JP6729349B2 - 粉砕プラント酸素濃度制御装置、粉砕プラント酸素濃度制御方法、およびプログラム - Google Patents
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Description
まず、燃料ガス(燃焼ガス)と燃焼エアとを熱ガス発生装置に供給し、熱ガス発生装置において、熱風を排ガスとして発生させる。排ガスは、原料の粉砕を行う粉砕機の内部に供給される。粉砕機で粉砕された原料(粉体)は、排ガスと共にバグフィルター(濾布(繊布や不織布))に供給され、バグフィルターで捕集される。その後、排ガスは、循環ファンで昇圧されて循環ガスとして再び熱ガス発生装置に供給される。このように熱ガス発生装置で発生した熱風(排ガス)は、熱ガス発生装置から、粉砕機、バグフィルターを経由して熱ガス発生装置に循環される。ここで、粉砕機の入側の位置における圧力を負圧(大気圧を下回る圧力)にして、粉砕機の内部とバグフィルターの内部の圧力が負圧に保たれるようにする。以下の説明では、このような「粉砕プラント」を、必要に応じて「負圧式・排ガス循環系の粉砕プラント」と称する。また、「排ガスが循環する経路」を必要に応じて「ライン」と称する。
負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントでは、プロセスの状態変化(原料の水分量や原料の供給量等の変化)によってライン内部の酸素濃度の動特性が変化する。特に、ライン内部の酸素濃度を一定に維持するために、ライン内部の酸素濃度をフィードバック制御する際の制御ゲインを上げ過ぎると、プロセスの状態の変化によって、ライン内部の酸素濃度が逆にハンチングし、場合によっては発散する虞がある。
第1に、熱ガス発生装置からの排ガスおよび乾燥によって原料(石炭)から発生する水蒸気がある。第2に、熱ガス発生装置から発生する排ガスがある。第3に、粉砕機の内部とバグフィルターの圧力が負圧に保たれていることによりバンカー等から粉砕機に進入する空気(進入エア)がある。第4に、粉砕機の内部(粉砕テーブルの軸受部)の隙間から外部に放出されようとする微粉炭を、熱ガス発生装置101から供給された排ガスの流れに押し戻すために粉砕テーブルの下部から吹きこまれる空気(シールエア)がある。
しかしながら、例えば、水蒸気の流量や排ガスの流量は、原料の水分により大きく変化する。また、進入エアやシールエアは、熱ガス発生装置の負荷(バーナー負荷)に影響を与え、熱ガス発生装置の負荷は、排ガスの流量に影響を与える。このため、ライン内部の酸素濃度を事前に予測することは容易ではない。
図1は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの構成の一例を示す図である。図1において、各構成要素を繋ぐ実線は配管を示し、破線は信号の伝達経路を示す。また、矢印線は、配管内のガスや石炭の進行方向を示す。尚、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの構成は、例えば、特許文献1に記載の技術等の公知の技術で実現できるので、ここでは、各構成について簡単に説明し、詳細な説明を省略する。
給炭機104は、チェーンコンベアを有し、バンカー103内に貯蔵されている石炭をチェーンコンベアにより切り出してミル105に投入する。
ミル105は、給炭機104から投入された石炭を粉砕する粉砕機である。ミル105の入側の位置における圧力が負圧に保たれるようにすることにより、ミル105の内部の圧力は負圧に保たれる。ミル105は、例えば、ロールミル105aと粉砕テーブル105bとを有する。ミル105の上部から投入された石炭をロールミル105aと粉砕テーブル105bとの間に供給する。回転している粉砕テーブル105bに対してロールミル105aを押し付けながら回転させることにより、石炭は押し潰されて粉砕される。粉砕された石炭は、熱ガス発生装置101から供給された排ガスの流れにのって、ミル105の上部に供給され、分級機で分級された後、外部に放出される。
以下の説明では、「ミル105から外部に放出された粉砕後の石炭」を必要に応じて「微粉炭」と称する。
ベンチュリ管111は、バグフィルター107を通過した排ガスの流量を測定する。
ダンパー112は、バグフィルター107を通過した排ガスの流量を調整する。
循環ファン113は、ダンパー112を通過した排ガスを熱ガス発生装置101に循環させることができるように、排ガスを昇圧する。
循環ファン113により昇圧された排ガスの一部は、煙突114を介して大気中に放出される。放散系圧力調整弁115は、このようにして大気中に放出される排ガスの圧力を調整するためのものである。また、オリフィス流量計122は、このようにして大気中に放出される排ガスの流量を測定する。尚、以下の説明では、煙突114を介して大気中に放出される排ガスを必要に応じて「放散ガス」と称する。
本実施形態では、大気中の空気(エア)を、希釈エアとして、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに供給する。オリフィス流量計117は、この希釈エアの流量を測定する。エア流量調整弁118は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに供給される希釈エアの流量を調整するためのものである。希釈エアファン119は、エア流量調整弁118で流量が調整された希釈エアを昇圧し、希釈エアを熱ガス発生装置101の入側の配管に押し込む。これにより、循環ガスの酸素濃度を調整することができる。
粉砕プラント酸素濃度制御装置200は、バグ出口O2濃度計110で測定された排ガスの酸素濃度を入力し、当該酸素濃度の測定値の目標値に対する偏差が0(ゼロ)に近づくようなエア流量調整弁118の弁開度を設定し、循環ガスの酸素濃度を調整する。
図2は、粉砕プラント酸素濃度制御装置200の機能的な構成の一例を示す図である。前述したように、図2に示す各部は、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、または、CPU、ROM、RAM、HDDおよび各種のインターフェースを備えるコンピュータ装置を用いることにより実現することができる。
O2濃度目標値記憶部201は、バグ出口O2濃度計110で排ガスの酸素濃度が測定される位置での排ガスの酸素濃度の目標値を記憶する。この排ガスの酸素濃度の目標値は、オペレータにより設定されるものである。本実施形態の負圧式・排ガス循環系のPCIプラントでは、粉塵爆発を防止する観点から、バグ出口O2濃度計110で測定される排ガスの酸素濃度を12[%]未満にする必要がある。このため、本実施形態では、バグ出口O2濃度計110で排ガスの酸素濃度が測定される位置での排ガスの酸素濃度の目標値を10[%]としている。このように、本実施形態では、排ガスの酸素濃度の単位は[%]であるとする。
O2濃度偏差導出部202は、O2濃度目標値記憶部201に記憶されている排ガスの酸素濃度の目標値から、バグ出口O2濃度計110で測定された排ガスの酸素濃度の測定値を減算して、排ガスの酸素濃度の測定値の目標値に対する偏差eを導出する。
PI制御部203は、O2濃度偏差導出部202により導出された「排ガスの酸素濃度の測定値の目標値に対する偏差e」を入力として、比例動作および積分動作を行い、操作量として排ガスの酸素濃度を導出することを繰り返して、排ガスの酸素濃度を目標値に近づける制御(PI制御)を行う制御器である。そして、PI制御部203は、操作量として導出した排ガスの酸素濃度になるような希釈エアの流量をフィードバック制御量(フィードバック制御の出力)として導出する。
ミル105の出口側の所定の位置における配管内の(微粉炭の)温度であるミル出口温度の目標値を記憶する。このミル出口温度の目標値は、オペレータにより設定されるものである。
放散ガス流量導出部205は、放散ガスの流量を導出する。
本実施形態では、放散ガス流量導出部205は、原料である石炭の水分量、石炭を粉砕および乾燥することにより得られる製品(微粉炭)の水分量、シールエアの流量、進入エアの流量、ミル出口温度の目標値、排ガスの酸素濃度の目標値、および給炭量等を入力として、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントにおける物質収支・熱収支に基づく計算式である物質・熱収支モデルの計算を行うことによって、配管内の酸素濃度を目標値に維持するのに必要な希釈エアの流量を導出し、導出した希釈エアの流量を用いて、放散ガスの流量を導出する(すなわち、配管内の酸素濃度を目標値に維持するのに必要な放散ガスの流量を導出する)。
[物質・熱収支モデル]
物質・熱収支モデルは、配管内の酸素濃度を目標値に維持するのに必要な希釈エアの流量を、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントにおける熱の収支のバランスとガスの収支のバランスとをとる計算を行うことにより導出するものである。
本実施形態では、以下の条件の下で、物質・熱収支モデルを構築した。
(a) 熱の収支のバランスとガスの収支のバランスとの双方について、非定常的なバランスを無視し、定常的なバランスのみを表現する。
(b) 原料である石炭に含まれる水分の相変化に必要な熱量を、石炭から発生する水蒸気量を生成するのに必要な潜熱により計算する。
(c) 燃料ガス(BFG)の燃焼により発生する排ガスの流量を、簡単のため、燃料ガス(BFG)の流量と燃焼エアの流量との和とする。
(d) 循環ファン113による昇温効果は、循環ガスにのみ寄与すると単純化し、放散ガスの温度は、ミル出口温度と同じであると仮定する。
(e) 負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの系内の温度は、ミル出口温度と同じになると仮定する。
(f) 燃料ガス(BFG)は完全燃焼するものとし、過剰な燃焼エアはそのまま残るものとする。
(g) バグ出口酸素濃度(バグフィルター107の出口側の位置における配管内の酸素ガスの濃度)は、希釈エアの流量の制御により、一定値に維持されるものとする。
(h) バグ出口排ガス流量(バグフィルター107の出口側の位置における配管内の排ガスの流量)は、流量制御により、一定量に維持されるものとする。
本実施形態の物質・熱収支モデルでは、モデルパラメータとして、以下の操業条件(の目標値)を入力値として与える。
・給炭量
・製品である微粉炭の温度(ミル出口温度)の目標値
・バグ出口排ガス流量(ミル105の出口側の所定の位置における配管内の排ガスの流量)
・配管内の酸素濃度の目標値
これらのモデルパラメータ(操業条件)は、操業に応じて任意の値に変更される。
・微粉炭に含まれる水分量(製品の水分量)
・温度(希釈エア・石炭・注入ガス)
・比熱(水・ガス・石炭)
・水の潜熱
・燃料のガスカロリー
・バーナーの理論空気量
・バーナーの過剰空気量
・循環ファン113における断熱圧縮に起因する循環ガスの温度上昇分
・石炭に含まれる水分量(石炭の水分量)
・進入エアの流量
・シールエアの流量
本実施形態では、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに与えられる熱量と消費される熱量とが等しくなることを定式化したものを熱収支モデルとして表現する。負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに与えられる熱量と消費される熱量について説明する。
(1)石炭の加熱に必要な熱量の式
石炭を製品の温度まで加熱するのに必要な熱量ΔQCOAL[kcal]を、以下の(1)式で表す。
ΔQCOAL=原料の比熱×給炭量×1000×(製品の温度−原料の温度) ・・・(1)
前述したように、給炭量[ton/hr]と製品の温度は、操業条件として与えられるものであり、原料の比熱[kcal/kg・℃]と原料の温度[℃]は、環境条件として与えられるものである。
石炭に含まれる水を製品の温度まで加熱するのに必要な熱量ΔQ(顕熱)[kcal]を、以下の(2)式で表す。
ΔQ(顕熱)=水の比熱×WM×(製品の温度−原料の温度) ・・・(2)
前述したように、水の比熱[kcal/kg・℃]は、環境条件として与えられるものである。
また、(2)式において、WMは、石炭に含まれる水の単位時間当たりの重量[kg/hr]であり、以下の(2a)式で表される。
WM=給炭量×1000×石炭の水分量/(100−石炭の水分量) ・・・(2a)
前述したように、給炭量[ton/hr]は、操業条件として与えられるものである。一方、石炭の水分量[質量%]は、原料水分量導出部206で導出されるものである。
石炭に含まれる水が蒸発するために必要な熱量ΔQ(潜熱)[kcal]を、以下の(3)式で表す。
ΔQ(潜熱)=水の潜熱×WV ・・・(3)
前述したように、水の潜熱[kcal/kg]は、環境条件である。
また、(3)式において、WVは、水蒸気として存在する水の単位時間当たりの重量[kg/hr]であり、以下の(3a)式で表される。
WV=給炭量×1000×{石炭の水分量/(100−石炭の水分量)−製品の水分量/(100−製品の水分量)} ・・・(3a)
前述したように、給炭量[ton/hr]は、操業条件として与えられるものである。また、製品の水分量[質量%]も、環境条件として与えられるものである。一方、石炭の水分量[質量%]は、原料水分量導出部206で導出されるものである。
燃料ガスによる燃焼により発生する熱量ΔQHGG[kcal]を、以下の(4)式で表す。
ΔQHGG=燃料のガスカロリー×燃料ガスの流量 ・・・(4)
前述したように、燃料のガスカロリー[kcal/Nm3]は、環境条件として与えられるものである。燃料ガスの流量[Nm3/hr]は、決定変数である。
燃焼により消費される燃焼エアの流量[Nm3/hr]を、以下の(5)式で表す。
燃焼エアの流量=燃料ガスの流量×理論空気量×過剰空気量 ・・・(5)
前述したように、理論空気量[−]と過剰空気量[−]は環境条件として与えられるものである。燃焼エアの流量[Nm3/hr]と燃料ガスの流量[Nm3/hr]は、決定変数である。
燃料ガスの燃焼により発生する排ガスの流量(バーナー燃焼排ガス流量)[Nm3/hr]を、以下の(6)式で表す。
バーナー燃焼排ガス流量=燃料ガスの流量+燃焼エアの流量 ・・・(6)
実際には、バーナー燃焼排ガス流量は、燃料ガスの流量と燃焼エアの流量との和よりも小さいが、これらの和としてバーナー燃焼排ガス流量を表現しても、大きな誤差は生じない。そこで、本実施形態では、バーナー燃焼排ガス流量を、燃料ガスの流量と燃焼エアの流量との和で近似する。尚、燃焼エアの流量[Nm3/hr]と燃料ガスの流量[Nm3/hr]は、決定変数として与えられるものである。
循環ファン113における断熱圧縮に起因して発生する熱量ΔQFAN[kcal]を、以下の(7)式で表す。
ΔQFAN=循環ガスの流量×ΔT×ガスの比熱 ・・・(7)
前述したように、ガスの比熱[kcal/kg・℃]は、環境条件として与えられるものである。ΔTは、循環ファン113における断熱圧縮に起因する循環ガスの温度上昇分[℃]であり、前述したように、環境条件として与えられるものである。循環ガスの流量[Nm3/hr]は、以下の(7a)式で表される。
前述したように、バス出口排ガス流量[Nm3/hr]は、操業条件として与えられるものである。放散ガスの流量[Nm3/hr]は、以下の(7b)式で表される。
放散ガスの流量=Σガス流量(i)+WV×22.4/18 ・・・(7b)
(7b)式において、Σガスの流量(i)は、以下の(7c)式で表される。
Σガス流量(i)=燃料ガスの流量+燃焼エアの流量+希釈エアの流量+進入エアの流量+シールエアの流量 ・・・(7c)
前述したように、燃料ガスの流量[Nm3/hr]と燃焼エアの流量[Nm3/hr]は、決定変数として与えられるものである。進入エアの流量[Nm3/hr]とシールエアの流量[Nm3/hr]は、原料水分量導出部206で導出されるものである。本実施形態では、進入エアの流量とシールエアの流量との和が不可観測エアの流量として導出される(進入エアの流量とシールエアの流量とを区別しない)。WVは、水蒸気として存在する水の単位時間当たりの重量[kg/hr]であり、(3a)式で表される。希釈エアの流量[Nm3/hr]は、決定変数である。尚、(7b)式の「22.4」は、標準体積(モル体積)[リットル/mol]であり、「18」は、水の分子量[グラム/mol]である。したがって、(7b)式の「22.4/18」は、重量を体積に変換する係数となる。
ΣΔQGAS(i)+ΔQCOAL+ΔQ(顕熱)+ΔQ(潜熱)=ΔQHGG+ΔQFAN ・・・(8)
(8)式において、左辺は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントで消費する熱量の合計であり、右辺は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに与えられる熱量の合計である。
ΣΔQGAS(i)=Σ[ガス(i)の比熱×ガス(i)の流量×(製品の温度−ガス(i)の注入温度)] ・・・(8a)
ガス(i)は、燃料ガス、燃焼エア、希釈エア、進入エア、およびシールエアであり、これらのガスについての(8a)式の[]内の値の積算値を(8a)式で導出する。前述したように、本実施形態では、進入エアの流量およびシールエアの流量を不可観測エアの流量として一括りの流量としているので、これらは同一のガス(i)であるとして(8a)式の計算が行われる。
負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに注入されたガスと、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントで発生したガスは十分に混合し、これらのガスの注入量と発生量の和と同じ量のガスが煙突114を介して大気中に放出されることを定式化したものを物質収支モデルとして表現する。具体的には、以下の(9)式により物質収支モデルを表現する。
配管内の酸素濃度=[(シールエアの流量+進入エアの流量+希釈エアの流量+燃焼エアの流量×0.1)/放散ガスの流量]×21 ・・・(9)
前述したように、希釈エアの流量[Nm3/hr]と燃焼エアの流量[Nm3/hr]は、決定変数である。また、配管内の酸素濃度[体積%]は、操業条件として与えられるものである。進入エアの流量[Nm3/hr]とシールエアの流量[Nm3/hr]は、原料水分量導出部206で不可観測エアの流量として導出されるものである。さらに、放散ガスの流量[Nm3/hr]は、(7b)式および(7c)式により表される。尚、(9)式の右辺において、「燃焼エアの流量×0.1」は、燃焼反応で余ったエアの流量である。
希釈エアの流量=[配管内の酸素濃度の目標値×(シールエアの流量+進入エアの流量+燃料ガスの流量+燃焼エアの流量+水蒸気の流量)−21×(シールエアの流量+進入エアの流量+0.1×燃焼エアの流量)]/(21−配管内の酸素濃度の目標値) ・・・(10)
尚、水蒸気の流量は、WV×22.4/18で表される。(10)式により、希釈エアの流量が導出される。
原料水分量導出部206は、石炭の水分量の導出と、進入エアの流量とシールエアの流量との和である不可観測エアの流量の導出とを行う。
本実施形態では、原料水分量導出部206は、前述した物質収支モデルの計算を行うことにより、石炭の水分量と不可観測エアの流量とを導出する。
そうすると、(9)式は、以下の(11)式のようになる。
配管内の酸素濃度={(不可観測エアの流量+希釈エアの流量+燃焼エアの流量×0.1)/放散ガスの流量}×21 ・・・(11)
(11)式により、不可観測エアの流量が導出される。
放散ガスの流量=燃料ガスの流量+燃焼エアの流量+希釈エアの流量+不可観測エアの流量+WV×22.4/18 ・・・(12)
尚、前述したように、(12)式におけるWV×22.4/18は、水蒸気の流量である。(12)式により、この水蒸気の流量(WV:水蒸気として存在する水の単位時間当たりの重量)が導出される。
まず、希釈エアの流量、燃料ガスの流量、燃焼エアの流量、および放散ガスの流量については、所定の時間(例えば30分)の代表値を用いる。代表値としては、例えば、平均値または移動平均値を用いることができる。また、これらに加えて、配管内の酸素濃度についても、所定の時間(例えば30分)の代表値を用いてもよい。したがって、原料水分量導出部206は、これらの代表値を計算し、計算した代表値を用いて、(11)式、(12)式、および(3a)式の計算を行うことにより、石炭の水分量を導出する。
前述したように、放散ガス流量導出部205は、以上のようにして原料水分量導出部206により導出された「石炭の水分量および不可観測エアの流量」を用いて放散ガスの流量を導出する。
制御パラメータ導出部207は、放散ガス流量導出部205により導出された放散ガスの流量[Nm3/hr]を用いて、プロセスゲインK[−]および時定数τ[hr]を導出する。そして、制御パラメータ導出部207は、導出したプロセスゲインKおよび時定数τから、PI制御部203における比例ゲインおよび積分時間を導出し、導出した比例ゲインおよび積分時間を、PI制御部203の比例ゲインおよび積分時間としてそれぞれ設定する。
本実施形態では、以下の条件の下で、ライン内部の酸素濃度の動特性モデルを構築した。
(i) ライン内部に注入されるガスは、バグフィルター107の出口に到達するまでに十分に混合され、バグ出口O2濃度計110で測定される酸素濃度でライン内部の酸素濃度が代表できるものとする。
(j) 煙突114から大気中に排出されるガス(放散ガス)の量は、ライン内部に注入されたガスの量と、ライン内部で発生したガスの量との合計量に等しいものとする。
(k) 煙突114から大気中に排出されるガス(放散ガス)の酸素濃度は、ライン内部の酸素濃度と等しいものとする。
V×(dx/dt)=ΣF´in(i)×xin(i)−F´out×x ・・・(13)
F´out=ΣF´in(i) ・・・(14)
ライン内部の圧力は−0.5[kPa]に維持されており、且つ、ライン内部の温度は、ミル出口温度の目標値に維持されているとする。この場合、煙突114から大気中に排出されるガス(放散ガス)の流量F´outと、ライン内部に注入されたガスおよびライン内部で発生したガスの流量の合計値F´in(i)は、それぞれ、以下の(15)式、(16)式で表される。
F´in(i)=Fin(i)×{(273.15+ミル出口温度の目標値)/273.15}×(101.325/100.825) ・・・(16)
ここで、Foutは、煙突114から大気中に排出されるガス(放散ガス)の流量[Nm3/hr]である(Fout´と単位が異なる)。また、Fin(i)は、ライン内部に注入されたガスとライン内部で発生したガスの流量の合計値[Nm3/hr]である(Fin(i)と単位が異なる)。
V×(dx/dt)=(F´bair+F´sair+F´pair)×21−F´out×x ・・・(17)
ここで、F´bairは、進入エアの流量[m3/hr]である。また、F´sairは、シールエアの流量[m3/hr]である。また、F´pairは、希釈エアの流量[m3/hr]である。
sVX=(F´bair+F´sair+F´pair)×21−F´outX ・・・(18)
(F´out+sV)X=(F´bair+F´sair+F´pair)×21 ・・・(19)
ここで、sは、ラプラス演算子である。
よって、以下の(20)式が得られる。
制御パラメータ導出部207は、放散ガス流量導出部205により導出された放散ガスの流量[Nm3/hr]と、ミル出口温度目標値記憶部204に記憶されているミル出口温度の目標値とを用いて(15)式の計算を行って、煙突114から大気中に排出されるガス(放散ガス)の流量F´outを導出する。そして、制御パラメータ導出部207は、導出した煙突114から大気中に排出されるガス(放散ガス)の流量F´outと、ラインの容積の合計量Vを用いて(21)式および(22)式の計算を行って、プロセスゲインKと時定数τを導出する。尚、ラインの容積の合計量Vは固定値であり、オペレータにより予め設定される。
例えば、制御パラメータ導出部207は、プロセスゲインKと比例ゲインとの関係を示す情報に基づいて、導出したプロセスゲインKに対応する比例ゲインを導出する。プロセスゲインKと比例ゲインとの関係を示す情報は、これらの関係式を示す情報であっても、これらを相互に関連付けて記憶するテーブルであってもよい。プロセスゲインKと比例ゲインとの関係として、プロセスゲインKの大きさが大きいほど、比例ゲインの大きさが小さくなる関係を採用することができる。
KP=KP0×K0/K ・・・(23)
例えば、制御パラメータ導出部207は、時定数τと積分時間との関係を示す情報に基づいて、導出した時定数τに対応する積分時間を導出する。時定数τと積分時間との関係を示す情報は、これらの関係式を示す情報であっても、これらを相互に関連付けて記憶するテーブルであってもよい。時定数τと積分時間との関係として、時定数τが大きいほど、積分時間が大きくなる関係を採用することができる。
TI=TI0×τ/τ0 ・・・(24) 制御パラメータ導出部207は、以上のようにして導出した比例ゲインおよび積分時間を、PI制御部203がPI制御を行う際の比例ゲインおよび積分時間として設定する。 ただし、PI制御部203における積分時間については、時定数τに対して適応させずとも十分に良い制御結果が得られる場合がある。この場合、制御パラメータ導出部207は、時定数τに基づいて、PI制御部203における積分時間を導出しなくてもよい。
<変換部208>
変換部208は、PI制御部203により導出された希釈エアの流量を、エア流量調整弁118の開度に変換する。
図3は、変換部208の構成の一例を示す図である。図3(a)は、変換部208の構成の第1の例を示す図であり、図3(b)は、変換部208の構成の第2の例を示す図である。本実施形態では、図3(a)および図3(b)の何れの変換部208を採用してもよい。
流量−開度関係記憶部208aは、希釈エアの流量と、エア流量調整弁118の開度との関係を示す情報を記憶する。希釈エアの流量とエア流量調整弁118の開度との関係を示す情報は、これらの関係式を示す情報であっても、これらを相互に関連付けて記憶するテーブルであってもよい。希釈エアの流量とエア流量調整弁118の開度との関係は、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの操業結果等を予め調査することにより得られる。
指示部208cは、エア流量調整弁118の開度が、流量−開度変換部208bにより導出された値になるようにエア流量調整弁118を動作させることを、エア流量調整弁118またはエア流量調整弁118の駆動装置に指示する。
希釈エア流量偏差導出部208dは、PI制御部203で導出された希釈エアの流量から、オリフィス流量計117で測定された希釈エアの流量を減算して、希釈エアの流量の測定値の予測値(PI制御部203で導出された希釈エアの流量)に対する偏差eを導出する。
次に、図4のフローチャートを参照しながら、ライン内部の酸素濃度を制御する際の粉砕プラント酸素濃度制御装置200の動作の一例を説明する。
まず、ステップS401において、O2濃度偏差導出部202は、排ガスの酸素濃度の測定値の目標値に対する偏差eを導出する。
次に、ステップS402において、PI制御部203は、排ガスの酸素濃度の測定値の目標値に対する偏差eを入力として、PI制御を行い、操作量として排ガスの酸素濃度を導出し、導出した排ガスの酸素濃度になるような希釈エアの流量をフィードバック制御量として導出する。
次に、ステップS404において、変換部208は、エア流量調整弁118の開度が、ステップS403で導出した値になるようにエア流量調整弁118を動作させることを、エア流量調整弁118またはエア流量調整弁118の駆動装置に指示する。
次に、ステップS405において、粉砕プラント酸素濃度制御装置200は、粉砕を終了するか否かを判定する。この判定は、例えば、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントの操業を管理する上位のコンピュータから送信される情報に基づいて行うことができる。
まず、ステップS501において、原料水分量導出部206は、物質収支モデルの計算を行うことにより、石炭の水分量と、不可観測エアの流量とを導出する。
次に、ステップS503において、制御パラメータ導出部207は、ステップS502で導出された放散ガスの流量を用いて、(15)式、(21)式、および(22)式の計算を行うことにより、プロセスゲインKと時定数τを導出する。
そして、図5のフローチャートによる処理を終了する。
以上のように本実施形態では、排ガスの酸素濃度の測定値を目標値に近づけるPI制御を行い、そのPI制御の出力である希釈エアの流量をフィードバック制御量として導出する。そして、フィードバック制御量として導出された希釈エアの流量をエア流量調整弁118の開度に変換する。このようにして得られた開度になるようにエア流量調整弁118を動作させる。この際、放散ガスの流量を用いてプロセスゲインKおよび時定数τを導出し、PI制御における比例ゲインおよび積分時間を導出して設定する。
したがって、ライン内部の酸素濃度の測定値の目標値、ミル出口温度の目標値、給炭量の変化に対するプロセス特性の変化を予測することができる。よって、ライン内部の酸素濃度のフィードバック制御器としてより高精度の制御器を提供することができる。
本実施形態では、負圧式・排ガス循環系のPCIプラントに粉砕プラント酸素濃度制御装置200を適用する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、負圧式・排ガス循環系のPCIプラント以外の負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにも粉砕プラント酸素濃度制御装置200を適用することができる。例えば、セメントを製造するための負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにも粉砕プラント酸素濃度制御装置200を適用することができる。
また、本実施形態のように物質・熱収支モデルの計算を行って放散ガスの流量を導出すれば、プロセス特性の変化を予測することができるので好ましい。しかしながら、放散ガスの流量は、オリフィス流量計122で測定することができる。よって、放散ガスの流量として、オリフィス流量計122の測定値を用いて、(15)式、(21)式、および(22)式の計算を行うことにより、プロセスゲインKと時定数τを導出してもよい。
次に、実施例を説明する。
本実施例では、図1に示す負圧式・排ガス循環系のPCIプラントにおいて、以下の操業条件で石炭を粉砕する際の希釈エアの流量を導出する。そして、導出した希釈エアの流量となるようにエア流量調整弁118を動作させながら、バグ出口O2濃度計110でライン内部の酸素濃度を測定することを、コンピュータシミュレーションにより模擬した。
石炭の水分量:8.0[%]
製品の水分量:1.5[%]
ミル出口温度の目標値:90[℃]
外気温:5[℃]
ライン内部の酸素濃度の目標値:10[%]
燃料ガス:BFG
給炭量の最小値:30[ton/hr]
給炭量の最大値:60[ton/hr]
図6は、給炭量と時間との関係を示す図である。図6に示すように、給炭量を30[ton/hr]→60[ton/hr]→30[ton/hr]に変更したときのライン内部の酸素濃度および希釈エアの流量の時間変化を評価した。
フィードバック制御のゲインが小さい場合であって、給炭量が小さい場合には(給炭量が30[ton/hr]の場合には)、プロセスゲインおよび時定数が両方ともに大きくなる。このため、外乱の影響を十分に抑制できない。図7(a)に示すように、バンカー103からの進入エアの流量、シールエアの流量等の外乱によるライン内部の酸素濃度の変動が目立つ。
原料である石炭の水分量が8.0[%]よりも小さくなり、放散ガスの流量が比較例2のケースよりも小さい場合を想定する。このような場合に比較例2のケースよりも給炭量が小さいと(給炭量が30[ton/hr]であると)、プロセスゲインおよび時定数は、より大きくなる。このことは、制御がより不安定になることを意味しており、最悪の場合には制御が発散する虞がある。
以上のように、発明例では、給炭量が小さい場合、給炭量が大きい場合、および給炭量が変化する場合のそれぞれにおいて、ライン内部の酸素濃度の変動を抑制することができる。
また、以上説明した本発明の実施形態および実施例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
<請求項1>
熱風発生装置は、例えば、熱ガス発生装置101により実現される。
粉砕機は、例えば、ミル105により実現される。
捕集機は、例えば、バグフィルター107により実現される。
経路は、例えば、図1において、熱ガス発生装置101とミル105、ミル105とバグフィルター107、バグフィルター107とダンパー112、ダンパー112と循環ファン113、循環ファン113と循環系圧力調整弁116、循環系圧力調整弁116と熱ガス発生装置101をそれぞれ繋ぐ配管により実現される。
測定手段は、例えば、バグ出口O2濃度計110により実現される。
調整手段は、例えば、エア流量調整弁118により実現される。
制御手段は、例えば、PI制御部203を用いることにより実現される。
指示手段は、例えば、変換部208を用いることにより実現される。
制御パラメータ導出手段は、例えば、制御パラメータ導出部207を用いることにより実現される。
<請求項2>
放散ガス流量導出手段は、例えば、放散ガス流量導出部205を用いることにより実現される。
複数の計算式は、例えば、(1)式〜(9)式を用いることにより実現される。
<請求項3>
希釈ガスの流量を測定する手段は、例えば、オリフィス流量計117により実現される。
熱風を発生させるための燃料ガスの流量を測定する手段は、例えば、オリフィス流量計120により実現される。
熱風を発生させるための燃焼空気の流量を測定する手段は、例えば、オリフィス流量計121により実現される。
経路から大気中に放出される放散ガスの流量を測定する手段は、例えば、オリフィス流量計122により実現される。
物質収支の計算は、例えば、(11)式、(12)式を用いた計算により実現される。
経路の内部における水蒸気の流量は、例えば、(3a)式に示すWVに係数(22.4/18)を掛けた値により実現される。
原料の粉砕機への供給量は、例えば、(3a)式に示す給炭量により実現される。
粉砕後の原料の水分量は、例えば、(3a)式に示す製品の水分量により実現される。
Claims (11)
- 熱風を排ガスとして発生する熱風発生装置と、
原料を粉砕し、粉砕後の原料を、前記排ガスの流れに乗せて外部に放出する粉砕機であって、内部の圧力が負圧に保たれている粉砕機と、
前記粉砕機から前記排ガスの流れに乗って放出された粉砕後の原料を捕集する捕集機であって、内部の圧力が負圧に保たれている捕集機と、
前記熱風発生装置、前記粉砕機、および前記捕集機を経由して前記排ガスが循環する経路と、
前記経路の内部の所定の位置における酸素濃度を測定する測定手段と、
酸素を含むガスである希釈ガスの前記経路への注入量を調整する調整手段と、を有し、
前記粉砕機の内部に原料を投入して原料を粉砕する負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにおける、前記経路の内部の酸素濃度を制御する粉砕プラント酸素濃度制御装置であって、
前記所定の位置における酸素濃度の測定値を、前記所定の位置における酸素濃度の目標値に近づけるフィードバック制御として、比例動作を含む制御、または、比例動作と積分動作とを含む制御を行うことにより、前記希釈ガスの流量を導出する制御手段と、
前記制御手段により導出された前記希釈ガスの流量に基づいて、前記調整手段を動作させることを指示する指示手段と、
前記経路から大気中に放出される放散ガスの流量に基づいて、前記制御手段により前記比例動作を行う際の比例ゲインおよび前記制御手段により前記積分動作を行う際の積分時間のうち少なくとも何れか一方を導出する制御パラメータ導出手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記制御パラメータ導出手段により導出された前記比例ゲインおよび前記積分時間のうち少なくとも何れか一方を用いて前記制御を行うことを特徴とする粉砕プラント酸素濃度制御装置。 - 前記原料の前記粉砕機への供給量と、前記原料の水分量と、外部から前記粉砕機の内部に入る空気の流量と、前記所定の位置における酸素濃度の目標値と、前記粉砕機の出口側の所定の位置における前記経路の内部の温度の目標値と、を変数として有する計算式であって、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントに与える熱量と、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントで消費される熱量とのバランスをとる熱収支の計算と、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントに注入されるガスの流量と、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントで発生するガスの流量との和と、前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントから排出されるガスの流量とのバランスをとる物質収支の計算とを行うための複数の計算式の計算を行って、前記所定の位置における酸素濃度の目標値を維持するために必要な前記放散ガスの流量を導出する放散ガス流量導出手段をさらに有し、
前記制御パラメータ導出手段は、前記放散ガスの流量として、前記放散ガス流量導出手段により導出された前記放散ガスの流量を用いることを特徴とする請求項1に記載の粉砕プラント酸素濃度制御装置。 - 前記所定の位置における酸素濃度の測定値と、前記放散ガスの流量の測定値と、前記希釈ガスの流量の測定値と、前記熱風を発生させるための燃料ガスの流量の測定値と、前記熱風を発生させるための燃焼空気の流量の測定値とを用いて、前記物質収支の計算を行い、当該計算の結果から得られる前記経路の内部における水蒸気の流量と、前記原料の前記粉砕機への供給量と、粉砕後の前記原料の水分量とに基づいて、前記原料の水分量を導出する原料水分量導出手段をさらに有し、
前記負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントは、前記希釈ガスの流量を測定する手段と、前記熱風を発生させるための燃料ガスの流量を測定する手段と、前記熱風を発生させるための燃焼空気の流量を測定する手段と、前記経路から大気中に放出される放散ガスの流量を測定する手段と、をさらに有し、
前記放散ガス流量導出手段は、前記原料の水分量として、前記原料水分量導出手段により導出された前記原料の水分量を用いることを特徴とする請求項2に記載の粉砕プラント酸素濃度制御装置。 - 前記原料水分量導出手段は、前記原料の水分量を導出する際に、前記測定値の少なくとも一部については、所定の時間における代表値を用いることを特徴とする請求項3に記載の粉砕プラント酸素濃度制御装置。
- 前記原料水分量導出手段は、前記原料の前記粉砕機への供給が開始されてから所定の時間が経過するまでの期間と、前記原料の前記粉砕機への供給量が変更されている期間においては、前記原料の水分量として、前回導出した値を採用することを特徴とする請求項3または4に記載の粉砕プラント酸素濃度制御装置。
- 前記制御手段は、前記制御としてPI制御を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の粉砕プラント酸素濃度制御装置。
- 前記希釈ガスは、空気であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の粉砕プラント酸素濃度制御装置。
- 前記所定の位置は、前記捕集機の出側の位置であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の粉砕プラント酸素濃度制御装置。
- 前記捕集機は、バグフィルターであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の粉砕プラント酸素濃度制御装置。
- 熱風を排ガスとして発生する熱風発生装置と、
原料を粉砕し、粉砕後の原料を、前記排ガスの流れに乗せて外部に放出する粉砕機であって、内部の圧力が負圧に保たれている粉砕機と、
前記粉砕機から前記排ガスの流れに乗って放出された粉砕後の原料を捕集する捕集機であって、内部の圧力が負圧に保たれている捕集機と、
前記熱風発生装置、前記粉砕機、および前記捕集機を経由して前記排ガスが循環する経路と、
前記経路の内部の所定の位置における酸素濃度を測定する測定手段と、
酸素を含むガスである希釈ガスの前記経路への注入量を調整する調整手段と、を有し、
前記粉砕機の内部に原料を投入して原料を粉砕する負圧式・排ガス循環系の粉砕プラントにおける、前記経路の内部の酸素濃度を制御する粉砕プラント酸素濃度制御方法であって、
前記所定の位置における酸素濃度の測定値を、前記所定の位置における酸素濃度の目標値に近づけるフィードバック制御として、比例動作を含む制御、または、比例動作と積分動作とを含む制御を行うことにより、前記希釈ガスの流量を導出する制御工程と、
前記制御工程により導出された前記希釈ガスの流量に基づいて、前記調整手段を動作させる調整工程と、
前記経路から大気中に放出される放散ガスの流量に基づいて、前記制御工程により前記比例動作を行う際の比例ゲインおよび前記制御工程により前記積分動作を行う際の積分時間のうち少なくとも何れか一方を導出する制御パラメータ導出工程と、
を有し、
前記制御工程は、前記制御パラメータ導出工程により導出された前記比例ゲインおよび前記積分時間のうち少なくとも何れか一方を用いて前記制御を行うことを特徴とする粉砕プラント酸素濃度制御方法。 - 請求項1〜9の何れか1項に記載の粉砕プラント酸素濃度制御装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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