JP6711869B2 - 逸泥抑止材 - Google Patents

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Description

本発明は、逸泥抑止材に関する。
近年、場所打ち杭(アースドリル工法等)工事や地中連続壁工事において機械技術の進歩とともに大深度掘削(40m〜120m)工事が多く行われるようになっている。このため、深度が深くなればなるほどに掘削用泥水(掘削用安定液;以下単に、安定液ともいう。)は大量に必要となる。また、大深度部で逸泥(逸水)が起これば措置、対応が困難であるだけでなく、水頭圧も高く逸泥量も大量となることが容易に推測される。
本発明において逸泥(逸水)とは、地層を掘削して掘削孔を形成するときに、起きる、掘削孔の一部等から掘削孔外への掘削用泥水の流出、逸出をいう。地層の断層は粘土質層ばかりでない。断層として、砂礫層や、割れ目等または粒子が粗く水の浸透性、漏出性の高い層(以下、これらを合わせて逸泥層という)に遭遇する。そのときは掘削孔に注入充填した掘削孔安定泥水剤を含む泥水(掘削用泥水という)が逸泥層面から流出する。孔外に泥水が失われると「掘削泥により劣化した掘削用泥水の回収」、「掘削孔安定泥水剤の補充(掘削用泥水の再生)」、「再生掘削用泥水の再注入」という通常のリサイクルシステムも作動不能となり、掘削孔を掘り進むことができなくなる。また、逸泥は、地層中の空洞、割れ目または浸透性の高い地層において、地層に与える掘削用泥水の圧力が地層破砕圧力よりも大きいときに発生しやすい。逸泥の原因は、人為的な原因と地質固有な原因に大別される。いずれの場合も掘削孔形成工事においてそれを阻害する逸泥は避けなければならない。
この逸泥対策の一般的な方法の一つは、予め逸泥が発生することを想定して、掘削用泥水に事前に逸泥防止材(剤)を投入、分散する方法である。
この逸泥防止材としては、一般に植物や鉱物由来のもの、また、合成品などがある。植物由来のものは、綿実(粒状および繊維状)、胡桃の殻(粒状),パルプ加工品(繊維)など、鉱物由来のものは、雲母片(フレーク状)、ロックウール(繊維状)、塊状ベントナイト(塊粒状)そのものの使用など、合成品としてはフィルム裁断品(板状)、セルロースファイバー(繊維状)などが挙げられる。
逸泥防止材もしくはそれを使用する逸泥防止方法の技術の開発は従来種々行われている。
例えば、掘削用泥水に高吸水性繊維を混入する逸泥防止方法(特許文献1参照)、粉末の粘土鉱物と水溶性高分子を均一に混合したものに、アクリル系モノマー、架橋剤および重合開始剤を添加した水溶液とを混練し、加熱重合反応して得られる逸泥防止剤(特許文献2参照)が提案されている。
逸泥対策の別の方法は、逸泥が発生した時点で、使用している掘削用泥水に、この逸泥を抑止する材料として、逸泥抑止材(剤)を投入する方法である。
逸泥抑止材としては、乾燥した塊状ベントナイトや粒状ベントナイトが挙げられるが、市販されている商品は少ない。
しかしながら、上記の方法を含め、古くから、いろいろな対策が講じられてきたが、近年の上述のような掘削深度の増大に加え、環境への影響防止など条件が厳しくなっている。そのため、上述のこれまでの掘削孔の逸泥の予防法や解決策はまだ満足できないのが現状である。
特開平8−260867号公報 特開平5−287271号公報
ところで、上市されている大半の逸泥防止材は、その物質、形態、大きさなどから、沈降するにしても掘削用泥水中の沈降速度が遅いか、沈降しないで掘削孔内の途中で浮遊状態となる。そのため、例えば、深度が深くなればなるほど、例えば40m以上の大深度掘削工事を行う場合、大深度領域で発生する逸泥に対して迅速、十分に対応するのは困難となる。
特に、従来の逸泥防止材は、深度との関係で生ずる問題と、その解決策についての検討が十分でなく、掘削用泥水中をゆっくりと沈降するか、または沈降せずに中間で浮遊することでしか、効果を発揮することが期待されていなかった。
このような従来の方法では、逸泥に備えて事前に逸泥防止材を掘削用泥水に混ぜ込んでおかなければならない。一方、掘削深度が深くなればなるほど当然必要な掘削用泥水量は大量となるため、逸泥防止を確実にするために過剰量の逸泥防止材を必要とすることになる。多量の逸泥防止材の使用は掘削安定液本来の機能に影響する。また、コスト高の問題を生じる。
上記状況を鑑み、本発明は、逸泥が発生したときに迅速で短時間に逸泥を止めることができ、浅い深度で発生する逸泥だけでなく、40m以上に達するような深度領域(大深度)で発生する逸泥に対しても、逸泥部への迅速到達時間および分散時間について調節可能な逸泥抑止材を提供することを課題とする。
特に、本発明は、地中に杭や壁を構築する際に、ベントナイトやカルボキシメチルセルロース(CMC)などのポリマーを主体とする掘削安定液を使用する掘削中に、地中内で起こり得る突発する逸泥(浸透・拡散)、特に40m以上のような深度領域で発生する逸泥の逸泥抑止に対して有効な逸泥抑止材を提供することを課題とする。また、本発明は、大深度領域の逸泥層に迅速に到達し、逸泥層に対する逸泥抑止性と、深度および礫層や集塊岩層などの逸泥状況の変化に対しても短時間に効果的に逸泥を止めることができる逸泥抑止材、場所打ち杭工法もしくは地中連続壁工法で行われている建築基礎工事の際に起こる逸泥に用いる逸泥抑止材を提供することを課題とする。さらに、本発明は、特定のベントナイト体を組み合わせて吸水性樹脂を用いたものをベースにするが、従来のような一般の鉱物由来品や植物由来品、パルプ加工品、繊維、フィルムなどを必要としない、水膨潤性粘土鉱物、吸水性樹脂からなる材料と水中で分解する物質をベースとした逸泥抑止材を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。
この結果、粉末ベントナイトと粒状ベントナイトとを併用し、吸水性樹脂を少量用いた特定の組成の成型体が、40m以上のような深度領域で発生する逸泥の逸泥抑止において、掘削孔中を崩壊せずに、掘削安定液中を迅速に沈降すること、逸泥層に迅速に到達し、逸泥抑止性を発揮すること、その結果、深度および礫層や集塊岩層などの逸泥状況の変化に対しても短時間に効果的に逸泥を止めることができることを見出した。本発明は、上記知見に基づきさらに検討を重ねて完成させるにいたったものである。
すなわち、上記の課題は以下の手段により解決された。
(1) ナトリウム型ベントナイトまたは活性化ベントナイトであって、膨潤力が15ml/2g以上である粉末ベントナイトを30質量%以上70質量%未満
粒径が0.3mm〜3.0mmの範囲である粒状ベントナイトを10質量%以上50質量%未満
吸水性樹脂を0.5質量%以上10質量%未満および
水性発泡成分および無機もしくは有機酸を2質量%以上20質量%未満の組成で含有
密度1.7g/cm 以上2.0g/cm 未満の圧縮成型体からなる逸泥抑止材。
(2前記粉末ベントナイトが、モンモリロナイトの含有率が40〜80質量%であって、膨潤力が15ml/2g〜25ml/2gである(1)に記載の逸泥抑止材。
)前記粒状ベントナイトが、ベントナイト原鉱の細粒物である(1)または2)に記載の逸泥抑止材。
)前記吸水性樹脂のイオン交換水による無加圧下の膨潤倍率が、100g/g以上である(1)〜()のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
)前記吸水性樹脂の粒径が、0.3mm〜1.0mmの範囲である(1)〜()のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
)前記粉末ベントナイトの粒径が、50μm以下である(1)〜()のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
)前記水性発泡成分が、炭酸塩または炭酸水素塩である(1)〜()のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
)前記無機もしくは有機酸がカルボン酸化合物である(1)〜()のいずれか1項に記載の逸泥抑止材
(9)前記圧縮成型体が、長辺10mm、短辺10mm、さ10mmの立方体以上で、長辺50mm、短辺50mm、高さ50mmの立方体以下の空間に収まる大きさであるか、または、該空間の体積未満である(〜(8)のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
10)前記圧縮成型体が、楕円形、球形または円柱形である(のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
11)前記圧縮成型体の水中での沈降速度が、20cm/秒以上である()〜(10)のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
12)ファンネル粘度が30秒以下であって密度が1.10g/cm以下である安定液中での沈降速度が25cm/秒以上である()〜(11)のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
13)前記逸泥抑止材が、場所打ち杭工法または地中連続壁工法に使用される()〜(12)のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
14)掘削深度が40m以上に使用される(13)に記載の逸泥抑止材。
本発明では、逸泥抑止材は、前記のように、予め逸泥が発生することを想定し、事前に対処するための材料もしくはその加工体を意味し、逸泥抑止材は、逸泥が発生した時、即時に対処するための材料もしくはその成型体を意味する。
本発明の逸泥抑止材により、逸泥が発生した時点から迅速で短時間に逸泥を止めることができ、浅い深度で発生する逸泥に加え、40m以上の大深度領域で発生する逸泥に対しても、逸泥部への迅速到達時間および分散時間が調整可能な逸泥抑止が可能となった。
特に、本発明は、地中に杭や壁を構築する際に、掘削用泥水〔ベントナイトやカルボキシメチルセルロース(CMC)を主体とする掘削安定液を使用するものなどを含み、特に制限はない。〕を用いて行う掘削中に、地中内で起こり得る突然の逸泥(浸透・拡散)、特に40m以上の大深度領域で発生する逸泥に対しても効果的に抑止できる。また、本発明の逸泥抑止材は、大深度領域の逸泥層(部)に対して浸透性が高く、深度および礫層や集塊岩層などの逸泥状況の変化に対しても短時間に効果的に逸泥を止めることができる。したがって、場所打ち杭工法もしくは地中連続壁工法で行われている建築基礎工事の際に起こる逸泥に用いる逸泥抑止材が可能となった。さらに本発明の逸泥抑止材は、前述のようなベントナイト以外の鉱物系、ないしは繊維系の成分の混合、添加を必要としないので、前述の掘削用泥水の回収、再生のリサイクルシステムの適用が容易になる。
場所打ち杭工法の施行順序を示す説明図である。 従来の逸泥抑止材の逸泥抑止作用の模式図である。 本発明の逸泥抑止材の掘削用泥水投入後の分散の順を示す模式図である。 本発明の圧縮逸泥抑止材の分散・拡散後の構成材料別逸泥抑止作用の模式図である。 実施例4で逸泥抑止効果を評価した試験装置の概要図である。
以下、本発明についてその好ましい実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
本発明の逸泥抑止材は、特に、掘削工事の際に、逸泥(逸水)が生じた際(とりわけ突発した際)、これを抑止するために使用するものである。
最初に、掘削工事における代表として、場所打ち杭工法を図1で説明する。
なお、場所打ち杭工法は、ドリリングバケットを回転させて地盤を掘削、バケット内部に収納された土砂を地上に排土する方法で掘削する工法である。
孔壁は、表層部では表層ケーシングを用い、それ以深は安定液で保護する。掘削完了後、所定の形状に製作された鉄筋かごを孔内に建込み、トレミーでコンクリートを打込むことにより杭を築造する。
ここで、本発明の逸泥抑止材は、上記(d)において、掘削の開始と同時に、事前に加えられる逸泥防止材とは異なる。上記(d)の掘削の段階で、逸泥が発生した時点で、掘削用泥水に直ちに投入して、使用するものであり、前述の従来の逸泥防止材とは本質的に使用方法が異なる。
しかも、従来の逸泥防止材は、掘削の開始と同時に、事前に加えられるものであり、従って、一般的に、構成する成分や形態、大きさが、掘削安定液中をゆっくりと沈降するか、または沈降しないで浮遊するように設計されている。
ここで、逸泥は、地層中の空洞、割れ目または浸透性の高い地層において、地層に与える掘削用泥水の圧力が地層破砕圧力よりも大きいときに発生する。このため、掘削深度が40m以上の大深度領域で発生しやすい。
これゆえ、本発明の逸泥抑止材は、浅い深度で発生する逸泥以外にも、40m以上の大深度領域で発生する逸泥に対しても抑止効果を示すものである。
<<逸泥抑止材>>
本発明の逸泥抑止材は、少なくとも粉末ベントナイト、粒状ベントナイト、吸水性樹脂、水性発泡成分および無機もしくは有機酸をそれぞれ含有する成型体である。
本発明では、掘削深度が40m以上の大深度領域で発生する逸泥を含め、掘削深度に応じて逸泥を抑止するには、逸泥抑止材を構成する上記各素材の含有量、さらには圧縮成型体の成型密度、形状とサイズ、沈降速度、安定液中での形態残存率を調節で対応できる掘削深度対応型である。
逸泥抑止材は、図2で示すように、例えば、図2の分図(a)、分図(b)のような逸泥層で逸泥が生じると、逸泥抑止材は、逸泥部分を、目詰めし、逸泥抑止することになる。
このため、少なくとも本発明においても逸泥部分を、目詰めし、逸泥抑止する機能を有する。
本発明において「目詰め」とは、礫層や集塊岩層などの間隙を塞ぎ、実質間隙サイズを小さくすることを指し、安定液の通過量を低減させることがこの働きによって行われる。間隙サイズを小さくすることによって後述する、成型体の粉末ベントナイトによる遮水膜が容易に形成される。
本発明の逸泥抑止材は、図3および図4に示したように各構成成分が作用するよう技術的に設計される。
ここで、逸泥部分を目詰めするためには、逸泥抑止材もしくはその分散物が、少なくとも逸泥部分に迅速かつ的確に到達し、その場で(in situ)で逸泥抑止のために本発明の逸泥抑止材の各成分が協同、相乗的に作用する。
粉末ベントナイトは、本発明の逸泥抑止材を成型体に圧縮加圧する際に成型加工のために、30%〜70%未満の含有量とする。図3や図4で示すように、主に、加工成型体の粉末ベントナイト成分は逸泥している層に存在する間隙(細孔)の目詰めが行われた後の表層部に、遮水膜を形成する。(図4において、逸泥抑止材の各構成成分は、水膨潤、吸水により体積が顕著に増大化するが、これは図示していない。)
粒状ベントナイトは、逸泥層の細かな間隙(細孔)域、すなわち、0.3〜3mm以下のサイズに対して目詰め物としてその位置に止まり、逸泥を抑止する。更にその特性から粒状ベントナイトは徐々に吸水し膨潤するため、よりよく間隙を塞ぐことができる。また、ベントナイトは粘着力もあるため現位置に留まる力が強くなる。粒状ベントナイトは逸泥の流れに対し、間隙を閉塞する機能をしめす。尚且つ、吸水性樹脂とともに粒状物としての間隙の閉塞に有効となる。
吸水性樹脂は、粒状ベントナイトより速く、多量に吸水・体積膨潤しその膨潤形を維持する性質を利用して、目詰め材の造壁の働きをする。粉末ベントナイトは、逸泥層の粒状ベントナイトによる目詰めにおいて強化材として働く。一方、水性発泡成分および無機もしくは有機酸は、掘削用泥水に投入されて、逸泥部に到達した段階もしくその直前で、炭酸ガスを発生し、成型体の崩壊による逸泥抑止材の各成分の効率的な分散と拡散に寄与するように作用する。
掘削深度が深くなればなるほど先端に掛かる水頭圧が大きくなり、逸泥も促進され易くなるものの、逸泥層(部)が平面では問題ないが、側面の場合は逸泥方向への流れ、すなわち、吸引により目詰め及び遮水層は形成される。逸泥層(部)の吸引が大きいほど逸泥抑止材の段階的分解と各成分の協働作用による遮水作用は有効となる。
この逸泥抑止の作用を図3および図4を参照して、以下にさらに説明する。
図3は、掘削用泥水に投入後の本発明の逸泥抑止材の沈降、発泡、崩壊、各成分の放出を段階的に示す模式図である。
逸泥抑止材の成型体が沈降して逸泥層付近において、この例では、炭酸ガスが発生〔図3のステップ(1)→(2)〕し、その結果、この炭酸ガスの発生を契機として、逸泥抑止材の成型体が崩壊し、掘削用泥水中に逸泥抑止材の成型体を構成する各構成成分に分散し、拡散〔図3のステップ(3)→(4)〕する。これによって、掘削孔中の逸泥層の逸泥部に対する逸泥抑止が可能になる。
逸泥層または逸泥部は、掘削孔内では水平面的〔例えば、図2の分図(a)〕と垂直面的〔例えば、図2の分図(b)〕に現れる。その逸泥層または逸泥部に対する逸泥抑止材の成型体の分解・分散作用としては、逸泥層に到達した逸泥抑止材の成型体は表面から炭酸ガスを発生し、ガスが発生した箇所から泥水が浸入し、侵入した泥水と接触することで分解をより進行させていくことになる。
各構成材料は均質に混合し圧縮成型されているため、各構成材料の混合比率の配合割合に応じて分解・分散し、逸泥層に沈降(水平面)または吸引(垂直面)される。
図4に示すように、逸泥層の間隙部が逸泥抑止材よりも大きい場合は、直接的に目詰め材として働くものもあるが、分解と作用の面からは、分解・分散した後の目詰め効果の大きさは、大きい順から、吸水中または吸水後の吸水性樹脂、膨潤中または膨潤後の粒状ベントナイト、発泡した炭酸ガス、分散したベントナイト粒子となる。
粒状ベントナイトは、目詰めが優先して有効となるが、吸水し膨潤するので目詰めと同時に遮水層の形成を補助する。
吸水性樹脂は、膨潤だけすることになるが、配合している粒子サイズに幅があるため様々な大きさになり、その形が壊れることがないので目詰めを確実に行うことができ、ベントナイトの遮水膜を形成するのに役立つ。
逸泥層に沈降(水平面)する場合は、炭酸ガスは地表方向に浮遊上昇し、吸水性樹脂と粒状ベントナイトが目詰め材となり、目詰め後にはベントナイトの皮膜を形成し泥水の逸泥層への抑止が行われる。
なお、止水の皮膜(止水層)の形成は、図4で示しているような単層状に形成されるものではなく、また、分散したベントナイト粒子、粒状ベントナイトおよび吸水性樹脂が順番に分解、分散、拡散するものでもなく、ランダムに積層しながら止水層を形成するものであって、その全体で止水層となる。
一方、逸泥層に吸引(垂直面)する場合は、炭酸ガスの一部も目詰め材として作用し、吸水性樹脂と粒状ベントナイトが目詰め材となり、目詰め後にはベントナイトの皮膜を形成し泥水の逸泥層への抑止が行われる。
すなわち、本発明の逸泥抑止材の成型体の構成成分によって、逸泥層の間隙が大きいサイズから小さい間隙のサイズを塞ぐことができることになる。
図3および図4の模式図で示すように、本発明の逸泥抑止材が作用していることは、後述する実施例でも示した。
以下に、粉末ベントナイト、粒状ベントナイト、吸水性樹脂、水性発泡成分および無機もしくは有機酸を具体的に説明する。
<粉末ベントナイト>
本発明で使用する粉末ベントナイトは、ベントナイトの主成分鉱物であるモンモリロナイトの造膜(膜)による遮水体の形成により逸泥を止める。
ベントナイトは、ナトリウム型ベントナイト、カルシウム型ベントナイト、活性化ベントナイトなどが挙げられるが、ナトリウム型ベントナイトまたは活性化ベントナイトが好ましく、ナトリウム型ベントナイトがより好ましい。
ここで、ナトリウム型ベントナイトとは、日本ベントナイト工業会分析規格において、浸出イオンのうちCa/Naの濃度比(モル比)が0.9以下、好ましくは0.8以下のものである。
また、活性化ベントナイトは、カルシウムイオンをナトリウムイオンで交換処理したベントナイトである。
モンモリロナイト含有量は40〜80質量%が好ましい。
本発明で使用する粉末ベントナイトの膨潤力に制限はないが15ml/2g以上が好ましく、15〜25ml/2gがより好ましい。
膨潤力は、日本ベントナイト工業会JBAS104:77 ベントナイト(粉状)の膨潤試験方法に従って測定することができる。
粉末ベントナイトは実質的に水を含有させないが、成形性などを考慮して水分は、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
粉末ベントナイトの粒径は50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。粒径の下限は20μm以上が現実的である。
なお、粉末ベントナイトの粒径は、レーザー回折式装置〔例えば、マルバーン社製(Malvern社製)のマスターサイザー3000(MASTERSIZER3000)〕によるレーザー回折法で求められる。
逸泥抑止材中の含有量は、30質量%以上70質量%未満が好ましく、35〜65質量%がより好ましく、40〜60質量%がさらに好ましい。
含有量を好ましい範囲の30質量%以上70質量%未満とすることで、成型体の単位容積に占める粉末ベントナイトの重量比率が高くならず、圧縮成型体内部への水の浸透が遅滞することなく、効果的な発泡、分散、拡散が可能となる。このため、圧縮成型された逸泥抑止材に対して、分散時間をコントロールすることで、効果的に作用させるための調整が容易になる。粉末ベントナイトが多すぎると加圧成型し成型密度を1.7g/cm以上にした場合、成型体の分解、拡散が効果的に行える組成ではなくなる。また、少なすぎると成型が不可となるか、成形が出来ても弱い力で壊れてしまう。
なお、圧縮成型にはできるだけ少量の水などのバインダーを適宜に加えることができる。
<粒状ベントナイト>
本発明で使用する粒状ベントナイトは、細粒域サイズの目詰め材として作用する。
このため、ベントナイト以外の粘土、シリカ粒子、珪藻土やマイカなどでは細粒域サイズの目詰め材としては不十分である。
粒状ベントナイトは、ベントナイト原鉱の細粒物が好ましく、粒径は、0.3mm〜3.0mmの範囲の大きさが好ましく、0.3mm〜2.0mmがより好ましい。
なお、粒状ベントナイトの粒径は、JIS規格Z8801の篩で求めた粒径である。
粒状ベントナイトがベントナイト原鉱の細粒物であることによって、容易に分散はせず、時間を掛けて膨潤するための遮水体〔造壁(膜)〕にもなり得る。
粒状ベントナイトのモンモリロナイト含有量は40〜80質量%が好ましい。
また、粒状ベントナイトの膨潤力に制限はないが15ml/2g以上が好ましく、15〜25ml/2gがより好ましい。
粒状ベントナイト中の水分含有量は、特に限定されるものではないが、実際的には、12%以下が好ましく、10%以下とするのがより好ましい。水分の含有量の下限は、現実的には8%以上である。
逸泥抑止材中の粒状ベントナイトの含有量は、10質量%以上50質量%未満が好ましい。
含有量を上記の範囲とすることで、吸水性樹脂が吸水し体積膨潤した大きさの範囲と粒状ベントナイトの粒子径範囲は重ならない大きさとなるため、間隙(細孔)を塞ぐためには幅広い大きさとなるため有効である。これに加えて、上記の好ましい範囲とすることで、圧縮成型が容易にでき、しかも圧縮成型体の形を確保することができる。このため、圧縮成型体としての適度な密度が得られる。粒状ベントナイトの含有量が多すぎると成型が困難となる。また、粉末ベントナイトの重量比率が少なくなるため遮水膜の形成が不十分になることが問題となり、少なすぎると目詰めのための作用物が不足となる。
逸泥抑止材中の粒状ベントナイトの含有量は、30質量%以上50質量%未満がより好ましく、30〜45質量%がさらに好ましい。
<吸水性樹脂>
本発明で使用する吸水性樹脂は、粒状ベントナイトと違い、早く吸水・体積膨潤しその膨潤形を維持する性質を利用するもので、逸泥層の目詰め材において造壁を形成し、遮水膜の形成に役立つ。
吸水性樹脂の吸水前の粒径は、0.3mm〜1.0mmが好ましい。
吸水能として自重の100倍〜1,000倍吸収して膨潤し保持できるものが特に好ましい。
このため、吸水性樹脂のイオン交換水による無加圧下の膨潤倍率が、100g/g以上が好ましく、100g/g以上1,000以下がより好ましい。
特に、吸水・体積膨潤したものが、粒状ベントナイトの大きさとは重複しないより大きいサイズ域になることが好ましい。
〔膨潤倍率の測定〕
25℃で無加圧下の条件で、吸水性樹脂をイオン交換水に浸漬し、経時で吸水量を測定し、吸水量(g/g)が一定になった時点の吸水量(g/g)を膨潤倍率として求める。
ここで、吸水量(g/g)は、経時時間ごとに吸水性樹脂を取り出し、濾紙で軽く拭いて付着水を除き、膨潤後の質量(以下、浸漬後重量という。)を測定する。膨潤倍率は、浸漬前乾燥質量および浸漬後質量を用いて、膨潤倍率=浸漬後質量/浸漬前乾燥質量、から算出される。
本発明では、吸水性樹脂は合成ポリマーが好ましく、ポリアクリル酸もしくはその塩、ポリメタクリル酸もしくはその塩がより好ましく、ポリアクリル酸も塩、ポリメタクリル酸塩がさらに好ましい。また、ポリアクリル酸塩やポリメタクリル酸塩の塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
逸泥抑止材中の含有量は、0.5質量%以上10質量%未満が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
含有量を上記の好ましい範囲の0.5質量%以上10質量%未満の間で適宜設定することで、吸水による体積膨潤をより適切に制御できる。これに加え、逸泥抑止材が、密度(比重)が低すぎない、大深度孔中を迅速に沈降させるのに必要な大きさの密度を維持することができる。
<水性発泡成分および無機もしくは有機酸>
逸泥抑止材の含有する水性発泡成分および無機もしくは有機酸は、掘削用泥水(掘削安定液)中または水中で、ガスを発生する。
この結果、上記で発生したガスにより、圧縮成型体の迅速(スピード)沈降、崩壊、分散、あるいは、緩和(ゆっくり)崩壊、分散と、分散速度をコントロールすることができる。
発生させるガスは、不活性ガスが好ましく、炭酸ガスが特に好ましい。
水性発泡成分は、炭酸塩または炭酸水素塩が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウムが挙げられる。
本発明では、炭酸水素塩が好ましく、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムがより好ましく、炭酸水素ナトリウムがさらに好ましい。
無機もしくは有機酸は、カルボン酸化合物やピロ硫酸塩が挙げられる。
カルボン酸化合物は、脂肪族カルボン酸、例えば、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、マロン酸、フマル酸、芳香族カルボン酸、例えば、フタル酸、が挙げられる。
本発明では、脂肪族カルボン酸が好ましく、クエン酸、コハク酸、酒石酸がより好ましい。
なお、発生する炭酸ガスは掘削用泥水中または水中に溶解する。また、溶解しない場合でも主に二価のアルカリ金属であるカルシウムイオンなどの凝集性イオンと結合して不活性化ガスとして炭酸カルシウムなどの生成に働きカルシウムイオンなどと結合する。
例えば、炭酸水素ナトリウム17gからは、4.5リットル程度の炭酸ガスが発生する。炭酸ガスは20℃で水1リットルに0.88リットルも溶解する。
なお、後述する実施例において、組成物1(標準配合)としている逸泥抑止材100gから発生(発泡)する炭酸ガスの量は、1.08リットルであり、逸泥に用いるこの逸泥抑止材の圧縮成型体の使用量にもよるが掘削深度を大深度として考慮すると発生する炭酸ガスは安定液に溶解する量となる。
水性発泡成分および無機もしくは有機酸の合計含有量は、2質量%以上20質量%未満が好ましく、3質量%以上20質量%未満が特に好ましい。
ここで、水性発泡成分の含有量は、1〜15質量部が好ましく、無機もしくは有機酸の含有量は、0.5〜15質量部が好ましい。
なお、水性発泡成分および無機もしくは有機酸の化学構造にもよるが、無機もしくは有機酸よりも水性発泡成分の含有量の方が多いことが好ましい。
以後、水性発泡成分および無機もしくは有機酸の組合せを、便宜上、発泡剤と称す。
<その他の成分>
本発明の逸泥抑止材は、上記以外に、本発明の作用効果を損なわない限り、適宜に他の成分を含んでもよいが、他の成分(繊維、鉱物成分)の使用は必須ではない。
<圧縮成型体>
本発明の逸泥抑止材の成型体は、その作用メカニズムからも圧縮成型体として使用することが、極めて効果的である。
また、本発明の逸泥抑止材は、掘削深度対応型逸泥抑止材であり、逸泥抑止材の圧縮成型体において、圧縮成型体の形状およびサイズ、密度、掘削用泥水中での沈降速度、ならびに、掘削用泥水中での形態残存率は、逸泥抑止材を構成する上記各素材の含有量も含め、掘削深度に応じて調節し、対応することができる。
以下に、圧縮成型体の密度、形状とサイズ、掘削用泥水中の沈降速度、掘削用泥水中での形態残存率の順に説明する。
(密度)
圧縮成型体の密度は、1.7g/cm以上2.0g/cm未満が特に好ましい。
密度を上記の好ましい範囲とすることで、逸泥抑止材の、掘削した高深度孔の掘削用泥水中の沈降を容易にし、沈降速度を高める作用がある。また逸泥抑止材の成型が容易となり、しかも成型(原型)保持も容易になって、脆(もろ)くなることもなく、取り扱いやすくなる。
(形状とサイズ)
形状は限定されないが、楕円形、球形および円柱形が好ましく、楕円形、円柱形がより好ましい。
サイズは、長辺、短辺および高さが10mm以上50mm以下の空間に収まる大きさであるか、または、この空間の体積未満であることが好ましい。
サイズを上記の好ましい範囲とすることで、沈降速度を高め、しかも逸泥部(層)の大きさとも整合でき、高い目詰め効果が期待できる。
(沈降速度)
安定液中、特に、ファンネル粘度が30秒以下であって密度が1.10g/cm以下である安定液中での沈降速度は25cm/秒以上であることが好ましい。
(形態残存率)
実施例で示すように、本発明では、各素材の含有量、圧縮成型体の密度、形状とサイズにより、分散コントロールが可能である。
<用途>
本発明の逸泥抑止材は、特に、掘削工事の際に、逸泥(逸水)が生じた際、これを抑止するために使用する。
このような目的であれば、どのような掘削工事、工法にも適用できる。
なかでも、本発明では、場所打ち杭工法および地中連続壁工法が好ましい。
掘削深度は、40m以上で好ましく対応できる。
なお、本発明の逸泥抑止材は掘削工事、工法以外にも、空洞充填材としても使用できる。
以下に、本発明を、実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
<使用素材>
(1)粉末ベントナイト
・クニゲルU〔商品名、クニミネ工業(株)製、ナトリウム型ベントナイト〕
モンモリロナイト含有量:約50質量%、膨潤力:15ml/2g以上
水分:10%以下
粒径(粒度):約63μm
真比重:2.6、見掛比重:0.55〜0.75、pH:9.0〜10.5
(2)粒状ベントナイト
・ベントナイト原鉱〔クニミネ工業(株)製〕
モンモリロナイト含有量:約50質量%、膨潤力:15ml/2g以上
水分:8%〜12%
粒径:0.425mm〜1.0mm
・OKベントナイト〔商品名、クニミネ工業(株)製、ベントナイト原鉱の成型品,
粒径:10〜40mmの粒状物〕
(3)吸水性樹脂
・MMC−100〔商品名、(株)森環境技術研究所製、ポリアクリル酸ナトリウム〕
粒径:0.3mm〜1.0mm、イオン交換水による無加圧下の膨潤倍率:420g/g
(4)水性発泡成分
・炭酸水素ナトリウム
(5)無機もしくは有機酸
・コハク酸
<圧縮成型逸泥抑止材の製造>
粉末ベントナイトのクニゲルU、粒状ベントナイトのベントナイト原鉱、吸水性樹脂のMMC−100、炭酸水素ナトリウムおよびコハク酸を、下記表1の組成物1〜3のように配合し、均一になるように混合した。これを、加圧圧縮成型し、下記表2の圧縮成型体を製造した。
なお、比較のため、組成物c50として、組成物3に対し、粒状ベントナイトを80質量%、粉末ベントナイトを19質量%とした以外は、組成物3と同様の組成で圧縮成型体の製造を試みたが、混合物は成形性がなく、圧縮成型体が製造できなかった。
<OKベントナイト>
乾燥したベントナイト原鉱から、下記表2の形状およびサイズのものを、ベントナイトc1〜c4、c10として選別した。
ここで、以後の表において、発泡剤の含有量が、組成物1のものを「基準配合」、これより多いものを「発泡剤(多)、少ないものを「発泡剤(少)」と表記する。
上記で製造した圧縮成型体を、実施例1〜4において、圧縮成型体および形状、サイズの異なるOKベントナイト(ベントナイトc1〜c4、c10)の特性、性能を評価した。
実施例1
上記で製造した圧縮成型体11を使用し、以下のようにして、水中に投入し、水中での吸水、膨潤による止水性を調べた。
1)水1lに対し、圧縮成型体11の濃度が4質量%、6質量%、10質量%、12質量%および16質量%となるように添加した。
2)上記各試料を、ハミルトンビーチミキサーで2000rmpにて10分間撹拌し、成型体を分散させた。
3)得られた分散液をリオン粘度計〔リオン(株)製、ビスタテスタVT−03F〕で、3号ロータで粘度を測定した。また、得られた分散液のpHを測定した。
4)粘度とpHを測定後、分散液を脱水試験機〔ファン インストルメント カンパニー社製、フィルタープレス〕で3kgf/cmに加圧し、加圧30分後の脱水量を計量した。
この結果を下記表3に示す。
上記表3から、本発明の圧縮成型体は、優れた止水性(造膜性)を示すことがわかる。
特に、圧縮成型体の水に対する濃度が4質量%から16質量%と高くなるに従って、脱水量が少なくなった。
これは、濃度が高いほど、逸泥抑止材中のベントナイト分が十分に分散し遮水層を形成したことを意味するもので、止水性(造膜性)に優れていることがわかる。
実施例2
上記で製造した圧縮成型体および形状、サイズの異なるOKベントナイト(ベントナイトc1〜c4)を、以下の安定液中および水中での沈降速度を測定した。
なお、安定液は安定液掘削工法用ベントナイトと安定液掘削工法用ポリマーの含有量を変更することでファンネル粘度(FV)の異なる2種類の安定液1、2を調製した。
<安定液使用素材>
(1)安定液掘削工法用ベントナイト
・クニゲルVA〔商品名、クニミネ工業(株)製、粉末ナトリウム型ベントナイト〕
(2)安定液掘削工法用ポリマー
・クニポリマーA〔商品名、クニミネ工業(株)製、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)〕
<粘度測定>
(1)ファンネル粘度(FV)
ファンネル粘度計〔西日本試験機(株)製 S−251〕により、測定した。
(2)粘度特性
ファンビスコメータ〔ファン インストルメント カンパニー社製、35−SA〕により、測定した。
(3)B型粘度
B型粘度計〔(株)東京計器製、B8M型〕により、ロータNo.1を使用して測定した。
なお、下記表4において「−」は、成分配合していないか、または、測定していないことを意味する。
<沈降速度の測定>
深さ4mの水筒を使用し、上記で調製した安定液または水を使用し、水筒内部に安定液または水を入れた。
沈降速度は、安定液、水ともに、圧縮成型体を各液に投入し、深さ4mで測定した。
測定は、安定液の場合、安定液の底部に圧縮成型体の沈殿物が到着したことを、聴診器を用いて、音で判断し、水の場合は、目視で確認した。
安定液の場合6回測定し、水の場合4回測定し、最短と最長を除いた値で算出した。
なお、OKベントナイトを使用したベントナイトc1〜c4においては、測定回数は1回であり、下記表5では「平均」の欄に記載した。
得られた結果を下記表5にまとめた。
ここで、圧縮成型体のサイズにおいて、Lは楕円形の長軸の長さであり、wは短軸の長さであり、hは厚さである。また、円柱形のφは円の直径であり、hは高さである。
なお、下記表5において「−」は、測定していないことを意味する。
上記表5から、以下のことがわかった。
i)本発明の圧縮成型体1と2の比較から、安定液1、2および水のいずれの場合も、サイズよりも密度が高いと沈降速度が速い。
ii)比較例のベントナイトc1とc2または比較例のベントナイトc3とc4の比較から、密度が同じ場合、サイズが大きいほど、沈降速度が速い傾向にある。
iii)本発明の圧縮成型体11と13の比較から、密度も関係している。
実施例3
上記で製造した圧縮成型体およびOKベントナイトのベントナイトc10を使用し、上記の安定液1中および水中での形態残存率を以下のようにして調べた。
高さ70mmの透明プラスチック容器の中心に、直径20mm、高さ20mmの円柱形の圧縮成型体1個を置き、この中に安定液または水を500mlゆっくり注入して、圧縮成型体を完全に浸漬した。
各圧縮成型体およびベントナイトc10において、この浸漬した試料を4個ずつ用意した。
浸漬後、3分、5分、10分および30分間放置し、各時間毎に、安定液もしくは水を捨て、固形状態で残存している圧縮成型体もしくはベントナイトc10を、少量の水で洗浄し、回収した。
回収した圧縮成型体もしくはベントナイトc10を一昼夜乾燥させた。乾燥後の圧縮成型体もしくはベントナイトc10の質量を求め、浸漬前の圧縮成型体もしくはベントナイトc10の質量から形態残存率(%)を求めた。
浸漬液が水の場合を下記表6に、安定液1の場合を下記表7に示す。
上記表6から、浸漬液が水の場合、以下のことがわかった。
i)比較例の塊状のOKベントナイトを使用したベントナイトc10では、経過時間が30分経っても残存率は100%であったが、本発明の圧縮成型体11〜13、21〜23および31〜33はいずれも、経過時間とともに残存率が低下した。
ii)水溶性発泡成分である発泡剤の含有量が、4質量%から10.5質量%と多くなると残存率は低下した。
iii)水溶性発泡成分である発泡剤の含有量が、4質量%から1.5質量%と少なくなると残存率は増加した。
上記表7から、浸漬液が安定液1の場合、以下のことがわかった。
i)比較例の塊状のOKベントナイトを使用したベントナイトc10では、経過時間が30分経っても残存率は100%であったが、水溶性発泡成分の発泡剤の含有量が、4質量%および10.5質量%である本発明の圧縮成型体11〜13および21〜23はいずれも、経過時間とともに残存率が低下した。
ii)水溶性発泡成分の発泡剤の含有量が、1.5質量%と少ない本発明の圧縮成型体31〜33では、経過時間が30分経っても残存率は100%であった。
iii)表6と7の比較から、安定液1よりも水の方が、残存率が低い。
このため、安定液1における本発明の圧縮成型体31〜33においても、30分を超える経過時間では、比較例の塊状のOKベントナイトを使用したベントナイトc10と異なり、残存率が速く低下するものと思われる。
逸泥抑止効果試験では、安定液1を注入しても直ぐには逸泥抑止材は発泡しない。当然に大深度まで到達するまでは降下するのみとなり、到達してから徐々に発泡・分散を開始するため、沈降時間を取った形で試験を実施していることになる。
上記表6および7の結果から、本発明の圧縮成型体では、掘削深度に応じて水溶性発泡成分である発泡剤の含有量を調節することで対応することが可能となる。
実施例4
上記で製造した圧縮成型体1およびベントナイトc1を使用し、図5に示すような試験装置を用いて、以下の方法で逸泥抑止効果を調べた。
〔逸泥抑止効果の試験方法〕
1)アクリル製円筒内に細礫層(逸泥層)(高さ150mm=乾燥細礫530g)を設けた。
2)細礫層(逸泥層)上部面にランダムに70gの逸泥抑止材を置いた。
3)コックを閉め、安定液1を875mlアクリル製円筒に注入し最上部まで満たし、そのまま15分および30分間放置した。
4)15分および30分の放置時間が経過後、直ちにコックを完全に開き、同時に安定液1面が200mm(393ml)低下(減水)する時間を測定した後にコックを閉じた。
これを、直後の通水時間とし、これから通水速度を求めた。
5)その後、直ちに安定液1を393ml再度アクリル製円筒に注入し最上部まで満たし15分経過後にコックを完全に開き、同時に安定液1面が200mm(393ml)低下(減水)する時間を測定した後にコックを閉じた。これを、15分後の通水時間とし、これから通水速度を求めた。
同様に直後測定開始から、30分経過後、45分経過後、60分経過後、90分経過後および120分経過後の経過時間から4点を選び、計4回の操作を繰り返し、対応する経過時間後の通水時間を測定し、通水速度を求めた。
得られた結果を、下記表8に通水時間を、下記表9に通水速度をまとめて示す。
ここで、下記表8および9において、「−」は、測定していないことを意味する。
上記表8および9から、以下のことがわかった。
i)比較例の塊状のOKベントナイトを使用したベントナイトc1では、浸漬放置時間が15分、30分のいずれの場合にも、経過時間が120分の間、通水時間が26秒、通水速度が15.1ml/秒と変化なく、一定であった。
ii)これに対し、本発明の圧縮成型体1では、経過時間とともに、通水時間が長くなり、また、通水速度が遅くなった。
iii)本発明の圧縮成型体1では、浸漬放置時間が15分間から30分間と長くなると、通水時間が長くなり、また、通水速度が遅くなった。
iv)上記のi)〜iii)の結果から、本発明の圧縮成型体1では、比較例の塊状のOKベントナイトを使用したベントナイトc1と比較し、逸泥抑止効果に優れることがわかる。
実施例5
掘削深度が40m〜120mの範囲での逸泥抑止効果を検討した。
実施例2で測定した安定液1中での沈降速度から、掘削深度が40mの場合の底部に到達する沈降時間は、本発明の圧縮成型体11(形状:円柱形、発泡剤基準配合)では1.8分、本発明の圧縮成型体13(形状:円柱形、発泡剤が多い)では2.1分本発明の圧縮成型体1(形状:楕円形、発泡剤基準配合)では2.6分と見積もられる。
同様に、掘削深度が120mの場合の底部に到達する沈降時間は、本発明の圧縮成型体11(形状:円柱形、発泡剤基準配合)では5.5分、本発明の圧縮成型体13(形状:円柱形、発泡剤が多い)では5.0分本発明の圧縮成型体1(形状:楕円形、発泡剤基準配合)では6.2分と見積もられる。
下記表10に、上記の沈降時間とともに、実施例2で測定した安定液1中での沈降速度、実施例3で測定した安定液1中での形態残存率、実施例4で測定した安定液1中での逸泥抑止効果(浸漬放置15分後の通水時間および通水速度)を使用し、下記表10にまとめた。
ここで、表10において、「−」は測定していないことを意味する。
掘削深度が40mでは、圧縮成型体11、圧縮成型体13および圧縮成型体1のいずれも、底部に到達する沈降時間が1.7〜2.1分で、3分以内であり、掘削深度が120mと深くなっても、5.0〜6.2分で、10分以内である。
圧縮成型体の形状残存率は、発泡剤が多い圧縮成型体13においても、経過時間が10分で59%であり、発泡剤が基準量の圧縮成型体11では92%である。
しかも、底部まで沈降する時間は、掘削深度が120mであっても10分以内であり、上記表9の浸漬放置時間の15分より短い。
ここで、形状が円柱状でことなるものの、圧縮成型体11と同じ発泡剤量(同じ組成物1からなる)の圧縮成型体1においては、浸漬放置後の経過時間が、15分では、通水時間が1分02秒、通水速度が6.3ml/秒であり、例えば、直後の34秒の通水時間、11.5ml/秒の通水速度よりも、通水しにくくなっている。
しかも、さらに経過時間が30分と長くなると、通水時間が1分34秒、通水速度が4.2ml/秒であり、さらに通水しにくくなっている。
逸泥層(部)を見ることは不可能であるため、逸泥層の厚さや逸泥部の大きさを直接的に知ることは出来ない。しかし、逸泥抑止材の投入量は逸泥が始まったタイミングと掘削長で厳密でなくても推測することができる。しかも実際の作業は効果の信頼性上、若干過剰量的に投入することが望ましい。尚、投入量と逸泥抑止スピードは比例するが、抑止効果は遮水層が完全に形成されれば安定化するため余剰となってしまう。
このことから、本発明の圧縮成型体は、掘削深度が40m以上であっても、その深度で目的の逸泥抑止効果を、逸泥部に対し効果的に発揮できると考えられる。
しかも、実施例2で測定した沈降速度、実施例3で測定した形態残存率、実施例4で測定した逸泥抑止効果(浸漬放置15分より長い30分後の通水時間および通水速度も含む)から判断して、掘削深度が120mを超えても、その深度で目的の逸泥抑止効果を、逸泥部に対し効果的に発揮すると考えることができる。

Claims (14)

  1. ナトリウム型ベントナイトまたは活性化ベントナイトであって、膨潤力が15ml/2g以上である粉末ベントナイトを30質量%以上70質量%未満
    粒径が0.3mm〜3.0mmの範囲である粒状ベントナイトを10質量%以上50質量%未満
    吸水性樹脂を0.5質量%以上10質量%未満および
    水性発泡成分および無機もしくは有機酸を2質量%以上20質量%未満の組成で含有
    密度1.7g/cm 以上2.0g/cm 未満の圧縮成型体からなる逸泥抑止材。
  2. 前記粉末ベントナイトが、モンモリロナイトの含有率が40〜80質量%であって、膨潤力が15ml/2g〜25ml/2gである請求項1に記載の逸泥抑止材。
  3. 前記粒状ベントナイトが、ベントナイト原鉱の細粒物である請求項1または2に記載の逸泥抑止材。
  4. 前記吸水性樹脂のイオン交換水による無加圧下の膨潤倍率が、100g/g以上である請求項1〜のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
  5. 前記吸水性樹脂の粒径が、0.3mm〜1.0mmの範囲である請求項1〜のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
  6. 前記粉末ベントナイトの粒径が、50μm以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
  7. 前記水性発泡成分が、炭酸塩または炭酸水素塩である請求項1〜のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
  8. 前記無機もしくは有機酸がカルボン酸化合物である請求項1〜のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
  9. 前記圧縮成型体が、長辺10mm、短辺10mm、さ10mmの立方体以上で、長辺50mm、短辺50mm、高さ50mmの立方体以下の空間に収まる大きさであるか、または、該空間の体積未満である請求項1〜8のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
  10. 前記圧縮成型体が、楕円形、球形または円柱形である請求項1〜9のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
  11. 前記圧縮成型体の水中での沈降速度が、20cm/秒以上である請求項10のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
  12. ファンネル粘度が30秒以下であって密度が1.10g/cm以下である安定液中での沈降速度が25cm/秒以上である請求項11のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
  13. 前記逸泥抑止材が、場所打ち杭工法または地中連続壁工法に使用される請求項12のいずれか1項に記載の逸泥抑止材。
  14. 掘削深度が40m以上に使用される請求項13に記載の逸泥抑止材。
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