JP6707222B2 - ドパミン過感受性精神病の判定方法 - Google Patents

ドパミン過感受性精神病の判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6707222B2
JP6707222B2 JP2015188048A JP2015188048A JP6707222B2 JP 6707222 B2 JP6707222 B2 JP 6707222B2 JP 2015188048 A JP2015188048 A JP 2015188048A JP 2015188048 A JP2015188048 A JP 2015188048A JP 6707222 B2 JP6707222 B2 JP 6707222B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymorphism
dsp
gene
risk
schizophrenia
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015188048A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017060432A (ja
Inventor
信久 金原
信久 金原
正幸 高瀬
正幸 高瀬
靖典 小田
靖典 小田
渡邉 博幸
博幸 渡邉
雅臣 伊豫
雅臣 伊豫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiba University NUC
Original Assignee
Chiba University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiba University NUC filed Critical Chiba University NUC
Priority to JP2015188048A priority Critical patent/JP6707222B2/ja
Publication of JP2017060432A publication Critical patent/JP2017060432A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6707222B2 publication Critical patent/JP6707222B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明は、ドパミンD2受容体遺伝子プロモーター領域の遺伝子多型を検出することを含むドパミン過感受性精神病の罹患リスクの判定方法に関する。より詳しくは本発明は、ドパミンD2受容体遺伝子のプロモーター領域に存在する1塩基多型、具体的には、該遺伝子の−141位の塩基シトシンの挿入/欠失(−141C Ins/Del)多型(rs1799732)を検出することを含む、ドパミン過感受性精神病の罹患リスクの判定方法に関する。さらに詳しくは本発明は、前記遺伝子の−141位の塩基シトシンの欠失を検出することを含む、ドパミン過感受性精神病の罹患リスクの判定方法に関する。また、本発明は、ドパミン過感受性精神病の罹患リスクの判定用試薬キット、および該キットに含まれるオリゴヌクレオチドに関する。
統合失調症は思春期後半から青年期に発症し、慢性的な経過をたどる精神病性障害である。主症状は、幻覚および妄想などの陽性症状や、感情および意欲の減退や社会的ひきこもりなどの陰性症状、並びに注意や記憶の低下などの認知機能障害である。
統合失調症の治療は抗精神病薬による薬物療法が中心であるが、薬剤療法により寛解に至ることができる統合失調症患者は20%程度であり、また、再発率が高い疾患であるのが特徴である。実際、初発エピソード後の再燃率は、2年で35%、5年で75%である。
抗精神病薬は広義の向精神薬の一種で、主に統合失調症や躁状態の治療に承認されている薬剤である。抗精神病薬は、定型抗精神病薬または第一世代抗精神病薬といわれる従来型抗精神病薬と、非定型抗精神病薬または第二世代の抗精神病薬といわれる新規抗精神病薬の2種類に大別される。定型抗精神病薬はドパミン拮抗薬であり、主に中脳辺縁系のドパミン作動性ニューロンのドパミンD2受容体(以下、DRD2と略称することがある。)を遮断する作用を有する。定型抗精神病薬はドパミンの働きを強力に抑制するため、中脳辺縁系に作用することにより陽性症状の顕著な改善に効果を示す。定型抗精神病薬として、フェノチアジン系抗精神病薬であるクロルプロマジンやレボメプロマジン、ブチロフェノン系抗精神病薬であるハロペリドールやチミペロン、ベンザミド誘導体系抗精神病薬であるスルピリドなどが知られている。非定型抗精神病薬は、DRD2受容体拮抗作用に加えてセロトニン5HT2A受容体拮抗作用を有するといった特徴や、DRD2受容体に対する親和性が定型抗精神病薬と比較して低いといった特徴をもつ薬剤である。非定型抗精神病薬は、陽性症状に対する効果を有するほか、陰性症状にも効果が認められる場合があり、錐体外路症状などの副作用の発現が少ないことが報告されている。非定型抗精神病薬として、セロトニン・ドパミン拮抗薬であるクロザピンやリスペリドンや、他受容体標的薬(multi−acting recptor targeted agent)であるオランザピンやクエチアピン、並びにドパミンシステムスタビライザーであるアリピプラゾールなどが知られている。
統合失調症の患者には、通常の抗精神病薬治療に反応しない、または錐体外路系副作用のために抗精神病薬を使用できない患者が存在し、治療抵抗性統合失調症(treatment−resistant schizophrenia)患者と定義されている。
治療抵抗性統合失調症患者のうち、およそ半数がドパミン過感受性精神病(dopamine supersensitivity psychosis)であるとの報告(非特許文献1)があり、再発・再燃や長期予後への強い関与が示唆されている。以下、ドパミン過感受性精神病をDSPと略称することがある。
DSPエピソード、すなわちDSPで認められる一定期間の病相の評価は、通常、シュイナードの基準(非特許文献2)に基づいて行われる。例えば、離脱精神病、抗精神病薬に対する耐性、および遅発性ジスキネジアの存在のうち、いずれかを満たした症例をDSPであると評価することができる。離脱精神病は、経口抗精神病薬の減量や中断から6週間以内、または抗精神病薬の持効性注射剤の減量や中断から3ヶ月以内に、精神症状の急激な再燃や増悪が認められた場合に、離脱精神病であると評価する。抗精神病薬に対する耐性とは、精神病症状が再燃または増悪したときに、病状コントロールを目的として抗精神病薬を20%以上増加しても病状をコントロールできなかったこと、あるいは減薬や中断と関係なく再燃または増悪したときに、新たな統合失調症による症状若しくは著しく重篤な症状を示したことがある場合に、薬剤耐性があると評価する。遅発性ジスキネジアは反復的、不随意、かつ目的のない動作に特徴付けられる運動障害であり、抗精神病薬の長期間あるいは高用量使用の後に副作用としてしばしば生じる。過去または現在に遅発性ジスキネジアが認められたことがある場合に、遅発性ジスキネジアが存在すると評価する。
DSP形成の機序として、高力価および/または高用量の抗精神病薬による過剰なドパミン神経伝達の遮断に対する、代償性のドパミンD2受容体密度の増加の関与が推定されている(非特許文献3)。
一方、統合失調症の薬理遺伝学的研究や画像研究では、DRD2遺伝子および近接するザ アンキリン リピート アンド キナーゼ ドメイン コンテイニング 1(the ankyrin repeat and kinase domain containing 1)遺伝子の1塩基多型と、DRD2密度や抗精神病薬に対する反応性との関連を示唆する報告が多数存在する。以下、ザ アンキリン リピート アンド キナーゼ ドメイン コンテイニング 1をANKK1と略称することがある。
DRD2密度や抗精神病薬に対する反応性との関連を示唆されている1塩基多型として、具体的にはDRD2遺伝子の−141位の塩基シトシンの挿入/欠失(−141C Ins/Del)多型やANKK1遺伝子のTaq1A多型を挙げることができる。DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型およびANKK1遺伝子のTaq1A多型は、米国国立バイオテクノロジー情報センターのSNPデータベースにそれぞれrs1799732およびrs1800497として登録された1塩基多型である(非特許文献4、5)。
DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型に関し、−141Cの欠失アレル保有者はDRD2密度が高いこと(非特許文献6)、抗精神病薬への反応性が不良であること(非特許文献7、8)、および遅発性ジスキネジアのリスクが高いこと(非特許文献9)が報告されている。また、Taq1A多型に関し、A1アレル保有者はDRD2密度が低いこと(非特許文献10)および抗精神病薬への反応性が良好であること(非特許文献7、11)、並びにA2アレル保有者は遅発性ジスキネジアのリスクが高いこと(非特許文献12)が報告されている。
Chouinard G, Chouinard VA. Psychother Psychosom 2008; 77: 69-77. Chouinard G. Schizophr Res 1990; 5: 21-33. Iyo M, Tadokoro S, Kanahara N, et al. J Clin Psychopharmacology, 2013; 33: 398-404. 米国国立バイオテクノロジー情報センター SNPデータベース、「Reference SNP (refSNP) Cluster Report: rs1799732」、インターネット<URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/snp_ref.cgi?rs=1799732> 米国国立バイオテクノロジー情報センター SNPデータベース、「Reference SNP (refSNP) Cluster Report: rs1800497」、インターネット<URL:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/snp_ref.cgi?rs=1800497> Jonsson EG, Nothen MM, Grunhage F, et al. Mol Psychiatry 1999; May;4(3):290-6. Zhang JP, Lencz T, Malhotra AK. Am J Psychiatry 2010; 167(7):763-772. Sakumoto N, Kondo T, Mihara K, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2007 Apr;61(2):174-80. Koning J, Vehof J, Burger H, et al. Psychopharmacology 2012 Feb;219(3):727-36. Thompson JP, Thomas N, Singleton A, et al. Pharmacogenetics. 1997 Dec;7(6):479-84. Schafer M, Rujescu D, Giegling I , et al. Am J Psychiatry. 2001 May;158(5):802-4. Bakker PR, van Harten PN, van Os et al. J. Mol Psychiatry. 2008 May;13(5):544-56. Suzuki T, et al. Psychiatry Res. 2015 Jun 30;227(2-3):278-82.
DSPの患者は、服薬中断により再発や症状悪化が認められ、また、抗精神病薬に対する耐性を起こしやすく、退院後の予後が懸念されるため、長期入院を余儀なくされる。また、DSPの診断は困難であり、DSPへの適切な予防や治療がされていない。
このような現状において、DSPを的確に診断し、適切な予防や治療を行うことによって、長期入院患者の退院を促進し、退院後も安定した地域生活を維持することができる。
本発明では、DSPの罹患予測を補助することのできる、DSPの罹患リスクの判定方法を提供することを目的とする。
DSP形成の機序として、高力価および/または高用量の抗精神病薬による過剰なドパミン神経伝達の遮断に対する、代償性のDRD2密度の増加の関与が推定されており、さらに、DRD2密度や抗精神病薬に対する反応性とDRD2遺伝子およびANKK1遺伝子の1塩基多型との関連を示唆する報告がある。しかしながら、未だにDSP形成の機序を説明する確立された知見はない。
本発明者らは、DSP形成の機序を説明する知見が確立されていない要因として、従来の報告では病期や病型が異なる群をまとめて検証している点が影響していると考えた。特に治療反応性に関する結果は短期的な優劣での検証であり、より長期的な治療経過や病態に注目することで、生物学的・症候学的に均一な病態を抽出することができ、より意義のある結果が得られる可能性があると考えた。
本発明者らは、DSP形成にDRD2遺伝子またはANKK1遺伝子の多型が関与しているという仮説を立て、これら遺伝子を対象とした遺伝子相関研究を行った。その結果、DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型がDSP形成に関与していることを明らかにした。具体的には、DSPであると評価された被験者でしかもクロルプロマジン換算量で600mg以上の高用量の抗精神病薬によって治療を受けた者において、DRD2遺伝子の−141Cの欠失アレル保有者が−141Cの挿入アレル保有者と比較して有意に多いことが判明した。
上記研究結果から、DRD2遺伝子の−141Cの欠失アレルがDSP形成に関連する遺伝子多型であると特定し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、被験者の生物学的試料において、DRD2遺伝子プロモーター領域に存在する多型であって、米国国立バイオテクノロジー情報センターのSNPデータベースにrs1799732として登録された1塩基多型を検出することを含む、DSPの罹患リスクの判定方法に関する。
また本発明は、前記1塩基多型が欠失多型であるときに、DSPの罹患リスクが高いと判定される、前記判定方法に関する。
さらに本発明は、配列番号2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号3に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含むプライマーセットを用いて前記塩1塩基多型を検出することを含む、前記いずれかの判定方法に関する。
さらにまた本発明は、前記被験者が統合失調症の患者である、前記いずれかの判定方法に関する。
また本発明は、前記生物学的試料が血液である、前記いずれかの判定方法に関する。
さらに本発明は、配列番号2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号3に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む、DSPの罹患リスクの判定用試薬キットに関する。
さらにまた本発明は、統合失調症の患者の血液において、DRD2遺伝子プロモーター領域に存在する多型であって、米国国立バイオテクノロジー情報センターのSNPデータベースにrs1799732として登録された1塩基多型を検出することを含む、統合失調症患者群からDSP患者群を選別する方法に関する。
本発明によれば、被験者から採取した生物学的試料において、DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型(rs1799732)を検出することを含む、DSPの罹患リスクの判定方法を提供できる。
DSPは抗精神病薬の過剰投与により形成される可能性が高いため、急性期や維持期など症状に応じて抗精神病薬の用量を適切に調整してその形成を予防することが重要である。
本発明に係るDSPの罹患リスクの判定方法は、客観的に簡便、迅速かつ高い精度でDSPの罹患リスクを判定することができる。したがって、本発明に係るDSPの罹患リスクの判定方法を実施することにより、DSPの罹患リスクがあると判定された被験者に対して、その治療においてDSPを形成しないように、適用する抗精神病薬の種類や用量の選定、治療スケジュールの調整、療養指導の強化などを行うことができる。
このように、本発明はDSP形成の予防に寄与するものであり、患者にとって大きな生活の質(Quality of Life;以下、QOLと略称する)の向上を図ることができ、かつ医療費の削減に貢献できる。
本発明は、DRD2遺伝子プロモーター領域に存在する遺伝子多型を検出することを含む、DSPの罹患リスクの判定方法に関する。
本発明に係るDSPの罹患リスクの判定方法で検出する遺伝子多型はDRD2遺伝子の−141位の塩基シトシンの挿入/欠失(−141C Ins/Del)多型である。
本明細書において、遺伝子の塩基配列における特定の位置に存在する塩基を、該位置と該塩基を表す記号との組み合わせで示すことがある。また、塩基の位置は、該遺伝子の転写開始点の塩基の位置を+1として、そこから5´末端側の塩基を順に−1、−2、・・・と表示し、3´末端側の塩基を順に+2、+3、・・・と表示する。
DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型とは、該遺伝子の転写開始点の上流に存在し、転写開始点の塩基(+1)を起点として141番目(−141)に位置するシトシンの挿入/欠失多型を意味する。DRD2遺伝子の−141番目に位置するシトシンは、配列表の配列番号1に記載したDRD2遺伝子の部分ゲノム配列において、第252番目の塩基に相当する。
DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型は、米国国立バイオテクノロジー情報センター(NCBIと略称される。)のSNPデータベース(dbSNPと略称される。)にrs1799732として登録された1塩基多型である(非特許文献4)。本明細書では、DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型とrs1799732とは互換可能に使用される。
本発明においては、DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型を検出することによって、DSPの罹患リスクを判定することができる。また、当該多型を検出することによって、統合失調症患者群から、DSP罹患リスクを有する患者群および/またはDSP患者群を選別することができる。
「ドパミン過感受性精神病(DSP)」は、統合失調症のサブタイプであり、抗精神病薬による長期間の治療に対して治療抵抗性を示す。統合失調症は難治な疾患であるが、抗精神病薬に反応しない患者あるいは抗精神病薬による治療の過程で反応しなくなる患者を、特に治療抵抗性統合失調症患者と、臨床的および学術的に定義される。DSPは治療抵抗性統合失調症患者のうちのおよそ半数を占めるとの報告(非特許文献1)があり、その形成には高力価および/または高用量の抗精神病薬による過剰なドパミン神経伝達の遮断に対する、代償性のドパミンD2受容体密度の増加の関与が推定されている(非特許文献3)。本願発明者らが、治療抵抗性患者150名について、DSPエピソードの有無を検証したところ、約70%がDSPエピソード体験を有していた(非特許文献13)。また、本願発明者らは治療抵抗性統合失調症患者80名と非治療抵抗性の統合失調症患者185名について、DSPエピソードの有無を比較検討し、ロジスティック解析を行った結果、DSPエピソードを体験することが治療抵抗性に有意に関連することが明らかになった(Odds比:14.9、95%信頼区間:6.65−33.3)。すなわち、DSPエピソードを体験した患者では、該エピソードを体験していない患者と比較して、約15倍の確率で治療抵抗性を示すようになると予測される。
「罹患リスク」は、ある疾患に罹るおおよその確率、またはある疾患に罹らないおおよその確率を意味する。「罹患リスクが高い」とは、他の被験者と比較して、ある疾患に罹るおおよその確率が高いことを意味し、感受性が高いと言い換えることができる。一方、「罹患リスクが低い」とは、他の被験者と比較して、ある疾患に罹るおおよその確率が低いことを意味し、感受性が低い、あるいは抵抗性が高いと言い換えることができる。
「罹患リスクの判定」とは、ある疾患に罹る可能性の判断を意味し、罹患危険性の予測と言い換えることができる。
本発明において、DSPエピソードの体験者であって抗精神病薬高用量者群では、DSPエピソードを体験していない抗精神病薬高用量者群と比較して、DRD2遺伝子の−141Cの欠失アレル保有者の割合が有意に高いことを明らかにした(後述する実施例1を参照。)。したがって、DRD2遺伝子の−141Cの欠失が検出された被験者は、抗精神病薬の高用量投与によりDSPが形成される可能性が高い、すなわち、DSPの罹患リスクが相対的に高いと判定できる。
本発明に係るDSPの罹患リスクの判定方法は、(i)被験者から、ゲノムDNAを含有する生体試料を採取する工程、(ii)前記工程(i)において得られた生体試料中のゲノムDNA上のDRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型が存在する位置の塩基の種類を決定する工程、および(iii)前記工程(ii)において決定された前記位置の塩基の種類に基づいて、当該被験者のDSPの罹患リスクを判定する工程を含む方法であり得る。
また、本発明に係るDSPの罹患リスクの判定方法は、(i)被験者から、ゲノムDNAを含有する生体試料を採取する工程、(ii)前記工程(i)において得られた生体試料中のゲノムDNA上のDRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型が存在する位置の塩基の種類を決定する工程、および(iii)前記工程(ii)において決定された前記位置の塩基が欠失しているときに、当該被験者のDSPの罹患リスクが高いと判定する工程を含む方法であり得る。
本発明に係るDSPの罹患リスクの判定方法は、DSPの罹患予測を補助する方法、あるいは、DSPの罹患リスクの検査方法として利用することができる。
本発明に係るDSPの罹患リスクの判定方法の対象となる「被験者」は、特に限定されず、例えば精神病を罹患していると診断された患者、より好ましくは統合失調症と診断された患者を挙げることができる。ここで、統合失調症と診断された患者には、統合失調感情障害と診断された患者が含まれ得る。
本明細書において「生物学的試料」は、ゲノム遺伝子解析が可能であれば特に限定されず、例えば被験者から単離された組織、細胞、体液、尿およびそれらの混合物を挙げることができる。ここで体液とは、血液、リンパ液、組織液(組織間液、細胞間液、間質液)などを例示できる。好ましくは、被験者から単離された血液を例示できる。
「生物学的試料」は、被験者から単離された組織、細胞、体液、尿およびそれらの混合物から調製された核酸抽出液であってもよい。本発明において検出する遺伝子多型が、遺伝子のプロモータ領域に存在するものであるため、核酸抽出物はゲノムDNAを含むものであることが好ましい。核酸抽出液の調製は、自体公知の核酸調製法に従い、核酸を抽出することにより実施できる。
被験者から採取した生物学的試料におけるDRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型の検出は、自体公知の遺伝子多型の検出方法、好ましくは1塩基多型の検出方法に従って実施することができ、遺伝子多型の検出を実施できる限りにおいていずれの方法も使用することができる。
遺伝子多型の検出は、具体的には、例えば、遺伝子多型を含むDNA断片を増幅し、次いで該DNA断片に存在する遺伝子多型を検出することにより実施できる。
遺伝子多型を含むDNA断片の増幅は、自体公知の核酸増幅法により実施することができる。核酸増幅法として、ポリメラーゼ連鎖反応(polimerase chain reaction;以下、PCRと略称する。)、リアル−タイム PCR(real−time PCR)、LCR(ligase chain reaction)、LAMP(loop−mediated isothermal amplification)法などを例示できる。
DNA断片の増幅に使用されるプライマーは、例えば、検出する遺伝子多型が存在する部位を含む連続する少なくとも10塩基以上、好ましくは10〜100塩基、より好ましくは10〜50塩基の配列を増幅することのできるオリゴヌクレオチドを、当該遺伝子の塩基配列情報に基づいて適宜設計し、自体公知の核酸合成法にしたがって合成することにより取得できる。また、市販されているプライマーやプローブから所望のものを選択して利用することもできる。プライマーは、検出する遺伝子多型が存在する部位を含む所定塩基数の配列を増幅するためのプライマーとして機能し得る限り、その配列において1またはそれ以上の置換、欠失、付加を含んでいてもよい。
増幅用プライマーは、1つの遺伝子多型のみを検出する場合には、該1つの遺伝子多型のみが増幅されるように、フォワードプライマーまたはリバースプライマーの一方がその遺伝子多型部位にハイブリダイズするように設計することができる。このようなプライマーは、増幅反応が起こったか否かを測定することにより遺伝子多型を検出することができる。プライマーは必要に応じて蛍光物質や放射性物質などにより標識することができる。
あるいは、遺伝子多型の種類や数に拘らずに、増幅産物中の遺伝子多型を検出することを目的として、遺伝子多型部位を含む所望の領域を挟むように2つのプライマーを設計することも可能である。このようなプライマーを使用して得られる増幅産物のサイズ、塩基配列、高次構造などの差異に基づいて、遺伝子多型を検出することができる。
本発明の判定方法において使用される好ましいプライマーとして、配列表の配列番号2に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドおよび配列表の配列番号3に記載の塩基配列で表されるオリゴヌクレオチドを例示できる。これらオリゴヌクレオチドを組み合わせてプライマー対として使用することにより、DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型が存在する位置の塩基を含むDNA断片を増幅することができる。
遺伝子多型の検出を得られた増幅産物のサイズの差異に基づいて行う場合には、例えばアガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動などにより、サイズの差異による移動度の違いを利用して、特定の遺伝子多型を検出することができる。また、制限酵素断片長多型(restriction fragment length polymorphism;RFLP)を利用して検出することもできる。この場合には、遺伝子多型を含む領域を増幅した後、得られた増幅産物を、所定の遺伝子多型に独特な長さの断片を生じることが知られている制限酵素で切断する。制限酵素により消化された増幅産物は、遺伝子多型の種類に応じてサイズが異なるため、上述と同様に 電気泳動法などを利用して検出することができる。
遺伝子多型の検出を塩基配列の差異に基づいて遺行う場合には、得られた増幅産物を直接配列決定すること(ダイレクトシークエンシング法)により、特定の遺伝子多型を検出することができる。配列決定は、例えばジデオキシ法、マキサム−ギルバート法などの自体公知の方法により実施できる。
遺伝子多型の検出を立体構造の差異に基づいて遺伝子多型を検出する場合には、PCR−単鎖高次構造多型(single nucleoitde conformation polymorphism;SSCP)分析により、特定の遺伝子多型を検出することができる。PCR−SSCP分析は、PCRにより得られた増幅産物を熱変性によって一本鎖DNAとした後、これを電気泳動により分離し、配列変化による移動度の変化を解析する方法であり、遺伝子多型の差異によって一本鎖DNAの高次構造が異なることにより移動度が異なることを利用するものである。
遺伝子多型の検出は、また、1つの遺伝子多型に特異的なプローブとのハイブリダイゼーションにより行うことができる。プローブは、必要に応じて、蛍光物質や放射性物質などの適当な手段により標識してもよい。プローブは、例えば、検出する遺伝子多型が存在する部位を含む連続する少なくとも10塩基以上、好ましくは10〜100塩基の配列、より好ましくは10〜50塩基の配列にハイブリダイズすることのできるオリゴヌクレオチドを、当該遺伝子の塩基配列情報に基づいて適宜設計し、自体公知の核酸合成法にしたがって合成することにより取得できる。プローブを設計するとき、検出する遺伝子多型がプローブのほぼ中心部に存在するように設計することが好ましい。プローブは、検出する遺伝子多型部位を含み、試料から調製したDNAなどとハイブリダイズして該遺伝子多型を特異的に検出可能なものである限りどのようなものであってもよく、その配列において1またはそれ以上の置換、欠失、付加を含んでいてもよい。プローブは、ガラスビーズ、ガラス基板、シリコンウエハ、または樹脂などの支持体に固定化して使用することもできる。すなわち、プローブは、検出する遺伝子多型について作製したプローブを支持体上に固定化したマイクロアレイまたはDNAチップの形で用いることもできる。
ハイブリダイゼーション条件は、遺伝子多型の特異的な検出に十分な条件であり、例えば、試料から調製したDNAなどに検出する遺伝子多型が存在するときにはハイブリダイズするが、遺伝子多型が存在しない、または他の遺伝子多型が存在するときにはハイブリダイズしないような条件、例えばストリンジェントな条件である。「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、例えば、42℃で1×SSC(0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム)、0.1%の硫酸ドデシルナトリウムを含む緩衝液による42℃での洗浄処理によってもハイブリダイズを維持することを意味する。なお、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響を与える要素としては、上記温度条件以外に種々の要素があり、当業者であれば種々の要素を組み合わせて、上記例示したハイブリダイゼーションのストリンジェンシーと同等のストリンジェンシーを実現することが可能である。
また、遺伝子多型の検出は、上記例示した方法以外にも、当業者に公知の方法によって検出することができる。そのような方法として、定量的リアルタイムPCR検出法(TaqMan法)インベーダー(Invader)法、変性勾配ゲル電気泳動法(DGGE:denaturing gradient gel electrophoresis)などを例示できる。
本発明において、DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型を検出し得るプライマーまたはプローブとして機能するオリゴヌクレオチドを含む、DSPの罹患リスクの判定用試薬キットを提供することができる。例えば、本発明において、配列番号2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号3に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む、DSPの罹患リスクの判定用試薬キットを提供することができる。本発明に係る試薬キットは、上記オリゴヌクレオチド以外に、上記伝子多型の検出を実施するために必要な1種以上の成分を含むものであり得る。そのような成分としては、特に限定されるものではないが、制限酵素、ポリメラーゼ、緩衝液、dNTP、標識用および検出用試薬(蛍光色素など)などを挙げることができる。
本発明に係るDSPの罹患リスクの判定方法および該リスクの判定用試薬キットにより、客観的、簡便、迅速かつ高い精度でDSPの罹患リスクを判定することができる。したがって、本発明に係るDSPの罹患リスクの判定方法を実施することにより、DSPの罹患リスクがあると判定された被験者に対して、その治療においてDSPを形成しないように、適用する抗精神病薬の種類の選定、治療スケジュールの調整、療養指導の強化などを行うことができる。
すなわち、本発明は、統合失調症患者の治療を継続する上で、下記のような有用性がある。まず、DSPエピソードの一つである離脱精神病の発生の防止を目的として、患者が自己判断で服薬中断や通院中断などをしないように療養指導を強化すること、持効性注射剤を導入することで自己判断による中断に備えること、並びに薬剤切替えに際して同精神病が発生しないように、該当患者における薬物切替え戦略を確立すること、および薬物切替えを慎重に時間をかけて行うことなど、治療方法における対策を早期に立案できる。また、遅発性ジスキネジアの発生の防止を目的として、遅発性ジスキネジアの誘発因子である他の錐体外路症状の予防および管理を行うこと、および対症療法的な抗パーキンソン薬の使用を控えることなど、長期に渡る治療プランをDSP形成のリスクを念頭において早期に立案できる。また、DSP患者に対する治療アルゴリズム、ガイドラインの作成、さらにはDSPを予防できるような薬剤選択や開発が可能になる。
例えば、本発明に係るDSPの罹患リスクの判定方法により、DSPの罹患リスクが高いと判定された被験者の治療において、処方される抗精神病薬の用量を低用量、例えばクロルプロマジン換算量(Chlorpromazine equivalent(以下、CPZeqと略称する。))にて600mg/日未満に調整することができる。
すなわち、本発明において、本発明に係るDSPの罹患リスクの判定方法を実施し、その結果、DSPの罹患リスクが高いと判定された被験者に抗精神病薬をCPZeqにて600mg/日を超えない用量で投与することを含む、統合失調症の治療方法を提供することができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明に係る技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例は、千葉大学医学部の倫理審査委員会で承認を受け、また、世界医師会によるヘルシンキ宣言および日本精神神経学会の倫理規約に則し、十分なインフォームド・コンセントを得て、プライバシーに関する守秘義務を遵守し、匿名性の保持に十分な配慮をした上で実施した。
DSPの形成に関与する遺伝子の探索を行った。具体的には、DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型(rs1799732)およびANKK1遺伝子のTaq1A多型(rs1800497)について、DSP形成との遺伝子相関研究を行った。
<検討対象者>
統合失調症(統合失調感情障害を含む)患者421名および健常者341名を検討の対象として比較検討を行った。統合失調症患者は,アメリカ精神医学会出版の精神障害の診断と統計マニュアル第4版テキスト改訂版(DSM−4−TR;diagnostic and statistical manual of mental disorders−IV−text revision)で診断基準を満たすものを選択した。また、健常者は、過去から採血時までにいかなる1軸診断も満たしていないもの、すなわち精神障害を有していないと診断されたものを選択した。
さらに、統合失調症患者をDSPの有無で分類し、DSPエピソードを有する患者群(以下、DSP群と称する。)とDSPエピソードのない患者群(非DSP(以下、Non−DSP)と称する。)の2群間で比較検討を行った。具体的には、DSPの有無は、統合失調症患者421名に対して、診療録などを用いて後方視的に評価した。分類要件に足る情報がある統合失調症患者362名を分類して以降の調査の対象として選択し、情報が足りない患者59名は調査から除外した。DSPエピソードの評価はシュイナード(Chouinard)の基準(非特許文献2)に基づいて行った。具体的には、a)離脱精神病、b)抗精神病薬に対する耐性、およびc)遅発性ジスキネジアの存在の3項目のうちいずれかを満たした場合にDSPエピソードを有すると評価した。その結果、統合失調症患者362名は、DSP群131名と非DSP群231名に分類された。
また、DSP群および非DSP群の両群をそれぞれ、処方されていた抗精神病薬の用量により低用量者群と高用量者群とに分類し、各群における上記1塩基多型について層別解析を行った。具体的には、CPZeqにて600mg/日以上服薬している患者を高用量者群、600mg/日未満の標準量を服薬している患者を低用量者群に分類した。高用量者群は160名であり、そのうちDSP群は77名、非DSP群は83名であった。低用量者群181名であり、そのうちDSP群は49名、非DSP群は132名であった。抗精神病薬の用量に関する情報がない患者21名は、層別解析の対象から除外した。
<方法>
遺伝子型の判定(ジェノタイピング(genotyping)ともいう。)はアプライド バイオシステムズ 300 リアル−タイム PCR システム(Applied Biosystems 7300 Real−Time PCR System;Applied Biosystems社製)を用い、製造者提供のタックマン(登録商標) アレリック ディスクリミネーション プロトコル(Taqman(R) allelic discrimination protocol;Applied Biosystems社製)に従って、タックマン(登録商標) アッセイにより実施した。
−141C Ins/Del(rs17799732)の検出には下記オーダーメイドプライマー(カスタム タックマン(登録商標) SNP ジェノタイピング アッセイズ(Custom TaqMan(R) SNP Genotyping Assays);Applied Biosystems社製)を用いた。また、Taq1A(rs1800497)の検出には市販のプレデザインプライマーであるタックマン(登録商標) SNP ジェノタイピング アッセイズ(TaqMan(R) SNP Genotyping Assays;Applied Biosystems社製)を用いた。
−141C Ins/Del(rs17799732)の検出に使用したプライマーの配列は下記の通りである。
フォワードプライマー配列:CAAAACAAGGGATGGCGGAATC(配列番号2)
リバースプライマー配列:CCACCAAAGGAGCTGTACCT(配列番号3)
統計解析は、次に示すように行った。統計処理に関しては、連続データの2群検定にはスチューデントのt検定、カテゴリカルデータの検定にはχ二乗検定(chi−squared test)を使用した。解析には解析ソフトSPSS19.0(IBM社製)を使用し、有意閾値はα=0.05に設定した。
<結果>
健常者群と統合失調症(統合失調感情障害を含む)患者群との間で、−141C Ins/Del多型(rs1799732)およびTaq1A多型(rs1800497)共に、遺伝子型およびアレル頻度に有意差を認めなかった。
DSP群と非DSP群との間で、−141C Ins/Del多型(rs1799732)およびTaq1A多型(rs1800497)共に、遺伝子型およびアレル頻度に有意差を認めなかった。DSP群131名と非DSP群231名のプロフィール、すなわち性別、年齢、発症年齢、投薬期間、抗精神病薬の用量は表1に示すとおりである。
表1中、n.s.とは、有意差がないことを意味する。
これに対し層別解析では、高用量者群で、−141C Ins/Del多型(rs1799732)においてDSP群における欠失アレル保有者の割合が非DSP群と比較して有意に高かった(χ=5.07、p=0.032)。結果を表2に示す。一方、低用量者群では有意差は認めなかった。また、Taq1A多型(rs1800497)については高用量者群および低用量者群共に有意差を認めなかった。
このように、DSPは抗精神病薬によって惹起される二次性の病態であり、抗精神病薬の用量の違いが交絡因子として結果に影響したと考えられる。
上記結果は、DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型(rs1799732)がDSP形成に関与していること、および高用量の抗精神病薬治療の暴露によりDSPが惹起されることを示唆する。
すなわち、−141C Ins/Del多型(rs1799732)を保有する患者において、抗精神病薬の過剰投与によりDSPが形成される可能性が高いと予測することができる。−141C Ins/Del多型(rs1799732)が検出された患者では、急性期や維持期など症状に応じて抗精神病薬の用量を適切に調整することにより、DSPの形成の予防を図ることができる。
本発明は、精神病、例えば統合失調症の患者がその治療過程においてDSPを罹患するリスクの判定方法を提供するものであり、臨床検査薬産業、試薬産業、医療機器産業への利用が可能である。
配列番号1:ドパミンD2受容体遺伝子の部分ゲノム塩基配列。
配列番号2:DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型の検出用フォワードプライマー。
配列番号3:DRD2遺伝子の−141C Ins/Del多型の検出用リバースプライマー。

Claims (7)

  1. 抗精神病薬がクロルプロマジン換算量で600mg以上投与された被験者の生物学的試料において、ドパミンD2受容体遺伝子プロモーター領域に存在する多型であって、米国国立バイオテクノロジー情報センターのSNPデータベースにrs1799732として登録された1塩基多型を検出することを含む、ドパミン過感受性精神病の罹患リスクの判定方法。
  2. 前記1塩基多型が欠失多型であるときに、ドパミン過感受性精神病の罹患リスクが高いと判定される、請求項に記載の判定方法。
  3. 配列番号2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号3に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含むプライマーセットを用いて前記塩1塩基多型を検出することを含む、請求項1または2に記載の判定方法。
  4. 前記被験者が統合失調症の患者である、請求項1からのいずれか1項に記載の判定方法。
  5. 前記生物学的試料が血液である、請求項1からのいずれか1項に記載の判定方法。
  6. 配列番号2に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドおよび配列番号3に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを含む、抗精神病薬がクロルプロマジン換算量で600mg以上投与された統合失調症患者のドパミン過感受性精神病の罹患リスクの判定用試薬キット。
  7. 統合失調症の患者の血液において、ドパミンD2受容体遺伝子プロモーター領域に存在する多型であって、米国国立バイオテクノロジー情報センターのSNPデータベースにrs1799732として登録された1塩基多型を検出することを含む、抗精神病薬がクロルプロマジン換算量で600mg以上投与された統合失調症患者群からドパミン過感受性精神病患者群を選別する方法。
JP2015188048A 2015-09-25 2015-09-25 ドパミン過感受性精神病の判定方法 Active JP6707222B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015188048A JP6707222B2 (ja) 2015-09-25 2015-09-25 ドパミン過感受性精神病の判定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015188048A JP6707222B2 (ja) 2015-09-25 2015-09-25 ドパミン過感受性精神病の判定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017060432A JP2017060432A (ja) 2017-03-30
JP6707222B2 true JP6707222B2 (ja) 2020-06-10

Family

ID=58428470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015188048A Active JP6707222B2 (ja) 2015-09-25 2015-09-25 ドパミン過感受性精神病の判定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6707222B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6935079B2 (ja) * 2017-05-09 2021-09-15 国立大学法人千葉大学 機能的snpの組合せ解析

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017060432A (ja) 2017-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2009282114B2 (en) Method of identifying disease risk factors
EP3507384B1 (en) Methods and composition for the prediction of the activity of enzastaurin
US20130274133A1 (en) Genetic variations in the interleukin-6 receptor gene as predictors of the response of patients to treatment with interleukin-6 receptor inhibitors
JP2020089370A (ja) 抗精神病薬に基づく処置により誘導される錐体外路症状(eps)の発症を予測する方法
Maleki et al. NOTCH1, SF3B1, MDM2 and MYD88 mutations in patients with chronic lymphocytic leukemia
US20210348235A1 (en) Genetic markers associated with response to crth2 receptor antagonists
JP6707222B2 (ja) ドパミン過感受性精神病の判定方法
MX2014006186A (es) Capacidad de respuesta a los inhibidores de la angiogenesis.
JP5560456B2 (ja) エルロチニブの副作用又は薬効を判定する方法
JP6644478B2 (ja) チオプリン製剤による副作用の危険性の判定方法
Ho et al. Rapid identification of heterozygous or homozygous JAK2V617F mutations in myeloproliferative neoplasms using melting curve analysis
KR102650359B1 (ko) 약물 과민반응 진단용 snp 및 이를 이용한 진단 방법
WO2016123543A1 (en) Method for treating schizophrenia comprising administering lurasidone
EP3464620B1 (en) Determination of genetic predisposition to aggressive prostate cancer
Kheirkhah et al. Pharmacogenetic Analysis of Taq1A (rs1800497), T102C (rs6313) and His452Tyr (rs6314) with Clozapine Response in First Line Therapy Resistant Schizophrenia Patients in an Iranian Ethnic Group
US20130078637A1 (en) Antipsychotic-induced parkinsonism genotypes and methods of using same
Tarbox-Berry et al. Polymorphisms in the Human Aquaporin 4 Gene Are Associated With Schizophrenia in the Southern Chinese Han Population: A Case–-Control Study
AU2013202634B2 (en) Method of identifying disease risk factors
EP4118236A1 (en) Therapeutic methods for the treatment of subjects with risk alelles in il33
WO2013172922A1 (en) Lmtk3 genotype analysis for use in predicting outcome and therapy selection

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20151022

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190702

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200402

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6707222

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250