布の目付は45g/m、部分aの円相当径は平均0.04mm、部分aの存在頻度は138個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は0.1%、部分aの総面積は26mmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、15名が「○」と判定した。しっとり感についての評価では27名が「×」と判定した。したがって、さらっと感は良くない、しっとり感は悪いと評価した。
<比較例2>
実施例1の「(3)美容シート用不織布の製造」において、ウォータージェットに用いるノズルの孔径を0.8mm、孔間隔を0.5mmに変更した以外は、実施例1と同じ手順で美容シート用不織布を作製した。得られた不織布の目付は45g/m、部分aの円相当径は平均0.78mm、部分aの存在頻度は91個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は43.5%、部分aの総面積は8691mmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、27名が「×」と判定した。しっとり感についての評価では21名が「○」と判定した。したがって、さらっと感は悪い、しっとり感は良くないと評価した。
<比較例3>
実施例1の「(3)美容シート用不織布の製造」において、ウォータージェットに用いるノズルの孔間隔を3mmに変更した以外は、実施例1と同じ手順で美容シート用不織布を作製した。得られた不織布の目付は45g/m、部分aの円相当径は平均0.12mm、部分aの存在頻度は15個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は0.2%、部分aの総面積は33mmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、16名が「○」と判定した。しっとり感についての評価では27名が「×」と判定した。したがって、さらっと感は良くない、しっとり感は悪いと評価した。
<比較例4>
実施例1の「(3)美容シート用不織布の製造」において、ウォータージェットに用いるノズルの孔間隔を0.6mmに変更した以外は、実施例1と同じ手順で美容シート用不織布を作製した。得られた不織布の目付は45g/m、部分aの円相当径は平均0.13mm、部分aの存在頻度は370個/cm、一枚(200cm)当たりの部分aの総面積比率は4.8%、部分aの総面積は951mmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、24名が「×」と判定した。しっとり感についての評価では25名が「○」と判定した。したがって、さらっと感は悪い、しっとり感は良いと評価した。
<比較例5>
実施例1の「(1)保水層の製造」において、繊度1.7dtex、繊維長40mmのレーヨンのステープルファイバーと繊度2.2dtex、繊維長38mmのポリエチレン・ポリプロピレン鞘芯複合繊維のステープルファイバーを70:30の質量割合で混綿し、乾式カード法で目付50g/mの親水性繊維ウェッブ(保水層)を作製した。このウェッブを、速度5m/minの金網コンベアにのせた熱融着性不織布(実施例1の「(2)合成繊維層の製造」で得たもの)の上に、重ねて置いた。風温140℃、風速2.7m/secの熱風を5秒間吹きつける熱風融着法により、美容シート用不織布を作製した。得られた不織布の目付は45g/m、部分aの存在頻度は0個/cmであった。美容シートも実施例1と同じ手順で作製した。性能評価も実施例1と同様に行い、モニターによるさらっと感についての評価では、18名が「×」と判定した。しっとり感についての評価では28名が「×」と判定した。したがって、さらっと感は良くない、しっとり感は悪いと評価した。
本発明によれば、身体に接触させた際に、さらっとした快適な感覚を与えつつも、潤い感も与えることができる、美容シート用不織布、美容シート、及び該美容シート用不織布の製造方法を提供することが可能である。
1:美容シート用不織布
11:保水層
12:合成繊維層
a:合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分

Claims (5)

  1. 親水性繊維を少なくとも含む保水層と、
    前記保水層の少なくとも一方の面に積層された熱融着性の合成繊維層と、
    の少なくとも二層からなり、
    前記合成繊維層は、合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分を有し、
    前記合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分の円相当径が0.06〜0.6mmであり、かつ、その存在頻度が16〜250個/cmであり、
    前記合成繊維層を身体に接触させる身体接触面とし、
    前記合成繊維層における合成繊維の繊度は、0.05〜0.5dtexであり、かつ、前記合成繊維層の目付が3〜10g/m であることを特徴とする、美容シート用不織布。
  2. 一枚当たりの前記合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分の総面積比率が、0.6〜4%である、請求項1に記載の美容シート用不織布。
  3. 前記保水層は、前記親水性繊維を前記保水層全体に対して70質量%以上の割合で含む、請求項1又は2に記載の美容シート用不織布。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の美容シート用不織布に美容成分を少なくとも含む液体が含浸された、美容シート。
  5. 親水性繊維を少なくとも含む保水層と、前記保水層の少なくとも一方の面に積層された熱融着性の合成繊維層と、の少なくとも二層からなり、前記合成繊維層は、合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分を有し、前記合成繊維の密度が疎な部分及び/又は合成繊維が存在しない部分の円相当径が0.06〜0.6mmであり、かつ、その存在頻度が16〜250個/cmであり、前記合成繊維層を身体に接触させる身体接触面とし、前記合成繊維層における合成繊維の繊度は、0.05〜0.5dtexであり、かつ、前記合成繊維層の目付が3〜10g/m であることを特徴とする、美容シート用不織布の製造方法であって、
    ウォータージェットを用いた水噴射工程、を少なくとも有し、
    前記水噴射工程の最後に、前記合成繊維層側からウォータージェットを当てることを特徴とする、美容シート用不織布の製造方法。
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