JP6708842B2 - 地中連続壁の止水構造及びその止水方法 - Google Patents

地中連続壁の止水構造及びその止水方法 Download PDF

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Description

本発明は、仕切り板方式の地中連続壁における止水構造及びその止水方法に関する。
仕切り板方式の地中連続壁工法は、地中に溝部を掘削し、当該溝部に予め仕切り板が設けられた鉄筋かごを建て込み、コンクリートを打設して壁体を構築する工法である。上記掘削からコンクリートの打設までの一連の施工は、エレメント単位で行われることになるが、先行エレメント(先行地中壁)と後行エレメント(後行地中壁)の継手部には、高い止水性が要求されている。
ところで、通常の施工方法では、先行地中壁の施工後から後行地中壁の施工までに所定の期間を必要とし、その間、先行地中壁に関しては、何らの措置を講じないことが一般的である。そのため、仕切り板と後行エレメントの間の溝部には泥水が満たされたままであり、当該仕切り板の後行エレメント側の表面にマッドケーキやスライムが付着してしまう場合がある。このように、マッドケーキ等が残留している状態で施工を継続すると、コンクリートの付着力が低下し、地中連続壁の止水性に悪影響を及ぼすことになることから、後行地中壁の掘削後、仕切り板の清掃を行うことにより対応している。
しかし、仕切り板の清掃は、大型のジョイントクリーナ等を用いて行うが、清掃状況を目視等により充分に確認することができないことから、マッドケーキ等の完全な除去は難しい。そのため、仕切り板方式の地中連続壁においては、仕切り板の近傍における止水対策が特有の課題となっている。
そこで、掘削溝の底面に沿って底面薬液注入管を略水平に設置し、掘削溝のコンクリート打継面に沿って下端まで打継面薬液注入管を略垂直に設置して、その打継面薬液注入管の下端を底面薬液注入管の端部に接続してから掘削溝にコンクリートを打設するとともに、そのコンクリートの硬化後、打継面薬液注入管に下端から薬液を供給して、地中連続壁の打継部及び底部に薬液を注入して周囲を薬液により固結させて止水する構造が提案されている(特許文献1参照)。
特開2016−8431号公報
従来の方法によっても、コンクリート打設直後に止水を行うことが可能な場合が存在する。しかし、漏水は施工現場ごとに特有の態様で生じうるものであり、漏水の場所及び時期等を特定することができないため、事後的かつ突発的に漏水が生じた場合には、効果的に対応することができないという問題点を有していた。また、従来の方法は、必ずしも打継面薬液注入管の設置態様の詳細が明らかではないが、コンクリート打継面の中央上面に露出して設けられており、構造上において邪魔になることや美感を損なうこと等の問題点を有していた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、施工が容易であり、止水性に優れ、かつ、施工後における複数回の漏水等に対応することが可能であり、さらに、通常時において、地中連続壁の使用の妨げにならず、美感に優れた地中連続壁における止水構造及びその施工方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は、掘削地盤にコンクリートを打設して構築される地中連続壁の止水構造において、先行地中壁に設置される、端面に仕切り板を有する鉄筋かごと、上記仕切り板の後行地中壁側の表面における深さ方向に付設される、外周面に複数の噴出孔を有する薬液噴出管とを備え、上記薬液噴出管の両端部が、直接又は接続管を介して、上記地中連続壁に埋設された収納部に収納されており、上記コンクリートの打設後に、上記収納部を露出可能となるように構成されている地中連続壁の止水構造を提供するものである。
ここで、収納部は、通常時には、先行地中壁又は後行地中壁の所定位置に一体的に埋設されており、使用時において、当該収納部を露出させて、薬液噴出管又は接続管を地中連続壁の外側から取り出すことができる構造であればよい。
本発明によれば、上記薬液噴出管の両端部が、直接又は接続管を介して、上記地中連続壁に埋設された収納部に収納されており、上記コンクリートの打設後に、上記収納部を露出可能となるように構成されている。そのため、事後的に、漏水の兆候が発現された際に、収納部を外部に露出させ、上記薬液噴出管又は接続管の一端から所定の手段で薬液を注入することにより、漏水の状況に応じて、適切な時期に最適な止水対策を行うことができる。
また、上記薬液噴出管の端部は、必要に応じて接続管を介装することにより、地中連続壁における所望の場所に設けられた収納部に収納することができるため、構造上、地中連続壁の使用の妨げになることを防止することができる。また、収納部は、地中連続壁に埋設されているため美感に優れた構造とすることができる。
さらに、上記薬液噴出管又は接続管の一端から所定の手段で、洗浄液を注入し、他端から排出することにより、薬液注入作業を行なった後に、薬液噴出管の内部を洗浄して、再度の使用に備えることができるため、複数回の漏水等に対応することが可能となる。
また、上記本発明の地中連続壁の止水構造において、上記薬液噴出管が2本以上である構成とすれば、一本の薬液噴出管が目詰まり等を起こして使用不能になった場合であっても、他の薬液噴出管を使用して、薬液を事後的に注入することができるため好適である。
また、本発明は、上記地中連続壁の止水構造を用い、上記薬液噴出管の少なくとも一方の端部から薬液を注入することを特徴とする地中連続壁の止水方法を提供するものである。
さらに、上記薬液の注入後に、上記薬液噴出管の内部の洗浄作業を行い、上記薬液の再注入に備えることとすれば好適である。
本発明の地中連続壁の止水方法によれば、効率的かつ容易に、上記本発明の地中連続壁の止水構造を用いて、所望時期に薬液注入を行うことにより効果的な止水対策を行うことができる。
本発明によれば、簡易な構造であり、かつ、止水性に優れ、施工が容易であり、施工後における複数回の漏水等に対応することが可能であり、さらに、通常時において、地中連続壁の使用の妨げにならず、美感に優れた地中連続壁における止水構造及びその施工方法を提供することができる。
本発明の地中連続壁の止水構造(第1実施形態)を適用する地中連続壁の一部を示す平面図である。 本発明の地中連続壁の止水構造(第1実施形態)を示す平面図である。 図2におけるX−X断面図である。 薬液噴出管を示す説明図である。 第1収納箱及び第2収納箱の設置態様を示す平面図である。 (a)は、薬液噴出管からの薬液注入時の状態を示す説明図であり、(b)は、薬液噴出管の洗浄時の状態を示す説明図である。 本発明の地中連続壁の止水構造(第2実施形態)の概略を示す側面図である。 本発明の地中連続壁の止水構造(第3実施形態)を示す平面図である。 本発明の地中連続壁の止水構造(第4実施形態)を示す平面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の止水構造(以下、「本止水構造」という場合がある。)及び本発明の地中連続壁の止水方法(以下、「本止水方法」という場合がある。)の実施形態の一例について詳細に説明する。なお、図面に基づく説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図1における上側を内空側、下側を地山側と称する。
[本止水構造]
図1に示すように、本止水構造T1(第1実施形態)が適用される地中連続壁Wは、掘削地盤にコンクリートを打設することにより所定間隔で構築される先行地中壁WSと後行地中壁WKとから構成されている。
本止水構造T1は、先行地中壁WSに設置される、両端面に仕切り板10を有する先行地中壁用鉄筋かご50と、当該仕切り板10の後行地中壁WK側の表面における深さ方向に付設される薬液噴出管20と、当該薬液噴出管20の両端部に接続されている可撓管26(接続管)と、当該可撓管26の各端部を収納する第1収納箱30及び第2収納箱35(収納部)を主要部としている。
図2及び図3に示すように、先行地中壁用鉄筋かご50は、複数本の縦筋と横筋により直方体形状に形成されており、その両端面に縦長矩形形状の鋼板である仕切り板10が設けられている(他方の仕切り板は図示せず)。
両側の仕切り板10の間には、地山側及び内空側の両側に、防護プレート61により保持された状態で、先行地中壁用鉄筋かご50の両側面を覆うようにキャンバスシート62が設けられている。
また、仕切り板10から、後行地中壁WK側に所定長の横筋12,13が突出しており、後行地中壁用鉄筋かご55の横筋と一部オーバーラップするように配筋されている。
上記仕切り板10の後行地中壁WK側の表面には、地山側の横筋13に近接して、定着具16により、深さ方向の全体に薬液噴出管20が取り付けられている。上記仕切り板10のウエブにおける上記薬液噴出管20の上下の両端部の近傍には、上記薬液噴出管20を先行地中壁WSの方向に挿通するための貫通孔11が設けられている。
但し、薬液噴出管20は、上記定着具16によって取り付けられる必要はなく、例えば、横筋13に段取り筋を取り付けて、これに薬液噴出管20を結束すること等によって取り付けることができる。
また、上記仕切り板10における後行地中壁側WKの略中央部の長手方向の全体には、仕切り板10に付着したマッドケーキ洗浄用ブラシ等のガイド材としてのH形鋼材52が、フランジがその表面と接する態様で設けられている。
上記薬液噴出管20は、公知の管体を使用することができる。図4に示すように、本実施形態の薬液噴出管20では、複数の噴出孔(図示せず)が形成された中空円管21と、各噴出孔から薬液が中空円管21の内部へ再流入することを防止するための連続弁24(逆止弁)とを備えている。
硬質プラスチック樹脂製である中空円管21は、中心を基準として90度の位置でありその長手方向に4本の突条22が突設されており、隣接する突条の間に4本の排出溝が形成されている。この排出溝の長手方向には、所定間隔で噴出孔が形成されている。
この噴出孔を塞ぐように帯状の連続弁24が設けられており、その両端部に高分子樹脂製のメッシュ部材25が捲回されることにより、中空円管21に取り付けられている。この構造により、通常時には、連続弁24が排出溝に収容されて噴出孔が閉塞されているため、薬液等が中空円管21の内部に逆流することが防止されている。一方、薬液の注入時には、連続弁24の中間部が排出溝から離反することにより噴出孔を開放し、当該噴出孔から薬液を注入できるようになっている。
上記薬液噴出管20は、その両端部がPVC製である耐圧性能を有する可撓管26に接続されている。各可撓管26は、仕切り板10の上下の各貫通孔11に挿通されて、先行地中壁WS側に延出し、先行地中壁用鉄筋かご50を構成する配筋の適宜の位置に結束することにより取り付けられている。
図5に示すように、金属製の第1収納箱30及び第2収納箱35は同一構造であり、取付孔31a,36a及び可撓管26の挿通孔(図示せず)を有する台座31,36と、開閉可能である有蓋の中空の円筒体32,37を備えている。
また、上記挿通孔は、台座31,36における円筒体32,37の下部の中央位置に形成されている。所定長の可撓管26は、コンクリートを斫った際に損傷しないように、その端部が、台座31、36の下方から挿通され、円筒体32,37の内部に捲回された状態で収納されている。そして、蓋部を開いた状態で、当該可撓管26の端部を引き出し、連結管43を介して、薬液注入ポンプ41及び洗浄液槽45、並びに、真空タンク42及び吸引ポンプ44と接続できるように構成されている。
上記第1収納箱30と第2収納箱35は、先行地中壁用鉄筋かご50を構成する内空側の上部の配筋に並んで取り付けられている。上記第1収納箱30と第2収納箱35は、通常時は、コンクリートにより先行地中壁WSと一体的に形成されており、当該先行地中壁WSに埋設されている。但し、マーキング等が施されることにより、その位置が特定できるようになっており、使用時には、コンクリートを斫ることにより、第1収納箱30と第2収納箱35を外部に露出可能となっている。
このように構成されていることにより、薬液注入時には、上記第1収納箱30又は第2収納箱35に収納されている可撓管26の端部に薬液注入ポンプ41を接続し、他方の可撓管26の端部を閉塞した状態として、当該薬液注入ポンプ41を稼働させて、薬液噴出管20の噴出孔から薬液を注入できるようになっている。また、洗浄時には、第1収納箱30又は第2収納箱35に収納されている可撓管26の端部に真空タンク42及び吸引ポンプ44を接続し、他方の収納箱35、30に収納されている可撓管26と洗浄液槽45とを連通させることにより、薬液噴出管20に洗浄液を導液し、その内部を洗浄できるようになっている(図6)。
[本止水構造の作用効果]
本止水構造T1によれば、先行地中壁用鉄筋かご50の両端面に仕切り板10が横設され、かつ、当該仕切り板10の長手方向に複数の噴出孔を備える薬液噴出管20が付設されているという簡易な構造により、仕切り板10の近傍における漏水部に、容易に薬液の注入を行うことが可能となる。
また、通常時には、上記薬液噴出管20の両端部が、可撓管26を介して第1収納箱30及び第2収納箱35に収納されており、使用時には、当該第1収納箱30又は第2収納箱35を斫り出し、可撓管26を薬液注入ポンプ41に接続して、事後的に当該薬液噴出管20に薬液を注入可能となるように構成されているため、漏水の状況に応じて、適切な時期に止水対策を行うことができる。加えて、本止水構造T1によれば、2つの第1収納箱30及び第2収納箱35に可撓管26が収納されているため、漏水箇所に応じて、いずれかの可撓管26を使用することができる。
また、第1収納箱30及び第2収納箱35は、通常時には、コンクリートにより先行地中壁WSと一体的に形成され、当該先行地中壁WSに埋設されているため、構造上、地中連続壁Wの使用の妨げになることを防止することができ、美感に優れた構造とすることができる。
さらに、可撓管26を介して、事後的に当該薬液噴出管20に洗浄液を注入可能となるように構成されているため、薬液注入作業を行なった後に、薬液噴出管20の内部を洗浄して、再度の使用に備えることができるため、複数回の漏水等に対応することが可能となる。
[本止水方法]
次に、本止水方法について説明するが、その前に、本止水構造を適用した地中連続壁Wの施工方法について、簡単に説明する。
地中連続壁Wの施工方法は、(1)先行地中壁掘削工程、(2)先行地中壁用鉄筋かご製作工程、(3)先行地中壁構築工程、(4)後行地中壁施工工程の各工程を有している。
(1)先行地中壁掘削工程
本工程は、構築対象の地中連続壁Wにおける先行地中壁WSのための掘削溝を形成する工程であり、公知の方法を採用することができる。
(2)先行地中壁用鉄筋かご製作工程
本工程は、先行地中壁用鉄筋かご50を製作する工程である。
まず、本工程では、薬液噴出管20の両端部に可撓管26を接続しておくこと、仕切り板10の所定部に貫通孔11を穿設しておくこと等の事前準備を行う。
次に、先行地中壁用鉄筋かご50の両端面に仕切り板10を取り付ける。そして、各仕切り板10の後行地中壁WKの側の表面における長手方向に、上記薬液噴出管20を定着具16により取り付け、可撓管26を貫通孔11に挿通する。
続いて、先行地中壁WS側の内空側における上部の配筋に第1収納箱30及び第2収納箱35を取り付け、各可撓管26の端部を収納する。
さらに、先行地中壁用鉄筋かご50の地山側及び内空側に位置する側面をキャンバスシート62で被装することになる。
(3)先行地中壁構築工程
本工程は、先行地中壁WSの掘削溝に上記先行地中壁用鉄筋かご50を建て込み、コンクリートの打設を行うことにより、先行地中壁WSを構築する作業を行う工程であり、公知の方法を採用することができる。
(4)後行地中壁施工工程
本工程は、上記工程により構築した先行地中壁WSに隣接する後行地中壁WKを施工する工程である。本工程では、掘削溝の形成、後行地中壁用鉄筋かご55の建て込み及びコンクリート打設等の各施工に関して、公知の方法を採用することができる。
続いて、本止水方法について説明する。
本止水方法は、本止水構造T1を用いて、地中連続壁Wの仕切り板10の近傍に漏水の兆候が発現された場合等、所望の時期に、事後的に薬液注入を行うものである。
本止水方法では、予めマーキング等をしておいた第1収納箱30及び第2収納箱35の近傍における先行地中壁WSのコンクリートを斫り、第1収納箱30及び第2収納箱35を外部に露出させる。その際、可撓管26は、台座31,36の下方から円筒体32,37に収納されているため、当該可撓管26が破損等することはない。そして、第1収納箱30における可撓管26に連結管43を接続して、薬液噴出管20と薬液注入ポンプ41を連通させるとともに、第2収納箱35における可撓管26を閉塞する。その後、薬液注入ポンプ41を稼働させ、薬液噴出管20から薬液を注入し、当該薬液を固化させる作業を行う(図6(a))。
その後、第1収納箱30における可撓管26に連結管43を接続して、薬液噴出管20と真空タンク42及び吸引ポンプ44を連通させるとともに、第2収納箱35の可撓管26に接続した連結管43を介して、薬液噴出管20と洗浄液槽45を連通させる。そして、吸引ポンプ44を稼働させ、薬液噴出管20に洗浄液を導液し、その内部を洗浄する作業を行う(図6(b))。
なお、使用した第1収納箱30及び第2収納箱35は、再度、先行地中壁WSに埋め戻すことや、所定の方法で被覆等をしておくことにより、再度の使用に備えておくことになる。
本施工方法によれば、効率的かつ簡易に本止水構造T1を構築し、所望時期に薬液注入を行うことにより、漏水の状況に応じた適切な止水対策を行うことができる。また、当該薬液注入作業の終了後に薬液噴出管20を洗浄することにより、管内の目詰まり等を防止し、薬液噴出管20の再利用に備えることにより、複数回の利用を可能とすることができる。
[本止水構造の他の実施形態]
続いて、本止水構造の他の実施形態について説明する。
(1)第2実施形態
本止水構造T2の第2実施形態は、薬液噴出管20の上下端部に接続されている可撓管26の設置態様が、第1実施形態の本止水構造T1と異なっている。
すなわち、本止水構造T2は、仕切り板10’に貫通孔が形成されている構造ではなく、可撓管26を仕切り板10’の上方及び下方を通過させて、先行地中壁WSの側に導出する構造である(図7)。
なお、可撓管26は、第1実施形態の本止水構造T1と同様に、先行地中壁用鉄筋かご50を構成する配筋の適宜の位置に結束することにより取り付けられている(以下に説明する他の実施形態においても同様である)。
このように、本実施形態によれば、仕切り板10’に穿孔する必要がないため、地中連続壁Wの深さが比較的深くない場合等において当該仕切り板10’の上方及び下方に可撓管26を通過させることができる場合には、施工が容易となる点で好適である。
(2)第3実施形態
本止水構造T3の第3実施形態は、第1収納箱30と第2収納箱35の設置場所が、第1実施形態の本止水構造T1と異なっている。すなわち、本止水構造T3では、仕切り板10に近接した後行地中壁WKの内空側における上面の配筋に、第1収納箱30と第2収納箱35が設けられている(図8)。
このように、第1収納箱30と第2収納箱35の設置位置には制限はなく、施工対象である地中連続壁Wの態様に応じて適切な位置に設けることができるため、設計上の自由度に優れた構造とすることができる。
(3)第4実施形態
本止水構造T4の第4実施形態は、第1実施形態の本止水構造T1における薬液噴出管20に加えて、内空側に、さらに1本の薬液噴出管20’(以下、「第2薬液噴出管」という。)を備える構造となっている(図9)。すなわち、本止水構造T4では、仕切り板10”の後行地中壁WKの側の表面における内空側の各横筋12に近接して、定着具16により、その長手方向の全体に第2薬液噴出管20’が取り付けられている。そして、仕切り板10のウエブにおける上記第2薬液噴出管20’の上下の両端部の近傍には、当該第2薬液噴出管20’を先行地中壁WSの方向に挿通するための第2貫通孔(図示せず)が設けられている。
上記第2薬液噴出管20’の両端部は、可撓管26に接続されている。各可撓管26は、仕切り板10”の第2貫通孔に挿通されて、先行地中壁WSの側に延出し、先行地中壁用鉄筋かご50を構成する配筋の適宜の位置に取り付けられている。上記各可撓管26の端部は、第1実施形態における第1収納箱30及び第2収納箱35に近接して設置されている第3収納箱30’及び第4収納箱35’に収納されている(第3収納箱30’及び第4収納箱35’の構造は、第1実施形態における第1収納箱30と同様である)。
本発明によれば、可撓管26に接続されている2本の薬液噴出管20,20’を備え、各可撓管26の端部は、第1収納箱30〜第4収納箱35’に収納されていることから、一本の薬液噴出管20が目詰まり等を起こして使用不能になった場合であっても、第2薬液噴出管20’を使用して、薬液を事後的に注入することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各要素に関して、適宜設計変更が可能である。
例えば、鉄筋かご及び仕切り板に関して、その材質及び形態等は制限されるものではない。また、薬液噴出管は3本以上であってもよく、その材質、形状、取付位置は適宜、定めることができる。
また、薬液は、注入後に固化して、止水性を向上させるために用いられるものであり、その効果を奏する液剤であればその種類は問わないものであり、エポキシ樹脂やウレタン樹脂等を用いることができる。さらに、洗浄液についても、薬液噴出管の内部に残留している薬液が管内で固化しないように洗い流す効果を奏するために使用される液体であり、薬液が樹脂の場合は、それぞれの樹脂に対応した溶剤を使用し、液剤がセメントペーストの場合は水を使用することが好適である。
また、収納部の構造及び取付位置、接続管の端部の収納部への収納態様、薬液及び洗浄液の供給方法等も特段制限はなく、事後的に薬液及び洗浄液を注入可能となるように、地中連側壁の外面に露出できるようになっていればよい。
W 地中連続壁
WS 先行地中壁
WK 後行地中壁
T1〜T4 止水構造
10,10’,10” 仕切り板
20,20’ 薬液噴出管
21 中空円管
24 連続弁
26 可撓管
30 第1収納箱(収納部)
30’ 第3収納箱(収納部)
35 第2収納箱(収納部)
35’ 第4収納箱(収納部)
50 先行地中壁用鉄筋かご
55 後行地中壁用鉄筋かご

Claims (3)

  1. 掘削地盤にコンクリートを打設して構築される地中連続壁の止水構造において、
    先行地中壁に設置される、端面に仕切り板を有する鉄筋かごと、
    前記仕切り板の後行地中壁側の表面における深さ方向に付設される、外周面に複数の噴出孔を有する薬液噴出管とを備え、
    前記薬液噴出管の両端部が、直接又は接続管を介して、前記地中連続壁に埋設された収納部に収納されており、
    前記コンクリートの打設後に、前記収納部を露出可能となるように構成されていることを特徴とする地中連続壁の止水構造。
  2. 前記薬液噴出管が2本以上であることを特徴とする請求項1に記載の地中連続壁の止水構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の地中連続壁の止水構造を用い、
    前記薬液噴出管の少なくとも一方の端部から薬液を注入することを特徴とする地中連続壁の止水方法。

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