JP6708828B2 - 自律走行装置及びその開始位置判定プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、手動操作及び自動操作に応じた走行が可能な自律走行装置及びその開始位置判定プログラムに関する。
従来、産業用(業務用)の清掃ロボット等の自律走行装置は、家庭用の掃除ロボット等の自律走行装置と異なり、作業面積(清掃面積)が広く、作業時間(清掃時間)も長くかかる上、作業時間が限定されるので、移動速度が速く設定される。そのため、産業用の自律走行装置は、大型の作業機構(清掃パッド等を有する清掃部)や大型のバッテリーが必要となり、洗浄液で床面を清掃する湿式の清掃部を備える場合には、洗浄液タンクや汚水タンクを内部に設けるので、家庭用の自律走行装置に比べて大型で、重量が重く構成される。従って、自律走行装置の自律走行中に、商品棚や壁、更には人に衝突した場合、破損や怪我を負わせるリスクが高いので、自律走行には高い精度が要求される。
産業用の自律走行装置は、自律走行の高い精度を満たし、また作業現場でのプログラム作業の負担を軽減するために、事前に走行経路及び作業内容(清掃方法等)を実施して記憶させる教示走行(ティーチング)及び再現走行(トレース)の機能を備えたものが適している。そして、自律走行装置は、教示走行において作成した作業走行地図を用いて再現走行(自律走行)を行う。自律走行装置は、自律走行の精度を高めると共に衝突のリスクを回避するため、作業走行地図に対して設定されたスタート位置(開始位置)に正確に配置された場合に、作業走行地図上の教示走行経路に沿って自律走行(再現走行)を行う。
例えば、特許文献1の自律移動体(自律走行装置)は、教示走行モードにおいて、操作者から入力された走行命令からモータの制御量を出力し、環境地図上の自己位置を推定し、自機の周囲における障害物の位置情報を取得し、障害物の位置情報を取得した時刻に対応させて障害物の位置情報を環境地図復元用データとして記憶部に記憶させ、走行スケジュールを作成して記憶部に記憶させる。
特開2014−219721号公報
上記したような自律走行装置の操作者は、再現走行を準備するために自律走行装置を開始位置へと移動させて配置する。自律走行装置では、この移動後の実際の自己位置(以下、準備位置と称する)を判定するために、レーザーレンジファインダ(LRF:Laser Range Finder)等を用いて準備位置の周囲の環境情報を取得し、この環境情報に基づいて準備位置の周囲の局所地図を作成する。
しかしながら、この準備位置における定点観測で環境情報を取得しても、死角が多く含まれる。また、準備位置が教示された開始位置から少しでもずれていると、作業走行地図と比べて変形した局所地図が作成されてしまう。正確な局所地図を作成するためには、作業領域の長さの半分以上の計測可能範囲を有するLRFが必要となるが、作業領域が広い程、計測可能範囲が大きなLRFを備えなければならず、コストアップにつながってしまう。
また、自律走行装置では、準備位置を有する局所地図を、開始位置を有する作業走行地図にマッチングさせて、準備位置が開始位置に一致するか否かを判断する。ここで、局所地図と作業走行地図との一致を判断する基準の一致率(スコア)を高く設定すると、再現走行(自動清掃作業)に簡単に移行することができず、手間が掛かる。一方、基準の一致率(スコア)を低く設定すると、誤った準備位置でも一致しやすくなり、開始位置から外れた自律走行装置の再現走行(自動清掃作業)が行われてしまい、再現走行の精度が低下してしまう。そのため、自律走行装置を作業走行地図の走行経路に沿って走行させることができずに、走行経路から外れたり、壁や商品棚等の障害物に衝突したりするリスクが高くなる。
更に、直線状の壁が長く続く体育館等のように単調で似通った形状が広がる作業領域では、作業走行地図における開始位置を認識するための特徴点が少ないため、再現走行前の準備位置と開始位置との一致の判定が困難になる。また、このような作業領域では、開始位置の設定が特徴点の近く等に限定されてしまう。
本発明は、上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、コストを上げることなく、作業走行地図の開始位置の許容範囲を広げると共に、開始位置の認識作業を容易にし、再現走行に伴う作業を円滑に進めることを可能とする自律走行装置及びその開始位置判定プログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の自律走行装置は、手動操作入力に基づく走行、及び自動操作入力に基づく自律的な走行が可能な自律走行装置であって、装置本体と、前記装置本体を走行させる走行部と、前記装置本体と該装置本体の周囲の物体との距離及び角度を計測する計測部と、教示走行モードと再現走行モードとを切り換えるモード切換部と、前記計測部で計測された距離及び角度を座標変換して前記装置本体の周囲の局所地図を作成する地図作成部と、前記教示走行モードの実行時に、手動操作入力に応じて前記走行部が前記装置本体を走行させる間に、前記計測部及び前記地図作成部を作動させて、前記局所地図をつなぎ合わせることにより、前記装置本体が開始位置から終了位置まで至る走行経路及び該走行経路の周囲の作業走行地図を作成して記憶させる教示走行制御部と、前記再現走行モードの実行時に、前記走行経路及び前記作業走行地図に従った自動操作入力によって、前記開始位置にある前記装置本体を走行させるように前記走行部を制御する再現走行制御部と、前記教示走行モード及び前記再現走行モードの何れも実行しないときに、手動操作入力に応じて前記走行部が前記装置本体を前記再現走行モードの実行開始時点の準備位置まで移動させる間に、前記計測部及び前記地図作成部を作動させて、前記装置本体が前記準備位置まで至る移動経路の各位置で前記局所地図を作成し、前記各位置の前記局所地図をつなぎ合わせることにより前記移動経路の周囲のプレ学習地図を作成して記憶させるプレ学習地図作成部と、前記作業走行地図に対する前記プレ学習地図のマッチング処理を行うと共に、前記マッチング処理の結果として前記プレ学習地図が前記作業走行地図上で対応する対応位置を基準として、前記作業走行地図上の前記開始位置と前記プレ学習地図上の前記準備位置とを比較して、前記準備位置の前記開始位置からの誤差を取得する位置判定部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第1の自律走行装置によれば、作業走行地図上の開始位置や再現走行の準備段階で移動した実際の準備位置の周辺において、壁や置物等の物体の配置や形状といった特徴点が少ない場合でも、準備位置で得られる局所地図だけでは把握できない準備位置の周囲の環境を、プレ学習地図を用いて把握することができる。そして、再現走行のために移動した後の実際の準備位置をプレ学習地図によって正確に認識することができる。そのため、自律走行装置では、作業走行地図とプレ学習地図とのマッチング処理により、作業走行地図上における実際の準備位置を正確に認識することができる。また、自律走行装置は、作業走行地図上の開始位置と実際の準備位置との誤差を取得して準備位置に対する開始位置を認識することができるので、その誤差を表示やアナウンスによって操作者に知らせることが可能となり、操作者は自律走行装置を開始位置まで正確に移動させることが可能となる。このため、自律走行装置を作業走行地図の走行経路上で正確に再現走行させることができ、自律走行装置が走行経路から外れたり、自律走行装置が壁や商品棚等の障害物に衝突したりするリスクを回避することができる。このようにして、自律走行装置では、再現走行の精度を良好に維持することが可能となる。
上記課題を解決するために、本発明の第2の自律走行装置は、上述した本発明の第1の自律走行装置において、前記位置判定部によって前記準備位置と前記開始位置との誤差を取得したときに、前記装置本体を前記準備位置から前記開始位置まで移動させるように前記走行部を制御する位置補正部を更に備えることを特徴とする。
本発明の第2の自律走行装置によれば、再現走行を実施する際に、操作者が自律走行装置を開始位置に正確に配置する煩雑な手間を少なくし、操作者の負担を軽くすることが可能となる。
上記課題を解決するために、本発明の第3の自律走行装置は、上述した本発明の第1又は第2の自律走行装置において、前記位置判定部は、前記マッチング処理の結果、最高一致率が所定の下限値以下の場合に、前記マッチング処理を失敗と判定することを特徴とする。
本発明の第3の自律走行装置によれば、作業走行地図の選択に誤りがある場合には、位置判定部によるマッチング処理で最高一致率が所定の下限値以下となるので、マッチング処理が失敗となり、誤った作業走行地図を用いた再現走行を回避することができる。また、マッチング処理の失敗、即ち、作業走行地図の選択に誤りを表示やアナウンスによって操作者に知らせることが可能となり、清掃領域等の作業領域の選択ミスを回避することができる。
上記課題を解決するために、本発明の第4の自律走行装置は、上述した本発明の第1ないし第3の何れかの自律走行装置において、前記位置判定部は、前記作業走行地図上の各位置の候補地図と前記プレ学習地図から前記準備位置を基準として所定の大きさに絞り込んだ比較地図との前記マッチング処理を行い、最高一致率が得られた第1対応位置と、前記最高一致率と近似する一致率が得られた少なくとも1つの第2対応位置とが存在する場合、前記比較地図を大きくしながら前記マッチング処理を繰り返すことを特徴とする。
本発明の第4の自律走行装置によれば、近似する一致率を無くし、最高一致率のみに絞り込むことで、作業走行地図上で準備位置を正確に認識する事ができる。
上記課題を解決するために、本発明の第5の自律走行装置は、上述した本発明の第1ないし第4の何れかの自律走行装置において、前記位置判定部は、前記プレ学習地図との前記マッチング処理を行う前記作業走行地図内の範囲を、前記開始位置を基準として前記計測部の計測可能範囲までに絞り込むことを特徴とする。
本発明の第5の自律走行装置によれば、位置判定部のマッチング処理は、作業走行地図の全域を用いる場合に比べて、計算処理の時間を短縮することが可能となり、短い時間で作業走行地図上の準備位置を認識することができる。
上記課題を解決するために、本発明の第6の自律走行装置は、上述した本発明の第1ないし第4の何れかの自律走行装置において、前記位置判定部は、前記プレ学習地図との前記マッチング処理を行う前記作業走行地図内の範囲を、前記開始位置を基準として所定の条件に応じた大きさに絞り込むことを特徴とする。
本発明の第6の自律走行装置によれば、位置判定部のマッチング処理は、作業走行地図の全域を用いる場合に比べて、所定の条件に応じて計算処理の時間を短縮することが可能となり、短い時間で作業走行地図上の準備位置を認識することができる。
上記課題を解決するために、本発明の第7の自律走行装置は、上述した本発明の第1ないし第6の何れかの自律走行装置において、前記位置判定部は、前記作業走行地図との前記マッチング処理を行う前記プレ学習地図を、前記準備位置を基準として特徴点の数に応じた大きさに絞り込むことを特徴とする。
本発明の第7の自律走行装置によれば、作成したプレ学習地図の形状の複雑さに応じて、マッチング処理を行う範囲を変更させることにより、作業走行地図上の準備位置(自己位置)の適切な認識と、マッチング処理の計算処理時間の短縮、即ち、再現走行に移行する時間の短縮とを両立することができる。例えば、プレ学習地図の形状が複雑で特徴点が多い場合には、マッチング処理に用いる範囲を小さくし、プレ学習地図の形状が単純で特徴点が少ない場合には、マッチング処理に用いる範囲を大きくする。
上記課題を解決するために、本発明の第8の自律走行装置は、上述した本発明の第1ないし第7の何れかの自律走行装置において、前記作業走行地図上の前記対応位置を前記プレ学習地図を用いて再構成して前記作業走行地図を再作成する地図再作成部を更に備えることを特徴とする。
本発明の第8の自律走行装置によれば、作業走行地図の特徴に加えて、プレ学習地図の特徴も利用して、より適切な作業走行地図を作成することができる。このため、教示走行モードで作成した作業走行地図の開始位置周辺に特徴が少ない場合でも、プレ学習地図の特徴も合わせた作業走行地図を利用できるので、作業走行地図上の実際の準備位置を確実に認識することができる。
上記課題を解決するために、本発明の第9の自律走行装置は、上述した本発明の第1ないし第8の何れかの自律走行装置において、手動操作入力及び自動操作入力に基づく清掃作業が可能な清掃部を更に備え、前記教示走行制御部は、前記教示走行モードの実行時に、手動操作入力に応じて設定された前記清掃部の清掃条件を前記走行経路における位置と対応付けて記憶させ、前記再現走行制御部は、前記再現走行モードの実行時に、前記走行部が前記装置本体を前記走行経路に沿って走行させる間、前記装置本体の位置に対応する前記清掃条件に従った自動操作入力によって、前記清掃作業を行うように前記清掃部を制御することを特徴とする。
本発明の第9の自律走行装置によれば、清掃作業を自律的に行うことで、速く正確に床面を清掃することができ、床面清掃にかかる人手を減らすことができる。
上記課題を解決するために、本発明の第10の自律走行装置は、上述した本発明の第1ないし第9の何れかの自律走行装置において、前記走行部及び各部に電力を供給する電源の容量の残量を検出する電源残量検出部と、教示走行時に要した電力に基づいて再現走行に必要とする電源容量を算出する電源容量算出部と、を更に備え、前記電源残量検出部によって検出された電源の残量と、前記電源容量算出部にて算出した再現走行に必要とする電源容量とを比較し、前記電源の残量が再現走行に必要とする電源容量より少ないときには、再現走行を完遂できないと判断してエラー表示させることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の第11の自律走行装置は、上述した本発明の第9の自律走行装置において、前記清掃部の洗浄液タンク及び汚水タンクに設けられる液量検出センサと、前記洗浄液タンク内の洗浄液量及び前記汚水タンク内に回収できる汚水量を算出する液量算出部と、を更に備え、前記液量算出部は、前記液量検出センサで検出される教示走行時に要した洗浄液量及び教示走行時に回収した汚水量をもとに、再現走行に必要とする洗浄液量及び再現走行で発生する汚水の回収量を算出して制御部に出力し、前記制御部は、前記洗浄液タンク内の洗浄液量及び前記汚水タンクへ回収できる汚水量と、再現走行に必要とする洗浄液量及び汚水の回収量とを比較し、前記洗浄液タンク内の洗浄液量が再現走行に使用する洗浄液量より少ないとき、又は前記汚水タンクへ回収できる汚水量が再現走行で発生する汚水の回収量より少ないときには、再現走行を完遂できないと判断してエラー表示させることを特徴とする。
本発明の第10又は第11の自律走行装置によれば、自律走行装置が再現走行できるか否かを自律的且つ事前に判断して、その判断結果を表示やアナウンスによって操作者に知らせることができる。このため、操作者は、再現走行中に起こる可能性のある不具合に事前に対処することができ、再現走行をより確実に実施することができる。
上記課題を解決するために、本発明の第1の開始位置判定プログラムは、上述した本発明の第1ないし第11の何れかの自律走行装置において、該自律走行装置の開始位置を判定する開始位置判定プログラムであって、前記モード切換部と、前記地図作成部と、前記教示走行制御部と、前記再現走行制御部と、前記プレ学習地図作成部と、前記位置判定部と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、自律走行装置及びその開始位置判定プログラムは、コストを上げることなく、作業走行地図の開始位置の許容範囲を広げると共に、開始位置の認識作業を容易にし、再現走行に伴う作業を円滑に進めることを可能とする。
本発明の実施形態に係る自律走行装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る自律走行装置のコントロールパネルを示す平面図である。 本発明の実施形態に係る自律走行装置が使用される作業領域を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る自律走行装置によって作成される作業走行地図の例を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る自律走行装置によって作成されるプレ学習地図の例を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る自律走行装置によって作成される作業走行地図において用いられる第1参照範囲及び第2参照範囲の例を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る自律走行装置によって作成されるプレ学習地図において用いられる第1比較地図及び第2比較地図の例を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る自律走行装置おける動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な具体例であって、種々の好ましい技術を開示しているが、本発明の技術範囲はこれらの態様に限定されるものではない。
本発明の実施形態による自律走行装置1について説明する。自律走行装置1は、手動操作入力に基づく走行、及び自動操作入力に基づく自律的な走行が可能な車両であって、手動走行モード、教示走行モード及び再現走行モードの何れかの動作モードで基本的には動作する。
図1に示すように、自律走行装置1は、各部を収容するための装置本体2と、装置本体2を走行させる走行部3と、走行部3の手動操作入力を受け付けるハンドル部4とを備える。自律走行装置1は、所定の作業を実行する作業機構を装置本体2に搭載することができ、例えば、装置本体2の下方の床面の清掃作業を実行する清掃部5を備えて、床面洗浄機として実現することができる。また、自律走行装置1は、装置本体2とこの装置本体2の周囲の壁や置物等の障害物(物体)との距離及び角度(例えば、装置本体2の前進方向に対する角度)等を計測する計測部6を備える。更に、自律走行装置1は、自律走行装置1の各部及び各種機能(走行部3による走行、清掃部5による清掃作業、計測部6による計測等)を統括制御する制御部7と、各種機能の操作や表示のためのコントロールパネル8と、各部に電力を供給するための電源装置9とを備える。
走行部3は、装置本体2の下部に一体的に設けられていて、自在式の補助輪として1つの前輪11と、固定式の駆動輪として2つの左右後輪12、13と、2つの後輪12、13をそれぞれ駆動する2つの左右モータ14、15とを備える。前輪11は、装置本体2の下面前側で左右方向中央に設けられ、後輪12、13は、装置本体2の下面後側で左右方向両側にそれぞれ設けられる。各モータ14、15は、装置本体2内に設けられ、駆動ギア(図示せず)を介して各後輪12、13の回転軸(図示せず)に接続されている。走行部3では、2つのモータ14、15が2つの後輪12、13を同時に回転させることで装置本体2を前進又は後退させることができる一方、左後輪12又は右後輪13を停止させると同時に右後輪13又は左後輪12を回転させることで装置本体2を左旋回又は右旋回させることができる。
また、走行部3は、正常又は異常を検出する異常検出部として、例えば、前輪11において所定深さ(例えば、4cm)の凹みを検出する段差センサ(図示せず)、後輪12、13のスリップを検出するスリップセンサ(図示せず)等を備えていて、正常な走行を妨げる異常を検出した場合に制御部7に対して異常信号を出力する。
ハンドル部4は、装置本体2の上面後側において左右方向中央に設けられる。ハンドル部4は、前方及び後方にスライド可能で、更に、上方視で反時計回り(左回り)及び時計回り(右回り)に回動可能に構成されている。ハンドル部4はアクセルグリップ(図示せず)を備えていて、ハンドル部4を前方にスライドしアクセルグリップを前にひねることで装置本体2が前進可能となり、ハンドル部4を後方にスライドしアクセルグリップを後ろにひねることで装置本体2が後退可能となる。ハンドル部4は、アクセルグリップの操作量に応じて、装置本体2の前進及び後退の速度を調整可能である。また、ハンドル部4を左回りに回動することで装置本体2が左旋回可能(左後輪12停止)となり、ハンドル部4を右回りに回動することで装置本体2が右旋回可能(右後輪13停止)となる。
清掃部5は、初期設定された清掃条件、コントロールパネル8を介して設定された清掃条件、又は自動操作入力によって設定された清掃条件に従って床面を清掃するように構成される。清掃部5は、例えば、液体を用いた湿式の清掃手法によって床面を清掃する機構であり、洗浄パッドや洗浄ブラシ等の洗浄用部材17と、洗浄用部材17へと洗浄液を供給する洗浄液供給部18と、洗浄用部材17での使用後の洗浄液、即ち、汚水を吸引する吸引部19とを備える。
洗浄用部材17は、装置本体2の下面中央に回転可能に設けられ、床面に接触すると共に回転することで床面を清掃する。洗浄用部材17は、装置本体2に対して着脱可能であり、即ち、交換可能な部材である。
洗浄液供給部18は、洗浄液を貯蔵する洗浄液タンク(図示せず)、洗浄液タンクと洗浄用部材とを連通する給水ホース(図示せず)、及び給水ポンプ(図示せず)等を備える。洗浄液供給部18は、給水ポンプによって洗浄液タンクから給水ホースを介して洗浄用部材17へと洗浄液を供給する。
吸引部19は、床面上の汚水を吸引するスキージ(図示せず)、汚水を回収する汚水タンク(図示せず)、スキージと汚水タンクとを連通する吸引パイプ(図示せず)、吸引パイプ内を負圧にする吸引モータ(図示せず)等を備える。スキージは、左右方向に長い部材であり、装置本体2の下面において洗浄用部材17よりも後方に設けられ、床面に接触して洗浄用部材17からの汚水を装置本体2の後方に逃がすことなく吸引する。吸引部19は、吸引モータによって吸引パイプ内を負圧にすることで、スキージから吸引パイプを介して汚水を吸引すると共に汚水タンクへと回収する。なお、吸引部19は、吸引ブロワによって汚水を吸引するように構成されてもよい。
上記のような清掃部5における清掃条件には、洗浄用部材17の回転の作動/停止、洗浄液供給部18による洗浄液供給の作動/停止、吸引部19による吸引の作動/停止、洗浄用部材17の床面に対する接地圧の強度、洗浄液供給部18による洗浄液供給量、吸引部19による吸引強度等がある。
また、清掃部5は、正常又は異常を検出する異常検出部として、例えば、洗浄用部材17が取り付けられていない状態を検出する部材取付センサ(図示せず)、洗浄液タンクの洗浄液が不十分な状態を検出できる洗浄液量検出センサ(図示せず)、汚水タンクが満杯か否かを検出できる汚水液量検出センサ(図示せず)等を備えていて、正常な清掃作業を妨げる異常を検出した場合に制御部7に対して異常信号を出力する。更に、清掃部5は、洗浄液量検出センサで検出される教示走行時に要した洗浄液の量をもとに再現走行に使用する洗浄液量を算出し、また、汚水液量検出センサで検出される教示走行時に回収した汚水の量をもとに再現走行で発生する汚水の回収量を算出する液量算出部(図示せず)を備える。また、液量算出部は、再現走行の開始前の洗浄液タンク内の洗浄液の量及び汚水タンクに回収できる汚水の量を算出し、制御部7に出力する。制御部7は、再現走行開始前の洗浄液タンク内の洗浄液の量が再現走行に使用する洗浄液量より少ないと判断したときや、再現走行の開始前の汚水タンクに回収できる汚水量が再現走行で発生する汚水の回収量より少ないと判断したときには、再現走行を完遂できないとしてエラー表示させる。
計測部6は、走行部3による装置本体2の物理的な移動量を計測する移動量センサ21と、装置本体2の前部の周囲の障害物(物体)との距離及び角度を計測する前方障害物センサ22を備える。なお、計測部6は、前方障害物センサ22に加えて、装置本体2の後部の周囲の障害物(物体)との距離及び角度を計測する後方障害物センサ(図示せず)を備えていてもよい。
移動量センサ21は、例えば、左右の後輪12、13のそれぞれに対応する一対のエンコーダや、加速度センサ等から構成される。前方障害物センサ22は、装置本体2の前面に設けられ、例えば、レーザーレンジファインダ(LRF:Laser Range Finder)等から構成され、床面から所定の計測可能高さ(例えば、30cm)以内で、前方障害物センサ22から所定の計測可能範囲22a(例えば、半径20m)以内に存在する障害物を検出する。計測部6は、制御部7に接続されていて、計測結果を制御部7へと送信する。
また、計測部6は、自律走行装置1が教示走行モードで動作する場合に、異常検出部としても機能し、前方障害物センサ22が装置本体2から所定の制限範囲(例えば、半径50cm)以内に障害物を検出すると、制御部7に対して異常信号を出力する。
制御部7は、CPU(Central Processing Unit)等で構成される。制御部7は、メモリ24に対してバス25を介して接続され、バス25は、更にインターフェース26に接続されている。また、制御部7は、バス25及びインターフェース26を介して、上記の走行部3、ハンドル部4、清掃部5、計測部6、コントロールパネル8及び電源装置9に接続される。メモリ24は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、フラッシュメモリ等からなり、自律走行装置1の各部及び各種機能を制御するためのプログラムやデータが格納される。制御部7は、メモリ24に格納されたプログラムやデータを読み取り、このプログラムを実行することにより、各部及び各種機能を制御する。
更に、制御部7は、モード切換部28と、地図作成部29と、教示走行制御部30と、再現走行制御部31と、プレ学習地図作成部32と、位置判定部33と、位置補正部34と、地図再作成部35とを備える。なお、モード切換部28、地図作成部29、教示走行制御部30、再現走行制御部31、プレ学習地図作成部32、位置判定部33、位置補正部34及び地図再作成部35は、メモリ24に記憶されて制御部7に実行されるプログラムで構成されていてよい。例えば、自律走行装置1では、この自律走行装置1の開始位置54(図3参照)を判定する開始位置判定プログラムがメモリ24に記憶される。この開始位置判定プログラムは、モード切換部28と、地図作成部29と、教示走行制御部30と、再現走行制御部31と、プレ学習地図作成部32と、位置判定部33とを制御部7のようなコンピュータに実行させる。制御部7に備わる各部については後述する。
コントロールパネル8は、装置本体2の上面においてハンドル部4の前側に設けられ、図2に示すように、メインスイッチ37と、学習スイッチ38と、清掃運転スイッチ39と、表示器40と、十字キー41と、清掃条件設定キー42とを備える、コントロールパネル8の各部は、制御部7に接続されている。
メインスイッチ37は、「切」、「手動」、「自動」を切換可能に構成されている。メインスイッチ37を「手動」に切り換えることで、モード切換部28によって自律走行装置1の動作モードが手動走行モードに切り換えられる一方、メインスイッチ37を「自動」に切り換えることで、モード切換部28によって自律走行装置1の動作モードが再現走行モードに切り換えられる。
学習スイッチ38は、メインスイッチ37が「手動」に設定されている状態で操作可能に構成されている。学習スイッチ38を操作(例えば、長押し)することで、モード切換部28によって自律走行装置1の動作モードが教示走行モードに切り換えられて、教示走行モードの実行が開始される。また、学習スイッチ38を再度操作することで、教示走行モードの実行が終了し、モード切換部28によって自律走行装置1の動作モードが手動走行モードに切り換えられる。
清掃運転スイッチ39は、「入」、「切」を切換可能に構成されている。清掃運転スイッチ39を「入」に切り換えることで、清掃部5が清掃条件に従って作動する。
表示器40は、液晶パネル等で構成され、制御部7からの制御信号に応じて自律走行装置1の運転状況(動作モード)や運転時間、教示走行モードや再現走行モードにおける各種設定項目、再現走行モードにおける開始位置54及び準備位置58(図3参照)の誤差に関する情報、清掃部5の清掃条件、警告やエラーコード等を表示する。十字キー41は、表示器40に表示される各種設定項目の選択操作を受け付けて、その選択操作に関する信号を制御部7へと送信する。
清掃条件設定キー42は、清掃部5の各部の動作の切り換え等の清掃条件の設定操作を受け付けて、その設定操作に関する信号を制御部7へと送信する。清掃条件設定キー42は、例えば、回転スイッチ44、散水スイッチ45、吸引スイッチ46、接地圧スイッチ47、散水量スイッチ48、吸引強度スイッチ49等を有する。
回転スイッチ44は、洗浄用部材17の回転の作動及び停止を切り換えるもので、操作する毎に「入」、「切」が切り換えられる。散水スイッチ45は、洗浄液供給部18による洗浄液供給の作動及び停止を切り換えるもので、操作する毎に「入」、「切」が切り換えられる。吸引スイッチ46は、吸引部19による吸引の作動及び停止を切り換えるもので、操作する毎に「入」、「切」が切り換えられる接地圧スイッチ47は、洗浄用部材の床面に対する接地圧の強度を複数段階の何れかに切り換えるもので、操作する毎に強度が循環的に切り換えられる。散水量スイッチ48は、洗浄液供給部18からの洗浄液供給量を複数段階の何れかに切り換えるもので、操作する毎に供給量が循環的に切り換えられる。吸引強度スイッチ49は、吸引部19の吸引強度を複数段階の何れかに切り換えるもので、操作する毎に強度が循環的に切り換えられる。
電源装置9は、装置本体2内部に搭載されたバッテリー(電源)を備え、外部電源に接続することで充電可能に構成される。電源装置9は、バッテリーの容量の残量を検出する電源残量検出部と、教示走行時に消費した電力をもとに再現走行に必要とする電力(電源容量)を算出する電源容量算出部とを備える。そして、電源装置9は、電源残量検出部で検出されたバッテリーの残量と、電源容量算出部で算出した電源容量とを比較することで再現走行の可否を判断する。例えば、電源装置9は、バッテリーの残量が再現走行に必要とする電源容量より少ないときには、再現走行を完遂できないと判断する。再現走行が可能と判断した場合はそのまま再現走行に移行し、再現走行が不可能と判断した場合は、制御部7に対して再現走行不可の信号を出力してエラー表示させる。
次に、制御部7に備わる各部について説明する。
モード切換部28は、コントロールパネル8のメインスイッチ37及び学習スイッチ38の操作に応じて、自律走行装置1の動作モードを手動走行モード、教示走行モード及び再現走行モードの何れかに切り換える。モード切換部28によって動作モードが手動走行モード又は教示走行モードに設定されている間、ハンドル部4の手動操作入力が可能となる。なお、教示走行モードとは、手動走行モード時において操作者による記憶操作に応じて作業領域における操作者の自律走行装置への操作入力を記憶し、作業情報が紐づいた作業走行地図を作成するモードである。再現走行モードとは、自動走行モードにおいて実行すべき作業走行地図に基づき、走行経路および紐づいた作業情報に従って自律走行するモードである。
地図作成部29は、リアルタイムで自己位置の推定と環境地図の作成とを行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)等の技術を用いる。地図作成部29は、所定位置の装置本体2について、計測部6で計測された障害物(物体)からの距離及び角度を座標変換して装置本体2の周囲の局所地図を作成すると共に、作成した局所地図や計測部6で計測された装置本体2の移動量に基づいて局所地図における装置本体2の自己位置を推定する。
教示走行制御部30は、所定の作業領域51(清掃領域)において(図3参照)、教示走行モードの実行時に、ハンドル部4の手動操作入力に応じて走行部3が装置本体2を走行させる間の走行経路52の周囲の作業走行地図53(図4参照)を作成してメモリ24に記憶させる。具体的には、教示走行制御部30は、計測部6及び地図作成部29を作動させて、装置本体2の走行経路52上の各位置における局所地図を作成し、更に、各位置の局所地図を合成して作業走行地図53を作成する。作業走行地図53には、地図データに加えて、装置本体2の自己位置推定に基づいて得られる位置情報(走行経路52や、走行経路52上の開始位置54及び終了位置55、開始位置54における前進方向の開始角度56等)や、走行経路52上の各位置における装置本体2の移動量情報(速度や旋回角度等)も含まれる。
更に、教示走行制御部30は、教示走行モードの実行時に、コントロールパネル8の清掃条件設定キー42の手動操作入力に応じて設定された清掃部5の清掃条件を、作業走行地図53の走行経路52における位置と対応付けてメモリ24に記憶させる。
教示走行制御部30は、複数の作業走行地図53をメモリ24に記憶させることができ、作業走行地図53の新規作成だけでなく、既に記憶された作業走行地図53の編集も可能である。
作業走行地図53の新規作成の場合、教示走行制御部30は、教示走行モードの実行開始時に、作業走行地図53の地図名の入力指示をコントロールパネル8の表示器40に表示する。そして、教示走行制御部30は、コントロールパネル8の表示器40及び十字キー41を用いて地図名が入力されると、その地図名について作業走行地図53を作成するための教示走行モードの実行を開始する。
作業走行地図53の編集の場合、教示走行制御部30は、教示走行モードの実行開始時に、既にメモリに記憶されている作業走行地図53の地図名をコントロールパネル8の表示器40に選択可能に一覧表示する。そして、教示走行制御部30は、コントロールパネル8の表示器40及び十字キー41を用いて地図名が選択されると、その地図名について作業走行地図53を作成するための教示走行モードの実行を開始する。
なお、教示走行制御部30は、装置本体2が終了位置55まで走行した後に教示走行モードの実行終了時点で各局所地図を合成して作業走行地図53を作成してもよいが、装置本体2の走行に並行してそれまで作成された各局所地図を合成してリアルタイムに作業走行地図53を作成してもよい。
再現走行制御部31は、再現走行モードの実行時に、実行すべき作業走行地図53をメモリ24から読み取って、この作業走行地図53に基づいて走行部3に対して自動操作入力を行い、装置本体2が作業走行地図53の走行経路52に従った再現走行を行うように走行部3を制御する。
更に、再現走行制御部31は、再現走行モードの実行時に、走行部3が装置本体2を作業走行地図53の走行経路52に従った再現走行をさせる間、装置本体2の走行経路52上の位置に対応する清掃条件をメモリ24から読み取り、この清掃条件に従った自動操作入力によって清掃作業を行うように清掃部5を制御する。
具体的には、再現走行制御部31は、複数の作業走行地図53の中から、再現走行モードを実行すべき作業走行地図53を選択させるために、既にメモリ24に記憶されている作業走行地図53の地図名をコントロールパネル8の表示器40に選択可能に一覧表示する。そして、再現走行制御部31は、コントロールパネル8の表示器40及び十字キー41を用いて地図名が選択されると、その地図名の作業走行地図53に従った再現走行モードの実行を開始する。
なお、操作者は、自律走行装置1の再現走行を準備する際に、自律走行装置1を倉庫等保管場所から開始位置54に向けて移動させることになるが、ここでは、自律走行装置1が実際に移動した位置及びその位置における前進方向の角度を、準備位置58(実際の自己位置)及び準備角度59と称する。再現走行制御部31は、再現走行モードの実行開始時点での装置本体2の準備位置58及び準備角度59(プレ学習地図61における準備位置58及び準備角度59)と、作業走行地図53上の開始位置54及び開始角度56とを位置判定部33によって後述のように比較し、その比較の結果、許容範囲以上の誤差があれば再現走行を実行しない。
プレ学習地図作成部32は、手動走行モードが設定されているとき(教示走行モード及び再現走行モードの何れも実行しないとき)に、ハンドル部4の手動操作入力に応じて走行部3が装置本体2を準備位置58まで移動させる間の移動経路60の周囲のプレ学習地図61(図5参照)をバックグラウンドで作成してメモリ24に記憶させる。プレ学習地図とは、自律走行装置に手動走行モードが設定され、操作者の手動操作による移動時の移動経路上の各位置で作成された局所地図を合成して作成されたものである。具体的には、プレ学習地図作成部32は、教示走行制御部30と同様に、計測部6及び地図作成部29を作動させて、装置本体2の移動経路60上の各位置における局所地図を作成し、更に、各位置の局所地図を合成してプレ学習地図61を作成する。また、プレ学習地図作成部32は、準備位置58の近傍の地図データ(例えば、準備位置58以前の所定時間内又は所定距離内の地図データ)のみをプレ学習地図61として記憶し、他の地図データを削除する。プレ学習地図61には、地図データに加えて、装置本体2の停止時の自己位置推定に基づいて得られる位置情報(準備位置58及び準備角度59等)も含まれる。なお、プレ学習地図は、手動走行モードが設定されていて、教示走行モード及び再現走行モードの何れも実行しないときにバックグラウンドで作成されメモリに記憶されるが、前記プレ学習地図が作成されメモリに記憶される設定を準備走行モードと呼んでもよい。
なお、プレ学習地図作成部32は、装置本体2が準備位置58まで移動した後に再現走行モードの実行開始時点で各局所地図を合成してプレ学習地図61を作成してもよいが、装置本体2の移動に並行してそれまで作成された各局所地図を合成してリアルタイムにプレ学習地図61を作成してもよい。
位置判定部33は、再現走行モードの実行開始時に、作業走行地図53に対するプレ学習地図61のマッチング処理を行い、プレ学習地図61が作業走行地図53上で対応する位置(以下、対応位置と称する)を検出する。
例えば、位置判定部33は、作業走行地図53上の各位置(各座標)から候補地図を抽出し、さらにプレ学習地図61から準備位置58を基準として所定の大きさに絞り込んだ比較地図を抽出し、各候補地図と比較地図とのマッチング処理によって各位置の一致率(スコア)を算出し、その結果、最高一致率が得られる位置を対応位置と判定してよい。あるいは、位置判定部33は、上記マッチング処理の結果、最高一致率が得られた第1対応位置に加えて、最高一致率と近似する一致率が得られた少なくとも1つの第2対応位置が存在する場合、前記比較地図を大きくして前記候補地図とのマッチング処理を再び実施する。近似する一致率が無くなるまで、前記比較地図をより大きくしながらマッチング処理を繰り返す。これによって最高一致率が得られた第1対応位置のみに絞り込むことが出来る。前記比較地図はマッチング処理を繰り返す度に、準備位置58を基準に移動経路60に従って大きさを拡大させてもよく、準備位置58を基準にXY方向に大きさを10%、20%と拡大させてもよい。
なお、位置判定部33は、上記マッチング処理の結果、最高一致率が所定の下限値以下の場合には、マッチング処理を失敗と判定してもよい。
また、位置判定部33は、プレ学習地図61とのマッチング処理を行う作業走行地図53内の範囲(以下、参照範囲と称する)を、開始位置54を基準として所定の大きさに絞り込むことができる。例えば、位置判定部33は、参照範囲を計測部6(前方障害物センサ22及び後方障害物センサ)の計測可能範囲の大きさに絞り込んでもよい。
あるいは、位置判定部33は、参照範囲をユーザー条件等の所定の条件に応じた大きさに絞り込んでもよく、例えば、操作者が入力したID等の識別情報に基づいてユーザー条件を判定して、図6に示すように、操作者の習熟度が低い程大きな(広い)第1参照範囲62を設定する一方、操作者の習熟度が高い程小さな(狭い)第2参照範囲63を設定してもよい。
更に、位置判定部33は、作業走行地図53とのマッチング処理を行うプレ学習地図61を、準備位置58を基準として所定の大きさの地図(以下、比較地図と称する)に絞り込むことができる。例えば、位置判定部33は、比較地図を準備位置58の周囲の特徴点(L字状のコーナー図形や直線が交わる交点等)の数に応じた大きさに絞り込んでもよく、図7(a)に示すように、特徴点が少ない程大きな(広い)第1比較地図64を設定する一方、図7(b)に示すように、特徴点が多い程小さな(狭い)第2比較地図65を設定してもよい。
また、位置判定部33は、上記マッチング処理の結果としてプレ学習地図61が作業走行地図53上で対応する対応位置を基準として、作業走行地図53上の開始位置54及び開始角度56とプレ学習地図61上の準備位置58及び準備角度59とをそれぞれ比較する。そして、位置判定部33は、準備位置58の開始位置54からの誤差と準備角度59の開始角度56からの誤差を取得して準備位置58に対する開始位置54を認識する。
位置補正部34は、位置判定部33によって準備位置58と開始位置54との誤差や準備角度59と開始角度56との誤差を取得したときに、自動操作入力によって走行部3を制御して、装置本体2を準備位置58から開始位置54まで移動させると共に準備角度59を開始角度56に一致させる位置補正を行う。なお、位置補正部34は、位置補正を行う前に、装置本体2の自動走行を許可するかの問合せについてコントロールパネル8の表示器40に表示し、許可された場合のみ、位置補正を行うようにするとよい。さらに位置補正後、そのまま再現走行に移行してもよい
地図再作成部35は、プレ学習地図作成部32がプレ学習地図61を作成したときに、作業走行地図53上の対応位置に相当する地図データを、プレ学習地図61を用いて再構成し、例えば、プレ学習地図61で置き換えて、作業走行地図53を再作成する。
次に、自律走行装置1の動作を図8のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、自律走行装置1は、操作者がコントロールパネル8のメインスイッチ37を操作することにより稼働する。メインスイッチ37が「手動」に切り換えられた場合(ステップS1:YES)、自律走行装置1の動作モードは、制御部7のモード切換部28によって手動走行モードに切り換えられる(ステップS2)。
手動走行モードでは、自律走行装置1は、ハンドル部4を用いた手動操作入力による走行が可能となり、例えば、操作者は、自律走行装置1を倉庫等から作業領域51(清掃領域)へと手動操作で移動させる(ステップS3)。
このように自律走行装置1が手動走行モードで移動して停止するまで、制御部7のプレ学習地図作成部32は、計測部6及び地図作成部29を作動させて、その移動経路60に沿ってプレ学習地図61を作成してメモリ24に記憶する(ステップS4)。
次に、操作者が作業走行地図53を作成するためにコントロールパネル8の学習スイッチ38を操作すると(ステップS5:YES)、自律走行装置1の動作モードは、制御部7のモード切換部28によって教示走行モードに切り換えられる(ステップS6)。
教示走行モードでは、ハンドル部4の手動操作に応じた自律走行装置1の走行と、コントロールパネル8の清掃運転スイッチ39や清掃条件設定キー42の操作に応じた床面の清掃作業とに関する教示走行の実行が可能となる(ステップS7)。このとき、制御部7の教示走行制御部30は、計測部6及び地図作成部29を作動させて、その走行経路52に沿って作業走行地図53を作成してメモリ24に記憶する(ステップS8)。
一方、メインスイッチ37が「手動」でない場合(ステップS1:NO)や、学習スイッチ38が操作されない場合(ステップS5:NO)において、メインスイッチ37が「自動」に切り換えられた場合(ステップS9:YES)、再現走行制御部31は作業走行地図53の存在を確認する。作業走行地図53が存在しない場合、コントロールパネル8にエラー表示して操作者に対応を促す。作業走行地図53が存在する場合、自律走行装置1の動作モードは、制御部7のモード切換部28によって再現走行モードに切り換えられる(ステップS10)。
再現走行モードでは、先ず、メモリ24に記憶された作業走行地図53がコントロールパネル8の表示器40に表示され、十字キー41を操作して実行すべき作業走行地図53が選択される。そして、制御部7の位置判定部33によってプレ学習地図61の準備位置58と作業走行地図53の開始位置54との誤差が判定される。
そして、準備位置58と開始位置54との間に誤差がある場合には(ステップS11:YES)、ハンドル部4を用いた手動操作、又は位置補正部34による自動操作によって、自律走行装置1の自己位置を開始位置54まで移動させる位置補正が行われる(ステップS12)。その後、制御部7の再現走行制御部31は、作業走行地図53に従った再現走行モードの実行を開始する(ステップS13)。
また、準備位置58と開始位置54との間に誤差がない場合には(ステップS11:NO)、位置補正を行う必要がなく、制御部7の再現走行制御部31は、作業走行地図53に従った再現走行モードの実行を開始する(ステップS13)。
上述のように、本実施形態によれば、手動操作入力に基づく走行、及び自動操作入力に基づく自律的な走行が可能な自律走行装置1は、装置本体2と、装置本体2を走行させる走行部3と、装置本体2と該装置本体2の周囲の障害物(物体)との距離及び角度を計測する計測部6と、教示走行モードと再現走行モードとを切り換えるモード切換部28と、計測部6で計測された距離及び角度を座標変換して装置本体2の周囲の局所地図を作成する地図作成部29と、教示走行モードの実行時に、手動操作入力に応じて走行部3が装置本体2を走行させる間に、計測部6及び地図作成部29を作動させて、局所地図をつなぎ合わせることにより、装置本体2が開始位置54から終了位置55まで至る走行経路52及び該走行経路52の周囲の作業走行地図53を作成して記憶させる教示走行制御部30と、再現走行モードの実行時に、走行経路52及び作業走行地図53に従った自動操作入力によって、開始位置54にある装置本体2を走行させるように走行部3を制御する再現走行制御部31と、教示走行モード及び再現走行モードの何れも実行しないときに、手動操作入力に応じて走行部3が装置本体2を準備位置58まで移動させる間に、計測部6及び地図作成部29を作動させて、装置本体2が準備位置58まで至る移動経路60の周囲のプレ学習地図61を作成して記憶させるプレ学習地図作成部32と、作業走行地図53に対するプレ学習地図61のマッチング処理を行うと共に、マッチング処理の結果としてプレ学習地図61が作業走行地図53上で対応する対応位置を基準として、作業走行地図53上の開始位置54とプレ学習地図61上の準備位置58とを比較して、準備位置58の開始位置54からの誤差を取得する位置判定部33と、を備える。
このような構成により、本実施形態に係る自律走行装置1では、作業走行地図53上の開始位置54や再現走行の準備段階で移動した実際の準備位置58の周辺において、壁や置物等の物体の配置や形状といった特徴点が少ない場合でも、準備位置58で得られる局所地図だけでは把握できない準備位置58の周囲の環境を、プレ学習地図61を用いて把握することができる。そして、再現走行のために移動した後の実際の準備位置58をプレ学習地図61によって正確に認識することができる。そのため、自律走行装置1では、作業走行地図53とプレ学習地図61とのマッチング処理により、作業走行地図53上における実際の準備位置58を正確に認識することができる。また、自律走行装置1は、作業走行地図53上の開始位置54と実際の準備位置58との誤差を取得して準備位置58に対する開始位置54を認識することができるので、その誤差を表示やアナウンスによって操作者に知らせることが可能となり、操作者は自律走行装置1を開始位置54まで正確に移動させることが可能となる。このため、自律走行装置1を作業走行地図53の走行経路52上で正確に再現走行させることができ、自律走行装置1が走行経路52から外れたり、自律走行装置1が壁や商品棚等の障害物に衝突したりするリスクを回避することができる。このようにして、自律走行装置1では、再現走行の精度を良好に維持することが可能となる。
また、本実施形態に係る自律走行装置1は、位置判定部33によって準備位置58と開始位置54との誤差を取得したときに、装置本体2を準備位置58から開始位置54まで移動させるように走行部3を制御する位置補正部34を更に備える。
このような構成により、再現走行を実施する際に、操作者が自律走行装置1を開始位置54に正確に配置する煩雑な手間を少なくし、操作者の負担を軽くすることが可能となる。
更に、本実施形態に係る自律走行装置1において、位置判定部33は、マッチング処理の結果、最高一致率が所定の下限値以下の場合に、マッチング処理を失敗と判定する。
このような構成により、作業走行地図53の選択に誤りがある場合には、位置判定部33によるマッチング処理で最高一致率が所定の下限値以下となるので、マッチング処理が失敗となり、誤った作業走行地図53を用いた再現走行を回避することができる。また、マッチング処理の失敗、即ち、作業走行地図53の選択に誤りを表示やアナウンスによって操作者に知らせることが可能となり、作業領域51(清掃領域)の選択ミスを回避することができる。
また、本実施形態に係る自律走行装置1において、位置判定部33は、作業走行地図53上の各位置の候補地図とプレ学習地図61から準備位置58を基準として所定の大きさに絞り込んだ比較地図とのマッチング処理を行い、最高一致率と近似する一致率が得られた少なくとも1つの第2対応位置とが存在する場合、前記比較地図を大きくしながら前記マッチング処理を繰り返し、近似する一致率を無くし、最高一致率のみにする。
このような構成により、近似する一致率を無くし、最高一致率のみに絞り込むことが可能となり、作業走行地図上で準備位置58を正確に認識することができる。
更に、本実施形態に係る自律走行装置1において、位置判定部33は、プレ学習地図61とのマッチング処理を行う作業走行地図53内の範囲を、開始位置54を基準として計測部6の計測可能範囲までに絞り込む。
このような構成により、位置判定部33のマッチング処理は、作業走行地図53の全域を用いる場合に比べて、計算処理の時間を短縮することが可能となり、短い時間で作業走行地図53上の準備位置58を認識することができる。
また、本実施形態に係る自律走行装置1において、位置判定部33は、プレ学習地図61とのマッチング処理を行う作業走行地図53内の範囲を、開始位置54を基準として所定の条件に応じた大きさに絞り込む。
このような構成により、位置判定部33のマッチング処理は、作業走行地図53の全域を用いる場合に比べて、所定の条件に応じて計算処理の時間を短縮することが可能となり、短い時間で作業走行地図53上の準備位置58を認識することができる。所定の条件としては、例えば、操作者による自律走行装置1を用いた作業(例えば、清掃作業)の習熟度等がある。操作者が作業に慣れた熟練の作業員のときは、作業走行地図53を絞り込む範囲を狭くして計算処理時間の短縮を優先させる一方、操作者がアルバイト等の不慣れな作業員のときは、作業走行地図53を絞り込む範囲を広くして作業走行地図53上の準備位置58(自己位置)の確実な認識を優先させる。このように、作業員の習熟度等の条件の違いに応じて、自己位置の認識を優先するか、再現走行に移行する時間の短縮を優先させるかを、自動的に適切に判断できるので、作業現場(清掃現場)での利便性が向上する。
更に、本実施形態に係る自律走行装置1において、位置判定部33は、作業走行地図53とのマッチング処理を行うプレ学習地図61を、準備位置58を基準として特徴点の数に応じた大きさに絞り込む。
このような構成により、作成したプレ学習地図61の形状の複雑さに応じて、マッチング処理を行う範囲を変更させることにより、作業走行地図53上の準備位置58(自己位置)の適切な認識と、マッチング処理の計算処理時間の短縮、即ち、再現走行に移行する時間の短縮とを両立することができる。例えば、プレ学習地図61の形状が複雑で特徴点が多い場合には、マッチング処理に用いる参照範囲を第2比較地図65のように小さくし、プレ学習地図61の形状が単純で特徴点が少ない場合には、マッチング処理に用いる参照範囲を第1比較地図64のように大きくする。
また、本実施形態に係る自律走行装置1は、作業走行地図53上の対応位置をプレ学習地図61を用いて再構成して作業走行地図53を再作成する地図再作成部35を更に備える。
このような構成により、作業走行地図53の特徴に加えて、プレ学習地図61の特徴も利用して、より適切な作業走行地図53を作成することができる。このため、教示走行モードで作成した作業走行地図53の開始位置54周辺に特徴が少ない場合でも、プレ学習地図61の特徴も合わせた作業走行地図53を利用できるので、作業走行地図53上の実際の準備位置58を確実に認識することができる。
更に、本実施形態に係る自律走行装置1は、手動操作入力及び自動操作入力に基づく清掃作業が可能な清掃部5を更に備え、教示走行制御部30は、教示走行モードの実行時に、手動操作入力に応じて設定された清掃部5の清掃条件を走行経路52における位置と対応付けて記憶させ、再現走行制御部31は、再現走行モードの実行時に、走行部3が装置本体2を走行経路52に沿って走行させる間、装置本体2の位置に対応する清掃条件に従った自動操作入力によって、清掃作業を行うように清掃部5を制御する。
このような構成により、自律走行装置1は清掃作業を自律的に行うことで、速く正確に床面を清掃することができ、床面清掃にかかる人手を減らすことができる。本実施形態では、清掃部5は、洗浄用部材17、洗浄液供給部18及び吸引部19を有する湿式の清掃機構で構成される例を説明したが、清掃部5は、この例に限定されず、例えば、ブラシ、吸引ブロア、フィルター及びバケット等を有する乾式の清掃機構で構成されてもよい。
また、本実施形態に係る自律走行装置1において、電源装置9は、走行部3及び各部に電力を供給する電源の容量の残量を検出する電源残量検出部と、教示走行時に要した電力に基づいて再現走行に必要とする電源容量を算出する電源容量算出部とを備える。そして、電源装置9は、電源残量検出部によって検出された電源の残量と、電源容量算出部にて算出した再現走行に必要とする電源容量とを比較し、電源の残量が再現走行に必要とする電源容量より少ないときには、再現走行を完遂できないと判断してエラー表示させる。
また、本実施形態に係る自律走行装置1において、清掃部5は、洗浄液タンク及び汚水タンクに設けられる液量検出センサと、洗浄液タンク内の洗浄液量及び汚水タンク内に回収できる汚水量を算出する液量算出部とを備える。また、液量算出部は、液量検出センサで検出される教示走行時に要した洗浄液量及び教示走行時に回収した汚水量をもとに、再現走行に必要とする洗浄液量及び再現走行で発生する汚水の回収量を算出して制御部7に出力する。そして、制御部7は、洗浄液タンク内の洗浄液量及び汚水タンクへ回収できる汚水量と、再現走行に必要とする洗浄液量及び汚水の回収量とを比較し、洗浄液タンク内の洗浄液量が再現走行に使用する洗浄液量より少ないとき、又は汚水タンクへ回収できる汚水量が再現走行で発生する汚水の回収量より少ないときには、再現走行を完遂できないと判断してエラー表示させる。
これらのような構成により、自律走行装置1が再現走行できるか否かを自律的且つ事前に判断して、その判断結果を表示やアナウンスによって操作者に知らせることができる。このため、操作者は、再現走行中に起こる可能性のある不具合に事前に対処することができ、再現走行をより確実に実施することができる。
このように、本発明の実施形態による自律走行装置1によれば、コストを上げることなく、作業走行地図53の開始位置54の許容範囲を広げると共に、開始位置54の認識作業を容易にし、再現走行に伴う清掃作業等の作業を円滑に進めることを可能とする。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う自律走行装置及び開始位置判定プログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
本発明は、手動操作及び自動操作に応じた走行が可能な自律走行装置に好適に利用することができる。
1 自律走行装置
2 装置本体
3 走行部
4 ハンドル部
5 清掃部
6 計測部
7 制御部
8 コントロールパネル
9 電源
21 移動量センサ
22 前方障害物センサ
24 メモリ
28 モード切換部
29 地図作成部
30 教示走行制御部
31 再現走行制御部
32 プレ学習地図作成部
33 位置判定部
34 位置補正部
35 地図再作成部
51 作業領域
52 走行経路
53 作業走行地図
54 開始位置
55 終了位置
56 開始角度
58 準備位置
59 準備角度
60 移動経路
61 プレ学習地図
62 第1参照範囲
63 第2参照範囲
64 第1比較地図
65 第2比較地図

Claims (12)

  1. 手動操作入力に基づく走行、及び自動操作入力に基づく自律的な走行が可能な自律走行装置であって、
    装置本体と、
    前記装置本体を走行させる走行部と、
    前記装置本体と該装置本体の周囲の物体との距離及び角度を計測する計測部と、
    教示走行モードと再現走行モードとを切り換えるモード切換部と、
    前記計測部で計測された距離及び角度を座標変換して前記装置本体の周囲の局所地図を作成する地図作成部と、
    前記教示走行モードの実行時に、手動操作入力に応じて前記走行部が前記装置本体を走行させる間に、前記計測部及び前記地図作成部を作動させて、前記局所地図をつなぎ合わせることにより、前記装置本体が開始位置から終了位置まで至る走行経路及び該走行経路の周囲の作業走行地図を作成して記憶させる教示走行制御部と、
    前記再現走行モードの実行時に、前記走行経路及び前記作業走行地図に従った自動操作入力によって、前記開始位置にある前記装置本体を走行させるように前記走行部を制御する再現走行制御部と、
    前記教示走行モード及び前記再現走行モードの何れも実行しないときに、手動操作入力に応じて前記走行部が前記装置本体を前記再現走行モードの実行開始時点の準備位置まで移動させる間に、前記計測部及び前記地図作成部を作動させて、前記装置本体が前記準備位置まで至る移動経路の各位置で前記局所地図を作成し、前記各位置の前記局所地図をつなぎ合わせることにより前記移動経路の周囲のプレ学習地図を作成して記憶させるプレ学習地図作成部と、
    前記作業走行地図に対する前記プレ学習地図のマッチング処理を行うと共に、前記マッチング処理の結果として前記プレ学習地図が前記作業走行地図上で対応する対応位置を基準として、前記作業走行地図上の前記開始位置と前記プレ学習地図上の前記準備位置とを比較して、前記準備位置の前記開始位置からの誤差を取得する位置判定部と、
    を備えることを特徴とする自律走行装置。
  2. 前記位置判定部によって前記準備位置と前記開始位置との誤差を取得したときに、前記装置本体を前記準備位置から前記開始位置まで移動させるように前記走行部を制御する位置補正部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の自律走行装置。
  3. 前記位置判定部は、前記マッチング処理の結果、最高一致率が所定の下限値以下の場合に、前記マッチング処理を失敗と判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の自律走行装置。
  4. 前記位置判定部は、前記作業走行地図上の各位置の候補地図と前記プレ学習地図から前記準備位置を基準として所定の大きさに絞り込んだ比較地図との前記マッチング処理を行い、最高一致率が得られた第1対応位置と、前記最高一致率と近似する一致率が得られた少なくとも1つの第2対応位置とが存在する場合、前記比較地図を大きくしながら前記マッチング処理を繰り返すことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自律走行装置。
  5. 前記位置判定部は、前記プレ学習地図との前記マッチング処理を行う前記作業走行地図内の範囲を、前記開始位置を基準として前記計測部の計測可能範囲までに絞り込むことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の自律走行装置。
  6. 前記位置判定部は、前記プレ学習地図との前記マッチング処理を行う前記作業走行地図内の範囲を、前記開始位置を基準として所定の条件に応じた大きさに絞り込むことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の自律走行装置。
  7. 前記位置判定部は、前記作業走行地図との前記マッチング処理を行う前記プレ学習地図を、前記準備位置を基準として特徴点の数に応じた大きさに絞り込むことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の自律走行装置。
  8. 前記作業走行地図上の前記対応位置を前記プレ学習地図を用いて再構成して前記作業走行地図を再作成する地図再作成部を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の自律走行装置。
  9. 手動操作入力及び自動操作入力に基づく清掃作業が可能な清掃部を更に備え、
    前記教示走行制御部は、前記教示走行モードの実行時に、手動操作入力に応じて設定された前記清掃部の清掃条件を前記走行経路における位置と対応付けて記憶させ、
    前記再現走行制御部は、前記再現走行モードの実行時に、前記走行部が前記装置本体を前記走行経路に沿って走行させる間、前記装置本体の位置に対応する前記清掃条件に従った自動操作入力によって、前記清掃作業を行うように前記清掃部を制御することを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の自律走行装置。
  10. 前記走行部及び各部に電力を供給する電源の容量の残量を検出する電源残量検出部と、
    教示走行時に要した電力に基づいて再現走行に必要とする電源容量を算出する電源容量算出部と、を更に備え、
    前記電源残量検出部によって検出された電源の残量と、前記電源容量算出部にて算出した再現走行に必要とする電源容量とを比較し、
    前記電源の残量が再現走行に必要とする電源容量より少ないときには、再現走行を完遂できないと判断してエラー表示させることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の自律走行装置。
  11. 前記清掃部の洗浄液タンク及び汚水タンクに設けられる液量検出センサと、
    前記洗浄液タンク内の洗浄液量及び前記汚水タンク内に回収できる汚水量を算出する液量算出部と、を更に備え、
    前記液量算出部は、前記液量検出センサで検出される教示走行時に要した洗浄液量及び教示走行時に回収した汚水量をもとに、再現走行に必要とする洗浄液量及び再現走行で発生する汚水の回収量を算出して制御部に出力し、
    前記制御部は、前記洗浄液タンク内の洗浄液量及び前記汚水タンクへ回収できる汚水量と、再現走行に必要とする洗浄液量及び汚水の回収量とを比較し、前記洗浄液タンク内の洗浄液量が再現走行に使用する洗浄液量より少ないとき、又は前記汚水タンクへ回収できる汚水量が再現走行で発生する汚水の回収量より少ないときには、再現走行を完遂できないと判断してエラー表示させることを特徴とする請求項9に記載の自律走行装置。
  12. 請求項1〜請求項11の何れかに記載の自律走行装置において、該自律走行装置の開始位置を判定する開始位置判定プログラムであって、
    前記モード切換部と、
    前記地図作成部と、
    前記教示走行制御部と、
    前記再現走行制御部と、
    前記プレ学習地図作成部と、
    前記位置判定部と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする開始位置判定プログラム。
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