JP6711433B2 - ランニング解析装置、ランニング解析方法及びランニング解析プログラム - Google Patents
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ユーザの腰部に取り付けられたセンサから出力されるセンサデータを用いて、当該ユーザのランニング解析を行う解析部を備え、
前記解析部は、ランニング周期における遊脚期において、前記遊脚期にある前記ユーザの足が後方へ振り戻される振り戻し期間と、前記遊脚期にある前記ユーザの足が前方へ振り出される振り出し期間と、のうちの少なくとも何れか一方の期間を、指標となる期間として特定する指標特定手段を含み、
前記センサには、少なくとも垂直方向の加速度信号を前記センサデータとして出力する加速度センサが含まれ、
前記指標特定手段は、前記加速度信号に基づいて、前記加速度センサの高さ位置を表す高さ位置の波形を求め、当該高さ位置の波形が極小値を示すタイミングを前記ユーザの最大沈み込みタイミングとし、前記遊脚期のうち、当該最大沈み込みタイミングに到達するまでの期間を前記振り戻し期間とするとともに、当該最大沈み込みタイミングに到達した後の期間を前記振り出し期間とすることを特徴とする。
ユーザの腰部に取り付けられた少なくとも垂直方向の加速度信号をセンサデータとして出力する加速度センサから出力されるセンサデータを用いて、当該ユーザのランニング解析を行うランニング解析装置におけるランニング解析方法であって、
ランニング周期における遊脚期において、前記遊脚期にある前記ユーザの足が後方へ振り戻される振り戻し期間と、前記遊脚期にある前記ユーザの足が前方へ振り出される振り出し期間と、のうちの少なくとも何れか一方の期間を、指標となる期間として特定する指標特定ステップを含み、
前記指標特定ステップは、前記加速度信号に基づいて、前記加速度センサの高さ位置を表す高さ位置の波形を求め、当該高さ位置の波形が極小値を示すタイミングを前記ユーザの最大沈み込みタイミングとし、前記遊脚期のうち、当該最大沈み込みタイミングに到達するまでの期間を前記振り戻し期間とするとともに、当該最大沈み込みタイミングに到達した後の期間を前記振り出し期間とすることを特徴とする。
コンピュータを、
ユーザの腰部に取り付けられたセンサから出力されるセンサデータを用いて、当該ユーザのランニング解析を行う解析手段として機能させるランニング解析プログラムであって、
前記解析手段は、ランニング周期における遊脚期において、前記遊脚期にある前記ユーザの足が後方へ振り戻される振り戻し期間と、前記遊脚期にある前記ユーザの足が前方へ振り出される振り出し期間と、のうちの少なくとも何れか一方の期間を、指標となる期間として特定する指標特定手段を含み、
前記センサには、少なくとも垂直方向の加速度信号を前記センサデータとして出力する加速度センサが含まれ、
前記指標特定手段は、前記加速度信号に基づいて、前記加速度センサの高さ位置を表す高さ位置の波形を求め、当該高さ位置の波形が極小値を示すタイミングを前記ユーザの最大沈み込みタイミングとし、前記遊脚期のうち、当該最大沈み込みタイミングに到達するまでの期間を前記振り戻し期間とするとともに、当該最大沈み込みタイミングに到達した後の期間を前記振り出し期間とすることを特徴とする。
図1に示すように、ランニング解析装置100は、本体部1と、ベルト部2とを有しており、ベルト部2によって、ユーザの腰の位置で本体部1が固定されている。ここで、左右方向をX軸とし、前後方向をY軸とし、上下方向をZ軸とする。X軸においては左手方向を正、右手方向を負とする。Y軸においては進行方向逆向きを正とし、進行方向を負とする。Z軸においては上方向を正、下方向を負とする。
なお、本実施形態において、ランニングとは走る動作全般を意味するものであり、陸上競技における短距離走や長距離走に限らず、所謂ジョギング等も含まれるものとする。
図2に示すように、本体部1は、指標特定手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、加速度センサ14と、記憶部15と、表示部16と、通信部17とを備える。本体部1の各部はバス18を介して接続されている。
なお、このランニング解析処理では、ユーザが所定距離だけ走った分の各軸の加速度のデータが予め取得され記憶部15に記憶されている場合を例示して説明する。例えば、開始/停止ボタンが操作されることによってデータ取得が開始されてから、ユーザが所定距離だけ走り終わり、開始/停止ボタンが再度操作されデータ取得が停止されると、CPU11は、記憶部15から読み出して適宜RAM13に展開したランニング解析プログラム151との協働で、ランニング解析処理を実行する。
具体的には、図4に示すように、「239」ポイントの位置が最大沈み込みタイミング(最下点)として特定されている場合、CPU11は、「113」〜「239」ポイント、すなわち左足が地面から離れてから当該最大沈み込みタイミングに到達するまでの期間を左足の振り戻し期間として特定する。また、「239」〜「400」ポイント、すなわち最大沈み込みタイミングに達した後、左足が接地するまでの期間を左足の振り出し期間として特定する。
まず、CPU11は、各足の支持期であり、且つ、Y軸の加速度データの値がマイナスである、すなわち進行方向に加速している区間のサンプリングデータを抜き出し、各サンプリングデータに対してY軸の加速度データの値の二乗とZ軸の加速度データの値の二乗とを足し合わせ、平方根を求めることで、YZ平面上での加速度の大きさを求める。そして、CPU11は、このなかで加速度の大きさが最大となる時間(例えば、図中の加速度が49.7m/s2と表示されている「35」ポイントのタイミングや、加速度が38.7m/s2と表示されている「234」ポイントのタイミング)を最大キックタイミングとして特定する。
図6は、ユーザのランニング解析結果の一例を示すグラフである。
図6に示すように、各足の支持期、振り戻し(遊脚戻り)期間、振り出し(遊脚振出)
期間のそれぞれの期間に費やされた時間の長さを、走行速度ごとに比較できるようになっている。このように、各足の支持期、振り戻し(遊脚戻り)期間、振り出し(遊脚振出)期間のそれぞれの期間に費やされた時間の長さを示しているのは、振り出し期間を十分に確保しつつ、走行速度(ランニング速度)の向上に寄与し得ない振り戻し期間を小さくするようなトレーニングが出来ているか否かを確認することができるようにするためである。振り出し期間が十分に確保できない場合には、足がすぐに接地してしまうため、滞空期間のストライドが伸展せず、さらに足の戻しを行う動作が不十分となることから、踵接地になりやすく、結果的に接地ブレーキが大きくなるのである。一方、振り出し期間が相対的に大きいほど(振り出し時間率が大きいほど)、ストライドの伸展に直接的に寄与するばかりか、足の戻しを行う動作が可能となり、体の重心位置に近いところでの接地が可能となるため相対的に接地ブレーキが小さくなり、結果として走行速度(ランニング速度)の向上をもたらすのである。
なお、ランニング解析結果のデータは、本体部1の通信部17を介して外部の情報端末に出力される。
具体的には、選手Aについて、ランニング解析装置100を装着した状態でランニングをしてもらい、ランニング解析結果に基づき、振り出し期間を十分に確保しつつ振り戻し期間を小さくするようなトレーニングの指導を行い、実際にトレーニングをしてもらった。
その結果、当初走行ピッチ190bpsにおいて、振り戻し期間の平均長さが222msであり、振り出し期間の平均長さが262msであり、このときの平均ストライドが190cmであったのに対し、トレーニング後は、同一ピッチ(走行ピッチ190bps)において、振り戻し期間の平均長さが215msとなり、振り出し期間の平均長さが271msとなり、このときの平均ストライドが193cmとなった。
つまり、トレーニング前に比べて、振り戻し期間が縮小するとともに、振り出し期間が増大し、結果として同一ピッチにおけるストライドを伸長させることができた。
このため、ランニング速度を向上させるための指標の評価を行うことができるようになり、ランニング速度を効率よく向上させることができる。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
<請求項1>
ユーザに取り付けられたセンサから出力されるセンサデータを用いて、当該ユーザのランニング解析を行う解析部を備え、
前記解析部は、ランニング周期における遊脚期おいて、指標となる期間を特定する指標特定手段を含むことを特徴とするランニング解析装置。
<請求項2>
前記指標特定手段は、前記遊脚期にある前記ユーザの足が後方へ振り戻される振り戻し期間と、前記遊脚期にある前記ユーザの足が前方へ振り出される振り出し期間と、のうちの少なくとも何れか一方の期間を前記指標となる期間として特定することを特徴とする請求項1に記載のランニング解析装置。
<請求項3>
前記センサには、少なくとも垂直方向の加速度信号を前記センサデータとして出力する加速度センサが含まれ、
前記指標特定手段は、前記加速度信号を二度積分することで、前記加速度センサの高さ位置を表す高さ位置の波形を求め、当該高さ位置の波形が極小値を示すタイミングを前記ユーザの最大沈み込みタイミングとし、前記遊脚期のうち、当該最大沈み込みタイミングに到達するまでの期間を前記振り戻し期間とするとともに、当該最大沈み込みタイミングに到達した後の期間を前記振り出し期間とすることを特徴とする請求項2に記載のランニング解析装置。
<請求項4>
前記センサには、少なくとも前後方向及び垂直方向の加速度信号を前記センサデータとして出力する加速度センサが含まれ、
前記指標特定手段は、前記ユーザが進行方向に加速している区間における前記センサデータを抽出し、当該区間において前後方向及び垂直方向の各加速度の値の二乗和が最大となるタイミングを最大キックタイミングとし、前記遊脚期のうち、当該最大キックタイミングに到達するまでの期間を前記振り戻し期間とするとともに、当該最大キックタイミングに到達した後の期間を前記振り出し期間とすることを特徴とする請求項2に記載のランニング解析装置。
<請求項5>
前記センサには、ジャイロセンサが含まれ、
前記指標特定手段は、前記ジャイロセンサから出力される角速度信号に基づき前記ユーザの腰の回転角度を算出し、当該腰の回転角度が当該ユーザの進行方向に対して所定の値となるタイミングを特定し、前記遊脚期のうち、当該タイミングに到達するまでの期間を前記振り戻し期間とするとともに、当該タイミングに到達した後の期間を前記振り出し期間とすることを特徴とする請求項2に記載のランニング解析装置。
<請求項6>
前記指標特定手段は、ランニング周期における遊脚期おいて特定した前記指標となる期間を分離し、分離された前記指標となる期間に基づいて前記ユーザのランニング解析を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のランニング解析装置。
<請求項7>
前記解析部は、前記指標特定手段により特定された前記指標となる期間に基づいて前記ユーザのランニング解析を行うことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のランニング解析装置。
<請求項8>
前記解析部により解析された前記ユーザのランニング解析の解析結果を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項7に記載のランニング解析装置。
<請求項9>
ユーザに取り付けられたセンサから出力されるセンサデータを用いて、当該ユーザのランニング解析を行う処理を含み、
前記処理では、ランニング周期における遊脚期おいて、指標となる期間を特定することを特徴とするランニング解析方法。
<請求項10>
コンピュータを、
ユーザに取り付けられたセンサから出力されるセンサデータを用いて、当該ユーザのランニング解析を行う解析手段として機能させ、
前記解析手段は、ランニング周期における遊脚期おいて、指標となる期間を特定する指標特定手段を含むことを特徴とするランニング解析プログラム。
1 本体部
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 加速度センサ
15 記憶部
151 ランニング解析プログラム
16 表示部
17 通信部
2 ベルト部
Claims (6)
- ユーザの腰部に取り付けられたセンサから出力されるセンサデータを用いて、当該ユーザのランニング解析を行う解析部を備え、
前記解析部は、ランニング周期における遊脚期において、前記遊脚期にある前記ユーザの足が後方へ振り戻される振り戻し期間と、前記遊脚期にある前記ユーザの足が前方へ振り出される振り出し期間と、のうちの少なくとも何れか一方の期間を、指標となる期間として特定する指標特定手段を含み、
前記センサには、少なくとも垂直方向の加速度信号を前記センサデータとして出力する加速度センサが含まれ、
前記指標特定手段は、前記加速度信号に基づいて、前記加速度センサの高さ位置を表す高さ位置の波形を求め、当該高さ位置の波形が極小値を示すタイミングを前記ユーザの最大沈み込みタイミングとし、前記遊脚期のうち、当該最大沈み込みタイミングに到達するまでの期間を前記振り戻し期間とするとともに、当該最大沈み込みタイミングに到達した後の期間を前記振り出し期間とすることを特徴とするランニング解析装置。 - 前記指標特定手段は、ランニング周期における遊脚期において特定した前記指標となる期間を分離し、分離された前記指標となる期間に基づいて前記ユーザのランニング解析を行うことを特徴とする請求項1に記載のランニング解析装置。
- 前記解析部は、前記指標特定手段により特定された前記指標となる期間に基づいて前記ユーザのランニング解析を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のランニング解析装置。
- 前記解析部により解析された前記ユーザのランニング解析の解析結果を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のランニング解析装置。
- ユーザの腰部に取り付けられた少なくとも垂直方向の加速度信号をセンサデータとして出力する加速度センサから出力されるセンサデータを用いて、当該ユーザのランニング解析を行うランニング解析装置におけるランニング解析方法であって、
ランニング周期における遊脚期において、前記遊脚期にある前記ユーザの足が後方へ振り戻される振り戻し期間と、前記遊脚期にある前記ユーザの足が前方へ振り出される振り出し期間と、のうちの少なくとも何れか一方の期間を、指標となる期間として特定する指標特定ステップを含み、
前記指標特定ステップは、前記加速度信号に基づいて、前記加速度センサの高さ位置を表す高さ位置の波形を求め、当該高さ位置の波形が極小値を示すタイミングを前記ユーザの最大沈み込みタイミングとし、前記遊脚期のうち、当該最大沈み込みタイミングに到達するまでの期間を前記振り戻し期間とするとともに、当該最大沈み込みタイミングに到達した後の期間を前記振り出し期間とすることを特徴とするランニング解析方法。 - コンピュータを、
ユーザの腰部に取り付けられたセンサから出力されるセンサデータを用いて、当該ユーザのランニング解析を行う解析手段として機能させるランニング解析プログラムであって、
前記解析手段は、ランニング周期における遊脚期において、前記遊脚期にある前記ユーザの足が後方へ振り戻される振り戻し期間と、前記遊脚期にある前記ユーザの足が前方へ振り出される振り出し期間と、のうちの少なくとも何れか一方の期間を、指標となる期間として特定する指標特定手段を含み、
前記センサには、少なくとも垂直方向の加速度信号を前記センサデータとして出力する加速度センサが含まれ、
前記指標特定手段は、前記加速度信号に基づいて、前記加速度センサの高さ位置を表す高さ位置の波形を求め、当該高さ位置の波形が極小値を示すタイミングを前記ユーザの最大沈み込みタイミングとし、前記遊脚期のうち、当該最大沈み込みタイミングに到達するまでの期間を前記振り戻し期間とするとともに、当該最大沈み込みタイミングに到達した後の期間を前記振り出し期間とすることを特徴とするランニング解析プログラム。
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