JP6704212B2 - あと施工アンカー及び取付物の取付方法 - Google Patents

あと施工アンカー及び取付物の取付方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリートに打ち込まれて定着されるあと施工アンカーに係り、特に雌ねじを有する内装体が拡開部材に内装されるあと施工アンカー及びあと施工アンカーを用いる取付物の取付方法に関する。
従来、コンクリート用のあと施工アンカーとして、雌ねじを有する内装体が拡開部材に内装されるあと施工アンカーが知られている。このタイプのあと施工アンカーは、ボルトが外側に突出する雄ねじタイプのアンカーと異なり、ボルトが外側に突出しないことから、不要な突出部分が邪魔になることがなく、美観に優れるというメリットがあり、代表的なものとして平行拡張型アンカーがある。
図8は、コンクリート91に形成した孔92に平行拡張型アンカー8を定着して取付物93を取り付けた状態を示している。平行拡張型アンカー8は、軸方向に延びる雌ねじ部82を有し、後端に向かって漸次狭まるテーパ状のテーパ外周面83が設けられている内装体81と、内装体81が先端側から内装される拡開部材84とから構成され、拡開部材84には、先端に向かって漸次拡がるテーパ状のテーパ内周面85が設けられると共に、全長に亘ってスリット86が切り込まれている。そして、拡開部材84の打ち込みによる内装体81のテーパ外周面83の拡開部材84のテーパ内周面85への相対的な圧入により、スリット86の幅が広がって拡開部材84が全長に亘って略平行に拡開し、孔壁面に摩擦定着されている。内装体81の雌ねじ部82にはボルト87が螺合されて取付物93が固定されている。
この平行拡張型アンカー8は、ボルト87が内装体81の雌ねじ部82の先端まで螺入することで、拡開部材84が略平行に拡開して孔壁面に摩擦定着されるため、図8の太線矢印の押圧によってボルト87が緩んで抜け出した場合には、拡開部材84の拡開力、定着力が低下してしまう。また、拡開片を拡開させる同タイプのアンカー(図4参照)でも同様の問題がある。斯様な問題から、ボルトの突出が邪魔になることから本来はボルトが突出しないこの種のアンカーを使用したくても、ねじの緩み、ボルト抜け出しの不安から使用が見送られるケースもあった。
一般的なねじの緩み止めとしては、特許文献1のようにナットにボルトを螺合した後にナットをかしめてねじ溝を変形させる手法、ねじ締結部材双方を貫通ピンで連結する手法や、ねじ部に接着剤樹脂を塗布する手法がある。しかしながら、あと施工アンカーの雌ねじ部はコンクリート穿孔中に配置されるため、後からかしめて変形させたり貫通ピンを通すことはできず、又、ねじ部に接着剤樹脂を塗布する手法は接着剤樹脂の製品コスト、施工コストが別途に発生するため不経済である。
特開平10−205514号公報
そのため、雌ねじを有する内装体が拡開部材に内装されるあと施工アンカーの機能的なメリットをもっと有効に利用することができるように、低コストでねじの緩み止め、ボルトの抜け出しを防止できる構造のあと施工アンカーが求められている。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであり、雌ねじを有する内装体が拡開部材に内装されるあと施工アンカーにおいて、低コストでねじの緩み止め、ボルトの抜け出しを防止することができるあと施工アンカーを提供すること、およびこのあと施工アンカーを用いる取付物の取付方法を提供することを目的とする。
本発明のあと施工アンカーは、軸方向に延びる雌ねじ部を有する内装体と、前記内装体が先端側から内装され、前記内装体の相対的な圧入によって径方向に拡開する拡開部材とから構成され、前記雌ねじ部が前記内装体の先端部まで形成され、前記先端部に対応する前記雌ねじ部のねじ溝が変形するようにして前記先端部の外周の所定箇所に押し潰した形状のカシメ部が形成されていることを特徴とする。
これによれば、内装体の先端部に対応する雌ねじ部のねじ溝を変形させることにより、先端部まで雄ねじを締め込むと変形した雌ねじがボルトの雄ねじと強固に噛み合うこととなり、ねじの緩み止め、ボルトの抜け出しを防止することができる。また、接着剤樹脂等の別途の材料や施工が不要であり、低コストで、ねじの緩み止め、ボルトの抜け出しを防止できる。また、雄ねじを締め込んでいったときに雌ねじ部のねじ溝の変形箇所でトルクが大きくなるため、ボルト先端が内装体の先端部に到達したことが確認でき、容易且つ確実に施工管理を行うことができる。また、ねじの締め付けがきつくなるのは先端部のねじ溝の変形箇所だけであるため、締め込んでいく途中では、労力が増すことなく、締め込み作業の速度も維持することができ、高い施工効率を発揮することができる。また、雌ねじ部に螺合するボルトの種類は制限を受けることがなく緩みの心配もないので、例えばあと施工アンカーを天井部位に打ち込んで取付物を吊り下げるために用いる吊り用ボルトにも適用可能であり、汎用性に優れる。また、ねじ溝の変形箇所を内装体の先端部の外周の所定箇所をカシメ加工で押し潰すだけで形成することができるので、極めて簡単な加工作業でねじ溝の変形箇所を形成することができる。特に、内装体の先端部の外周に周方向に離間して複数個所にカシメ部を形成する場合には、簡単な加工作業で、雄ねじを螺合可能で且つ確実なねじの緩み止めを図れるねじ溝の変形箇所を形成することができる。
本発明のあと施工アンカーは、前記先端部の円周形状の外周面に前記カシメ部だけがへこんで形成されていることを特徴とする。
本発明のあと施工アンカーは、前記内装体に後端に向かって漸次狭まるテーパ状の外周面が設けられ、前記拡開部材に先端に向かって漸次拡がるテーパ状の内周面が設けられると共に、前記拡開部材に全長に亘ってスリットが切り込まれており、前記内装体の前記テーパ状の外周面の前記拡開部材の前記内周面への相対的な圧入により、前記スリットの幅が広がって前記拡開部材が全長に亘って略平行に拡開することを特徴とする。
これによれば、拡開部材が全長に亘って略平行に拡開させる平行拡張型アンカーの定着力を最も有効に発揮させるには、ボルトが先端部まで到達して略平行な拡開が行われることが重要であるが、先端部まで雄ねじを締め込むと変形した雌ねじで締め込みがきつくなるため、作業者が先端部までねじを螺合したことを確実に確認することが出来、打込時の打音や手応えの判別に熟練していなくとも、平行拡張型アンカーの定着力を最大限発揮させることができる。
本発明のあと施工アンカーは、前記内装体の先端寄りの部分に後端に向かって漸次狭まるテーパ状の外周面が設けられ、前記拡開部材の先端側にスリットで分割された拡開片が設けられ、前記内装体の前記テーパ状の外周面の前記拡開部材の前記拡開片への相対的な圧入によって前記拡開片が拡開すると共に、前記内装体の前記雌ねじ部が前記内装体の先端寄りの一部だけに形成されている拡開部材打込み式アンカーであることを特徴とする。
これによれば、雌ねじ部の長さを短くして加工費の削減、ねじ締め作業時のボルト回転回数の削減を図ることができる。即ち、拡開片を拡開するあと施工アンカーでは、雌ねじに螺合されるボルトが緩み止めがなされる内装体の先端部まで到達し、所定のねじの嵌め合い長さが確保されていれば雌ねじ部の長さを短くすることが可能となるため、雌ねじ部を短くしてコストとねじ締め作業を低減するものである。
本発明の取付物の取付方法は、本発明のあと施工アンカーをコンクリートに形成した孔に先端側から挿入する第1工程と、前記拡開部材を孔奥に向かって打ち込み、前記内装体を相対的に圧入させて前記拡開部材を拡開する第2工程と、ボルトの雄ねじ部を取付物に挿入するようにして前記雄ねじ部を前記内装体の前記雌ねじ部に螺合していき、前記雌ねじ部の前記ねじ溝の変形している箇所で締め付けがきつくなるまで前記雄ねじ部を前記雌ねじ部に螺合する第3工程とを備えることを特徴とする。
これによれば、容易且つ確実な施工管理で、更に高い施工効率で、コンクリートに取付物を確実に取り付けることができる。
本発明によれば、雌ねじを有する内装体が拡開部材に内装されるあと施工アンカーにおいて、内装体の先端部に対応する雌ねじ部のねじ溝を変形させることにより、先端部まで雄ねじを締め込むと変形した雌ねじがボルトの雄ねじと強固に噛み合せ、低コストでねじの緩み止め、ボルトの抜け出しを防止することができる。また、雄ねじを締め込んでいったときに雌ねじ部のねじ溝の変形箇所でトルクが大きくなるため、ボルト先端が内装体の先端部に到達したことが確認でき、容易且つ確実に施工管理を行うことができる。
(a)は本発明による第1実施形態のあと施工アンカーの斜視図、(b)はその正面図、(c)はその右側面図、(d)はその縦断面図。 (a)は第1実施形態のあと施工アンカーの拡開後の状態を示す斜視図、(b)はその縦断面図。 (a)〜(e)は第1実施形態のあと施工アンカーによる取付物の取付工程を説明する説明図。 (a)は本発明による第2実施形態のあと施工アンカーの斜視図、(b)はその正面図、(c)はその右側面図、(d)はその縦断面図。 (a)は第2実施形態のあと施工アンカーの拡開後の状態を示す斜視図、(b)はその縦断面図。 (a)〜(e)は第2実施形態のあと施工アンカーによる取付物の取付工程を説明する説明図。 (a)は第3実施形態のあと施工アンカーの縦断面図、(b)は拡開状態の第3実施形態のあと施工アンカーと螺合するボルトを示す説明図、(c)は第3実施形態のあと施工アンカーと別例のボルトで取付物をコンクリートに取り付けた状態を示す説明図。 (a)は従来の平行拡張型アンカーで取付物をコンクリートに取り付けた状態を示す説明図、(b)は同図(a)の取付状態からボルトが緩んだ状態を示す説明図。
〔第1実施形態のあと施工アンカー及び取付物の取付方法〕
本発明による第1実施形態のあと施工アンカー1は、図1及び図2に示すように、軸方向に延びる雌ねじ部21を有する内装体2と、内装体2が先端側から内装され、内装体2の相対的な圧入によって径方向に拡開する拡開部材3とから構成される。
内装体2は、金属で一体形成された略円筒状のインナー部材である。内装体2には、雌ねじ部21が内装体2の先端部22まで形成されており、本実施形態では内装体2の軸方向に貫通する貫通孔の全長に亘って雌ねじ部21が形成されている。内装体2の先端部22には、内部の雌ねじ部21のねじ溝が変形するようにして外周の所定箇所に押し潰した形状のカシメ部23が形成されており、本実施形態では先端部22の外周に周方向に離間して複数個所にカシメ部23が形成され、図示例では周方向に略等間隔に離間して3か所にカシメ部23が形成されている。このカシメ部23により、内装体2の先端部22に対応する雌ねじ部21のねじ溝が変形して形成されている。また、内装体2には後端に向かって漸次狭まるテーパ状のテーパ外周面24が設けられ、本実施形態では先端部22より後側の全面に亘ってテーパ外周面24が形成されている。
拡開部材3は、金属で一体形成された略円筒状のアウター部材である。拡開部材3には、先端に向かって漸次拡がるテーパ状のテーパ内周面31が設けられており、本実施形態では拡開部材3の軸方向に貫通する貫通孔の全長に亘ってテーパ内周面31が形成されている。また、拡開部材3には、全長に亘ってスリット32が切り込まれており、拡開部材3は全長に亘る横断面視の形状が略C字形になっている。
第1実施形態のあと施工アンカー1は、後述のように拡開部材3の打ち込みにより、内装体2のテーパ外周面24が拡開部材3のテーパ内周面31に相対的に圧入されると、スリット32の幅が広がり、拡開部材3が全長に亘って略平行に拡開するようになっている。この内装体2のテーパ外周面24の傾斜角度と、拡開部材3のテーパ内周面31の傾斜角度は、拡開部材3が全長に亘って略平行に拡開するように略同一の傾斜角度で形成されている。
第1実施形態のあと施工アンカー1を用いて取付物16をコンクリート11に取り付ける際には、図3(a)、(b)に示すように、コンクリート11に表面12から穿孔して孔13を形成し、孔13内の清掃後にあと施工アンカー1を先端側から、即ち内装体2が突出した側から孔13内に挿入する。この孔13の深さは後述する拡開状態のあと施工アンカー1の長さとほぼ対応する深さとなっており、この時点では孔13に挿入したあと施工アンカー1の拡開部材3の一部がコンクリート表面12から外に突出した状態になっている。
その後、図3(c)のように、専用の打ち込み棒14をハンマー15で打ち込んで拡開部材3を孔奥に向かって打ち込み、内装体2を拡開部材3に相対的に圧入させて拡開部材3を拡開する。本実施形態のあと施工アンカー1では、内装体2のテーパ外周面24が拡開部材3のテーパ内周面31に相対的に圧入されてスリット32の幅が広がり、拡開部材3が全長に亘って略平行に拡開し、拡開部材3の全長に亘って孔13の壁面に摩擦定着される(図3(c)の太線矢印参照)。
その後、図3(d)、(e)に示すように、コンクリート表面12に取付物16を配置すると共に、その取付物16の外側にワッシャー17を配置し、ボルト4の雄ねじ部41をワッシャー17の穴と取付物16の穴に挿入する。そして、ワッシャー17と取付物16に挿入した雄ねじ部41を孔13内に定着されているあと施工アンカー1の内装体2の雌ねじ部21に螺合していき、先端部22に対応する雌ねじ部21のねじ溝の変形している箇所で締め付けがきつくなるまで雄ねじ部41を雌ねじ部21に螺合する。これにより、ボルト4の締め付けが完了すると共に、ワッシャー17とボルト4の頭部42で押さえられるようにして取付物16のコンクリート表面12への取付が完了する。この取付状態では、雌ねじ部21の変形箇所で雌ねじ部21と雄ねじ部41が強固に噛み合うと共に、拡開部材3が全長に亘って孔13の壁面に摩擦定着した状態で安定する(図3(e)の太線矢印参照)。
第1実施形態によれば、内装体2の先端部22に対応する雌ねじ部21のねじ溝を変形させることにより、先端部22まで雄ねじを締め込むと変形した雌ねじがボルト4の雄ねじと強固に噛み合うこととなり、ねじの緩み止め、ボルト4の抜け出しを防止することができる。また、接着剤樹脂等の別途の材料や施工が不要であり、低コストで、ねじの緩み止め、ボルト4の抜け出しを防止できる。
また、雄ねじを締め込んでいったときに雌ねじ部21のねじ溝の変形箇所でトルクが大きくなるため、ボルト先端が内装体2の先端部22に到達したことが確認でき、容易且つ確実に施工管理を行うことができる。また、ねじの締め付けがきつくなるのは先端部22のねじ溝の変形箇所だけであるため、締め込んでいく途中では、労力が増すことなく、締め込み作業の速度も維持することができ、高い施工効率を発揮することができる。従って、容易且つ確実な施工管理で、更に高い施工効率で、コンクリートに取付物を確実に取り付けることができる。また、雌ねじ部21に螺合するボルトの種類は制限を受けることがなく緩みの心配もない、即ちボルト4により内装体2に引抜方向の力がかかることによって拡開部材3にかかる拡開方向の力がさらに増す為、例えばあと施工アンカー1を天井部位に打ち込んで取付物を吊り下げるために用いる吊り用ボルトにも適用可能であり、汎用性に優れる。
また、ねじ溝の変形箇所を内装体2の先端部22の外周の所定箇所をカシメ加工で押し潰すだけで形成することができるので、極めて簡単な加工作業でねじ溝の変形箇所を形成することができる。特に、内装体2の先端部22の外周に周方向に離間して複数個所にカシメ部23を形成する場合には、簡単な加工作業で、雄ねじを螺合可能で且つ確実なねじの緩み止めを図れるねじ溝の変形箇所を形成することができる。
また、拡開部材3が全長に亘って略平行に拡開させる平行拡張型アンカーであるあと施工アンカー1の定着力を最も有効に発揮させるには、ボルト4が内装体2の先端部22まで到達して略平行な拡開が行われることが重要であるが、先端部22まで雄ねじを締め込むと変形した雌ねじで締め込みがきつくなるため、作業者が先端部22までねじを螺合したことを確実に確認することが出来、打込時の打音や手応えの判別に熟練していなくとも、平行拡張型アンカーの定着力を最大限発揮させることができる。
〔第2実施形態のあと施工アンカー及び取付物の取付方法〕
本発明による第2実施形態のあと施工アンカー1aは、図4及び図5に示すように、軸方向に延びる雌ねじ部51を有する内装体5と、内装体5が先端側から内装され、内装体5の相対的な圧入によって径方向に拡開する拡開部材6とから構成される。
内装体5は、金属で一体形成された略円筒状のコーンナットである。内装体5には、雌ねじ部51が内装体5の先端部52まで形成されており、本実施形態では内装体5の軸方向に貫通する貫通孔の全長に亘って雌ねじ部51が形成されている。内装体5の先端部52には、内部の雌ねじ部51のねじ溝が変形するようにして外周の所定箇所に押し潰した形状のカシメ部53が形成されており、本実施形態では先端部52の外周に周方向に離間して複数個所にカシメ部53が形成され、図示例では周方向に略等間隔に離間して3か所にカシメ部53が形成されている。このカシメ部53により、内装体5の先端部52に対応する雌ねじ部51のねじ溝が変形して形成されている。また、内装体5の先端寄りの部分には後端に向かって漸次狭まるテーパ状の外周面54が設けられ、本実施形態では先端から後側の2/3程度の長さまでの外周面にテーパ外周面54が部分的に形成されており、テーパ外周面54の後側は円筒状の円筒外周面55になっている。
拡開部材6は、金属で一体形成された略円筒状のスリーブである。拡開部材6は、後部が円筒形の本体61になっており、その先端側にスリット62で分割された拡開片63が設けられている。図示例では、軸方向に延びるスリット62が周方向に離間して4か所形成されており、スリット62・62間が拡開片63になっている。拡開片63の外周面はコンクリートとの摩擦力を高めるために軸方向に凹凸が繰り返す凹凸面になっている。
第2実施形態のあと施工アンカー1aを用いて取付物16をコンクリート11に取り付ける際にも、図6(a)、(b)に示すように、コンクリート11に表面12から穿孔して孔13を形成し、孔13内の清掃後にあと施工アンカー1aを先端側から、即ち内装体5が突出した側から孔13内に挿入する。この孔13の深さは後述する拡開状態のあと施工アンカー1aの長さとほぼ対応する深さとなっており、この時点では孔13に挿入したあと施工アンカー1aの拡開部材6の一部がコンクリート表面12から外に突出した状態になっている。
その後、図6(c)のように、専用の打ち込み棒14をハンマー15で打ち込んで拡開部材6を孔奥に向かって打ち込み、内装体5を拡開部材6に相対的に圧入させて拡開部材6を拡開する。本実施形態のあと施工アンカー1aでは、内装体5のテーパ外周面54が拡開部材6の拡開片63内に相対的に圧入されてスリット62・62間の拡開片63がそれぞれ拡がり、拡開片63が孔13の壁面に楔状に食い込むようにして摩擦定着される(図6(c)の太線矢印参照)。
その後、図6(d)、(e)に示すように、コンクリート表面12に取付物16を配置すると共に、その取付物16の外側にワッシャー17を配置し、ボルト4の雄ねじ部41をワッシャー17の穴と取付物16の穴に挿入する。そして、ワッシャー17と取付物16に挿入した雄ねじ部41を孔13内に定着されているあと施工アンカー1aの内装体5の雌ねじ部51に螺合していき、先端部52に対応する雌ねじ部51のねじ溝の変形している箇所で締め付けがきつくなるまで雄ねじ部41を雌ねじ部51に螺合する。これにより、ボルト4の締め付けが完了すると共に、ワッシャー17とボルト4の頭部42で押さえられるようにして取付物16のコンクリート表面12への取付が完了する。この取付状態では、雌ねじ部51の変形箇所で雌ねじ部51と雄ねじ部41が強固に噛み合うと共に、拡開片63が孔13の壁面に楔状に食い込んで摩擦定着した状態で安定する(図6(e)の太線矢印参照)。
第2実施形態によれば、第1実施形態と対応する構成から、低コストで、ねじの緩み止め、ボルト4の抜け出しを防止できる、容易且つ確実な施工管理で、更に高い施工効率で、コンクリートに取付物を確実に取り付けることができる、優れた汎用性を発揮する、極めて簡単な加工作業でねじ溝の変形箇所を形成することができるという対応する効果を奏する。
〔第3実施形態のあと施工アンカー及び取付物の取付方法〕
本発明による第3実施形態のあと施工アンカー1bは、図7に示すように、内装体5の軸方向に延びる雌ねじ部51bが内装体5の先端寄りの一部だけに形成され、内装体5の貫通孔の雌ねじ部51bより後部56が雌ねじ部51bよりも大径の孔部になっており、それ以外は第2実施形態のあと施工アンカー1aと同様である。
第3実施形態のあと施工アンカー1bを用いて取付物16をコンクリート11に取り付ける際にも、基本的に第2実施形態のあと施工アンカー1aを用いる場合と同様の工程で取り付けるが、第3実施形態のあと施工アンカー1bによる場合には、軸部43の先端部分だけに雄ねじ部41が形成されているボルト4mを用いることが可能である。そして、ワッシャー17と取付物16に挿入したボルト4mの雄ねじ部41を孔13内に定着されているあと施工アンカー1bの内装体5の雌ねじ部51bに螺合する時に、雌ねじ部51bが内装体5の先端寄りの一部だけに形成されているため、ボルト4mの雄ねじ部41と雌ねじ部51bを螺合する作業が少なくて済み時間が短縮されるようになっている。尚、図7(c)では、ボルト4mと頭部42nの形状が異なる六角穴付皿ボルト4nを用い、頭部42nを取付物16の外面側に嵌め込むようにして六角穴付皿ボルト4nを設置して取付物16を取り付けた例を示している。
第3実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果が得られると共に、雌ねじ部51bの長さを短くして加工費の削減、ねじ締め作業時のボルト回転回数の削減を図ることができる。更には、ボルト4mの雄ねじ部41も短くすることが可能であり、係る点でも加工費を削減することができる。
〔実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明は、各発明、各実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを含むものであり、下記変形例も包含する。
例えば内装体2、5の先端部22、52に対応する雌ねじ部21、51の変形の形状や変形される位置は、本発明の趣旨の範囲内で適宜であり、上記第1〜第3実施形態に限定されない。また、本発明のあと施工アンカーは本発明の趣旨の範囲内で適宜であり、第1実施形態の平行拡張型のあと施工アンカー1、第2、第3実施形態のコーンナット式のあと施工アンカー1a、1bに限定されない。また、本発明は拡開部材を叩き込む方式で定着力を確保するものであるから、ボルト締め付けで定着力を確保する方式と異なり、適用可能なボルトは適宜形状とすることが可能である。また、本発明で取り付ける取付物は、取付板、接続板など適宜である。
本発明は、例えば取付板、接続板等の取付物を各種のコンクリート構造物に取り付けるあと施工アンカーとして利用することができる。
1、1a、1b…あと施工アンカー 2…内装体 21…雌ねじ部 22…先端部 23…カシメ部 24…テーパ外周面 3…拡開部材 31…テーパ内周面 32…スリット 4、4m…ボルト 4n…六角穴付皿ボルト 41…雄ねじ部 42、42n…頭部 43…軸部 5…内装体 51、51b…雌ねじ部 52…先端部 53…カシメ部 54…テーパ外周面 55…円筒外周面 56…後部 6…拡開部材 61…本体 62…スリット 63…拡開片 11…コンクリート 12…コンクリート表面 13…孔 14…打ち込み棒 15…ハンマー 16…取付物 17…ワッシャー 8…平行拡張型アンカー 81…内装体 82…雌ねじ部 83…テーパ外周面 84…拡開部材 85…テーパ内周面 86…スリット 87…ボルト 91…コンクリート 92…孔 93…取付物

Claims (5)

  1. 軸方向に延びる雌ねじ部を有する内装体と、
    前記内装体が先端側から内装され、前記内装体の相対的な圧入によって径方向に拡開する拡開部材とから構成され、
    前記雌ねじ部が前記内装体の先端部まで形成され、
    前記先端部に対応する前記雌ねじ部のねじ溝が変形するようにして前記先端部の外周の所定箇所に押し潰した形状のカシメ部が形成されていることを特徴とするあと施工アンカー。
  2. 前記先端部の円周形状の外周面に前記カシメ部だけがへこんで形成されていることを特徴とする請求項1記載のあと施工アンカー。
  3. 前記内装体に後端に向かって漸次狭まるテーパ状の外周面が設けられ、
    前記拡開部材に先端に向かって漸次拡がるテーパ状の内周面が設けられると共に、前記拡開部材に全長に亘ってスリットが切り込まれており、
    前記内装体の前記テーパ状の外周面の前記拡開部材の前記内周面への相対的な圧入により、前記スリットの幅が広がって前記拡開部材が全長に亘って略平行に拡開することを特徴とする請求項1又は2記載のあと施工アンカー。
  4. 前記内装体の先端寄りの部分に後端に向かって漸次狭まるテーパ状の外周面が設けられ、
    前記拡開部材の先端側にスリットで分割された拡開片が設けられ、
    前記内装体の前記テーパ状の外周面の前記拡開部材の前記拡開片への相対的な圧入によって前記拡開片が拡開すると共に、
    前記内装体の前記雌ねじ部が前記内装体の先端寄りの一部だけに形成されている拡開部材打込み式アンカーであることを特徴とする請求項1又は2記載のあと施工アンカー。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のあと施工アンカーをコンクリートに形成した孔に先端側から挿入する第1工程と、
    前記拡開部材を孔奥に向かって打ち込み、前記内装体を相対的に圧入させて前記拡開部材を拡開する第2工程と、
    ボルトの雄ねじ部を取付物に挿入するようにして前記雄ねじ部を前記内装体の前記雌ねじ部に螺合していき、前記雌ねじ部の前記ねじ溝の変形している箇所で締め付けがきつくなるまで前記雄ねじ部を前記雌ねじ部に螺合する第3工程と
    を備えることを特徴とする取付物の取付方法。
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