JP6709175B2 - 再構成たばこシートおよび関連する方法 - Google Patents

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Description

本発明は再構成たばこシートおよびかかる再構成たばこシートを作成する方法に関する。さらに、本発明は、再構成たばこシートを組み込むたばこ製品に関する。
再構成たばこシートを作成するためのいくつかの周知の方法がある。これらのいくつかの周知の方法は、たばこ製品の製造工程の間に生産されるたばこ茎、たばこ葉柄、葉片、およびたばこ粉塵などのたばこ材料を処理することを含みうる。かかるたばこ材料が由来しうる製造工程にはステミング、熟成、混合、切断、乾燥、冷却、スクリーニング、篩い分け、成形、または包装操作が含まれる。
周知の方法のうちの1つは、たばこの茎を細かい粉末へと挽き、次にたばこ茎をたばこ粉塵、グアーガム、および水と混合して水性スラリーを形成するものである。次にこの水性スラリーを成形し、乾燥して再構成たばこシートを形成する。しかし、この種の再構成たばこシートは引張強さが低い。再構成たばこシートのこの特性を改善するために、例えば、木材セルロース繊維の形態の非たばこセルロースが通常結合剤としてスラリーに添加される。しかし、コストの増加およびこの成分による風味への悪影響のために、非たばこ成分の存在は一般的に望ましくない。
他の周知の方法では、パルプを得るためにたばこ材料は撹拌タンクの中で水と混合される。タンク内でたばこを水に浸し、かつ混合するとたばこの水溶性成分が液体の中へと溶解し、たばこ風味の液体またはたばこジュースを作り出す。その後、さらなる処理の前に、このたばこ風味の液体をたばこの不溶性部分から分離する必要がある。例として、水溶性成分を含むたばこ風味の液体を取り除くためにパルプを圧縮してもよく、または遠心力を使用して処理してもよい。次に非水溶性部分は、ベースウェブを形成するためにその後製紙工程(例えば、フォードリニア・マシンを使用する)を受ける。周知のように、フォードリニア・マシンは一般に形成セクション、圧縮セクション、および乾燥セクションを含む。かつて青銅で編まれていたのでしばしば「ワイヤ」と呼ばれる、プラスチック織物メッシュのコンベアベルトを備える形成セクションで、パルプは排水されて連続ペーパーウェブが作り出される。その後、この湿ったウェブは前方へ圧縮セクションへと供給され、過剰な水はウェブから絞り出される。最後に、圧縮されたウェブは加熱乾燥セクションを通して運ばれる。たばこ風味の液体は、濃縮溶液を形成するための蒸発操作を使用したさらなる処理も受ける。この濃縮溶液は、失われることになる風味をベースウェブに少なくとも部分的に回復するためにベースウェブに戻すように添加してもよい。
乾燥した再構成たばこシートは一般に比較的限定的な引張強さを示す。加えて、上記に説明した方法は蒸発工程に起因してエネルギー消費量が多いという欠点も有する。さらに、たばこ可溶性成分の部分的損失さえも風味に対する望ましくない影響を有する可能性がある。
したがって、たばこ材料からのたばこ風味を保つ改善された再構成たばこシートを提供するのが望ましいことになる。さらに、充填力を増加した再構成たばこシートを提供するのが望ましいことになる。たばこ製品のシートから製造する間に機械的応力に耐えるためにより良好に適した再構成たばこシートを提供するのも望ましいことになる。
引張強さが既存の方法よりも大きく、かつ結合剤として望ましくない非たばこセルロース系材料を用いてシートを強化する必要なく得ることができる再構成たばこシートを作成する方法を提供するのも望ましいことになる。
本発明の第一の態様によると、したがって再構成たばこシートを作成する方法が提供され、この方法は液体中にたばこ茎または葉柄の分散体を調製することを含み、この分散体は少なくとも約10重量パーセントの濃度を有する。分散体中のたばこ茎または葉柄は精製され、濾水度(排水性)が少なくともショッパー・リグラー度で約30度であり、長さが少なくとも約300マイクロメートルである液体中に分散したたばこ茎または葉柄の精製繊維を含むパルプ懸濁液を得る。スラリーを得るために、たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維を含むパルプ懸濁液はたばこキャストリーフ材料と組み合わされる。次にこのスラリーからシートが形成される。
さらに、本発明の別の態様によれば、坪量が約14グラム/平方フィート未満(約151グラム/平方メートル)であり、かつ平均長さが少なくとも約300マイクロメートルであるたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維およびたばこキャストリーフ材料を含む再構成たばこシートが提供される。
本発明の別の態様によれば、再構成たばこシートを含む喫煙物品がさらに提供され、再構成たばこシートは坪量が約14グラム/平方フィート(約151グラム/平方メートル)未満であり、かつ長さが少なくとも約300マイクロメートルであるたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維と、たばこキャストリーフ材料とを含む。
当然のことながら、本発明の1つの態様に関連して説明した任意の特徴は、本発明のその他の任意の態様にも等しく適用できる。
「たばこ製品」という用語は、本明細書を通して、可燃性喫煙物品およびたばこなどのエアロゾル形成基体が燃焼ではなく加熱される喫煙物品の両方を意味するために使用される。紙巻たばこなどの可燃性喫煙物品は通常、たばこロッドを形成する紙ラッパーに囲まれた細かく切られたたばこ(普通はカットフィラーの形態)を備える。細かく切られたたばこは一種類のたばこでも二種類以上のたばこの混合でもよい。紙巻たばこは、その一方の端に点火し、細かく切られたたばこロッドを燃焼することにより、消費者によって使用される。次に、消費者は紙巻たばこの反対側の端(口側の端またはフィルター端)で引き込むことによって主流煙を受ける。加熱式喫煙物品では、エアロゾルはエアロゾル形成基体の加熱によって生成される。周知の加熱式喫煙物品には、例えば、エアロゾルが電気的加熱によるか、または可燃性燃料要素または熱源からエアロゾル形成基体への熱の移動によって生成される喫煙物品が含まれる。喫煙中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、喫煙物品を通して引き込まれた空気中に混入される。放出された化合物が冷めるにつれて凝結してエアロゾルを形成し、これが消費者によって吸い込まれる。また、ニコチン含有エアロゾルがたばこ材料、たばこ抽出物、またはその他のニコチン源から、燃焼することなく、また一部の場合には加熱することなく、例えば化学反応によって生成される、喫煙物品も公知である。
本明細書において、「葉柄」という用語は、茎およびラミナを含めた葉を除去した後に残る、たばこ植物の主な構造部分を意味するために使用される。葉柄は、たばこ葉を保持し、たばこ葉を植物の根に接続するもので、高いセルロース含有量を持つ。
本明細書で使用される場合、「茎」という用語は、ラミナを葉柄に接続するたばこ植物の構造部分を意味し、葉のラミナ部分の間を通って延びる葉脈も意味する。本発明の文脈において、「茎」という用語は「葉柄」という用語は含まず、たばこ植物の茎と葉柄は別々の部分とみなされる。
濃度」という用語は、本明細書を通して、液体分散体中でたばこ茎および液体の両方から成る二相系に対する固体部分(すなわち、たばこ茎)の重量比を意味するために使用される。
「精製」という用語は、本明細書を通して、液体分散物中のたばこ茎またはたばこ葉柄が、シートへと形成することができるように茎または葉柄材料の繊維を修正する機械的処理を受けることを意味するために使用される。例えば、製紙業界で木材パルプの精製用に一般的に使用されるコニカル精製機またはディスク精製機がこの目的で使用されてもよい。この機械的処理はたばこ茎またはたばこ葉柄繊維に摩耗する作用および傷つける作用を行使すると考えられ、これによってたばこ茎またはたばこ葉柄繊維は破壊、変形、剥離、およびクラスタ分離されるが、それでも損傷によってその強さはあまり失われない。したがって、毛髪様の、細くて長い「たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維」がたばこ茎またはたばこ葉柄から得られうる。これらのたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維はしなやかで、かつ表面積がより大きい。これは繊維間結合能力を著しく改善するものと理解され、この点で重なっているストランドの間に水素結合を形成するために好ましいと思われる。
「繊維長さ」という用語によって、本明細書を通して、本発明による方法によりたばこ茎の精製によって得られた繊維の主要寸法を意味する。より具体的には、参照は一般的にたばこ茎繊維のサンプルで測定された繊維長さの平均値を意味する。平均繊維長さはいくつかの方法によって実験的に評価されうる。例えば、繊維長さは顕微鏡解析によって測定されうる。
「キャストリーフ」という用語は当業界で周知のプロセスを意味するために本明細書で使用されるが、これは、挽いたたばこ粒子および結合剤(例えば、グアール)を含むスラリーを支持表面(ベルトコンベアなど)上に乗せるプロセス、スラリーを乾燥させるプロセス、および乾燥したシートを支持表面から取り外すプロセスに基づく。「たばこキャストリーフ材料」という用語は、本明細書では通常従来のキャストリーフプロセスで使用されるたばこ葉の部分および回収可能な処理の間に発生する微細な材料(例えば、たばこ粉塵)を意味するために使用される。
「濾水度」という用語は、本明細書を通して、パルプ製品の排水性を意味するために使用される。「濾水度」は、下記の表題の2014年版標準ISO 5267−1によって定義される。排水性の決定-第1部:ショッパー・リグラー法。ショッパー・リグラー試験は、パルプの懸濁物が脱水されうる割合との計測を提供するように設計されている。排水性は表面状態および繊維の膨潤に関係していることが示されており、パルプが受ける機械的処理の量の有用な指数を構成する。したがって、当業者には、精製操作によって得られたパルプの濾水度または排水性の値を示すことによって、前記パルプが精製操作で受ける機械的処理の強度および量(例えば、正味のエネルギー入力)に対して間接的に意味することが明らかなはずである。濾水度(排水性)ショッパー・リグラー度で表現されうる。パルプは上に示したISO標準で画定される試験条件に従って調製される。容積1000mlの調製されたパルプを排出チャンバの中へと注ぐ。底面オリフィスおよび側面オリフィスからの排出が収集される。側面オリフィスからの濾液をSR度の目盛りを付けた特殊なシリンダーで測定する。1000ミリリットルの排出は0ショッパー・リグラー度に対応し、一方で0ミリリットルの排出は100ショッパー・リグラー度に対応する。
「引張強さ」という用語は、本明細書を通して、再構成たばこシートを破壊するまで引き伸ばすために必要な力の測定値を示すために使用される。より具体的には、引張強さはシート材料が破壊する前に耐えることになる単位幅当たりの最高引張り力であり、シート材料の機械方向で測定される。これはニュートン/材料のメートル(N/m)の単位で表現される。シート材料の引張強さ測定のための試験は周知である。好適な試験は、下記の表題で2014年版国際標準ISO 1924/2に説明されている。「紙および板−引張り特性の決定−第2部:定速伸長法」。
試験は、任意の寸法の試験片を適切な一定伸長速度で引き伸ばし、そして引張り力および、必要な場合は発生した伸びを測定するように設計された引張試験装置を利用する。シート材料の各試験片は2つのクランプの間に保持され、これらのクランプの分離は特定の速度に調節される。例えば、180ミリメートルの試験長さに対して速度は20ミリメートル/分である。引張り力は伸びの関数として測定され、そして試験は試験片が破断するまで継続される。最大引張り力、ならびに破断点伸びが測定される。
材料の引張強さは、以下の式から計算されてもよく、式中Sは引張強さ(単位N/m)であり、
Figure 0006709175
は平均引張力(単位N)であり、そしてwは試験片の幅(単位メートル)である。
Figure 0006709175
本発明による再構成たばこシートは坪量が約14グラム/平方フィート(約151グラム/平方メートル)未満である。さらに、本発明による再構成たばこシートは、長さが少なくとも約300マイクロメートルであるたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維と、たばこキャストリーフ材料から形成される。長さが少なくとも約300マイクロメートルであるたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維は、満足のいく繊維間結合を確保し、そしてその結果として、望ましい機械的特性を有するシート材料の形成のために好ましいことが見出された。
再構成たばこシートは坪量が約11グラム/平方フィート(約119グラム/平方メートル)未満であるのが好ましい。再構成たばこシートの坪量が減少しているため、再構成たばこシートの充填力が改善される。こうして、喫煙物品内での全体的なたばこ重量は有利なことに低減されうる。
「充填力」という用語は、本明細書を通して、任意のたばこ材料の重量または質量が占めるスペースの容積を意味するために使用される。たばこ材料の充填力が大きいほど、標準的な寸法のたばこロッドを充填するために必要とされる材料の重量が低くなる。充填力の値は補正円筒容積(CCV)という点で表現されるが、これはオーブン揮発性が12.5%である標準水分レベルにおけるたばこ材料の円筒容積(CV)である。円筒容積(CV)は、刻みたばこおよびたばこ円筒容器用の測定ヘッドに適合したDD60またはDD60AタイプのBorgwaldt密度計を使用して判定されうる。
CCVの値を判定するための好適な方法では、カットフィラーのサンプルをBorgwaldt密度計のたばこ円筒容器内に配置し、2kgの負荷を30秒間かける。負荷時間が完了した後、サンプルの高さを測定し、以下の式を使用してこれを円筒容積に変換する。
Figure 0006709175
式中rは円筒半径(上述の密度計では3.00cm)、hは負荷時間の完了後のサンプルの高さ、そしてSWはサンプルの重量である。次に、測定したCVは、以下の式を使用して12.5%オーブン揮発性の標準水分レベル値(ROV)におけるCCVの補正値へと変換される。
Figure 0006709175
式中OVはたばこ茎サンプルのオーブン揮発性の実測した%であり、fは補正係数である(記載する試験では0.4)。
「オーブン揮発性%」(%OVまたはパーセントOV)という用語は、たばこ茎の水分含有量を参照するために使用される。これは、茎材料のサンプルを摂氏100±1度(℃)のオーブン内で3時間±0.5分間乾燥した後、茎からの重量損失の百分率を測定することによって判定される。実際には、茎からの重量損失の大部分は水分の蒸発の結果であると仮定される。絶対的な基準では、オーブン乾燥によって判定される水分含有量の値は、ISO 6488(Karl Fischer法)などの特定の方法を使用したときの水分分析の結果より大きい場合があることに留意するべきである。この差異はサンプルのタイプに対する依存性、およびオーブン乾燥の間のたばこ材料からの水以外の揮発性材料の損失に起因するものである。
たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維の長さは約1200マイクロメートル未満であるのが好ましい。たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維の長さは約1000マイクロメートル未満であるのがさらにより好ましい。一部の好ましい実施形態では、たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維の長さは約300〜約1200マイクロメートルであり、約300〜約1000マイクロメートルであるのが好ましい。たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維がかかる繊維長さであると、これらの繊維から形成された再構成たばこシートの引張強さの改善に効果的に寄与しうることが見出された。理論に束縛されるものではないが、かかる繊維長さを有するたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維は、繊維間結合のために好適な量の表面積を提供するものと考えられる。
再構成たばこシートは少なくとも約10重量パーセントのたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維の乾燥シートを含む。たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維は、乾燥シートの少なくとも約30重量パーセントの割合を占めるのが好ましい。たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維は、乾燥シートが少なくとも約40重量パーセントの割合を占めるのがより好ましい。追加として、または代替として、再構成たばこシートは約80重量パーセント未満のたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維の乾燥シートを含む。一部の好ましい実施形態では、たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維は、乾燥シートの約30重量パーセント〜約50重量パーセントの割合を占め、乾燥シートの約40重量パーセント〜約50重量パーセントの割合を占めるのがさらにより好ましい。驚くべきことに、以下の実施例に示されるように、長さが少なくとも約300マイクロメートルであるたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維の含有量がより高いと、結果として再構成たばこシートの引張強さが著しく増加することが見出された。
再構成たばこシートは、引張強さが少なくとも約20重量キログラム/メートル(約196ニュートン/メートル)でありうる。再構成たばこシートは、引張強さが少なくとも約25重量キログラム/メートル(約245ニュートン/メートル)であるのが好ましい。再構成たばこシートは、引張強さが少なくとも約30重量キログラム/メートル(約294ニュートン/メートル)であるのがより好ましい。引張強さのかかる改善した値は、本発明による再構成たばこシートを機械的応力に関与するその後操作のために特に好適なものにする。
発明による再構成たばこシートは、可燃性喫煙物品およびたばこなどのエアロゾル形成基体が燃焼ではなく加熱される喫煙物品を含む、たばこ製品の製造で特定の用途を見出す。より詳細には、形成後、再構成たばこシートを乾燥し、さらに成形および切断することができる。好ましい実施形態では、再構成たばこシートを切断して細片を形成し、この細片は、たばこロッドまたは燃焼ではなく加熱されるエアロゾル形成基体などの再構成たばこ製品を製造するために使用される他の形態のたばこ細片とともに切断して混合カットフィラーを形成する。あるいは、再構成たばこシートを単独で切断して再構成たばこカットフィラー構成要素を形成し、次に再構成たばこカットフィラー構成要素を他のフィラー構成要素と混合することができる。特に、カットフィラーを形成するために、本発明による再構成たばこシートから形成された再構成たばこ材料を他のたばこと混合することができる。かかるカットフィラーは、火力乾燥たばこ、バーレーたばこ、メリーランドたばこ、オリエント葉たばこ、希少たばこ、特殊たばこ、再構成たばこ、膨化たばこ、およびこれに類するものなどの細断を含んでもよいが、これに限定されない。カットフィラーは、従来の添加物(例えばグリセリンおよびプロピレングリコールなどの湿潤剤)も含むことができる。
本発明による再構成たばこシートを作成する方法では、液体媒体(例えば、水など)中のたばこ茎の分散体は少なくとも約10重量パーセントの濃度で調製される。たばこ茎または葉柄は分散体中で精製され、濾水度(排水性)がショッパー・リグラー度で少なくとも約30度であり、長さが少なくとも約300マイクロメートルである液体中に分散したたばこ茎または葉柄の精製繊維を含むパルプ懸濁液を得る。こうして得られたパルプ懸濁液を次に、たばこキャストリーフ材料と組み合わせてスラリーが得られる。次にこのスラリーからシートが形成される。
実質的に全ての可溶性部分(しばしば「たばこジュース」とも称される)は液体分散体の中に保持されるため、有利なことに大部分の風味源が保たれる。同時に、ある特定の周知のプロセスの事例のように、たばこ茎の不溶性部分から分離された液体相を蒸発によって濃縮する必要はないため、本発明による方法に関連する全体的なエネルギー消費量は有利なことに減少する。さらに、たばこ茎またはたばこ葉柄の分散体を液体媒体中で精製することによって得られたたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維は十分頑丈な繊維間結合を提供するため、非たばこセルロース系材料を導入する必要性も一緒に実質的に取り除かれる。一般的に、これは結果的にこの方法によって得ることができる再構成たばこシートの引張強さの改善をもたらす。さらに、繊維性材料の濃度がより高いことが、結果として再構成たばこシートの特に粗い波状の表面のきめをもたらしうる。こうして、再構成たばこの充填力は有利なことに増えうる。
たばこ茎の分散体は少なくとも約15重量パーセントの濃度で調製されるのが好ましい。たばこ茎またはたばこ葉柄の分散体は少なくとも約20重量パーセントの濃度で調製されるのがより好ましい。こうして、従来のプロセスでは可溶性構成要素として失われ、したがって再構成たばこ材料中への再導入が必要になる実質的に全てのたばこ風味源は、有利なことに保たれる。たばこ茎の分散体は、約70重量パーセント未満の濃度で調製されうる。分散体は約60重量パーセント未満の濃度で調製されるのが好ましい。
たばこ茎を精製して、長さが約1200マイクロメートル未満であるたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維を含むパルプ懸濁液を得るのが好ましい。たばこ茎を精製して、長さが約1000マイクロメートル未満であるたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維を含むパルプ懸濁液を得るのがより好ましい。好ましい実施形態では、たばこ茎を処理して、長さが約300マイクロメートル〜約600マイクロメートルであるたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維を含むパルプ懸濁液を得る。
分散体中のたばこ茎またはたばこ葉柄を精製して、濾水度(排水性)が少なくとも約50ショッパー・リグラー度であるパルプ懸濁液が得るのが好ましい。
好ましい実施形態では、たばこ茎またはたばこ葉柄はディスク精製されうる。より詳細には、分散体中でたばこ茎またはたばこ葉柄を精製する工程は、たばこ茎を第一の間隙で分離したディスク間で精製する第一の工程と、たばこ茎を第一の間隙より小さい第二の間隙で分離したディスク間で精製する第二の工程と、を含みうる。たばこ茎またはたばこ葉柄を第一の間隙より小さい第二の間隙で分離したディスク間で精製する第二の工程を、少なくとも二回実施するのが好ましい。
理論に束縛されるものではないが、第一の精製工程は実質的にたばこ茎またはたばこ葉柄の液体分散体をどちらかというと粗いパルプへと変換し、茎またはたばこ葉柄の繊維はまだ適切に分離されていないが、その一方、第二の精製工程は第一の精製工程から得られた実質的に粗いパルプをずっとより細かいパルプ懸濁液へと変換することが観察された。
第一の間隙は約1000マイクロメートル未満としてもよい。第一の間隙は約750マイクロメートル未満であるのが好ましい。第一の間隙は約500マイクロメートル未満であるのがより好ましい。
第二の間隙は約500マイクロメートル未満としてもよい。第二の間隙は約350マイクロメートル未満であるのが好ましい。第二の間隙は約200マイクロメートル未満であるのがより好ましい。
追加として、または代替として、第二の間隙は約50マイクロメートルより大きくてもよい。第二の間隙は約100マイクロメートルより大きいのが好ましい。第二の間隙は約200マイクロメートルより大きいのがより好ましい。
好ましい実施形態では、第一の間隙は約500マイクロメートルであり、また第二の間隙は約50マイクロメートルである。
ここで、以下の非限定的例を参照しながら本発明をさらに説明する。
比較例
以下の組成物を用いて従来のキャストリーフプロセスによって再構成たばこシートが調製された。
たばこ材料:
ラミナ粉塵:66乾燥質量パーセント
挽いた茎:34乾燥質量パーセント
結合剤:
グアール:100部の乾燥したたばこ材料当たり8部の乾燥質量
乾燥たばこ材料を乾燥粉砕およびスクリーニングする粉砕機に供給し、その後たばこスラリーを形成するために高剪断混練機内でグアールを結合剤として含む水性媒体と接触した。次にたばこスラリーは移動式のエンドレスベルト上に置かれた。キャストスラリーはその後乾燥アセンブリを通過し、再構成たばこシートを形成するために水分を除去した。最後に、ドクターブレードを用いてシートをベルトから取り外した。
坪量が12.5±0.5グラム/平方フィート(約135グラム/平方メートル)で、引張強さが約25kgf/m(245N/m)である、再構成たばこシートが得られた。
実施例1
以下の組成物を用いて、本発明による方法によって再構成たばこシートが調製された。
たばこ材料:
ラミナ粉塵:66乾燥質量パーセント
精製された茎繊維:30乾燥質量パーセント
結合剤:
グアール:100部の乾燥したたばこ材料当たり4部の乾燥質量
より詳細には、たばこ茎は水中で50パーセントを超える濃度で分散された。その後、たばこ茎は分散体中で精製され、濾水度(排水性)が約25ショッパー・リグラー度であるパルプ懸濁液が得られた。平均長さが約450マイクロメートルであるたばこ茎の精製繊維が得られた。こうして、得られたたばこ茎の精製繊維は、湿潤剤、結合剤、およびたばこ粉塵と混合されてスラリーを形成し、次にこれはシートを形成するように成形され乾燥された。
坪量が13グラム/平方フィート(約140グラム/平方メートル)で、引張強さが約26kgf/m(255N/m)である、再構成たばこシートが得られた。
実施例2
以下の組成物を用いて、本発明による方法によって再構成たばこシートが調製された。
たばこ材料:
ラミナ粉塵:57乾燥質量パーセント
精製された茎繊維:43乾燥質量パーセント。
結合剤:
グアール:100部の乾燥したたばこ材料当たり8部の乾燥質量。
より詳細には、たばこ茎は水中で50パーセントを超える濃度で分散された。その後、たばこ茎は分散体中で精製され、濾水度(排水性)がショッパー・リグラー度で約30度であるパルプ懸濁液が得られた。平均長さが約400マイクロメートルであるたばこ茎の精製繊維が得られた。こうして、得られたたばこ茎の精製繊維は、湿潤剤、結合剤、およびたばこ粉塵と混合されてスラリーを形成し、次にこれはシートを形成するように成形され乾燥された。
坪量が11グラム/平方フィート(約118グラム/平方メートル)で、引張強さが約35kgf/m(343N/m)である、再構成たばこシートが得られた。

Claims (14)

  1. 再構成たばこシートを作製する方法であって、
    液体中のたばこ茎または葉柄の分散体を調製して、液体分散体を形成することであって、前記液体分散体の濃度が少なくとも約10重量パーセントであることと、
    濾水度(排水性)がショッパー・リグラー度で少なくとも約30度であり、かつ前記液体中に分散した長さが少なくとも約300マイクロメートルであるたばこ茎または葉柄の精製繊維を含むパルプ懸濁液を得るために前記液体分散体中の前記たばこ茎または葉柄を精製することと、
    スラリーを得るために前記パルプ懸濁液をたばこキャストリーフ材料と組み合わせることと、
    前記スラリーからシートを形成することと、を含み、
    前記再構成たばこシートが少なくとも約25重量キログラム/メートル(約245ニュートン/メートル)の引張強さを有する、方法。
  2. たばこ茎またはたばこ葉柄の前記液体分散体の前記濃度が少なくとも約15重量パーセントである、請求項1に記載の方法。
  3. たばこ茎またはたばこ葉柄の前記液体分散体の前記濃度が約20重量パーセント未満である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 長さが約1200マイクロメートル未満であるたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維のパルプ懸濁液を得るために前記液体分散体中の前記たばこ茎またはたばこ葉柄が精製される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記たばこ茎またはたばこ葉柄を精製する工程が、前記たばこ茎またはたばこ葉柄を第一の間隙で分離したディスク間で精製する第一の工程と、前記たばこ茎またはたばこ葉柄を前記第一の間隙より小さい第二の間隙で分離したディスク間で精製する第二の工程と、を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる再構成たばこシート。
  7. 坪量が約14グラム/平方フィート(約151グラム/平方メートル)未満であり、かつ長さが少なくとも約300マイクロメートルであるたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維と、たばこキャストリーフ材料と、を含む、請求項6に記載の再構成たばこシート。
  8. 前記シートの坪量が約11グラム/平方フィート(約119グラム/平方メートル)未満である、請求項7に記載の再構成たばこシート。
  9. 前記たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維の長さが約1200マイクロメートル未満である、請求項7または8に記載の再構成たばこシート。
  10. 前記たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維が前記シートの少なくとも30重量パーセントの割合を占める、請求項7〜9のいずれか1項に記載の再構成たばこシート。
  11. 前記たばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維が前記シートの少なくとも40重量パーセントの割合を占める、請求項7〜10のいずれか1項に記載の再構成たばこシート。
  12. 引張強さが少なくとも約30重量キログラム/メートル(約294ニュートン/メートル)である、請求項7〜1のいずれか1項に記載の再構成たばこシート。
  13. 再構成たばこシート材料を含む喫煙物品であって、前記再構成たばこシート材料の坪量が約14グラム/平方フィート(約151グラム/平方メートル)未満であり、引張強さが少なくとも約25重量キログラム/メートル(約245ニュートン/メートル)であり、長さが少なくとも約300マイクロメートルであるたばこ茎またはたばこ葉柄の精製繊維とたばこキャストリーフ材料とを含む、喫煙物品。
  14. 前記再構成たばこシート材料の引張強さが少なくとも約30重量キログラム/メートル(約294ニュートン/メートル)である、請求項1に記載の喫煙物品。
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