JP6711973B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は弾球遊技機に関する。
弾球遊技機(パチンコ遊技機)では、大当たり中等の遊技者に有利な遊技状態でない通常遊技中においても普通入賞口に入賞し賞球が払い出される必要がある。この通常遊技中に発射される発射数に対する賞球数の割合をベースと称している。
このベースが維持されることにより、通常遊技中に発射され消費される遊技球を適正な範囲内に抑え、遊技者の利益が好適に守られる。
前記ベース等を含む遊技機の性能を遊技者が知ることができれば、遊技機の選択の材料となる。
特開平9−135950号公報
特許文献1に開示される技術は、遊技中でない待機状態中に遊技機の取り扱い表示を行う。この取扱い表示には、遊技機の性能表示等も含まれている。この性能表示を遊技開始前に見ることができれば、遊技者は好みの遊技機を選択できる効果が期待される。
しかしながら、何等かの原因により遊技中に前記遊技機の性能が発揮されない可能性も考えられる。
例えば、前記ベースについての性能が発揮されない原因としては、遊技釘の著しい劣化、異物の付着等により前記普通入賞口への入賞率が低下する場合、或いは釘調整のミス等によっても前記性能が発揮されない可能性も否定できない。
釘調整は、非常に微妙は調整が必要とされ、通常は適正な角度であっても、気象条件の相違、遊技機の設置角度の相違等により、前記性能が発揮されないことも考えられる。
本発明は、前記課題を解決することを目的として為された発明である。
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の弾球遊技機は、
遊技盤面上の抽選口に入球することに起因して予め定められた確率で当選する抽選を行い、該抽選に当選すると、遊技者に予め定められた遊技価値を付与する遊技手段と、
該遊技手段による抽選結果を表示する演出表示手段と、
開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積賞球数を算出する累積賞球数算出手段と、
開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積発射球数を算出する累積発射球数算出手段と、
操作手段が操作されたことに起因して前記累積賞球数を累積発射球数で除算したベース値を算出し、該算出されたベース値を前記演出表示手段の画面上にするベース算出表示手段と、を備え、前記操作手段を前記演出表示手段に接続し、
更に、前記遊技手段は少なくとも当日の前記累積賞球数及び累積発射球数を記憶保持し、前記演出表示手段は、少なくとも2日分以上の前記累積賞球数及び累積発射球数を記憶保持する累積数記憶保持手段と、
前記遊技手段にRAMクリア手段と、を備え、
該RAMクリア手段が操作されたときには、前記遊技手段が記憶する前記累積賞球数及び累積発射球数を初期化するが、前記演出表示手段が記憶する前記累積賞球数及び累積発射球数を初期化しないことを可能とする、ことを特徴とする弾球遊技機である。
このような構成によれば、操作手段を操作することにより、遊技中のベース値を確認することができる。
操作手段を遊技者が操作できる位置に配置すれば、遊技者は、遊技開始前に又は遊技中にベース値を確認することができる。これにより当該遊技機は、設計ベース値が維持されている釘状態か否かを確認できる効果を有する。遊技者に不測の不利益を与えない効果を発揮することが期待される。
操作手段を遊技者が操作できない位置に配置すれば、パチンコホールの店員又は検査員は、当該遊技機は設計ベース値が維持されている釘状態か否かを確認できる効果を有する。検査の結果が設計ベースと相違する場合には、設計ベースとなる釘調整を行うことが期待される。
ここでのベース値とは、大当たり遊技中、確変遊技中及び時短遊技中を除く通常遊技中に払い出された賞球数の合計(累積賞球数)を、通常遊技中に発射した遊技球の合計(累積発射球数)で除算した値をいう。
遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態とは、このベース値を算出する対象となる遊技状態をいう。
抽選によらないで入賞口を拡大する役物(第1種非電動役物、第2種非電動役物)を有する遊技機の場合には、この役物の開放中であっても通常遊技中に含めるのが一般的である。
しかし、この役物の組み合わせにより多くの賞球が得られる遊技機の場合には、この期間中を除く遊技中における賞球数の合計を、この期間中を除く遊技中に発射された球数で除算してベースを算出しても良い。この期間中は、最初に開放する非電動役物を開放させる入賞口に遊技球が入賞した時点、又は最初に開放する非電動役物に遊技球が入賞した時点を起因とし、最後に開放する非電動役物に最後に入賞する遊技球が入賞した時点までの期間とすることが可能である。
また、請求項1に記載の弾球遊技機によれば、当日の累積賞球数及び累積発射球数ばかりでなく過去の累積賞球数及び累積発射球数を記憶するので、過去の遊技中のベースを確認することが可能となる。
過去の累積賞球数及び累積発射球数とは、最新の過去のデータであり、最新のデータを記憶するときに最も古いデータは消去されていく。
遊技制御手段は、規則によりRAM容量が制限されているので、1日分のみ記憶保持するよう構成すれば、負担を小さく抑える効果を有する。
更に、請求項1に記載の弾球遊技機によれば、RAMクリア手段を操作したとき、遊技制御手段に記憶したデータを初期設定するが、演出表示手段に記憶されたデータを消去しないので、遊技手段を初期設定しても所定期間内のベース値を確認することが可能となる。
請求項2に記載の弾球遊技機は、前記遊技手段は少なくとも当日のベース値を記憶保持し、前記演出表示手段は、少なくとも2日分以上の前記ベース値を記憶保持するベース値記憶保持手段、を備えたことを特徴とする弾球遊技機である。
請求項2に記載の弾球遊技機は、請求項1に記載の弾球遊技機と同様の効果を有する。
請求項3に記載の弾球遊技機は、
遊技盤面上の抽選口に入球することに起因して予め定められた確率で当選する抽選を行い、該抽選に当選すると、遊技者に予め定められた遊技価値を付与する遊技手段と、
該遊技手段による抽選結果を表示する演出表示手段と、
開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積賞球数を算出する累積賞球数算出手段と、
開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積発射球数を算出する累積発射球数算出手段と、
前記算出された累積賞球数を前記累積発射球数で除算したベース値を算出するベース値算出手段と、
操作手段を操作することにより該算出されたベース値を前記演出表示手段の画面に表示するベース表示手段と、を備え、前記操作手段を前記演出表示手段に接続し、
更に、前記遊技手段は少なくとも当日の前記累積賞球数及び累積発射球数を記憶保持し、前記演出表示手段は、少なくとも2日分以上の前記累積賞球数及び累積発射球数を記憶保持する累積数記憶保持手段と、
前記遊技手段にRAMクリア手段と、を備え、
該RAMクリア手段が操作されたときには、前記遊技手段が記憶する前記累積賞球数及び累積発射球数を初期化するが、前記演出表示手段が記憶する前記累積賞球数及び累積発射球数を初期化しないことを可能とする、ことを特徴とする弾球遊技機である。
請求項に記載の弾球遊技機は、累積賞球数及び累積発射球数から常時又は定期的にベース値を算出しておき、この算出されているベース値を操作手段が操作されたときに表示する。
これにより、請求項1又は請求項2に記載の弾球遊技機と同様の効果を有する。
請求項1又は請求項2に記載の弾球遊技機では、ベース値を表示するときに累積賞球数及び累積発射球数を表示することができる。
請求項3に記載の弾球遊技機では、ベース値を算出したときの累積賞球数及び累積発射球数を表示することができる。
請求項4に記載の弾球遊技機は、
遊技盤面上の抽選口に入球することに起因して予め定められた確率で当選する抽選を行い、該抽選に当選すると、遊技者に予め定められた遊技価値を付与する遊技手段と、
該遊技手段による抽選結果を表示する演出表示手段と、
開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積賞球数を算出する累積賞球数算出手段と、
開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積発射球数を算出する累積発射球数算出手段と、
前記算出された累積賞球数を前記累積発射球数で除算したベース値を算出するベース値算出手段と、
操作手段を操作することにより該算出されたベース値を前記演出表示手段の画面に表示するベース表示手段と、を備え、前記操作手段を前記演出表示手段に接続し、
更に、前記遊技手段は少なくとも当日のベース値を記憶保持し、前記演出表示手段は、少なくとも2日分以上の前記ベース値を記憶保持するベース値記憶保持手段と、
前記遊技手段にRAMクリア手段と、を備え、
該RAMクリア手段が操作されたときには、前記遊技手段が記憶する前記ベース値を初期化するが、前記演出表示手段が記憶する前記ベース値を初期化しないことを可能とする、ことを特徴とする弾球遊技機である。
請求項4に記載の弾球遊技機は、請求項3に記載の弾球遊技機と同様の効果を有する。
ベース値だけでなく、累積賞球数及び累積発射球数も記憶保持しても良いことは言うまでもない。
遊技者が遊技する前の当日ベース値又は前日以前のベース値を見る構成であれば、遊技者が遊技をしていないと判断されたときや、閉店時等に遊技手段から演出表示手段に送信する構成でも良い。
閉店時に電源と落とす場合にデータを送信する時間が少ない場合には、翌日の電源投入時に前日のデータを送信するよう構成しても良い。
演出表示手段とは、遊技手段による抽選結果を表示する手段であれば良い。 しかし、遊技手段が直接制御する特別図柄表示手段とは相違するサブ制御基板とすることが好適である。
遊技手段は、遊技の進行を制御する主制御基板(遊技制御基板)等が相当するが、この主基板からサブ制御基板には一方向のみデータ送信する構成を採用すれば、不正防止に効果を発揮する。
累積賞球数及び累積発射数は開店時からのデータであるが、この開店時からのデータのみだけでなく、遊技者毎のベース値を算出可能なようにデータを記憶するよう構成しても良い。
この遊技者毎のベース値を算出するための通常遊技中の賞球数の合計及び発射球数の合計は、当日分のみ記憶する構成とすることが好適である。
従って、演出表示手段に記憶されるデータは、当日分を記憶する場合であっても、当日以外のデータには遊技者毎の賞球数及び発射数、またはベース値は記憶されない。
遊技者毎のデータを検出するためには、タッチスイッチのオフの状態が所定時間続くこと、所定時間入賞が検出されないこと等により判断することが可能であるが、カメラ等により遊技者を識別して判断する構成でも良い。
前記操作手段は演出表示手段に接続するので、遊技者が操作できる位置に操作手段を配置しても問題がない。一般に、演出表示手段から遊技手段にデータ送信されない構造が採用されるからである。
この場合は、遊技者が遊技中のベース値を確認するためには、当日データとして定期的(例えば、3分毎)に演出表示手段に送信しておけば良い。一方向通信の構成であれば、操作手段が操作されたことを遊技手段が検出できないので、最新のデータを定期的送信しておけば、遊技者は操作手段を操作することにより最新のベース値を見ることが可能となる。
なお、RAMクリア手段に異なる操作手段を備え、1の操作では遊技手段及び演出表示手段に記憶されたベース値を示すデータ(累積賞球数及び累積発射球数、又はベース値)を初期設定可能とし、2の操作では遊技手段に記憶されたデータのみ初期設定可能とする構成を採用しても良い。

第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の裏面図である。 第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態における先読み演出での設定変更演出にて表示される先読み保留図柄の説明図である。 第1実施形態において、当り図柄に対応して定められる先読み演出での設定変更演出の実行の有無を示す表である。 第1実施形態におけるRAMクリア処理のフローチャートである。 第1実施形態における設定変更処理のフローチャートである。 第1実施形態における演出期間設定処理のフローチャートである。 第1実施形態におけるメインルーチンについてのフローチャートである。 第1実施形態における始動入賞確認処理についてのフローチャートである。 第1実施形態における先読み判定処理についてのフローチャートである。 第1実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。 第1実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。 第1実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。 第1実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。 第1実施形態における特別遊技処理についてのフローチャートである。 第1実施形態における特別遊技処理についてのフローチャートである。 第1実施形態における特別遊技処理についてのフローチャートである。 第2実施形態における設定変更処理についてのフローチャートである。 第2実施形態における先読み判定処理についてのフローチャートである。 第2実施形態における待機画面の説明図である。 第2実施形態における待機画面表示処理についてのフローチャートである。 第3実施形態における性能表示処理についてのフローチャートである。 第3実施形態における性能表示の一例を示す説明図である。 第4実施形態におけるベース表示処理についてのフローチャートである。 第4実施形態におけるベースデータ送信処理についてのフローチャートである。 第4実施形態におけるクリア処理についてのフローチャートである。 第5実施形態における不加算処理1についてのフローチャートである。 第5実施形態における不加算処理2についてのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の
形態を採りうる。
[第1実施形態]
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、第1実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に構成される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,残高表示器59が設けられている。
なお、図1の39は、前枠52及び前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠39に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
また、図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって左横には、普通図柄作動ゲート13が設置されている。普通図柄作動ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄(普図とも記載)の当否判定に用いられる複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定が行なわれる。
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う当否判定が行われる第1始動口11及び第2始動口12が、上下に並んで配設されている。本パチンコ機50は、第1始動口11への入球により変動する第1特別図柄(第1特図)と、第2始動口12への入球により変動する第2特別図柄(第2特図)との2種類の特別図柄を備える。第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普図の当否判定での当選により開放される普通電動役物として構成されており、普図の当否判定での当選時のみ入球可能となっている。
第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、保留記憶されると共に、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、保留記憶される。なお、保留記憶とは、始動口等への入球に起因して抽出され、当否判定に用いられる乱数を記憶することを意味する。
普通電動役物として構成された第2始動口12は、普図の当否判定での当選時に、所定の回数にわたり、所定時間の開放が行われる。具体的には、通常の遊技状態であれば、1回の当選により約2.6秒の開放が2回行なわれる。
第2始動口12の下方には、特図の当否判定での当選時に行われる特別遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3における向かって左下の領域には、4つの一般入賞口15が配設されている。
遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置18及び第2特図保留数表示装置19と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する当否判定の結果を報知する図柄演出が行われる。
また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。遊技釘4は、釘調整が困難又は不可能に構成された棒状の部材である特殊遊技釘として構成されていても良い。なお、第1,第2始動口11,12や大入賞口14の周辺等といった特定の部分にのみ、特殊遊技釘を設けても良い。特殊遊技釘は、例えば、脆性及び硬度が高く、変形が困難であると共に、大きな力を加えると変形が生じる前に破壊されてしまう材料により構成することが考えられる。具体的には、例えば、鋳鉄や、このような性質を持つ樹脂により構成することが考えられる。この他にも、特殊遊技釘に替えて、同様にして変形が困難或いは不可能に構成された障害物(例えば、壁状の物体やブロック状の物体)を配置しても良い。無論、特殊遊技釘等に替えて、通常の遊技釘を用いても良い。
また、図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(図3に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71,タンクレール72,払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、第1実施形態では、払出装置は、貸出ボタンの操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83,発射制御装置,電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、図3では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83のいずれもCPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84、電源基板にはCPU,ROM,RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU,ROM,RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普通図柄作動ゲート13に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW13a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントSW14a、一般入賞口15に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW15a等からの検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特図表示装置9,第2特図表示装置10,第1特図保留数表示装置18,第2特図保留数表示装置19,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
さらに、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
また、主制御装置80には、特図の当否判定での当選確率を設定するための設定スイッチ16が接続されている。設定スイッチ16は、遊技盤2の裏側に設けられており、内枠を開放した状態にすると設定スイッチ16の操作が可能となる。つまり、遊技者は、設定スイッチ16を操作することはできず、パチンコ店の店員等が設定スイッチ16を操作可能となっている。設定スイッチ16は、一例として、ディップスイッチ等として構成されていても良い。
また、主制御装置80には、RAMのバックアップ電源が設けられており、パチンコ機50への電力供給が行われていない場合でも、バックアップ電源によりRAMの内容が保持される。主制御装置80には、RAMの内容をクリアするRAMクリアスイッチ17が接続されている。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ2
0を稼働させて賞球を払い出させる。第1実施形態においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81は、ガラス枠開放SW35,内枠開放SW36,球切れSW23,払出SW21,満杯SW22からの信号が入力され、満杯SW22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW23により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW22,球切れSW23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板24は精算表示装置25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、第1実施形態では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は、発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW28からのタッチ信号、発射停止SW29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。なお、第1実施形態では、主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向の通信のみが可能となっていても良い。
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED,ランプ26を制御する。
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67,ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67,ジョグダイヤル68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を表示させる。
[動作の説明]
(1)概要について
第1実施形態のパチンコ機50では、第1,第2始動口11,12への入球に起因して抽出された乱数が保留記憶される。そして、保留記憶に係る乱数が読み出され、該乱数に基づき特図の当否判定が行われる。具体的には、当否判定では、該乱数が当否判定用テーブルに登録されている当り値と一致するか否かが判定され、一致する場合には当選となる。そして、特図の当否判定で当選すると、複数ラウンドにわたって大入賞口14を開放する特別遊技が行われる。
また、パチンコ機50は、遊技状態として、確変モードと時短モードとを有している。確変モード中は、特図の当否判定で当選する確率が増加する。具体的には、当否判定テーブルとして、確変モード中に用いられる確変テーブルと、確変モードでない時に用いられる通常テーブルとの2種類が設けられており、確変テーブルは、通常テーブルよりもより多くの当り値が登録されている。このため、確変モード中は、確変モードでない時に比べ、より高い確率で特図の当否判定で当選する。また、時短モード中は、普図の当否判定で当選する確率が増加すると共に、普図の当否判定で当選した際の第2始動口12の開放時間が長くなり、第2始動口12への入球が容易となる。
パチンコ機50では、特図の当否判定に関する各種演出が行われる。具体的には、例えば、保留記憶が新たに生じると、保留演出が行われ、演出図柄表示装置6には該保留記憶に対応する保留図柄が表示される。なお、保留図柄は、該保留図柄に対応する保留記憶に基づく当否判定が行われると消去される。また、例えば、特図の当否判定が行われると、演出図柄表示装置6にて、演出図柄の変動表示を行った後に演出図柄を確定表示させ、確定表示させた演出図柄により当否判定の結果を報知する図柄演出が行われる。また、特別遊技中においても、演出図柄表示装置6にて特別遊技の進行状況等を示す演出が行われ、現在のラウンドや、大入賞口14への入球数等が表示される。
さらに、パチンコ機50では、特図の当否判定が行われる前に、保留記憶に基づく特図の当否判定の結果を示唆する先読み演出が行われる。先読み演出では、例えば、先読み演出の対象となる保留記憶に対応する保留図柄として、当否判定で当ることを示唆する先読み保留図柄が演出図柄表示装置6に表示される。
また、遊技が行われていない場合には、演出図柄表示装置6には待機画面が表示される。
(2)設定変更について
パチンコ機50は、設定スイッチ16を操作することで、特図の当否判定での当選確率(以後、単に当選確率とも記載)を、n段階(nは2以上の整数)で設定可能となっている。すなわち、主制御装置80のROM等には、設定値1〜設定値nに対応するn種類の当否判定テーブルが記憶されている。より詳しくは、n種類の通常テーブルと、n種類の確変テーブルとが設けられている。そして、設定スイッチ16により指定された設定値に対応する当否判定テーブルを用いて特図の当否判定が行われ、これにより、設定値に応じた当選確率で特図の当否判定に当選する。なお、nの値を3以上としても良い。また、nの値が大きい設定値ほど(或いは、nの値が小さい設定値ほど)、当選確率が大きくなっていても良い。以後、設定スイッチ16により指定される当選確率の段階を、確率設定と記載する。
具体的には、RAMクリアスイッチ17が操作された状態でパチンコ機50の電源が供給されると、主制御装置80のRAMが初期化される(以後、RAMクリア)と共に、設定スイッチ16により指定された確率設定が読み出される。以後、RAMクリアスイッチ17及び設定スイッチ16の操作により確率設定を変更することを、設定変更と記載する。
さらに、パチンコ機50では、設定変更がされたことを示唆する設定変更演出が行われる。設定変更演出は、設定変更により当選確率が増加した場合(以後、設定増加)と、設定変更により当選確率が低下した場合(以後、設定低下)とに加え、RAMクリアは行われたが当選確率は変化していない場合(以後、設定変化無し)にも行われる。なお、設定変化無しの場合の設定変更演出は、所謂ガセの演出となる。
設定変更演出は、一例として、保留図柄を用いた先読み演出において行われる。具体的には、設定変更演出が行われると、先読み保留図柄が通常の先読み演出とは異なる態様で表示される。より詳しくは、例えば、先読み保留図柄の色や形状を変更しても良いし、先読み保留図柄を点滅させても良い。また、例えば、先読み保留図柄を、所定方向に揺れるように動かす(以後、搖動)ことも考えられる。また、例えば、先読み保留図柄に重ねて付加画像を表示することや、先読み保留図柄の周辺に付加画像を表示することも考えられる(以後、付加画像表示と記載)。
ここで、設定変更前の確率設定と設定変更後の確率設定との差分の絶対値を、設定差と記載する。設定変更演出では、設定変更による設定差がX段階以上の場合と、設定差がX段階未満の場合と、設定変更後の確率設定が最高値の場合とで、異なる態様で先読み保留図柄が表示される。なお、最高値とは、当選確率が最も高くなり、遊技者に最も有利となる確率設定である。また、Xは2以上の整数であり、一例として、X=2であっても良い。図5は、X=2である場合における、設定変更演出における先読み保留図柄の表示態様を示している。無論、Xの値は、例えば、3,4,5,6等、様々な値にすることができる。また、第1実施形態では、一例として、第1,第2特図に対応して異なる先読み保留図柄が設けられる。
また、パチンコ機50では、設定変更による設定差が同一である時は、設定増加の場合と設定低下の場合とにおいて、同一の態様で設定変更演出が行われる。しかしながら、各場合の設定変更演出の態様を若干異ならせ、これらの態様を略同一としても良い。詳しく説明すると、略同一とは、2つの設定変更演出が、一見すると同一態様であるが、詳細に比較検討した場合に見つけることができる程度の僅かな相違点を有することを言う。換言すれば、略同一とは、2つの設定変更演出が、パチンコ機50での遊技に習熟していない遊技者からは同一態様に見えるが、パチンコ機50での遊技に習熟した遊技者であれば把握可能となる僅かな相違点を有することを言う。
具体的には、例えば、設定変更演出において、先読み保留図柄の色や形状を通常の先読み演出とは異ならせるのであれば、設定低下時と設定増加時とにおいて、先読み保留図柄の色や形状を若干異ならせても良い。また、例えば、設定変更演出において、先読み保留図柄を点滅させるのであれば、設定低下時と設定増加時とにおいて、点滅周期や点滅頻度
等を若干異ならせても良い。また、例えば、設定変更演出において、先読み保留図柄を搖動するのであれば、設定低下時と設定増加時とにおいて、揺れの大きさや向き等を若干異ならせても良い。また、例えば、設定変更演出において、付加画像表示を行うのであれば、設定低下時と設定増加時とにおいて、付加画像の位置,大きさ,形状,色等を若干異ならせても良い。
さらに、設定変更による設定差が同一である時の設定変更演出として、略同一となる第1設定変更演出と第2設定変更演出とを設けても良い。そして、設定増加の場合には、第1設定変更演出を第2設定変更演出よりも高い頻度で行い、設定低下の場合には、第2設定変更演出を第1設定変更演出よりも高い頻度で行っても良い。
また、設定変更演出は、設定増加,設定低下,設定変化無しの各場合で、異なる頻度で行われても良い。一例として、設定増加の場合には、図柄A〜E,G〜Iを当り図柄とする大当り図柄決定用乱数に係る保留記憶の先読み演出において、設定変更演出が行われても良い(図6)。また、設定変化無しの場合には、図柄A〜C,E,Fを当り図柄とする大当り図柄決定用乱数に係る保留記憶の先読み演出において、設定変更演出が行われても良い。また、設定低下の場合には、図柄A,C,Fを当り図柄とする大当り図柄決定用乱数に係る保留記憶の先読み演出において、設定変更演出が行われても良い。これにより、設定増加の場合には最も高い頻度で設定変更演出を行い、設定低下の場合には最も低い頻度で設定変更演出を行うことができる。無論、設定変更演出は、設定増加,設定低下,設定変化無しの各場合、或いは、これらの場合のうちのいずれか2つで、同じ頻度で行われても良い。
以下では、第1実施形態のパチンコ機50動作について説明する。
(3)RAMクリア処理について
まず、パチンコ機50の電源投入時に主制御装置80にて行われるRAMクリア処理について説明する(図7)。
パチンコ機50の電源が投入されると、主制御装置80は、電源投入時の初期処理(S100)を行った後、RAMクリアスイッチ17からの検出信号に基づき、RAMクリアスイッチ17がONか否かを判定する(S105)。そして、肯定判定が得られた場合には(S105:Yes)、S130に移行し、否定判定が得られた場合には(S105:No)、S110に移行する。
S110では、主制御装置80は、主制御装置80のRAMの判定値(チェックサム)を算出する。また、電源断時に主制御装置80により算出され、記憶手段に保存されたRAMの判定値を読み出し、S115に移行する。なお、記憶手段とは、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性の記憶装置であっても良いし、電源OFF中もバックアップされる主制御装置80のRAMであっても良い。
S115では、主制御装置80は、新たに算出したRAMの判定値と、読み出したRAMの判定値が一致するか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S115:Yes)、RAMの判定値は正常とみなし、S120に移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S115:No)、S135に移行する。
S120では、主制御装置80は、電源復帰時の処理(例えば、サブ統合制御装置83を電源断時の状態に復帰させるためのコマンドの送信等)を行い、S125に移行する。
S125では、主制御装置80は、各種割込みの設定を行い、メインルーチンに移行する。
一方、RAMクリアスイッチ17がONである場合に移行するS130では、主制御装置80は、RAMクリアスイッチ17がOFFになるまで待つ。すなわち、RAMクリアスイッチ17がOFFか否かを判定し、OFFである場合には(S130:Yes)、S135に移行すると共に、OFFでない場合には(S130:No)、再度、S130に移行する。
S135では、主制御装置80は、確率設定を退避させた状態でRAMの全領域を0にするRAMクリアを行い、S140に移行する。なお、この時、主制御装置80は、サブ統合制御装置83や払出制御装置81等の装置に対しRAMのクリアを指示しても良い。
S140では、主制御装置80は、遊技における各種抽選に用いられる初期値乱数を設定する初期値乱数設定処理を行い、S145に移行する。
S145では、主制御装置80は、主制御装置80のRAMの初期設定を行い、S150に移行する。
S150では、主制御装置80は、各種割込みの設定を行い、S155に移行する。
S155では、主制御装置80は、設定スイッチ16の操作状態に応じて設定変更を行う設定変更処理を実行し、S160に移行する。
S160では、主制御装置80は、設定変更演出を行う期間である演出期間を設定する演出期間設定処理を実行し、メインルーチンに移行する。
(4)設定変更処理について
次に、設定スイッチ16の操作状態に応じて設定変更を行う設定変更処理について説明する(図8)。
S200では、主制御装置80は、設定スイッチ16からの信号に基づき設定スイッチ16の操作状態を把握し、設定スイッチ16により指定された確率設定を把握する。また、主制御装置80は、主制御装置80のRAMに保存されている最新の確率設定と、設定スイッチ16により指定された確率設定とを比較し、設定変更の有無を判定する。そして、設定変更有の場合(S200:Yes)、S205に移行し、設定変更無しの場合(S200:No)、本処理を終了する。
なお、設定スイッチ16の操作に限らず、様々な方法で設定変更を行うことが考えられる。具体的には、例えば、主制御装置80に対し、演出図柄表示装置6の画面に設けられたタッチパネル等の操作部からの操作信号が入力されるようにしても良い。なお、演出ボタン67やジョグダイヤル68を、該操作部として構成しても良い。また、主制御装置80は、サブ統合制御装置83にコマンドを送信し、演出図柄表示装置6に、設定変更を行うための操作を指示する設定変更画面を表示させても良い。そして、主制御装置80は、設定変更画面の表示中、上記操作部を介して受け付けた操作に応じて設定変更を行っても良い。また、例えば、パチンコ機50に接続された外部装置からの信号が主制御装置80に入力されるよう構成し、主制御装置80にて、該信号に応じて設定変更を行うことも考えられる。
S205では、主制御装置80は、変更フラグをセットし、S210に移行する。
ここで、主制御装置80のRAMには、最新の確率設定を保存する第1保存エリアと、最新の確率設定に変更される直前の確率設定(前回の確率設定)を保存する第2保存エリアとが設けられている。なお、上述した不揮発性の記憶装置に、これらの保存エリアを設けても良い。S210では、主制御装置80は、第1保存エリアに保存されている確率設定を第2保存エリアに保存すると共に、設定スイッチ16により指定された確率設定を第1保存エリアに保存する。以後、このようにして、先に保存されていた確率設定の記憶領域を変更しつつ新たな確率設定を保存することを、シフト記憶と記載する。そして、主制御装置80は、S215に移行する。
なお、確率設定の記憶領域として第1〜第X保存エリア(xは3以上の整数)を設け、これらの保存エリアに、最新の確率設定と、1回前からX−1回前の確率設定とを保存するようにしても良い。そして、設定変更が行われた際には、第y保存エリア(yは1以上x−1以下の整数)に保存されている確率設定を、全て第y+1保存エリアに保存すると共に、第1保存エリアに最新の確率設定を保存することで、シフト記憶を行っても良い。
S215では、主制御装置80は、最新の確率設定と前回の確率設定とを比較し、設定増加となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S215:Yes)、S220に移行すると共に、否定判定の場合には(S215:No)、S225に移行する。
S220では、主制御装置80は、増加フラグをセットし、本処理を終了する。
一方、S225では、主制御装置80は、増加フラグをクリアし、本処理を終了する。
なお、主制御装置80は、各保存エリアに保存されている確率設定と増加フラグとのうちの双方又は一方をサブ統合制御装置83に送信しても良い。一方、サブ統合制御装置83は、受信した確率設定や増加フラグを、RAM、又は、上述した不揮発性の記憶装置に保存しても良い。そして、サブ統合制御装置83は、パチンコ店の店員等により行われる予め定められた操作に応じて、演出図柄表示装置6等に確率設定や増加フラグの内容を表示しても良い。
また、主制御装置80は、各保存エリアに保存されている確率設定と増加フラグとのうちの双方又は一方を、ホールコンピュータ87等の外部装置に送信しても良い。
(5)演出期間設定処理について
次に、設定変更演出を行う期間である演出期間を設定する演出期間設定処理について説明する(図9)。
S300では、主制御装置80は、最新の確率設定と前回の確率設定とを比較することで、設定変更の有無を判定する。そして、設定変更有の場合(S300:Yes)、S305に移行し、設定変更無しの場合(S300:No)、S340に移行する。
S305では、主制御装置80は、最新の確率設定と前回の確率設定とに基づき、設定増加が生じたか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S305:Yes)、S310に移行し、否定判定の場合には(S305:No)、S335に移行する。
S310では、主制御装置80は、最新の確率設定が最高値であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S310:Yes)、S330に移行し、否定判定の場合には(S310:No)、S315に移行する。
S330では、主制御装置80は、設定変更演出の演出期間を一例として6日間とし、本処理を終了する。
一方、S315では、主制御装置80は、最新の確率設定と前回の確率設定とに基づき、設定変更による設定差がX段階以上か否かを判定する。なお、Xは一例として2であっても良い。無論、これに限らず、Xの値は、例えば、3,4,5,6等、様々な値にすることができる。そして、肯定判定の場合には(S315:Yes)、S325に移行し、否定判定の場合には(S315:No)、S320に移行する。
S325では、主制御装置80は、設定変更演出の演出期間を一例として5日間とし、本処理を終了する。
一方、S320では、主制御装置80は、設定変更演出の演出期間を一例として4日間とし、本処理を終了する。
これに対し、設定変更がなされていない場合に移行するS340では、主制御装置80は、設定変更演出の演出期間を一例として3日間とし、本処理を終了する。
また、設定低下の場合に移行するS335では、主制御装置80は、設定変更演出の演出期間を一例として2日間とし、本処理を終了する。
無論、各演出期間の設定方法は、上述したものに限定されることは無く、演出期間を様々な長さに設定することが考えられる。
また、例えば、設定低下の場合は、設定変化無しの場合よりも、演出期間を長くしても良い。また、例えば、設定低下の場合は、設定増加の場合よりも、演出期間を長くしても良い。また、設定変更後の確率設定が最高値の場合には、他の場合に比べ、演出期間を短くしても良い。
また、例えば、設定変更後の確率設定により設定される当選確率が高くなるにつれ(換言すれば、設定変更後の確率設定が遊技者に有利になるにつれ)、演出期間を長くしても良い。詳しく説明すると、1〜3の3段階の確率設定が設けられていたとする。なお、段階を示す数値が大きくなるにつれ、遊技者に有利になる(当選確率が高くなる)。そして、段階が3の場合の演出期間をT3、段階が2の場合の演出期間をT2、段階が1の場合の演出期間をT1とする。この時、T3>T2>T1となっていても良い。この他にも、T3>T2=T1となっていても良いし、T3=T2>T1となっていても良い。
反対に、例えば、設定変更後の確率設定により設定される当選確率が低くなるにつれ、演出期間を長くしても良い。すなわち、T3<T2<T1となっていても良い。この他にも、T3<T2=T1となっていても良いし、T3=T2<T1となっていても良い。
さらに、演出期間を設けず、継続的に設定変更演出を行うようにしても良い。
(6)メインルーチンについて
次に、主制御装置80におけるメインルーチンについて、図10に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S75に処理を移行する。
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50),始動口への入賞に起因して特図の当否判定を行う当否判定処理と(S55)、特別遊技を制御する特別遊技処理と(S60)を行う。また、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S65)、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S70)を実行する。
また、S75では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
(7)始動入賞確認処理について
次に、第1,第2始動口11,12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶の生成等を行う始動入賞確認処理について説明する(図11)。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理(S50)からコールされるサブルーチンとして構成されている。
S400では、主制御装置80は、第1,第2始動口SW11a,12aの検出信号に基づき、第1,第2始動口11,12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S400:Yes)、S405に処理を移行し、否定判定の場合は(S400:No)、本処理を終了する。
S405では、主制御装置80は、入賞が生じた始動口に対応する特図の保留記憶の数が、上限値(一例として4)か否かを判定する。そして、否定判定の場合は(S405:No)、S410に処理を移行し、肯定判定の場合は(S405:Yes)、本処理を終了する。
S410では、主制御装置80は、入賞が生じた始動口に対応する特図の当否判定に用いられる大当り決定用乱数や、当否判定で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、図柄演出においてリーチ外れとするか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出し、これらの乱数を保留記憶として記憶する。なお、リーチ外れとは、図柄演出において、リーチ状態となった後に、外れを示した状態で演出図柄を停止表示させることを意味する。そして、入賞が生じた始動口に対応する保留記憶の数を示す保留数コマンドを、サブ統合制御装置83に送信し、S415に処理を移行する。
S415では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶を対象とする先読み演出を行うか否かを決定する先読み判定処理を実行し、本処理を終了する。
(8)先読み判定処理について
次に、新たに発生した保留記憶を対象とする先読み演出を行うか否かを決定すると共に、先読み演出において設定変更演出を行うか否かを決定する先読み判定処理について説明する(図12)。なお、本処理は、始動入賞確認処理からコールされる。
S500では、主制御装置80は、先読み演出を行うか否かを決定する。具体的には、例えば、主制御装置80は、先読み判定処理の対象となる保留記憶に係る大当り決定用乱数が当否判定で当りとなる値や、予め定められた値等である場合には、先読み演出を行うことを決定しても良い。また、例えば、主制御装置80は、リーチ判定用乱数が図柄演出でリーチ外れとなることを示している場合や、リーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等に基づき、図柄演出にてスーパーリーチ(当りへの期待度が高いリーチ外れ)が発生することが判明した場合には、先読み演出を行うことを決定しても良い。さらに、主制御装置80は、例えば、これらの場合において乱数を用いた抽選を行い、抽選で当選した場合に、先読み演出を行うことを決定しても良い。主制御装置80は、先読み演出を行うことを決定した場合には(S500:Yes)、S505に移行し、そうでない場合には(S500:No)、本処理を終了する。
S505では、主制御装置80は、変更フラグがセットされているか否か(RAMクリア処理にて設定変更が生じたか否か)を判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S505:Yes)、S510に移行し、否定判定が得られた場合には(S505:No)、S535に移行する。
S510では、主制御装置80は、主制御装置80に設けられた時計機能により、最後にRAMクリアが実行された時点から、演出期間が経過したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S510:Yes)、S515に移行し、否定判定が得られた場合には(S510:No)、S530に移行する。
なお、S510の処理により、演出期間の経過後は設定変更演出が行われなくなるが、演出期間の経過後、一定期間が経過した際に設定変更演出を再開しても良い。また、演出期間内であっても、設定変更演出を行わない時期を設けても良い。
また、演出期間を経過したか否かは、時計機能を用いて判定されるが、時計機能は、バックアップ電源を有し、パチンコ機50への電力供給がなされていない時でも動作を継続させるのが好適である。しかし、これに限らず、時計機能へのバックアップ電源を設けず、パチンコ機50への電力供給中しか時計機能が作動しないようにしても良い。この場合、設定変更時点からのパチンコ機50の総稼働時間を電力供給の停止期間を跨いで計測し、総稼働時間が演出期間を超えた時に設定変更演出を終了しても良い。具体的には、設定変更がなされた後、電力供給中の経過時間を時計機能により計測すると共に、パチンコ機50への電力供給が停止する度に、計測した経過時間を、上述した不揮発性の記憶装置に総稼働時間として記憶しても良い。そして、パチンコ機50への電力供給が再開した際に記憶装置から総稼働時間を読み出し、時計機能により計測した経過時間を総稼働時間に加算することで、設定変更時からのパチンコ機50の総稼働時間を計測するようにしても良い。
S530では、主制御装置80は、変更フラグ及び増加フラグをクリアし、S535に移行する。
一方、S515では、主制御装置80は、増加フラグがセットされているか否か(設定増加か否か)を判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S515:Yes)、S520に移行し、否定判定が得られた場合には(S515:No)、S525に処理を移行する。
S520,S525では、主制御装置80は、乱数を用いた抽選を行い、該抽選に当選すると設定変更演出を行うことを決定する。なお、一例として、S520での抽選(設定増加の場合の抽選)は、60%の確率で当選し、S525での抽選(設定変化無し及び設定低下の場合の抽選)は、30%の確率で当選しても良い。無論、各場合の当選確率はこれに限らず、設定増加の場合の抽選での当選確率が、設定低下の場合の抽選での当選確率よりも高くなるようになっていれば良い。なお、これとは反対に、設定増加の場合の当選確率が、設定変化無し及び設定低下の場合の当選確率に比べ、低くなっていても良い。また、例えば、設定変化無しの場合には、設定変更演出を行わない構成としても良い。
主制御装置80は、設定変更演出を行うことを決定した場合は、先読み演出と設定変更演出とを指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。一方、主制御装置80は、設定変更演出を行うことを決定しなかった場合は、先読み演出を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
また、設定変更が生じていない場合や、演出期間が経過している場合に移行するS535では、主制御装置80は、先読み演出を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
なお、先読み判定処理は、新たな保留記憶が発生した際に、該保留記憶を対象として実行される。しかしながら、新たに発生した保留記憶に限らず、該保留記憶よりも先に発生した保留記憶を対象として先読み判定処理を実行しても良い。また、新たな保留記憶が発生した際に限らず、様々なタイミングで、その時点で生じているいずれかの保留記憶を対象として先読み判定処理を実行しても良い。
(9)当否判定処理について
次に、保留記憶された大当り決定用乱数により特図の当否判定を行う当否判定処理について説明する(図13〜16)。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。
まず、図13に関して、S600では、主制御装置80は、特別電動役物の作動中、すなわち、特別遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S600:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S600:No)、S605に移行する。
S605では、主制御装置80は、特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S605:Yes)、図15のS680に移行し、否定判定の場合には(S605:No)、S610に移行する。
S610では、主制御装置80は、特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S610:Yes)、図16のS690に移行し、否定判定の場合には(S610:No)、図14のS615に移行する。
続いて図14に関して、S615では、主制御装置80は、保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S615:Yes)、S620に移行すると共に、否定判定の場合には(S615:No)、本処理を終了する。
S620では、主制御装置80は、第1特図又は第2特図に対応するいずれかの保留記憶を選択すると共に、選択した保留記憶と同じ特図に対応する保留記憶の数をデクリメントする。なお、第1特図に対応する保留記憶と、第2特図に対応する保留記憶が存在する場合には、第1特図に対応する最も古い保留記憶を選択しても良い(つまり、第1特図に対応する保留記憶を優先消化しても良い)。無論、これに限らず、対応する特図の種類に関わりなく、最も古い保留記憶を選択しても良いし、第2特図に対応する最も古い保留記憶を選択しても良い(つまり、第2特図に対応する保留記憶を優先消化しても良い)。そして、選択された保留記憶に係る乱数をバッファに保存し、S625に移行する。
S625では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S625:Yes)、S630に移行すると共に、否定判定の場合には(S625:No)、S635に移行する。
S630では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)とに基づき、該保留記憶に対応する特図の当否判定を実行し、該保留記憶を消化する。換言すれば、該大当り判定用乱数が、確変テーブルに登録されている当り値と一致するか否かを判定する。この時、主制御装置80は、最新の確率設定に応じた確変テーブルを使用する。これにより、最新の確率設定に応じた当選確率で、特図の当否判定に当選する。そして、主制御装置80は、S640に移行する。
一方、S635では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変モードではない遊技状態に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、該保留記憶に対応する特図の当否判定を実行し、該保留記憶を消化する。換言すれば、該大当り判定用乱数が、通常テーブルに登録されている当り値と一致するか否かを判定する。この時、主制御装置80は、最新の確率設定に応じた通常テーブルを使用する。これにより、最新の確率設定に応じた当選確率で、特図の当否判定に当選する。そして、S640に移行する。
S640では、主制御装置80は、S630又はS635において、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数が当り値に一致すると判定された場合(特図の当否判定で当った場合)には(S640:Yes)、S645に移行する。一方、そうでない場合には(S640:No)、S660に移行する。
S645では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき当り図柄を決定することで、特別遊技のラウンド数や、特別遊技後に確変モードや時短モードに移行するか否か等を決定する。そして、S650に移行する。
S650では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S655に移行する。
S655では、主制御装置80は、特別遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、特別遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び特別遊技の演出態様等を設定すると共に、特別遊技後に確変モード或いは時短モードになるように、確変フラグや時短フラグの設定状況を特別遊技が終了するまで一旦モードバッファに退避するよう設定し、S670に移行する。
一方、S640で否定判定が得られた場合に移行する(すなわち、特図の当否判定で外れた際に移行する)S660では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S665に移行する。
S665では、主制御装置80は、確変モード中に実行可能な特図の当否判定の残り回数を示すカウンタや、時短モード中に実行可能な特図の当否判定の残り回数を示すカウンタの更新等を行い、S670に移行する。
S670では、主制御装置80は、上述したS620においてデクリメントした後の保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、S675に移行する。
S675では、主制御装置80は、特図の変動表示を開始すると共に、サブ統合制御装置83に対し、特別図柄に対応して変動表示する演出図柄の変動時間等を示す変動開始コマンドを送信することで図柄演出を開始させ、本処理を終了する。
続いて図15に関して、特図の変動表示中に移行するS680では、主制御装置80は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S680:Yes)、S685に移行すると共に、否定判定の場合には(S680:No)、本処理を終了する。
S685では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
続いて図16に関して、特図の確定表示中に移行するS690では、主制御装置80は、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S690:Yes)、S695に移行すると共に、否定判定の場合には(S690:No)、本処理を終了する。
S695では、主制御装置80は、特図の確定表示を終了し、S700に移行する。
S700では、主制御装置80は、確定表示されていた特図が当否判定での当選時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には(S700:Yes)、S705に移行すると共に、否定判定の場合には(S700:No)、S740に移行する。
S705では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグが1である場合には確変フラグをクリアし(S710)、その後、S715に移行する。
S715では、主制御装置80は、時短モードであることを示す時短フラグを参照すると共に、時短フラグが1である場合には時短フラグをクリアし(S720)、その後、S725に移行する。
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S725),役物連続作動装置作動開始処理(S730),大当り開始演出処理(S735)を順次実行することで、特別遊技の態様を示すコマンドや、特別遊技の開始を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する等して特別遊技を開始し、本処理を終了する。
一方、S700にて否定判定が得られた場合に移行するS740では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S740:Yes)、確変モード中に実行可能な特図の当否判定の残り回数(確変回数)を参照する(S745)。そして、確変回数が0である場合には(S745:Yes)、確変フラグをクリアし(S750)、S755に移行する。
S755では、主制御装置80は、時短フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S755:Yes)、時短モード中に実行可能な特図の当否判定の残り回数(時短回数)を参照する(S760)。そして、時短回数が0である場合には(S760:Yes)、時短フラグをクリアし(S765)、S770に移行する。
S770では、主制御装置80は、状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
(10)特別遊技処理について
次に、特別遊技の進行を制御する特別遊技処理について説明する(図17〜19)。なお、本処理はメインルーチンから実行される。
S800では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、特別遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S800:Yes)、S805に移行し、否定判定の場合には(S800:No)、本処理を終了する。
S805では、主制御装置80は、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S805:Yes)、図18のS830に移行すると共に、否定判定の場合には(S805:No)、S810に移行する。
S810では、主制御装置80は、特別遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S810:Yes)、図18のS850に移行すると共に、否定判定の場合には(S810:No)、S815に移行する。
S815では、主制御装置80は、特別遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S815:Yes)、図19のS870に移行すると共に、否定判定の場合には(S815:No)、S820に移行する。
S820では、主制御装置80は、特別遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S820:Yes)、S825に移行すると共に、否定判定の場合には(S820:No)、本処理を終了する。
S825では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図18に関して、大入賞口14の開放中に移行するS830では、主制御装置80は、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S830:Yes)、S840に移行すると共に、否定判定の場合には(S830:No)、S835に移行する。
S835では、主制御装置80は、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S835:Yes)、S840に移行すると共に、否定判定の場合には(S835:No)、本処理を終了する。
S840では、主制御装置80は、大入賞口14を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S845に移行する。
S845では、主制御装置80は、特別遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
一方、各ラウンドのインターバル中に移行するS850では、主制御装置80は、特別遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S850:Yes)、S855に移行すると共に、否定判定の場合には(S850:No)、本処理を終了する。
S855では、主制御装置80は、特別遊技の最終ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S855:Yes)、S860に移行すると共に、否定判定の場合には(S855:No)、S865に移行する。
S860では、主制御装置80は、特別遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S865では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図19に関して、特別遊技の終了演出中に移行するS870では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S870:Yes)、S875に移行すると共に、否定判定の場合には(S870:No)、本処理を終了する。
続くS875,S880では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S885に移行する。
S885では、主制御装置80は、特別遊技後に確変モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S885:Yes)、確変モード中に実行可能な特図の当否判定の回数(確変回数)を設定すると共に(S890)、確変フラグをセットし(S895)、S900に移行する。
S900では、主制御装置80は、特別遊技後に時短モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S900:Yes)、時短モード中に実行可能な特図の当否判定の回数(時短回数)を設定すると共に(S905)、時短フラグをセットし(S910)、S915に移行する。
S915,S920では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、特別遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、本処理を終了する。
[効果]
第1実施形態のパチンコ機50によれば、特図の当否判定での当選確率の設定変更がなされたことが示唆されるため、遊技者に対し、当選確率が高くなったとの期待感を持たせることができる。一方、設定変更を示唆するのみなので、遊技者は、当選確率が高くなったか低くなったかまでは把握できず、遊技者に不利な設定変更がなされた遊技機での遊技を避けることはできない。したがって、パチンコ店に損失を与えることなく、遊技者に特図の当否判定での当選確率が高いとの期待を抱かせることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のパチンコ機50について説明する。第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
第2実施形態では、第1実施形態と同様にして設定変更が行われ、先読み演出において設定変更演出が行われる。しかしながら、第1実施形態の先読み判定処理では、設定増加の場合と、設定変更無し及び設定低下の場合とで、異なる確率で設定変更演出が行われる。これに対し、第2実施形態の先読み判定処理では、設定増加の場合と、設定変更無しの場合と、設定低下の場合との各場合で、異なる確率で設定変更演出が行われる。また、先読み演出に加え、待機画面においても設定変更演出が行われる。
このため、第2実施形態は、設定変更処理と先読み判定処理とにおいて第1実施形態と相違しており、さらに、待機画面にて設定変更演出を行う待機画面表示処理が行われる。
以下では、これらの相違点について詳しく説明する。
(1)設定変更処理について
まず、第2実施形態の設定変更処理について説明する(図20)。
S1000では、主制御装置80は、第1実施形態の設定変更処理のS200と同様にして、設定変更の有無を判定する。そして、設定変更有の場合(S1000:Yes)、S1010に移行し、設定変更無しの場合(S1000:No)、S1005に移行する。
S1005では、主制御装置80は、変更フラグに0を設定し、本処理を終了する。
S1010では、主制御装置80は、S210と同様にして、設定スイッチ16により指定された最新の確率設定をシフト記憶し、S1015に移行する。
S1015では、主制御装置80は、最新の確率設定と前回の確率設定とを比較し、設定増加となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S1015:Yes)、S1020に移行し、否定判定の場合には(S1015:No)、S1025に移行する。
S1020では、主制御装置80は、変更フラグに2を設定し、本処理を終了する。
S1025では、主制御装置80は、変更フラグに1を設定し、本処理を終了する。
なお、第1実施形態と同様、主制御装置80からサブ統合制御装置83に対し確率設定や増加フラグを送信し、パチンコ店の店員等により行われる予め定められた操作に応じて、演出図柄表示装置6等にて確率設定や増加フラグの内容を表示するようにしても良い。また、第1実施形態と同様、主制御装置80は、確率設定や増加フラグを、ホールコンピュータ87等の外部装置に送信しても良い。
(2)先読み判定処理について
次に、第2実施形態の先読み判定処理について説明する(図21)。
S1100では、主制御装置80は、第1実施形態の先読み判定処理のS500と同様にして、先読み演出を行うか否かを決定する。そして、主制御装置80は、先読み演出を行うことを決定した場合には(S1100:Yes)、S1105に移行し、そうでない場合には(S1100:No)、本処理を終了する。
S1105では、主制御装置80は、S510と同様にして、最後にRAMクリア処理が実行された時点から演出期間が経過したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S1105:Yes)、S1110に移行し、否定判定が得られた場合には(S1105:No)、S1130に移行する。
S1130では、主制御装置80は、変更フラグをクリアすると共に、先読み演出を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S1135)、本処理を終了する。
一方、S1110では、主制御装置80は、変更フラグの値を判定する。そして、変更フラグが0の場合(設定変更無しの場合)には、S1115に、変更フラグが2の場合(設定増加の場合)には、S1120に、変更フラグが1の場合(設定低下の場合)には、S1125に移行する。
S1115〜S1125では、S520,S525と同様、主制御装置80は、抽選に当選すると設定変更演出を行うことを決定する。なお、一例として、S1115での抽選(設定変化無しの場合の抽選)の当選確率P0は、40%であり、S1120での抽選(設定増加の場合の抽選)の当選確率P2は、65%であり、S1125での抽選(設定低下の場合の抽選)の当選確率P1は、20%であっても良い。無論、各場合の当選確率はこれに限らず、P2>P0>P1となっていれば良い。また、各場合の当選確率の大小関係は、これに限らず、例えば、P2>P1>P0となっていても良い。また、例えば、P0=0、つまり、設定変化無しの場合には、設定変更演出を行わない構成としても良い。
主制御装置80は、設定変更演出を行うことを決定した場合は、先読み演出と設定変更演出とを指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。一方、主制御装置80は、設定変更演出を行うことを決定しなかった場合は、先読み演出を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
なお、第2実施形態の先読み判定処理もまた、第1実施形態と同様、様々なタイミングで、様々な保留記憶を対象として実行することができる。
(3)待機画面での設定変更演出について
パチンコ機50にて遊技が行われていない状態が予め定められた時間にわたって継続した場合等には、主制御装置80は、待機状態に移行し、サブ統合制御装置83に対し待機画面の表示を指示する。サブ統合制御装置83は、該指示に応じて図柄表示装置6に待機画面を表示するが、待機画面においても設定変更演出が行われる。なお、図22の画面1200は、待機画面の一例を示している。
具体的には、次のような態様で設定変更演出を行っても良い。例えば、待機画面において表示されたオブジェクト(例えば、例えば、機種名やパチンコ機50の製造メーカ名等を示す文字,図形や、各種キャラクタ等)の色を替えたり、点滅させたり、搖動させても良いし、オブジェクトを通常の待機画面とは異なる位置に配置しても良いし、オブジェクトに対する付加画像表示を行っても良い。また、待機画面においてオブジェクトが動く場合であれば、オブジェクトの動きを異ならせることで、設定変更演出を行っても良い。
また、設定変更演出は、待機画面の表示中、常時行われても良いし、定期的或いはランダムなタイミングで散発的に行われも良い。
また、設定変更演出は、待機状態中、遊技者がパチンコ機50の前に座っている場合(在席状態)に行われても良い。具体的には、例えば、待機状態中、何者かが発射ハンドル64に触っている場合には、在席状態とみなしても良い。この場合には、主制御装置80は、発射ハンドル64からのタッチ信号を発射制御装置84及び払出制御装置81を介して取得し、タッチ信号に基づき在席状態か否かを判定しても良い。
この他にも、CRユニット56に現金が投入されていたり、CRユニット56にICカードが挿入されていたりする場合を、在席状態とみなしても良い。この場合、主制御装置80は、CRユニット56からの信号をCRユニット端子板24及び払出制御装置81を介して取得し、該信号に基づき、在席状態であるか否かを判定することが考えられる。
主制御装置80は、在席状態であるか否かを示すコマンドを、サブ統合制御装置83に送信しても良い。そして、サブ統合制御装置83は、該コマンドに基づき在席状態であるか否かを把握し、在席状態である場合には、設定変更演出を行っても良い。
また、待機画面における設定変更演出は、先読み演出での設定変更演出と同様、設定増加,設定低下,設定変化無しの各場合で、異なる頻度で行われる。無論、各場合、或いは、これらの場合のうちのいずれか2つで、同じ頻度で行われても良い。
また、待機画面における設定変更演出は、先読み演出での設定変更演出と同様、設定変更による設定差に応じた態様で行われても良く、さらに、設定差が同一であれば、設定増加の場合と設定低下の場合とにおいて、同一、又は、略同一の態様で行われても良い。
さらに、先読み演出での設定変更演出と同様、待機画面における設定変更演出においても、設定変更による設定差が同一である時の設定変更演出として、略同一となる第1設定変更演出と第2設定変更演出とを設けても良い。そして、設定増加の場合には、第1設定変更演出が第2設定変更演出よりも高い頻度で行われ、設定低下の場合には、第2設定変更演出が第1設定変更演出よりも高い頻度で行われるようにしても良い。
(4)待機画面表示処理について
次に、第2実施形態の待機画面表示処理について説明する(図23)。本処理は、メインルーチンからコールされる。
S1300では、主制御装置80は、待機状態に移行するか否かを判定する。具体的には、例えば、主制御装置80は、遊技盤のアウト口等に設けられた検出スイッチからの信号に基づき、遊技球の発射の有無を判定しても良い。そして、遊技球が発射されていない状態が予め定められた期間にわたって継続した場合には、待機状態に移行すると判定しても良い。また、例えば、主制御装置80は、タッチ信号に基づき、遊技者が発射ハンドル64に触れているか否かを判定し、発射ハンドル64に触れていない状態が予め定められた期間にわたって継続すると、待機状態に移行すると判定しても良い。主制御装置80は、待機状態に移行する場合には(S1300:Yes)、S1305に移行し、移行しない場合には(S1300:No)、本処理を終了する。
S1305では、主制御装置80は、先読み判定処理のS1105と同様にして、最後にRAMクリア処理が実行された時点から演出期間が経過したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S1305:Yes)、S1310に移行し、否定判定が得られた場合には(S1305:No)、S1330に移行する。
S1330では、主制御装置80は、変更フラグをクリアすると共に、通常の待機画面の表示を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S1335)、本処理を終了する。
一方、S1310では、主制御装置80は、変更フラグの値を判定する。そして、変更フラグが0の場合(設定変更無しの場合)には、S1315に、変更フラグが2の場合(設定増加の場合)には、S1320に、変更フラグが1の場合(設定低下の場合)には、S1325に移行する。
S1315〜S1325では、S1115〜S1125と同様、主制御装置80は、抽選に当選すると設定変更演出を行うことを決定する。なお、一例として、S1315での抽選(設定変化無しの場合の抽選)の当選確率P0は、35%であり、S1320での抽選(設定増加の場合の抽選)の当選確率P2は、70%であり、S1325での抽選(設定低下の場合の抽選)の当選確率P1は、25%であっても良い。無論、各場合の当選確率はこれに限らず、P2>P0>P1となっていれば良い。また、各場合の当選確率の大小関係は、これに限らず、例えば、P2>P1>P0となっていても良い。また、例えば、P0=0、つまり、設定変化無しの場合には、設定変更演出を行わない構成としても良い。
主制御装置80は、設定変更演出を行うことを決定した場合は、待機画面の表示と設定変更演出とを指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。一方、主制御装置80は、設定変更演出を行うことを決定しなかった場合は、待機画面の表示を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
[効果]
第2実施形態のパチンコ機50によれば、第2実施形態と同様の効果が得られる。
[変形例]
第1,第2実施形態における先読み演出での設定変更演出では、設定変更による設定差がX段階以上の場合と、X段階未満の場合とで、異なる態様で設定変更演出が行われる。なお、一例としてX=2になっている。さらに、設定変更後の確率設定が最高値となった場合には、他の場合とは異なる態様で設定変更演出が行われる。
しかしながら、先読み演出や待機画面における設定変更演出において、設定変更後の確率設定が最高値か否かに関わらず、設定差がX段階以上の場合と、X段階未満の場合とで、異なる態様で設定変更演出を行っても良い。また、設定差に関わらず、設定変更後の確率設定が最高値である場合と、そうでない場合とで、異なる態様で設定変更演出を行っても良い。
また、設定変更による設定差がX段階以上であり、且つ、増加設定となった場合と、そうでない場合とで、異なる態様で設定変更演出を行っても良い。この時、さらに、設定変更後の確率設定が最高値となった場合には、他の場合とは異なる態様で設定変更演出を行っても良い。
また、第1実施形態では、先読み演出において、設定増加の場合とそうでない場合とでは、異なる確率(頻度)で設定変更演出が行われる。また、第2実施形態では、先読み演出及び待機画面の表示中において、設定増加の場合と、設定変化無しの場合と、設定低下の場合とでは、異なる確率で設定変更演出が行われる。
しかしながら、先読み演出や待機画面の表示中において、設定変更による設定差がX段階以上の場合(ケースA)と、X段階未満の場合(ケースB)とで、異なる確率で設定変更演出が行われても良い。なお、ケースAの方が、ケースBよりも高い確率で設定変更演出が行われても良いし、反対に、ケースBの方が、ケースAよりも高い確率で設定変更演出が行われても良い。
また、先読み演出や待機画面の表示中において、設定変更後の確率設定が最高値である場合(ケースC)と、そうでない場合(ケースD)とで、異なる確率で設定変更演出が行われても良い。なお、ケースCの方が、ケースDよりも高い確率で設定変更演出が行われても良いし、反対に、ケースDの方が、ケースCよりも高い確率で設定変更演出が行われても良い。
なお、ケースAとケースBとで異なる確率で設定変更演出を行うようにしつつ、ケースCとケースDとで異なる確率で設定変更演出を行うようにしても良い。
さらに、先読み演出や待機画面の表示中において、設定変更による設定差がX段階以上であり、且つ、設定増加の場合(ケースE)と、そうでない場合(ケースF)とで、異なる確率で設定変更演出が行われても良い。なお、ケースEの方が、ケースFよりも高い確率で設定変更演出が行われても良いし、反対に、ケースFの方が、ケースEよりも高い確率で設定変更演出が行われても良い。
なお、ケースEとケースFとで異なる確率で設定変更演出を行うようにしつつ、ケースCとケースDとで異なる確率で設定変更演出を行うようにしても良い。
なお、X=2としても良い。無論、これに限らず、Xの値は、例えば、3,4,5,6等、様々な値にすることができる。
[他の実施形態]
(1)第1,第2実施形態における保留演出は、演出図柄表示装置6に保留図柄を表示することで行われる。しかしながら、例えば、保留記憶が発生した際に、演出図柄表示装置6の周辺等に設けられたLED等の表示部を該保留記憶に対応して発光させることで、保留演出を行っても良い。
このような場合には、表示部の色を替えたり、点滅させたりすることで、先読み演出を行うことが考えられる。さらに、先読み演出が行われている表示部の色をさらに異なる色に変更したり、表示部を点滅させたり、表示部の点滅周期を変更したりするといった態様で、設定変更演出を行うことが考えられる。
(2)また、第1,第2実施形態において、先読み演出が行われていない状態の保留図柄を、先読み演出での設定変更演出と同様にして変化させることで、設定変更演出を行うことも考えられる。
また、設定変更演出は、先読み演出や待機画面等に限らず、図柄演出やリーチとなった際の演出や、特別遊技中の演出や、図柄演出が行われていない時の演出等、様々な演出において行うことが考えられる。このため、第1,第2実施形態のパチンコ機50のように、始動口の入球に応じて当否判定を行う所謂デジパチタイプのパチンコ機に限らず、様々なタイプのパチンコ機においても、第1,第2実施形態と同様にして設定変更演出を行うことができる。
また、設定変更演出は、例えば、各種LED、ランプ26を特殊な態様で発光させることで行われても良いし、スピーカ66から特殊な音を出力させることで行われても良い。無論、このような場合においても、設定差が同一である場合には、設定変更演出は、同一、或いは、略同一の態様で行われても良い。
(3)また、回胴式遊技機においても、第1,第2実施形態のパチンコ機50と同様にして、設定変更が行われたことを示唆する設定変更演出を行っても良い。具体的には、例えば、リールを回転させる際の態様や、演出画面での演出にて設定変更演出を行うことが考えられる。
(4)また、第1,第2実施形態では、特図の当否判定での当選確率を設定変更可能となっているが、これに限らず、普図の当否判定での当選確率を設定変更可能としても良い。そして、第1,第2実施形態と同様にして、設定変更がなされたことを示唆する設定変更演出を行っても良い。
(5)また、第1,第2実施形態では、RAMクリアが行われた際に設定変更を行う構成となっているが、これに限らず、例えば、電源投入時等に所定の操作が行われた場合や、待機状態中に所定の操作が行われた場合等に、設定変更処理や演出期間設定処理を行い、設定変更を行う構成としても良い。
この他にも、例えば、主制御装置80に対し、演出図柄表示装置6の画面に設けられたタッチパネル等の操作部からの操作信号が入力されるようにしても良い。なお、演出ボタン67やジョグダイヤル68を、該操作部として構成しても良い。そして、主制御装置80は、上記操作部や、遊技盤2の裏側等に設けられたスイッチ等を介して所定の操作を受け付けると、設定変更モードに移行し、サブ統合制御装置83にコマンドを送信し、設定変更を行うための操作を指示する設定変更画面を演出図柄表示装置6に表示させても良い。そして、主制御装置80は、設定変更画面の表示中、上記操作部を介して受け付けた操作に応じて設定変更を行っても良い。
ここで、図2に示される遊技領域3における向かって左下の領域に配設された4つの一般入賞口15及び始動口11への入賞であるベースに関する発明を第3実施形態として図24及び図25を用い説明する。
第3実施形態は、図24に示される処理を実行し、図25a〜図25cに示される画像を表示する以外は、第1実施形態又は第2実施形態と同じ構成を有する。
第3実施形態では、定期的に図24に示す「性能表示処理」が主制御装置80のCPUにより実行される。
主制御装置80のCPUにより実行される処理が本処理に移行すると、先ず遊技中であるか否かが判断される(ステップS1500)。
遊技中でないとの判断は、タッチSW28が所定時間以上(例えば3分間)オン状態とならない場合、アウト口に備えられた検出SWが所定時間以上(例えば2分間)遊技球を検出しない場合、発射モータ30により発射される遊技球が所定時間(例えば4分間)以上検出されない場合、始動口SW11a又は12aが所定時間以上(例えば5分間)遊技球を検出しない場合、等を遊技中でないとすることが考えられる。
遊技中でない待機状態と判断されると(ステップS1500の否定判断)、性能表示処理S1510が実行される。
性能表示処理1では、少なくともベースの設計値が表示される。ここでのベースとは、大入賞口ソレノイド14b又は普通役物ソレノイド12bがオン状態とならない通常遊技中に4個の一般入賞口15及び始動口11に入賞することにより払い出される賞球数の合計数を当該期間中に発射された発射球数で除算した割合を言う。本実施例では、遊技者が第1始動口又は第2始動口に入賞するよう遊技球を発射した場合、ベースは30%となるよう遊技釘の配置及び角度が設計されている。この設計ベース30%の数字が、図25aに示すように、性能表示処理1で表示される。
この性能表示は、待機中に常時表示しても良く、定期的に表示しても良い。要は、遊技者が当該遊技機の設計ベースの値を遊技開始前に判るように表示すれば良い。従って、タッチスイッチがオンとなり遊技球が発射されるまでの間、タッチスイッチがオンとなり始動口SW11a又は12aがオンとなるまでの間に演出図柄表示装置6の画面上に表示すれ構成でも良い。この場合には、遊技開始直前又は遊技開始直後に設計ベースが判るという効果を発揮する。
設計ベースは、遊技機の機種毎に固定された値なので、演出図柄制御装置82のROMに記憶しても良く、主制御装置80のROMに記憶されたデータを電源投入時に演出図柄制御装置82に送信して演出制御装置82のRAMに記憶する構成でも良い。或いは、性能表示処理1が実行される毎に、設計ベースを画面上に表示するタイミングで主制御装置80から演出制御装置82に送信する構成でも良い。
前述したS1500で遊技中との肯定判断が為された場合、続けて遊技中の実測ベースが所定(適正)範囲か否か判断される(ステップS1520)。
本実施例では、発射モータ30により発射される球数は100個/1分間、始動口11の賞球数は5個、一般入賞口15の賞球数は全て15個に設計されている。また、始動口への1分間の入賞口(スタート回数)は5個に設計されている。これらの値は適宜変更可能であり、賞球数も全て一致しなくとも良い。
これらの値も主制御装置80又は演出制御装置82のROMに書き込まれている。
前記設計値で15分間遊技球を発射した場合の一般入賞口15への入賞球数の合計Nは、(N+5)×15/100×15=30/100 から、約25個となる。
従って、15分間の合計Nが10個以下、60個以上なら当該遊技機は、ベースに関して設計性能を発揮していないとみなすことが可能である。10個以下ならベースは約15%以下、60個以上ならベースは約65%以上だからである。
これらの所定(適正)範囲の基準値は適宜設計変更可能である。例えば、始動口11への入賞個数も第1始動口SWによりカウントし実測ベースを算出する構成でも良い。また、始動口11への入賞を無視して4個の一般入賞口15だけの実測ベースが所定範囲内に収まるか否かを判断する構成でも良い。更には、5分毎にNが零なら所定範囲の下限を下回ると判断する構成でも良い。但し、一般入賞口15への遊技球の入賞には波があるので、実測間隔を過度に短くするのは好適ではない。
実測ベースが所定範囲内と判断されると処理は「リターン」に抜ける(ステップS1520の否定判断)。
一方、所定範囲内でないと判断されると実測ベースは下限所定値以下か否か判断される(ステップS1530)。肯定判断された場合は、下限所定値以下であって性能表示処理2(ステップS1540)が実行される。否定判断された場合は、上限所定値以上であって性能表示処理3(ステップS1550)が実行される。
性能表示処理2(ステップS1540)では、図25bに示すように、設計ベースと共に実測ベースも表示される。
同様に、性能表示処理3(ステップS1550)では、図25cに示すように、設計ベースと共に実測ベースも表示される。
本実施形態では、図25a〜図25cに示される表示形態は表示色をお互いに相違させている。
図25aに示される待機中の表示は、点滅表示させることなくベース等の設計値を黒又は青等の文字で表示させている。
図25bに示される表示は、実測ベース値を黄色で点滅表示させている。
図25cに示される表示は、実測ベース値を赤色で点滅表示させている。
これらの表示態様の相違は、適宜変更可能である。例えば、文字の大きさを相違させても良く、表示位置を相違させても良い。
また、遊技中の表示は、一度大きく表示し、当否結果を報知する演出図柄が変動表示するときには、演出図柄の表示の支障にならないよう、画面の中央から外れた位置に表示しても良い。
更に、変動表示が行われないときには、再度、中央に拡大表示する構成でも良い。
但し、実測ベース値を表示することは、設計ベース値を下回っていることを遊技者に報知するが、一般入賞口15への入賞率が悪くなるのは、遊技釘の角度ばかりでなく、気象条件や遊技台の設置位置等他の要因も複雑に関係しているので、下回っていることを強調する表示態様は控え、注意を喚起する程度の表示態様が好適である。
遊技中の実測ベース値等の表示処理は、次の計測時間の間表示し、次の計測で所定範囲内に収まれば当該表示を消去し、この次の計測で所定範囲内に収まらなければ、そのときの実測値を表示する。この表示時間も適宜変更可能である。例えば、実測した後に直ちに実測ベース値等を、次の実測時間より短い数分間表示する構成でも良い。
本実施形態の待機状態では、少なくとも設計ベースを含む設計値が表示されるので、遊技者が好みの遊技機を選択する判断材料となる。例えば、設計ベース値が高いと少ない金額で長時間遊技可能と判断できる。設計ベース値が低いと少ない金額で長時間遊技は不可能だが、大当たり確率との関係で早期に大当たりが発生する可能性のある遊技機であると推測可能となる。
遊技中の表示は、所定範囲を逸脱した場合のみ表示されるので、始動口11への入賞による当否結果を報知する演出表示に支障を来さない効果を有する。
実測ベースが所定範囲の下限以下となった場合、それが複数以上続く場合には、当該遊技機は何等かの原因でベースに関する性能を発揮できていないとの判断の下、当該遊技機での遊技を止めることが可能となる。また、下回る原因を追究する起因とさせることが可能となる。
実測ベースが所定範囲の上限以上となった場合には、ホールに不利益を与えるので、その原因を追究する起因とさせることが可能なる。
本実施例では、所定範囲を逸脱する場合に、表示する設計性能を待機状態中に表示する表示態様と相違させる構成としたが、設計ベース値に対応する所定基準値を下回るときだけに表示態様を相違させる構成としても良い。また、待機状態中には表示しない構成でも良い。
設計性能表示は、待機状態中でなくとも、主制御装置80からサブ統合制御装置83を介して演出図柄制御装置82に当否の抽選結果を報知するためのコマンドが送信されない場合に表示する構成でも良い。この場合には、当否結果を報知する演出図柄が変動表示されないので、演出表示に支障を来さず、遊技者はベース等の設計性能を再確認することができる。
第3実施形態では、一般入賞口(普通入賞口)15に入賞する遊技球は、集合させて一般入賞口SW15aにより検出されるが、4つの一般入賞口15の各々に入賞口SWを備る構成でも良い。この場合には、各一般入賞口15に各々所定時間内に何個入賞するか実測し、全体としてのベースが適正と判断される場合であっても、一般入賞口15の1個でも所定時間内に1個も入賞しない場合は、当該一般入賞口の実測ベース値及び全体としてのベースの設計性能を表示する構成が考えられる。設計ベース値と該当する一般入賞口15を示す表示態様でも良い。
前述したように、始動口11への入賞が困難でスタート回数が少ない場合には、当りへの期待が少ないことから遊技者は当該遊技機での遊技を避ける傾向にある。
そこで、一般入賞口15のみのベース値を実測する構成として設計ベース値を下回る場合に設計ベース値及び実測ベース値を表示する構成、一般入賞口15の1つでも所定時間、例えば、10分間に1回でも入賞しない場合に設計ベース値を赤色点滅させる構成でも良い。
この場合には、一般入賞口15のみ、又は一般入賞口15の特定入賞口のみが設計値ベースの性能を発揮していないことを示すだけなので、注意喚起の意味合いを高める効果を発揮する。つまり、当該遊技機そのものが設計ベース値の性能を発揮していないわけでは無いと示唆することができる。
本実施形態では、遊技中に一般入賞口15への賞球数が所定基準を下回るときには、設計ベース値等を表示するよう構成したが、設計ベース値を表示せず、一般入賞口15又は該当する一般入賞口15への入賞が少ない旨を表示又は示唆する構成でも良い。
また、所定範囲を逸脱する場合、下限値を下回る場合等に、その旨をホールコンピュータ等の外部装置に送信しても良い。
さらに、本実施形態では遊技時間に従って発射個数を算出するよう構成したが、所定時間内の発射個数を検出する構成でも良い。例えば、遊技盤面最下部のアウト口にセンサを備え、アウト口で検出された球数と各入賞口に入賞した球数を合算することにより、所定時間内に発射された球数を算出する構成が考えられる。或いは、ガイドレールの先端等にセンサを備え、盤面に発射される球数を検出する構成でも良い。
次に第4実施形態について説明する。
この第4実施形態は、第3実施形態と共に実施しても良く、また第4実施形態のみを実施しても良い。但し、第4実施形態のみを実施する場合でも、待機状態中に、少なくともベース値を含む設計性能を表示しても良い。
第4実施形態では、実測ベース値をパチンコホールの関係者等が見ることができる構成を付加したものである。
第4実施形態では、RAMクリアSW17のみをオン操作することにより見ることができる構成である(図26 ステップS1600及びS1610)。この場合、1日毎の実測ベース値を主制御装置80のRAMに所定期間記憶し、RAMクリアSW17を操作することにより、所定期間内の実測ベース値を演出図柄表示装置6の画面に表示するのである。これにより、ホール関係者や検査員等が、当該遊技機が適正なベース値を維持しているか否か確認可能となる。
所定期間記憶される実測ベース値は、RAM容量を考慮し、演出図柄制御装置82のRAMに記憶する構成でも良い。この場合、当該RAMはバックアップ電源により記憶保持され、RAMクリアSW17をオン操作した状態で電源投入すれば、主制御装置80のRAMと共にクリアされる。しかし、最新の所定期間のベース値を記憶する構成なので(所謂「ところてん押し出し方式」)、共にクリアされる構成でなくとも良い。
なお、RAMクリアSW17でなくとも遊技者が操作不可能なSW等を操作することにより、ホール関係者等が実測ベースを見ることができる構成でも良い。これらのSWは、演出ボタン67及びジョグダイヤル68と同様にサブ統合制御装置83又は演出図柄制御装置82に接続する構成でも良い。この場合には、主制御装置80からサブ統合制御装置83に定期的にベース値を算出するためのデータを送信しておけば良い。
サブ統合制御装置83から主制御装置80にデータを出力できない構成なので、演出ボタン67及びジョグダイヤル68と同様、遊技者が操作できる位置に配置することが可能である。これにより、遊技開始前に前日のベース値、遊技中に当日のベース値を遊技者は確認することができる。但し、本実施形態では、演出ボタン67及びジョグダイヤル68と相違し、遊技者が操作できない位置に配置されている。例えば、遊技機本体の裏側等に配置されている。これにより、ホール関係者や検査員等が、当該遊技機が適正なベース値を維持しているか否か確認可能となる。
この場合には、RAMクリアSW17をオン操作した状態で電源投入すれば、主制御装置80のRAMと共にクリアされる構成が好適である。
演出図柄制御基板82(又はサブ統合制御装置83)のRAMに記憶する構成では、ホールの閉店時等に実測されたベース値を演出図柄制御装置82に送信する構成が考えられる(図27 ステップS1650〜S1660)。
閉店時等の電源遮断時に、主制御装置80のRAMに記憶された一日の実測ベース値を演出図柄制御装置82に送信し、演出図柄制御装置82はバックアップされたRAMに記憶するのである。演出図柄制御装置82は、最も古いデータを消去し、送信された実測ベース値を最新の実測データとして常に数日間のデータを記憶する構成である(S1670)。
電源遮断時に送信する時間的余裕がない場合には、バックアップ電源が供給される主制御装置80のRAMに記憶された一日の実測データ値を記憶保持し、翌日等の電源投入時に演出図柄制御装置82送信する構成でも良い。
但し、遊技者が遊技をしていないと判断されたときにデータを送信するよう構成しておけば、閉店時に遊技者がいなくなったことを確認した後に電源を落とせば、開店時から閉店時までのデータを送信することが可能である。遊技者が遊技をしていないと判断するのは、前述した待機状態と判断されたときである。これにより、電源を落とすときにデータを送信する必要がなくなる効果を有する。また、前述したように、遊技者毎のベースを記憶することも可能となる。
主制御装置80のRAMは一日分の実測データを記憶保持し、演出図柄制御装置82のRAMは数日間の実測データを記憶する構成である。
電源を落とした時にデータを送信可能な構成ならば、瞬停等の停電時と区別するために、時間管理と共に実測データを送信する構成が望ましい。
主制御装置80のRAMは一日分の実測データを記憶保持し、演出図柄制御装置82のRAMは数日間の実測データを記憶する構成とすることにより、主制御装置80のRAM容量を小さくすることが可能とすることができると共に、数日間以上のベース値を見ることができるので、偏りがなくなる効果を有する。
一般入賞口15に入賞するか否かは、遊技釘の状態ばかりでなく、遊技球の発射の仕方、気候等にも左右されるからである。
従って、主制御装置80のRAMに記憶されるベース値は、容量の許す限り長期間記憶保持し、この期間以上のベース値を演出図制御装置82のRAMに記憶する構成であれば良い。
主制御装置80のRAMに2日以上の長期間のベース値を記憶保持するときには、最新の所定期間のベース値が記憶保持されるよう更新処理が為される。
なお、一日の実測ベース値は、開店時から一日の遊技中に始動口11及び一般入賞口15への入賞により払い出された賞球数の合計(累積賞球数)を、一日の遊技時間から大入賞口ソレノイド14bがオンした時間、普通役物ソレノイド12bがオンした時間を減算した時間に設計発射個数(本実施形態では100個/1分)を乗算した値(累積発射数)で除算した値である。この計算方法に限らず、遊技中に払い出された賞球数の合計から大入賞口14に入賞することにより払い出された賞球数及び普通役物12に入賞することにより払い出された賞球数を減算した値を、通常遊技中に発射された発射球数で除算する方法でも良い。また、発射球数は実際にセンサにより検出された球数でも良い。遊技中のベース値は、遊技を開始した時点から現時点までのベース値である。
閉店時間が各ホールで相違するので、一般的な時間帯のベース値を実測し送信する構成でも良い。例えば、朝の10時から夜の10時まで実測し、この実測したベース値を演出図柄制御装置82に送信する構成である。
また、ベース値を見るための操作SWを演出図柄制御装置82に接続し、遊技者が操作できる位置に配置した場合、前日までのベース値と共に、又は当日のベース値だけを表示するよう構成することも可能である。このとき、設計ベース値も表示するよう構成すれば、遊技者には当該遊技機が設計ベース値を維持しているか否か判断することが容易である。設計ベース値も表示するよう構成すれば、待機状態中に表示する構成を省くことも可能である。
また、遊技者が操作できる構成では、リーチ表示中又は大当たり遊技中には、操作しても表示しない構成が考えられる。リーチ表示中は、遊技者はリーチ画面に集中しベース値を見る気持ちになることは少ないと考えられ、また演出ボタン67又はジョグダイヤル68を操作する機会が多いからである。これにより、リーチ表示の演出画像を表示し演出ボタン67又はジョグダイヤル68の操作に従った演出画像を表示するサブ統合制御装置83の処理の負担を少なくする効果を有する。
また、大当たり遊技中は賞球が多く、遊技者はベース値を気にする必要はないからである。
性能表示は、ベース値だけでなく、所謂「役物比率」や「役物連続比率」等の遊技機の実測性能を表示しても良い。このとき、設計ベース、設計役物比率及び役物連続比率等の設計性能も合わせて表示しても良いことは言うまでもない。また、ベース値は、当該ベース値を算出する起因となる累積発射球数及び累積賞球数と共に表示しても良い。また、算出されたベース値を記憶するのではなく、ベース値を算出するための通常遊技中の累積賞球数及び累積発射球数を記憶保持するよう構成しても良い。累積賞球数及び累積発射球数と共に、このデータから算出されるベース値も記憶保持しても良い。
累積賞球数は、開店時からの通常遊技中の賞球個数の合計値である。累積発射球数は、開店時からの通常遊技中の発射球数の合計値である。累積発射球数は、ROMに記憶された単位時間当たりの発射個数(通常、98〜100個/1分間)に通常遊技時間を乗算した値である。通常遊技時間はタイマにより計測される。通常遊技時間は、タッチSW28がオン状態の時間から通常遊技状態でない時間と、発射停止SW29がオン状態の時間とを減算した時間である。ファール球が発生する場合もあるが、頻度が少ないので無視してもよい。但し、正確性を増すためには、ファール球の数を減算しても良い。
センサにより累積発射球数をカウントする構成では、通常遊技中に遊技盤面に至る遊技球をカウントする構成となる。例えば、アウト口にセンサを備え、このセンサのカウント数と、4個の一般入賞口15及び始動口11に入賞した遊技球数とを加算した数を累積発射球数とする。
この累積賞球数及び累積発射球数を示すデータは、直接的に累積賞球数及び累積発射球数示すデータでなくとも良い。例えば、累積発射球数は通常遊技時間として記憶しても良い。
ROMに記憶された単位時間当たりの発射個数と通常遊技時間に基づき累積発射球数を算出する構成により、盤面に発射される遊技球を検出するセンサを必要としない効果を有する。
ここで、前記RAMクリアSW17の別実施形態について説明する。
この別実施形態では、RAMクリアSW17を2段階以上の切り替えができる構成とする。
RAMクリアSW17を1の位置にして押した状態で電源を投入すれば、主制御装置80及び演出図柄制御装置82の各RAMを初期設定する(図28 ステップS1700〜S1710)。RAMクリアSW17を2の位置にして押した状態で電源を投入すれば、主制御装置80のRAMのみを初期設定する(ステップS1700〜S1730)。
これにより、所定期間のベース値を消去することなく、遊技状態を初期状態に戻すことが可能となる。
この実施形態に囚われることなく、両基板のRAMを初期設定できる操作と、主制御装置80のRAMのみを初期設定できる操作とを切り替えることのできる構成であれば良い。
次に本発明の第5実施例について説明する。
第5実施例では、図29に示される「不加算処理1」が実行される以外は、第4実施例と同様である。
図29に示される「不加算処理1」では、先ず、4個の一般入賞口15又は始動口11に入賞があったか否かが検出され(ステップS1800)、入賞があったときにはガラス枠開放SW35がオフ状態か否か判断される(ステップS1810)。
ガラス枠開放SW35がオフ状態であれば、4個の一般入賞口15又は始動口11に対応した賞球数が累積賞球数に加算される(ステップS1820)。
一方、ステップS1810で否定判定されるとステップS1820の加算処理は実行されない。
この処理の後、図示しない他の処理において、入賞に対応した賞球の払い出しが実行される。封入式遊技機の場合には遊技者の持ち球数に賞球数が加算される。また、前述したRAMクリアSW17等のベースを確認するための操作手段が操作されたことが検出されたときには、前述したベース値又は累積賞球数が表示されることは、第4実施例と同様である。なお、累積賞球数の代わりに4個の一般入賞口15又は始動口11に入賞した累積入賞数を表示するよう構成しても良い。
第5実施例では、ガラス枠開放SW35がオン状態となってガラス枠が開放された状態で4個の一般入賞口15又は始動口11に入賞したことが検出されても、賞球は払い出すが累積賞球数は増加させない。
これは、ガラス枠を開放した状態で入賞があった場合は、発射ハンドルの操作により遊技球を発射せず、手で直接入賞口に入賞させたと考えられるからである。
この行為は、パチンコホール関係者等による行為だと推測可能である。或いは、不正行為による入賞とも考えられる。遊技者による入賞又は正当な入賞により払い出される賞球ではないので、ベースを算出するための累積賞球数に加算させる必要はないからである。この結果、正確なベース値又は累積賞球数を表示できる効果を有する。
また、前記行為は、ベース値又は累積賞球数を意図的に高くする行為を未然に防止する効果も発揮する。
第5実施例の変形例として、図30に示す「不加算処理2」を実行する構成でも良い。
図30に示す「不加算処理2」では、タッチSW29がオン状態であれば、4個の一般入賞口15又は始動口11に対応した賞球数が累積賞球数に加算される(ステップS1850〜S1870)。
一方、ステップS1860で否定判定されるとステップS1870の加算処理は実行されない。
タッチSW28がオン状態でないときに、4個の一般入賞口15又は始動口11に入賞したことが検出されても、賞球は払い出すが累積賞球数又は累積入賞数は増加させない。
タッチSW28がオン状態でないことは、遊技球を発射していない状態なので、入賞が検出されてもガラス枠を開放し手で直接入賞させた場合であると推測可能だからである。
これにより、前記と同様、正確なベース値又は累積賞球数を表示できる効果を有する。また、ベース値又は累積賞球数を意図的に高くする行為を未然に防止する効果も発揮する。
なお、第5実施例又は第5実施例の変形例において、ステップS1810又はステップS1860において否定判定されたときには、そのときの入賞数を加算し、累積賞球数に反映されない累積入賞数又はこの累積入賞数に対応する不加算累積賞球数を記憶し表示するよう構成しても良い。
第5実施例に対応する発明は、次のとおりである
遊技盤前方のガラス枠が開放されていることを検出するガラス枠開放検出手段を有する弾球遊技機において、
遊技盤面上の抽選口に入球することに起因して予め定められた確率で当選する抽選を行い、該抽選に当選すると遊技者に予め定められた遊技価値を付与する遊技手段と、
前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積賞球数を算出する累積賞球数算出手段と、
前記累積賞球数を画面上に表示する累積賞球数表示手段と、
前記ガラス枠開放検出手段によりガラス枠が開放された状態で入賞が検出されても賞球の払い出しを行うが入賞による賞球数を前記累積賞球数に加算しない不加算手段と、
を備えたことを特徴とする弾球遊技機である。
また、第5実施例の変形例に対応する発明は、次のとおりである
遊技球を発射するために操作される発射手段を遊技者が操作していることを検出するタッチ検出手段を有する弾球遊技機において、
遊技盤面上の抽選口に入球することに起因して予め定められた確率で当選する抽選を行い、該抽選に当選すると遊技者に予め定められた遊技価値を付与する遊技手段と、
前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積賞球数を算出する累積賞球数算出手段と、
前記累積賞球数を画面上に表示する累積賞球数表示手段と、
前記タッチ検出手段により遊技者が発射手段を操作していないことが検出された状態で、入賞が検出されても賞球の払い出しを行うが入賞による賞球数を前記累積賞球数に加算しない不加算手段と、
を備えたことを特徴とする弾球遊技機である。

[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
抽選口は第1始動口11、遊技手段は主制御装置80、ベース算出手段は第3実施形態における「性能表示処理」、ベース表示手段は第4実施形態の「ベース表示処理」、に対応する。
1…遊技盤、3…遊技領域、4…遊技釘、6…演出図柄表示装置、7…普通図柄表示装置、8…普図保留数表示装置、11…第1始動口、11a…第1始動口SW、12…第2始動口、12a…第2始動口SW、12b…普電役物ソレノイド、14…大入賞口、14a…カウントSW、14b…大入賞口ソレノイド、17…普通図柄作動ゲート、17a…普通図柄作動SW、28…タッチSW、35…ガラス枠開放SW、50…パチンコ機、80…主制御装置、81…払出制御装置、82…演出図柄制御装置、83…サブ統合制御装置。

Claims (4)

  1. 遊技盤面上の抽選口に入球することに起因して予め定められた確率で当選する抽選を行い、該抽選に当選すると、遊技者に予め定められた遊技価値を付与する遊技手段と、
    該遊技手段による抽選結果を表示する演出表示手段と、
    開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積賞球数を算出する累積賞球数算出手段と、
    開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積発射球数を算出する累積発射球数算出手段と、
    操作手段が操作されたことに起因して前記累積賞球数を累積発射球数で除算したベース値を算出し、該算出されたベース値を前記演出表示手段の画面上にするベース算出表示手段と、を備え、前記操作手段を前記演出表示手段に接続し、
    更に、前記遊技手段は少なくとも当日の前記累積賞球数及び累積発射球数を記憶保持し、前記演出表示手段は、少なくとも2日分以上の前記累積賞球数及び累積発射球数を記憶保持する累積数記憶保持手段と、
    前記遊技手段にRAMクリア手段と、を備え、
    該RAMクリア手段が操作されたときには、前記遊技手段が記憶する前記累積賞球数及び累積発射球数を初期化するが、前記演出表示手段が記憶する前記累積賞球数及び累積発射球数を初期化しないことを可能とする、ことを特徴とする弾球遊技機。
  2. 遊技盤面上の抽選口に入球することに起因して予め定められた確率で当選する抽選を行い、該抽選に当選すると、遊技者に予め定められた遊技価値を付与する遊技手段と、
    該遊技手段による抽選結果を表示する演出表示手段と、
    開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積賞球数を算出する累積賞球数算出手段と、
    開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積発射球数を算出する累積発射球数算出手段と、
    操作手段が操作されたことに起因して前記累積賞球数を累積発射球数で除算したベース値を算出し、該算出されたベース値を前記演出表示手段の画面上にするベース算出表示手段と、を備え、前記操作手段を前記演出表示手段に接続し、
    更に、前記遊技手段は少なくとも当日のベース値を記憶保持し、前記演出表示手段は、少なくとも2日分以上の前記ベース値を記憶保持するベース値記憶保持手段と、
    前記遊技手段にRAMクリア手段と、を備え、
    該RAMクリア手段が操作されたときには、前記遊技手段が記憶する前記ベース値を初期化するが、前記演出表示手段が記憶する前記ベース値を初期化しないことを可能とする、ことを特徴とする弾球遊技機。
  3. 遊技盤面上の抽選口に入球することに起因して予め定められた確率で当選する抽選を行い、該抽選に当選すると、遊技者に予め定められた遊技価値を付与する遊技手段と、
    該遊技手段による抽選結果を表示する演出表示手段と、
    開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積賞球数を算出する累積賞球数算出手段と、
    開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積発射球数を算出する累積発射球数算出手段と、
    前記算出された累積賞球数を前記累積発射球数で除算したベース値を算出するベース値算出手段と、
    操作手段を操作することにより該算出されたベース値を前記演出表示手段の画面に表示するベース表示手段と、を備え、前記操作手段を前記演出表示手段に接続し、
    更に、前記遊技手段は少なくとも当日の前記累積賞球数及び累積発射球数を記憶保持し、前記演出表示手段は、少なくとも2日分以上の前記累積賞球数及び累積発射球数を記憶保持する累積数記憶保持手段と、
    前記遊技手段にRAMクリア手段と、を備え、
    該RAMクリア手段が操作されたときには、前記遊技手段が記憶する前記累積賞球数及び累積発射球数を初期化するが、前記演出表示手段が記憶する前記累積賞球数及び累積発射球数を初期化しないことを可能とする、ことを特徴とする弾球遊技機。
  4. 遊技盤面上の抽選口に入球することに起因して予め定められた確率で当選する抽選を行い、該抽選に当選すると、遊技者に予め定められた遊技価値を付与する遊技手段と、
    該遊技手段による抽選結果を表示する演出表示手段と、
    開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積賞球数を算出する累積賞球数算出手段と、
    開店時からの前記遊技手段による前記遊技価値が付与されない通常遊技状態中の累積発射球数を算出する累積発射球数算出手段と、
    前記算出された累積賞球数を前記累積発射球数で除算したベース値を算出するベース値算出手段と、
    操作手段を操作することにより該算出されたベース値を前記演出表示手段の画面に表示するベース表示手段と、を備え、前記操作手段を前記演出表示手段に接続し、
    更に、前記遊技手段は少なくとも当日のベース値を記憶保持し、前記演出表示手段は、少なくとも2日分以上の前記ベース値を記憶保持するベース値記憶保持手段と、
    前記遊技手段にRAMクリア手段と、を備え、
    該RAMクリア手段が操作されたときには、前記遊技手段が記憶する前記ベース値を初期化するが、前記演出表示手段が記憶する前記ベース値を初期化しないことを可能とする、ことを特徴とする弾球遊技機。
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