JP6706748B2 - 臨界ノズル式ガス流量計の製造方法及び被検ガス流量計の調整方法 - Google Patents

臨界ノズル式ガス流量計の製造方法及び被検ガス流量計の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、臨界ノズル式ガス流量計の製造方法などに関する。
近年、ガソリンなどの化石燃料に代えて水素ガスを動力源にした自動車(燃料電池自動車など)が注目されている。このような自動車に水素ガスを供給するため、水素ガスを供給し得る水素ステーションの設置が求められている。水素ステーションは、水素ガスを供給するディスペンサーを備えており、このディスペンサーを用いて自動車に水素ガスが供給される。具体的には、自動車に設けられた高圧水素タンクにディスペンサーから供給された水素ガスが充填される。ディスペンサーは、自動車に供給する水素ガスの流量を測定するガス流量計を備えている。
ところで、ディスペンサーから実際に供給される水素ガスの量とガス流量計によって測定された水素ガスの流量に誤差があれば、自動車に供給される水素ガスの量が過多又は過少となる。そのため、ディスペンサーから供給される水素ガスの流量を正確に測定できるガス流量計が必要とされている。特に、ディスペンサーから供給される水素ガスは高圧に圧縮されており、且つ、その圧力は広域である。例えば、水素ガスは10MPa〜120MPaに圧縮されている。また、ディスペンサーは、充填の初期と終期で求められる水素の供給量が変動するものの、3分間の充填で5kgの水素を供給できることが期待されている。例えば、ディスペンサーから供給される水素ガスの供給量は、0.1kg/分〜3.6kg/分である。
そのため、圧縮水素ガスの流量を広範囲(広域な圧力範囲及び広域な流量範囲)に亘って正確に測定できる、即ち、測定レンジの広い、ガス流量計が必要とされている。
従来、圧縮ガスの流量を広範囲に測定可能なガス流量計として、例えば、コリオリ式ガス流量計が知られている(特許文献1)。
しかし、従来のガス流量計は、圧縮ガスの流量を広範囲で測定できるものの、広範囲に亘るガスを用いて校正及び値付けがされていないため、精度が悪いという問題があり、より正確なガス流量計(標準ガス流量計)を用いて校正及び値付けを行う必要がある。
特開2012−026776号公報
本発明の目的は、被検ガス流量計のガス流量測定値を広範囲(広域な圧力範囲及び広域な流量範囲)に亘って校正及び値付け可能なガス流量計の製造方法を提供することである。
本発明者らは、圧縮ガスの流量を広範囲に亘って値付け可能なガス流量計として、臨界ノズル式ガス流量計に着目した。臨界ノズル式ガス流量計は、臨界ノズルを備えたガス流量計であり、臨界ノズルは、特定のガスに対し、一定の圧力条件下において一定のガス流量(基準流量)を発生可能な機器である。
本発明は、複数の臨界ノズルと、各臨界ノズルに対応して設けられた開閉弁と、を有し、前記複数の臨界ノズルのうち少なくとも2つの臨界ノズルが、互いに異なるスロート径を有する臨界ノズル式ガス流量計の製造方法であって、校正及び値付け可能な圧力範囲が0.6MPa以下で且つ校正及び値付け可能な流量範囲が0.1kg/min以下の臨界ノズルを備える臨界ノズル式ガス流量計Aを用いて、複数本の臨界ノズルを備える臨界ノズル式ガス流量計Bを校正及び値付けすることにより、校正及び値付け可能な圧力範囲が0.6MPa以下で且つ校正及び値付け可能な流量範囲が1.0kg/min以下の臨界ノズル式ガス流量計Bを得る工程、前記臨界ノズル式ガス流量計Bを用いて、複数本の臨界ノズルを備える臨界ノズル式ガス流量計Cを校正及び値付けすることにより、校正及び値付け可能な圧力範囲が0.9MPa以下で且つ校正及び値付け可能な流量範囲が3.6kg/min以下の臨界ノズル式ガス流量計Cを得る工程、前記臨界ノズル式ガス流量計Cを用いて、スロート径が互いに異なる複数本の臨界ノズルを備える臨界ノズル式ガス流量計Dを校正及び値付けすることにより、校正及び値付けした最大圧力が87.5MPaで且つ校正及び値付けした最大流量が3.6kg/minの臨界ノズル式ガス流量計を得る工程、を有する。
本発明の別の局面によれば、被検ガス流量計の調整方法を提供する。
本発明の被検ガス流量計の調整方法は、調整対象となる被検ガス流量計と上記製造方法によって得られたスロート径が互いに異なる複数本の臨界ノズルを備える臨界ノズル式ガス流量計Dを準備する準備工程と、前記被検ガス流量計と前記臨界ノズル式ガス流量計を接続することでガス流路を形成するガス流路形成工程と、前記ガス流路にガスを導入するガス導入工程と、前記被検ガス流量計のガス流量測定値と前記臨界ノズル式ガス流量計のガス流量測定値の誤差が小さくなるように前記被検ガス流量計のガス流量測定値を修正する値付け工程と、を有する。
好ましくは、本発明の被検ガス流量計の調整方法は、ガス導入工程において、ガス流路に導入されるガスが、水素ガスである。
好ましくは、本発明の被検ガス流量計の調整方法は、前記被検ガス流量計が、コリオリ式ガス流量計である
本発明の製造方法によって得られた臨界ノズル式ガス流量計は、複数の臨界ノズルを有しており、複数の臨界ノズルのうち少なくとも2つの臨界ノズルが、互いに異なるスロート径を有する。そのため、被検ガス流量計のガス流量測定値を広範囲(広域な圧力範囲及び広域な流量範囲)に亘って校正及び値付けすることができる。
臨界ノズルを1本有する臨界ノズル式ガス流量計(第1の臨界ノズル式ガス流量計)を示す概要図。 第1の臨界ノズル式ガス流量計を用いて得られる検量線を示すグラフ。 同じスロート径を有する臨界ノズルを2本有する臨界ノズル式ガス流量計(第2の臨界ノズル式ガス流量計)を示す概要図。 第2の臨界ノズル式ガス流量計を用いて得られる検量線を示すグラフ。 本発明の第1実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計を示す概要図、及び、臨界ノズルの拡大図。 本発明の第1実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計を用いて得られる検量線を示すグラフ。 図5の拡大図におけるVII−VII線拡大端面図。 本発明の第2実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計を示す概要図。 本発明の第3実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計を示す概要図。 本発明の第4実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計を示す概要図。 本発明の臨界ノズル式ガス流量計と被検ガス流量計を接続し、ガス流路を形成した状態を示す概要図。
本明細書では、本発明の臨界ノズル式ガス流量計及び被検ガス流量計の調整方法について説明するが、予め、本明細書で用いられる用語、及び図面で用いられる符号について以下のように注釈する。
<用語について>
「ガス流量計」は、ガス流量を測定可能な機器である。
「臨界ノズル式ガス流量計」は、臨界ノズルを備えたガス流量計である。臨界ノズル式ガス流量計は、それ自体を流量計として用いることができるだけでなく、被検ガス流量計の校正及び値付けの基準となる標準ガス流量計として用いることができる。
「被検ガス流量計」は、標準ガス流量計によって校正及び値付けされる対象となるガス流量計である。なお、被検ガス流量計は、臨界ノズル式ガス流量計であってもよく、それ以外のガス流量計(例えば、熱式ガス流量計やコリオリ式ガス流量計)であってもよい。
「調整済みガス流量計」は、標準ガス流量計によって校正及び値付けがされた被検ガス流量計である。
「校正」は、標準ガス流量計のガス流量測定値と被検ガス流量計のガス流量測定値の誤差を導き出すことである。
「値付け」は、標準ガス流量計のガス流量測定値と被検ガス流量計のガス流量測定値の誤差が小さくなるように、被検ガス流量計のガス流量測定値を修正することである。
「AA〜BB」で表される数値範囲は、AA以上BB以下を意味する。
<図面について>
図1及び図3は、本発明の臨界ノズル式ガス流量計ではなく、本発明の成立過程で検討した臨界ノズル式ガス流量計を示しているが、便宜上、本発明の臨界ノズル式ガス流量計を示した図5、図8乃至図10と同じ符号を図1及び図3で用いている。
また、図3、図5、図8乃至図10において、複数存在する部材(複数の臨界ノズル及び複数の開閉弁)を区別するため、各部材を示す符号に小文字のアルファベット(「a」及び「b」)を付している。
また、図1、図3、図5、図8乃至図11に付した黒矢印は、ガスの流動方向を意味する。
さらに、図2、図4、及び図6において、各検量線S1乃至S6の近傍に位置する破線で囲われた領域は、各検量線S1乃至S6の95%信頼区間を表している。
<本発明の成立過程について>
本発明の臨界ノズル式ガス流量計は、臨界ノズルを有するガス流量計である。臨界ノズルとは、一定の圧力条件下において一定の基準流量を発生可能な機器であり、臨界ノズルを用いて発生した基準流量に基づき検量線を得ることができる。この検量線は、被検ガス流量計の校正及び値付けの基準となる。
以下、図面を参照しつつ、臨界ノズル式ガス流量計の原理について説明した後、本発明の成立過程で検討した2種の臨界ノズル式ガス流量計について説明し、その後、本発明の臨界ノズル式ガス流量計について説明する。
(臨界ノズル式ガス流量計の原理について)
臨界ノズル式ガス流量計1は、通常、図1に示すように、一定の内径を有する上流ガス流路(整流管とも称される)2と、上流ガス流路2と同じ内径を有する下流ガス流路3と、上流ガス流路2と下流ガス流路3との間に設けられた1本の臨界ノズル4と、上流ガス流路2に接続されたガスセンサ5と、ガスセンサ5に接続された流量演算部6と、を有する。
臨界ノズル4は、上流ガス流路2側から下流ガス流路3側にかけてその内径が減少する絞り部41と、上流ガス流路2側から下流ガス流路3側にかけてその内径が増加するディフューザ部42と、絞り部41とディフューザ部42との境界部であって最も小さい内径を有するスロート部43と、を有する。
絞り部41の最大内径は、上流ガス流路2の内径以下であり、ディフューザ部42の最大内径は、下流ガス流路3の内径以下である。なお、絞り部41の最大内径とは、絞り部41の上流ガス流路2に臨んだ部分における内径を意味し、ディフューザ部42の最大内径とは、ディフューザ部42の下流ガス流路3に臨んだ部分における内径を意味する。
図1の臨界ノズル式ガス流量計1では、絞り部41の最大内径と上流ガス流路2の内径が同じ長さで且つディフューザ部42の最大内径と下流ガス流路3の内径が同じ長さとなるように構成されている。
図示しないが、下流ガス流路3の下流には真空ポンプなどの減圧手段が接続されており、この真空ポンプを作動させることにより、上流ガス流路2を流れるガス(以下、「上流ガス」と称する)が下流ガス流路3を流れるガス(以下、「下流ガス」と称する)よりも高圧となる。即ち、上流ガスと下流ガスに圧力差が生じる。上流ガスと下流ガスの圧力差が大きくなるにつれ、臨界ノズル4のスロート部43を流れるガスの流速は速くなる。そして、上流ガス圧力と下流ガス圧力の比が、臨界圧力比に達した時、ガスの流速は臨界速度(音速)に達し、それ以上、ガスの流速が速くなることはない。ガスの流速が臨界速度に達した時、下流ガスの流れとは無関係に、上流ガス圧力、温度、及びスロート部43の内径(スロート径)で定められる一定質量のガスが流れる。
ガスセンサ5は、少なくとも上流ガス圧力を測定可能な圧力計を備えており、好ましくは、圧力計だけでなく上流ガスの温度を測定可能な温度計も備えている。ガスセンサ5によって測定された上流ガスの圧力や温度、臨界ノズル4のスロート径やスロート部43の断面積などのパラメータに基づき、スロート部43を流れるガスの質量流量(即ち、基準流量)が、ガスセンサ5に接続された流量演算部6によって算出される。
臨界ノズル式ガス流量計が備える臨界ノズルによって発生した基準流量を用いて検量線を作成し、この検量線に基づいて被検ガス流量計を校正及び値付けできる。
(第1の臨界ノズル式ガス流量計)
本発明者らは、被検ガス流量計のガス流量測定値を広域な圧力範囲及び広域な流量範囲に亘って校正及び値付けし得る標準ガス流量計を得るため、まず、図1に示すような、臨界ノズルを1本だけ有する臨界ノズル式ガス流量計1(第1の臨界ノズル式ガス流量計1)に着目した。
第1の臨界ノズル式ガス流量計1に、基準となるガス、例えば、高圧の水素ガスを、その圧力条件を変えて複数回流し、臨界状態における流量値(基準流量)を複数回測定する。このようにして得られた基準流量を座標上にプロットすることにより、図2で示すような検量線S1が得られる。なお、図2において、「ガス流量」とはスロート部43を流れるガスの質量流量を意味している。
しかし、第1の臨界ノズル式ガス流量計1は、臨界ノズルを1本しか有さないため、必然的にスロート径が1パターンしか存在しない。そのため、一定の圧力条件下においては、理論上、基準流量が1点しか発生せず、その結果、検量線を1本しか得ることができない。そのため、第1の臨界ノズル式ガス流量計1(検量線S1のみ)に基づいて被検ガス流量計の校正及び値付けを行って調整済みガス流量計を作製したとしても、この調整済みガス流量計は広域な圧力条件下において広域のガス流量を正確に測定できない。
具体的には、検量線S1に基づいて被検ガス流量計の校正及び値付けを行った場合、検量線S1上(例えば、図2における点i)及び検量線S1の95%信頼区間の範囲内(例えば、点ii)については高精度で校正及び値付けが可能である。そのため、校正及び値付けされた被検ガス流量計(調整済みガス流量計)を用いてあるガスの流量を測定した際、そのガス流量測定値が検量線S1上及び検量線S1の95%信頼区間の範囲内に含まれる値である場合、該ガス流量測定値の信頼性は高い。
他方、調整済みガス流量計を用いてあるガスの流量を測定した際、そのガス流量測定値が95%信頼区間外の値である場合、該ガス流量測定値の信頼性は低い。つまり、第1の臨界ノズル式ガス流量計1で校正及び値付けされた調整済みガス流量計を用いて広範囲(広域の圧力範囲及び広域の流量範囲)に亘ってあるガスの流量を測定した場合、調整済みガス流量計が低圧力条件下で高流量のガス流量測定値(図2の点iii参照)を示した、又は、高圧条件下で低流量のガス流量測定値(図2の点iv参照)を示したとしても、その測定値の信頼性は低い。このように、調整済みガス流量計のガス流量測定値の信頼性は、その値が検量線S1から逸れれば逸れるほど低下する。
従って、第1の臨界ノズル式ガス流量計1を標準ガス流量計として用いても、広域な圧力条件下及び広域のガス流量で被検ガス流量計を高精度に校正及び値付けできない。
なお、図2において、便宜上、説明を分かりやすくするため、検量線S1(実線)及び95%信頼区間の上限と下限(破線)は一次関数で表される直線で示しているが、実際上、検量線S1や95%信頼区間の上限及び下限は、このような直線で表される場合に限られず、曲線で示される場合もある(後述する図4及び図6についても同様である)。
検量線S1、並びに、95%信頼区間の上限及び下限がどのような関数で表されるかは、基準となるガスの種類や温度、臨界ノズルのスロート径などによって変動し得る。
もっとも、どのようなガスを基準としても、又は、どのような臨界ノズルを用いたとしても、上流ガス圧力の上昇に比例してガス流量が上昇する関係性が成り立つ。
(第2の臨界ノズル式ガス流量計)
本発明者らは、第1の臨界ノズル式ガス流量計1を用いた場合における上記問題点に鑑み、同じスロート径を有する複数の臨界ノズル4を備えた第2の臨界ノズル式ガス流量計1を用いて被検ガス流量計を校正及び値付けすることに着目した。
図3は、同じスロート径を有する複数の臨界ノズル4(図3では第1臨界ノズル4aと第2臨界ノズル4bの2つ)を有する第2の臨界ノズル式ガス流量計1を示す概要図である。
第2の臨界ノズル式ガス流量計1の上流ガス流路2は、上流から下流にかけて、上流単路部21と、臨界ノズル4の本数に合わせて上流単路部21から分岐した複数の上流分岐路部22(図3では2本)と、有する。また、下流ガス流路3は、上流から下流にかけて、臨界ノズル4の数と同数の下流分岐路部32と、各下流分岐路部32が合流して構成された下流単路部31と、を有する。上流ガス流路2と下流ガス流路3は、上流分岐路部22と下流分岐路部32の間に設けられた複数の臨界ノズル4(第1臨界ノズル4aと第2臨界ノズル4b)によって連結されている。換言すると、複数の臨界ノズル4は、上流ガス流路2の上流分岐路部22及び下流ガス流路3の下流分岐路部32を介して、並列に配置されている。
第2の臨界ノズル式ガス流量計1では、臨界ノズル4に対応した数の開閉弁7が設けられている。図3では、第1臨界ノズル4aに対応した第1開閉弁7aと第2臨界ノズル4bに対応した第2開閉弁7bが設けられており、上流ガス流路2の上流分岐路部22にそれぞれ各開閉弁7a,7bが設けられている。開閉弁7を作動させることにより上流分岐路部22の開状態(ガスが臨界ノズル4に流入する状態)と閉状態(ガスが臨界ノズル4に流入しない状態)を切り替えることができ、その結果、上流ガス流路2から下流ガス流路3にかけて、第1臨界ノズル4a若しくは第2臨界ノズル4bを通して、又は、第1臨界ノズル4a及び第2臨界ノズル4bを通してガスを流すことができる。
上流ガス流路2の上流単路部21には、第1の臨界ノズル式ガス流量計1と同様に、ガスセンサ5が接続されており、ガスセンサ5には流量演算部6が接続されている。そのため、第2の臨界ノズル式ガス流量計1に、基準となるガスを圧力条件を変えて流すことにより、図4で示すような2本の検量線S2及びS3が得られる。つまり、2つの開閉弁7a,7bのうち一方の開閉弁7を開状態とし、他方の開閉弁7を閉状態とした場合、第1臨界ノズル4a又は第2臨界ノズル4bを通じてガスが流れるため、検量線S2が得られる(第1臨界ノズル4aと第2臨界ノズル4bは同じスロート径を有するため、理論上、同じ検量線が得られる)。
他方、2つの開閉弁7a,7bの両方を開状態とした場合、第1臨界ノズル4a及び第2臨界ノズル4bを通してガスが流れるため、検量線S3が得られる。なお、2本の臨界ノズル4a,4bを用いた場合、1本の臨界ノズル4を用いた場合に比して、低いガス圧力条件下で同じ流量が得られる。
第2の臨界ノズル式ガス流量計1を用いた場合、上述のように複数の検量線が得られる。第2の臨界ノズル式ガス流量計1が有する複数の臨界ノズル4は、全て同じスロート径を有するため、得られる検量線の数は、第2の臨界ノズル式ガス流量計1が有する臨界ノズル4の本数に等しい。
つまり、図4で示すように、2本の臨界ノズル4を用いた臨界ノズル式ガス流量計1の場合、2本の検量線が得られ、3本以上の臨界ノズル4を用いた臨界ノズル式ガス流量計1の場合、臨界ノズル4の数と同数の3本以上の検量線が得られる(図示せず)。
そして、検量線S2及びS3に基づいて被検ガス流量計の校正及び値付けを行って調整済みガス流量計を作製し、この調整済みガス流量計を用いてあるガスの流量を測定した際、そのガス流量測定値が、検量線S2上(例えば、図4における点v)及び検量線S2の95%信頼区間の範囲内(例えば、点vi)、並びに、検量線S3上(例えば、図4における点vii)及び検量線S3の95%信頼区間の範囲内(例えば、点viii)に含まれる値である場合、該ガス流量測定値の信頼性は高い。
他方、調整済みガス流量計を用いてあるガスの流量を測定した際、そのガス流量測定値が95%信頼区間外の値(図4の点ixや点xを参照)である場合、該ガス流量測定値の信頼性は低い。
このように、第2の臨界ノズル式ガス流量計1を標準ガス流量計として用いても、臨界ノズル4の数と同数の検量線しか得られないため、第2の臨界ノズル式ガス流量計1を用いて、被検ガス流量計を広域な圧力条件下で広域のガス流量で値付けしようとした場合、多数の臨界ノズル4を用いる必要がある。
しかし、一般的に、臨界ノズル4は大型である。また、高圧ガスの流量を測定する場合、臨界ノズル4に十分な耐圧構造をもたせるため、より大型の臨界ノズル4を用いる必要がある。従って、第2の臨界ノズル式ガス流量計1を用いて被検ガス流量計を校正及び値付けをすることは、極めて効率が悪く現実的ではない。
<本発明の臨界ノズル式ガス流量計>
本発明は、上述のように、第1及び第2の臨界ノズル式ガス流量計を用いて被検ガス流量計を校正及び値付けした際に生じる問題点に鑑みて成されたものである。
本発明の臨界ノズル式ガス流量計は、複数の臨界ノズルと、各臨界ノズルに対応して設けられた開閉弁と、を有し、前記複数の臨界ノズルのうち少なくとも2つの臨界ノズルが、互いに異なるスロート径を有する。以下、本発明の臨界ノズル式ガス流量計について詳述する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計の構成は、基本的に第2の臨界ノズル式ガス流量計と同様であるが、複数の臨界ノズルのうち少なくとも2つの臨界ノズルが互いに異なるスロート径を有する点において第2の臨界ノズル式ガス流量計と相違する。
本発明の第1実施形態の説明において、臨界ノズルのスロート径以外の構成については、第2の臨界ノズル式ガス流量計と同様であるため、その説明を適宜省略する。
図5に示すように、本発明の臨界ノズル式ガス流量計1は、上流ガス流路2と下流ガス流路3と両ガス流路2,3間に設けられた複数(図5では2本)の臨界ノズル4を有する。上流ガス流路2は、上流単路部21と、臨界ノズル4の数に合わせて上流単路部21から分岐した上流分岐路部22と、を有し、同様に下流ガス流路3も、下流単路部31と、下流分岐路部32と、を有する。
上流ガス流路2の上流分岐路部22には、各臨界ノズル4に対応した開閉弁7が設けられている。開閉弁7を作動させることにより上流分岐路部22の開状態と閉状態を切り替えることができ、その結果、上流ガス流路2から下流ガス流路3にかけて、選択した任意の臨界ノズル4を通してガスを流すことができる。
上流ガス流路2の上流単路部21には、ガスセンサ5が接続されており、ガスセンサ5には流量演算部6が接続されている。
本発明の臨界ノズル式ガス流量計1では、複数の臨界ノズル4が用いられており、且つ、少なくとも2つの臨界ノズル4が互いに異なるスロート径を有する。図5に示す例では、2本の臨界ノズル4(第1臨界ノズル4aと第2臨界ノズル4b)が設けられており、第1臨界ノズル4aのスロート径が第2臨界ノズル4bのスロート径の2倍となるように構成されている。
本発明の臨界ノズル式ガス流量計1に、基準となるガスを圧力条件を変えて流すことにより、図6で示すような3本の検量線S4乃至S6が得られる。つまり、2つの開閉弁7a,7bのうち第1臨界ノズル4aに対応した開閉弁7aを開状態とし且つ第2臨界ノズル4bに対応した開閉弁7bを閉状態とした場合、スロート径が大きい第1臨界ノズル4aのみを通じてガスが流れるため、検量線S4が得られる。他方、第2臨界ノズル4bに対応した開閉弁7bを開状態とし且つ第1臨界ノズル4aに対応した開閉弁7aを閉状態とした場合、スロート径が小さな第2臨界ノズル4bのみを通じてガスが流れるため、検量線S5が得られる。さらに、2つの開閉弁7a,7bの両方を開状態とした場合、第1臨界ノズル4a及び第2臨界ノズル4bを通じてガスが流れるため、検量線S6が得られる。
このように、本発明では、少なくとも2つの臨界ノズル4が互いに異なるスロート径を有するため、ガスを通す臨界ノズル4を適宜組み合わせることにより、臨界ノズル4の本数よりも多くの検量線が得られる。
従って、本発明の臨界ノズル式ガス流量計1を標準ガス流量計として用いれば、広域な圧力条件下で且つ広域のガス流量で被検ガス流量計を値付けすることができる。
本発明の臨界ノズル式ガス流量計が有する臨界ノズルの本数の下限値は、2本であり、好ましくは3本であり、より好ましくは4本である。また、臨界ノズルの本数の上限値は特に限定されないが、好ましくは7本であり、より好ましくは6本である。臨界ノズルの本数が7本を超えると、臨界ノズル式ガス流量計が大きくなりすぎ、実用性が損なわれる虞がある。
また、本発明において、複数の臨界ノズルは、全て異なるスロート径を有することが好ましい。臨界ノズルのスロート径が全て異なれば、最大で下記式(1)で表される本数の検量線を得ることができる。
Figure 0006706748
上述のように、互いに同じスロート径を有する臨界ノズルを備えたガス流量計(第2の臨界ノズル式ガス流量計)の場合、臨界ノズルの本数と同数の検量線しか得ることができない。例えば、臨界ノズルの本数が3本である場合、3本の検量線しか得られず、臨界ノズルの本数が4本である場合、4本の検量線しか得られない。
これに対し、本発明では、上記式(1)に基づき、臨界ノズルの本数が3本(n=3)である場合、最大で7本の検量線を得ることができ、臨界ノズルの本数が4本(n=4)である場合、最大で15本の検量線を得ることができる。
このように、本発明では、臨界ノズルの本数が増えれば増えるほど、その組み合わせによって得られる検量線の本数が増えるため、広域な圧力条件下で且つ広域のガス流量で被検ガス流量計を校正及び値付けすることができる。
また、本発明の臨界ノズル式ガス流量計では、最もスロート径の大きな臨界ノズルのスロート径DMAXと最もスロート径の小さな臨界ノズルのスロート径DMINの比率(DMAX/DMIN)は特に限定されないが、好ましくは該比率の下限値は1.4であり、より好ましくは2.0であり、特に好ましくは2.4である。
また、スロート径の比率(DMAX/DMIN)の上限値は特に限定されないが、好ましくは5.0であり、より好ましくは4.0であり、特に好ましくは3.0である。
スロート径の比率(DMAX/DMIN)が1.4を下回ると、各臨界ノズル単独によって得られる検量線が近くなりすぎ、各検量線の95%信頼区間が必要以上に重複する結果、被検ガス流量計の校正及び値付けが非効率的になる虞がある。
また、スロート径の比率(DMAX/DMIN)が5.0を上回ると、最もスロート径の大きな臨界ノズルと最もスロート径の小さな臨界ノズルの組み合わせによって得られる検量線と最もスロート径の大きな臨界ノズル単独で得られる検量線が近くなりすぎる。その結果、両検量線の95%信頼区間が必要以上に重複する結果、被検ガス流量計の校正及び値付けが非効率的になる虞がある。
具体的な例を挙げると、最もスロート径の大きな臨界ノズルのスロート径(DMAX)は、1.8mm〜3.0mmであり、好ましくは1.8mm〜2.0mmである。また、最もスロート径の小さな臨界ノズルのスロート径(DMIN)は、0.3mm〜1.0mmであり、好ましくは0.3mm〜0.6mmである。
もっとも、スロート径の長さは、上記範囲に限定されず、校正及び値付けに用いるガスの種類、ガスの圧力範囲、及びガスの流量などによって適宜設定することができる。
なお、本明細書において、臨界ノズルのスロート径とは、スロート部の内縁の第1点と、前記第1点とは独立したスロート部の内縁の第2点と、を直線で結んだ距離である。このような直線は無数に存在するが、無数に存在する直線のうち距離が最大となるものが本発明におけるスロート径に相当する。
通常、図7で示すように、スロート部43の端面形状は円形であるため、スロート径は、該円の直径の長さXを意味する。
本発明の臨界ノズル式ガス流量計は、複数の臨界ノズルを有しており、且つ、複数の臨界ノズルのうち少なくとも2つの臨界ノズルが、互いに異なるスロート径を有する。そのため、臨界ノズルの組み合わせにより多数の検量線を得ることができる。従って、本発明の臨界ノズル式ガス流量計を標準ガス流量計として用いることにより、広域な圧力条件下で且つ広域のガス流量で被検ガス流量計を校正及び値付けすることができる。
本発明の第1実施形態では、図5に示すように、上流ガス流路2が上流単路部21と上流分岐路部22とを有しており、この上流分岐路部22の最下流に複数の臨界ノズル4(第1臨界ノズル4a及び第2臨界ノズル4b)が接続されているが、本発明の臨界ノズル式ガス流量計1は、第1実施形態に限定されない。
以下、本発明の第2実施形態乃至第4実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1について説明するが、主として、第1実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1と異なる部分についてのみ説明する。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1を表す概要図である。
本実施形態では、上流ガス流路2と下流ガス流路3は、ガス導入室8を介して連結されており、ガス導入室8の内部に複数の臨界ノズル4(図8では、第1臨界ノズル4aと第2臨界ノズル4bの2本)が備え付けられている。
ガス導入室8は、閉鎖空間である。ガス導入室8の内部は、隔壁83によって上流ガス流路2側の第1室81と下流ガス流路3側の第2室82に区画されており、複数の臨界ノズル4は、第1室81と第2室82を連通するように隔壁83に設けられている。具体的には、第1臨界ノズル4a及び第2臨界ノズル4bは、その絞り部41a,42bがガス導入室8の第1室81に露出し且つそのディフューザ部42a,42bがガス導入室8の第2室82に露出するように隔壁83に取り付けられている。
ガス導入室8の第2室82には、各臨界ノズル4に対応した開閉弁7が設けられており、この開閉弁7を作動させることにより、臨界ノズル4を開状態(ガスが第2室82に流入する状態)と閉状態(ガスが第2室82に流入しない状態)を切り替えることができる。図8の臨界ノズル式ガス流量計1では、2本の臨界ノズル4(第1臨界ノズル4a及び第2臨界ノズル4b)を用いているため、第1臨界ノズル4aに対応した第1開閉弁7aと第2臨界ノズル4bに対応した第2開閉弁7bが第2室82に設けられている。従って、第1開閉弁7a及び第2開閉弁7bを作動させることにより、ガス導入室8の第1室81から第2室82にかけて、第1臨界ノズル4a若しくは第2臨界ノズル4bを通して、又は、第1臨界ノズル4a及び第2臨界ノズル4bを通してガスを流すことができる。
開閉弁7の構造は特に限定されないが、図8に示す例において、第1臨界ノズル4aに対応した第1開閉弁7aは、第1臨界ノズル4aのディフューザ部42a(第2室82に露出した開口部)を覆う栓部71aと、細長状の棒部72aと、を有する。棒部72aの一端は栓部71aに連結されており、棒部72aの他端はガス導入室8の第2室82の外側に露出している。この棒部72aを介してガス導入室8の外側から栓部71aの位置を操作することができるため、ガス導入室8の外側から第1臨界ノズル4aの開状態(ディフューザ部42aが第1開閉弁7aによって覆われていない状態)と第1臨界ノズル4aの閉状態(ディフューザ部42aが第1開閉弁7aによって覆われた状態)を切り替えることができる。第2臨界ノズル4bに対応した第2開閉弁7bも、第1開閉弁7aと同様に、栓部71bと棒部72bを有し、ガス導入室8の外側から第2臨界ノズル4bの開状態と閉状態を切り替えることができる。
図5に示す第1実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1では、上流ガス流路2が上流分岐路部22を有している。この上流分岐路部22にガスが滞留すると、信頼性の高い検量線を得ることができない虞がある。
これに対し、第2実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1では、上流ガス流路2及び下流ガス流路3が分岐していないため、第1実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1に比してより信頼性の高い検量線を得ることができる。
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1を表す概要図である。
第3実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1は、第1実施形態の構成と第2実施形態の構成を併せ持つ。
具体的には、第3実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1は、上流ガス流路2と、上流ガス流路2の最下流に接続されたガス導入室8と、ガス導入室8の外壁に設けられた複数の臨界ノズル4と、各臨界ノズル4に接続された下流ガス流路3と、を有している。本実施形態では、上流ガス流路2は上流単路部21のみから構成されており、下流ガス流路3は、上流から下流にかけて、臨界ノズル4の数と同数の下流分岐路部32と、各下流分岐路部32が合流して構成された下流単路部31と、を有する。
本実施形態では、第1臨界ノズル4aに対応した第1開閉弁7a及び第2臨界ノズル4bに対応した第2開閉弁7bは、下流ガス流路3の分岐路部32にそれぞれ設けられている。
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1を表す概要図である。
第4実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1は、第3実施形態と同様に、第1実施形態の構成と第2実施形態の構成を併せ持つ。
具体的には、第4実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1は、上流ガス流路2と、上流ガス流路2の最下流に接続された複数の臨界ノズル4と、各臨界ノズル4に接続されたガス導入室8と、下流ガス流路3と、を有している。本実施形態では、上流ガス流路2は、上流単路部21と、臨界ノズル4の本数に合わせて分岐した上流分岐路部22と、を有しており、各臨界ノズル4は、そのディフューザ部42がガス導入室8の内側に位置するように、ガス導入室8の外壁に設けられている。また、下流ガス流路3は、ガス導入室8と連通した下流単路部31のみから構成されている。
本実施形態では、第1臨界ノズル4aに対応した第1開閉弁7a及び第2臨界ノズル4bに対応した第2開閉弁7bは、第2実施形態と同様に、ガス導入室8にそれぞれ設けられている。
第2乃至第4実施形態においても、臨界ノズル式ガス流量計1は、複数の臨界ノズル4を有しており、且つ、複数の臨界ノズル4のうち少なくとも2つの臨界ノズル4が、互いに異なるスロート径を有する。そのため、第1実施形態に係る臨界ノズル式ガス流量計1と同様に、臨界ノズル4の組み合わせにより多数の検量線を得ることができる。そのため、広域な圧力条件下で且つ広域のガス流量で被検ガス流量計を値付けすることができる。
なお、本発明の臨界ノズル式ガス流量計1は、複数のスロート径の異なる臨界ノズル4を有していればよく、上述した第1乃至第4実施形態に限定されるものではない。そのため、本発明の臨界ノズル式ガス流量計1は、臨界ノズル4を除いて、従来公知の臨界ノズル式ガス流量計の構成をそのまま転用することもできる。
例えば、第1乃至第4実施形態では、図5、図8乃至図10に示すように、ガスセンサ5と流量演算部6は別々の装置として描かれているが、ガスセンサ5が流量演算部6を兼ねていてもよい。
<被検ガス流量計の調整方法>
本発明の臨界ノズル式ガス流量計を標準ガス流量計として用いることで、被検ガス流量計を校正及び値付けする(調整する)ことができる。以下、本発明の被検ガス流量計の調整方法について説明する。
本発明の被検ガス流量計の調整方法は、調整対象となる被検ガス流量計と本発明の臨界ノズル式ガス流量計を準備する準備工程と、前記被検ガス流量計と前記臨界ノズル式ガス流量計を接続することでガス流路を形成するガス流路形成工程と、前記ガス流路にガスを導入するガス導入工程と、前記被検ガス流量計のガス流量測定値と前記臨界ノズル式ガス流量計のガス流量測定値の誤差が小さくなるように前記被検ガス流量計のガス流量測定値を修正する値付け工程と、を有する。
(準備工程)
準備工程は、本発明の臨界ノズル式ガス流量計と、本発明の臨界ノズル式ガス流量計によって調整される対象である被検ガス流量計と、を準備する工程である。
本発明の臨界ノズル式ガス流量計は、下記実施例に記載の方法によって得ることができる。
被検ガス流量計としては、ガスの質量流量を測定可能な従来公知のガス流量計を用いることができ、例えば、容積式、面積式、タービン式、差圧式、電磁式、渦流式、超音波式、コリオリ式、熱式のガス流量計などを用いることができる。
好ましくは、被検ガス流量計は、コリオリ式ガス流量計である。コリオリ式ガス流量計は、比較的小型なガス流量計であるだけでなく、広域な圧力条件下で広域のガス流量を測定することができる。そのため、水素ステーションに設置されるディスペンサーの内部には、コリオリ式ガス流量計が内蔵される場合が多い。
本発明の臨界ノズル式ガス流量計によって被検ガス流量計であるコリオリ式ガス流量計を校正及び値付け(調整)することで調整済みガス流量計を作製することができ、この調整済みガス流量計をディスペンサーに内蔵することにより、ディスペンサーから供給される水素ガスの供給量を、広域な圧力条件下で且つ広域のガス流量に亘って測定することができる。
(ガス流路形成工程)
ガス流路形成工程は、被検ガス流量計と本発明の臨界ノズル式ガス流量計を接続することでガス流路を形成する工程である。具体的には、図11に示すように、本発明の臨界ノズル式ガス流量計1の上流ガス流路2に被検ガス流量計9を直列に接続することで、上流から下流にかけて、被検ガス流量計9と本発明の臨界ノズル式ガス流量計1が連なったガス流路を形成する。
なお、図11において、被検ガス流量計9は、本発明の臨界ノズル式ガス流量計1よりも上流に接続されているが、被検ガス流量計9は、本発明の臨界ノズル式ガス流量計1よりも下流に接続されていてもよい。被検ガス流量計9を本発明の臨界ノズル式ガス流量計1よりも上流に接続するか下流で接続するかは、被検ガス流量計9の性質(耐圧性など)を考慮して適宜設定することができる。
(ガス導入工程)
ガス導入工程は、被検ガス流量計と本発明の臨界ノズル式ガス流量計の接続により構成されたガス流路にガスを導入する工程である。導入したガスは、本発明の臨界ノズル式ガス流量計が有する減圧手段(例えば、真空ポンプ)を作動させることによりスロート部において臨界速度に達する。
導入するガスの圧力を適宜変更することにより、各圧力条件下で基準流量が発生する。そのため、上述のように、臨界ノズル式ガス流量計の開閉弁の開閉状態を任意に変更することにより、各臨界ノズル及び複数の臨界ノズルの組み合わせに基づき複数の検量線を得ることができる。
導入するガスの種類は特に限定されず、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス、一酸化炭素、メタンガスなどが挙げられる。もっとも、近年、水素を燃料とする燃料電池車が注目されていることから、導入するガスは水素ガスであることが好ましい。
また、導入するガスの圧力範囲は特に限定されず、ガスの種類及び用途、ガス流路の耐圧力性に応じて適宜変更し得る。例えば、水素ガスを用いる場合、水素ステーションのディスペンサーで必要とされる圧力範囲を考慮すると、ガスの圧力範囲の下限値は、好ましくは0.5MPaであり、より好ましくは1.0MPaであり、さらに好ましくは2.0MPaであり、特に好ましくは10MPaである。また、ガス圧力範囲の上限値は、好ましくは120MPaであり、より好ましくは100MPaである。
(値付け工程)
値付け工程は、被検ガス流量計のガス流量測定値と本発明の臨界ノズル式ガス流量計のガス流量測定値の誤差が小さくなるように被検ガス流量計の誤差を修正し、調整済みガス流量計を作製する工程である。
具体的には、ガス導入工程によって得られた複数の検量線に基づき、被検ガス流量計が示すガス流量測定値と本発明の臨界ノズル式ガス流量計が示すガス流量測定値の誤差を導きだし(校正し)、さらに、この誤差が小さくなるように被検ガス流量計のガス流量測定値を修正する。換言すると、被検ガス流量計の示すガス流量測定値と本発明の臨界ノズル式ガス流量計が示すガス流量測定値が同じ値となるように、被検ガス流量計のガス流量測定値を修正する。被検ガス流量計のガス流量測定値の修正方法としては、例えば、被検ガス流量計が有する流量演算部に記憶された補正係数を変更することが挙げられる。
なお、本発明の臨界ノズル式ガス流量計を用いることで、最大で上記式(1)で表される本数の検量線を得ることができるが、被検ガス流量計は、得られた全ての検量線に基づいて校正及び値付けされてもよく、得られた検量線から選択した複数の検量線に基づいて校正及び値付けされてもよい。臨界ノズルの本数が増えれば、得られる検量線の数が膨大となり、被検ガス流量計の校正及び値付けに時間がかかりすぎる虞があるためである。
本発明の臨界ノズル式ガス流量計を用いることにより、臨界ノズルの組み合わせにより多数の検量線を得ることができる。そのため、被検ガス流量計のガス流量測定値を広域な圧力範囲及び広域な流量範囲に亘って校正及び値付けすることができ、その結果、広域な圧力条件下で広域のガス流量を正確に測定可能な調整済みガス流量計を作製することができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに説明する。ただし、本発明は、下記実施例のみに限定されるものではない。本発明の臨界ノズル式ガス流量計は、以下のトレーサビリティ体系を構築することで作製した。
(1次基準の臨界ノズル式ガス流量計を用いた校正及び値付け)
(国研)産業技術総合研究所が保有する臨界ノズル式ガス流量計(以下、臨界ノズル式ガス流量計A)を1次基準として用意した。臨界ノズル式ガス流量計Aは、スロート径2.4mmの臨界ノズルを1本備える。臨界ノズル式ガス流量計Aの値付け可能な圧力範囲は0.6MPa以下であり、値付け可能な流量範囲は0.1kg/min以下である。
続いて、校正及び値付けの対象である臨界ノズル式ガス流量計(以下、臨界ノズル式ガス流量計B)を用意した。臨界ノズル式ガス流量計Bは、臨界ノズル式ガス流量計Aと同じスロート径2.4mmの臨界ノズルを10本備える。
臨界ノズル式ガス流量計Bの下流に1次基準である臨界ノズル式ガス流量計Aを接続し、水素ガスを用いて値付けを行った。このように、1次基準の臨界ノズル式ガス流量計Aを用いて臨界ノズル式ガス流量計Bを校正及び値付けすることにより、臨界ノズル式ガス流量計Bを2.1次基準とした。
2.1次基準の臨界ノズル式ガス流量計Bの校正及び値付け可能な圧力範囲は0.6MPa以下であり、校正及び値付け可能な流量範囲は1.0kg/min以下であった。
(2.1次基準の臨界ノズル式ガス流量計を用いた校正及び値付け)
続いて、さらなる校正及び値付けの対象である臨界ノズル式ガス流量計(以下、臨界ノズル式ガス流量計C)を用意した。臨界ノズル式ガス流量計Cは、スロート径3.6mmの臨界ノズルを10本備える。なお、臨界ノズル式ガス流量計Cの臨界ノズルは、1次基準及び2.1次基準の臨界ノズル式ガス流量計が備える臨界ノズルよりも耐圧性を有し、大型である。
臨界ノズル式ガス流量計Cの下流に2.1次基準である臨界ノズル式ガス流量計Bを接続し、水素ガスを用いて値付けを行った。このように、2.1次基準の臨界ノズル式ガス流量計Bを用いて臨界ノズル式ガス流量計Cを校正及び値付けすることにより、臨界ノズル式ガス流量計Cを2.2次基準とした。
2.2次基準の臨界ノズル式ガス流量計Cの校正及び値付け可能な圧力範囲は0.9MPa以下であり、校正及び値付け可能な流量範囲は3.6kg/min以下であった。
(2.2次基準の臨界ノズル式ガス流量計を用いた校正及び値付け)
続いて、さらなる校正及び値付けの対象である臨界ノズル式ガス流量計(以下、臨界ノズル式ガス流量計D)を用意した。臨界ノズル式ガス流量計Dは、スロート径が互いに異なる臨界ノズルを5本備えており、そのスロート径は、順に1.95mm、1.25mm、0.94mm、0.67mm、0.48mmであった。なお、臨界ノズル式ガス流量計Dの臨界ノズルは、1乃至2.2次基準の臨界ノズル式ガス流量計が備える臨界ノズルよりも耐圧性を有し、大型である。
臨界ノズル式ガス流量計Dの下流に2.2次基準である臨界ノズル式ガス流量計C又は2.1次基準である臨界ノズル式ガス流量計Bを接続し、水素ガスを用いて校正及び値付けを行った。このように、2.2次基準の臨界ノズル式ガス流量計C及び2.1次基準の臨界ノズル式ガス流量計Bを用いて臨界ノズル式ガス流量計Dを校正及び値付けすることにより、本発明の臨界ノズル式ガス流量計(2.3次基準)を作製した。
本発明の臨界ノズル式ガス流量計の校正及び値付け可能な圧力範囲は87.5MPa以下であり、校正及び値付け可能な流量範囲は3.6kg/min以下であった。
本実施例において、作製した臨界ノズル式ガス流量計は、スロート径が互いに異なる臨界ノズルを5本備えているため、臨界ノズルの組み合わせによって最大で31本の検量線を得ることができる。従って、広域な圧力条件下で且つ広域のガス流量で被検ガス流量計を校正及び値付けすることができた。
1…臨界ノズル式ガス流量計、2…上流ガス流路、3…下流ガス流路、4…臨界ノズル、5…ガスセンサ、6…流量演算部、7…開閉弁、8…ガス導入室、9…被検ガス流量計

Claims (4)

  1. 複数の臨界ノズルと、各臨界ノズルに対応して設けられた開閉弁と、を有し、前記複数の臨界ノズルのうち少なくとも2つの臨界ノズルが、互いに異なるスロート径を有する臨界ノズル式ガス流量計の製造方法であって、
    校正及び値付け可能な圧力範囲が0.6MPa以下で且つ校正及び値付け可能な流量範囲が0.1kg/min以下の臨界ノズルを備える臨界ノズル式ガス流量計Aを用いて、複数本の臨界ノズルを備える臨界ノズル式ガス流量計Bを校正及び値付けすることにより、校正及び値付け可能な圧力範囲が0.6MPa以下で且つ校正及び値付け可能な流量範囲が1.0kg/min以下の臨界ノズル式ガス流量計Bを得る工程、
    前記臨界ノズル式ガス流量計Bを用いて、複数本の臨界ノズルを備える臨界ノズル式ガス流量計Cを校正及び値付けすることにより、校正及び値付け可能な圧力範囲が0.9MPa以下で且つ校正及び値付け可能な流量範囲が3.6kg/min以下の臨界ノズル式ガス流量計Cを得る工程、
    前記臨界ノズル式ガス流量計Cを用いて、スロート径が互いに異なる複数本の臨界ノズルを備える臨界ノズル式ガス流量計Dを校正及び値付けすることにより、校正及び値付けした最大圧力が87.5MPaで且つ校正及び値付けした最大流量が3.6kg/minの臨界ノズル式ガス流量計を得る工程、
    を有する臨界ノズル式ガス流量計の製造方法。
  2. 調整対象となる被検ガス流量計と請求項1の製造方法によって得られたスロート径が互いに異なる複数本の臨界ノズルを備える臨界ノズル式ガス流量計Dを準備する準備工程と、
    前記被検ガス流量計と前記臨界ノズル式ガス流量計Dを接続することでガス流路を形成するガス流路形成工程と、
    前記ガス流路にガスを導入するガス導入工程と、
    前記被検ガス流量計のガス流量測定値と前記臨界ノズル式ガス流量計Dのガス流量測定値の誤差が小さくなるように前記被検ガス流量計のガス流量測定値を修正する値付け工程と、を有する被検ガス流量計の調整方法。
  3. 前記ガス導入工程において、ガス流路に導入されるガスが、水素ガスである請求項2に記載の被検ガス流量計の調整方法。
  4. 前記被検ガス流量計が、コリオリ式ガス流量計である、請求項2または3に記載の被検ガス流量計の調整方法。
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