JP6702109B2 - 粉砕プラントにおけるプロセス制御方法、粉砕プラントにおけるプロセス制御装置、およびプログラム - Google Patents

粉砕プラントにおけるプロセス制御方法、粉砕プラントにおけるプロセス制御装置、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、粉砕プラントにおけるプロセス制御方法、粉砕プラントにおけるプロセス制御装置、およびプログラムに関し、特に、粉砕プラントを操業するために用いて好適なものである。
微粉炭やセメント等を製造するための粉砕プラントとの一例として、高炉への微粉炭の吹込み(PCI;Pulverized Coal Injection)を行うために石炭を粉砕するPCIプラントがある。
PCIプラントでは、まず、燃料ガスと燃焼エアとを熱ガス発生装置に供給し、熱ガス発生装置において、熱風を排ガスとして発生させる。排ガスは、原料の粉砕を行う粉砕機の内部に供給される。粉砕機で粉砕された原料(粉体)は、排ガスと共にバグフィルター(濾布(繊布や不織布))に供給され、バグフィルターで捕集される。
尚、PCIプラントには、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントと、1パス方式のPCIプラントがある。負圧式・排ガス循環系のPCIプラントでは、熱風(排ガス)は、循環ファンで昇圧されて循環ガスとして再び熱ガス発生装置に供給される。一方、1パス方式のPCIプラントでは、熱風(排ガス)は、循環されずにそのまま煙突から大気中に放散される。
PCIプラントにおいては、原料(石炭)を粉砕してできる微粉炭内に含まれる水分を一定に保つために、ミル出口温度を一定に保つようにすることが望ましい。そこで、特許文献1に記載されているように、ミル出口温度を一定に保つためのミル出口温度制御が行われる。ミル出口温度制御とは、ミル出口温度を目標温度に追従させるために、例えば、熱ガス発生装置を構成するバーナーの負荷を操作する制御である。特許文献1では、ヒートアップが終了して給炭を開始するとミル出口温度が目標値に低下するまで、操業条件に応じた一定の流量のバーナー負荷を熱ガス発生装置に与え、ミル出口温度が目標値に低下した後にミル出口温度制御を行う。
特開2014−114994号公報 特開2000−79352号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、バーナーに供給する燃料ガスのカロリーを半固定値としている。従って、燃料ガスのカロリーを考慮した制御を行うことができない。特に、カロリーが大きく変動する状態で燃料ガスがバーナーに供給される場合には、燃料ガスのカロリーを考慮しないと適切な制御を行うことができなくなる虞がある。
そこで、ガス分析計を用いて、燃料ガスのカロリーを測定することが考えられる。しかしながら、ガス分析計を用いると、コストがかかる。また、ガス分析計のための設置スペースを確保しなければならない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、粉砕プラントにおいてバーナーに供給される燃料ガスのカロリーを、専用の測定機器を用いることなく推定できるようにすることを目的とする。
本発明の粉砕プラントにおけるプロセス制御方法は、バーナーを用いて熱風を排ガスとして発生する熱ガス発生装置と、前記熱ガス発生装置に供給される燃料ガスの体積流量を測定する燃料ガス流量測定手段と、前記熱ガス発生装置に供給される燃焼エアの体積流量を測定する燃焼エア流量測定手段と、前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量を測定するガス流量測定手段と、原料を粉砕し、粉砕後の原料を、前記排ガスの流れに乗せて外部に放出する粉砕機と、前記粉砕後の原料を前記排ガスの流れに乗せるために前記粉砕機の内部にガスを供給する供給手段と、前記粉砕機の出側の所定の位置における粉砕後の前記原料の温度である粉砕機出側温度を測定する温度測定手段と、前記粉砕機から前記排ガスの流れに乗って放出された粉砕後の原料を捕集する捕集機と、前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの酸素濃度である捕集機出側酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段と、前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの体積流量を測定する捕集機出側排ガス流量測定手段と、前記捕集機を通過した後の前記排ガスを外部に放出するための煙突と、前記煙突を介して外部に放出される前記排ガスである放散ガスの体積流量を測定する放散ガス流量測定手段と、前記排ガスの経路となる配管と、前記配管を流れる前記排ガスの圧力を昇圧させる昇圧手段と、を有する粉砕プラントにおけるプロセス制御方法であって、前記燃料ガスの体積流量の測定値と、前記燃焼エアの体積流量の測定値と、前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量の測定値と、前記放散ガスの体積流量の測定値と、前記捕集機出側酸素濃度の測定値とを用いて、前記粉砕プラントに注入されるガスおよび前記粉砕プラントで発生するガスのうち、測定できないガスである不可観測ガスの体積流量と、前記原料に由来して前記粉砕プラントで発生する水蒸気である原料由来水蒸気の体積流量とを導出する第1の導出工程と、前記第1の導出工程により導出された原料由来水蒸気の体積流量と、予め設定される前記原料の単位時間当たりの供給量と、予め設定される粉砕後の前記原料の水分量とを用いて、粉砕前の前記原料の水分量を導出する第2の導出工程と、前記第1の導出工程により導出された前記不可観測ガスの体積流量と、前記第2の導出工程で導出された前記粉砕前の原料の水分量と、前記燃料ガスの体積流量の測定値と、前記燃焼エアの体積流量の測定値と、前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量の測定値と、前記放散ガスの体積流量の測定値と、前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの体積流量の測定値と、前記粉砕機出側温度の測定値とを用いて、前記燃料ガスの単位体積流量あたりの熱量を導出する第3の導出工程と、を有し、前記バーナーは、前記第3の導出工程により導出された前記燃料ガスの単位体積流量あたりの熱量に基づいて動作することを特徴とする。
本発明の粉砕プラントにおけるプロセス制御装置は、バーナーを用いて熱風を排ガスとして発生する熱ガス発生装置と、前記熱ガス発生装置に供給される燃料ガスの体積流量を測定する燃料ガス流量測定手段と、前記熱ガス発生装置に供給される燃焼エアの体積流量を測定する燃焼エア流量測定手段と、前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量を測定するガス流量測定手段と、原料を粉砕し、粉砕後の原料を、前記排ガスの流れに乗せて外部に放出する粉砕機と、前記粉砕後の原料を前記排ガスの流れに乗せるために前記粉砕機の内部にガスを供給する供給手段と、前記粉砕機の出側の所定の位置における粉砕後の前記原料の温度である粉砕機出側温度を測定する温度測定手段と、前記粉砕機から前記排ガスの流れに乗って放出された粉砕後の原料を捕集する捕集機と、前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの酸素濃度である捕集機出側酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段と、前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの体積流量を測定する捕集機出側排ガス流量測定手段と、前記捕集機を通過した後の前記排ガスを外部に放出するための煙突と、前記煙突を介して外部に放出される前記排ガスである放散ガスの体積流量を測定する放散ガス流量測定手段と、前記排ガスの経路となる配管と、前記配管を流れる前記排ガスの圧力を昇圧させる昇圧手段と、を有する粉砕プラントにおけるプロセス制御装置であって、前記燃料ガスの体積流量の測定値と、前記燃焼エアの体積流量の測定値と、前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量の測定値と、前記放散ガスの体積流量の測定値と、前記捕集機出側酸素濃度の測定値とを用いて、前記粉砕プラントに注入されるガスおよび前記粉砕プラントで発生するガスのうち、測定できないガスである不可観測ガスの体積流量と、前記原料に由来して前記粉砕プラントで発生する水蒸気である原料由来水蒸気の体積流量とを導出する第1の導出手段と、前記第1の導出手段により導出された原料由来水蒸気の体積流量と、予め設定される前記原料の単位時間当たりの供給量と、予め設定される粉砕後の前記原料の水分量とを用いて、粉砕前の前記原料の水分量を導出する第2の導出手段と、前記第1の導出手段により導出された前記不可観測ガスの体積流量と、前記第2の導出手段で導出された前記粉砕前の原料の水分量と、前記燃料ガスの体積流量の測定値と、前記燃焼エアの体積流量の測定値と、前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量の測定値と、前記放散ガスの体積流量の測定値と、前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの体積流量の測定値と、前記粉砕機出側温度の測定値とを用いて、前記燃料ガスのカロリーを導出する第3の導出手段と、を有し、前記バーナーは、前記第3の導出手段により導出された前記燃料ガスのカロリーに基づいて動作することを特徴とする。
本発明のプログラムは、前記粉砕プラントにおけるプロセス制御装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、粉砕プラントにおいてバーナーに供給される燃料ガスのカロリーを、専用の測定機器を用いることなく推定することができる。
負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの構成の一例を示す図である。 粉砕プロセス制御装置の機能的な構成の一例を示す図である。 粉砕プロセス制御装置の動作の一例を説明するフローチャートである。 1パス方式のPCIプラントの構成の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。本実施形態では、粉砕プラントが、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントである場合を例に挙げて説明する。尚、後述するように、本実施形態の適用範囲は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに限定されない。
(負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの構成)
図1は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの構成の一例を示す図である。図1において、各構成要素を繋ぐ実線は配管を示し、破線は信号の伝達経路を示す。また、矢印線は、配管内のガスや石炭の進行方向を示す。尚、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの構成は、例えば、特許文献2に記載の技術等の公知の技術で実現できるので、ここでは、各構成について簡単に説明し、詳細な説明を省略する。
図1において、熱ガス発生装置(HGG)101は、バーナーを有し、燃料ガスおよび燃焼エア(空気)をバーナーへの入力として、バーナーの負荷(空燃比)を制御し、排ガス(熱風)を発生させる。排ガスの酸素濃度は略0(ゼロ)%である。本実施形態では、燃料ガスとしてBFG(Blast Furnace Gas)を利用する。
燃料ガス流量調節弁102は、熱ガス発生装置101(バーナー)に供給される燃料ガスの流量を調整する。流量計103は、熱ガス発生装置101(バーナー)に供給される燃料ガスの流量を測定する。流量計103は、例えば、オリフィス流量計を用いることにより実現される。本実施形態では、燃料ガス(BFG)は、そのカロリーがガスホルダー等により調節されない状態で高炉から熱ガス発生装置101に供給されるものとする。すなわち、熱ガス発生装置101と高炉との間の燃料ガス(BFG)の経路には、燃料ガスのカロリーを調節するための装置がなく、燃料ガス(BFG)は、高炉から熱ガス発生装置101に直送される。従って、熱ガス発生装置101(バーナー)に供給される燃料ガスのカロリーは、高炉操業による燃料ガスのカロリーの変動の影響を直接受けることになる。ここでいうカロリーとは、単位体積流量(単位ノルマル流量)あたりの熱量[kcal/(Nm3/hr)]である(後述する(6)式等を参照)。このことは、その他の説明においても同じである。
エア流量調節弁104は、熱ガス発生装置101(バーナー)に供給される燃焼エア(空気)の流量を調節する。流量計105は、熱ガス発生装置101(バーナー)に供給される燃焼エア(空気)の体積流量を測定する。流量計105は、例えば、オリフィス流量計を用いることにより実現される。燃焼エアファン106は、燃焼エア(空気)を昇圧して熱ガス発生装置101に送り込む。
バンカー107は、原料である石炭を貯蔵する。
給炭機108は、チェーンコンベアを有し、バンカー107内に貯蔵されている石炭をチェーンコンベアにより切り出してミル109に投入する。
ミル109は、給炭機108から投入された石炭を粉砕する粉砕機である。ミル109の入側の位置における圧力が大気圧に対して負圧に保たれるようにすることにより、ミル109の内部の圧力は負圧に保たれる。ミル109は、例えば、ロールミル109aと粉砕テーブル109bとを有する。ミル109の上部から投入された石炭をロールミル109aと粉砕テーブル109bとの間に供給する。回転している粉砕テーブル109bに対してロールミル109aを押し付けながら回転させることにより、石炭は押し潰されて粉砕される。粉砕された石炭は、熱ガス発生装置101から供給された排ガスの流れにのって、ミル109の上部に供給され、分級機で分級された後、外部に放出される。
この際、シールエアファン110からミル109の内部(粉砕テーブル109bの軸受部)の隙間にシールエアを供給することにより、その隙間から外部に放出されようとする微粉炭を、熱ガス発生装置101から供給された排ガスの流れに押し戻す。ミル109の内部の圧力がシールエアの圧力未満になるように、シールエアの流速が定められる。このように、シールエアは、粉砕テーブル109bの軸受部に微粉炭が進入し、その結果として、粉砕テーブル109bの軸受部の潤滑不良が起こることと、粉砕テーブル109bの軸受部から微粉炭が外部に放出されることとを防止するためのものである。
以下の説明では、「ミル109から外部に放出された粉砕後の石炭」を必要に応じて「微粉炭」と称する。尚、シールエアは、エア(空気)であることが好ましいが、エア以外のガス(例えば不活性ガス)であってもよい。
ミル出口温度計111は、ミル109の出側の所定の位置における(配管内の(微粉炭の))温度を測定する。以下の説明では、「ミル109の出口側の所定の位置における(配管内の(微粉炭の))温度」を必要に応じて「ミル出口温度」と称する。
バグフィルター112は、ミル109から放出された微粉炭を、濾布を用いて捕集する濾過式の捕集機である。ミル109と同様に、バグフィルター112の内部の圧力も負圧に保たれている。微粉炭以外の異物がバグフィルター112で捕集されることがある。異物除去装置113は、この異物を除去するためのものである。このように異物除去装置113で異物が除去された後、リザーバタンク114に微粉炭が貯蔵される。リザーバタンク114に貯蔵された微粉炭は、高炉の羽口から高炉の内部に吹き込まれる(微粉炭吹き込みが行われる)。
バグ出口O2濃度計115は、バグフィルター112の出側の所定の位置における配管内の排ガスの酸素濃度を測定する。
流量計116は、バグフィルター112を通過した排ガスの体積流量を測定する。流量計116は、例えば、ベンチュリ管を用いることにより実現される。
ダンパー117は、バグフィルター112を通過した排ガスの流量を調整する。
循環ファン118は、ダンパー117を通過した排ガスを熱ガス発生装置101に循環させることができるように、排ガスを昇圧する。
循環ファン118により昇圧された排ガスの一部は、煙突119を介して大気中に放出される。放散系圧力調整弁120は、煙突119を介して大気中に放出される排ガスの圧力を調整する。流量計121は、煙突119を介して大気中に放出される排ガスの体積流量を測定する。流量計121は、例えば、オリフィス流量計を用いることにより実現される。尚、以下の説明では、煙突119を介して大気中に放出される排ガスを必要に応じて「放散ガス」と称する。
循環系圧力調整弁122は、循環ファン118により昇圧された排ガスのうち、煙突119を介して大気中に放出されずに熱ガス発生装置101に循環させる排ガスの圧力を調整する。このようにして、熱ガス発生装置101で発生した排ガスは、循環ガスとして再び熱ガス発生装置101に供給され、熱ガス発生装置101、ミル109、バグフィルター112、流量計116、ダンパー117、循環ファン118、循環系圧力調整弁122、熱ガス発生装置101の経路を循環する。
エア流量調整弁123は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに供給される希釈エアの流量を調整する。流量計124は、希釈エアの体積流量を測定する。流量計124は、例えば、オリフィス流量計を用いることにより実現される。希釈エアファン125は、エア流量調整弁123で流量が調整された希釈エアを昇圧し、希釈エアを熱ガス発生装置101の入側の配管に押し込む。これにより、循環ガスの酸素濃度を調整することができる。前述したようにして排ガスが循環する経路(配管)内の酸素濃度が上昇しすぎると、粉塵爆発が発生する虞がある。一方、前述したようにして排ガスが循環する経路(配管)内の酸素濃度が低下しすぎると、経路内の水蒸気が液相化し、バグフィルター112の機能を損ねる虞がある。そこで、経路内の酸素濃度を一定にするために、希釈エアが経路内に供給される。尚、希釈エアは、エア(空気)であることが好ましいが、エア以外のガス(例えば不活性ガス)であってもよい。
粉砕プロセス制御装置200は、ガス分析計のような専用の測定機器を用いることなく、以上のような負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに既設の測定機器における測定の結果を用いて、燃料ガス(BFG)のカロリーと、直接的に観測できない石炭の水分量および経路内に進入するエアの体積流量とを導出する。そして、粉砕プロセス制御装置200は、これらの導出した値を用いて、ミル出口温度計111で測定されたミル出口温度の目標値に対する偏差が0(ゼロ)に近づくようなバーナーの負荷(空燃比)を導出する。熱ガス発生装置101は、このバーナーの負荷に応じて、燃料ガス流量調節弁102およびエア流量調節弁104の開度を調整する。以下に、粉砕プロセス制御装置200の機能の一例を説明する。
(粉砕プロセス制御装置200の機能構成)
図2は、粉砕プロセス制御装置200の機能的な構成の一例を示す図である。粉砕プロセス制御装置200は、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)またはCPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置を用いることにより実現することができる。
図2に示すように、粉砕プロセス制御装置200は、ガスカロリー推定部210と、制御部220とを有する。
ガスカロリー推定部210は、燃料ガス(BFG)のカロリーと、直接的に測定できない石炭の水分量および経路内に進入するエアの体積流量とを導出する。制御部220は、これらの導出した値を用いて、ミル出口温度の目標値に対する偏差が0(ゼロ)に近づくようなバーナーの負荷を導出する。
尚、以下の説明において、本実施形態では、以下の条件の下で、物質・熱収支モデルを構築した。物質・熱収支モデルの詳細については後述する。
(a) 熱の収支のバランスとガスの収支のバランスとの双方について、非定常的なバランスを無視し、定常的なバランスのみを表現する。
(b) 原料である石炭に含まれる水分の相変化に必要な熱量を、石炭から発生する水蒸気量を生成するのに必要な潜熱により計算する。
(c) 燃料ガス(BFG)の燃焼により発生する排ガスの体積流量を、簡単のため、燃料ガス(BFG)の体積流量と燃焼エアの体積流量との和とする。
(d) 循環ファン118による昇温効果は、循環ガスにのみ寄与すると単純化し、放散ガスの温度は、ミル出口温度と同じであると仮定する。
(e) 負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの系内の温度は、ミル出口温度と同じになると仮定する。
(f) 燃料ガス(BFG)は完全燃焼するものとし、過剰な燃焼エアはそのまま残るものとする。
(g) バグ出口酸素濃度(バグフィルター112の出側の所定の位置における配管内の酸素ガスの濃度)は、希釈エアの流量の制御により、一定値に維持されるものとする。
(h) バグ出口排ガス流量(バグフィルター112の出側の所定の位置における配管内の排ガスの体積流量)は、流量制御により、一定量に維持されるものとする。
<ガスカロリー推定部210>
まず、ガスカロリー推定部210について説明する。
ガスカロリー推定部210は、水蒸気流量・不可観測エア流量導出部211と、石炭水分量導出部212と、燃料ガスカロリー導出部213とを有する。
[水蒸気流量・不可観測エア流量導出部211]
水蒸気流量・不可観測エア流量導出部211は、放散ガス流量収支モデルと、酸素濃度収支モデルとを用いて、石炭に由来する水蒸気の体積流量Fcv[Nm3/hr]と、進入エアの体積流量Fbair[Nm3/hr]と、シールエアの体積流量Fsair[Nm3/hr]とを導出する。進入エアは、ミル109の内部とバグフィルター112の圧力が負圧に保たれていることによりバンカー107等からミル109に進入する空気である。また、シールエアは、ミル109の内部(粉砕テーブル109bの軸受部)の隙間から外部に放出されようとする微粉炭を、熱ガス発生装置101から供給された排ガスの流れに押し戻すために粉砕テーブル109bの下部から吹きこまれる空気である。
負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに注入されたガスと、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントで発生したガスは十分に混合し、これらのガスの注入量と発生量の和と同じ量のガスが煙突119を介して大気中に放出されるものとして物質収支モデルを構築する。従って、放散ガス流量収支モデルは、以下の(1)式で表され、酸素濃度収支モデルは以下の(2)式で表される。
exh=Fbfg+Fcair+Fcv+Fsair+Fbair+Fpair ・・・(1)
2濃度={(Fpair+Fbair+Fsair+Fcair×0.1)/Fexh}×21 ・・・(2)
ここで、Fexhは、放散ガスの体積流量[Nm3/hr]であり、流量計121により測定される。O2濃度は、バグフィルター112の出側の所定の位置における配管内の排ガスの酸素濃度[%]であり、バグ出口O2濃度計115により測定される。
bfgは、燃料ガス(BFG)の体積流量[Nm3/hr]であり、流量計103により測定される。Fcairは、燃焼エアの体積流量[Nm3/hr]であり、流量計105により測定される。Fpairは、希釈エアの体積流量[Nm3/hr]であり、流量計124により測定される。前述したようにFcv、Fsair、Fbairは、それぞれ、石炭に由来する水蒸気の体積流量、シールエアの体積流量、進入エアの体積流量であり、何れも直接的に測定することができない。尚、(2)式の右辺において、「Fcair×0.1」は、燃焼反応で余ったエアの体積流量である。また、前述した体積流量やO2濃度の測定値としては、例えば、所定時間における平均値を用いることができる。
ここでは、シールエアの体積流量Fsairと進入エアの体積流量Fbairとの和を不可観測エアの体積流量とし、シールエアの流量と進入エアの流量を一括りの流量として取り扱う。そうすると、(1)式と(2)式により、2つの未知量(石炭に由来する水蒸気の体積流量Fcvおよび不可観測エアの体積流量Fsair+Fbair)を計算することができる。水蒸気流量・不可観測エア流量導出部211は、このようにして、石炭に由来する水蒸気の体積流量Fcvと不可観測エアの体積流量Fsair+Fbairとを導出する。
[石炭水分量導出部212]
水蒸気として存在する水の単位時間当たりの重量WV[kg/hr]は、以下の(3)式および(4)式で表される。
WV=Fcv×22.4/18 ・・・(3)
WV=給炭量×1000×{石炭の水分量/(100−石炭の水分量)−製品の水分量/(100−製品の水分量)} ・・・(4)
前述したようにFcvは、石炭に由来する水蒸気の体積流量であり、水蒸気流量・不可観測エア流量導出部211により導出される。給炭量[ton/hr]は、石炭の単位時間当たりの供給量であり、操業条件(プラントを操業する際に定める条件)として予め与えられる。また、製品の水分量[質量%]は、環境条件(プラントに対する操業とは無関係に定まる条件)として予め与えられる。(3)式の「22.4」は、標準体積(モル体積)[リットル/mol]であり、「18」は、水の分子量[グラム/mol]である。従って、(3)式の「22.4/18」は、体積を重量に変換する係数となる。
以上のように(3)式と(4)式により、未知量である石炭の水分量[質量%]を計算することができる。石炭水分量導出部212は、このようにして、石炭の水分量を導出する。尚、ここで導出される石炭の水分量は、粉砕前の石炭の水分量である。
[燃料ガスカロリー導出部213]
負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに与えられる熱量と消費される熱量とが等しくなると、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントにおける熱収支のバランスがとれるので、以下の(5)式が、熱収支モデルとして得られる。
ΔQHGG+ΔQFAN=ΣΔQGAS(i)+ΔQCOAL+ΔQ(顕熱)+ΔQ(潜熱) ・・・(5)
(5)式において、右辺は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントで消費する熱量の合計であり、左辺は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに与えられる熱量の合計である。
ΔQHGGは、燃料ガス(BFG)による燃焼により発生する熱量[kcal]であり、以下の(6)式で表される。
ΔQHGG=燃料ガス(BFG)のカロリー×Fbfg ・・・(6)
bfgは、前述したように、燃料ガス(BFG)の体積流量[Nm3/hr]であり、流量計103により測定される。
ΔQFANは、循環ファン118における断熱圧縮に起因して発生する熱量[kcal]であり、以下の(7)式で表される。
ΔQFAN=循環ガスの体積流量×ΔT×ガスの比熱 ・・・(7)
ガスの比熱[kcal/kg・℃]は、環境条件として予め与えられる。ΔTは、循環ファン118における断熱圧縮に起因する循環ガスの温度上昇分[℃]であり、環境条件として予め与えられる。循環ガスの体積流量[Nm3/hr]は、以下の(8)式で表される。
循環ガスの体積流量=バグ出口の排ガスの体積流量−Fexh ・・・(8)
バグ出口の排ガスの体積流量[Nm3/hr]は、バグフィルター112の出側の所定の位置における配管内の排ガスの体積流量であり、流量計116により測定される。Fexhは、前述したように、放散ガスの体積流量[Nm3/hr]であり、流量計121により測定される。
ΣΔQGAS(i)は、以下の(9)式で表される。
ΣΔQGAS(i)=Σ[ガス(i)の比熱×ガス(i)の体積流量×(ミル出口温度−ガス(i)の注入温度)] ・・・(9)
ガス(i)は、燃料ガス(BFG)、燃焼エア、希釈エア、進入エア、およびシールエアである。前述したようにここでは、進入エアおよびシールエアの流量を不可観測エアの流量として一括りの流量として取り扱う。各ガスの比熱と注入温度は、環境条件として予め与えられる。また、ミル出口温度は、ミル出口温度計111により測定される。燃料ガス(BFG)の体積流量Fbfg、燃焼エアの体積流量Fcair、希釈エアの体積流量Fpairは、それぞれ、流量計103、105、124により測定される。不可観測エアの体積流量Fsair+Fbairは、水蒸気流量・不可観測エア流量導出部211により導出される。
ΔQCOALは、石炭をミル出口温度(製品の温度)まで加熱するのに必要な熱量[kcal]であり、以下の(10)式で表される。
ΔQCOAL=原料の比熱×給炭量×1000×(ミル出口温度−外気温) ・・・(10)
給炭量[ton/hr]は、操業条件として与えられる。また、原料の比熱[kcal/kg・℃]と原料の温度[℃]は、環境条件として予め与えられる。ミル出口温度は、ミル出口温度計111により測定される。また、外気温としては測定値が用いられる。
ΔQ(顕熱)は、石炭に含まれる水をミル出口温度(製品の温度)まで加熱するのに必要な熱量[kcal]であり、以下の(11)式で表される。
ΔQ(顕熱)=水の比熱×WM×(ミル出口温度−外気温) ・・・(11)
水の比熱[kcal/kg・℃]は、環境条件として予め与えられる。
また、WMは、石炭に含まれる水の単位時間当たりの重量[kg/hr]であり、以下の(12)式で表される。
WM=給炭量×1000×石炭の水分量/(100−石炭の水分量) ・・・(12)
給炭量[ton/hr]は、操業条件として予め与えられる。石炭の水分量[質量%]は、石炭水分量導出部212により導出される。
ΔQ(潜熱)は、石炭に含まれる水が蒸発するために必要な熱量[kcal]であり、以下の(13)式で表される。
ΔQ(潜熱)=水の潜熱×WV ・・・(13)
水の潜熱[kcal/kg]は、環境条件として予め与えられる。また、WVは、前述した(3)式または(4)式で表される。
前述したように、(4)式において、給炭量[ton/hr]は、操業条件として与えられ、製品の水分量[質量%]は、環境条件として予め与えられる。また、石炭の水分量[質量%]は、石炭水分量導出部212により導出される。また、(3)式において、石炭に由来する水蒸気の体積流量Fcvは、水蒸気流量・不可観測エア流量導出部211により導出される。
(5)式と(6)式より、以下の(14)式が得られる。
燃料ガス(BFG)のカロリー=(ΣΔQGAS(i)+ΔQCOAL+ΔQ(顕熱)+ΔQ(潜熱)−ΔQFAN)/Fbfg ・・・(14)
(7)式〜(13)式を参照しながら説明したように、(14)式の右辺の値を求めることができるので、(14)式により、未知量である燃料ガス(BFG)のカロリー[kcal/Nm3]を計算することができる。燃料ガスカロリー導出部213は、このようにして、燃料ガス(BFG)のカロリーを導出する。
<制御部220>
次に、制御部220について説明する。
制御部220は、ミル出口温度偏差導出部221と、FB制御部222と、FF制御部223と、バーナー負荷導出部224と、バーナー負荷出力部225とを有する。
[ミル出口温度偏差導出部221]
ミル出口温度偏差導出部221は、ミル出口温度計111で測定されたミル出口温度から、粉砕時のミル出口温度の目標値を減算して、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差を導出する。
[FB制御部222]
FB制御部222は、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差を入力として、比例動作、積分動作、および微分動作を行い、操作量としてバーナーの負荷[%]を導出してバーナー負荷導出部224に出力することを繰り返して、ミル出口温度の測定値を目標値に近づける制御(すなわちPID制御)を行う。尚、FB制御部222における制御は、PID制御に限定されない。FB制御部222は、FB制御部222における制御として、例えば、PI制御を行うようにしてもよい。また、バーナーの負荷は、以下の(15)式のように表される。
バーナーの負荷=(燃料ガス(BFG)の体積流量/バーナーに供給できる燃料ガス(BFG)の体積流量の最大値)×100 ・・・(15)
[FF制御部223]
FF制御部223は、給炭量の目標値に応じたバーナーの負荷(の修正量)を操作量として導出する。燃料ガス(BFG)の体積流量Fbfgは、(14)式より、以下の(16)式のように表される。
bfg=(ΣΔQGAS(i)+ΔQCOAL+ΔQ(顕熱)+ΔQ(潜熱)−ΔQFAN)/燃料ガス(BFG)のカロリー ・・・(16)
(16)式により、燃料ガス(BFG)の体積流量Fbfgを計算する際に、以下の(17)式に示す酸素濃度条件と、(18)式に示す放散ガス流量条件との2つの制約条件を満足させるようにする。
2濃度={(Fpair+Fbair+Fsair+Fcair×0.1)/Fexh}×21=O2濃度の目標値 ・・・(17)
exh=Fbfg+Fcair+Fcv+Fsair+Fbair+Fpair ・・・(18)
(17)式は、(2)式に対応する式であり、(17)式のO2濃度は、バグフィルター112の出側の所定の位置における配管内の排ガスの酸素濃度[%]である。(18)式は、(1)式に対応する式である。
このとき、不可観測エアの体積流量Fsair+Fbair、石炭の水分量、燃料ガス(BFG)のカロリーは、それぞれ、水蒸気流量・不可観測エア流量導出部211、石炭水分量導出部212、燃料ガスカロリー導出部213により導出されたものを用いる。
また、(1)式〜(14)式の説明では、放散ガスの体積流量Fexh、燃料ガス(BFG)の体積流量Fbfg、燃焼エアの体積流量Fcair、および希釈エアの体積流量Fpairとして、測定値を用いる。これに対し、ここでは、これらについての測定値を用いずに、(17)式および(18)式の制約条件を満足しつつ(16)式が成り立つような決定変数(燃料ガス(BFG)の体積流量Fbfgおよび希釈エアの体積流量Fpair)を、収束計算を行うことにより導出する。ただし、外気温については測定値を用いる。
ここで、燃焼エアの体積流量Fcairは、以下の(19)式で表される。
cair=Fbfg×理論空気量×過剰空気量 ・・・(19)
理論空気量[−]と過剰空気量[−]は環境条件として予め与えられる。このように、燃焼エアの体積流量Fcairは、決定変数(燃料ガス(BFG)の体積流量Fbfg)により定まる従属変数である。
また、バグ出口の排ガスの体積流量は、操業条件として予め与えられる。
FF制御部223は、以上の条件の下で前述した収束計算を行うことで、操業条件に従って給炭量を変化させたときの燃料ガス(BFG)の体積流量Fbfgを導出する。FF制御部223は、その結果に基づいて、給炭量が単位時間変化したときの燃料ガス(BFG)の体積流量Fbfgの変化量、すなわち、単位時間における給炭量の変化量(=Δ給炭量)に対する、単位時間における燃料ガス(BFG)の体積流量Fbfgの変化量(=ΔFbfg)の比(=ΔFbfg/Δ給炭量)を導出する。
前述したようにバーナーの負荷は(15)式で表されるので、FF制御部223は、以下の(20)式の計算を行うことにより、バーナーの負荷の修正量としてFFゲインを導出する。
FFゲイン={(Δ給炭量/ΔFbfg)/バーナーに供給できる燃料ガス(BFG)の体積流量の最大値}×100 ・・・(20)
[バーナー負荷導出部224]
バーナー負荷導出部224は、FB制御部222で導出されたバーナー負荷に、FF制御部223で導出されたバーナー負荷の修正量(FFゲイン)を加算して最終的なバーナーの負荷を導出する。
[バーナー負荷出力部225]
バーナー負荷出力部225は、バーナー負荷導出部224で導出されたバーナーの負荷を熱ガス発生装置(HGG)101に出力する。
熱ガス発生装置(HGG)101は、バーナーに供給されている燃料ガスおよび燃焼エアの体積流量の測定値が、バーナー負荷出力部225により出力されたバーナーの負荷から得られる目標値に近づくように、燃料ガス流量調節弁102およびエア流量調節弁104の開度を調整するフィードバック制御を行い、その結果に基づいて、燃料ガス流量調節弁102およびエア流量調節弁104の開度の変更量を導出する。そして、熱ガス発生装置(HGG)101は、導出した変更量だけ開度が変更されるように、燃料ガス流量調節弁102およびエア流量調節弁104を動作させる。
(フローチャート)
次に、図3のフローチャートを参照しながら、粉砕プロセス制御装置200の動作の一例を説明する。
まず、ステップS301において、水蒸気流量・不可観測エア流量導出部211は、(1)式と(2)式により、石炭に由来する水蒸気の体積流量Fcvおよび不可観測エアの体積流量Fsair+Fbairを導出する。
次に、ステップS302において、石炭水分量導出部212は、(3)式と(4)式により、石炭の水分量を導出する。
次に、ステップS303において、燃料ガスカロリー導出部213は、(14)式により、燃料ガス(BFG)のカロリーを導出する。
次に、ステップS304において、FF制御部223は、(16)式、(17)式および(18)式により、単位時間における給炭量の変化量(=Δ給炭量)に対する、単位時間における燃料ガス(BFG)の体積流量Fbfgの変化量(=ΔFbfg)の比(=ΔFbfg/Δ給炭量)を導出する。
次に、ステップS305において、FF制御部223は、(20)式により、バーナーの負荷の修正量としてFFゲインを導出する。
次に、ステップS306において、ミル出口温度偏差導出部221は、ミル出口温度計111で測定されたミル出口温度から、粉砕時のミル出口温度の目標値を減算して、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差を導出する。
次に、ステップS307において、FB制御部222は、ミル出口温度の測定値の目標値に対する偏差を入力として、比例動作、積分動作、および微分動作を行い、操作量としてバーナーの負荷を導出する。
尚、ステップS306、S307を行うタイミングは、ステップS305の後に限定されず、ステップS305の前のタイミングであってよい。ステップS306、S307を行うタイミングを、例えば、ステップS301の前のタイミングまたはステップS303、S304の間のタイミングにすることができる。
次に、ステップS308において、バーナー負荷導出部224は、ステップS307で導出されたバーナーの負荷に、ステップS305で導出されたバーナーの負荷の修正量(FFゲイン)を加算して最終的なバーナーの負荷を導出する。
最後に、ステップS309において、バーナー負荷出力部225は、ステップS308で導出されたバーナーの負荷を熱ガス発生装置(HGG)101に出力する。熱ガス発生装置(HGG)101は、このバーナーの負荷を用いて、バーナーの空燃比制御を実行する。
(まとめ)
以上のように本実施形態では、燃料ガス(BFG)の体積流量Fbfg、燃焼エアの体積流量Fcair、希釈エアの体積流量Fpair、放散ガスの体積流量Fexh、バグフィルターの出側のO2濃度を用いて、放散ガス流量収支モデルおよび酸素濃度収支モデルにより、石炭に由来する水蒸気の体積流量Fcvと不可観測エアの体積流量Fsair+Fbairとを導出する。石炭に由来する水蒸気の体積流量Fcvと、操業条件として予め与えられる給炭量と、環境条件として予め与えられる製品の水分量とに基づいて、石炭の水分量を導出する。そして、石炭に由来する水蒸気の体積流量Fcvと不可観測エアの体積流量Fsair+Fbairと石炭の水分量とを用いて、熱収支モデルにより、燃料ガス(BFG)のカロリーを導出する。従って、ガス分析計のような専用の測定機器を用いなくても、燃料ガス(BFG)のカロリーをリアルタイムに推定することが可能になる。その結果、バーナーの負荷を適切に調節することができる。その一例として本実施形態では、ミル出口温度が目標値に近づくようにバーナーの負荷を調節する制御を行う際に、フィードバック制御により得られるバーナーの負荷に対する修正量として、給炭量の変化に応じたバーナーの負荷の修正量を高精度にフィードフォワードゲインとして導出することができる。これにより、ミル出口温度が目標値から大きく外れることを抑制することができ、粉塵爆発や経路内の水蒸気の液相化を抑制することができる。
また、本実施形態において燃料ガスとして用いるBFGはカロリーが低く、且つ、高炉の操業によってカロリーが変動する。このような場合、ガスホルダーを用いてカロリーを調整(カロリーの変動を抑制)したうえでBFGをPCIプラントに送ることが考えられる。しかしながら、ガスホルダー、ガスホルダーを経由するための配管、およびブロアを用いる必要があり、コストがかかる。これに対し、本実施形態では、燃料ガス(BFG)のカロリーをリアルタイムに推定し、バーナーの負荷を調節するので、ガスホルダー等によりカロリーを調節しないで燃料ガス(BFG)をPCIプラントに送っても、前述したように、ミル出口温度が目標値から大きく外れることを抑制することができ、粉塵爆発や経路内の水蒸気の液相化を抑制することができる。
(変形例)
本実施形態では、給炭量の変化に応じてミル出口温度をフィードフォワード制御する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、バーナー負荷を調節する方法は、このような方法に限定されない。例えば、燃料ガス(BFG)のカロリーが低下してエアリッチになりバーナーにおいて失火すると、結果としてPCIプラント全体の運転を停止することになる。そこで、本実施形態の手法で推定した燃料ガス(BFG)のカロリーにより、燃料ガス(BFG)のカロリーの変動を監視し、この変動に基づいて、バーナーの負荷(空燃比)を調節すれば、バーナーの負荷を適切に維持することができ、バーナーの最適な燃焼制御を継続することができる。
また、本実施形態では、粉砕プラントが負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、粉砕プラントは1パス方式の粉砕プラントであってもよい。
図4は、1パス方式のPCIプラントの構成の一例を示す図である。図4において、図1に示した負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの構成と同じ部分については、図1に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また、図4でも、図1と同様に、各構成要素を繋ぐ実線は配管を示し、破線は信号の伝達経路を示す。また、矢印線は、配管内のガスや石炭の進行方向を示す。
熱ガス発生装置(HGG)131は、バーナーを有し、燃料ガスおよび燃焼エア(空気)をバーナーへの入力として、バーナーの負荷(空燃比)を制御し、排ガス(熱風)を発生させる。循環ガスを内部に取り込まない他は、熱ガス発生装置(HGG)101、131は、同じ構成を有する。尚、1パス方式のPCIプラントにおいては、燃料ガスとして、例えば、COG(コークス炉ガス)や、COGとBFGとの混合ガスが用いられる。
エア流量調整弁133は、PCIプラントに供給されるエアである調整エアの流量を調整する。流量計132は、調整エアの体積流量を測定する。流量計132は、例えば、オリフィス流量計を用いることにより実現される。調整エアファン134は、エア流量調整弁133で流量が調整された調整エアを昇圧し、熱ガス発生装置131の出側の配管に押し込む。負圧式・排ガス循環系のPCIプラントでは、循環ガスにより、熱ガス発生装置101から排出される排ガスの嵩(容積)が不足したり、熱ガス発生装置101から排出される排ガスの温度が過度に高温になったりすることを抑制することができる。これに対し、1パス方式のPCIプラントでは、熱ガス発生装置131で発生した排ガスが循環する経路がなく、循環ガスが存在しない。従って、1パス方式のPCIプラントでは、熱ガス発生装置131から排出される排ガスの嵩(容積)を増すことと、熱ガス発生装置101からの排ガスの温度を適温化することを目的として、熱ガス発生装置131の出側に調整エアを供給する。一方、1パス方式のPCIプラントでは、熱ガス発生装置131で発生した排ガスが循環する経路がないので、経路内の酸素濃度を一定にするための希釈エアは不要になる。また、循環ファン118も存在しない。
ダンパー135は、調整エアファン134から供給された調整エアが混合された状態の排ガスの流量を調整する。
供給ファン136は、ダンパー135を通過した排ガスをミル109に供給させるために排ガスを昇圧するファンである。
負圧式・排ガス循環系のPCIプラントでは、ミル109とバグフィルター112の内部の圧力は負圧に保たれているが、1パス方式のPCIプラントでは、ミル109とバグフィルター112の内部の圧力は大気圧である。
バグフィルター112を通過した排ガスは、そのまま煙突137を介して大気中に放出される。流量計138は、煙突137を介して大気中に放出される排ガスの体積流量を測定する。流量計138は、例えば、オリフィス流量計を用いることにより実現される。
1パス方式のPCIプラントでは、希釈エアは用いられないので、粉砕プロセス制御装置200´における処理に際し、希釈エアの体積流量Fpairを0(ゼロ)とする。また、放散ガスの体積流量Fexhは、煙突137を介して大気中に放出される排ガスの体積流量になる。また、循環ファン118における断熱圧縮に起因して発生する熱量ΔQFANの代わりに、供給ファン136における断熱圧縮に起因して発生する熱量を用いる。この熱量の計算に際し、循環ガスの体積流量の代わりにバグ出口の排ガスの体積流量を用いる。また、バグ出口の排ガスの体積流量は放散ガスの体積流量と同じになる。尚、このようにせずに、供給ファン136の出側の所定の位置に流量計を設け、この流量計により測定された体積流量を、循環ガスの体積流量としてもよい。また、COGとBFGとの混合ガスを燃料ガスとして用いる場合、各々のガスのカロリーではなく、混合ガスとしてのカロリーを推定する。
以上のようにすれば、1パス方式のPCIプラントにおいても、本実施形態と同様にして燃料ガスのカロリーを導出することができ、前述した効果を得ることができる。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
(請求項との関係)
熱ガス発生装置は、例えば、熱ガス発生装置101または131を用いることにより実現される。
燃料ガス流量測定手段は、例えば、流量計103を用いることにより実現される。
燃焼エア流量測定手段は、例えば、流量計105を用いることにより実現される。
ガス流量測定手段は、例えば、流量計124または132を用いることにより実現される。
熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスは、例えば、希釈エアまたは調整エアにより実現される。
粉砕機は、例えば、ミル109を用いることにより実現される。
供給手段は、例えば、シールエアファン110を用いることにより実現される。
粉砕機出側温度は、例えば、ミル出口温度により実現される。
温度測定手段は、例えば、ミル出口温度計111を用いることにより実現される。
捕集機は、例えば、バグフィルター112を用いることにより実現される。
酸素濃度測定手段は、例えば、バグ出口O2濃度計115を用いることにより実現される。
捕集機出側酸素濃度は、例えば、バグフィルター112の出側の所定の位置における配管内の排ガスの酸素濃度により実現される。
捕集機出側排ガス流量測定手段は、例えば、流量計116または138を用いることにより実現される。
煙突は、例えば、煙突119または137を用いることにより実現される。
放散ガス流量測定手段は、例えば、流量計121または138を用いることにより実現される。
昇圧手段は、例えば、循環ファン118または供給ファン136を用いることにより実現される。
第1の導出工程は、例えば、ステップS301の処理により実現される。
不可観測ガスは、例えば、不可観測エアにより実現される。
原料由来水蒸気は、例えば、石炭に由来する水蒸気により実現される。
第2の導出工程は、例えば、ステップS302の処理により実現される。
粉砕前の原料の水分量は、例えば、(4)式における石炭の水分量により実現される。
粉砕後の原料の水分量は、例えば、(4)式における製品の水分量により実現される。
第3の導出工程は、例えば、ステップS303の処理により実現される。
第4の導出工程は、例えば、ステップS304〜S308により実現される。
動作工程は、例えば、ステップS309で出力されたバーナー負荷に基づいて熱ガス発生装置(HGG)101が、バーナーの空燃比制御を実行することにより実現される。
放散ガスの体積流量が、粉砕プラントに注入されるガスの体積流量の合計値および粉砕プラントで発生するガスの体積流量の合計値との和で表されることを示す計算式は、例えば、(1)式により実現される。
捕集機の出側の所定の位置における排ガスの酸素濃度が、粉砕プラントに注入されるガスの配管内を流れる体積流量の合計値を、粉砕プラントに注入されるガスの体積流量および粉砕プラントで発生するガスの体積流量の合計値で割った値に、空気中の酸素の割合を掛けた値で表されることを示す計算式は、例えば、(2)式により実現される。
燃料ガスのカロリーが、粉砕プラントで消費される熱量の合計値から、昇圧手段で排ガスの圧力を昇圧させる際に発生する熱量を減算した値を、燃料ガスの体積流量で割った値で表される計算式は、例えば、(14)式により実現される。
101・131:熱ガス発生装置、102:燃料ガス流量調節弁、103・105・116・121・124・132・138:流量計、104・123・133:エア流量調節弁、107:バンカー、108:給炭機、109:ミル、110:シールエアファン、111:ミル出口温度計、112:バグフィルター、113:異物除去装置、114:リザーバタンク、115:バグ出口O2濃度計、117・135:ダンパー、118:循環ファン、119・137:煙突、120:放散系圧力調整弁、122:循環系圧力調整弁、125:希釈エアファン、134:調整エアファン、136:供給ファン、200・200´:粉砕プロセス制御装置、210:ガスカロリー推定部、220:制御部、211:水蒸気流量・不可観測エア流量導出部、212:石炭水分量導出部、213:燃料ガスカロリー導出部、221:ミル出口温度偏差導出部、222:FB制御部、223:FF制御部、224:バーナー負荷導出部、225:バーナー負荷出力部

Claims (7)

  1. バーナーを用いて熱風を排ガスとして発生する熱ガス発生装置と、
    前記熱ガス発生装置に供給される燃料ガスの体積流量を測定する燃料ガス流量測定手段と、
    前記熱ガス発生装置に供給される燃焼エアの体積流量を測定する燃焼エア流量測定手段と、
    前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量を測定するガス流量測定手段と、
    原料を粉砕し、粉砕後の原料を、前記排ガスの流れに乗せて外部に放出する粉砕機と、
    前記粉砕後の原料を前記排ガスの流れに乗せるために前記粉砕機の内部にガスを供給する供給手段と、
    前記粉砕機の出側の所定の位置における粉砕後の前記原料の温度である粉砕機出側温度を測定する温度測定手段と、
    前記粉砕機から前記排ガスの流れに乗って放出された粉砕後の原料を捕集する捕集機と、
    前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの酸素濃度である捕集機出側酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段と、
    前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの体積流量を測定する捕集機出側排ガス流量測定手段と、
    前記捕集機を通過した後の前記排ガスを外部に放出するための煙突と、
    前記煙突を介して外部に放出される前記排ガスである放散ガスの体積流量を測定する放散ガス流量測定手段と、
    前記排ガスの経路となる配管と、
    前記配管を流れる前記排ガスの圧力を昇圧させる昇圧手段と、を有する粉砕プラントにおけるプロセス制御方法であって、
    前記燃料ガスの体積流量の測定値と、前記燃焼エアの体積流量の測定値と、前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量の測定値と、前記放散ガスの体積流量の測定値と、前記捕集機出側酸素濃度の測定値とを用いて、前記粉砕プラントに注入されるガスおよび前記粉砕プラントで発生するガスのうち、測定できないガスである不可観測ガスの体積流量と、前記原料に由来して前記粉砕プラントで発生する水蒸気である原料由来水蒸気の体積流量とを導出する第1の導出工程と、
    前記第1の導出工程により導出された原料由来水蒸気の体積流量と、予め設定される前記原料の単位時間当たりの供給量と、予め設定される粉砕後の前記原料の水分量とを用いて、粉砕前の前記原料の水分量を導出する第2の導出工程と、
    前記第1の導出工程により導出された前記不可観測ガスの体積流量と、前記第2の導出工程で導出された前記粉砕前の原料の水分量と、前記燃料ガスの体積流量の測定値と、前記燃焼エアの体積流量の測定値と、前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量の測定値と、前記放散ガスの体積流量の測定値と、前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの体積流量の測定値と、前記粉砕機出側温度の測定値とを用いて、前記燃料ガスの単位体積流量あたりの熱量を導出する第3の導出工程と、を有し、
    前記バーナーは、前記第3の導出工程により導出された前記燃料ガスの単位体積流量あたりの熱量に基づいて動作することを特徴とする粉砕プラントにおけるプロセス制御方法。
  2. 前記第3の導出工程により導出された前記燃料ガスの単位体積流量あたりの熱量を用いて、前記バーナーの負荷を導出する第4の導出工程と、
    前記第4の導出工程により導出された前記バーナーの負荷に基づいて前記バーナーを動作させる動作工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の粉砕プラントにおけるプロセス制御方法。
  3. 前記第1の導出工程は、
    前記放散ガスの体積流量が、前記粉砕プラントに注入されるガスの体積流量の合計値および前記粉砕プラントで発生するガスの体積流量の合計値の和で表されることを示す計算式と、
    前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの酸素濃度が、前記粉砕プラントに注入されるガスの前記配管内を流れる体積流量の合計値を、前記粉砕プラントに注入されるガスの体積流量および前記粉砕プラントで発生するガスの体積流量の合計値で割った値に、空気中の酸素の割合を掛けた値で表されることを示す計算式と、
    による計算を行うことにより、前記不可観測ガスの体積流量と、前記原料由来水蒸気の体積流量とを導出することを特徴とする請求項1または2に記載の粉砕プラントにおけるプロセス制御方法。
  4. 前記第3の導出工程は、
    前記燃料ガスの単位体積流量あたりの熱量が、前記粉砕プラントで消費される熱量の合計値から、前記昇圧手段で前記排ガスの圧力を昇圧させる際に発生する熱量を減算した値を、前記燃料ガスの体積流量で割った値で表されることを示す計算式による計算を行うことにより、前記燃料ガスの単位体積流量あたりの熱量を導出することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の粉砕プラントにおけるプロセス制御方法。
  5. 前記配管は、前記熱ガス発生装置、前記粉砕機、前記捕集機、および前記煙突を経由して前記熱ガス発生装置に戻る経路に配置され、
    前記粉砕機と前記捕集機の内部は、大気圧に対して負圧に保たれ、
    前記昇圧手段は、前記捕集機と前記煙突との間の位置において前記配管を流れる前記排ガスの圧力を昇圧し、
    前記ガス流量測定手段は、前記熱ガス発生装置の内部に供給されるエアである希釈エアの体積流量を測定し、
    前記粉砕プラントは、負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントとして構成されることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の粉砕プラントにおけるプロセス制御方法。
  6. バーナーを用いて熱風を排ガスとして発生する熱ガス発生装置と、
    前記熱ガス発生装置に供給される燃料ガスの体積流量を測定する燃料ガス流量測定手段と、
    前記熱ガス発生装置に供給される燃焼エアの体積流量を測定する燃焼エア流量測定手段と、
    前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量を測定するガス流量測定手段と、
    原料を粉砕し、粉砕後の原料を、前記排ガスの流れに乗せて外部に放出する粉砕機と、
    前記粉砕後の原料を前記排ガスの流れに乗せるために前記粉砕機の内部にガスを供給する供給手段と、
    前記粉砕機の出側の所定の位置における粉砕後の前記原料の温度である粉砕機出側温度を測定する温度測定手段と、
    前記粉砕機から前記排ガスの流れに乗って放出された粉砕後の原料を捕集する捕集機と、
    前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの酸素濃度である捕集機出側酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段と、
    前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの体積流量を測定する捕集機出側排ガス流量測定手段と、
    前記捕集機を通過した後の前記排ガスを外部に放出するための煙突と、
    前記煙突を介して外部に放出される前記排ガスである放散ガスの体積流量を測定する放散ガス流量測定手段と、
    前記排ガスの経路となる配管と、
    前記配管を流れる前記排ガスの圧力を昇圧させる昇圧手段と、を有する粉砕プラントにおけるプロセス制御装置であって、
    前記燃料ガスの体積流量の測定値と、前記燃焼エアの体積流量の測定値と、前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量の測定値と、前記放散ガスの体積流量の測定値と、前記捕集機出側酸素濃度の測定値とを用いて、前記粉砕プラントに注入されるガスおよび前記粉砕プラントで発生するガスのうち、測定できないガスである不可観測ガスの体積流量と、前記原料に由来して前記粉砕プラントで発生する水蒸気である原料由来水蒸気の体積流量とを導出する第1の導出手段と、
    前記第1の導出手段により導出された原料由来水蒸気の体積流量と、予め設定される前記原料の単位時間当たりの供給量と、予め設定される粉砕後の前記原料の水分量とを用いて、粉砕前の前記原料の水分量を導出する第2の導出手段と、
    前記第1の導出手段により導出された前記不可観測ガスの体積流量と、前記第2の導出手段で導出された前記粉砕前の原料の水分量と、前記燃料ガスの体積流量の測定値と、前記燃焼エアの体積流量の測定値と、前記熱ガス発生装置の内部または出側の所定の位置に供給されるガスの体積流量の測定値と、前記放散ガスの体積流量の測定値と、前記捕集機の出側の所定の位置における前記排ガスの体積流量の測定値と、前記粉砕機出側温度の測定値とを用いて、前記燃料ガスの単位体積流量あたりの熱量を導出する第3の導出手段と、を有し、
    前記バーナーは、前記第3の導出手段により導出された前記燃料ガスの単位体積流量あたりの熱量に基づいて動作することを特徴とする粉砕プラントにおけるプロセス制御装置。
  7. 請求項に記載の粉砕プラントにおけるプロセス制御装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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