JP6709444B2 - 播種方法及び播種装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主にホウレンソウなどの葉菜類の播種方法及び播種装置に関する。
ホウレンソウやコマツナの生産は日本全国で行われているが、九州地域ではとりわけ加工用ホウレンソウが全国生産の九割のシェアをもち重要な位置を占めている。しかし、その栽培においては人力作業に依存している。そこで機械化一貫体系の構築が進められているが、雑草の発生とその除去が困難を極め、機械収穫の隘路となっている。雑草防除のためには、除草剤散布、機械的除草、手取り除草などの手段を取り得るが、経費と手間が甚大となる。
ここで、特許文献1には、発芽、発根の効率がよく、収穫物に異物が付着し難い播種方法を提供することを目的として、土壌表面に通根性シート(不織布、編み目状の樹脂、又は線維性シート)を被覆し、シートの一部をV字状に折り込むとともに土壌中に埋め込み、形成されたV字状折り込み部の底部に種子を挿入し、開口部を押圧して開口幅を縮小する播種方法が開示されている。また、シートガイドを通してシートを土壌表面に被覆し、折込形成ローラ、播種手段、種子押込ローラ、閉口ローラの順に動作することで、当該播種方法を一工程で行う播種装置が開示されている。
また、特許文献2には、播種後の雑草の発生や病虫害を抑制することを目的として、トラクタ等により牽引される播種装置を用いて畑土表面に溝を形成し、溝に床土を流し込んで床土層を形成し、種子を床土層の上に播種し、さらに覆土を流し込んでローラで鎮圧して覆土層を形成する播種方法が開示されており、床土及び覆土に焼土を用いることによって雑草や病虫害を抑制している。
特開2008−118950号公報 特開2011−19501号公報
特許文献1の播種方法は、シート上に播種した種子が発根して土壌中に根を伸長することができるように通根性シートを用いているため、土壌中の雑草種子が発芽して通根性シートを通して地表に出芽・生育してしまう。また、シート上に播種するため作物種子が土に直接的に接しておらず、水分供給等の点で発芽条件としては不十分である。
特許文献2の播種方法は、雑草や病虫害を、焼土で構成される溝域内は抑制できたとしても、溝域外は抑制できない。畑は、溝域内よりも溝域外の占める領域の方が大きいため、雑草害を防ぐ効果に乏しい。さらに、飛来した雑草種子が土に着床することによる雑草害が生じ得る。また、溝に封入する土の量は、1条100m当たり30〜500リットル(51〜850kg)であるため、小径の溝であればホッパー内に土を確保できるが、大径の溝の場合にはホッパー内に土を確保できず、実現可能性が低い。
そこで本発明は、ホウレンソウなどの葉菜類において、生育中の雑草害を極力低減する播種方法及び播種装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の播種方法は、マルチフィルムシートで畑土壌の表面を被覆する被覆工程と、前記被覆工程で被覆した前記マルチフィルムシートを押圧して播種溝を形成する作溝工程と、前記作溝工程で形成した前記播種溝に播種する播種工程と、前記播種工程で播種した前記播種溝に土を導入する覆土工程と、前記覆土工程で導入した前記土を鎮圧する鎮圧工程とを有し、前記マルチフィルムシートには、前記畑土壌との導水性を確保する穴又はスリットが形成され、前記穴又は前記スリットを、前記播種溝に位置させ、前記播種工程では、水溶性シードテープを用い、前記覆土工程で導入する前記土として、有機的夾雑物が混入していない、山土や火山灰土などの真正土を用い、前記穴又は前記スリットによって、前記畑土壌から前記真正土への水分の供給と、前記畑土壌への根の伸長を妨げないことを特徴とする。
請求項2記載の本発明の播種装置は、ロール状のマルチフィルムシートを装着するシート畦立て被覆部と、畑土壌の表面に被覆した前記マルチフィルムシートを押圧して播種溝を形成する作溝部と、前記播種溝に播種する播種部と、真正土を貯えるホッパーと、播種した前記播種溝に前記ホッパー内の前記真正土を導入する覆土部と、前記播種溝に導入した前記真正土を鎮圧する鎮圧部とを備え、前記作溝部は、ドラムと、前記ドラム外周に設けたリング状の凸部とを有し、前記ドラムが、被覆した前記マルチフィルムシート上で回転することで、前記凸部で前記マルチフィルムシートを押圧して前記播種溝が形成され、前記播種溝と前記畑土壌との導水性を確保するとともに前記畑土壌への根の伸長を妨げない穴又はスリットを前記マルチフィルムシートに形成する導通口形成部を有することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の播種装置において、前記鎮圧部は、前記覆土部から落下させた前記真正土を前記播種溝に導く誘導部と、前記誘導部で前記播種溝に導いた前記真正土を押圧する鎮圧ローラとを有し、前記誘導部は、前記覆土部側を広く、前記鎮圧ローラ側を狭く配置した一対の誘導材で構成し、前記鎮圧ローラのローラ幅を、前記凸部の幅より広く、前記ドラムのドラム幅よりも狭くしたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載の播種装置において、前記播種部、前記覆土部、前記誘導部、及び前記鎮圧ローラを複数組設け、隣り合う前記鎮圧ローラの間には、前記鎮圧ローラで前記マルチフィルムシートを押圧しない空間を形成していることを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の播種装置において、前記播種部は、水溶性シードテープを導出することを特徴とする。
本発明によれば、播種溝には真正土を用いることで雑草が生えず、播種溝の域外では畑土壌の表面がマルチフィルムシートで覆われているため雑草が生えない。また、播種溝だけに真正土を用いるため、限られた真正土の量で雑草が生えることを防止できる。また、鎮圧工程を有することで播種溝内の真正土の乾燥と飛散を防止しており、水溶性シードテープによって種子の水分保持を担保しているため、発根を促すことができ、更にはマルチフィルムシートに穴又はスリットを形成しているため、畑土壌に根が伸張することを妨げない。
本発明の一実施例による播種装置の側面図 同播種装置の一部拡大背面図 同播種装置の一部拡大斜視図 (a)同播種装置の作溝部により形成された播種溝の断面模式図、(b)本実施例による播種方法の工程説明図
本発明の第1の実施の形態による播種方法は、マルチフィルムシートで畑土壌の表面を被覆する被覆工程と、被覆工程で被覆したマルチフィルムシートを押圧して播種溝を形成する作溝工程と、作溝工程で形成した播種溝に播種する播種工程と、播種工程で播種した播種溝に土を導入する覆土工程と、覆土工程で導入した土を鎮圧する鎮圧工程とを有し、マルチフィルムシートには、畑土壌との導水性を確保する穴又はスリットが形成され、穴又はスリットを、播種溝に位置させ、播種工程では、水溶性シードテープを用い、覆土工程で導入する土として、有機的夾雑物が混入していない、山土や火山灰土などの真正土を用い、穴又はスリットによって、畑土壌から真正土への水分の供給と、畑土壌への根の伸長を妨げないものである。本実施の形態によれば、播種溝には真正土を用いることで雑草が生えず、播種溝の域外では畑土壌の表面がマルチフィルムシートで覆われているため雑草が生えない。また、本実施の形態によれば、播種溝だけに真正土を用いるため、限られた真正土の量で雑草が生えることを防止できる。また、本実施の形態によれば、鎮圧工程を有することで播種溝内の真正土の乾燥と飛散を防止しており、水溶性シードテープによって種子の水分保持を担保しているため、発根を促すことができ、更にはマルチフィルムシートに穴又はスリットを形成しているため、畑土壌に根が伸張することを妨げない。
本発明の第2の実施の形態による播種装置は、ロール状のマルチフィルムシートを装着するシート畦立て被覆部と、畑土壌の表面に被覆したマルチフィルムシートを押圧して播種溝を形成する作溝部と、播種溝に播種する播種部と、真正土を貯えるホッパーと、播種した播種溝にホッパー内の真正土を導入する覆土部と、播種溝に導入した真正土を鎮圧する鎮圧部とを備え、作溝部は、ドラムと、ドラム外周に設けたリング状の凸部とを有し、ドラムが、被覆したマルチフィルムシート上で回転することで、凸部でマルチフィルムシートを押圧して播種溝が形成され、播種溝と畑土壌との導水性を確保するとともに畑土壌への根の伸長を妨げない穴又はスリットをマルチフィルムシートに形成する導通口形成部を有するものである。本実施の形態によれば、播種溝には真正土を用いることで雑草が生えず、播種溝の域外では畑土壌の表面がマルチフィルムシートで覆われているため雑草が生えない。また、本実施の形態によれば、播種溝だけに真正土を用いるため、限られた真正土の量で雑草が生えることを防止できる。また、本実施の形態によれば、真正土を鎮圧することで播種溝内の真正土の乾燥と飛散を防止できる。また、本実施の形態によれば、播種溝に穴又はスリットを形成できるため、畑土壌に根が伸張することを妨げない。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による播種装置において、鎮圧部は、覆土部から落下させた真正土を播種溝に導く誘導部と、誘導部で播種溝に導いた真正土を押圧する鎮圧ローラとを有し、誘導部は、覆土部側を広く、鎮圧ローラ側を狭く配置した一対の誘導材で構成し、鎮圧ローラのローラ幅を、凸部の幅より広く、ドラムのドラム幅よりも狭くしたものである。本実施の形態によれば、一対の誘導材で真正土を播種溝に導くことで、播種溝の域外に真正土が残ることを少なくでき、更に鎮圧ローラのローラ幅がドラムのドラム幅よりも狭いことで、播種溝の域外に残った真正土は押圧されないために、マルチフィルムシート上から飛散しやすい。すなわち、播種溝の域外に残った真正土に雑草種子が飛来して発芽することを防止できる。
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態による播種装置において、播種部、覆土部、誘導部、及び鎮圧ローラを複数組設け、隣り合う鎮圧ローラの間には、鎮圧ローラでマルチフィルムシートを押圧しない空間を形成しているものである。本実施の形態によれば、播種溝の域外に残った真正土は押圧されないために、マルチフィルムシート上から飛散しやすく、播種溝の域外に残った真正土に雑草種子が飛来して発芽することを防止できる。
本発明の第5の実施の形態は、第2から第4のいずれかの実施の形態による播種装置において、播種部は、水溶性シードテープを導出するものである。本実施の形態によれば、水溶性シードテープによって種子の水分保持が担保されるため、発根を促すことができる。
以下本発明の一実施例による播種方法及び播種装置について説明する。
図1は本実施例による播種装置の側面図、図2は同播種装置の一部拡大背面図、図3は同播種装置の一部拡大斜視図、図4(a)は同播種装置の作溝部により形成された播種溝の断面を模式的に示す図、図4(b)は本実施例による播種方法の工程説明図である。
本実施例による播種方法は、図4(b)に示すように、先ずはマルチフィルムシート6で畑土壌2の表面を被覆する(図4(b)[i])。マルチフィルムシート6は、マルチングに用いられる被覆材であり、マルチシートとも称される。マルチフィルムシート6のうち播種溝3を被覆する部分には、スリットが形成されている。スリットに代えて穴を形成しても良いが、飛来する雑草種子の着床を防止する観点からは、細長い切れ目であるスリットの方が好ましい。また、予めスリットが設けられているスリットタイプのマルチフィルムシート6を使用しても良いが、スリットが設けられていないマルチフィルムシート6の方が安価であるため、被覆後にマルチフィルムシート6に穴又はスリットを形成することが好ましい。
次に、被覆したマルチフィルムシート6の上から畑土壌2を押圧して播種溝3を形成する(図4(b)[ii])。播種溝3は、断面が矩形であり、深さ3cm、幅2cm程度に形成することが好ましい。
次に、種子4を内包した水溶性シードテープを播種溝3に播種する(図4(b)[iii])。
次に、播種した播種溝3に、有機的狭雑物が混入していない山土や火山灰土などの真正土5を導入する(図4(b)[iv])。
最後に、真正土5を押さえつけて鎮圧する(図4(b)[v])。
播種溝3には真正土5を用いることで雑草が生えず、播種溝3の域外では畑土壌2の表面がマルチフィルムシート6で覆われているため雑草が生えない。作物栽培において雑草が発芽生育するのは、作物と同一の培地土壌のなかに雑草種子が混入しており、この雑草種子が出芽することによる。また、飛来した雑草種子が培地土壌に着生し出芽することもまれにある。したがって、本実施例のように、播種床に既存の培地土壌を使わずに雑草種子が混入していない真正土5を使い、マルチフィルムシート6で畑土壌2を覆えば、雑草の生える余地がないので雑草害を根本から回避できる。
また、播種溝3だけに真正土5を用いるため、限られた真正土5の量で雑草が生えることを防止できる。播種溝3に封入する真正土5の量は、1条100m当たり60リットル(102kg)となる。
また、鎮圧することで播種溝3内の真正土5の乾燥と飛散が防止され、水溶性シードテープによって種子4の水分保持を担保しているため、発根を促すことができる。
また、マルチフィルムシート6のうち播種溝3を被覆する部分にはスリットが形成されているため、このスリットが畑土壌2への導通口となり、溝内土壌への水分の供給と根の伸長に支障を及ぼすことはない。
次に、図1から図4(a)を用いて、本実施例による播種方法を簡便に実現する播種装置を説明する。
本実施例による播種装置10は、トラクタ等の牽引車両1の後部に接続される。播種装置10は、牽引車両1の三点リンクヒッチ11に直に装着される。従って、圃場端での旋回時には、三点リンクヒッチ11に接続されたリフトアームを上昇させることによって容易に播種装置10を畑土壌面から離すことができる。なお、三点リンクヒッチ11は、1本の上部リンクと2本の下部リンクからなり、それぞれの下部リンクはリフトロッド(上げ棒)で左右別々にリフトアームにより懸架される。本実施例による播種装置10は3条用である。なお、以下の説明において、播種装置10は、牽引車両1に接続される側を前側、反接続側を後側とする。
播種装置10は、ロール状のマルチフィルムシート6を装着するシート畦立て被覆部20と、畑土壌2の表面に被覆したマルチフィルムシート6を押圧して播種溝3を形成する作溝部30と、播種溝3に播種する播種部40と、真正土5を貯えるホッパー(じょうご槽)50と、播種した播種溝3にホッパー50内の真正土5を導入する覆土部60と、播種溝3に導入した真正土5を鎮圧する鎮圧部70とを備える。
ホッパー50は、播種装置10の上部に配置されている。シート畦立て被覆部20、作溝部30、播種部40、覆土部60、及び鎮圧部70は、播種装置10の下部に配置され、播種装置10が牽引車両1の後部に接続されているときに、シート畦立て被覆部20が最も牽引車両1に近く、その後に作溝部30、播種部40、覆土部60、鎮圧部70の順となるように配置されている。
また、播種装置10は、左右両側に車輪80とフレーム90を有する。車輪80は、左右一対の定規輪82と、定規輪82よりも後方に配置された左右一対の覆土輪81とからなる。覆土輪81のトレッド(左右の車輪間隔)と定規輪82のトレッドとはほぼ等しい。覆土輪81によって、マルチフィルムシート6の両端部のすそを土中に納め、マルチフィルムシート6が畑土壌面に密着し剥がれないようにする。定規輪82によって、地面からの設定高さが保たれる。
フレーム90は、車輪80よりも内側で車輪80の中心よりも上方に、左右一対で設けられる。フレーム90は播種装置10が牽引車両1に牽引されている状態において略水平であり、前端がシート畦立て被覆部20と作溝部30との間に位置し、後端が鎮圧部70よりも後方に位置する。
図2及び図3に示すように、フレーム90の中間部には、フレーム90に直交する桟91が設けられている。桟91は、一端が一方のフレーム90に接続され、他端が他方のフレーム90に接続されている。
ホッパー50には、真正土5が貯留される。播種溝3に封入する真正土5の量は1条100m当たり60リットルであることから、ホッパー50の容量は300リットルとしている。
シート畦立て被覆部20は、播種装置10の左右両側に1本ずつ配置した支柱21に両端が保持された棒状のフィルム支え部22を有する。フィルム支え部22はドラム31の幅よりも長く、フィルム支え部22の両端は、車輪80よりも側方に突出している。ロール状のマルチフィルムシート6は、フィルム支え部22に装着される。なお、図1から図3は、マルチフィルムシート6を装着していない状態を示している。
マルチフィルムシート6を畑土壌2に被覆する際は、マルチフィルムシート6を覆土部60まで引き出し、シート畦立て被覆部20と覆土部60との間に位置する作溝部30のドラム31で押さえる。この状態で牽引車両1を走行させると、ドラム31の転動によってマルチフィルムシート6が畑土壌2の表面に引き出される。
図2から図4(a)に示すように、作溝部30は、ドラム31と、ドラム31の外周に設けたリング状の凸部32とを有する。
ドラム31は、左右の車輪80の間に設けられており、播種装置10が牽引車両1に牽引されて移動するときに下部が畑土壌2と接触することによって回転する。
凸部32は、3条の畦に対応するようにドラム31の両側2カ所(第一凸部32A、第三凸部32C)と中央1カ所(第二凸部32B)に設けられている。播種装置10を後方視したときに左側が第一凸部32A、中央が第二凸部32B、右側が第三凸部32Cであり、各々の高さは約3cm、幅は約2cmである。
被覆されたマルチフィルムシート6上をドラム31が回転しながら押圧していくことにより、作溝部30が通過した後には、図4(a)に示すように、凸部32の形状と寸法に応じた播種溝3が形成される。このように、ドラム31の外周にリング状の凸部32を設けることによって、溝付けを容易に行うことができる。
播種部40は、並列に配置された第一播種部41、第二播種部42及び第三播種部43からなる。播種装置10を後方視したときに左側が第一播種部41、中央が第二播種部42、右側が第三播種部43であり、第一播種部41は第一凸部32Aの後方近傍に、第二播種部42は第二凸部32Bの後方近傍に、第三播種部43は第三凸部32Cの後方近傍に、それぞれ配置されている。第一播種部41、第二播種部42及び第三播種部43は、各々が桟91に取付けられ、下端は地面近傍に配置されている。
播種部40には種子4を内包した水溶性シードテープがロール状に巻かれた状態で装着され、水溶性シードテープは播種部40によって播種溝3の中に導入される。水溶性シードテープの使用により種子4の水分保持が担保され、発根を促すことができる。なお、図1から図3は、水溶性シードテープが装着される前の状態を示している。
覆土部60は、上端がホッパー50の下面に接続され、下端が地面近傍に配置されている。覆土部60は、並列に配置された第一覆土部61、第二覆土部62及び第三覆土部63からなる。第一覆土部61、第二覆土部62及び第三覆土部63は、可撓性を有する配管であることが好ましい。播種装置10を後方視したときに左側が第一覆土部61、中央が第二覆土部62、右側が第三覆土部63であり、第一覆土部61は第一播種部41の後方近傍に、第二覆土部62は第二播種部42の後方近傍に、第三覆土部63は第三播種部43の後方近傍に、それぞれ配置されている。
ホッパー50に貯留された真正土5は覆土部60を介して播種溝3に繰り出され、播種溝3は真正土5によって埋められる。
鎮圧部70は、並列に配置された第一鎮圧部70A、第二鎮圧部70B及び第三鎮圧部70Cからなる。播種装置10を後方視したときに左側が第一鎮圧部70A、中央が第二鎮圧部70B、右側が第三鎮圧部70Cであり、第一鎮圧部70Aは第一覆土部61の後方近傍に、第二鎮圧部70Bは第二覆土部62の後方近傍に、第三鎮圧部70Cは第三覆土部63の後方近傍に、それぞれ配置されている。第一鎮圧部70A、第二鎮圧部70B及び第三鎮圧部70Cの各々は、覆土部60から落下させた真正土5を播種溝3に導く誘導部71と、誘導部71で播種溝3に導いた真正土5を押圧する鎮圧ローラ72と、誘導部71及び鎮圧ローラ72を保持する保持部73とを有する。誘導部71は鎮圧ローラ72よりも前方に配置されている。
誘導部71は、覆土部60側を広く鎮圧ローラ72側を狭く配置した、一対の棒状の誘導材71aで構成されている。一対の誘導材71aで真正土5を播種溝3に導くことで、播種溝3の域外に真正土5が残ることを少なくできる。
鎮圧ローラ72のローラ幅は、凸部32の幅より広く、ドラム31のドラム幅よりも狭く設定されている。また、隣り合う鎮圧ローラ72の間には、鎮圧ローラ72でマルチフィルムシート6を押圧しない空間が形成されている。これにより、播種溝3の域外に残った真正土5は上から押圧されないために、マルチフィルムシート6上から飛散しやすく、播種溝3の域外に残った真正土5に雑草種子が飛来して発芽することを防止できる。
保持部73は、桟91から後方に向けて水平に配置された上方アーム73aと、桟91から斜め下後方に向けて配置された斜方アーム73bと、斜方アーム73bの後端から後方に向けて水平に配置された下方アーム73cと、補助アーム73dとを有する。上方アーム73aの前端及び斜方アーム73bの前端は、桟91に接続されている。下方アーム73cの前端は、斜方アーム73bの後端に接続されている。補助アーム73dの一端は斜方アーム73bの後端に接続され、他端は上方アーム73aの後端に接続されている。
下方アーム73cの前端側には、左右両側へ水平に突出させた水平部の両端部から鉛直下方に延出した鉛直部に誘導部71を接続して保持する誘導部保持具74が設けられている。
下方アーム73cの後端側には、左右両側へ水平に突出させた水平部の両端部から鉛直下方に延出した鉛直部に鎮圧ローラ72を接続して回転可能に保持する鎮圧ローラ保持具75が設けられている。
覆土後の鎮圧を十分に実施しないと播種溝3内の土壌が乾いて種子4が発芽しないばかりか、土壌が飛ばされるおそれがある。本実施例による播種装置10は、上記のように構成された鎮圧部70によって、覆土鎮圧を確実に行うことができる。
以上のように、本実施例による播種装置10は、マルチフィルムシート6で畑土壌2の表面を被覆する被覆工程をシート畦立て被覆部20で、被覆工程で被覆したマルチフィルムシート6を上から押圧して播種溝3を形成する作溝工程を作溝部30で、作溝工程で形成した播種溝3に播種する播種工程を播種部40で、播種工程で播種した播種溝3に真正土5を導入する覆土工程を覆土部60で、覆土工程で導入した真正土5を鎮圧する鎮圧工程を鎮圧部70で、連続して行うことができる。
なお、本実施例による播種装置10は、畑土壌2に被覆したマルチフィルムシート6に穴又はスリットを形成する導通口形成部を備えることができる。導通口形成部を備えることにより、予め穴又はスリットが設けられていない一般的で安価なマルチフィルムシート6を使用した場合であっても穴又はスリットを形成でき、畑土壌23に根が伸張することを妨げない。
導通口形成部は、例えば回転刃である。導通口形成部は、作溝部30の直後に設けても良いが、予めスリットが設けられているスリットタイプのマルチフィルムシート6の状態に近似させるために、作溝部30の直前に設けることが好ましい。
また、本実施例による播種装置10は3条用としたが、各構成部品の数を増減させることなどによって2条以下又は4条以上用とすることも可能である。
本発明は、加工用等の葉菜類の高品質栽培に利用でき、精密農業の一端を担う技術である。特に、雑草を極力排除できるので、機械化一斉収穫が可能となり、収穫後の狭雑物除去などの調製作業も最小限の労力で済むようになりコスト低減に寄与する。
2 畑土壌
3 播種溝
5 真正土
6 マルチフィルムシート
10 播種装置
20 シート畦立て被覆部
30 作溝部
31 ドラム
32 凸部
40 播種部
50 ホッパー
60 覆土部
70 鎮圧部
71 誘導部
71a 一対の誘導材
72 鎮圧ローラ

Claims (5)

  1. マルチフィルムシートで畑土壌の表面を被覆する被覆工程と、
    前記被覆工程で被覆した前記マルチフィルムシートを押圧して播種溝を形成する作溝工程と、
    前記作溝工程で形成した前記播種溝に播種する播種工程と、
    前記播種工程で播種した前記播種溝に土を導入する覆土工程と、
    前記覆土工程で導入した前記土を鎮圧する鎮圧工程と
    を有し、
    前記マルチフィルムシートには、前記畑土壌との導水性を確保する穴又はスリットが形成され、
    前記穴又は前記スリットを、前記播種溝に位置させ、
    前記播種工程では、水溶性シードテープを用い、
    前記覆土工程で導入する前記土として、有機的夾雑物が混入していない、山土や火山灰土などの真正土を用い
    前記穴又は前記スリットによって、前記畑土壌から前記真正土への水分の供給と、前記畑土壌への根の伸長を妨げない
    ことを特徴とする播種方法。
  2. ロール状のマルチフィルムシートを装着するシート畦立て被覆部と、
    畑土壌の表面に被覆した前記マルチフィルムシートを押圧して播種溝を形成する作溝部と、
    前記播種溝に播種する播種部と、
    真正土を貯えるホッパーと、
    播種した前記播種溝に前記ホッパー内の前記真正土を導入する覆土部と、
    前記播種溝に導入した前記真正土を鎮圧する鎮圧部と
    を備え、
    前記作溝部は、ドラムと、前記ドラム外周に設けたリング状の凸部とを有し、
    前記ドラムが、被覆した前記マルチフィルムシート上で回転することで、前記凸部で前記マルチフィルムシートを押圧して前記播種溝が形成され
    前記播種溝と前記畑土壌との導水性を確保するとともに前記畑土壌への根の伸長を妨げない穴又はスリットを前記マルチフィルムシートに形成する導通口形成部を有す
    ことを特徴とする播種装置。
  3. 前記鎮圧部は、前記覆土部から落下させた前記真正土を前記播種溝に導く誘導部と、前記誘導部で前記播種溝に導いた前記真正土を押圧する鎮圧ローラとを有し、
    前記誘導部は、前記覆土部側を広く、前記鎮圧ローラ側を狭く配置した一対の誘導材で構成し、
    前記鎮圧ローラのローラ幅を、前記凸部の幅より広く、前記ドラムのドラム幅よりも狭くした
    ことを特徴とする請求項2に記載の播種装置。
  4. 前記播種部、前記覆土部、前記誘導部、及び前記鎮圧ローラを複数組設け、
    隣り合う前記鎮圧ローラの間には、前記鎮圧ローラで前記マルチフィルムシートを押圧しない空間を形成している
    ことを特徴とする請求項3に記載の播種装置。
  5. 前記播種部は、水溶性シードテープを導出する
    ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の播種装置。
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