JP6708048B2 - 防汚めっき品及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、防汚被膜を有するめっき品に関するものである。
めっき品は、加飾バリエーションが拡充され、様々な外観のものが生産されるようになった。車両用加飾部品や電気製品用筐体樹品などの分野における近年のめっき品のデザイントレンドとしては、黒味を強調しためっき(漆黒調めっき)や、光沢を抑えていぶした感じのめっき(サテン調めっき)が挙げられる。
しかしながら、これらのめっき外観は、手油等の汚れが色目の兼ね合いにより目立ちやすく且つ取れにくいという問題があった。従来、このような手油等の汚れの問題を解消できる防汚技術は見当たらなかった。
なお、特許文献1には、セラミックスを充填したタンクに通水して生成したホウ酸シリカ水を、高圧で直接自動車等の被洗浄物に当てることで、被洗浄物を洗浄するとともに、被洗浄物の表面に被膜を形成する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1には、実施例での通水時間については記載されていない。また、実施例において実際に被膜の存在を確認したことは記載されていない。
また、特許文献2には、セラミックスを充填したタンクに通水して生成したホウ酸シリカ水をめっき液として用い、金属材料からなる基材を電極として用いて、めっき処理によりホウ酸シリカを含む粒子を基材表面に物理的に吸着した後、化学的吸着が生じてシリカを基材表面に固着させる方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2には、実施例での通水時間については記載されていない。また、実施例の表面に、光学顕微鏡で多数のランダムな模様を観察したこと、エネルギー分散型X線分析装置で、C(炭素)、Mg(マグネシウム)、Si(ケイ素)の成分増加を認めたことが記載されているが、B(ホウ素)の析出を確認できたことは記載されていない。
特開2004−50043号公報 特開2012−126956号公報
本発明の目的は、最表面に水接触角が10°以下である親水性の防汚被膜を有し、手油等の油性の汚れが付着にくく且つ落ちやすい防汚めっき品を提供することにある。
(1)本発明の防汚めっき品は、めっき層としてのCuめっき層、Niめっき層、Crめっき層又はこれらの組み合わせめっき層を有するめっき品において、前記めっき層よりも上の最表面に、Mg、Si及びBを含む、透明で、水接触角が10°以下である防汚被膜を有することを特徴とする。
前記めっき層が、漆黒調めっき層又はサテン調めっき層である場合、前述のとおり、これらのめっき層は手油等の汚れが色目の兼ね合いにより目立ちやすく且つ取れにくいから、これを防ぐ本発明は特に効果的である。
(2)本発明の防汚めっき品の製造方法は、めっき層を有するめっき品を、Mg、Si及びBを含む電解液にて電気めっき処理することにより、前記めっき層よりも上の最表面に、Mg、Si及びBが析出してなる、透明で、水接触角が10°以下である防汚被膜を形成することを特徴とする。
前記めっき層を、漆黒調めっき層又はサテン調めっき層として形成することが好ましい。
<作用>
Mg、Si及びBを含、透明で、水接触角が10°以下である防汚被膜は、水との親和性が高く、空気中の水分を吸着して、表面に水の極薄い膜を形成する。このため、手油等の汚れは、その水の膜に付着しにくく、また付着したとしてもその水の膜の上に浮くことになり、拭き取りや水洗いで落ちやすい。
本発明の防汚めっき品及びその製造方法によれば、Mg、Si及びBを含、透明で、最表面に水接触角が10°以下である親水性の防汚被膜を有することにより、手油等の油性の汚れが付着にくく且つ落ちやすいという優れた効果を奏する。
実施例のめっき品の模式的な断面図である。
1.めっき品の基材
めっき品の基材の素材としては、特に限定されないが、樹脂、金属、ガラス等を例示できる。樹脂基材の樹脂は、熱可塑性でも熱硬化性でもよく、特に限定されないが、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、PC/ABS樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂等を例示できる。ABS樹脂、PC/ABS樹脂が強度、耐久性等の観点から好ましい。
樹脂基材の上には、めっき層を電気めっきするときに必要な導電層が形成される。導電層としては、特に限定されないが、無電解ニッケルめっき層を例示できる。
2.めっき層
めっき層としては、前記のとおり、Cu(銅)めっき層、Ni(ニッケル)めっき層、Cr(クロム)めっき層、これらの組み合わせである。めっき層の具体的構成は、特に限定されず、単層でも複数層でもよい。
めっき層が漆黒調めっき層又はサテン調めっき層である場合、上述したとおり、本発明は特に効果的である。
5.防汚めっき品の用途
防汚めっき品の用途としては、特に限定されないが、車両用加飾部品(ラジエータグリル、フェンダ、ガーニッシュ、ホイールキャップ、バックパネル、エアスポイラー、エンブレム等)、電気製品(携帯電話、スマートホン、携帯情報端末、ゲーム機等)用筐体部品等を例示できる。
まず、Cuめっき層を有するめっき品の代用としてCuハルセル板(山本鍍金試験機製)を用い、表1に示すように、試験例1ではCuハルセル板をそのままテストピースとし、試験例2〜6ではCuハルセル板を後述する電解液にて電気めっき処理してテストピースとし、防汚特性を調べた。
Figure 0006708048
電解液は、セラミックス(株式会社エヌエム社製の商品名「NMセラミックス」)を充填したタンク(株式会社エヌエム社製の商品名「ウォーターコートWS−04」)に、試験例2では1時間、試験例3では5時間、試験例4では12時間、試験例5では36時間、試験例6では504時間、通水して得た液を用いた。通水時間以外の通水条件は、水量が5L、流量が2L/分、水温が室温である。
試験例2〜6の各電解液の組成を、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)により、分析した結果を表1に示す。
こうして得た試験例2〜6の各電解液に、Cuハルセル板を陰極として浸漬し、液温40℃、エアー攪拌あり、電流密度0.1A/dm、めっき時間300秒のめっき条件により、電気めっき処理した。
試験例2〜6の各Cuハルセル板の被膜の有無及び組成を、X線光電子分光装置(XPS)により、分析した結果を表1に示す。試験例2〜4では、被膜が検出されなかった(ND)。試験例5,6では、Mg、Si及びBを含む実質的に透明な被膜が検出され、上記電気めっき処理で電気析出により被膜(防汚被膜)が生成したものと考えられる。
こうして作製した試験例1〜6の各テストピースについて、水との接触角を、接触角計(協和界面科学社「DM−501」)により測定した。その結果を表1に示すように、電気めっき処理していない試験例1に対し、試験例2〜4の水との接触角は実質的に同等であったが、試験例5,6の水との接触角は顕著に小さくなった。
また、試験例1〜6の各テストピースについて、手油汚れの取れやすさの試験を、次の手順で行った。
1.ガーゼに人の手油の主成分であるオレイン酸を含ませて、直径2cmの円柱形のゴム栓をそのガーゼに押し当て、ゴム栓にオレイン酸を付着させた。
2.次に、評価するテストピースの上にゴム栓を置き、ゴム栓の上に500gの錘を置き、60sec静置して、テストピースにゴム栓のオレイン酸を油汚れとして付着させた。
3.次に、乾いたベンコットをテストピースの油汚れの上に置き、引っかき試験機で2kgの加重で30回スクラッチした(加重面積1cm、スクラッチ速度48回/分、スクラッチピッチ5cm)。
4.以上の汚れ試験の前後のテストピースの色差を、色彩計(コニカミノルタ社「CM−700B」)により測定し、次の式で示される色差変化ΔEを、手油汚れの取れやすさの指標とした。
L*a*b*表色系で、試験前色調(L1 a1 b1)、試験後色調(L2 a2 b2)とし、ΔE=√(L1−L2)+(a1−a2)+(b1−b2)
上記色差変化の結果を表1に示すように、電気めっき処理していない試験例1に対し、試験例2〜4の色差変化は実質的に同等であったが、試験例5,6の色差変化は顕著に小さくなった。試験例5,6では手油汚れの取れ方が大きかったことを意味する。
以上のとおり、試験例5,6のように、Mgを4.1ppm以上、Siを11.2ppm以上、Bを8.7ppm以上含む電解液を用いて電気めっき処理した場合に、防汚効果が得られた。
次に、実施例として、めっき層を有するめっき品を、上記の試験例5又は試験例6と同様の電解液にて電気めっき処理することにより、めっき層よりも上の最表面に防汚被膜を形成した。
具体的には、図1(a)に示す基材の上にCuめっき層を有するめっき品、(b)に示す基材の上にNiめっき層と漆黒調Crめっき層をこの順で有するめっき品、(c)に示す基材の上にサテン調Cuめっき層とCrめっき層をこの順で有するめっき品、(d)に示す基材の上にサテン調Cuめっき層と漆黒調Crめっき層をこの順で有するめっき品の、それぞれの最表面に防汚被膜を形成した。各めっき層は電気めっきにより形成したが、無電解めっきにより形成することもできる。基材は、金属板であったが、樹脂基材でもよい。
これらの実施例においても、試験例5又は試験例6と同様の、手油汚れの取れやすさが認められた。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することができる。

Claims (4)

  1. めっき層としてのCuめっき層、Niめっき層、Crめっき層又はこれらの組み合わせめっき層を有するめっき品において、前記めっき層よりも上の最表面に、Mg、Si及びBを含む、透明で、水接触角が10°以下である防汚被膜を有することを特徴とする防汚めっき品。
  2. 前記めっき層は、漆黒調めっき層又はサテン調めっき層である請求項1記載の防汚めっき品。
  3. めっき層を有するめっき品を、Mg、Si及びBを含む電解液にて電気めっき処理することにより、前記めっき層よりも上の最表面に、Mg、Si及びBが析出してなる、透明で、水接触角が10°以下である防汚被膜を形成することを特徴とする防汚めっき品の製造方法。
  4. 前記めっき層を、漆黒調めっき層又はサテン調めっき層として形成する請求項3記載の防汚めっき品の製造方法。
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