JP6702210B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に関する。
例えば、電源電力をモータ等の駆動用電力に変換するために、インバータやコンバータ等の電力変換装置が用いられる。電力変換装置では、スイッチング素子のオンオフに伴うスイッチング損失が発生することから、これを低減するための補助回路を設け、リアクトルとコンデンサによる共振現象を利用して、ゼロボルトスイッチング(以下、ZVSと称する)を実現する手法が提案されている。
一例として、特許文献1には、直流電力入力と三相交流出力との間に接続されたスイッチング・ブリッジと、直流電力入力とスイッチング・ブリッジとの間に接続された補助回路を備えて、直流電力を三相交流出力に変換するための零電圧遷移電圧源インバータが開示されている。補助回路は、直流電力入力の直流レールに接続されたレール・スイッチと、その両端に接続された、共振インダクタと補助スイッチとの直列接続体と、補助ダイオードとからなる。補助ダイオードは、第1の端部が補助スイッチと共振インダクタとの接続点に接続され、第2の端部がアースに接続される。
特許第3207431号公報
特許文献1に記載される手法では、直流レールのレール・スイッチがオフのときにブリッジ回路のブリッジ・スイッチがゼロ電圧状態でターンオンされ、次いで、補助回路に支援されてレール・スイッチが時間t1でターンオンされる。補助回路の補助スイッチは、時間t1より前にターンオンされて、共振インダクタに電流が蓄積され、時間t1より後にターンオフされる。共振インダクタは、ブリッジ・スイッチとレール・スイッチとの間のキャパシタンスと共振して、レール・スイッチのターンオンに対して、ゼロ電流遷移を提供する。その後、ブリッジ・スイッチがターンオフされ、さらに、レール・スイッチがターンオフされる。
このようにしてスイッチングが繰り返されることにより、直流電力が三相交流電力に変換されて、モータ等の負荷に供給される。その際に、負荷への出力を適切に制御するには、例えば、負荷電流を速やかに把握して、制御に反映させることが重要となる。三相交流のモータ電流は、例えば、インバータ回路を流れるパルス状の直流母線電流を電流検出器にて検出し、PWMパルスパターンによって決定される電圧ベクトルとの関係から推定することができる。しかしながら、この手法では、電流検出器を用いる必要があり、しかも、PWM周期内で複数の直流母線電流をサンプリングし、演算を行って各相の電流を推定している。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、電流検出器を用いずに精度よく負荷電流を推定して、負荷の状態を速やかに把握し、又は負荷の制御に反映可能な電力変換装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
入力電源(B)の正極側電位線(1p)に接続されたメインスイッチ(Sm)と、
上記メインスイッチと上記入力電源の負極側電位線(1n)との間に接続された1つ以上の半導体パワー素子(Sup、Svp、Swp、Sun、Svn、Swn、S1)と、
上記正極側電位線に、上記メインスイッチと並列に、補助スイッチ(Sas)及び共振リアクトル(L1)が接続されると共に、上記補助スイッチ及び上記共振リアクトルの接続点(31)と上記負極側電位線との間に補助ダイオード(Das)が接続された補助回路(3)と、
上記メインスイッチ及び上記補助スイッチのスイッチングにより負荷(M、M1)への出力を制御する制御部(4)と、を備える電力変換装置(1)であって、
上記メインスイッチから上記負荷への電流経路と並列に共振コンデンサ(C1)が接続されており、
上記制御部は、上記メインスイッチがオフ状態であるときに、上記補助スイッチをオンオフする制御信号を出力する駆動制御部(41、42)と、上記補助スイッチがオンしてから、上記共振コンデンサの電圧(Vc)が上昇を開始するまでのオン時間(Ton)を検出する時間検出器(5)を有している、電力変換装置にある。
上記一態様の電力変換装置は、制御部が、メインスイッチと補助スイッチのスイッチングを制御するのに伴い、入力電源からメインスイッチ又は補助スイッチを介した電流経路の通電が制御され、入力電圧が変換されて負荷に出力される。その際、制御部は、メインスイッチのオフ後に、駆動制御部からの制御信号により補助回路を作動させて、共振リアクトルにエネルギを蓄積すると共に共振コンデンサを充電する。このとき、補助回路を流れるリアクトル電流が、補助回路を経由して負荷へ出力される電流以上となると、共振コンデンサの充電が開始され、共振コンデンサの電圧が立ち上がる。すなわち、時間検出器で検出されるオン時間と、リアクトル電流と、負荷電流との関係を用いて、負荷電流を推定することができる。したがって、その結果に基づいて過電流を判定したり、所望の出力に応じたスイッチング制御を行ったりすることが可能になる。
以上のごとく、上記態様によれば、電流検出器を用いることなく、精度よく負荷電流を推定して、負荷の状態を速やかに把握し、又は負荷の制御に反映可能な電力変換装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、電力変換装置の概略構成を示す回路図。 実施形態1における、電力変換装置の制御部へ入力されるコンデンサ電圧の検出回路図。 実施形態1における、電力変換装置の制御部を構成する時間検出器の動作を説明するタイムチャート図。 実施形態1における、電力変換装置のメインスイッチとハーフブリッジ回路の各相を構成する半導体スイッチへの制御信号を示す波形図。 実施形態1における、電力変換装置のメインスイッチのスイッチング周期中、期間T1の電流経路と各スイッチの動作状態を示す図。 実施形態1における、電力変換装置のメインスイッチのスイッチング周期中、期間T2の電流経路と各スイッチの動作状態を示す図。 実施形態1における、電力変換装置のメインスイッチのスイッチング周期中、期間T3の電流経路と各スイッチの動作状態を示す図。 実施形態1における、電力変換装置のメインスイッチのスイッチング周期中、期間T4の電流経路と各スイッチの動作状態を示す図。 実施形態1における、電力変換装置のメインスイッチのスイッチング周期中、期間T5の電流経路と各スイッチの動作状態を示す図。 実施形態1における、電力変換装置のメインスイッチのスイッチング周期中、期間T6の電流経路と各スイッチの動作状態を示す図。 実施形態1における、電力変換装置のメインスイッチのスイッチング周期中、期間T7の電流経路と各スイッチの動作状態を示す図。 実施形態1における、電力変換装置のメインスイッチのスイッチング周期中、期間T8の電流経路と各スイッチの動作状態を示す図。 実施形態1における、電力変換装置のメインスイッチのスイッチング周期中、期間T6〜T8における各スイッチの動作とコンデンサ電圧及びリアクトル電流との関係を示すタイムチャート図。 実施形態1における、電力変換装置の制御部による制御のフローチャート図。 実施形態2における、電力変換装置の制御部による制御のフローチャート図。 実施形態3における、電力変換装置の概略構成を示す回路図。 実施形態4における、電力変換装置の概略構成を示す回路図。 実施形態5における、電力変換装置の概略構成を示す回路図。
(実施形態1)
以下、電力変換装置に係る実施形態1について、図1〜図14を参照して説明する。
図1に示すように、本形態の電力変換装置1は、入力電源としてのバッテリB(例えば入力電圧Vi:48V)と、その正極側電位線1pに接続されたメインスイッチSmと、メインスイッチSmとバッテリBの負極側電位線1nとの間に接続された1つ以上の半導体パワー素子である、半導体スイッチSup、Svp、Swp、Sun、Svn、Swnを有する出力回路部2と、補助スイッチSasと共振リアクトルL1と補助ダイオードDasを有する補助回路3と、制御部4と、共振コンデンサC1を備えている。
出力回路部2は、負荷としての交流モータMに接続され、制御部4は、メインスイッチSm及び補助スイッチSasのスイッチングにより交流モータMへの出力を制御する。メインスイッチSmから交流モータMへの電流経路には、これと並列に、共振コンデンサC1が接続される。半導体スイッチSup、Svp、Swp、Sun、Svn、Swnは、メインスイッチSmとバッテリBの負極側電位線1nとの間において、複数のハーフブリッジ回路2u、2v、2wを構成し、メインスイッチSmのスイッチングに伴って、複数のハーフブリッジ回路2u、2v、2wから交流モータMへの通電が制御される。共振コンデンサC1は、メインスイッチSmと出力回路部2の接続点11に、複数のハーフブリッジ回路2u、2v、2wと並列に接続されている。
電力変換装置1は、例えば、交流モータMを駆動源とする車載装置に適用され、直流電源であるバッテリBからの入力電力を、所望の交流出力に変換して交流モータMに出力する。交流モータMは、三相(すなわち、U相、V相、W相)のモータコイルLu、Lv、Lwを備え、これらモータコイルLu、Lv、Lwは一端が共通接続されている。メインスイッチSm、出力回路部2及び補助回路3は、制御部4に接続されている。
電力変換装置1の各スイッチの動作は、制御部4からの制御信号によって制御される。このとき、制御部4は、メインスイッチSmのオンオフ動作に先立ち、補助スイッチSasをオンオフ動作させて、共振コンデンサC1への充電を制御する。そして、補助回路3の作動による損失を抑制しながら、メインスイッチSmのスイッチングによる損失が低減されるように、これらスイッチのオンオフタイミングを制御する。
制御部4は、メインスイッチSmがオフ状態であるときに、補助スイッチSasをオンオフする制御信号を出力する駆動制御部として、制御器41及び駆動回路42を有している。制御器41は、補助スイッチSasを含む各スイッチのオンオフ指令信号を出力し、駆動回路42は、補助スイッチSasのオンオフを切り替えるためのゲート電圧信号を出力する。また、制御部4は、補助スイッチSasの駆動に伴う時間計測を行う時間検出器5を有している。時間検出器5は、補助スイッチSasがオンしてから、共振コンデンサC1の電圧(以下、コンデンサ電圧と称する)Vcが上昇を開始するまでのオン時間Tonを計測する。さらに本形態では、制御部4は、時間検出器5の計測結果から、負荷電流Iである相電流Iu、Iv、Iwを推定する相電流推定部43を有している。
時間検出器5は、例えば、発振器から出力される発振信号をカウントするカウンタと、コンデンサ電圧Vcの上昇を検出するコンデンサ電圧検出器51を備えて構成される。図2に示すように、コンデンサ電圧検出器51は、例えば、直列接続された2つの分圧抵抗R1、R2と、分圧抵抗R1、R2の接続点に入力端子52aが接続され、基準端子52bに閾値電圧Vth1が入力されるコンパレータ52にて構成することができる。分圧抵抗R1、R2は、分圧抵抗R1側の一端が接続点11に接続され、分圧抵抗R2側の一端は接地されている。コンデンサ電圧Vcは、分圧抵抗R1、R2により分圧されて、入力端子52aに入力し、閾値電圧Vth1との比較結果が二値信号として出力される。閾値電圧Vth1は、入力される分圧電圧との比較により、コンデンサ電圧Vcの立ち上がりを検出するための所定の電圧であり、予め設定される。
図3に示すように、時間検出器5は、補助スイッチSasのオン指令信号が出力された時点でカウントを開始し、コンデンサ電圧Vcの検出信号が入力されるまでの時間をカウントする。コンデンサ電圧検出器51の出力信号は、例えば、コンデンサ電圧Vcに対応する分圧電圧が、閾値電圧Vth1以上に満たないときは、ローレベル信号であり、閾値電圧Vth1以上になると、ハイレベル信号に切り替わる。これをコンデンサ電圧Vcの検出信号として、時間検出器5のカウントを停止する指令信号が出力される。
時間検出器5は、カウント開始から停止までのカウント値に対応する時間を、オン時間Tonとする。制御部4は、時間検出器5の計測結果から、相電流推定部42にて相電流を推定し、制御器41による各スイッチ指令信号に反映させる。
この制御の詳細については、後述する。なお、時間検出器5は、マイコン等のカウンタ機能を用いるデジタル式に限らず、積分回路等を用いるアナログ式としてもよい。
出力回路部2は、バッテリBの直流電力を、交流電力に変換するインバータとして構成されており、メインスイッチSmとバッテリBの負極Bnとの間に、並列接続された複数のハーフブリッジ回路を有する。ここでは、正極Bpに接続される正極側電位線1pと負極Bnに接続される負極側電位線1nとの間に、3つのハーフブリッジ回路2u、2v、2wが配置される。負極側電位線1nは、例えば、グランド電位に設定されている。
各ハーフブリッジ回路2u、2v、2wは、正極Bp側の上アームスイッチである半導体スイッチSup、Svp、Swpと、負極Bn側の下アームスイッチである半導体スイッチSun、Svn、Swnと、を直列接続して構成される。U相の半導体スイッチSupと半導体スイッチSunとの接続点21uには、モータコイルLuの他端(すなわち、共通する一端と反対側の一端)が接続される。同様に、V相、W相の半導体スイッチSvp、Swpと半導体スイッチSvn、Swnとの接続点21v、21wには、それぞれモータコイルLv、Lwの他端が接続される。
補助回路3は、補助スイッチSas及び共振リアクトルL1の直列接続体と、これらの接続点31に接続される補助ダイオードDasとを有している。補助スイッチSas及び共振リアクトルL1の直列接続体は、正極側電位線1pに、メインスイッチSmと並列に接続される。具体的には、補助スイッチSasの一端が、メインスイッチSmの正極Bp側に接続され、共振リアクトルL1の一端が、メインスイッチSmの出力回路部2側に接続されている。補助ダイオードDasは、接続点31と負極側電位線1nとの間に逆方向接続される。すなわち、カソード側が、補助スイッチSas及び共振リアクトルL1の接続点31に接続され、アノード側が、負極側電位線1nに接続されて、補助回路3の作動時に流れるリアクトル電流Iasを整流している。
メインスイッチSm、補助スイッチSasとしては、例えば、ゲート電圧制御式のMOSFET(すなわち、電界効果トランジスタ)が用いられる。メインスイッチSm、補助スイッチSasは、それぞれMOSFETのドレイン−ソース間に逆方向接続されたダイオードを有している。MOSFET以外の半導体パワー素子、例えば、バイポーラトランジスタ、IGBT等の半導体スイッチング素子を用いることもできる。
同様に、出力回路部2を構成する半導体スイッチSup、Svp、Swp及び半導体スイッチSun、Svn、Swnとして、例えば、MOSFETが用いられる。また、半導体スイッチSup、Svp、Swp及び半導体スイッチSun、Svn、Swnは、それぞれMOSFETのドレイン−ソース間に逆方向接続されたダイオードDup、Dvp、Dwp、Dun、Dvn、Dwnを有している。MOSFET以外の半導体パワー素子、例えば、バイポーラトランジスタ、IGBT等の半導体スイッチング素子を用いることもできる。
なお、ハーフブリッジ回路2u、2v、2wとなる各直列接続体は、2つの半導体スイッチの組み合わせに限らない。2つの半導体パワー素子からなる直列接続体であれば、例えば、半導体スイッチとダイオードを組み合わせた直列接続体でもよい。また、出力回路部2は、3つのハーフブリッジ回路2u、2v、2wを用いた三相のインバータとしたが、単相のインバータとして構成してもよく、2つ以上のハーフブリッジ回路を有していればよい。
共振コンデンサC1は、メインスイッチSmと出力回路部2との間に、出力回路部2の複数のハーフブリッジ回路2u、2v、2wと並列に配置される。具体的には、メインスイッチSmのソース端子側の正極側電位線1pに、共振コンデンサC1の一端が接続され、他端がグランド電位の負極側電位線1nに接続される。好ましくは、共振コンデンサC1の容量は、出力回路部2の半導体スイッチSup、Svp、Swp及び半導体スイッチSun、Svn、Swnの寄生容量の合計値よりも大きくするのがよい。十分大きな容量の電圧依存の少ない容量素子を共振コンデンサC1として使用することで、スイッチング時の制御性が向上する。また、スイッチオフ時のメインスイッチSmのドレイン−ソース間電圧の上昇を緩やかにして、スイッチング損失を低減できる。さらに、共振コンデンサC1を補助回路3の近傍に配置することができ、急峻で大きな共振電流が流れる電流経路のループを小さくして、放射ノイズを低減できる。
また、電力変換装置1は、バッテリBの電圧を平滑化する平滑コンデンサCiを備えている。具体的には、補助スイッチSasとメインスイッチSmとの接続点12よりバッテリB側において、正極側電位線1pと負極側電位線1nの間に平滑コンデンサCiが接続されている。これにより、バッテリBの直流電源の変動による影響を抑制することができる。
制御部4は、メインスイッチSm、補助スイッチSasの各ゲート電極に、ゲート配線を介してそれぞれ接続されている。また、ハーフブリッジ回路2u、2v、2wの半導体スイッチSup、Svp、Swp及び半導体スイッチSun、Svn、Swnの各ゲート電極に、ゲート配線を介してそれぞれ接続されている。制御部4は、例えば、交流モータMの要求トルクに応じた目標出力となるように、各ゲート電極に制御信号を出力してこれらスイッチをオンオフ制御し、入力された直流電力を三相交流電力に変換する。このとき、出力回路部2の3つのハーフブリッジ回路2u、2v、2wは、上アームスイッチである半導体スイッチSup、Svp、Swpと、下アームスイッチである半導体スイッチSun、Svn、Swnが交互に通電状態となるように制御され、モータコイルLu、Lv、Lwに相電流Iu、Iv、Iwが流れる。
図4に示すように、交流モータMの三相(すなわち、U相、V相、W相)に対応する出力回路部2の各スイッチのゲート電極には、それぞれ異なるタイミングでパルス状の制御信号が出力される。三相は、それぞれ電気角で120度の位相差を有しており、360度で1サイクルとなっている。なお、図2には、電気角を120度とした例を示しているが、この値は必ずしも120度である必要はなく、任意に設定できる。
3つのハーフブリッジ回路2u、2v、2wにおいて、上アームスイッチである半導体スイッチSup、Svp、Swpの通電状態は、1つのメインスイッチSmのオンオフとの組み合わせによって制御される。すなわち、半導体スイッチSup、Svp、Swpは、それぞれ1サイクル中、電気角で120度の間オン状態となり、その間にメインスイッチSmのオンオフが切り換えられる。このメインスイッチSmのオン状態の間、半導体スイッチSup、Svp、Swpは、実質的な通電オン状態となる。
下アームスイッチである半導体スイッチSun、Svn、Swnは、対応する半導体スイッチSup、Svp、Swpが実質的な通電オフ状態にあるときに、オン状態となるように制御される。言い換えれば、メインスイッチSmと半導体スイッチSup、Svp、Swpの両方がオン状態であるときに、対応する半導体スイッチSun、Svn、Swnが同時にオン状態とならないようにしている。
メインスイッチSmは、PWM(すなわち、パルス幅変調)制御により駆動され、メインスイッチSmのオン期間中に、三相のうちオン状態にある相の半導体スイッチSup、Svp、Swpを経由する電流経路が形成される。制御部4は、例えば、交流モータMの各相電圧又は各相電流の目標値と実測値との差とに基づいて、PWM制御のデューティ比を演算し、PWM信号を生成する。デューティ比は、パルス波の1周期(すなわち、スイッチング周期)のうちのオン期間とオフ期間の比率であり、PWM信号に基づく所定のタイミングでメインスイッチSmがオンオフ駆動される。
図4中のVg_smは、メインスイッチSmにおけるゲート電圧を示しており、ゲート電圧がハイレベル(以下、Hレベル)のときにオンし、ローレベル(以下、Lレベル)のときにオフする。同様に、Vg_upは、U相の上アームの半導体スイッチSupにおけるゲート電圧を示しており、Vg_unは、U相の下アームの半導体スイッチSunにおけるゲート電圧を示している。また、Vg_vp、Vg_vnは、V相の上アーム及び下アームの半導体スイッチSvp、Svnにおけるゲート電圧を示し、Vg_wp、Vg_wnは、W相の上アーム及び下アームの半導体スイッチSwp、Swnにおけるゲート電圧を示している。ここでは、各相の半導体スイッチSup、Svp、Swpがオン状態である間に、メインスイッチSmは、例えば、それぞれ4回のスイッチングを行っている。なお、スイッチング回数は、一例であり、回路条件等によって変化する。
このように、3つのハーフブリッジ回路2u、2v、2wを有する出力回路部2を、1つのメインスイッチSmと組み合わせることで、制御性が大きく向上する。さらに、メインスイッチSmのオンオフ時には、共振リアクトルL1を有する補助回路3と共振コンデンサC1によるLC共振回路の補助により、制御性よくZVSによるターンオン・ターンオフ動作を実現できる。一例として、U相の通電時における、メインスイッチSmのスイッチング1周期分(すなわち、図4中に斜線で示す期間)を、図5に示すように複数の期間T1〜T8に分けて、制御部4による各期間の制御の詳細を説明する。
なお、図5〜図12では、回路動作の説明上、平滑コンデンサCiは不要であるため、図示を省略している。
図5左図に示すように、U相のモータコイルLuに通電する際には、制御部4がハイレベルのゲート電圧指令信号を出力し、メインスイッチSmと、ハーフブリッジ回路2uの半導体スイッチSup及びハーフブリッジ回路2vの半導体スイッチSvnをオン状態とする。これら以外の半導体スイッチSun、半導体スイッチSvp及びハーフブリッジ回路2wの半導体スイッチSwp、Swnは、いずれもオフ状態とする。このとき、図5右図に示すように、メインスイッチSmがオン状態となる期間T1の間、バッテリBの正極側電位線1pから、メインスイッチSmを経由して、半導体スイッチSup、モータコイルLu、モータコイルLv、半導体スイッチSvn、負極側電位線1nへの電流経路(すなわち、図5左図中に矢印で示す経路)が形成される。メインスイッチSmは、ドレイン−ソース間が導通して、ドレイン−ソース間電圧Vds_smは0Vとなっている。また、オフ状態の半導体スイッチSvpの両端間は同電位となっており、ドレイン−ソース間電圧Vds_svは0Vとなっている。図5右図中のVg_asは、補助スイッチSasのゲート電圧を示している。
期間T1に先立ち、後述するように、前サイクルの期間T4〜T8の間において、補助回路3の補助スイッチSasが駆動されて、共振コンデンサC1が充電される。これにより、コンデンサ電圧Vcは、入力電圧Vi(例えば、48V)と同等になり、メインスイッチSmのソース端子側、すなわち、接続点11の電圧が上昇する。したがって、期間T1のゲート電圧の立ち上がりにおいて、メインスイッチSmは、ZVSによるターンオン動作が可能になる。また、メインスイッチSmのターンオンより前に、補助スイッチSasがターンオフされることで、補助回路3を過剰な電流が流れるのを抑制できる。
この状態において、図6左図に示すように、メインスイッチSmをオフすると、共振コンデンサC1の電荷が、メインスイッチSmと出力回路部2との接続点11へ向けて供給される。これにより、半導体スイッチSup、モータコイルLu、モータコイルLv、半導体スイッチSvnを経由して、負極側電位線1nへの電流経路(すなわち、図6左図中に矢印で示す経路)が形成される。図6右図に示すように、この期間T2では、まず、メインスイッチSmのゲート電圧Vg_smが、HレベルからLレベルに切り替えられることで、メインスイッチSmがオフし、次いで、共振コンデンサC1の電荷が抜かれることで、コンデンサ電圧Vcが低下し始めると共に、メインスイッチSmのドレイン−ソース間電圧Vds_smが上昇を始める。
このとき、メインスイッチSmのスイッチング速度に対して、共振コンデンサC1のコンデンサ電圧Vcの低下速度が遅いために、メインスイッチSmのドレイン−ソース間電圧Vds_smが上昇する前に、メインスイッチSmをターンオフ可能となる。すなわち、期間T2のゲート電圧g_smの立ち下がりにおいて、メインスイッチSmのターンオフ動作は、ZVSとなる。その後、共振コンデンサC1の放電によりコンデンサ電圧Vcは0Vまで低下し、メインスイッチSmのドレイン−ソース間電圧Vds_smは電源電圧と同等となる。
すると、図7右図に示す期間T3において、交流モータM側からバッテリB側へ向かってモータコイル電流が還流する。還流電流は、図7左図に示すように、ハーフブリッジ回路2wの接続点21wから、半導体スイッチSvpのダイオードDvpを経由して半導体スイッチSup側へ流れると共に、半導体スイッチSvnから半導体スイッチSunのダイオードDvnを経由して半導体スイッチSup側へ流れる。
好適には、図8に示すように、続く期間T4において、半導体スイッチSun及び半導体スイッチSvpをオンする。これにより、ダイオードDun、Dvpに代わって、より損失の小さい半導体スイッチSunと半導体スイッチSvpのドレイン−ソース間が導通するため、導通損を低減することができる。また、半導体スイッチSun、Svpの両端間は同電位となっており、ターンオン動作は、ZVSとなる。さらに、図9に示すように、期間T5において、半導体スイッチSun及び半導体スイッチSvpをオフすることで、半導体スイッチSun及び半導体スイッチSvpをオフすることで、メインスイッチSmがオンできる状況を作る。このとき半導体スイッチSun及び半導体スイッチSvpのドレイン-ソース間は同電位となっており、ZVSターンオフとなる。
図10〜図12に示す期間T6〜期間T8では、補助回路3を作動させて、共振コンデンサC1に充電する。図13に制御部4の制御フローを示すように、まず、ステップS1において、補助スイッチSasをオンするためのオン指令信号が、制御器41から駆動回路42及び時間検出器5に入力される。これにより、駆動回路4からのゲート電圧指令信号がハイレベルに切り替わり、補助スイッチSasがオンする。また、ステップS2において、時間検出器5によるカウントが開始される。これにより、図10左図に示すように、補助スイッチSas、共振リアクトルL1を経由して、半導体スイッチSup、モータコイルLu、モータコイルLv、半導体スイッチSvn、負極側電位線1nへの電流経路が形成される。
図10右図に示すように、期間T6以前に補助回路3は通電されておらず、また共振リアクトルL1により電流の立ち上がりが抑制されるため、補助スイッチSasのターンオン動作は、ゼロ電流スイッチング(すなわち、ZCS)となる。補助スイッチSasのターンオンに伴い、補助スイッチSas及び共振リアクトルL1を経て補助回路3をリアクトル電流Iasが流れ、期間T6において、リアクトル電流Iasは、時間と共に上昇する。図14に示すように、相電流Iuは、期間T4〜期間T8の間、緩やかに低下する。
期間T7においてリアクトル電流Iasが、相電流Iu以上になると、図11左図に示すように、共振コンデンサC1へ向けて充電電流が流れ始める。同時に、図11右図に示すように、コンデンサ電圧Vcが上昇し始めると共に、メインスイッチSmのドレイン−ソース間電圧Vds_smが低下を始める。
制御部4は、図13のステップS3において、コンデンサ電圧検出器51のコンパレータ52の出力を取り込み、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vth1に達したか否かを判定する。ステップS3が否定判定された場合は、肯定判定されるまでステップS3を繰り返す。ステップS3が肯定判定されると、ステップS4に進み、時間検出器5によるカウントを停止するための指令信号を出力する。そして、カウント開始から停止までのカウント値に対応する時間を、オン時間Tonとして出力し、時間計測を終了する。
続くステップS5では、時間検出器5にて計測したオン時間Tonと、下記式1に基づいて、負荷電流I(例えば、U相の通電時であれば、相電流Iu)を推定する。このステップS5は、相電流推定部43における処理に相当する。式1は、オン時間Tonにおいて、負荷電流I=リアクトル電流Iasであることから導かれる。
式1:I=(Vi/Las)・Ton
ただし、式1中、Viは、入力電圧であり、Lasは、共振リアクトルL1のインダクタンスである。
ステップS6では、例えば、図示しないセンサ等の検出結果に基づき、交流モータMに要求されるトルク及び回転数を演算する。さらに、これらに対応する出力電流の目標値を演算し、式1による推定値と比較して、以降の制御に反映させる。例えば、ステップS7では、要求トルク及び回転数に応じた目標出力により近づくように、各スイッチをオンオフ駆動するためのパルス信号のデューティ比を変更して、制御器41から出力する。
このようにして、交流モータMを流れる相電流Iu、Iv、Iwを、電流センサ等を用いることなく、高応答かつ精度よく推定することができる。さらに、その推定結果を、スイッチング制御に速やかに反映させることができるので、制御性が向上し、高性能な電力変換装置1を実現できる。
一方、コンデンサ電圧Vcが閾値電圧Vth1を超えて上昇すると、予め設定されるタイミングで、補助スイッチSasをオフするためのゲート電圧指令信号が出力される。これにより、図12左図に示すように、補助スイッチSasがオフし、共振リアクトルL1と共振コンデンサC1が共振して、共振リアクトルL1に蓄えられていたエネルギが共振コンデンサC1に移動する。図12右図に示す期間T8において、共振コンデンサC1のコンデンサ電圧Vcは上昇を続ける。リアクトル電流Iasは、補助スイッチSasのターンオフに伴い、徐々に下降する。
このようにして、期間T6〜期間T8の間に、コンデンサ電圧Vcを入力電圧Viまで上昇させることができる。同時に、メインスイッチSmのソース端子側の電位が上昇することで、ドレイン−ソース間電圧Vds_smが0Vまで低下する。したがって、メインスイッチSmのZVSが可能になる。
その後、メインスイッチSmをオンするためのゲート電圧指令信号が出力されると、1つのスイッチング周期が終了し、次のスイッチング周期が開始される。制御部4は、ステップS5〜S7で算出されたデューティ比を用いて、速やかに精度良い制御を行うことができる。
(実施形態2)
電力変換装置に係る実施形態2について、図15を参照して説明する。
図示を省略する本形態の電力変換装置1の基本構成は、上記実施形態1と同様であり、バッテリBの正極側電位線1pに接続されたメインスイッチSmと、交流モータMに接続された出力回路部2と、補助スイッチSasと共振リアクトルL1と補助ダイオードDasを有する補助回路3と、制御部4と、共振コンデンサC1を備えている。これら各部の基本作動は、上記実施形態1と同様であり、本形態では、制御部4における相電流推定部43に代えて、過電流判定部を備えており、制御フローの一部が異なっている。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図15において、ステップS11〜S14は、図13におけるステップS1〜S4と同じであり、説明を省略する。ステップS15では、ステップS14にて計測されたオン時間Tonを用い、下記式2に基づいて過電流判定を行う。
式2:Ton≧(Las/Vi)・IL_Lim
ただし、式2中、Viは、入力電圧であり、Lasは、共振リアクトルL1のインダクタンスであり、IL_Limは、最大負荷電流(例えば、U相の通電時であれば、最大相電流Iu_Lim)である。
式2は、負荷電流Iを推定するための上記式1を変形することにより得られ、計測されたオン時間Tonが、想定される最大負荷電流IL_Limに対応するオン時間(すなわち、式2の右辺)以上であるときに、過電流と判定する。
ステップS15にて過電流と判定された場合には、ステップS16へ進み、例えば、メインスイッチSmをオフする。出力回路部2への通電を制御しているメインスイッチSmをオフすることで、メインスイッチSmを含む電流経路が遮断され、スイッチ等に過剰な電流が流れないように保護することができる。好ましくは、バッテリBに接続されているメインスイッチSm及び補助スイッチSas、さらには、出力回路部2を構成する半導体スイッチ半Sup、Svp、Swp、Sun、Svn、Swnを含む全スイッチをオフすることにより、確実に過電流から保護することができる。
(実施形態3)
電力変換装置に係る実施形態3について、図16を参照して説明する。
図16に示すように、本形態の電力変換装置1の基本構成は、上記実施形態1と同様であり、バッテリBの正極側電位線1pに接続されたメインスイッチSmと、交流モータMに接続された出力回路部2と、補助スイッチSasと共振リアクトルL1と補助ダイオードDasを有する補助回路3と、図示しない制御部4と、共振コンデンサC1を備えている。電力変換装置1の各部動作は、制御部4からの制御信号によって制御される。
上記実施形態1では、出力回路部2のハーフブリッジ回路2u、2v、2wと並列な共振コンデンサC1を配置したが、本形態では、メインスイッチSmと並列に、共振コンデンサC1を配置している。具体的には、メインスイッチSmが接続される正極側電位線1pにおいて、メインスイッチSmのドレイン端子側に、共振コンデンサC1の一端が接続され、メインスイッチSmのソース端子側に、共振コンデンサC1の他端がそれぞれ接続されている。
本形態の構成においても、メインスイッチSmのスイッチングにより、ハーフブリッジ回路2u、2v、2wの駆動が制御されて、出力回路部2から所望の交流出力を交流モータMに出力できる。その際に、制御部4により同様の制御を行い、補助スイッチSasがオンしてからのオン時間Tonをモニタすることで、交流モータMの相電流Lu、Lv、Lwを容易に推定し、又は過電流を判定することができる。
また、共振コンデンサC1をメインスイッチSmの直近に配置できるため、低インダクタンスでの実装が可能になる。この場合、メインスイッチSmのターンオフ時にドレイン−ソース間の電圧上昇を理想に近い緩やかな波形にできるため、ターンオフ損失を低減する効果が高い。
(実施形態4)
電力変換装置に係る実施形態4について、図17を参照して説明する。
図17に示すように、本形態の電力変換装置1の基本構成は、上記実施形態1と同様であり、バッテリBの正極側電位線1pに接続されたメインスイッチSmと、交流モータMに接続された出力回路部2と、補助スイッチSasと共振リアクトルL1と補助ダイオードDasを有する補助回路3と、図示しない制御部4と、共振コンデンサC1を備えている。電力変換装置1の各部動作は、制御部4からの制御信号によって制御される。
上記実施形態1では、補助回路3を、メインスイッチSmと並列に設けられた、補助スイッチSasと共振リアクトルL1の直列接続体と、補助ダイオードDasとで構成したが、ダイオードDasに代えて、第2の補助スイッチSas1を配置することもできる。第2の補助スイッチSas1は、MOSFET等の半導体スイッチング素子からなり、第2の補助ダイオードDas1が並列に接続されている。第2の補助ダイオードDas1は、補助ダイオードDasと同方向を順方向としており、補助ダイオードDasと同様に動作する。
この第2の補助ダイオードDasの動作時に、例えば、上記実施形態1においてダイオードDasを経由する電流経路が形成されるタイミングで、第2の補助スイッチSas1をオン状態とする。これにより、第2の補助スイッチSas1へ電流を分流し、第2の補助ダイオードDasの導通損失を低減して、補助回路3における損失を低減できる。
それ以外の構成及び作動は、実施形態1と同様であり、説明を省略する。
(実施形態5)
電力変換装置に係る実施形態5について、図18を参照して説明する。本形態の電力変換装置1は、バッテリBの正極側電位線1pに接続されたメインスイッチSmと、メインスイッチSmを含み、コンバータとして構成された出力回路部2と、補助スイッチSasと共振リアクトルL1と補助ダイオードDasを有する補助回路3と、図示しない制御部4と、共振コンデンサC2とを備えている。本形態では、出力回路部2の構成が、上記実施形態1と異なっており、以下、相違点を中心に説明する。
出力回路部2は、メインスイッチSmと直列に接続された、同期整流用の半導体パワー素子である、同期スイッチS1を有し、メインスイッチSmと同期スイッチS1の接続点22に、リアクトルL2の一端が接続されている。リアクトルL2の他端と負極側電位線1nとの間には、例えば、負荷としての直流モータM1が接続されると共に、直流モータMと並列にコンデンサC3が接続されている。同期スイッチS1は、例えば、MOSFET等の半導体パワー素子からなり、MOSFETのドレイン−ソース間に逆方向接続されたダイオードD1を有している。MOSFET以外の半導体スイッチング素子又はダイオードを用いることもできる。
出力回路部2は、降圧型DC−DCコンバータを構成し、バッテリBからの入力電力を直流出力に変換する。出力回路部2は、メインスイッチSmと同期スイッチS1を交互にオンオフすることにより矩形波を生成し、リアクトルL2とコンデンサC3とで形成されるフィルタ回路で平滑化して、直流電圧として出力する。補助回路3の共振リアクトルL1は、接続点31と接続点22の間に接続され、共振コンデンサC2は、接続点22とリアクトルL2の間において、同期スイッチS1と並列に接続される。
本形態のメインスイッチSmと補助スイッチSasのオンオフ動作は、上記実施形態1の図4と同様であり、同期スイッチS1のオンオフ動作は、図9のゲート電圧Vg_unによる半導体スイッチSunのオンオフ動作に対応する。リアクトルL2を流れるリアクトル電流Iは、図4の相電流Iuに対応する。この構成においても、メインスイッチSmがオフ状態である期間に、補助スイッチSasのオンオフにより共振コンデンサC2が充電されて、メインスイッチSmのZVSが可能になる。
制御部4の構成は、上記実施形態1と同様であり、図示しない時間検出器5に、接続点22からコンデンサ電圧Vcを取り込み、補助スイッチSasがオンしてからのオン時間Tonを計測することができる。そして、オン時間Tonを用いて、負荷電流であるリアクトル電流Iを容易に推定し、又は過電流を判定することができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、複数のメインスイッチSmを設けて、そのそれぞれに対して、複数のハーフブリッジ回路を有する出力回路部2を配置してもよい。あるいは、1つのメインスイッチSmに対して、それぞれ複数のハーフブリッジ回路を有する出力回路部2を、複数並列配置することもできる。
上記実施形態では、電力変換装置1を交流モータM、直流モータM1に接続して、交流出力を供給するためのインバータ又はコンバータとして構成したが、負荷はモータM、M1に限らず、車載機器その他任意の機器に適用可能である。また、インバータ動作は、矩形波パルス信号による通電制御に限らず、正弦波信号による通電制御でもよい。
B バッテリ(入力電源)
C1 共振コンデンサ
L1 共振リアクトル
Sm メインスイッチ
Sas 補助スイッチ
Sup、Svp、Swp、Sun、Svn、Swn 半導体スイッチ(半導体パワー素子)
1 電力変換装置
3 補助回路
4 制御部
5 時間検出器

Claims (9)

  1. 入力電源(B)の正極側電位線(1p)に接続されたメインスイッチ(Sm)と、
    上記メインスイッチと上記入力電源の負極側電位線(1n)との間に接続された1つ以上の半導体パワー素子(Sup、Svp、Swp、Sun、Svn、Swn、S1)と、
    上記正極側電位線に、上記メインスイッチと並列に、補助スイッチ(Sas)及び共振リアクトル(L1)が接続されると共に、上記補助スイッチ及び上記共振リアクトルの接続点(31)と上記負極側電位線との間に補助ダイオード(Das)が接続された補助回路(3)と、
    上記メインスイッチ及び上記補助スイッチのスイッチングにより負荷(M、M1)への出力を制御する制御部(4)と、を備える電力変換装置(1)であって、
    上記メインスイッチから上記負荷への電流経路と並列に共振コンデンサ(C1)が接続されており、
    上記制御部は、上記メインスイッチがオフ状態であるときに、上記補助スイッチをオンオフする制御信号を出力する駆動制御部(41、42)と、上記補助スイッチがオンしてから、上記共振コンデンサの電圧(Vc)が上昇を開始するまでのオン時間(Ton)を検出する時間検出器(5)を有している、電力変換装置。
  2. 上記制御部は、上記時間検出器にて検出した上記オン時間と下記式1に基づいて、負荷電流(I)を推定する、請求項1に記載の電力変換装置。
    式1:I=(Vi/Las)・Ton
    ただし、式1中、Viは、上記入力電源の電圧であり、Lasは、上記共振リアクトルのインダクタンスである。
  3. 上記制御部は、推定された上記負荷電流に基づいて、上記メインスイッチのスイッチングを制御する、請求項に記載の電力変換装置。
  4. 上記制御部は、検出された上記オン時間と、推定された上記負荷電流とが、下記式2を満たす関係にあるときに、過電流と判定する、請求項2又は3に記載の電力変換装置。
    式2:Ton≧(Las/Vi)・IL_Lim
    ただし、式2中、Viは、上記入力電源の電圧であり、Lasは、上記共振リアクトルのインダクタンスであり、IL_Limは、最大負荷電流である。
  5. 上記制御部は、過電流と判定されたときに、上記メインスイッチをオフする、請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 上記制御部は、過電流と判定されたときに、上記メインスイッチ及び上記補助スイッチを含む全スイッチをオフする、請求項4に記載の電力変換装置。
  7. 上記半導体パワー素子は、半導体スイッチング素子(Sup、Svp、Swp、Sun、Svn、Swn、S1)又はダイオードである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 複数の上記半導体パワー素子(Sup、Svp、Swp、Sun、Svn、Swn)がブリッジ接続された複数のハーフブリッジ回路(2u、2v、2w)を有して、変換された交流電力を負荷(M)に出力する出力回路部(2)を備える、請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 上記メインスイッチと同期整流用の上記半導体パワー素子(S1)とが直列接続され、上記メインスイッチ及び同期整流用の上記半導体パワー素子の接続点(22)に一端が接続されたリアクトル(L2)と、上記リアクトルの他端に接続されたコンデンサ(C2)を有し、変換された直流電力を負荷(M1)に出力する出力回路部(2)を備える、請求項7に記載の電力変換装置。
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