実施例1について図1〜図13を用いて説明する。
図1は、実施例1の空調機7の装置構成の説明図である。空調機7は、室内に配置される室内機1と、室外に配置される室外機2とを有する。室内機1と室外機2とは、冷媒配管3及び空調通信網4で接続される。また、室内機1はユーザリモコン5に接続される。
図1に示す室内機1は、天井埋め込み型と呼ばれ、室内機1本体の下方に配置される化粧パネル1aを天井材に嵌め込んで、室内機1を天井に固定する。化粧パネル1aの中央部には、室内の空気を吸い込む吸込口1bが形成される。吸込口1bを囲むように、冷却又は除湿された空気を吹き出す吹出口1cが形成される。
室内機1の内部には、室内制御基板10、室内ファン11、室内側熱交換器12、ドレンパン13、ドレンポンプ14、ドレン配管15、吸込湿度センサ16、吸込温度センサ17、吹出温度センサ18、及び水量センサ19が配置される。
室内制御基板10は、室内ファン11、室内側熱交換器12、ドレンポンプ14、吸込湿度センサ16、吸込温度センサ17、吹出温度センサ18、及び水量センサ19に接続され、これらを制御して、室内機1の空調運転制御を管理する。また、室内制御基板10は、室外機2及びユーザリモコン5に接続され、室外機2の運転状態を取得し、またユーザリモコン5に空調機7の状態等を表示する。
室内ファン11は、吸込口1bを通じて室内の空気を室内機1内に吸い込む。室内側熱交換器12は、室内ファン11の外周を囲むように配置される。室内側熱交換器12の内部には冷媒が流れており、室内ファン11から吸い込まれた空気は室内側熱交換器12を通ると冷却され、吹き出し口から吹き出される。ドレンパン13には、室内側熱交換器12によって空気が冷却することによって発生した水(ドレン水)が貯留される。ドレンポンプ14は、ドレンパン13に貯留されたドレン水をドレン配管15を通って室内機1の外部に排出する。
吸込湿度センサ16は、吸込口1bから吸い込まれた空気の湿度を計測する。すなわち、吸込湿度センサ16は、空調運転を実施する空間の湿度を計測する湿度計測部である。吸込温度センサ17は、吸込口1bから吸い込まれた空気の温度を計測する。吹出温度センサ18は、吹出口1cから吹き出される空気の温度を計測する。水量センサ19は、排水されたドレン水の容量を計測する。
なお、図1では、室内機1の断面図を示したので、室内側熱交換器12とドレンパン13とが図1の左右に分かれて図示されるが、これらは平面的に見ると一体に繋がっている。
次に、室外機2について説明する。室外機2には外気吸込口2b及び排気口2cが形成される。
室外機2の内部には、室外制御基板20、室外側熱交換器21、室外ファン22、圧縮機23、絞り装置24、及び外気温度センサ25が配置される。
室外制御基板20は、室外側熱交換器21、室外ファン22、圧縮機23、絞り装置24、及び外気温度センサ25に接続され、これらを制御して、室外機2の空調運転制御を管理する。
圧縮機23は、冷房運転時には凝縮器(放熱器)として機能する。室外ファン22は、外気吸込口2bから空気を吸い込む。室外側熱交換器21は、外気吸込口2bから吸い込まれた空気を冷媒との間で熱交換する。室外側熱交換器21が熱交換した空気は排気口2cから排出される。絞り装置24は、冷媒配管3を流れる冷媒の流量を調節する。外気温度センサ25は、外気吸込口2bから吸い込まれた空気の温度を計測する。
図2は、実施例1の室内制御基板10及び室外制御基板20のハードウェア構成図である。
室内制御基板10のハードウェア構成について説明する。室内制御基板10は、プロセッサ50、RAM(Random Access Memory)51、メモリディスク52、リアルタイムクロック58、リモコン通信インタフェース(IF)53、室外機通信IF54、電源IF55、センサ通信IF56、及び機器通信IF57を有する。RAM51、メモリディスク52、リアルタイムクロック58、リモコン通信インタフェース(IF)53、室外機通信IF54、電源IF55、センサ通信IF56、及び機器通信IF57は、それぞれ図示しない接続線を介してプロセッサ50に接続される。
プロセッサ50は、演算処理を実行するプロセッサを有し、様々な汎用周辺機能を有する所謂ワンチップマイコンである。RAM51は、プロセッサ50が実行するプログラム及び当該プロセッサが読み書きするデータを一時的に記憶する揮発性の記憶媒体である。メモリディスク52には、OS(Operating System)、各種プログラム、及び各種データが記憶される不揮発性の非一次的な記憶媒体である。リアルタイムクロック58は、時刻情報を取得し、時刻情報をプロセッサ50に提供する。
リモコン通信IF53は、室内制御基板10をユーザリモコン5に接続するインタフェースである。室外機通信IF54は、室外制御基板20を空調通信網4を介して室外制御基板20に接続するインタフェースである。電源IF55は、室内制御基板10を室内機1が有する図示しない電源供給部に接続するインタフェースである。センサ通信IF56は、室内制御基板10を吸込湿度センサ16、吸込温度センサ17、吹出温度センサ18、及び水量センサ19等に接続するインタフェースである。機器通信IF57は、室内制御基板10を室内ファン11、室内側熱交換器12、及びドレンポンプ14等に接続するインタフェースである。
次に、室外制御基板20のハードウェア構成について説明する。室外制御基板20は、プロセッサ60、RAM61、ROM(Read Only Memory)62、室内機通信IF63、電源IF64、及びセンサ通信IF65を有する。RAM61、ROM(Read Only Memory)62、室内機通信IF63、電源IF64、及びセンサ通信IF65は、それぞれ図示しない接続線を介してプロセッサ60に接続される。
プロセッサ60は各種演算処理を実行する。RAM61は、プロセッサ60が実行するプログラム及び当該プロセッサが読み書きするデータを一時的に記憶する揮発性の記憶媒体である。ROM62は、OS(Operating System)、各種プログラム、及び各種データが記憶される不揮発性の非一時的な記憶媒体である。
室内機通信IF63は、室外制御基板20を空調通信網4を介して室内制御基板10に接続するインタフェースである。電源IF64は、室外制御基板20を室外機2が有する図示しない電源供給部に接続するインタフェースである。センサ通信IF65は、室外制御基板20を外気温度センサ25に接続するインタフェースである。
次に、ユーザリモコン5について説明する。
ユーザリモコン5は、表示部70、運転停止ボタン71、決定ボタン72、選択ボタン73、メニューボタン74、戻るボタン75、及びガイドボタン76を有する。
表示部70には、通常状態では、運転モード、風量、風向き、及び温度等が表示される。また、室内制御基板10が、室内の水分の除去にかかる負荷を示す除湿負荷が過剰であることを検出した場合、表示部70にはその旨が表示されてもよい。
運転停止ボタン71は、空調機7の運転を開始又は停止させるボタンである。決定ボタン72は、表示部70に表示された項目から一つの項目を決定するボタンである。選択ボタン73は、決定ボタン72の上下左右に4つのボタンであり、表示部70に表示された項目を選択するボタンである。メニューボタン74は、表示部70にメニュー画面を表示させるボタンである。戻るボタン75は、表示部70に表示された内容を一つ前の内容に戻すボタンである。ガイドボタン76は、表示部70にガイド画面を表示させるボタンである。
図3は、実施例1の室内制御基板10の機能ブロック図である。
室内制御基板10は、空調運転管理部100、及び負荷判定部110を有する。なお、空調運転管理部100及び負荷判定部110に対応するプログラムがRAM51に記憶されており、プロセッサ50がこれらのプログラムを実行することによって、空調運転管理部100及び負荷判定部110は実現される。
まず、空調運転管理部100について説明する。空調運転管理部100は、リモコン通信IF53を介してユーザリモコン5と通信し、室外機通信IF54を介して室外機2と通信する。また、空調運転管理部100は、センサ通信IF56を介して各種センサの計測値を取得し、機器通信IF57を介して室内機1の室内ファン11、室内側熱交換器12、及びドレンポンプ14等の機器を監視制御して、ユーザの設定に従った空調運転を実施するとともに、これらの機器の故障を検出する。
本実施例の空調運転管理部100は、負荷判定IF部101を有する。負荷判定IF部101は、負荷判定部110が除湿負荷を検出するために必要なデータを負荷判定部110に提供し、負荷判定部110が過剰な除湿負荷を検出した旨を示す過剰除湿負荷情報を受け取り、例えばリモコン通信IF53を介してその旨をユーザに報知する。この負荷判定IF部101によって、空調運転管理部100は、負荷判定部110を間接的に管理する。
次に、負荷判定部110について説明する。
負荷判定部110は、各種センサの計測値に基づいて空調機7が冷房又は除湿で運転中であるにもかかわらず、室内の水分の除去にかかる除湿負荷を算出し、算出した除湿負荷が過剰であるか否かを判定し、除湿負荷が過剰であれば過剰除湿負荷情報を負荷判定IF部101に出力して、ユーザリモコン5等にその旨を表示させる。
空調機7は、室内の温度及び設定温度に基づいて、室内ファン11、室内側熱交換器12、及びドレンポンプ14等を制御する。外気温と設定温度の差が大きい場合、外気が室内に流入すると、室内の温度と設定温度との差が大きくなり、空調機7の風量等が大きくなるように制御されるので、空調機7の消費電力が通常より大きくなる。
一方、外気温と設定温度との差が小さい場合、外気が室内に流入しても、室内の温度と設定温度との差が変わらないので、空調機7の風量等はそのままで制御され、空調機7の消費電力に大きな影響はない。しかしながら、外気温と設定温度との差が小さい場合であっても、湿気を含む外気が室内に流入すると、室内の湿度は空調機7が冷房又は除湿運転中であっても低下せず、空調機7の除湿負荷が過剰な状態となる。このため、本実施例では、負荷判定部110は、室内の湿度に着目して、外気が室内に流入する等の除湿負荷が過剰となっていることを検出する。これによって、室外温度と設定温度との差が小さくても、除湿負荷が過剰となっていることを検出できる。
負荷判定部110は、運転管理IF部111、データ処理部112、容量判定部113、第1除湿負荷判定部114、第2除湿負荷判定部115、及び判定履歴処理部116を有する。
運転管理IF部111は、負荷判定IF部101との間で各種情報を送受信するインタフェースである。まず、空調運転管理部100は、ユーザリモコン5から冷房又は除湿運転開始の指示が入力された場合、冷房又は除湿運転を開始する。また、空調運転管理部100は、運転状態となったことを負荷判定IF部101から負荷判定部110の運転管理IF部111に通知し、負荷判定部110は、負荷判定処理の実行を開始する。また、空調運転管理部100は、冷房運転を開始する場合には設定温度、除湿運転を開始する場合には設定湿度、吸込温度センサ17が運転開始時に計測した室内の温度、及び、吸込湿度センサ16が運転開始時に計測した室内の湿度を、負荷判定IF部101から運転管理IF部111に出力する。
空調運転管理部100は、冷房又は除湿運転が停止されるまで所定時間間隔で、吸込湿度センサ16及び吸込温度センサ17の計測値、圧縮機23の運転状態、並びに圧縮機23の消費電力を負荷判定IF部101から運転管理IF部111に出力する。なお、空調運転管理部100は、水量センサ19の計測値又はドレンポンプの回転量等のドレン水の排出量を特定可能な情報を取得できる場合、これらの情報も所定時間間隔で負荷判定IF部101から運転管理IF部111に出力する。
例えば、空調運転管理部100は、10秒ごとに各種センサの情報等を示す空調機測定情報を取得し、空調機測定情報の負荷判定IF部101から運転管理IF部111への出力時間間隔も10秒となるが、これらの間隔は、本実施例の機器の都合等により任意に設定されてもよい。
データ処理部112は、運転管理IF部111が受信した空調機測定情報に所定のデータ処理を実行して、空調機測定情報を時系列順にRAM51に記憶する。RAM51に記憶された空調機測定情報の詳細は図4及び図7で説明する。
容量判定部113、第1除湿負荷判定部114、及び第2除湿負荷判定部115は、データ処理部112に空調機測定情報が入力されるたびに、それぞれの判定処理を実行して、それぞれの判定結果をデータ処理部112に出力する。データ処理部112は、入力された判定結果をRAM51に記憶し、入力された判定結果を運転管理IF部111を介して空調運転管理部100に出力する。
容量判定部113は、空調機7の空調容量の不足が発生しているか否かを判定する。例えば、容量判定部113は、空調機7の運転が開始されてから所定時間(例えば20分)経過しても、設定温度又は設定湿度に達しない場合、空調機7の空調容量の不足が発生していると判定する。容量判定部113は、空調機7の容量の不足が発生していると判定した場合、その旨をデータ処理部112に出力し、空調機7の容量の不足が発生していないと判定した場合、その旨をデータ処理部112に出力する。データ処理部112は、空調機7の容量の不足が発生している旨が入力された場合、RAM51の容量不足発生フラグをONに設定し、空調機7の容量の不足が発生していない旨が入力された場合、RAM51の容量不足発生フラグをOFFに設定する。
なお、空調機7の空調容量の不足が発生したか否かを判定するための所定時間は、空調機7の性能に従って予め適切な値に設定される。また、空調機測定情報に圧縮機23の運転周波数又は消費電力等の圧縮機23の動作が含まれる場合、容量判定部113は、圧縮機23の運転周波数又は消費電力が所定時間継続して定格の90%以上であって、かつ所定時間継続して設定温度又は設定湿度に達しなければ、空調機7の容量の不足が発生したと判定してもよい。このように、容量判定部113の判定条件は、容量判定部113が取得可能な空調機測定情報に含まれる情報を組み合わせて設定されてもよい。
また、データ処理部112は、RAM51の容量不足発生フラグの状態が変化した場合、容量不足発生フラグが変化した旨を、運転管理IF部111を介して空調運転管理部100に出力する。判定履歴処理部116は、RAM51の容量不足発生フラグの状態がOFFからONに変化した日時を、容量不足発生履歴として記憶する。
次に、第1除湿負荷判定部114について説明する。第1除湿負荷判定部114は、吸込湿度センサ16の計測値の時系列変化に基づいて第1除湿負荷を算出し、圧縮機23の運転状態も考慮して、第1除湿負荷が過剰であるか否かを判定する。第1除湿負荷判定部114が用いる空調機測定情報について図4を用いて説明する。図4は、実施例1の第1除湿負荷判定部114が用いる空調機測定情報の説明図である。第1除湿負荷判定部114が用いる空調機測定情報は、経過時間401、圧縮機運転状態402、吸込温度403、吸込湿度404、及び風速405を含む。
経過時間401には、空調機7の運転が開始されてからの経過時間が登録される。圧縮機運転状態402には、圧縮機23の運転状態が登録される。図4では、圧縮機運転状態402には、圧縮機23が運転中であるか停止中であるかの情報が登録され、圧縮機23が運転中である場合には、圧縮機23の運転周波数も登録される。吸込温度403には、吸込温度センサ17の計測値(室内温度)が登録される。吸込湿度404には、吸込湿度センサ16の計測値(室内湿度)が登録される。風速405には、室内機1の風速が登録される。また、第1除湿負荷判定部114が用いる空調機測定情報は、現在の空調機7の運転モード及び設定温度を含んでもよい。
なお、データ処理部112は、空調機測定情報が入力された場合、入力された空調機測定情報に含まれる圧縮機運転状態、吸込温度、吸込湿度、及び風速を、第1除湿負荷判定部114が用いる空調機測定情報に追加していく。
第1除湿負荷判定部114の詳細について図5及び図6を用いて説明する。
図5は、実施例1の圧縮機23の運転状態と吸込温度及び吸込湿度との関係の説明図である。
図5に示すように、圧縮機23の運転状態が運転中であれば、吸込温度及び吸込湿度は下降傾向を示し、圧縮機23の運転状態が停止中であれば、吸込温度及び吸込湿度は上昇傾向を示すはずである。しかし、室内温度と同じ程度(例えば7℃以下)の外気が室内に流入している場合等の除湿負荷が過剰である場合、圧縮機23の運転状態が運転中であっても、吸込湿度は上昇傾向を示す。
このため、第1除湿負荷判定部114は、第1除湿負荷判定部114が用いる空調機測定情報にデータ処理部112が新たな情報を追加した場合、圧縮機23の運転状態が運転中であれば、今回追加された吸込湿度から前回の吸込湿度を減算し、減算結果を第1除湿負荷として算出する。そして、第1除湿負荷判定部114は、減算結果がマイナスの値、すなわち、今回追加された吸込湿度が前回の吸込湿度より低下した場合、除湿負荷は過剰でないものと判定する。一方、第1除湿負荷判定部114は、減算結果が所定時間以上継続してプラスの値、すなわち、今回追加された吸込湿度が前回の吸込湿度より上昇している場合、窓又はドア等が開いており、外気が室内に流入する等の除湿負荷が過剰であると判定する。
図6は、実施例1の第1除湿負荷判定部114の判定結果の説明図である。
図6では、第1除湿負荷判定部114は、圧縮機23が運転中であって、かつ、今回追加された吸込湿度から前回の吸込湿度を減算した結果である第1除湿負荷が10分以上プラスとなっている区間を、除湿負荷が過剰である区間と判定する。第1除湿負荷判定部114は、除湿負荷が過剰であると判定した場合、その旨をデータ処理部112に出力し、除湿負荷が過剰でないと判定した場合、その旨をデータ処理部112に出力する。データ処理部112は、第1除湿負荷判定部114から除湿負荷が過剰である旨の入力がされた場合、RAM51の第1除湿負荷フラグをONに設定し、第1除湿負荷判定部114から除湿負荷が過剰でない旨の入力がされた場合、RAM51の第1除湿負荷フラグをOFFに設定する。なお、第1除湿負荷判定部114は、第1除湿負荷がマイナスとなれば、除湿負荷が過剰でないと判断して、第1除湿負荷フラグをOFFに変更する。
図6に示す例では、第1除湿負荷判定部114は、圧縮機23が運転中であって、10分以上第1除湿負荷がプラスとなっていれば、除湿負荷が過剰であると判定したが、圧縮機23が運転中であって、湿度55%以上であって、かつ所定時間(例えば10分間)の第1除湿負荷の平均が上昇傾向を示せば、除湿負荷が過剰であると判断してもよい。また、冷房運転時と除湿運転時とで判定条件を変更してもよい。例えば、第1除湿負荷判定部114は、冷房運転時は上記した判定条件を用いて除湿負荷を検出し、除湿運転時は、圧縮機23が運転中であって、湿度45%以上であって、所定時間(例えば5分間)の第1除湿負荷の累積値がマイナスであり、かつ当該累積値が閾値(例えば3%)以下であれば、除湿負荷を検出するとしてもよい。
次に、第2除湿負荷判定部115について説明する。
第2除湿負荷判定部115は、データ処理部112に空調機測定情報が入力されたタイミング(例えば10秒間隔)で第2除湿負荷の判定処理を実行する。具体的には、第2除湿負荷判定部115は、前回入力された室内温度及び室内湿度から算出される室内の水分量から今回入力された室内温度及び室内湿度から算出される室内の水分量を減算する。そして、第2除湿負荷判定部115は、水分量の減算結果を前回のタイミングと今回のタイミングとの間で発生したドレン水量で除算して、除算結果に空気比重を乗算することによって、空調機7が実際に空調を実施した空間の容量を示す実測空間容量を第2除湿負荷として算出する。そして、第2除湿負荷判定部115は、第2除湿負荷と空調機7の本来の容量とを比較して、除湿負荷が過剰であるか否かを判定する。
第2除湿負荷判定部115が用いる空調機測定情報について図7を用いて説明する。図7は、実施例1の第2除湿負荷判定部115が用いる空調機測定情報の説明図である。第2除湿負荷判定部115が用いる空調機測定情報は、経過時間701、吹出温度702、吸込温度703、及び吸込湿度704を含む。
経過時間701には、空調機7の運転が開始されてからの経過時間が登録される。吹出温度702には、吹出温度センサ18の計測値が登録される。吸込温度403には、吸込温度センサ17の計測値(室内温度)が登録される。吸込湿度404には、吸込湿度センサ16の計測値(室内湿度)が登録される。また、第2除湿負荷判定部115が用いる空調機測定情報は、現在の空調機7の運転モード及び設定温度を含んでもよい。また、第2除湿負荷判定部115が用いる空調機測定情報は、水量センサ19の計測値、ドレンポンプ14の排水量、又はドレンポンプ14の周波数等のドレン水量を特定可能な情報を、吹出温度702の代わりに含んでもよい。
なお、データ処理部112は、空調機測定情報が入力された場合、入力された空調機測定情報に含まれる吹出温度、吸込温度、及び吸込湿度を、第2除湿負荷判定部115が用いる空調機測定情報に追加していく。
第2除湿負荷判定部115は、データ処理部112に新たな空調機測定情報が入力された場合、前回の入力から今回の入力までの間(例えば、10秒間)に発生した単位時間(1秒)当たりのドレン水量を算出する。
第2除湿負荷判定部115が吹出温度を取得でき、ドレン水量を特定可能な情報を取得できない場合についてのドレイン水量の算出方法について説明する。まず、第2除湿負荷判定部115は、空気線図又はWexler−Hyland式を用いて、今回の吸込温度(ti)と吸込湿度(hi)から吸込絶対湿度(Hi)を算出する。また、第2除湿負荷判定部115は、今回の吹出温度が飽和空気と想定して、空気線図又はWexler−Hyland式を用いて、今回の吹出温度の吹出絶対湿度(H0)を算出する。そして、第2除湿負荷判定部115は、式1を計算して、単位時間当たりのドレン水量(y)を算出する。式1のFは空調機7の風速を示し、ρは空気比重を示す。
y=(Hi−H0)×F/ρ・・・(式1)
なお、第2除湿負荷判定部115は、吹出温度を取得できず、室内側熱交換器12のガス管の温度を取得できる場合、冷却効率を考慮して、当該ガス管の温度から所定値(例えば1℃)を減算した値を吹出温度として用いてもよい。
また、第2除湿負荷判定部115は、ドレン水量を特定可能な情報を取得できる場合、当該情報から単位時間当たりのドレン水量を換算すればよい。
空調機7の本来の容量をVexとした場合、当該容量の空間で空調機7が空調を実施すれば、前回入力された吸込温度ti及び吸込湿度hiの状態から10秒間でy×10の水分が除去され、今回入力された吸込湿度hi2exは、式2によって算出される値になるはずである。
hi2ex=(Hi−(y×10)/Vex×ρ)/His×100・・・(式2)
ここで、式2のHiは、吸込温度ti及び吸込湿度hiから算出される吸込絶対湿度を示し、Hisは、今回入力された吸込温度ti2の場合の飽和空気絶対湿度を示す。
しかし、室内の窓又はドアが開いて外気が室内に流入している場合等の除湿負荷が過剰である場合、空調機7は、本来の容量(Vex)より大きな空間で空調を実施していることになり、吸込湿度は式2によって算出される値のように変化しない。
このため、本実施例の第2除湿負荷判定部115は、前回入力された吸込温度(ti)及び吸込湿度(hi)と、今回入力された吸込温度(ti2)及び吸込湿度(hi2)とに基づいて所定時間(例えば10秒間)で除去された水分量を算出し、算出した水分量と所定時間で排出されたドレン水量との関係に基づいて、実測空間容量(V)を第2除湿負荷として算出する。
具体的には、第2除湿負荷判定部115は、実測空間容量(V)を式3を計算することによって算出する。
V=(Hi−hi2×His/100)/(y×sec)×ρ・・・(式3)
式2のHiは吸込温度ti及び吸込湿度t2に対応する吸込絶対湿度を示し、Hisは吸込温度ti2の飽和空気絶対湿度を示し、yは単位時間(1秒)当たりのドレン水発生量を示し、secは本実施例の所定時間(例えば10秒)を示し、ρは空気比重を示す。
次に、第2除湿負荷判定部115の第2除湿負荷(実測空間容量V)と空調機7の本来の容量(本来容量Vex)とを比較して、除湿負荷が過剰であるか否か判定する処理について、図8を用いて説明する。図8は、実施例1の第2除湿負荷判定部115の除湿負荷判定処理の説明図である。
第2除湿負荷判定部115は、吸込湿度が50%以上であって、かつ実測空間容量(V)が本来容量(Vex)の3倍以上の状態が15分以上継続した場合、除湿負荷が過剰であると判定し、データ処理部112にRAM51の第2除湿負荷フラグをONに設定させる。また、第2除湿負荷判定部115は、吸込湿度が50%未満になるか、又は実測空間容量(V)が本来容量(Vex)の3倍未満となれば、除湿負荷が過剰である状態が解消したと判定し、データ処理部112にRAM51の第2除湿負荷フラグをOFFに設定させる。
なお、第2除湿負荷判定部115は、圧縮機23の運転状態が取得できる場合には、圧縮機23が停止中である場合には、判定処理を実行しない。また、第2除湿負荷判定部115は、圧縮機23の運転状態が取得できなくても、吹出温度が急激に上昇し、吹出温度と吸込温度との差が3℃以下である場合、圧縮機23が停止していると判断し、判定処理を実行しない。
また、ドレン水量、吹出温度、及び実測空間容量を算出するための各種値は、空調機7の性能に基づいて適切な値が設定されているものとする。
第1除湿負荷判定部114が算出する第1除湿負荷及び第2除湿負荷判定部115が算出する第2除湿負荷は、空調運転を実施する空間の水分の除去にかかる負荷を示すものである。
判定履歴処理部116は、RAM51の容量不足発生フラグの状態がOFFからONに変化した日時を容量不足発生履歴として記憶し、容量不足発生通知を運転管理IF部111を介して空調運転管理部100に出力する。また、判定履歴処理部116は、RAM51の第1除湿負荷フラグの状態がOFFからONに変化した日時を第1除湿負荷発生履歴として記憶し、第1除湿負荷発生通知を運転管理IF部111を介して空調運転管理部100に出力する。判定履歴処理部116は、RAM51の第2除湿負荷フラグの状態がOFFからONに変化した日時を第2除湿負荷発生履歴として記憶し、第2除湿負荷発生通知を運転管理IF部111を介して空調運転管理部100に出力する。
また、判定履歴処理部116は、第2除湿負荷発生履歴の所定期間における発生頻度が所定値以上である場合、空調機7の本来容量が室内の容量にマッチしていない旨の容量ミスマッチ通知を、運転管理IF部111を介して空調運転管理部100に出力し、ユーザリモコン5の表示部70にその旨を表示させる。また、判定履歴処理部116は、第2除湿負荷判定部115が算出した実測空間容量(V)が徐々に大きくなり、所定値以上となった場合、経年劣化によりメンテナンスが必要である旨の経年劣化通知を運転管理IF部111を介して空調運転管理部100に出力し、ユーザリモコン5の表示部70にその旨を表示させる。
空調運転管理部100は、負荷判定部110から容量不足発生通知、第1除湿負荷発生通知、第2除湿負荷発生通知、容量ミスマッチ通知、及び経年劣化通知のいずれかが入力された場合、その旨をユーザリモコン5の表示部70に表示する。
図3で説明した各機能部は、メモリディスク52に格納された各機能部に対応するプログラムを、プロセッサ50がRAM51に読み出して、実行することによって実現される。
次に、図9〜図12を用いて、負荷判定部110の処理について説明する。
図9は、実施例1の負荷判定処理のフローチャートである。
プロセッサ50が負荷判定部110に対応するプログラムをRAM51に読み出し、実行することによって、負荷判定処理を実現する。例えば、負荷判定処理は、空調機負荷測定情報の取得間隔より短い間隔で実行されるものとする。
まず、プロセッサ50は、ユーザリモコン5からのユーザの設定入力をリモコン通信IF53が受け付けたか否かを判定する(901)。
ステップ901の処理で、ユーザの設定入力をリモコン通信IF53が受け付けたと判定された場合(901:YES)、プロセッサ50は、受け付けたユーザの設定入力が、冷房若しくは除湿運転を開始する運転開始入力、又は冷房若しくは除湿運転の設定値を変更する設定値変更入力であるか否かを判定する(902)。
ステップ902の処理で、受け付けた設定入力が運転開始入力又は設定値変更入力であると判定された場合、プロセッサ50は、RAM51の容量判定処理、第1除湿負荷判定処理、及び第2除湿負荷判定処理が用いる領域を初期化する(903)。
RAM51には、図4に示す第1除湿負荷判定部114が用いる空調機測定情報、及び図7に示す第2除湿負荷判定部115が用いる空調機測定情報が構築される領域と、容量判定処理、第1除湿負荷判定処理、及び第2除湿負荷判定処理が用いる変数が構築される領域とがある。ステップ903の処理では、プロセッサ50は、RAM51のこれらの領域の全情報をクリアして、ユーザが設定した運転モード及び設定温度を記憶する。
ステップ902の処理で、受け付けた設定入力が運転開始入力及び設定変更入力のいずれでもないと判定された場合(902:NO)、又は、ステップ903の処理の実行後、プロセッサ50は、リアルタイムクロック58の現在の時刻が空調機測定情報の取得時刻であるか否かを判定する(904)。
ステップ904の処理で、リアルタイムクロック58の現在の時刻が空調機測定情報の取得時刻でないと判定された場合(904:NO)、プロセッサ50は、負荷判定処理を終了する。
一方、ステップ904の処理で、リアルタイムクロック58の現在の時刻が空調機測定情報の取得時刻であると判定された場合(904:YES)、プロセッサ50は、空調機測定情報を取得し、取得時刻と空調機測定情報とを対応付けてRAM51に記憶する(905)。空調機測定情報は、室内制御基板10に接続される全てのセンサの計測値、室内機1が有する全ての機器の動作情報等、及び室外機2の運転状態情報等を含む。センサの計測値はセンサ通信IF56を介して取得され、室内機1が有する全ての機器の動作情報等は機器通信IF57を介して取得され、室外機2の運転状態情報等は室外機通信IF54を介して取得される。
ステップ903〜905の処理で、RAM51に図4に示す第1除湿負荷判定部114が用いる空調機測定情報、及び図7に示す第2除湿負荷判定部115が用いる空調機測定情報が構築され、ステップ906〜908の処理で、容量判定処理、第1除湿負荷判定処理、及び第2除湿負荷判定処理が実行される。
まず、プロセッサ50は、容量判定部113に対応するプログラムを実行して、容量判定処理を実行する(906)。容量判定処理の詳細は図10で説明する。
次に、プロセッサ50は、第1除湿負荷判定部114に対応するプログラムを実行して、第1除湿効率判定処理を実行する(907)。第1除湿効率判定処理の詳細は図11で説明する。
次に、プロセッサ50は、第2除湿負荷判定部115に対応するプログラムを実行して、第2除湿効率判定処理を実行する(908)。第2除湿効率判定処理の詳細は図12で説明する。
次に、プロセッサ50は、RAM51の容量不足発生フラグ、第1除湿負荷発生フラグ、及び第2除湿負荷発生フラグの少なくとも一つがON(発生状態)であるか否かを判定する(909)。
ステップ909の処理で、RAM51の容量不足発生フラグ、第1除湿負荷発生フラグ、及び第2除湿負荷発生フラグの少なくとも一つがON(発生状態)であると判定された場合(909:YES)、プロセッサ50は、ONであるフラグに対応する警告メッセージをリモコン通信IF53を介してユーザリモコン5に出力し、ユーザリモコン5の表示部70に警告メッセージを表示する(910)。なお、ユーザリモコン5の表示部70に表示される警告メッセージの詳細は、図13で説明する。
一方、ステップ909の処理で、RAM51の容量不足発生フラグ、第1除湿負荷発生フラグ、及び第2除湿負荷発生フラグのいずれもがOFF(発生なし状態)であると判定された場合(909:NO)、プロセッサ50は、ユーザリモコン5の表示部70に警告メッセージが表示されていれば、警告メッセージの消去指示をリモコン通信IF53を介してユーザリモコン5に出力し、ユーザリモコン5の表示部70から警告メッセージを消去する(912)。
ステップ910又は912の処理の実行後、プロセッサ50は、判定履歴処理部116に対応するプログラムを実行し、第2除湿負荷発生履歴の発生頻度に基づく容量ミスマッチ、第2除湿負荷に基づく経年劣化がある場合、その旨のメッセージをリモコン通信IF53を介してユーザリモコン5に出力し、ユーザリモコン5の表示部70にその旨のメッセージを表示させ(911)、負荷判定処理を終了する。
図10は、実施例1の容量判定処理のフローチャートである。
まず、プロセッサ50は、メモリディスク52に設定されている容量判定処理で用いる各種閾値をRAM51に読み出す(1001)。当該閾値は、空調機7の性能に基づいて設定されているものとする。
次に、プロセッサ50は、ステップ905の処理で取得した空調機測定情報に含まれる吸込温度及び吸込湿度の少なくとも一方が設定値より大きいか否かを判定する(1002)。吸込温度と比較する設定値は設定温度であり、吸込湿度と比較する設定値は設定湿度である。
ステップ1002の処理で吸込温度及び設定温度の少なくとも一方が設定値より大きいと判定された場合(1002:YES)、プロセッサ50は、設定値に達していない時間(設定値未達時間)を算出する(1003)。具体的には、プロセッサ50は、前回の空調機測定情報の取得時刻と今回の空調機測定情報の取得時刻との差分を前回の設定値未達時間に加算した値を今回の設定値未達時間として算出する。なお、設定値未達時間は、ステップ903の処理又はステップ1009の処理で0に設定される。
次に、プロセッサ50は、ステップ1003の処理で算出された設定値未達時間が、ステップ1001の処理で読み出された閾値に含まれる閾値時間以上であるか否かを判定する(1004)。
ステップ1004の処理で、設定値未達時間が閾値時間より小さいと判定された場合(1004:NO)、容量不足が未だ発生していないので、プロセッサ50は、容量判定処理を終了する。
ステップ1004の処理で、設定値未達時間が閾値時間以上であると判定された場合(1004:YES)、プロセッサ50は、容量不足が発生した状態であると判定し、既に容量不足が発生していたか否かを判定するために、RAM51の容量不足発生フラグがONであるか否かを判定する(1005)。
ステップ1005の処理で、RAM51の容量不足発生フラグがOFFであると判定された場合(1005:NO)、前回の容量判定処理では容量不足が発生していないと判定されており、今回の容量判定処理で容量不足が発生したので、プロセッサ50は、RAM51の容量不足不足発生フラグをONに設定し、容量不足発生時刻をRAM51に記憶し(1006)、容量判定処理を終了する。
一方、ステップ1005の処理で、RAM51の容量不足発生フラグがONであると判定された場合(1005:YES)、プロセッサ50は容量判定処理を終了する。
ステップ1002の処理で、ステップ1002の処理で吸込温度及び設定温度が設定値以下であると判定された場合(1002:YES)、プロセッサ50は、RAM51の容量不足発生フラグがONであるか否かを判定する(1007)。
ステップ1007の処理で、RAM51の容量不足発生フラグがONであると判定された場合(1007:YES)、前回の容量判定処理で容量不足が発生しており、今回の容量判定処理で容量不足が解消されたので、プロセッサ50は、RAM51の容量不足発生フラグをOFFに設定し、容量不足解除時刻をRAM51に記憶する(1008)。
ステップ1007の処理で、RAM51の容量不足発生フラグがOFFであると判定された場合(1007:NO)、又はステップ1008の処理の実行後、プロセッサ50は、設定値未達時間を0に設定し(1009)、容量判定処理を終了する。
図11は、実施例1の第1除湿負荷判定処理のフローチャートである。
まず、プロセッサ50は、RAM51の図4に示す第1除湿負荷判定部114が用いる空調機測定情報の圧縮機運転状態402の最新の情報を読み出し、圧縮機23が運転中であるか否かを判定する(1101)。
ステップ1101の処理で圧縮機23が停止中であると判定された場合(1101:NO)、プロセッサ50は、第1除湿負荷判定処理を実行せずに、第1除湿負荷判定処理を終了する。
一方、ステップ1101の処理で圧縮機23が運転中であると判定された場合(1101:YES)、プロセッサ50は、メモリディスク52に設定されている第1除湿負荷判定処理で用いる各種閾値及び判定条件のうち、運転モードに対応する各種閾値及び判定条件をRAM51に読み出す(1102)。
次に、プロセッサ50は、ステップ905の処理で取得した空調機測定情報に含まれる吸込湿度が、ステップ1102の処理で読み出された各種閾値に含まれる閾湿度以上であるか否かを判定する(1103)。
ステップ1103の処理で、吸込湿度が閾湿度より小さいと判定された場合(1103:NO)、プロセッサ50は、第1除湿負荷判定処理を終了する。
一方、ステップ1103の処理で、吸込湿度が閾湿度以上であると判定された場合(1103:YES)、プロセッサ50は、湿度勾配を算出する(1104)。湿度勾配は、今回の空調機測定情報に含まれる吸込湿度から前回の空調機測定情報に含まれる吸込湿度を減算した値を、今回の空調機測定情報の取得時刻と前回の空調機測定情報の取得時刻との差分で除算した値であり、第1除湿負荷である。
次に、プロセッサ50は、ステップ1104の処理で算出された湿度勾配が、ステップ1102の処理で読み出された各種閾値に含まれる閾勾配より小さいか否かを判定する(1105)。
ステップ1105の処理で、湿度勾配が閾勾配より小さいと判定された場合(1105:NO)、プロセッサ50は、湿度勾配が閾値勾配より小くなっている時間(勾配異常時間)を算出する(1106)。具体的には、プロセッサ50は、前回の空調機測定情報の取得時刻と今回の空調機測定情報の取得時刻との差分を前回の勾配異常時間に加算した値を今回の勾配異常時間として算出する。なお、勾配異常時間は、ステップ903の処理又はステップ1112の処理で0に設定される。
次に、プロセッサ50は、ステップ1006の処理で算出された勾配異常時間が、ステップ1102の処理で読み出された各種閾値に含まれる閾時間以上であるか否かを判定する(1107)。
ステップ1107の処理で、勾配異常時間が閾時間より小さいと判定された場合(1107:NO)、除湿負荷が未だ過剰ではないので、プロセッサ50は、第1除湿判定処理を終了する。
一方、ステップ1107の処理で、勾配異常時間が閾時間以上であると判定された場合(1107:YES)、プロセッサ50は、除湿負荷が過剰であると判定し、既に過剰な除湿負荷が検出していた否かを判定するために、RAM51の第1除湿負荷発生フラグがONであるか否かを判定する(1108)。
ステップ1108の処理で、RAM51の第1除湿負荷発生フラグがOFFであると判定された場合(1108:NO)、前回の第1除湿負荷判定処理では除湿負荷が過剰でないと判定されており、今回の第1除湿負荷判定処理で除湿負荷が過剰となったので、プロセッサ50は、RAM51の第1除湿負荷発生フラグをONに設定し、第1除湿負荷発生時刻をRAM51に記憶し(1109)、第1除湿負荷判定処理を終了する。
一方、ステップ1108の処理で、RAM51の容量不足発生フラグがONであると判定された場合(1108:YES)、プロセッサ50は第1除湿負荷判定処理を終了する。
ステップ1105の処理で湿度勾配が閾勾配以上であると判定された場合(1105:YES)、プロセッサ50は、RAM51の第1除湿負荷発生フラグがONであるか否かを判定する(1110)。
ステップ1110の処理で、RAM51の第1除湿負荷発生フラグがONであると判定された場合(1110:YES)、前回の第1除湿負荷発生処理で除湿負荷が過剰となっており、今回の第1除湿負荷発生処理で過剰な除湿負荷が解消されたので、プロセッサ50は、RAM51の第1除湿負荷発生フラグをOFFに設定し、第1除湿負荷解除時刻をRAM51に記憶する(1111)。
ステップ1110の処理で、RAM51の第1除湿負荷発生フラグがOFFであると判定された場合(1110:NO)、又はステップ1111の処理の実行後、プロセッサ50は勾配異常時間を0に設定し(1112)、第1除湿負荷判定処理を終了する。
図12は、実施例1の第2除湿負荷判定処理のフローチャートである。
まず、プロセッサ50は、RAM51の空調機測定情報の圧縮機運転状態402の最新の情報を読み出し、圧縮機23が運転中であるか否かを判定する(1201)。
ステップ1201の処理で圧縮機23が停止中であると判定された場合(1201:NO)、プロセッサ50は、第2除湿負荷判定処理を実行せずに、第2除湿負荷判定処理を終了する。
一方、ステップ1201の処理で圧縮機23が運転中であると判定された場合(1201:YES)、プロセッサ50は、メモリディスク52に設定されている第2除湿負荷判定処理で用いる各種閾値及び判定条件のうち、運転モードに対応する各種閾値及び判定条件をRAM51に読み出す(1202)。
次に、プロセッサ50は、ステップ905の処理で取得した空調機測定情報に含まれる吸込湿度が、ステップ1202の処理で読み出された各種閾値に含まれる閾湿度以上であるか否かを判定する(1203)。
ステップ1203の処理で、吸込湿度が閾湿度より小さいと判定された場合(1203:NO)、プロセッサ50は、第2除湿負荷判定処理を終了する。
一方、ステップ1203の処理で、吸込湿度が閾湿度以上であると判定された場合(1203:YES)、プロセッサ50は、RAM51の図7に示す第2除湿負荷判定部115が用いる空調機測定情報を参照して、前回の空調機測定情報の取得時刻から今回の空調機測定情報の取得時刻までの間に発生したドレン水量を取得する(1204)。空調機測定情報がドレン水量を特定可能な情報を含まない場合、プロセッサ50は、式1を用いてドレン水量を算出してもよい。
次に、プロセッサ50は、式2を用いて実測空間容量(第2除湿負荷)を算出する(1205)。実測空間容量の算出方法は、図3で説明したので、詳細な説明は省略する。
次に、プロセッサ50は、1日単位の実測空間容量の平均値を算出するために、ステップ1205の処理で算出した実測空間容量及び算出時刻をメモリディスク52に記憶する(1206)。なお、1日単位の実測空間容量の平均値は、図9に示すステップ911の処理で算出され、1日単位の実測空間容量の平均値が閾値以上となった場合、経年劣化ありと判定される。
次に、プロセッサ50は、ステップ1204の処理で算出された実測空間容量が、ステップ1202の処理で読み出された各種閾値に含まれる閾容量以上であるか否かを判定する(1207)。
ステップ1207の処理で、実測空間容量が閾容量以上であると判定された場合(1207:YES)、プロセッサ50は、実測空間容量が閾容量以上となっている時間(容量過剰時間)を算出する(1208)。具体的には、プロセッサ50は、前回の空調機測定情報の取得時刻と今回の空調機測定情報の取得時刻との差分を前回の容量過剰時間に加算した値を今回の容量過剰時間として算出する。なお、容量過剰時間は、ステップ903の処理又はステップ1214の処理で0に設定される。
次に、プロセッサ50は、ステップ1208の処理で算出された容量過剰時間が、ステップ1202の処理で読み出された各種閾値に含まれる閾時間以上であるか否かを判定する(1209)。
ステップ1209の処理で、容量過剰時間が閾時間より小さいと判定された場合(1209:NO)、除湿負荷が未だ過剰ではないので、プロセッサ50は、第2除湿判定処理を終了する。
一方、ステップ1209の処理で、容量過剰時間が閾時間以上であると判定された場合(1209:YES)、プロセッサ50は、除湿負荷が過剰であると判定し、既に除湿負荷が過剰であったか否かを判定するために、RAM51の第2除湿負荷発生フラグがONであるか否かを判定する(1210)。
ステップ1210の処理で、RAM51の第2除湿負荷発生フラグがOFFであると判定された場合(1210:NO)、前回の第2除湿負荷判定処理では除湿負荷が過剰でないと判定されており、今回の第2除湿負荷判定処理で除湿負荷が過剰であると判定されたので、プロセッサ50は、RAM51の第2除湿負荷発生フラグをONに設定し、第2除湿負荷発生時刻をRAM51に記憶し(1211)、第2除湿負荷判定処理を終了する。
一方、ステップ1210の処理で、RAM51の容量不足発生フラグがONであると判定された場合(1210:YES)、プロセッサ50は第2除湿負荷判定処理を終了する。
ステップ1207の処理で実測空間容量が閾容量より小さいと判定された場合(1207:NO)、プロセッサ50は、RAM51の第2除湿負荷発生フラグがONであるか否かを判定する(1212)。
ステップ1212の処理で、RAM51の第2除湿負荷発生フラグがONであると判定された場合(1212:YES)、前回の第2除湿負荷発生処理で除湿負荷が過剰であって、今回の第2除湿負荷発生処理で過剰な除湿負荷が解消されたので、プロセッサ50は、RAM51の第2除湿負荷発生フラグをOFFに設定し、第2除湿負荷解除時刻をRAM51に記憶する(1213)。
ステップ1212の処理で、RAM51の第2除湿負荷発生フラグがOFFであると判定された場合(1212:NO)、又はステップ1213の処理の実行後、プロセッサ50は容量過剰時間を0に設定し(1214)、第2除湿負荷判定処理を終了する。
図13は、実施例1のユーザリモコン5の表示部70に表示された警告メッセージの説明図である。
図9に示すステップ909の処理で、容量不足発生フラグ、第1除湿負荷発生フラグ、及び第2除湿負荷発生フラグの少なくとも一つがONとなっている期間中、表示部70には、警告メッセージ1300が表示される。警告メッセージ1300は、空調機7に負荷がかかっていることをユーザに提示するものである。
本実施例では、冷房又は除湿で空調運転を実施する空調機であって、空調運転を実施する空間の湿度を計測する湿度計測部と、湿度計測部が計測した湿度に基づいて、空間の水分の除去にかかる負荷を示す除湿負荷を算出する除湿負荷算出部と、除湿負荷算出部が算出した除湿負荷に基づいて、負荷が過剰であるか否かを判定する除湿負荷過剰判定部と、除湿負荷過剰判定部が負荷が過剰である判定した場合、負荷が過剰である旨を提示する提示部と、を備えることを特徴とする。これによって、空調機7に専用センサを設けることなく、除湿負荷が過剰であることを検出できる。特に、湿度に着目して除湿負荷を算出するので、外気温と空調運転を実施する空間との温度とが大差ない場合であっても、除湿負荷が過剰であることを検出できる。除湿負荷が過剰である旨をユーザに提示し、ユーザが除湿負荷の原因を解消するように促すので、低コストで効率的な空調運転を実施できる。。
また、本実施例では、空調運転で発生したドレン水量を取得するドレン水量取得部を備え、除湿負荷算出部は、ドレン水量取得部が取得したドレン水量と湿度計測部が計測した湿度に基づいて、空調運転を実施した空間の容量を示す実測空間容量を除湿負荷として算出することを特徴とする。これによって、実測空間容量の観点から除湿負荷が過剰であることを検出できる。
また、本実施例では、除湿負荷過剰判定部は、除湿負荷算出部が算出した実測空間容量と、空調機の本来の空調容量とを比較して、負荷が過剰であるか否かを判定することを特徴とする。これによって、本来の空調容量より実測空間容量が大きい場合等に除湿負荷が過剰であることを検出できる。
また、本実施例では、湿度計測部が第1時刻で計測した第1湿度に基づく第1時刻の空調運転を実施する空間に含まれる第1水分量と、湿度計測部が第1時刻より後の第2時刻で計測した第2湿度に基づく第2時刻の空調運転を実施する空間に含まれる第2水分量との差分を算出し、算出した差分と、第1時刻から第2時刻までの間に発生したドレン水量とに基づいて、実測空間容量を算出することを特徴とする。これによって、正確な実測空間容量を算出できる。
また、本実施例では、除湿負荷算出部が算出した実測空間容量の時系列変化に基づいて、空調機の経年劣化を検出する履歴判定部を備えることを特徴とする。これによって、空調機7の経年劣化を検出できるので、ユーザに空調機のメンテナンス等を促すことができる。
また、本実施例では、除湿負荷過剰判定部が、負荷が過剰であることを判定した頻度に基づいて、空調機の容量と空調運転を実施する空間の容量とが不適切である旨を検出する履歴判定部を備えることを特徴とする。これによって、空調機の容量と空調運転を実施する空間の容量とが不適切である旨を検出できるので、ユーザにその旨を提示できる。
また、空調機が有する圧縮機の運転状態を取得する圧縮機運転状態取得部を備え、除湿負荷算出部は、圧縮機運転状態取得部が取得した圧縮機の運転状態と湿度計測部が計測した湿度に基づいて、空調運転を実施した空間の湿度の変化を除湿負荷として算出することを特徴とする。これによって、湿度の変化の観点から除湿負荷が過剰であることを検出できる。
実施例2について図14〜図19を用いて説明する。実施例1では、室内機1の室内制御基板10が負荷判定処理を実行したが、本実施例では、少なくとも一つの室内機1を制御する空調コントローラ(制御装置)6が各室内機1に対して負荷判定処理を実行する。
図14は、実施例2の空調システムのシステム構成図である。
空調システムは、少なくとも一つの室内機1と、少なくとも一つの室外機2と、空調コントローラ6と、サービスサーバ8と、モバイル端末9とを有する。
空調コントローラ6は、少なくとも一つの室内機1及び少なくとも一つの室外機2に空調通信網4を介して接続され、接続される室内機1及び室外機2を監視し、遠隔制御を実施する。図14では、空調コントローラ6は、13台の室内機1に接続され、2台の室外機2に接続される。室外機2は、複数の室内機1に冷媒を提供可能なマルチ型の室外機である。図14では、上方側に図示する室外機2は、冷媒配管3を介して7台の室内機1に冷媒を提供し、下方側に図示する室外機2は、冷媒配管3を介して6台の室内機1に冷媒を提供する。なお、空調コントローラ6が接続する室内機1の数及び室外機2の数は、図14に限定されない。
空調コントローラ6は、IPネットワーク26を介してサービスサーバ8及びモバイル端末9に接続される。サービスサーバ8は、ビル全体の電気機器を管理する計算機である。モバイル端末9は、例えば、ビル管理者が利用する端末であり、例えば携帯端末である。
本実施例では、空調コントローラ6が負荷判定処理を実行する。これによって、室内機1の処理負荷を軽減できる。また、空調コントローラ6は、サービスサーバ8及びモバイル端末9等の空調機7以外の機器に負荷判定処理の結果を通知できる。
図15は、実施例2の空調コントローラ6のハードウェア構成図である。図15では、図2に示す室内制御基板10と同じハードウェア構成は同じ符号を付与し、説明を省略する。
空調コントローラ6は、プロセッサ50、RAM51、メモリディスク52、空調通信網通信IF151、IPネットワーク通信IF152、電源IF55、リアルタイムクロック58、及びユーザ入出力部153を有する。プロセッサ50、RAM51、メモリディスク52、電源IF55、及びリアルタイムクロック58のハードウェア的な機能は、図2と同じであるので、説明を省略する。
空調通信網通信IF151は、空調コントローラ6を空調通信網4に接続するインタフェースである。IPネットワーク通信IF152は、空調コントローラ6をIPネットワーク26に接続するインタフェースである。
ユーザ入出力部153は、空調コントローラ6のユーザからの入力を受け付け、また、当該ユーザに画面を表示する。例えば、ユーザ入出力部153には、各室内機1の運転状態、設定温度、風量、及び風向き等が表示される。
図16は、実施例2の空調コントローラ6及び室内制御基板10の機能ブロック図である。図16では、図3に示す室内制御基板10と同じ機能ブロックは同じ符号を付与し、説明を省略する。
実施例1では、室内制御基板10が有していた負荷判定部110は、空調コントローラ6が有する。このため、実施例1では、室内制御基板10内の空調運転管理部100と負荷判定部110との間でデータを入出力していた負荷判定IF部101は、本実施例では、コントローラ通信IF部150に置き換わる。同様に、空調コントローラ6が有する負荷判定部110の運転管理IF部111は、室内側熱交換器0に置き換わる。ただし、コントローラ通信IF部150と空調機通信IF部120との間の通信プロトコル及びデータフォーマットは、実施例1の運転管理IF部111と負荷判定IF部101との間の通信プロトコル及びデータフォーマットと異なるが、これらの間のデータ自体は同じである。すなわち、室内制御基板10のコントローラ通信IF部150から空調機通信IF部120に、空調機測定情報が送信される。
なお、負荷判定部110に対応するプログラムが空調コントローラ6のメモリディスク52に記憶されており、空調コントローラ6のプロセッサ50が当該プログラムをRAM51に読み出し、実行することによって、負荷判定部110は実現される。
図17は、実施例2の負荷判定処理のフローチャートである。図17では、図9に示す処理と同じ処理は、同じ符号を付与して、説明を省略する。図17では、空調コントローラ6のプロセッサ50が負荷判定部110に対応するプログラムをRAM51に読み出し、実行することによって、負荷判定処理を実現する。実施例1の負荷判定処理は所定時間間隔で実行されるが、本実施例の負荷判定処理は室内機1又は室外機2からデータを受信したタイミングで実行される。
まず、プロセッサ50は、空調機通信IF部120が室内機1又は室外機2から何らかのデータを受信したか否かを判定する(1701)。本実施例では、室内機1及び室外機2は、自身が取得可能な空調機測定情報を所定時間間隔で空調コントローラ6に送信する。また、室内機1がユーザからユーザリモコン5を介して設定入力を受け付けた場合、受け付けた設定入力をイベントデータとして、空調コントローラ6に送信する。
ステップ1701の処理で、室内機1又は室外機2からデータを受信していないと判定された場合(1701:NO)、プロセッサ50は負荷判定処理を終了する。
一方、ステップ1701の処理で、室内機1又は室外機2からデータを受信したと判定された場合(1701:YES)、ステップ902の処理に進み、プロセッサ50は、受信したデータが運転開始入力又は設定値変更入力であるか否かを判定する。
ステップ902の処理で、受信したデータが運転開始入力又は設定値変更入力であると判定された場合(902:YES)、ステップ903の処理に進み、プロセッサ50は、RAM51の容量判定処理、第1除湿負荷判定処理、及び第2除湿負荷判定処理が用いる領域を初期化し、負荷判定処理を終了する。
ステップ902の処理で、受信したデータが運転開始入力又は設定値変更入力でないと判定された場合(902:NO)、プロセッサ50は、受信したデータが空調機測定情報であるか否かを判定する(1702)。
ステップ1702の処理で、受信したデータが空調機測定情報でないと判定された場合(1702:NO)、プロセッサ50は、負荷判定処理を終了する。
一方、ステップ1702の処理で、受信したデータが空調機測定情報であると判定された場合(1702:YES)、ステップ905の処理に進み、プロセッサ50は、受信した空調機測定情報をRAM51に記憶し、ステップ906〜911の処理を実行する。
なお、ステップ910の処理において警告メッセージは、空調コントローラ6のユーザ入出力部153に表示される。図18は、実施例2の空調コントローラ6のユーザ入出力部153に表示された警告メッセージの説明図である。
図18では、ユーザ入出力部153の各室内機の運転状態等が表示される領域の下方に警告メッセージ1800が表示される。警告メッセージ1800では、容量不足発生フラグ、第1除湿負荷発生フラグ、及び第2除湿負荷発生フラグがONとなった室内機1を特定可能な情報も表示する。図18に示す警告メッセージ1800では、室内機i3で過剰な負荷がかかっていることが示される。
ステップ911の処理の実行後、プロセッサ50は、ユーザ入出力部153に表示されるメッセージに変化があったか否かを判定する(1703)。例えば、ユーザ入出力部153に表示された警告メッセージがステップ912の処理で消去された場合、及びステップ910の処理でユーザ入出力部153に警告メッセージが新たに表示された場合等、ユーザ入出力部153に表示されたメッセージに変化があったと判定される。
ステップ1703の処理で、メッセージに変化がなかったと判定された場合(1703:YES)、プロセッサ50は、負荷判定処理を終了する。
一方、ステップ1703の処理で、メッセージに変化があったと判定された場合(1703:NO)、プロセッサ50は、メモリディスク52に記憶された別の転送設定アプリケーションの転送処理ルーチンを参照し、メッセージの転送先(サービスサーバ8又はモバイル端末9)が設定されているか否かを判定する(1704)。
ステップ1704の処理で、メッセージの転送先が設定されていると判定された場合(1704:YES)、プロセッサ50は、転送処理ルーチンを呼び出し、変化後のメッセージを転送先にIPネットワーク通信IF152を介して転送し(1705)、負荷判定処理を終了する。
一方、ステップ1704の処理で、メッセージの転送先が設定されていないと判定された場合、プロセッサ50は、負荷判定処理を終了する。
転送先となるサービスサーバ8又はモバイル端末9が、ステップ1705の処理で転送された変化後のメッセージを受信した場合、メッセージ表示画面1900(図19参照)を表示する。
図19は、実施例2のメッセージ表示画面1900の説明図である。
メッセージ表示画面1900は、空調コントローラ6のユーザ入出力部153に表示されたメッセージを表示する。図19に示すメッセージ表示画面1900では、判定履歴処理部116が、第2除湿負荷発生履歴の発生頻度に基づいて室内機i7で本来容量が室内の容量にマッチしていない旨のメッセージが表示される。
これによって、空調コントローラ6のユーザ入出力部153を見ることができないメンテナンス業者、及び実際の空調機7のユーザがメッセージを確認できる。
以上のようにして、空調機に専用にセンサを設置することなく、冷房または除湿運転の想定負荷を検知して、低コストで効率的な運転を推進する空調システムを提供できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、及び置換をすることが可能である。
また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、及び置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。
また、前記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。