JP6711647B2 - 吐出器付き薄肉容器 - Google Patents
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Description
この口頸部8内に下部を挿入させて装着された吐出器10と、
この吐出器10の下部に嵌着させて薄肉容器体2内に内蔵された自立用治具50とからなり、
この自立用治具50は、
吐出器下部への取付け可能な吸上げ管兼用の第1脚筒54を有し、この第1脚筒54の下部から第1ヒンジ部58を介して下向きと筒径方向横向きとの間で回動可能な複数の連結材60を突出してなる第1脚部材52と、
上記第1脚筒54の周囲を囲む第2脚筒72を有し、この第2脚筒72の下端と上記横向き状態の連結材60の先端部60bとの間に傾斜姿勢で第2脚筒72を支える傾動材78が設けられた第2脚部材70とからなり、
上記傾動材78は、連結材60の先端部60b及び第2脚筒72の下端部に第2ヒンジ部62及び第3ヒンジ部76が設けられることで傾動可能に形成され、
連結材60の下向きへの回動により傾動材78が下方へ傾いて全体として細身の形態となるように構成された吐出器付き薄肉容器において、
上記第2脚筒72は、上記薄肉容器体2の口頸部乃至吐出器10に対して係止された係止部74を有する。
この自立用治具50は、第1脚部材52と第2脚部材70とからなる。第1脚部材52は吐出器10の下部に取り付け可能な第1脚筒54を、第2脚部材70は、第1脚筒54の回りを囲む第2脚筒72をそれぞれ有する。第1脚筒54の下端から、第1ヒンジ部58を介して、複数の連結材60を下向きと筒径方向横向きとの間で回動可能に突出し、これら連結材60の先端部と第2脚筒72の下端との間に傾動材78を設ける。これにより薄肉容器体に作用する垂直荷重に対抗して、薄肉容器体の座屈を防止できる。
この傾動材78は、上記各連結材60の状態で上記第2脚筒72を傾斜姿勢で支える。
傾動材78の両端と連結する第2脚筒72の下端側及び連結材60の先端側にはそれぞれ第3ヒンジ部76及び第2ヒンジ部62が設けられ、図2に示すように連結材60が下向きに回動されたときに傾動材78も略垂直状態へ動き、自立用治具50が全体として細身の状態になるように構成されている。この状態で薄肉容器体2の口頸部を挿通させることができる。
「薄肉容器体」とは、それ自体で自立できないものに限らない。自立できるが外力により座屈するものにも本発明の治具を適用することができる。
上記第1脚筒54の周壁下端部に吸込み口56を開口するとともに、吸込み口56の上側に第1ヒンジ部58が形成され、
連結材60の先端部60bと先端部以外の連結材部分である連結材本体60aとの間に第2ヒンジ部62を形成して、連結材本体に対して揺動可能な先端部60bが傾動材78の下部に連結されており、
連結材本体60aが横向きの状態で連結材本体60aと薄肉容器体2の底部4との間に間隙gが生ずるように構成されている。
上記第2脚筒72の下端から下外方へ突設された筒壁体79の下部に、連結材60の先端部60bを接続して、この接続箇所と第2脚筒72との間の帯状部分を傾動材78である肉厚壁部79aとし、残りの部分を折畳み可能な肉薄壁部79bとして、連結材本体60aが横向きとなった状態で筒壁体79がテーパ筒状となり、かつ筒壁体79の下側の環状端部84Bが薄肉容器体2の底部4に密接するように構成した。
自立用治具50は、傾動材78の両端と連結する第2脚筒72の下端部及び連結材60の先端部にそれぞれヒンジを設けることにより、連結材60の下向きへの回動により傾動材78が下方へ傾いて全体として細身の形態となるから、この状態で口頸部8から挿入させ易い。
また第1の手段に係る発明によれば、第2脚筒72は、上記薄肉容器体2の口頸部乃至吐出
器10に対して係止された係止部74を有するから、より安定的に薄肉容器体2を自立させることができる。
第2の手段に係る発明によれば、第1脚筒54の周壁下端部に開口した吸込み口56の上側に第1ヒンジ部58が形成され、かつ連結材本体60aが横向きの状態で連結材本体60aと薄肉容器体2の底部4との間に間隙gが生ずるように構成されたから、液体の吸い上げを円滑に行うことができる。
第3の手段に係る発明によれば、連結材本体60aが横向きとなった状態で筒壁体79がテーパ筒状となり、かつ筒壁体79の下側の環状端部84Bが薄肉容器体2の底部4に密接するように構成したから、自立用治具50を引き上げたときに自動的に閉じ、液体が周囲に飛び散るなどの不都合もないので、扱いやすい。
装着部材12は、口頸部8の外面に嵌合(図示例では螺合)させた装着筒部14の上端から内向きフランジ16を内方突出している。
シリンダ18は、シリンダ周壁の上端に付設した鍔部20を有し、この鍔部20をパッキンP及び後述の係止フランジ74を介して口頸部8の上に載置させて、薄肉容器体2内へ垂下されている。シリンダ周壁の上部には通気孔21を開口する。上記シリンダ周壁の上側からは、上記鍔部20より上方へ延長壁部22を延出している。またシリンダ周壁の下側内面から環状弁座26を内方突出している。この環状弁座26より下方へ取付筒部28を垂下している。
キャップ状部材30は、上記延長壁部22に取り付けられたリング状の部材であり、中央部にステム挿通孔を有する。
弁部材32は、上記シリンダ18の下部内に設置されている。弁部材32の下部は中空の大径筒部33に形成され、この大径筒部33内には弾性を有する複数の連結片34aを介して弁板34が支承される。この弁板34を上記環状弁座26に当接させることで第1逆止弁V1が形成されている。弁部材32の適所には大径筒部33の内部から弁部材32の上方へ連通させる連通路(弁部材の上部と大径筒部との間に形成されているが、図示せず)が設けられている。
作動部材36は、本実施形態において、ステム38とノズルヘッド44とを有する。
上記ステム38は、上記シリンダ18の内面を摺動可能な筒状ピストン40を縦向きの管壁38aの下端に有し、この管壁を、上記キャップ状部材のステム挿通孔を介して起立している。管壁38aの上部内には、第2逆止弁V2が形成されている。
上記ノズルヘッド44はステム38の上端に付設されており、側外方へノズル46を突出している。ステム38の下端と弁部材32の大径筒部33との間にはコイルスプリングSが介装され、作動部材36を上方へ付勢している。
吐出器10は、本実施形態において、上記の構成を有し、作動部材36の下降により、シリンダ18内の液体が第2逆止弁V2を介してノズル46から吐出され、作動部材36の上昇により薄肉容器体2内から第1逆止弁V1を介してシリンダ18内へ液体を吸い込むように作動する。もっとも吐出器10の構成は、同様のポンプ作用を発揮する限り、適宜変更することができる。
上記第1脚筒54は、上記取付筒部28の内面に取り付けられ、吸上げ管を兼ねて薄肉容器体2の底部4へ垂下されている。上部を嵌合させた第1脚筒54を有し、本明細書において“取り付けられ”という言葉は、吐出器10内部と連通可能に接続できればよく、図示例のように取付筒部28内に第1脚筒54の上部を嵌合させた構成に限られない。
また図示の第1脚筒54の下端部は肉厚筒部54aに形成している。この肉厚筒部54aの下半部には、吸込み口56が開口されている。
複数の連結材60は、上記第1脚筒54の下部外周に介して連結されている。連結箇所は、相互に等角的に離しておくことが望ましい。好適な図示例では、上記肉厚筒部54aの上端に連結材60を連結している。
各連結材60は、上記連結箇所に対して、第1ヒンジ部58により、下向きの状態と筒径方向横向きの状態との間での回動自在に連結されている。図示例では第1ヒンジ部は肉薄ヒンジ部としているが、回動可能であればどのような構造でも構わない。この点は後述の第2ヒンジ部及び第3ヒンジ部も同じである。
各連結材60は、薄肉容器体を自立させるのに必要な程度の剛性を有する。図示の連結材60は、連結板として形成されているが、棒状その他の適当な構造とすることができる。
また本実施形態では、連結材60の先端部60bと連結材の残りの部分で形成する連結材本体60aとの間に第2ヒンジ部62を設け、図1で示す先端部60bの上側に係合突子64を付設している。
上記第2脚筒72は、環状ギャップaを存して上記第1脚筒54を囲んでいる。前記環状ギャップaは、シリンダ18の通気孔21を薄肉容器体2の底部へ連通させている。図示例では、第2脚筒72の上端部を拡径筒部73とするとともに、拡径筒部73の上端から係止フランジ74を外方突出している。そして、拡径筒部73は、図1に示すように、口頸部8の内面に嵌着されるとともに係止フランジ74が口頸部8の上面に当接されることで、口頸部8に対して強固に取り付けられる。そして装着部材12の内向きフランジ16と口頸部8の上面との間に鍔部20とパッキンPと係止フランジ74とが挟持される。もっとも、拡径筒部は形成しなくても構わない。
各傾動材78の巾は、図示例において、図3に示すように連結材60の巾より大きくしている。
この形態で吐出器10の下部及び自立用治具50を薄肉容器体2の口頸部8から内部へ挿入することができる。第2脚部材70の下端側の当接端部84Aが薄肉容器体2の底部4に当接すると、図4に矢示する如く、当接端部84Aが底部4上を外側にスライドする。
これにより自立用治具50の下半部は、図1に示すように拡開する。
次に装着部材12の装着筒部14を口頸部8の外面に嵌合させることにより、上記当接端部84Aは、薄肉容器体2の底部4に位置する。
この状態において、傾動材78は傾斜姿勢で第2脚筒72を支えており、かつ第2脚筒72の上端の係止フランジ74は鍔部20及びパッキンPとともに口頸部8の上面と装着部材12の内向きフランジ16との間で挟持されているため、薄肉容器体2の自立を確実なものとすることができる。
具体的には、第2脚部材の当接端部が容器底部に当接することで支持力を発揮し、座屈に耐える構造となっている。すなわち、少なくとも三点で支持することで座屈強度がアップする。これにより、薄肉容器が潰れず、スムーズな注出が可能となる。基本的には当接端部の三点で座屈に耐える構造であるが、より大きな荷重が作用したときには、補助的に、第1脚部材の各下端部も押圧時に底部に接触するので、さらに座屈防止の効果が高まる。
薄肉容器体2内の液体を使い切ったときには、上記装着筒部14を口頸部8の外面から外して吐出器10及び自立用治具50を引き上げると、連結材60及び傾動材78はそれぞれの自重により下向きに回動し、図2に示す細身の形態となる。
この形態で口頸部8から吐出器10及び自立用治具50を取り出し、液体が充填された別の薄肉容器体2に装着することができる。
肉厚壁部79aは、主として第2脚筒72を傾斜姿勢で支える傾動材78の機能を果たし、他方、肉薄壁部79bは弾性伸縮する機能を有する。
図5の状態では、肉薄壁部79bは弾性的に周方向に引き伸ばされており、第2脚筒72の下端である環状端部84Bが容器体の底部4の上面Siに密接することにより、肉薄壁部79bの弾性復元力に抵抗している。
肉薄壁部79bの巾方向中間部には補強リブ82が縦設されており、肉薄壁部79bの上端部には連通孔81が開口されている。
また図5のVII−VII方向に示す位置から自立用治具を切断した形状(図7参照)では、肉薄壁部79bは扇形に形成されている。
さらに肉薄壁部79bは、折り畳み可能に形成されており、これにより筒壁体79の下端側が拡開した図5の形態と筒壁体79の下端側が細くなった図6の形態との間での変形可能としている。好適な一例として、肉薄壁部79bは、補強リブ82の形成箇所付近を第1の折目線(山線)とし、肉厚壁部79aとの縁部分を第2の折目線(谷線)として、折畳み可能とすることができる。これらの構造は適宜変更することができる。
本実施形態では、図7に示す如く、第2脚筒が角筒状に形成されており、当該角筒の各辺に連続して肉厚壁部79aが配置されている。角筒の各辺の全長に亘って第2脚筒72と肉厚壁部79aとを連結する第3ヒンジ部76が形成されており、これにより十分な連結強度が得られる。これにより、薄肉容器体の座屈に十分に防止することができ、薄肉容器体の自立状態を確実なものにする。
10…吐出器
12…装着部材 14…装着筒部 16…内向きフランジ
18…シリンダ 20…鍔部 21…吸気孔
22…延長壁部 26…環状弁座 28…取付筒部
30…キャップ状部材 32…弁部材 33…大径筒部
34…弁板 34a…連結片
36…作動部材 38…ステム 38a…管壁 40…筒状ピストン
44…ノズルヘッド 46…ノズル
50…自立用治具
52…第1脚部材 54…第1脚筒 54a…肉厚筒部
56…吸込み口 58…第1ヒンジ部
60…連結材 60a…連結材本体 60b…先端部
62…第2ヒンジ部 64…係合突子
70…第2脚部材 72…第2脚筒 73…拡径筒部 74…係止部(係止フランジ)
76…第3ヒンジ部 78…傾動材
79…筒壁体 79a…肉厚壁部 79b…肉薄壁部
80…係合孔 81…連通孔
82…補強リブ 84A…当接端部 84B…環状端部
a…環状ギャップ g…間隙 P…パッキン S…スプリング
Si…薄肉容器体の底部上面
V1…第1逆止弁 V2…第2逆止弁
Claims (3)
- 口頸部(8)を起立する薄肉容器体(2)と、
この口頸部(8)内に下部を挿入させて装着された吐出器(10)と、
この吐出器(10)の下部に嵌着させて薄肉容器体(2)内に内蔵された自立用治具(50)とからなり、
この自立用治具(50)は、
吐出器下部への取付け可能な吸上げ管兼用の第1脚筒(54)を有し、この第1脚筒(54)の下部から第1ヒンジ部(58)を介して下向きと筒径方向横向きとの間で回動可能な複数の連結材(60)を突出してなる第1脚部材(52)と、
上記第1脚筒(54)の周囲を囲む第2脚筒(72)を有し、この第2脚筒(72)の下端と上記横向き状態の連結材(60)の先端部(60b)との間に傾斜姿勢で第2脚筒(72)を支える傾動材(78)が設けられた第2脚部材(70)とからなり、
上記傾動材(78)は、連結材(60)の先端部(60b)及び第2脚筒(72)の下端部に第2ヒンジ部(62)及び第3ヒンジ部(76)が設けられることで傾動可能に形成され、
連結材(60)の下向きへの回動により傾動材(78)が下方へ傾いて全体として細身の形態となるように構成された吐出器付き薄肉容器において、
上記第2脚筒(72)は、上記薄肉容器体(2)の口頸部乃至吐出器(10)に対して係止された係止部(74)を有することを特徴とする、吐出器付き薄肉容器。 - 上記第1脚筒(54)の周壁下端部に吸込み口(56)を開口するとともに、吸込み口(56)の上側に第1ヒンジ部(58)が形成され、
連結材(60)の先端部(60b)と先端部以外の連結材部分である連結材本体(60a)との間に第2ヒンジ部(62)を形成して、連結材本体に対して揺動可能な先端部(60b)が傾動材(78)の下部に連結されており、
連結材本体(60a)が横向きの状態で連結材本体(60a)と薄肉容器体(2)の底部(4)との間に間隙(g)が生ずるように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の吐出器付き薄肉容器。 - 上記第2脚筒(72)の下端から下外方へ突設された筒壁体(79)の下部に、連結材(60)の先端部(60b)を接続して、この接続箇所と第2脚筒(72)との間の帯状部分を傾動材(78)である肉厚壁部(79a)とし、残りの部分を折畳み可能な肉薄壁部(79b)として、連結材本体(60a)が横向きとなった状態で筒壁体(79)がテーパ筒状となり、かつ筒壁体(79)の下側の環状端部(84B)が薄肉容器体(2)の底部(4)に密接するように構成したことを特徴とする、請求項2に記載の吐出器付き薄肉容器。
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