JP6707254B2 - 海底地下状況モニタリング装置 - Google Patents

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本発明は、海底下の土壌内に在る間隙水や熱水のような海底地下水の循環状況を把握し、海底熱水鉱床のような有用資源探索地域での海底地下水の流れ・物理化学的性質の状況をモニタリングする海底地下状況モニタリング装置に関するものである。
海底熱水鉱床は、海底の海嶺や海底火山などの地底のマグマのある場所に海水が浸み込んで生成した熱水が、マグマの熱で海底下を循環して、有用金属を母岩から溶出させ、海底面に湧出して冷海水と接触することにより、生成する。海底熱水鉱床は、銅、鉛、亜鉛、金、銀の他、ゲルマニウムやガリウム等のレアメタルのような有用金属成分が、析出・沈殿して形成された多金属鉱床である。
日本近海の場合、沖縄沖、伊豆沖、小笠原海域などの水深500〜3000mの海底の広範域に、海底熱水鉱床が賦存している。とりわけ、海底熱水鉱床資源が豊富な、水深1000〜2000m近傍で海底下5mでの間隙水や熱水のような海底地下水の循環状況や物理化学的性質の把握が、海底熱水鉱床の成因究明・探索・調査に重要である。
このような深海の海底下の地下水の循環状況を調べるのに、海底上で曳航されている人工電流発信体とそれに繋がって曳航されている受信電極とにより、海底に伝播された人工電磁波を検知しその発信受信時間から海底下の土壌の堅さや軟らかさを推測したり、電位差計により電位変化で地下水の動きを三次元的に検知したりする、電磁気学的手法が知られている。これらの手法では、地下水の循環状況を直に調べるものではなく、とりわけ水圧・水量の分布や海底地下水の物理化学的性質などを直接調べることができない。
特許文献1に、試錐孔(ボーリング孔)を利用して、採水区間の環境を乱すことなく、大深度の地層中に存在する地下水を、被圧不活性状態で、効率よく採水する地下水採水装置が、開示されている。この装置は、予め掘られた試錐孔を利用するため、汎用的でなく、任意の海域での土壌自体の水量の分布や地下水の物理化学的性質など直接調べるものではない。
特許文献2に、先端部が先端コーンに取り付けられ側壁に貫通孔が設けられたパイプ、及び、パイプの内部に格納されパイプに設けられた貫通孔を通過した水の水圧を測定する拡散型半導体圧力センサから成る間隙水圧計が、開示されている。この水圧計は、圧力センサとして拡散型半導体圧力センサを用いるので、細い間隙水圧計を作製することができ、ボーリングすること無く、間隙水圧計を先端コーンから所望の深さまで地表から地中に圧入することができる。この水圧計は、専ら水圧を計測するもので、土壌自体の水量の分布や地下水の物理化学的性質など直接調べるものではない。
海底熱水鉱床の成因究明・探索・調査には、海底下の土壌の間隙水や熱水のような海底地下水の循環状況、水圧・水量の分布、pH・酸化還元電位・溶存酸素濃度のような物理化学的性質を、土壌の状態のまま、直接、測定して把握する必要がある。しかし、従来の技術によれば、各種センサは直に土壌に接しておらず土壌試料を直接測定しておらず、むしろ土壌から装置内に流れ込みセンサに接する試料水を測定し土壌試料の状況を間接的に測定していた。そのため、海底熱水鉱床の状態を正確に反映したデータを取得できなかった。
特開平6−193101号公報 特開平11−6777号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、海底下の土壌中の海底地下水の循環状況、物理化学的性質を、土壌の状態のまま、直接、測定して把握し、海底熱水鉱床の正確な成因究明・探索・調査に利用する海底地下状況モニタリング装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲に記載の海底地下状況モニタリング装置は、海底の土壌に突き刺す先細りの先端部とそれから基端部へ延び前記土壌に貫入する筒部とを有し中空となっている外筒が、海底地下水の状況をモニタリングする複数のセンサをインナー部上で前記筒部の長手方向に沿って並べて収容しており、前記複数のセンサがそれぞれ、前記外筒に開けられた複数の穴に向いて連通し前記土壌及び/又は前記海底地下水に接するようになっており、前記複数のセンサが、それぞれ前記複数の穴へ向かい前記複数のセンサを移動させる駆動源に、接続していることを特徴とする。
海底地下状況モニタリング装置は、前記複数のセンサが、前記筒部の前記長手方向に沿って板状又は筒状の前記インナー部上に並べられており、前記インナー部が、前記外筒から着脱不能又は着脱可能に前記筒部へ挿入されているものであってもよい。
海底地下状況モニタリング装置は、前記複数のセンサが例えば、その複数のセンサで測定した前記状況のデータを記憶するデータロガーユニットのデータロガー回路に接続されているいうものである
海底地下状況モニタリング装置は、前記駆動源が、前記土壌への前記外筒の着座を検知し又は前記土壌での前記外筒の貫入完了を検知する駆動開始トリガーに接続しているものであってもよい。
海底地下状況モニタリング装置は、前記インナー部が、前記駆動源に接続されている態様であってもよい。
海底地下状況モニタリング装置は、前記駆動源が、駆動板に接続されており、前記駆動板に取り付けられたヒンジと単数又は複数で板状の前記インナー部に取り付けられたヒンジとを連結したヒンジ部が、設けられており、前記駆動源が、前記駆動板を介して、前記インナー部を前記複数の穴の方向へ押して移動させる前記ヒンジ部に繋がっているものであると、好ましい。
海底地下状況モニタリング装置は、前記駆動源が、前記基端部に取り付けられ自重で前記インナー部を駆動させる重り、前記インナー部を駆動させる油圧オイル、及び/又は前記インナー部を駆動させる電動モータであるというものであってもよい。
海底地下状況モニタリング装置は、前記複数のセンサが、それぞれ前記複数の穴から前記複数のセンサを前記土壌へ突出させる前記駆動源に、接続しつつ、金網、不織布、及び繊維から選ばれる少なくとも何れかの土壌保護材で覆われていると、好ましい。
海底地下状況モニタリング装置は、前記複数のセンサが、pH計、酸化還元電位差測定計、及び溶存酸素測定計から選ばれる少なくとも何れかの化学センサと、熱電対、金属測温抵抗体、サーミスタ、集積回路温度センサ、流量計、比抵抗測定計、微差圧計、及び圧力計から選ばれる少なくとも何れかの物理センサから選ばれる少なくとも何れかであるというものである。
海底地下状況モニタリング装置は、少なくとも前記インナー部を浮揚させ回収させるブイ、又は少なくとも前記インナー部を船上のウインチから巻き取って引き揚げ回収させるワイヤを、有する態様で使用されてもよい。
海底地下状況モニタリング装置は、前記外筒より先の前記海底への着座を検知する錘を吊っている着座トリガーが、それの着座の検知に応じ、保持している前記外筒を前記インナー部ごと解放して自然落下させ前記土壌へ突き刺しさせる解放具に繋がっていると好ましい。
海底地下状況モニタリング装置は、前記複数の穴に採水チューブが取り付けられているものであってもよい。
本発明の海底地下状況モニタリング装置は、簡素な構造で、海底下の土壌の海底地下水の循環状況、物理化学的性質を、土壌の状態のまま、直接、モニタリングし測定して把握することができる。
この海底地下状況モニタリング装置を用いれば、海底下の土壌の海底地下水の循環状況、物理化学的性質を、土壌の深さ毎に複数の測定ポイントで、正確に測定できるので、海底熱水鉱床の正確な成因究明・探索・調査に、有効である。
この海底地下状況モニタリング装置は、センサを収容した外筒を自重や重りによって土壌に突き刺し貫入させることができるので、簡便に測定ポイントに設置できる。
この海底地下状況モニタリング装置が複数のセンサを内部のインナー部上に並べられたものであると、簡易に同様な測定条件で、土壌の深さ毎に複数の測定ポイントの土壌の海底地下水の循環状況、物理化学的性質を同時に測定することができる。
その複数のセンサが、駆動源により外筒の複数の穴へ向かい移動して土壌に近接し接触すると、海底地下水と土壌成分との土壌を、直接、測定することができる。
この海底地下状況モニタリング装置が、外筒より先の海底への着座を検知する錘を吊っている着座トリガーを有しつつ、保持している外筒を解放して自然落下させて土壌へ突き刺す解放具を有していると、所望の測定ポイント上方へ誘導されてから、自重によって勢いを付けて直前に外筒を土壌に突き刺して、確実に貫入させることができる。
この海底地下状況モニタリング装置が、採水チューブを有していると、採取して回収した試料を精密に様々な測定することができる。それの船上への回収には、ブイやワイヤを用いて確実に行うことができる。
本発明を適用する海底地下状況モニタリング装置の一例を示す一部省略正面図である。 本発明を適用する海底地下状況モニタリング装置の別な一例の使用途中を示す一部正面図である。 本発明を適用する海底地下状況モニタリング装置の別な例の製造途中を示す斜視図である。 本発明を適用する海底地下状況モニタリング装置の別な例の使用途中を示す斜視図である。 本発明を適用する海底地下状況モニタリング装置の別な例の使用途中を示す斜視図である。 本発明を適用する海底地下状況モニタリング装置の別な例の使用途中を示す斜視図である。 本発明を適用する海底地下状況モニタリング装置の別な例の使用途中を示す模式的な一部断面図である。 本発明を適用する海底地下状況モニタリング装置の別な例の使用途中を示す模式的な一部断面図である。 本発明を適用する海底地下状況モニタリング装置のセンサを土壌保護材で覆った状態を示す斜視図である。 本発明を適用する海底地下状況モニタリング装置を用いて、海底地下状況を測定し、深さと間隙水の塩分の濃度との相関を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の海底地下状況モニタリング装置1は、好ましい一例を示す図1の通り、外筒10の内部に、インナー部20を収容したものである。
外筒10は、ステンレスのような金属製である。外筒10は、海底Bの土壌Gに突き刺す先細りの円錐状の先端部11とそれから基端部へ延び土壌Gに貫入する円筒状の筒部13とを有し、中空となっている。外筒10には、複数の穴12a・12a・・・12an−1・12a及び12b・12b・・・12bn−1・12bが互いに対向しつつ長手方向に等間隔、例えば10〜200cm好ましくは50cm間隔で列を成して、並んで開けられている。n数は、2〜24である。外筒10の最上部の穴12a・12bと二番目の穴12a・12bとの間から、円柱状の取手14がやや下向きに傾きつつ延びている。この取手14は、それを越えて海底Bよりも外筒10の筒部13が過剰に土壌Gへ貫入しないようにストッパの役割を兼ねている。
インナー部20は、ステンレスのような金属製又は樹脂製である。インナー部20は、下端が閉鎖され又は開放されている、外筒10と同心円状の円筒形のものである。インナー部20上に、海底地下状況をモニタリングする複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bが、夫々列を成して並べられており、それぞれ複数の穴12a・・・12a及び12b・・・12bに向いて連通している。各列のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bは、pH計、酸化還元電位差測定計、及び溶存酸素測定計から選ばれる化学センサであってもよく、熱電対、金属測温抵抗体、サーミスタ、集積回路温度センサ、流量計、比抵抗測定計、微差圧計、及び圧力計から選ばれる物理センサであってもよく、列ごとに同種又は異種であってもよい。
外筒10にインナー部20を挿入して固定したときに、センサ21a・・・21a及び21b・・・21bが筒部13の内壁に接触しないように、インナー部20と筒部13との間に間隙が設けられている。例えばインナー部20と筒部13との間に間隙を確保するため、インナー部20の下端を取り巻いてスペーサ25が設けられている。間隙には、穴12a・・・12a及び12b・・・12bの一方側から他方側へ海水Sや土壌G又はその内部の海底地下水が浸入したり場合によっては通過したり拡散したりできるようになっている。それによって、土壌Gに貫入している部位の筒部13でのセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bが、土壌Gやそれの海底地下水に直に接するようになっている。一方、土壌Gに貫入していない部位の筒部13でのセンサ21a及び21bが、海水Sに接するようになっている。それによって、海水Sと土壌Gとの差異を測定することが可能となる。
インナー部20の内空に、水圧で潰されないようにオイル又は水若しくは海水が充填されている。センサ21a・・・21a及び21b・・・21bからインナー部13を液密状態のまま貫通したリード線が、インナー部20の内空を経て、データロガーユニット32内のデータロガー回路に接続されている。データロガーユニット32は、インナー部20の開口上端を着脱不能に塞いでいる。
データロガーユニット32は、重石を兼ねる円筒形でステンレスのような金属製の外筒蓋33内に収容されている。外筒10の上端部に張出して設けられた鍔15が、外筒蓋33に、捻じ込まれ、溶接され、または螺合して、着脱不能に塞がれている。それによって、外筒10とインナー部20とは、外筒蓋33と一体化している。
外筒蓋33は、上端面で、吊下ワイヤ31に繋がっている。それによって、外筒10、インナー部20、データロガーユニット32及び外筒蓋33からなるモニタリング装置本体1aが、吊下ワイヤ31で懸け吊られている。吊下ワイヤ31は、船上のウインチに繰り出し・巻き取り可能に接続されている(不図示)。
海底地下状況モニタリング装置1は、例えば予め潜水艇や水中カメラで海底熱水鉱床賦存域として事前調査され、海底の砂状や砂利状や粘土状の比較的軟質の土壌であることが確認されている測定すべき海底測定域で、外筒10を突き刺して、海底地下状態を測定するのに、使用される。
図1に示す海底地下状況モニタリング装置1は、先ず、船上から海底測定域へ投入される。海底地下状況モニタリング装置1は、その自重によって吊下ワイヤ31が船上のウインチから繰り出されつつ、海底Bに向かって海水中を沈降する。吊下ワイヤ31で吊り下げているために、重石を兼ねる外筒蓋33が外筒10よりも海底B側へ転倒することを防止している。
海底地下状況モニタリング装置1は、海底Bに到達する。すると、その自重の重力のために、外筒10の先端部11が海底Bへ勢いよく突き刺さり、土壌Gへ筒部13が貫入する。土壌Gが軟らかければ、筒部13は取手14まで貫入して停止する。
暫くすると、海底地下水の流れに従って、土壌Gやそれの海底地下水が、外筒10の穴12a・・・12a及び12b・・・12bの一方側から他方側へ土壌G又はその内部の海底地下水が浸入し通過するようになり、インナー部20と筒部13との間に間隙が、外部の土壌Gと同質となる。複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bで海底地下状況を、逐次、又はタイマーで定期的に、測定してモニタリングし、そのデータをデータロガーユニット32内のデータロガー回路で記憶する。
海底地下状況の測定は、海中への海底地下状況モニタリング装置1の投入直後から開始してもよく、データロガーユニット32内に内蔵されたピエゾ素子のような加速度センサで沈降による加速度が無くなることにより外筒10が土壌Gに貫入したことを検知したら開始してもよく、海底地下状況モニタリング装置1の投入からの十分な所期時間経過によって開始してもよい。
なお、土壌Gが幾分硬ければ、筒部13は取手14まで貫入できずに、途中で貫入を停止してしまうが、複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bで測定される海水Sと土壌G又はそれの海底地下水との一連のデータの相違から、筒部13がどこまで貫入しているか事後的に解析できる。
所期時間の海底地下状況の測定が完了したら、船上のウインチで吊下ワイヤ31を巻き取る。すると、吊下ワイヤ31の巻き取りに応じ引張られて外筒10が土壌Gから抜ける。海底地下状況モニタリング装置1が、外筒10と複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bを有するインナー部20とデータロガーユニット32と外筒蓋33ごと、船上へ引き揚げられる。
なお、図2(a)に示すように、外筒蓋33と、吊下ワイヤ31の間に、打込み用の錘101が追加されることがある。吊下ワイヤ31と打込み用の錘101は直接つながっている。外筒蓋33と打込み用の錘101とは、外部からの切断又は分断が可能な鎖やフックのような係止具102によって繋がれている。
図2(a)のように打込み用の錘68を使用して打ち込んだ場合は、その後、同図(b)のように外部からの切断又は分断が可能な鎖やフックのような係止具102を切断してから吊下げワイヤ31を巻き取ることで、打込み用の錘101のみ船上に先に回収し、外筒蓋33より下部の構造のモニタリング装置本体1aのみ海底に設置する。前記と同様に、海底地下状況モニタリングを行う。
打込み用の錘101を使用した場合は、図2(c)のように外筒蓋33と、新しく船上から吊した吊下ワイヤ41を、別途潜水船やダイバーによって接続した後、船上のウインチで吊下ワイヤ41を巻き取る。すると、吊下ワイヤ41の巻き取りに応じ引張られて外筒10が土壌Gから抜ける。海底地下状況モニタリング装置1のモニタリング装置本体1aが、外筒10と複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bを有するインナー部20とデータロガーユニット32と外筒蓋33ごと、船上へ引き揚げられる。
打込み用の錘101を使用した場合の、前項と異なる引き上げ方法を述べる。外筒蓋33を別途潜水船やダイバーを用いて捕捉した後、潜水船やダイバーが浮上すると、潜水船やダイバーの浮上に応じ外筒蓋33と下部構造とのモニタリング装置本体1aが海底から引張られ、最終的には外筒10が土壌Gから抜ける。海底地下状況モニタリング装置1のモニタリング装置本体1aが、外筒10と複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bを有するインナー部20とデータロガーユニット32と外筒蓋33ごと、船上へ引き揚げられる。
これらのようにして回収されたデータロガーユニット32からデータを通信によって取り出す。海底地下状況モニタリング装置1は初期化した後、再度使用される。なお、海底地下状況のデータをデータロガーユニット32内のデータロガー回路で記憶する例を示したが、音響ソナーを用いて、海底から、逐次、船上にデータを送信してもよい。
海底地下状況モニタリング装置1は、穴12a・・・12a及び12b・・・12b、又はそれらの各近傍でインナー部20と筒部13との間の間隙に、採水チューブの一端を設けておき、採水チューブの他端をシリンジに接続しておき、インナー部20と筒部13との間に間隙が外部の土壌Gと同質となった頃合を見計らうタイマーに応じ、電動仕掛けでプランジャによってシリンジ内に吸い上げる採水ユニットを、備えていてもよい。
図3は、海底地下状況モニタリング装置1の別な態様の製造途中を示している。図1で示した海底地下状況モニタリング装置1との相違点について説明する。
この海底地下状況モニタリング装置1は、海底地下状況をモニタリングする複数のセンサ21a・21a・・・の列が、pH計、酸化還元電位差測定計、及び溶存酸素測定計のような化学センサ、又は熱電対、金属測温抵抗体、サーミスタ、集積回路温度センサ、流量計、比抵抗測定計、及び圧力計のような物理センサであり、複数のセンサ21b・・・の列が、微差圧計であるという実施態様である。
複数のセンサ21a・21a・・・及び21b・・・の夫々が、他のセンサ近傍の土壌Gやそれの海底地下水に影響を受けずに互いに独立するように、インナー部20と筒部13との間の間隙を詰めつつ外筒の穴12a・・・及び12b・・・とそれぞれ直接連通しているインナー部の穴22a・22a・・・及び22b・22b・・・の開いたパッキン部材23a・23a・・・及び23b・・・内で、インナー部20に設けられている。
これら複数の化学センサ又は物理センサである21a・21a・・・は、インナー部20の穴22a・22a・・・及び外筒の穴12a・12a・・・を介して、海水Sや土壌G又はその内部の海底地下水に直接接触する。
インナー部20と筒部13との間の残存間隙に、オイル、海水又は水が充填されている。
一方、センサを有しない穴23bと、微差圧計であるセンサ21b・・・を有する穴23b・・・とは、インナー部20内部のチューブ27を介して繋がっている。微差圧計のセンサ21b・・・は、インナー部20のパッキン部材23b1及び外筒の穴12bを介した海水と、インナー部20のパッキン部材23b・・・及び外筒の穴12b・・・を介して海水Sや土壌G又はその内部の海底地下水に直接接触したことによる水圧差によって、水圧を測定するというものである。センサ21a・21a・・・と21b・・・とに夫々繋がるリード線26a・26a・・・と26b・・・とは、データロガーユニット32内のデータロガー回路に接続されている。
データロガーユニット32で密閉されたインナー部20をパッキン部材23a・23a・・・及び23b・23b・・・ごと、外筒10の筒部13に挿入し、その残余間隙にオイル、海水又は水を充填し、データロガーユニット32で外筒10の液密を確保する。次いで、データロガーユニット32を外筒蓋33内の窪み34に挿入し、外筒蓋33と外筒10の鍔15とを溶接又は螺合によって着脱不能に塞ぐと、海底地下状況モニタリング装置1が得られる。
図4は、海底地下状況モニタリング装置1が着座トリガー50を有している別な態様の使用途中を示している。
この海底地下状況モニタリング装置1は、図1で示したようなモニタリング装置本体1aの外筒蓋33又は図2で示したようにそれに繋がっている打込み用の錘101(図4中、不図示)が、モニタリング装置本体解放具46を介し船上のウインチで繰り出し・巻き取り可能な吊下ワイヤ41に接続されている。モニタリング装置本体解放具46は、上半身と下半身とに分断されるようになっている。モニタリング装置本体1aは、ワイヤロープ45に接続されており、ワイヤロープ45が、巻き取られた形で、モニタリング装置本体解放具46のワイヤロープ側の上半身に、繰り出し可能に、収容されている(図4中、不図示)。ワイヤロープ45の長さは、保持しているモニタリング装置本体1aを開放して自然落下させて、その落下の勢いで土壌へ突き刺すことができる程度の50cm〜10m、望ましくは2m〜5mである。ワイヤロープ45は、巻き取っておきモニタリング装置本体解放具46の収納具に収納していてもよく、図4に示すように収容していなくてもよい。
モニタリング装置本体解放具46は、海底地下状況モニタリング装置本体1aの外筒10より先の海底への着座を検知して駆動源を駆動させ始める駆動開始トリガーである着座トリガー50に接続されている。着座トリガー50は、モニタリング装置本体解放具46が内蔵しており解放を惹起するレバー(図4中、不図示)に繋がり海底側へ傾いた伝達棒54と、伝達棒54に蝶番で接続された検知棒又は検知ワイヤ52と、検知棒又は検知ワイヤ52の下端に設けられた錘51とを、有している。錘51の重量は、伝達棒54の検知棒または検知ワイヤ52側の端部が常時下がっている重量と設定する。
海底地下状況モニタリング装置1が沈降する際、吊下ワイヤ41によるウインチや海水との間での抵抗の所為で、数100〜数千mもの深海で深くなるほど沈降が遅くなるが、先の海底への着座の前に、保持しているモニタリング装置本体1aを開放して自然落下させると、沈降の勢いに落下の勢いが加勢し、確実かつ十分に海底地下状況モニタリング装置1の外筒10が海底Bの土壌に貫入することができる。
このとき、検知棒又は検知ワイヤ52の長さは、モニタリング装置本体1aが開放されてそれの外筒10が海底の土壌へ十分に貫入する前に、緊張してしまわないように、ワイヤロープ45の長さよりも幾分か短くしておく必要がある。
モニタリング装置本体解放具46の開放に応じてその開放を発信するソナーによって船上で開放信号を受信し、又は吊下ワイヤ41の荷重の減少を検知したときに、ウインチの繰出しを停止するウインチ制御器が、ウインチに設けられていてもよい。
モニタリング装置本体1aが、解放された際に、外筒蓋33やモニタリング装置本体解放具46の重みで、転倒してしまわないように、外筒10を充分に重くして重心を先端部寄りにしたり、外筒蓋33の外周から四方へ延びた転倒防止羽根を設けたりしてもよい。
この海底地下状況モニタリング装置1は、船上から海底測定域へ投入され、自重によって吊下ワイヤ41が船上のウインチから繰り出される。海底地下状況モニタリング装置1が沈降し、先ず、着座トリガー50の錘51が海底Bに着座する。さらに海底地下状況モニタリング装置1が沈降するので、検知棒又は検知ワイヤ52を押し上げる。すると、二点破線で示すように、検知棒又は検知ワイヤ52と伝達棒54との成す角度が鈍角から鋭角になる。伝達棒54は、モニタリング装置本体解放具46が内蔵するレバーを押し上げる。その結果、モニタリング装置本体解放具46に内蔵されたフックの係止が外れ、モニタリング装置本体1aを開放する。モニタリング装置本体1aは、吊下ワイヤ41の影響を受けること無く、自然落下によって沈降し、海底Bの土壌に突き刺さり、海底地下状況モニタリング装置1の外筒10が海底Bの土壌に貫入する。このとき、モニタリング装置本体1aに接続されたワイヤロープ45が、モニタリング本体解放具46の収納具から外れ、繰り出される。
図1の場合と同様にして、海底地下状況を測定し、測定が完了したら、船上のウインチで吊下ワイヤ41を巻き取る。それに応じ、先ずワイヤロープ45がモニタリング本体解放具46から完全に繰り出され、モニタリング装置本体開放具46側の端部がモニタリング本体開放具46に、モニタリング装置本体1a側の端部がモニタリング装置本体1aに固設されていることによって、緊張すると、ワイヤロープ45の引き上げに応じて、土壌Gから外筒10が抜け、海底地下状況モニタリング装置1が、外筒10とインナー部20とデータロガーユニット32と外筒蓋33と着座トリガー50ごと、船上へ引き揚げられる。データロガーユニット32からデータを通信によって取り出し、海底地下状況モニタリング装置1は再度、使用される。
図2の場合と同様にして、打込み用の錘101を使用した場合は、外部から切断が可能な鎖やフック102を切断した後、吊下げワイヤ41を巻き取る。それに応じ、先ずワイヤロープ45が本体解放具46から外れ、本体開放具46側の端部が本体開放具46に、モニタリング装置本体1a側の端部が打込み用の錘101に固設されていることによって、緊張すると、ワイヤロープ45の引き上げに応じて、打込み用の錘101より上部の構造が引き上げられる。
図1の場合と同様にして、海底地下状況を測定し、測定が完了したら、外筒蓋33と、新しく船上から吊した吊下げワイヤ41(図2参照)を、別途潜水船を用いて接続した後、船上のウインチで吊下ワイヤ41を巻き取る。すると、吊下ワイヤ41の巻き取りに応じ引張られて外筒10が土壌Gから抜ける。海底地下状況モニタリング装置1が、外筒10と複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bを有するインナー部20とデータロガーユニット32と外筒蓋33ごと、船上へ引き揚げられる。
打込み用の錘101を使用した場合の、前項と異なる引き上げ方法を述べる。外筒蓋33を、別途潜水船を用いて捕捉した後、潜水船が浮上すると、潜水船の浮上に応じ外筒蓋33および下部構造が海底から引張られ、最終的には外筒10が土壌Gから抜ける。海底地下状況モニタリング装置1が、外筒10と複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bを有するインナー部20とデータロガーユニット32と外筒蓋33ごと、船上へ引き揚げられる。データロガーユニット32からデータを通信によって取り出し、海底地下状況モニタリング装置1は再度、使用される。
図5は、海底地下状況モニタリング装置1が浮力ブイ47を有している別な態様の使用途中を示している。この図は、モニタリング装置本体1aの外筒10が海底Bの土壌に貫入している状態を示している。
この海底地下状況モニタリング装置1は、図1や図2で示したようなモニタリング装置本体1aが、フレーム43の天面板42から垂下されて固定されている。フレームの下部に、浮力ブイ47の浮力を上回る重さの重り49が取り付けられている。フレーム43の天面板42の上面には浮力ブイ47が係留されている。フレーム43の支柱には、切離器48が夫々取り付けられている。海底地下状況モニタリング装置1は、フレーム43が着座するまで重り49の重さによって、モニタリング装置本体1aを海底Bの土壌に貫入させるものであるから、取手(図1参照)は必要ない。浮力ブイ47に、海上で回収し易いように全地球測位システム(GPS)が取り付けられていることが好ましい。
海底地下状況の測定は、海中への海底地下状況モニタリング装置1が投入された直後、土壌に貫入したことを加速度センサで検知した後、又は投入からの所期時間経過後に、開始してもよい。測定開始から十分な時間が経過し、その測定が完了したら、タイマーにより、又は船上からのソナーによる切離信号により、切離器48が駆動し、重り49が取り付けられたフレーム43下部と、モニタリング装置本体1a及び浮力ブイ47を有するフレーム43上部とに、分断する。すると、重り49から解放された浮力ブイ47の浮力によって、海底Bから外筒10が引き抜け、モニタリング装置本体1aが、外筒10とインナー部20とデータロガーユニット32と外筒蓋33ごと(図1参照)、海上へ浮上する。GPSで浮上場所を確認して、それを回収しデータロガーユニット32からデータを通信によって取り出す。海底地下状況モニタリング装置1は初期化され、重り49が取り付けられたフレーム43下部を装着し直し、再度使用される。
図6は、海底地下状況モニタリング装置1が着座トリガー50及び浮力ブイ47を有している別な態様の使用途中を示している。この図は、モニタリング装置本体1aの外筒10が海底Bの土壌に貫入する直前の状態を示している。この海底地下状況モニタリング装置1は、図4のようにフレーム43の天面板42からモニタリング装置本体解放具46を介してモニタリング装置本体1aが吊り下げられつつドラム44とワイヤロープ45に外筒蓋33が接続されて、錘51と検知棒又は検知ワイヤ52と伝達棒54とからなる着座トリガー50を有している態様と、図5のようにフレーム43下部に重り49とフレーム上部に浮力ブイ47とフレーム43の支柱に切離器を有している態様とを、併せ持っている。
海底地下状況モニタリング装置1は、外筒10とインナー部20とデータロガーユニット32と外筒蓋33ごと回収する例を示したが、外筒10をディスポーザブルとし、センサの付されたインナー部20とデータロガーユニット32と外筒蓋33のみを回収する態様としてもよい。
図1で示すような複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bは、外筒10の複数の穴12a・・・12a及び12b・・・12bに近接しつつ連通していると、それの外界の土壌に極めて近いため海底地下状況を正確に把握できるが、外筒10と複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bとが近接過ぎると、外筒10からインナー部20を引き抜いて回収する際に、センサ21a・・・21a及び21b・・・21bの破損を招き、再使用できなくなる恐れがある。そこで、図7のように、複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bが、それぞれ外筒10の複数の穴12a・・・12a及び12b・・・12bへ向かい移動させる駆動源60に、接続している海底地下状況モニタリング装置1とすると、インナー部20を引き抜く際にセンサ破損を惹き起さず、また各センサ12が土壌へ直に達するので、一層好ましい。
この海底地下状況モニタリング装置1は、例えば図7のような構造を有することによって、図1のように列を成した複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bが、外筒10の筒部13の複数の穴12a・・・12a及び12b・・・12bへ向かって、移動の動作をする。
この海底地下状況モニタリング装置1は、図7(a)のように外筒10の筒部13の中空内に、複数で幾分湾曲した板状での可動性のインナー部20を有している。同図中、2列の複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bが、それぞれ二つのインナー部20に夫々並べられている。インナー部20の外壁は、外筒10の筒部13の内壁と同径となっている。インナー部20は、測定開始前には、中央寄りに収められている。
データロガーユニット32内を貫通して、駆動源60である油圧ポンプが、液密に設けられている。油圧ポンプは、オイルを充填したポンプ前室62とポンプ後室64とが、絞り63を介して、導通している。ポンプ後室64には、駆動プランジャ65が摺動可能に挿入されている。駆動プランジャ65から駆動板67が接続されている。駆動板67に取り付けられたヒンジとインナー部20に取り付けられたヒンジとを連結したヒンジ部66が、設けられている。なお、インナー部20及びヒンジ部66は、複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21b毎に、独立して設けられ、突出程度を調整できるようにしていてもよい。
複数のセンサ21a及び21bと、外筒10の筒部13の複数の穴12a及び12bとが夫々、水平に直線状に配置されている。他のセンサと外筒10の筒部13の複数の穴とも同様になっている。
海底地下状況モニタリング装置1を海中に投入したときに外筒10の筒部13の内空に海水が浸入できるように、筒部13の上部に空気抜穴12aが開けられている。
この海底地下状況モニタリング装置1は、図7(a)から(b)へと以下のように動作する。海底地下状況モニタリング装置1を海中に投入すると、海水が外筒13の筒部13の内空に浸入し、空気抜穴12aから空気が追い出される。海水は、二つのインナー部20の間にも充満する。
この海底地下状況モニタリング装置1が、沈降し、それの外筒10の筒部13が、海底の土壌に貫入して、停止する。それに合わせ機械仕掛け又は電動仕掛けでポンプ前室62にその上部から圧力がかかる。オイルが絞り63で流動を緩やかに制御されながらポンプ後室64へ移動し、駆動プランジャ65が摺動して下方へ押される。その摺動スピードは、筒部13が海底の土壌に貫入してから停止するまでの時間よりも長くなるように、絞り63で調整されている。すると、駆動板67がゆっくりと下方に押し出され、インナー部20が遊び分だけ筒部13内を僅かに下方に移動し先端部11の上面に当接する。さらに、駆動プランジャ65が摺動して下方へ押され続けると、駆動板67がさらに下方に押し出されるが、インナー部20は最早、下方へ移動し得ないので、ヒンジ部66のヒンジが鈍角から鋭角へと曲げられ、図7(b)のようにインナー部20が押し拡げられる。終には、インナー部20の外壁が筒部13の内壁に当接し、それ以上、駆動プランジャ65が移動しなくなるので、インナー部20は、動作を停止する。
この動作の途中、複数のセンサ21a及び21bは、複数の穴12a及び12bとに嵌り込み、又はそれらから突出し、海底の土壌へ直接接する。
海底地下状況を測定し、測定が完了したら、機械仕掛け又は電動仕掛けでポンプ前室62からその上方へオイルが引っ張られると、絞り63で流動を緩やかに制御されながらポンプ後室64から移動し、駆動プランジャ65が摺動して上方へ引き上げられる。すると、駆動板67が上方に引き戻され、インナー部20が遊び分だけ筒部13内を僅かに上方に移動しデータロガーユニット32のケース下端に当接する。さらに、駆動プランジャ65が摺動して上方へ引き上げられ続けると、駆動板67がさらに上方へ引き戻されるが、インナー部20は最早、上方へ移動し得ないので、ヒンジ部66のヒンジが鋭角から鈍化へと曲げられ、図7(a)のようにインナー部20が引き寄せらせる。駆動源60が初期状態にまで戻ると、それ以上、駆動プランジャ65が移動しなくなるので、インナー部20は、動作を停止する。
その後、複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bが付されたインナー部20、データロガーユニット32、外筒蓋33を一体に、外筒10から切り離して、船上のウインチで吊下ワイヤ31を巻き取って、回収する。
図8は、海底地下状況モニタリング装置1が、着座トリガー50を有し、センサが付されたインナー部20、データロガーユニット32、外筒蓋33を一体に外筒10から切り離して、船上のウインチから吊下ワイヤ31で回収される別な態様の使用途中を示している。
海底地下状況モニタリング装置1は、図1や図2で示したようなモニタリング装置本体1aが、フレーム43の天面板42から、モニタリング装置本体解放具46と吊り下げられたものである。さらにモニタリング装置本体1aは、ワイヤロープ45に接続されており、ワイヤロープ45が、天面板42の下面に取り付けられたドラム44に、繰り出し可能に接続されている。天面板42の上面で、船上のウインチで繰り出し・巻き取り可能な吊下ワイヤ41に接続されている。モニタリング装置本体解放具46の下半分と、外筒蓋33及び外筒10の鍔15を係止している係止フック69とが、ワイヤ68で丁度緊張して繋がっていることによって、外筒蓋33及び外筒10とが、当接したままとなっている。検知棒又は検知ワイヤ52は、沈降、着座の際にぶれないように、フレーム43に取り付けられたリング53へ貫通している。海底地下状況モニタリング装置1が沈降し、先ず、着座トリガー50の錘51が海底に着座する。さらに海底地下状況モニタリング装置1が沈降するので、検知棒又は検知ワイヤ52を押し上げる。すると、伝達棒54は、モニタリング装置本体解放具46が内蔵するレバー46cを押し上げる。モニタリング装置本体解放具46の互いに係合している係合フック46a・46bのうち、上側のフック46bとレバー46cとの係止が外れ、モニタリング装置本体解放具46が動作すると、モニタリング装置本体1aが開放されて、沈降し、海底の土壌に突き刺さる。
このとき、フレーム43の天面板42で、モニタリング装置本体解放具46を介してそれに繋がる伝達プランジャ61ごとモニタリング装置本体1aが吊り下げられていたのが一気に開放されるので、外れたモニタリング装置本体解放具46の下半分の重みで、伝達プランジャ61がポンプ前室62に圧力をかけ、それのオイルが絞り63を経てポンプ後室64へ移動し、駆動プランジャ65が摺動して下方へ押され、駆動板67を介してヒンジ部66が曲がり、図7(b)のように、インナー部20が押し拡げられる。
海底地下状況を測定し、測定が完了したら、船上のウインチで吊下ワイヤ41(図4参照)を巻き取ると、それに応じ、ワイヤロープ45が緊張し、外れたモニタリング装置本体解放具46の下半分を引き上げる。すると、先ず伝達プランジャ61がポンプ前室62のオイルを上方へ引っ張り上げ、駆動プランジャ65が摺動して上方へ引き上げられ、駆動板67が上方に引き戻されて、駆動板67を介してヒンジ部66が曲がり、図7(a)のように、インナー部20が引き寄せらせる。伝達プランジャ61はストッパにより過剰に引っ張られないようになっている。
さらに、船上のウインチで吊下ワイヤ41を巻き取り続ける。ワイヤロープ45の緊張により、インナー部20とデータロガーユニット32のケースとの間の遊び分だけ、モニタリング装置本体解放具46の下半分が、当初でのそれと外筒33との距離よりも余計に離れる。すると、海底の土壌とそこに貫入された外筒10との摩擦により外筒10が引き抜き難くなっているので、ワイヤ68が引き上げられる結果、外筒10の引き抜きよりも係止フック69が外れる方が優先される。さらに、吊下ワイヤ41を巻き取り続けると、外筒10と複数のセンサを有するインナー部20が外筒10から抜ける。インナー部20とデータロガーユニット32と外筒蓋33とが、船上へ引き揚げられた後、データロガーユニット32からデータを取り出してから、新たに外筒10を取り付け、再度使用される。
図7、図8のように、インナー部20が移動する場合、複数のセンサ21a・・・21a及び21b・・・21bは、外筒10の複数の穴12a・・・12a及び12b・・・12bに嵌り込み、又はそれらから突出しするので、海底の土壌の砂や砂利によって傷付けられる恐れがある。そこで、センサ21を土壌保護材で覆っていてもよい。例えば、土壌保護材は、図9(a)に示すようにこれらセンサ21を取り巻いて覆う10〜300メッシュ好ましくは50〜150メッシュでステンレス製又はチタン製の金網、同図(b)のようにセンサ21を取り巻いて覆う10〜300メッシュ好ましくは50〜150メッシュであって合成樹脂製の不織布、又は同図(c)のようにこれらセンサ21を取り囲んでいる合成樹脂製の綿状の繊維が、挙げられる。土壌保護材は、これらセンサ21を覆いつつインナー部20上に取り付けられて入れもよく、外筒10のこれら複数の穴12を覆いつつインナー部20が移動したときに嵌り込むようにしてもよい。
なお、外筒10の穴12a・・・12aの夫々に複数のセンサ21a・・・21aが連通しつつ採水チューブが繋がり、採水チューブが採水シリンジに繋がり、採水シリンジ内の採水プランジャが伝達プランジャ61に繋がっていることにより、伝達プランジャ61の引き上げに応じて、外筒10の穴12a・・・12a近傍の試料、例えば海底の海底地下水のような間隙水を採取するものであってもよい。
以下、海底地下状況モニタリング装置1を用いて、海底地下状況を測定した結果を示す。
2015年12月24日、東経127度30分、北緯27度29分、水深600mの海底にて、採水試験を行った。海底面から深さ2.5cm、5cm、10cm、12.5cm、17.5cm、20cmの地点で1.5mlの間隙水の採取を行った。採取した間隙水の塩分を分析した結果を図10に示す。縦軸に深さ、横軸に間隙水の塩分の濃度を千分率で示す。深さ方向に塩分濃度(千分率)のばらつきを計測することに成功した。
本発明の海底地下状況モニタリング装置は、海底の土壌内に在る間隙水や熱水のような海底地下水の循環状況を把握し、有用金属成分が多く含有される海底熱水鉱床のような有用資源探索地域での海底地下水の流れ・物理化学的性質の状況をモニタリングして、海洋開発・海洋研究に利用することができる。
1は海底地下状況モニタリング装置、1aはモニタリング装置本体、10は外筒、11は先端部、12・12a・12a・・・12an−1・12a及び12b・12b・・・12bn−1・12bは穴、12aは空気抜穴、13は筒部、14は取手、15は鍔、20はインナー部、21及び21a・21a・・・21an−1・21a及び21b・21b・・・21bn−1・21bはセンサ、22a・22a・・・及び22b・22b・・・は穴、23a・23a・・・及び23b・23b・・・はパッキン部材、25はスペーサ、26a・26a・・・及び26b・・・はリード線、27はチューブ、31は吊下ワイヤ、32はデータロガーユニット、33は外筒蓋、34は窪み、41は吊下ワイヤ、42は天面板、43はフレーム、44はドラム、45はワイヤロープ、46はモニタリング装置本体解放具、46a・46bはフック、46cはレバー、47は浮力ブイ、48は切離器、49は重り、50は着座トリガー、51は錘、52は検知棒又は検知ワイヤ、53はリング、54は伝達棒、60は駆動源、61は伝達プランジャ、62はポンプ前室、63は絞り、64はポンプ後室、65は駆動プランジャ、66はヒンジ部、67は駆動板、68はワイヤ、69は係止フック、Sは海水、Bは海底、Gは土壌、101は打込み用の錘、102は係止具である。

Claims (12)

  1. 海底の土壌に突き刺す先細りの先端部とそれから基端部へ延び前記土壌に貫入する筒部とを有し中空となっている外筒が、海底地下水の状況をモニタリングする複数のセンサをインナー部上で前記筒部の長手方向に沿って並べて収容しており、前記複数のセンサがそれぞれ、前記外筒に開けられた複数の穴に向いて連通し前記土壌及び/又は前記海底地下水に接するようになっており、
    前記複数のセンサが、それぞれ前記複数の穴へ向かい前記複数のセンサを移動させる駆動源に、接続していることを特徴とする海底地下状況モニタリング装置。
  2. 前記複数のセンサが、前記筒部の前記長手方向に沿って板状又は筒状の前記インナー部上に並べられており、前記インナー部が、前記外筒から着脱不能又は着脱可能に前記筒部へ挿入されていることを特徴とする請求項1に記載の海底地下状況モニタリング装置。
  3. 前記複数のセンサが、その複数のセンサで測定した前記状況のデータを記憶するデータロガーユニットのデータロガー回路に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の海底地下状況モニタリング装置。
  4. 前記駆動源が、前記土壌への前記外筒の着座を検知し又は前記土壌での前記外筒の貫入完了を検知する駆動開始トリガーに接続していることを特徴とする請求項3に記載の海底地下状況モニタリング装置。
  5. 前記インナー部が、前記駆動源に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の海底地下状況モニタリング装置。
  6. 前記駆動源が、駆動板に接続されており、
    前記駆動板に取り付けられたヒンジと単数又は複数で板状の前記インナー部に取り付けられたヒンジとを連結したヒンジ部が、設けられており、
    前記駆動源が、前記駆動板を介して、前記インナー部を前記複数の穴の方向へ押して移動させる前記ヒンジ部に繋がっていることを特徴とする請求項に記載の海底地下状況モニタリング装置。
  7. 前記駆動源が、前記基端部に取り付けられ自重で前記インナー部を駆動させる重り、前記インナー部を駆動させる油圧オイル、及び/又は前記インナー部を駆動させる電動モータであることを特徴とする請求項3に記載の海底地下状況モニタリング装置。
  8. 前記複数のセンサが、それぞれ前記複数の穴から前記複数のセンサを前記土壌へ突出させる前記駆動源に、接続しつつ、金網、不織布、及び繊維から選ばれる少なくとも何れかの土壌保護材で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の海底地下状況モニタリング装置。
  9. 前記複数のセンサが、pH計、酸化還元電位差測定計、及び溶存酸素測定計から選ばれる少なくとも何れかの化学センサと、熱電対、金属測温抵抗体、サーミスタ、集積回路温度センサ、流量計、比抵抗測定計、微差圧計、及び圧力計から選ばれる少なくとも何れかの物理センサとから選ばれる少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1に記載の海底地下状況モニタリング装置。
  10. 少なくとも前記インナー部を浮揚させ回収させるブイ、又は少なくとも前記インナー部を船上のウインチから巻き取って引き揚げ回収させるワイヤを、有することを特徴とする請求項1に記載の海底地下状況モニタリング装置。
  11. 前記外筒より先の前記海底への着座を検知する錘を吊っている着座トリガーが、それの着座の検知に応じ、保持している前記外筒を前記インナー部ごと解放して自然落下させ前記土壌へ突き刺しさせる解放具に繋がっていることを特徴とする請求項1に記載の海底地下状況モニタリング装置。
  12. 前記複数の穴に採水チューブが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の海底地下状況モニタリング装置。
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KR20230089345A (ko) * 2021-12-13 2023-06-20 한국해양과학기술원 수중 착저식 콘관입시험장치용 콘센서 음파 수신장치
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