(実施の形態1)
図1から図3を参照して、実施の形態1に係る光電変換素子1を説明する。
本実施の形態の光電変換素子1は、半導体基板2と、i型非晶質半導体膜5と、第1の非晶質半導体膜7と、第2の非晶質半導体膜9と、第1の電極11と、第2の電極13と、第3の非晶質半導体膜3と、反射防止膜4とを備えている。
半導体基板2は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向に延在している。本実施の形態では、第1の方向はx方向であり、第2の方向はx方向に直交するy方向である。本明細書において、交差することは直交することに限られない。半導体基板2は、n型またはp型の単結晶半導体基板であり得る。本実施の形態では、半導体基板2として、n型単結晶シリコン基板が用いられている。半導体基板2は、第1の面2aと、第1の面2aと反対側の第2の面2bとを有している。
半導体基板2は、第1の面2aに凹凸を有する。第1の面2a側から光電変換素子1に光は入射する。光の入射面である半導体基板2の第1の面2a上の凹凸は、半導体基板2の第1の面2aにおいて光が反射することを抑制することができる。こうして、より多くの光が光電変換素子1内に入射され得る。光電変換素子1において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率を向上させることができる。
半導体基板2の第1の面2a上に第3の非晶質半導体膜3が設けられている。第3の非晶質半導体膜3は、半導体基板2の第1の面2a側から入射される光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)が再結合することを低減することができる。そのため、第3の非晶質半導体膜3を備える本実施の形態の光電変換素子1によれば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率を向上させることができる。第3の非晶質半導体膜3として、i型非晶質シリコン膜、またはi型非晶質シリコン膜とn型非晶質シリコン膜との積層膜を例示することができる。なお、本明細書において「i型半導体」は、完全な真性の半導体だけでなく、十分に低濃度(n型不純物濃度が1×1015個/cm3未満、かつp型不純物濃度が1×1015個/cm3未満)のn型またはp型の不純物が混入された半導体も含む。また、本明細書において「非晶質半導体」は、半導体を構成する原子の未結合手(ダングリングボンド)が水素で終端されていない非晶質半導体だけでなく、水素化非晶質シリコンなどの半導体を構成する原子の未結合手が水素で終端された非晶質半導体も含む。
本実施の形態では、第3の非晶質半導体膜3の半導体基板2と反対側の面上に反射防止膜4が設けられている。光の入射面である半導体基板2の第1の面2a上の反射防止膜4は、半導体基板2の第1の面2aにおいて入射光が反射されることを抑制することができる。こうして、より多くの光を光電変換素子1内に入射させることができる。光電変換素子1において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率を向上させることができる。反射防止膜4として、誘電体膜、誘電体多層膜を例示することができる。本実施の形態では、反射防止膜4として、窒化シリコン膜が用いられている。
半導体基板2の第2の面2b上に、第1の非晶質半導体膜7が設けられている。第1の非晶質半導体膜7は、第1の導電型を有する。第1の非晶質半導体膜7は、n型またはp型の非晶質半導体膜であり得る。第1の非晶質半導体膜7として、p型非晶質シリコン膜、n型非晶質シリコン膜を例示することができる。本実施の形態では、第1の非晶質半導体膜7として、p型非晶質シリコン膜が用いられている。
本実施の形態では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7は、格子パターンで配列されている。第1の非晶質半導体膜7は、第1の方向及び第2の方向において、複数の区画に分離されている。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれは、第1の丸い角を有する長方形の形状を有してもよい(図1(B)参照)。第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれは、円形、多角形または第1の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第1の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。
第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yは、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yは、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。
第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の領域は、第1の非晶質半導体膜7によるキャリアの収集に寄与しない領域である。第2の方向における第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。少数キャリアは、半導体基板2がn型単結晶半導体基板である場合には正孔、半導体基板2がp型単結晶半導体基板である場合には電子を、それぞれ意味する。キャリアの拡散長は、キャリアが拡散して、キャリアの密度が1/eとなる長さを意味する。ここで、eは自然対数の底である。
本実施の形態では、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画は、第1の方向及び第2の方向において、周期的に配置されている。第1の非晶質半導体膜7の複数の区画は、第1の方向または第2の方向において、周期的に配置されていなくてもよい。本実施の形態では、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画は、半導体基板2の第2の面2b上に格子パターンで配置されている。第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の配置パターンは、格子パターンに限られず、三角格子パターンや非周期的なパターンであってもよい。
半導体基板2の第2の面2b上に、第2の非晶質半導体膜9が設けられている。第2の非晶質半導体膜9は、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する。第2の非晶質半導体膜9は、n型またはp型の非晶質半導体膜であり得る。第2の非晶質半導体膜9として、p型非晶質シリコン膜、n型非晶質シリコン膜を例示することができる。本実施の形態では、第2の非晶質半導体膜9として、n型非晶質シリコン膜が用いられている。
本実施の形態では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第2の非晶質半導体膜9は、格子パターンで配列されている。第2の非晶質半導体膜9は、第1の方向及び第2の方向において、複数の区画に分離されている。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれは、第2の丸い角を有する長方形の形状を有してもよい(図1(B)参照)。第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれは、円形、多角形または第2の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第2の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。
第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yは、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yは、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。
第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の領域は、第2の非晶質半導体膜9によるキャリアの収集に寄与しない領域である。第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。
本実施の形態では、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画は、第1の方向及び第2の方向において、周期的に配置されている。第2の非晶質半導体膜9の複数の区画は、第1の方向または第2の方向において、周期的に配置されていなくてもよい。本実施の形態では、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画は、半導体基板2の第2の面2b上に格子パターンで配置されている。第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の配置パターンは、格子パターンに限られず、三角格子パターンや非周期的なパターンであってもよい。
本実施の形態では、第1の方向において、第1の非晶質半導体膜7の区画と第2の非晶質半導体膜9の区画とが交互に配列されている。第2の方向において、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画が配列されている。第2の方向において、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画が配列されている。そのため、第1の方向では、第1の非晶質半導体膜7の一つの区画は第2の非晶質半導体膜9の一つの区画と隣り合っているが、第1の非晶質半導体膜7の一つの区画は第1の非晶質半導体膜7の他の区画とは隣り合っていない。第1の方向では、第2の非晶質半導体膜9の一つの区画は第1の非晶質半導体膜7の一つの区画と隣り合っているが、第2の非晶質半導体膜9の一つの区画は第2の非晶質半導体膜9の他の区画とは隣り合っていない。第2の方向では、第1の非晶質半導体膜7の一つの区画は第1の非晶質半導体膜7の他の区画と隣り合っている。第2の方向では、第2の非晶質半導体膜9の一つの区画は第2の非晶質半導体膜9の他の区画と隣り合っている。本実施の形態では、第2の非晶質半導体膜9の各区画は、第1の非晶質半導体膜7の各区画と、同じ形状及び同じ面積を有する。
半導体基板2と第1の非晶質半導体膜7との間、及び、半導体基板2と第2の非晶質半導体膜9との間に、i型非晶質半導体膜5が設けられてもよい。本実施の形態では、i型非晶質半導体膜5として、i型の非晶質シリコン膜が用いられている。i型非晶質半導体膜5も、半導体基板2の第2の面2b上に設けられている。光電変換素子1は、i型非晶質半導体膜5を有していなくてもよい。
第1の方向において、第1の非晶質半導体膜7は、第2の非晶質半導体膜9と接してもよいし、第2の非晶質半導体膜9から離れていてもよい。第1の方向において、第1の非晶質半導体膜7と第2の非晶質半導体膜9との間にも、i型非晶質半導体膜5が設けられてもよい。
第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの上に、第1の電極11が設けられている。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、複数の第1の電極11のそれぞれは、第3の丸い角部を有する長方形の形状を有してもよい(図1(A)参照)。複数の第1の電極11のそれぞれは、円形、多角形または第3の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第3の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。本実施の形態では、複数の第1の電極11は、半導体基板2の第2の面2bに格子パターンで配置されている(図1(A)参照)。複数の第1の電極11の配置パターンは、格子パターンに限られず、三角格子パターンや非周期的なパターンであってもよい。第1の電極11として、金属電極を例示することができる。本実施の形態では、第1の電極11として、銀(Ag)が用いられている。本実施の形態では、第1の電極11は、p電極であってもよい。
第2の方向において互いに隣り合う第1の電極11の間の距離は、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第1の電極11の間の距離は、第1の電極11のそれぞれの第2の方向における長さの、1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第1の電極11の間の距離は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。
第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの上に、第2の電極13が設けられている。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、複数の第2の電極13のそれぞれは、第4の丸い角部を有する長方形の形状を有してもよい(図1(A)参照)。複数の第2の電極13のそれぞれは、円形、多角形または第4の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第4の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。本実施の形態では、複数の第2の電極13は、半導体基板2の第2の面2bに格子パターンで配置されている(図1(A)参照)。複数の第2の電極13の配置パターンは、格子パターンに限られず、三角格子パターンや非周期的なパターンであってもよい。第2の電極13として、金属電極を例示することができる。本実施の形態では、第2の電極13として、銀(Ag)が用いられている。本実施の形態では、第2の電極13は、n電極であってもよい。
第2の方向において互いに隣り合う第2の電極13の間の距離は、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第2の電極13の間の距離は、第2の電極13のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第2の電極13の間の距離は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。
本実施の形態では、第1の方向において、第1の電極11と第2の電極13とが交互に配列されている。第2の方向において、複数の第1の電極11が配列されている。第2の方向において、複数の第2の電極13が配列されている。そのため、第1の方向では、第1の電極11の一つは第2の電極13の一つと隣り合っているが、第1の電極11の一つは他の第1の電極11とは隣り合っていない。第1の方向では、第2の電極13の一つは第1の電極11の一つと隣り合っているが、第2の電極13の一つは他の第2の電極13とは隣り合っていない。第2の方向では、第1の電極11の一つは他の第1の電極11と隣り合っている。第2の方向では、第2の電極13の一つは他の第2の電極13と隣り合っている。本実施の形態では、複数の第1の電極11のそれぞれは、複数の第2の電極13のそれぞれと、同じ形状及び同じ面積を有する。
図4から図14を参照して、本実施の形態に係る光電変換素子1の製造方法の一例について説明する。
図4を参照して、半導体基板2の第1の面2aに凹凸を形成する。例えば、n型単結晶シリコン基板である半導体基板2の第1の面2aを水酸化カリウム(KOH)を用いて異方性的にエッチングすることによって、半導体基板2の第1の面2aに凹凸を形成してもよい。
図5を参照して、凹凸が形成された半導体基板2の第1の面2a上に、第3の非晶質半導体膜3が形成される。第3の非晶質半導体膜3の形成方法は特に限定されないが、たとえばプラズマ化学的気相堆積(CVD)法を用いることができる。
図6を参照して、第3の非晶質半導体膜3上に、反射防止膜4が形成される。反射防止膜4の形成方法は特に限定されないが、たとえばプラズマ化学的気相堆積(CVD)法を用いることができる。
図7を参照して、半導体基板2の第2の面2b上に、i型非晶質半導体膜5が形成される。i型非晶質半導体膜5の形成方法は特に限定されないが、たとえばプラズマ化学的気相堆積(CVD)法を用いることができる。
図8及び図9を参照して、i型非晶質半導体膜5上に、第1のマスク21を載置する。第1のマスク21は、第1の開口部22を有する。第1のマスク21の第1の開口部22は、第1の方向及び第2の方向において複数の区画に分離されている。
第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画は、第1の方向において、第1のマスク21の第1の架橋部23によって分離されている。第1の方向において互いに隣り合う第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画の間の距離は、第1の方向における第1のマスク21の第1の架橋部23の幅である。
第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画は、第2の方向において、第1のマスク21の第2の架橋部24によって分離されている。第2の方向において互いに隣り合う第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画の間の距離d3yは、第2の方向における第1のマスク21の第2の架橋部24の幅である。第2の方向において互いに隣り合う第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画の間の距離d3yは、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向における第1のマスク21の第2の架橋部24の幅は、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第1のマスク21を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yを、30μm以上1mm以下とすることができる。
第2の方向において互いに隣り合う第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画の間の距離d3yは、第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw3yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第1のマスク21の第2の架橋部24の幅は、第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw3yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第1のマスク21を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yを、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上10分の1以下とすることができる。
第2の方向において互いに隣り合う第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画の間の距離d3yは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第2の方向における第1のマスク21の第2の架橋部24の幅は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第1のマスク21を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yを、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下とすることができる。
本実施の形態では、第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画は、格子パターンで配置されている。第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画は、他のパターンで配置されてもよい。第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画のそれぞれは、第1の丸い角を有する長方形の形状を有してもよい(図9参照)。第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画のそれぞれは、円形、多角形または第1の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第1の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。第1のマスク21として、メタルマスクを例示することができる。
図10を参照して、半導体基板2の第2の面2b上の第1のマスク21の第1の開口部22が位置する領域に、第1の非晶質半導体膜7が形成される。より特定的には、i型非晶質半導体膜5上の第1のマスク21の第1の開口部22が位置する領域に、第1の非晶質半導体膜7が形成される。第1の非晶質半導体膜7の形成方法は特に限定されないが、たとえばプラズマ化学的気相堆積(CVD)法を用いることができる。その後、第1のマスク21は除去される。
図11及び図12を参照して、第1の非晶質半導体膜7上に、第2のマスク26を載置する。第2のマスク26は、第2の開口部27を有する。第2のマスク26の第2の開口部27は、第1の方向及び第2の方向において複数の区画に分離されている。
第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画は、第1の方向において、第2のマスク26の第3の架橋部28によって分離されている。第1の方向において互いに隣り合う第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画の間の距離は、第1の方向における第2のマスク26の第3の架橋部28の幅である。
第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画は、第2の方向において、第2のマスク26の第4の架橋部29によって分離されている。第2の方向において互いに隣り合う第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画の間の距離d4yは、第2の方向における第2のマスク26の第4の架橋部29の幅である。第2の方向において互いに隣り合う第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画の間の距離d4yは、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向における第2のマスク26の第4の架橋部29の幅は、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第2のマスク26を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yを、30μm以上1mm以下とすることができる。
本実施の形態では、第2の方向において互いに隣り合う第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画の間の距離d4yは、第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw4yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2のマスク26の第4の架橋部29の幅は、第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw4yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2のマスク26を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yを、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上10分の1以下とすることができる。
第2の方向において互いに隣り合う第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画の間の距離d4yは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第2の方向における第2のマスク26の第4の架橋部29の幅は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第2のマスク26を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yを、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下とすることができる。
本実施の形態では、第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画は、格子パターンで配置されている。第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画は、他のパターンで配置されてもよい。第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画のそれぞれは、第2の丸い角を有する長方形の形状を有してもよい(図12参照)。第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画のそれぞれは、円形、多角形または第2の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第2の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。第2のマスク26として、メタルマスクを例示することができる。
図13を参照して、半導体基板2の第2の面2b上の第2のマスク26の第2の開口部27が位置する領域に、第2の非晶質半導体膜9が形成される。より特定的には、i型非晶質半導体膜5上の第2のマスク26の第2の開口部27が位置する領域に、第2の非晶質半導体膜9が形成される。第2の非晶質半導体膜9の形成方法は特に限定されないが、たとえばプラズマ化学的気相堆積(CVD)法を用いることができる。その後、第2のマスク26は除去される。
次に、第1の非晶質半導体膜7上に第1の電極11を形成する。第2の非晶質半導体膜9上に第2の電極13を形成する。図14に示される、第3の開口部32を有する第3のマスク31を用いて、第1の非晶質半導体膜7及び第2の非晶質半導体膜9上に、それぞれ、第1の電極11及び第2の電極13を形成してもよい。
第1の非晶質半導体膜7及び第2の非晶質半導体膜9上に、第3のマスク31を載置する。第3のマスク31は、第3の開口部32を有する。第3のマスク31の第3の開口部32は、第1の方向及び第1の方向と交差する第2の方向において複数の区画に分離されている。
第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画は、第1の方向において、第3のマスク31の第5の架橋部33によって分離されている。第1の方向において互いに隣り合う第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画の間の距離は、第1の方向における第3のマスク31の第5の架橋部33の幅である。
第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画は、第2の方向において、第3のマスク31の第6の架橋部34によって分離されている。第2の方向において互いに隣り合う第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画の間の距離d5yは、第2の方向における第3のマスク31の第6の架橋部34の幅である。第2の方向において互いに隣り合う第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画の間の距離d5yは、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向における第3のマスク31の第6の架橋部34の幅は、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画の間の距離d5yは、第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw5yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第3のマスク31の第6の架橋部34の幅は、第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw5yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。
第2の方向において互いに隣り合う第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画の間の距離d5yは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第2の方向における第3のマスク31の第6の架橋部34の幅は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。
本実施の形態では、第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画は、格子パターンで配置されている。第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画は、他のパターンで配置されてもよい。第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画のそれぞれは、第3の丸い角を有する長方形の形状を有してもよい(図15参照)。第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画のそれぞれは、円形、多角形または第3の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第3の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。第3のマスク31として、メタルマスクを例示することができる。
それから、半導体基板2の第2の面2b上の第3のマスク31の第3の開口部32の領域に、第1の電極11及び第2の電極13を形成する。具体的には、第1の非晶質半導体膜7上に第1の電極11が形成され、第2の非晶質半導体膜9上に第2の電極13が形成される。第1の電極11及び第2の電極13の形成方法は特に限定されないが、たとえばスパッタ法を用いることができる。その後、第3のマスク31は除去される。こうして、図1(A)から図3に示される本実施の形態の光電変換素子1を得ることができる。
本実施の形態の光電変換素子1及びその製造方法の効果を説明する。
本実施の形態の光電変換素子1は、半導体基板2と、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7と、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9と、第1の電極11と、第2の電極13とを備える。半導体基板2は、第1の面2aと第1の面2aと反対側の第2の面2bとを有する。半導体基板2は、単結晶半導体基板である。半導体基板2は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向とに延在する。第1の非晶質半導体膜7は、半導体基板の第2の面2b上に設けられる。第1の非晶質半導体膜7は、第1の方向及び第2の方向において、複数の区画に分離される。第2の非晶質半導体膜9は、半導体基板2の第2の面2b上に設けられる。第2の非晶質半導体膜9は、第1の方向及び第2の方向において、複数の区画に分離される。第1の電極11は、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの上に設けられる。第2の電極13は、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの上に設けられる。
本実施の形態の光電変換素子1では、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7と第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9とは、第2の方向において、複数の区画に分離されている。本実施の形態の光電変換素子1は、第2の方向において、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7と第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9とが形成されていない領域を有する。そのため、本実施の形態の光電変換素子1では、低い耐熱性を有する第1の導電型の第1の非晶質半導体膜7及び第2の導電型の第2の非晶質半導体膜9の面積を小さくすることができる。その結果、本実施の形態の光電変換素子1は、向上された耐熱性を有する。
本実施の形態の光電変換素子1では、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても、複数の第1の電極11が互いに分離されている。そのため、一部の複数の第1の電極11が第1の非晶質半導体膜7から剥がれても、他の複数の第1の電極11は、第1の非晶質半導体膜7から剥がれない。本実施の形態の光電変換素子1は、低い故障率を有する。本実施の形態の光電変換素子1では、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても、複数の第2の電極13が互いに分離されている。そのため、一部の複数の第2の電極13が第2の非晶質半導体膜9から剥がれても、他の複数の第2の電極13は、第2の非晶質半導体膜9から剥がれない。本実施の形態の光電変換素子1は、低い故障率を有する。
本実施の形態の光電変換素子1では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれと第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または第1の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)は、半導体基板2の第2の面2b上に形成された第1の非晶質半導体膜7または第2の非晶質半導体膜9へ移動する。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれと第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または第1の丸い角を有する多角形の形状を有している。そのため、第1の非晶質半導体膜7または第2の非晶質半導体膜9の特定の部分にこのキャリアが集中して、この特定の部分の温度が上昇することを抑制することができる。第1の非晶質半導体膜7または第2の非晶質半導体膜9の温度上昇に起因して、第1の非晶質半導体膜7もしくは第2の非晶質半導体膜9が劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜7もしくは第2の非晶質半導体膜9が半導体基板2から剥がれることを抑制することができる。
本実施の形態の光電変換素子1では、この円形及び第1の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下であってもよい。そのため、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)が、第1の非晶質半導体膜7または第2の非晶質半導体膜9の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することをさらに抑制することができる。第1の非晶質半導体膜7または第2の非晶質半導体膜9の温度上昇に起因する、第1の非晶質半導体膜7もしくは第2の非晶質半導体膜9が劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜7もしくは第2の非晶質半導体膜9が半導体基板2から剥がれることをさらに抑制することができる。
本実施の形態の光電変換素子1では、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。そのため、この少数キャリアは、第1の非晶質半導体膜7及び第1の電極11、または第2の非晶質半導体膜9及び第2の電極13を通じて効率的に収集され得る。
本実施の形態の光電変換素子1では、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは30μm以上である。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型の第1の非晶質半導体膜7及び第2の導電型の第2の非晶質半導体膜9の少なくとも1つの面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1は、さらに向上された耐熱性を有する。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは1mm以下である。そのため、光電変換素子1において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換素子1では、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yは、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yは、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上である。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型の第1の非晶質半導体膜7の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1は、さらに向上された耐熱性を有する。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yは、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの10分の1以下である。そのため、光電変換素子1において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換素子1では、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yは、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yは、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上である。そのため、低い耐熱性を有する第2の導電型の第2の非晶質半導体膜9の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1は、さらに向上された耐熱性を有する。第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yは、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの10分の1以下である。そのため、光電変換素子1において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換素子1では、半導体基板2と第1の非晶質半導体膜7との間、及び、半導体基板2と第2の非晶質半導体膜9との間に、i型非晶質半導体膜5をさらに備えてもよい。i型非晶質半導体膜5は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)が再結合することを低減することができる。そのため、本実施の形態の光電変換素子1によれば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率をさらに向上させることができる。
本実施の形態の光電変換素子1の製造方法は、以下の工程を備える。第1の面2aと第1の面2aと反対側の第2の面2bとを有する半導体基板2の第2の面2b上に、第1のマスク21を用いて、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7を形成する。半導体基板2は、単結晶半導体基板である。半導体基板2は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向とに延在する。第1のマスク21は、第1の架橋部23と、第2の架橋部24と、第1の開口部22とを有する。第1の開口部22は、第1の方向において、第1の架橋部23によって複数の区画に分離される。第1の開口部22は、第2の方向において、第2の架橋部24によって複数の区画に分離される。半導体基板2の第2の面2b上に、第3の架橋部28と第4の架橋部29と第2の開口部27を有する第2のマスク26を用いて、第1の導電型と異なる第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9を形成する。第2の開口部27は、第1の方向において、第3の架橋部28によって複数の区画に分離される。第2の開口部27は、第2の方向において、第4の架橋部29によって複数の区画に分離される。第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの上に第1の電極11を形成する。第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの上に第2の電極13を形成する。
本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、第1の非晶質半導体膜7と第2の非晶質半導体膜9とを、第2の方向において、複数の区画に分離することができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、第2の方向において、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7と第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9とが形成されていない領域を有する光電変換素子1が得られる。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型の第1の非晶質半導体膜7及び第2の導電型の第2の非晶質半導体膜9の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、向上された耐熱性を有する光電変換素子1が得られる。
本実施の形態の光電変換素子1の製造方法では、複数の第1の電極11は、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても互いに分離されている。一部の複数の第1の電極11が第1の非晶質半導体膜7から剥がれても、他の複数の第1の電極11は、第1の非晶質半導体膜7から剥がれない。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、向上された良品率で光電変換素子1が製造され得る。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法では、複数の第2の電極13は、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても互いに分離されている。一部の複数の第2の電極13が第2の非晶質半導体膜9から剥がれても、他の複数の第2の電極13は、第2の非晶質半導体膜9から剥がれない。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、向上された良品率で光電変換素子1が製造され得る。
本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、第1の架橋部23と第2の架橋部24と第1の開口部22とを有する第1のマスク21を用いて、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画が形成される。第1のマスク21は、第1の架橋部23だけでなく第2の架橋部24をも有するので、第1の架橋部23及び第2の架橋部24によって第1のマスク21の機械的強度を向上させることができる。そのため、第1のマスク21を用いて第1の非晶質半導体膜7を形成する際に、第1のマスク21が撓んで第1の開口部22が変形することを抑制することができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、第1の非晶質半導体膜7がより正確なパターンで形成され得る。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、第3の架橋部28と第4の架橋部29と第2の開口部27とを有する第2のマスク26を用いて、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画が形成される。第2のマスク26は、第3の架橋部28だけでなく第4の架橋部29をも有するので、第3の架橋部28及び第4の架橋部29によって第2のマスク26の機械的強度を向上させることができる。そのため、第2のマスク26を用いて第2の非晶質半導体膜9を形成する際に、第2のマスク26が撓んで第2の開口部27が変形することを抑制することができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、第2の非晶質半導体膜9がより正確なパターンで形成され得る。
本実施の形態の光電変換素子1の製造方法では、第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画のそれぞれと第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれと第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれとの少なくとも1つが、円形、多角形または丸い角を有する多角形の形状を有する、第1の非晶質半導体膜7及び第2の非晶質半導体膜9を備える光電変換素子1を製造することができる。半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)は、半導体基板2の第2の面2b上に形成された第1の非晶質半導体膜7または第2の非晶質半導体膜9へ移動する。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれと第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または丸い角を有する多角形の形状を有している。そのため、第1の非晶質半導体膜7または第2の非晶質半導体膜9の特定の部分にこのキャリアが集中して、この特定の部分の温度が上昇することを抑制することができる。第1の非晶質半導体膜7または第2の非晶質半導体膜9の温度上昇に起因して、第1の非晶質半導体膜7もしくは第2の非晶質半導体膜9が劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜7もしくは第2の非晶質半導体膜9が半導体基板2から剥がれることを抑制することができる。
本実施の形態の光電変換素子1の製造方法では、この円形及び丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下であってもよい。そのため、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)が、第1の非晶質半導体膜7または第2の非晶質半導体膜9の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することをさらに抑制することができる。第1の非晶質半導体膜7または第2の非晶質半導体膜9の温度上昇に起因する、第1の非晶質半導体膜7もしくは第2の非晶質半導体膜9が劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜7もしくは第2の非晶質半導体膜9が半導体基板2から剥がれることをさらに抑制することができる。
本実施の形態の光電変換素子1の製造方法では、第2の方向における第1のマスク21の第2の架橋部24の幅、及び第2の方向における第2のマスク26の第4の架橋部29の幅の少なくとも1つは、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成される少数キャリアの半導体基板内における拡散長以下であってもよい。第1のマスク21及び第2のマスク26の少なくとも1つを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つを、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下とすることができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、この少数キャリアが、第1の非晶質半導体膜7及び第1の電極11、または第2の非晶質半導体膜9及び第2の電極13を通じて効率的に収集され得る。
本実施の形態の光電変換素子1の製造方法では、第2の方向における第1のマスク21の第2の架橋部24の幅、及び第2の方向における第2のマスク26の第4の架橋部29の幅の少なくとも1つは、30μm以上1mm以下であってもよい。第1のマスク21及び第2のマスク26の少なくとも1つを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つを30μm以上とすることができる。低い耐熱性を有する第1の導電型の第1の非晶質半導体膜7及び第2の導電型の第2の非晶質半導体膜9の少なくとも1つの面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、さらに向上された耐熱性を有する光電変換素子1を製造することができる。また、第2の方向における第1のマスク21の第2の架橋部24の幅、及び第2の方向における第2のマスク26の第4の架橋部29の幅の少なくとも1つは、30μm以上である。そのため、第1のマスク21及び第2のマスク26の少なくとも1つの機械的強度をさらに向上させることができる。第1のマスク21及び第2のマスク26の少なくとも1つを用いて第1の非晶質半導体膜7及び第2の非晶質半導体膜9の少なくとも1つを形成する際に、第1のマスク21及び第2のマスク26の少なくとも1つが撓んで第1の開口部22及び第2の開口部27の少なくとも1つが変形することをさらに抑制することができる。第1の非晶質半導体膜7及び第2の非晶質半導体膜9の少なくとも1つがさらに正確なパターンで形成され得る。さらに、第1のマスク21及び第2のマスク26の少なくとも1つを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つを1mm以下とすることができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、光電変換素子1において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換素子1の製造方法では、第2の方向における第1のマスク21の第2の架橋部24の幅は、第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw3yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第1のマスク21を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yを、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上とすることができる。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型の第1の非晶質半導体膜7の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、さらに向上された耐熱性を有する光電変換素子1を製造することができる。また、第2の方向における第1のマスク21の第2の架橋部24の幅は、第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw3yの1000分の1以上である。そのため、第1のマスク21の機械的強度をさらに向上させることができる。第1のマスク21を用いて第1の非晶質半導体膜7を形成する際に、第1のマスク21が撓んで第1の開口部22が変形することをさらに抑制することができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、第1の非晶質半導体膜7がさらに正確なパターンで形成され得る。さらに、第1のマスク21を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yを、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの10分の1以下とすることができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、光電変換素子1において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換素子1の製造方法では、第2の方向における第2のマスク26の第4の架橋部29の幅は、第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw4yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2のマスク26を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yを、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上とすることができる。そのため、低い耐熱性を有する第2の導電型の第2の非晶質半導体膜9の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、さらに向上された耐熱性を有する光電変換素子1を製造することができる。また、第2の方向における第2のマスク26の第4の架橋部29の幅は、第2のマスク26の第2の開口部27の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw4yの1000分の1以上である。そのため、第2のマスク26の機械的強度をさらに向上させることができる。第2のマスク26を用いて第2の非晶質半導体膜9を形成する際に、第2のマスク26が撓んで第2の開口部27が変形することをさらに抑制することができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、第2の非晶質半導体膜9がさらに正確なパターンで形成され得る。さらに、第2のマスク26を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yを、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの10分の1以下とすることができる。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、光電変換素子1において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換素子1の製造方法では、半導体基板2と第1の非晶質半導体膜7との間、及び、半導体基板2と第2の非晶質半導体膜9との間に、i型非晶質半導体膜5を形成することをさらに備えてもよい。i型非晶質半導体膜5は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)が再結合することを低減することができる。そのため、本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、光電変換素子1における光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率がさらに向上され得る。
本実施の形態の第1の変形例として、半導体基板2、第1の非晶質半導体膜7、第2の非晶質半導体膜9として、それぞれ、n型単結晶シリコン基板、n型非晶質半導体膜、p型非晶質半導体膜が用いられてもよい。本実施の形態の第2の変形例として、半導体基板2、第1の非晶質半導体膜7、第2の非晶質半導体膜9として、それぞれ、p型単結晶シリコン基板、p型非晶質半導体膜、n型非晶質半導体膜が用いられてもよい。本実施の形態の第3の変形例として、半導体基板2、第1の非晶質半導体膜7、第2の非晶質半導体膜9として、それぞれ、p型単結晶シリコン基板、n型非晶質半導体膜、p型非晶質半導体膜が用いられてもよい。
(実施の形態2)
図15(A)から図16(C)を参照して、実施の形態2の光電変換素子1a及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換素子1aは、基本的には、図1から図3に示される実施の形態1の光電変換素子1と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、第1の非晶質半導体膜7a、第2の非晶質半導体膜9a、第1の電極11a、第2の電極13aの面積が異なる。
図15(A)及び図15(B)を参照して、本実施の形態の光電変換素子1aでは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7aの面積は、第2の非晶質半導体膜9aの面積よりも大きい。特定的には、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7aの複数の区画のそれぞれの面積は、第2の非晶質半導体膜9aの複数の区画のそれぞれの面積よりも大きい。より特定的には、第1の非晶質半導体膜7aの複数の区画のそれぞれの第1の方向の長さは、第2の非晶質半導体膜9aの複数の区画のそれぞれの第1の方向の長さよりも大きい。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の電極11aの面積は、第2の電極13aの面積よりも大きい。特定的には、第1の電極11aの第1の方向の長さは、第2の電極13aの第1の方向の長さよりも大きい。
本実施の形態の光電変換素子1aの製造方法の一例は、基本的には、図4から図14に示される実施の形態1の光電変換素子1の製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第1のマスク21aの第1の開口部22aの面積、第2のマスク26aの第2の開口部27aの面積、第3のマスク31aの第3の開口部32aの面積が異なる。図16(A)に示される第1のマスク21aを用いて、第1の非晶質半導体膜7aが形成される。図16(B)に示される第2のマスク26aを用いて、第2の非晶質半導体膜9aが形成される。図16(C)に示される第3のマスク31aを用いて、第1の電極11a及び第2の電極13aが形成される。
図16(A)及び図16(B)を参照して、第1のマスク21aの第1の開口部22aの面積は、第2のマスク26aの第2の開口部27aの面積よりも大きい。特定的には、第1のマスク21aの第1の開口部22aの複数の区画のそれぞれの面積は、第2のマスク26aの第2の開口部27aの複数の区画のそれぞれの面積よりも大きい。より特定的には、第1のマスク21aの第1の開口部22aの複数の区画のそれぞれの第1の方向の長さは、第2のマスク26aの第2の開口部27aの複数の区画のそれぞれの第1の方向の長さよりも大きい。第1の開口部22aの複数の区画は、第1の方向において第1の架橋部23aによって分離され、第2の方向において第2の架橋部24aによって分離されている。第2の開口部27aの複数の区画は、第1の方向において第3の架橋部28aによって分離され、第2の方向において第4の架橋部29aによって分離されている。また、図16(C)を参照して、第1の電極11aに対応する第3のマスク31aの第3の開口部32aの面積は、第2の電極13aに対応する第3のマスク31aの第3の開口部32aの面積よりも大きい。特定的には、第1の電極11aに対応する第3の開口部32aの複数の区画のそれぞれの面積は、第2の電極13aに対応する第3の開口部32aの複数の区画のそれぞれの面積よりも大きい。より特定的には、第1の電極11aに対応する第3の開口部32aの複数の区画のそれぞれの第1の方向の長さは、第2の電極13aに対応する第3の開口部32aの複数の区画のそれぞれの第1の方向の長さよりも大きい。第3の開口部32aの複数の区画は、第1の方向において第5の架橋部33aによって分離され、第2の方向において第6の架橋部34aによって分離されている。
本実施の形態の光電変換素子1aの効果を説明する。本実施の形態の光電変換素子1aでは、半導体基板2に対する第1の非晶質半導体膜7aの面積比と、半導体基板2に対する第2の非晶質半導体膜9aの面積比とを自由に変更することができる。例えば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときのn型単結晶半導体基板からなる半導体基板2の面積に対するp型非晶質シリコン膜からなる第1の非晶質半導体膜7aの面積の割合を大きくすると、光電変換素子1aにおける電流収集を向上させることができる。他方、半導体基板2の第2の面2b側から見たときのn型単結晶半導体基板からなる半導体基板2の面積に対するn型非晶質シリコン膜からなる第2の非晶質半導体膜9aの面積の割合を大きくすると、光電変換素子1aにおけるパッシベーション性を向上させることができる。その結果、本実施の形態の光電変換素子1aにより、設計の自由度が向上された光電変換素子1aを提供することができる。
本実施の形態の光電変換素子1aの製造方法の効果を説明する。本実施の形態の光電変換素子1aの製造方法によれば、半導体基板2に対する第1の非晶質半導体膜7aの面積比と、半導体基板2に対する第2の非晶質半導体膜9aの面積比とを自由に変更することができる。例えば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときのn型単結晶半導体基板からなる半導体基板2の面積に対するp型の第1の非晶質半導体膜7aの面積の割合を大きくすると、光電変換素子1aにおける電流収集を向上させることができる。他方、半導体基板2の第2の面2b側から見たときのn型単結晶半導体基板からなる半導体基板2の面積に対するn型の第2の非晶質半導体膜9aの面積の割合を大きくすると、光電変換素子1aにおけるパッシベーション性を向上させることができる。本実施の形態の光電変換素子1aの製造方法は、光電変換素子1aの設計の自由度を向上させることができる。
(実施の形態3)
図9、図17(A)から図18(B)を参照して、実施の形態3の光電変換素子1b及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換素子1bは、基本的には、図1から図3に示される実施の形態1の光電変換素子1と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、第1の非晶質半導体膜7bと第2の非晶質半導体膜9bとの配置パターンと、第1の電極11bと第2の電極13bとの配置パターンとが異なる。
図17(A)及び図17(B)を参照して、本実施の形態の光電変換素子1bでは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7bと第2の非晶質半導体膜9bとは千鳥パターンで配置される。第1の電極11bと第2の電極13bとは千鳥パターンで配置される。第1の非晶質半導体膜7bと第2の非晶質半導体膜9bとの配置パターンと、第1の電極11bと第2の電極13bとの配置パターンとは、千鳥パターンに限られない。
本実施の形態の光電変換素子1bの製造方法の一例は、基本的には、図4から図14に示される実施の形態1の光電変換素子1の製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第2のマスク26bの第2の開口部27bのパターンと、第3のマスク31bの第3の開口部32bのパターンとが異なる。図9に示される第1のマスク21を用いて、第1の非晶質半導体膜7bが形成される。図18(A)に示される第2のマスク26bを用いて、第2の非晶質半導体膜9bが形成される。図18(B)に示される第3のマスク31bを用いて、第1の電極11b及び第2の電極13bが形成される。
図18(A)を参照して、第2のマスク26bの第2の開口部27bは、実施の形態1の第2のマスク26の第2の開口部27が第2の方向に半周期ずらされたパターンを有する。第2のマスク26bの第2の開口部27bは、第1のマスク21の第1の開口部22が第1の方向及び第2の方向に半周期ずらされたパターンを有する。第2の開口部27bの複数の区画は、第1の方向において第3の架橋部28bによって分離され、第2の方向において第4の架橋部29bによって分離されている。図18(B)を参照して、本実施の形態における第1の電極11bに対応する第3のマスク31bの第3の開口部32bは、実施の形態1における第1の電極11に対応する第3のマスク31の第3の開口部32と同じパターンを有している。本実施の形態における第2の電極13bに対応する第3のマスク31bの第3の開口部32bは、実施の形態1における第2の電極13に対応する第3のマスク31の第3の開口部32が第2の方向に半周期ずらされたパターンを有している。第3の開口部32bの複数の区画は、第1の方向において第5の架橋部33bによって分離され、第2の方向において第6の架橋部34bによって分離されている。
本実施の形態の光電変換素子1bによれば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7b及び第2の非晶質半導体膜9b、並びに、第1の電極11b及び第2の電極13bを、千鳥パターンその他任意のパターンで配置することができる。そのため、本実施の形態の光電変換素子1bは、向上された設計の自由度を有する。
本実施の形態の光電変換素子1bの製造方法によれば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7b及び第2の非晶質半導体膜9b、並びに、第1の電極11b及び第2の電極13bを、千鳥パターンその他任意のパターンで配置することができる。そのため、本実施の形態の光電変換素子1bの製造方法は、光電変換素子1bの設計の自由度を向上させることができる。
(実施の形態4)
図16(A)、図19(A)から図20(B)を参照して、実施の形態4の光電変換素子1c及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換素子1cは、基本的には、図15(A)から図16(B)に示される実施の形態2の光電変換素子1aと同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、第1の非晶質半導体膜7cと第2の非晶質半導体膜9cとの配置パターンと、第1の電極11cと第2の電極13cとの配置パターンが異なる。
図19(A)及び図19(B)を参照して、本実施の形態の光電変換素子1cでは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7cと第2の非晶質半導体膜9cとは千鳥パターンで配置される。第1の電極11cと第2の電極13cとは千鳥パターンで配置される。第1の非晶質半導体膜7cと第2の非晶質半導体膜9cとの配置パターンと、第1の電極11cと第2の電極13cとの配置パターンとは、千鳥パターンに限られない。
本実施の形態の光電変換素子1cの製造方法の一例は、基本的には、実施の形態2の光電変換素子1aの製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第2のマスク26cの第2の開口部27cのパターンと、第3のマスク31cの第3の開口部32cのパターンとが異なる。図16(A)に示される第1のマスク21aを用いて、第1の非晶質半導体膜7cが形成される。図20(A)に示される第2のマスク26cを用いて、第2の非晶質半導体膜9cが形成される。図20(B)に示される第3のマスク31cを用いて、第1の電極11c及び第2の電極13cが形成される。
図20(A)を参照して、第2のマスク26cの第2の開口部27cは、実施の形態2の第2のマスク26aの第2の開口部27aが第2の方向に半周期ずらされたパターンを有する。第2の開口部27cの複数の区画は、第1の方向において第3の架橋部28cによって分離され、第2の方向において第4の架橋部29cによって分離されている。図20(B)を参照して、第2の電極13cに対応する第3のマスク31cの第3の開口部32cは、第2の電極13aに対応する実施の形態2の第3のマスク31aの第3の開口部32aが第2の方向に半周期ずらされたパターンを有する。第3の開口部32cの複数の区画は、第1の方向において第5の架橋部33cによって分離され、第2の方向において第6の架橋部34cによって分離されている。
本実施の形態の光電変換素子1cによれば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7c及び第2の非晶質半導体膜9c、並びに、第1の電極11c及び第2の電極13cを、千鳥パターンその他任意のパターンで配置することができる。そのため、本実施の形態の光電変換素子1cは、向上された設計の自由度を有する。
本実施の形態の光電変換素子1cの製造方法によれば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7c及び第2の非晶質半導体膜9c、並びに、第1の電極11c及び第2の電極13cを、千鳥パターンその他任意のパターンで配置することができる。そのため、本実施の形態の光電変換素子1cの製造方法は、光電変換素子1cの設計の自由度を向上させることができる。
(実施の形態5)
図21(A)から図22(C)を参照して、実施の形態5の光電変換素子1d及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換素子1dは、基本的には、図1から図3に示される実施の形態1の光電変換素子1と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、本実施の形態の第1の非晶質半導体膜7d、第2の非晶質半導体膜9d、第1の電極11d、及び第2の電極13dの形状及び配置パターンは、実施の形態1の第1の非晶質半導体膜7、第2の非晶質半導体膜9、第1の電極11、及び第2の電極13の形状及び配置パターンと異なる。
半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7dは、第1の方向及び第2の方向において、複数の区画に分離されている。本実施の形態では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれは、円形の形状を有してもよい(図21(B)参照)。第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれは、多角形または第1の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第1の丸い角の曲率半径は、1μm以上1mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。
第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1xは、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1yは、30μm以上1mm以下であってもよい。第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1xは、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれの第1の方向における長さw1xの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1yは、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。
第1の非晶質半導体膜7dの区画の間の領域は、第1の非晶質半導体膜7dによるキャリアの収集に寄与しない領域である。第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1xは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1yは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。
本実施の形態では、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画は、第1の方向及び第2の方向において、周期的に配置されている。第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画は、第1の方向または第2の方向において、周期的に配置されていなくてもよい。本実施の形態では、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画は、半導体基板2の第2の面2b上に格子パターンで配置されている。第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の配置パターンは、三角格子パターンや非周期的なパターンなどであってもよい。
半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第2の非晶質半導体膜9dは、第1の方向及び第2の方向において、複数の区画に分離されている。本実施の形態では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれは、第2の丸い角を有する正方形の形状を有してもよい(図21(B)参照)。第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれは、円形、多角形または第2の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第2の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。
第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2xは、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yは、30μm以上1mm以下であってもよい。第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2xは、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれの第1の方向における長さw2xの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yは、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。
第2の非晶質半導体膜9dの区画の間の領域は、第2の非晶質半導体膜9dによるキャリアの収集に寄与しない領域である。第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2xは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。
本実施の形態では、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画は、第1の方向及び第2の方向において、周期的に配置されている。第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画は、第1の方向または第2の方向において、周期的に配置されていなくてもよい。本実施の形態では、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画は、半導体基板2の第2の面2b上に格子パターンで配置されている。第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の配置パターンは、三角格子パターンや非周期的なパターンなどであってもよい。
本実施の形態の光電変換素子1dでは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7dの面積は、第2の非晶質半導体膜9dの面積よりも大きい。特定的には、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれの面積は、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれの面積よりも大きい。本実施の形態の光電変換素子1dでは、第2の非晶質半導体膜9dの1つの区画を取り囲むように、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画が配置されている。本実施の形態の光電変換素子1dでは、第1の非晶質半導体膜7dの1つの区画を取り囲むように、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画が配置されている。
第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれの上に、第1の電極11dが設けられている。本実施の形態では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、複数の第1の電極11dのそれぞれは、円形の形状を有してもよい(図21(A)参照)。複数の第1の電極11dのそれぞれは、多角形または第3の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第3の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。本実施の形態では、複数の第1の電極11dは、半導体基板2の第2の面2bに格子パターンで配置されている(図21(A)参照)。複数の第1の電極11dの配置パターンは、三角格子パターンや非周期的なパターンなどであってもよい。
第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれの上に、第2の電極13dが設けられている。本実施の形態では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、複数の第2の電極13のそれぞれは、第4の丸い角部を有する正方形の形状を有してもよい(図21(A)参照)。複数の第2の電極13のそれぞれは、円形、多角形または第4の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第4の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。本実施の形態では、複数の第2の電極13dは、半導体基板2の第2の面2bに格子パターンで配置されている(図21(A)参照)。複数の第2の電極13dの配置パターンは、三角格子パターンや非周期的なパターンなどであってもよい。
本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法の一例は、基本的には、実施の形態1の光電変換素子1の製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第1のマスク21dの第1の開口部22dの形状と、第2のマスク26dの第2の開口部27dの形状と、第3のマスク31dの第3の開口部32dの形状とが異なる。図22(A)に示される第1のマスク21dを用いて、第1の非晶質半導体膜7dが形成される。図22(B)に示される第2のマスク26dを用いて、第2の非晶質半導体膜9dが形成される。図22(C)に示される第3のマスク31dを用いて、第1の電極11d及び第2の電極13dが形成される。
図22(A)を参照して、第1のマスク21dは、第1の開口部22dを有する。第1のマスク21dの第1の開口部22dは、第1の方向及び第1の方向と交差する第2の方向において複数の区画に分離されている。
第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画は、第1の方向において、第1のマスク21dの第1の架橋部23dによって分離されている。第1の方向において互いに隣り合う第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画の間の距離d3xは、第1の方向における第1のマスク21dの第1の架橋部23dの幅である。第1の方向において互いに隣り合う第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画の間の距離d3xは、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第1の方向における第1のマスク21dの第1の架橋部23dの幅は、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第1のマスク21dを用いることによって、第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1xを、30μm以上1mm以下とすることができる。
第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画は、第2の方向において、第1のマスク21dの第2の架橋部24dによって分離されている。第2の方向において互いに隣り合う第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画の間の距離d3yは、第2の方向における第1のマスク21dの第2の架橋部24dの幅である。第2の方向において互いに隣り合う第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画の間の距離d3yは、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向における第1のマスク21dの第2の架橋部24dの幅は、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第1のマスク21dを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1yを、30μm以上1mm以下とすることができる。
本実施の形態では、第1の方向において互いに隣り合う第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画の間の距離d3xは、第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画のそれぞれの第1の方向における長さw3xの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第1のマスク21dの第1の架橋部23dの幅は、第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画のそれぞれの第1の方向における長さw3xの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第1のマスク21dを用いることによって、第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1xを、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれの第1の方向における長さw1xの1000分の1以上10分の1以下とすることができる。
本実施の形態では、第2の方向において互いに隣り合う第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画の間の距離d3yは、第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw3yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第1のマスク21dの第2の架橋部24dの幅は、第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw3yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第1のマスク21dを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1yを、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上10分の1以下とすることができる。
第1の方向において互いに隣り合う第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画の間の距離d3xは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第1の方向における第1のマスク21dの第1の架橋部23dの幅は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第1のマスク21dを用いることによって、第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1xを、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下とすることができる。
第2の方向において互いに隣り合う第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画の間の距離d3yは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第2の方向における第1のマスク21dの第2の架橋部24dの幅は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第1のマスク21dを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1yを、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下とすることができる。
本実施の形態では、第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画は、格子パターンで配置されている。第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画は、他のパターンで配置されてもよい。第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画のそれぞれは、円形の形状を有してもよい。第1のマスク21の第1の開口部22の複数の区画のそれぞれは、多角形または第1の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第1の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。
図22(B)を参照して、第2のマスク26dは、第2の開口部27dを有する。第2のマスク26dの第2の開口部27dは、第1の方向及び第2の方向において複数の区画に分離されている。
第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画は、第1の方向において、第2のマスク26dの第3の架橋部28dによって分離されている。第1の方向において互いに隣り合う第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画の間の距離d4xは、第1の方向における第2のマスク26dの第3の架橋部28dの幅である。第1の方向において互いに隣り合う第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画の間の距離d4xは、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向における第2のマスク26dの第4の架橋部29dの幅は、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第2のマスク26dを用いることによって、第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2xを、30μm以上1mm以下とすることができる。
第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画は、第2の方向において、第2のマスク26dの第4の架橋部29dによって分離されている。第2の方向において互いに隣り合う第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画の間の距離d4yは、第2の方向における第2のマスク26dの第4の架橋部29dの幅である。第2の方向において互いに隣り合う第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画の間の距離d4yは、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向における第2のマスク26dの第4の架橋部29dの幅は、例えば、30μm以上1mm以下であってもよい。第2のマスク26dを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yを、30μm以上1mm以下とすることができる。
本実施の形態では、第1の方向において互いに隣り合う第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画の間の距離d4xは、第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画のそれぞれの第1の方向における長さw4xの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2のマスク26dの第3の架橋部28dの幅は、第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画のそれぞれの第1の方向における長さw4xの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2のマスク26dを用いることによって、第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2xを、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれの第1の方向における長さw2xの1000分の1以上10分の1以下とすることができる。
本実施の形態では、第2の方向において互いに隣り合う第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画の間の距離d4yは、第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw4yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2のマスク26dの第4の架橋部29dの幅は、第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw4yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2のマスク26dを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yを、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上10分の1以下とすることができる。
第1の方向において互いに隣り合う第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画の間の距離d4xは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第1の方向における第2のマスク26dの第3の架橋部28dの幅は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第2のマスク26dを用いることによって、第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2xを、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下とすることができる。
第2の方向において互いに隣り合う第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画の間の距離d4yは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第2の方向における第2のマスク26dの第4の架橋部29dの幅は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第2のマスク26dを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yを、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下とすることができる。
本実施の形態では、第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画は、格子パターンで配置されている。第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画は、他のパターンで配置されてもよい。第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画のそれぞれは、第2の丸い角を有する正方形の形状を有してもよい。第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画のそれぞれは、円形、多角形または第2の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第2の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。
第3のマスク31dの第3の開口部32dは、第1の方向及び第2の方向において複数の区画に分離されている。本実施の形態では、第3のマスク31dの第3の開口部32dの複数の区画は、複数の第1の区画と複数の第2の区画とを有している。第3のマスク31dの第3の開口部32dの複数の第1の区画は、複数の第1の電極11dに対応する。第3のマスク31dの第3の開口部32dの複数の第1の区画のそれぞれは、円形の形状を有してもよい。第3のマスク31dの第3の開口部32dの複数の第1の区画は、格子パターンで配置されている。第3のマスク31dの第3の開口部32dの複数の第2の区画は、複数の第2の電極13dに対応する。第3のマスク31dの第3の開口部32dの複数の第2の区画のそれぞれは、第4の丸い角を有する正方形の形状を有してもよい。第3のマスク31dの第3の開口部32dの複数の第2の区画は、格子パターンで配置されている。円形及び第4の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。
本実施の形態の光電変換素子1dは、実施の形態1の光電変換素子1の効果に加えて、以下の効果を有する。
本実施の形態の光電変換素子1dでは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれと第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または第1の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。そのため、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dの特定の部分にこのキャリアが集中して、この特定の部分の温度が上昇することを抑制することができる。第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dの温度上昇に起因して、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dが劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dが半導体基板2から剥がれることを抑制することができる。
本実施の形態の光電変換素子1dでは、この円形及び第1の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下であってもよい。そのため、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)が、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dの特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することをさらに抑制することができる。第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dの温度上昇に起因する、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dが劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dが半導体基板2から剥がれることをさらに抑制することができる。
本実施の形態の光電変換素子1dでは、第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1x、第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2x、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。そのため、この少数キャリアは、第1の非晶質半導体膜7d及び第1の電極11d、または第2の非晶質半導体膜9d及び第2の電極13dを通じて効率的に収集され得る。
本実施の形態の光電変換素子1dでは、本実施の形態の光電変換素子1では、第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1x、第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2x、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは、30μm以上1mm以下であってもよい。第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1x、第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2x、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは、30μm以上である。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7d及び第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9dの少なくとも1つの面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1dによれば、さらに向上された耐熱性を有する光電変換素子1dを提供することができる。第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1x、第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2x、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは、1mm以下である。そのため、光電変換素子1dにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換素子1dでは、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1yは、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1yは、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上である。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1dによれば、さらに向上された耐熱性を有する光電変換素子1dを提供することができる。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1yは、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの10分の1以下である。そのため、光電変換素子1dにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換素子1dでは、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yは、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yは、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上である。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型を有する第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9dの面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1dによれば、さらに向上された耐熱性を有する光電変換素子1dを提供することができる。第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yは、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの10分の1以下である。そのため、光電変換素子1dにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換素子1dでは、半導体基板2に対する第1の非晶質半導体膜7dの面積比と、半導体基板2に対する第2の非晶質半導体膜9dの面積比とを自由に変更することができる。例えば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときのn型単結晶半導体基板からなる半導体基板2の面積に対するp型非晶質シリコン膜からなる第1の非晶質半導体膜7dの面積の割合を大きくすると、光電変換素子1dにおける電流収集を向上させることができる。他方、半導体基板2の第2の面2b側から見たときのn型単結晶半導体基板からなる半導体基板2の面積に対するn型非晶質シリコン膜からなる第2の非晶質半導体膜9dの面積の割合を大きくすると、光電変換素子1aにおけるパッシベーション性を向上させることができる。その結果、本実施の形態の光電変換素子1dにより、設計の自由度が向上された光電変換素子を提供することができる。
本実施の形態の光電変換素子1dによれば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7d、第2の非晶質半導体膜9d、第1の電極11d、及び第2の電極13dの形状及びパターンを、自由に変更することができる。そのため、本実施の形態の光電変換素子1dによれば、設計の自由度が向上された光電変換素子を提供することができる。
本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法は、実施の形態1の光電変換素子1の製造方法の効果に加えて、以下の効果を有する。
本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法によれば、第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画のそれぞれと第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。本実施の形態の光電変換素子1の製造方法によれば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれと第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれとの少なくとも1つが、円形、多角形または丸い角を有する多角形の形状を有する、第1の非晶質半導体膜7d及び第2の非晶質半導体膜9dを備える光電変換素子1dを製造することができる。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれと第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または丸い角を有する多角形の形状を有している。そのため、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dの特定の部分にこのキャリアが集中して、この特定の部分の温度が上昇することを抑制することができる。第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dの温度上昇に起因して、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dが劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dが半導体基板2から剥がれることを抑制することができる。
本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法では、この円形及び丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下であってもよい。そのため、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)が、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dの特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することをさらに抑制することができる。第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dの温度上昇に起因する、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dが劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜7dまたは第2の非晶質半導体膜9dが半導体基板2から剥がれることをさらに抑制することができる。
本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法では、第1の方向における第1のマスク21dの第1の架橋部23dの幅、第1の方向における第2のマスク26dの第3の架橋部28dの幅、第2の方向における第1のマスク21dの第2の架橋部24dの幅、及び第2の方向における第2のマスク26dの第4の架橋部29dの幅の少なくとも1つは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第1のマスク21d及び第2のマスク26dの少なくとも1つを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つを、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下とすることができる。本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法によれば、この少数キャリアは、第1の非晶質半導体膜7d及び第1の電極11d、または第2の非晶質半導体膜9d及び第2の電極13dを通じて効率的に収集され得る。
本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法では、第1の方向における第1のマスク21dの第1の架橋部23dの幅、第1の方向における第2のマスク26dの第3の架橋部28dの幅、第2の方向における第1のマスク21dの第2の架橋部24dの幅、及び第2の方向における第2のマスク26dの第4の架橋部29dの幅の少なくとも1つは、30μm以上1mm以下であってもよい。第1のマスク21d及び第2のマスク26dの少なくとも1つを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つを、30μm以上とすることができる。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型の第1の非晶質半導体膜7d及び第2の導電型の第2の非晶質半導体膜9dの少なくとも1つの面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法によれば、さらに向上された耐熱性を有する光電変換素子1dを製造することができる。また、第1の方向における第1のマスク21dの第1の架橋部23dの幅、第1の方向における第2のマスク26dの第3の架橋部28dの幅、第2の方向における第1のマスク21dの第2の架橋部24dの幅、及び第2の方向における第2のマスク26dの第4の架橋部29dの幅の少なくとも1つは、30μm以上である。そのため、第1のマスク21d及び第2のマスク26dの少なくとも1つを用いて第1の非晶質半導体膜7d及び第2の非晶質半導体膜9dの少なくとも1つを形成する際に、第1のマスク21d及び第2のマスク26dの少なくとも1つが撓んで第1の開口部22d及び第2の開口部27dの少なくとも1つが変形することを抑制することができる。第1の非晶質半導体膜7d及び第2の非晶質半導体膜9dの少なくとも1つがより正確なパターンで形成され得る。さらに、第1のマスク21d及び第2のマスク26dの少なくとも1つを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つを、1mm以下とすることができる。そのため、本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法によれば、光電変換素子1dにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法では、第2の方向における第1のマスク21dの第2の架橋部24dの幅は、第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw3yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第1のマスク21dを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1yを、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上とすることができる。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7dの面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法によれば、さらに向上された耐熱性を有する光電変換素子1dを製造することができる。また、第2の方向における第1のマスク21dの第2の架橋部24dの幅は、第1のマスク21dの第1の開口部22dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw3yの1000分の1以上である。そのため、第2の架橋部24dによって第1のマスク21dの機械的強度を向上させることができる。第1のマスク21dを用いて第1の非晶質半導体膜7dを形成する際に、第1のマスク21dが撓んで第1の開口部22dが変形することを抑制することができる。本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法によれば、第1の非晶質半導体膜7dがより正確なパターンで形成され得る。さらに、第1のマスク21dを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画の間の距離g1yを、第1の非晶質半導体膜7dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの10分の1以下とすることができる。本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法によれば、光電変換素子1dにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法では、第2の方向における第2のマスク26dの第4の架橋部29dの幅は、第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw4yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2のマスク26dを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yを、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上とすることができる。そのため、低い耐熱性を有する第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9dの面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法によれば、さらに向上された耐熱性を有する光電変換素子1dを製造することができる。また、第2の方向における第2のマスク26dの第4の架橋部29dの幅は、第2のマスク26dの第2の開口部27dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw4yの1000分の1以上である。そのため、第4の架橋部29dによって第2のマスク26dの機械的強度を向上させることができる。第2のマスク26dを用いて第2の非晶質半導体膜9dを形成する際に、第2のマスク26dが撓んで第2の開口部27dが変形することを抑制することができる。本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法によれば、第2の非晶質半導体膜9dがより正確なパターンで形成され得る。さらに、第2のマスク26を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画の間の距離g2yを、第2の非晶質半導体膜9dの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの10分の1以下とすることができる。そのため、本実施の形態の光電変換素子1dの製造方法によれば、光電変換素子1dにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
(実施の形態6)
図23から図25を参照して、実施の形態6の光電変換素子1e及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換素子1eは、基本的には、図1から図3に示される実施の形態1の光電変換素子1と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、第1の電極11eの形状及び第2の電極13eの形状が異なる。
本実施の形態の光電変換素子1eでは、第1の電極11eは、第2の方向において連続的に形成されており、第2の方向において分離されていない。本実施の形態では、第2の方向において、第1の非晶質半導体膜7eの複数の区画が並んでいる。第2の方向における第1の非晶質半導体膜7eの複数の区画の間の半導体基板2の第2の面2b上に、i型非晶質半導体膜5が存在する。第1の電極11eと半導体基板2との間にi型非晶質半導体膜5が存在するため、第2の方向において連続的に形成された第1の電極11eは、光電変換素子1eの特性を大きく低下させない。
本実施の形態の光電変換素子1eでは、第2の電極13eは、第2の方向において連続的に形成されており、第2の方向において分離されていない。本実施の形態では、第2の方向において、第2の非晶質半導体膜9eの複数の区画が並んでいる。第2の方向における第2の非晶質半導体膜9eの複数の区画の間の半導体基板2の第2の面2b上に、i型非晶質半導体膜5が存在する。第2の電極13eと半導体基板2との間にi型非晶質半導体膜5が存在するため、第2の方向において連続的に形成された第2の電極13eは、光電変換素子1eの特性を大きく低下させない。
本実施の形態の光電変換素子1eの製造方法の一例は、基本的には、図4から図14に示される実施の形態1の光電変換素子1の製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第3のマスク31eの第3の開口部32の形状が異なる。本実施の形態では、図26に示される第3のマスク31eを用いて、第1の電極11e及び第2の電極13eが形成される。
第3のマスク31eは、第3の開口部32eを有する。第3のマスク31eの第3の開口部32eは、第1の方向において複数の区画に分離されている。より特定的には、第3のマスク31eの第3の開口部32eの複数の区画は、第1の方向において、第3のマスク31eの第5の架橋部33eによって分離されている。
第3のマスク31eの第3の開口部32eの複数の区画のそれぞれは、第2の方向に延在する第3の丸い角を有する長方形の形状を有してもよい。第3の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。
(実施の形態7)
図16(A)、図27(A)から図28(B)を参照して、実施の形態7の光電変換素子1f及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換素子1fは、基本的には、図15(A)から図16(C)に示される実施の形態2の光電変換素子1aと同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、第2の非晶質半導体膜9f及び第2の電極13fの配置パターンが異なる。
図27(A)及び図27(B)を参照して、第2の方向における第1の非晶質半導体膜7fの複数の区画の周期p11は、第2の方向における第2の非晶質半導体膜9fの複数の区画の周期p12よりも小さい。第1の非晶質半導体膜7fの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yは、第2の非晶質半導体膜9fの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yはよりも小さい。第2の方向における複数の第1の電極11fの周期は、第2の方向における複数の第2の電極13fの周期よりも小さい。複数の第1の電極11fのそれぞれの第2の方向における長さは、複数の第2の電極13fのそれぞれの第2の方向における長さよりも小さい。
本実施の形態の光電変換素子1fの製造方法の一例は、基本的には、実施の形態2の光電変換素子1aの製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第2のマスク26fの第2の開口部27f、第3のマスク31fの第3の開口部32fが異なる。図16(A)に示される第1のマスク21aを用いて、第1の非晶質半導体膜7fが形成される。図28(A)に示される第2のマスク26fを用いて、第2の非晶質半導体膜9fが形成される。図28(B)に示される第3のマスク31fを用いて、第1の電極11f及び第2の電極13fが形成される。
図16(A)及び図28(A)を参照して、第2の方向における第1のマスク21aの第1の開口部22aの複数の区画の周期は、第2の方向における第2のマスク26fの第2の開口部27fの複数の区画の周期よりも小さい。第2の方向における第1のマスク21aの第1の開口部22aの複数の区画のそれぞれの長さw3yは、第2の方向における第2のマスク26fの第2の開口部27fの複数の区画のそれぞれの長さw4yよりも小さい。第2の開口部27fの複数の区画は、第1の方向において第3の架橋部28fによって分離され、第2の方向において第4の架橋部29fによって分離されている。図28(B)を参照して、第1の電極11fに対応する第3のマスク31fの第3の開口部32fの複数の区画の周期は、第2の電極13fに対応する第3のマスク31fの第3の開口部32fの複数の区画の周期よりも小さい。第1の電極11fに対応する第3のマスク31fの第3の開口部32fの複数の区画の第2の方向におけるそれぞれの長さは、第2の電極13fに対応する第3のマスク31fの第3の開口部32fの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw5yよりも小さい。第3の開口部32fの複数の区画は、第1の方向において第5の架橋部33fによって分離され、第2の方向において第6の架橋部34fによって分離されている。
本実施の形態の光電変換素子1f及びその製造方法の効果を説明する。本実施の形態の光電変換素子1fでは、第2の方向における第1の非晶質半導体膜7fの複数の区画の周期p11は、第2の方向における第2の非晶質半導体膜9fの複数の区画の周期p12よりも小さい。例えば、第1の非晶質半導体膜7fがp型非晶質半導体膜であり、第2の非晶質半導体膜9fがn型非晶質半導体膜である場合には、第1の非晶質半導体膜7fは第2の非晶質半導体膜9fよりも低い耐熱性を有するとともに、第2の非晶質半導体膜9fは第1の非晶質半導体膜7fよりも向上したパッシベーション性を提供する。本実施の形態の光電変換素子1f及びその製造方法によれば、低い耐熱性を有する第1の非晶質半導体膜7fの面積をさらに減少させ得る。光電変換素子1fは、さらに向上された耐熱性を有する。本実施の形態の光電変換素子1f及びその製造方法によれば、向上したパッシベーション性を有する第2の非晶質半導体膜9fの面積を増加させ得る。光電変換素子1fは、さらに向上されたパッシベーション性を有する。
(実施の形態8)
図16(A)、図29(A)から図30(B)を参照して、実施の形態8の光電変換素子1g及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換素子1gは、基本的には、図15(A)から図16(C)に示される実施の形態2の光電変換素子1aと同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、第2の非晶質半導体膜9g及び第2の電極13gの配置パターンが異なる。
図29(A)及び図29(B)を参照して、第2の方向における第1の非晶質半導体膜7gの複数の区画の間の間隔g11は、第2の方向における第2の非晶質半導体膜9gの複数の区画の間の間隔g12よりも小さい。第2の方向における複数の第1の電極11gの間の間隔は、第2の方向における複数の第2の電極13gの間の間隔よりも小さい。
本実施の形態の光電変換素子1gの製造方法の一例は、基本的には、実施の形態2の光電変換素子1aの製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第2のマスク26gの第2の開口部27g、第3のマスク31gの第3の開口部32gが異なる。図16(A)に示される第1のマスク21aを用いて、第1の非晶質半導体膜7gが形成される。図30(A)に示される第2のマスク26gを用いて、第2の非晶質半導体膜9gが形成される。図30(B)に示される第3のマスク31gを用いて、第1の電極11g及び第2の電極13gが形成される。
図16(A)及び図30(A)を参照して、第2の方向における第1のマスク21aの第1の開口部22aの複数の区画の間の距離d3yは、第2の方向における第2のマスク26gの第2の開口部27gの複数の区画の間の距離d4yよりも小さい。第2の開口部27gの複数の区画は、第1の方向において第3の架橋部28gによって分離され、第2の方向において第4の架橋部29gによって分離されている。図30(B)を参照して、第1の電極11gに対応する第3のマスク31gの第3の開口部32gの複数の区画の間の間隔は、第2の電極13gに対応する第3のマスク31gの第3の開口部32gの複数の区画の間の距離d5yよりも小さい。第3の開口部32gの複数の区画は、第1の方向において第5の架橋部33gによって分離され、第2の方向において第6の架橋部34gによって分離されている。
本実施の形態の光電変換素子1g及びその製造方法の効果を説明する。本実施の形態の光電変換素子1gでは、第2の方向における第1の非晶質半導体膜7gの複数の区画の間の間隔g11は、第2の方向における第2の非晶質半導体膜9gの複数の区画の間の間隔g12よりも小さい。そのため、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリアが、第1の非晶質半導体膜7及び第1の電極11を通じてさらに効率的に収集され得る。
(実施の形態9)
図31から図34を参照して、実施の形態9に係る光電変換モジュール51を説明する。
本実施の形態の光電変換モジュール51は、光電変換素子1hと、配線シート40とを備えている。
本実施の形態の光電変換素子1hは、基本的には、図1(A)から図3に示される実施の形態1の光電変換素子1と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、第1の非晶質半導体膜7h及び第2の非晶質半導体膜9hの配置パターンが異なる。
半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7hは、第2の方向に延在するストライプ状に配置されている。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7hは、第1の方向において複数の区画に分離され、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれは第2の方向に延在する。第1の非晶質半導体膜7hの複数の区画は、第1の方向において周期的に配置されてもよいし、周期的に配置されなくてもよい。
半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第2の非晶質半導体膜9hは、第2の方向に延在するストライプ状に配置されている。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第2の非晶質半導体膜9hは、第1の方向において複数の区画に分離され、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれは第2の方向に延在する。第2の非晶質半導体膜9hの複数の区画は、第1の方向において周期的に配置されてもよいし、周期的に配置されていなくてもよい。
第1の非晶質半導体膜7hの上に、複数の第1の電極11が設けられる。第1の非晶質半導体膜7hの複数の区画のそれぞれの上に、複数の第1の電極11が設けられてもよい。複数の第1の電極11は、第1の方向及び第2の方向において互いに分離されている。
第2の非晶質半導体膜9hの上に、複数の第2の電極13が設けられる。第2の非晶質半導体膜9hの複数の区画のそれぞれの上に、複数の第2の電極13が設けられてもよい。複数の第2の電極13は、第1の方向及び第2の方向において互いに分離されている。
図34を参照して、配線シート40は、基材41と、基材41上の複数の第1の配線42と複数の第2の配線43とを含む。
基材41として、ポリエステル、ポリエチレンナフタレートまたはポリイミドなどの絶縁性フィルムを例示することができる。
第1の配線42および第2の配線43は、それぞれ帯状に形成されている。第1の配線42の長手方向は、第2の配線43の長手方向と同じ方向である。第1の配線42および第2の配線43は、基材41上に、互いに間隔を空けて、交互に配置されている。
複数の第1の配線42の一端および複数の第2の配線43の一端は、それぞれ、帯状の集電用配線44に電気的に接続されている。集電用配線44は、基材41上に配置されている。集電用配線44の長手方向は、第1の配線42長手方向および第2の配線43の長手方向と交差する。集電用配線44は、複数の第1の配線42または複数の第2の配線43から電流を集める機能を有する。第1の配線42、第2の配線43および集電用配線44としては、導電性材料を用いることができる。この導電性材料として、銅などの金属を例示することができる。
図31及び図32を参照して、光電変換素子1hは、接合材38を用いて、配線シート40に機械的に接続される。光電変換素子1hを配線シート40に機械的に接続することは、例えば、絶縁性の樹脂接着材を用いて光電変換素子1hを配線シート40に接着することであってもよいし、はんだを用いて光電変換素子1hを配線シート40に固着することであってもよい。また、光電変換素子1hは、配線シート40に電気的に接続される。光電変換素子1hの複数の第1の電極11は、配線シート40の第1の配線42に電気的に接続される。光電変換素子1hの複数の第2の電極13は、配線シート40の第2の配線43に電気的に接続される。
本実施の形態では、接合材38は、第1の方向において互いに隣り合う第1の電極11及び第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域に設けられている(図31参照)。さらに、本実施の形態では、接合材38は、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11と配線シート40とによって囲まれる領域に設けられている(図32参照)。本実施の形態では、接合材38は、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域に設けられている。接合材38は、互いに隣り合う複数の第1の電極11と配線シート40とによって囲まれる領域及び互いに隣り合う複数の第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域の少なくとも1つに設けられていてもよい。接合材38は、互いに隣り合う第1の電極11及び第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域に設けられていなくてもよい。
本実施の形態では、接合材38として、絶縁性の接合材が用いられている。絶縁性の接合材として、絶縁性の樹脂接着剤を例示することができる。第1の電極11と第2の電極13とが短絡せず、かつ、第1の配線42と第2の配線43とが短絡しなければ、接合材38として、導電性の接合材を用いてもよい。例えば、第1の電極11と第2の電極13との間、及び、第1の配線42と第2の配線43との間に電気的に絶縁性を有する堰を設けることによって、導電性の接合材が、第1の電極11と第2の電極13とを短絡させること、および、第1の配線42と第2の配線43とを短絡させることを防ぐことができる。導電性の接合材として、はんだ、導電性接着剤、異方導電性フィルム(ACF)、異方導電性ペースト(ACP)を例示することができる。光電変換素子1hを配線シート40に電気的に接続するために用いられる接合材38として、導電性の接合材と絶縁性の接合材とを併用してもよい。
本実施の形態では、配線シート40上に複数の光電変換素子1hが設けられている。配線シート40上に設けられる光電変換素子1hの個数は1個でもよい。
本実施の形態に係る光電変換モジュール51の製造方法の一例について説明する。
下記に例示される製造方法により製造された光電変換素子1hを用意する。配線シート40を用意する。配線シート40は、以下の例示的な方法によって製造されてもよい。基材41の全面に導電膜を形成する。この導電膜をパターニングすることによって、基材41上に、配線シート40の第1の配線42、第2の配線43および集電用配線44が形成される。それから、接合材38によって、配線シート40を光電変換素子1hに機械的に接続する。光電変換素子1hを配線シート40に電気的に接続する。
本実施の形態では、配線シート40の第1の配線42と第2の配線43との間に接合材38を設ける。接合材38は、配線シート40及び光電変換素子1hの少なくとも1つに設けられていればよい。例えば、接合材38は、配線シート40の第1の配線42及び第2の配線43の上に設けられてもよい。接合材38は、第1の方向において互いに隣り合う第1の電極11と第2の電極13との間に設けられてもよい。接合材38は、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間に設けられてもよい。接合材38は、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間に設けられてもよい。
接合材38によって、配線シート40が、光電変換素子1hの第1の電極11及び第2の電極13が形成された面に機械的に接続される。本実施の形態では、接合材38が、第1の方向において互いに隣り合う第1の電極11及び第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域だけでなく、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11と配線シート40とによって囲まれる領域と(図32参照)、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域にも広がる。そのため、配線シート40が、向上された機械的な接続強度で、光電変換素子1hに機械的に接続される。また、第1の電極11が第1の配線42に接触して、第1の電極11は第1の配線42に電気的に接続される。第2の電極13が第2の配線43に接触して、第2の電極13は第2の配線43に電気的に接続される。こうして、本実施の形態に係る光電変換モジュール51を製造することができる。
図4から図7、図14及び図35から図39を参照して、本実施の形態に係る光電変換モジュール51が備える光電変換素子1hの製造方法の一例について説明する。光電変換素子1hの製造方法は、実施の形態1の光電変換素子1の製造方法と同様の工程を備え、同様の効果を得ることができるが、第1のマスク21hの第1の開口部22hの形状、第2のマスク26hの第2の開口部27hの形状、第1の非晶質半導体膜7hの形状及び第2の非晶質半導体膜9hの配置パターンが異なる。
図4に示す工程により、半導体基板2の第1の面2aに凹凸が形成される。図5及び図6に示す工程により、半導体基板2の第1の面2a上に、第3の非晶質半導体膜3及び反射防止膜4が形成される。図7に示す工程により、半導体基板2の第2の面2b上に、i型非晶質半導体膜5が形成される。
図35及び図36を参照して、i型非晶質半導体膜5上に、第1の開口部22hを有する第1のマスク21hを載置する。第1のマスク21hの第1の開口部22hは、第2の方向に延在するストライプ状に配置されている。第1のマスク21hの第1の開口部22hは、第1の架橋部23hによって、第1の方向において複数の区画に分離されている。第1のマスク21hの第1の開口部22hの複数の区画のそれぞれは第2の方向に延在する。第1のマスク21hの第1の開口部22hの複数の区画は、第1の方向において、第1のマスク21hの第1の架橋部23hによって分離されている。
第1のマスク21hの第1の開口部22hの複数の区画のそれぞれは、第1の丸い角を有する長方形の形状を有してもよい(図36参照)。第1のマスク21hの第1の開口部22hの複数の区画のそれぞれは、円形、多角形または第1の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第1の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。第1のマスク21hとして、メタルマスクを例示することができる。
図37を参照して、半導体基板2の第2の面2b上の第1のマスク21hの第1の開口部22hが位置する領域に、第1の非晶質半導体膜7hが形成される。より特定的には、i型非晶質半導体膜5上の第1のマスク21hの第1の開口部22hが位置する領域に、第1の非晶質半導体膜7hが形成される。第1の非晶質半導体膜7hの形成方法は特に限定されないが、たとえばプラズマ化学的気相堆積(CVD)法を用いることができる。その後、第1のマスク21hは除去される。
図38及び図39を参照して、第1の非晶質半導体膜7h上に、第2の開口部27hを有する第2のマスク26hを載置する。第2のマスク26hの第2の開口部27hは、第2の方向に延在するストライプ状に配置されている。第2のマスク26hの第2の開口部27hは、第3の架橋部28hによって、第1の方向において複数の区画に分離されている。第2のマスク26hの第2の開口部27hの複数の区画のそれぞれは第2の方向に延在する。第2のマスク26hの第2の開口部27hの複数の区画は、第1の方向において、第2のマスク26hの第3の架橋部28hによって分離されている。
第2のマスク26hの第2の開口部27hの複数の区画のそれぞれは、第2の丸い角を有する長方形の形状を有してもよい(図39参照)。第2のマスク26hの第2の開口部27hの複数の区画のそれぞれは、円形、多角形または第2の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。円形及び第2の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下、好ましくは、10μm以上1mm以下であってもよい。第2のマスク26hとして、メタルマスクを例示することができる。
図40を参照して、半導体基板2の第2の面2b上の第2のマスク26hの第2の開口部27hが位置する領域に、第2の非晶質半導体膜9hが形成される。より特定的には、i型非晶質半導体膜5上の第2のマスク26hの第2の開口部27hが位置する領域に、第2の非晶質半導体膜9hが形成される。第2の非晶質半導体膜9hの形成方法は特に限定されないが、たとえばプラズマ化学的気相堆積(CVD)法を用いることができる。その後、第2のマスク26hは除去される。
次に、第1の非晶質半導体膜7h上に複数の第1の電極11を形成する。第1の非晶質半導体膜7の各区画上に複数の第1の電極11を形成してもよい。第2の非晶質半導体膜9上に複数の第2の電極13を形成する。第2の非晶質半導体膜9の各区画上に複数の第2の電極13を形成してもよい。図14に示される、第3の開口部32を有する第3のマスク31を用いて、第1の非晶質半導体膜7上に複数の第1の電極11を形成し、第2の非晶質半導体膜9上に複数の第2の電極13を形成してもよい。その後、第3のマスク31は除去される。こうして、図31から図33に示される本実施の形態の光電変換素子1hを得ることができる。
本実施の形態の光電変換モジュール51及びその製造方法の効果を説明する。
本実施の形態の光電変換モジュール51は、光電変換素子1hと、配線シート40とを備える。光電変換素子1hは、半導体基板2と、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7hと、第1の導電型と異なる第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9hと、複数の第1の電極11と、複数の第2の電極13とを含む。半導体基板2は、第1の面2aと第1の面2aと反対側の第2の面2bとを有する。半導体基板2は、単結晶半導体基板である。半導体基板2は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向とに延在する。第1の非晶質半導体膜7hは、半導体基板2の第2の面2b上に設けられる。第2の非晶質半導体膜9hは、半導体基板2の第2の面2b上に設けられる。複数の第1の電極11は、第1の方向及び第2の方向において互いに分離される。複数の第2の電極13は、第1の方向及び第2の方向において互いに分離される。光電変換素子1hは、接合材38によって配線シート40に機械的に接続される。接合材38は、互いに隣り合う複数の第1の電極11と配線シート40とによって囲まれる領域及び互いに隣り合う複数の第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域の少なくとも1つに設けられる。配線シート40は、第1の配線42と第2の配線43とを含む。第1の配線42は、複数の第1の電極11に電気的に接続される。第2の配線43は、複数の第2の電極13に電気的に接続される。
本実施の形態の光電変換モジュール51では、接合材38は、互いに隣り合う複数の第1の電極11と配線シート40とによって囲まれる領域及び互いに隣り合う複数の第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域の少なくとも1つに設けられている。そのため、接合材38による光電変換素子1hと配線シート40との接合面積が広くなる。その結果、本実施の形態の光電変換モジュール51によれば、光電変換素子1hと配線シート40との機械的な接続強度が向上される。
本実施の形態の光電変換モジュール51では、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても、複数の第1の電極11は互いに分離されている。そのため、複数の第1の電極11の一部が第1の非晶質半導体膜7hから剥がれても、複数の第1の電極11の残りは、第1の非晶質半導体膜7hから剥がれない。本実施の形態の光電変換モジュール51は、低い故障率を有する。本実施の形態の光電変換モジュール51では、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても、複数の第2の電極13は互いに分離されている。そのため、複数の第2の電極13の一部が第2の非晶質半導体膜9hから剥がれても、複数の第2の電極13の残りは、第2の非晶質半導体膜9hから剥がれない。本実施の形態の光電変換モジュール51は、低い故障率を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、複数の第1の電極11のそれぞれと複数の第2の電極13のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または第3の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)は、第1の電極11または第2の電極13へ移動する。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、複数の第1の電極11のそれぞれと複数の第2の電極13のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または第3の丸い角を有する多角形の形状を有している。そのため、第1の電極11または第2の電極13の特定の部分にこのキャリアが集中して、この特定の部分の温度が上昇することを抑制することができる。第1の電極11または第2の電極13の温度上昇に起因して、第1の電極11もしくは第2の電極13が劣化すること、または、第1の電極11もしくは第2の電極13が半導体基板2から剥がれることを抑制することができる。
本実施の形態の光電変換モジュール51では、この円形及び第3の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下であってもよい。このため、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)が、第1の電極11または第2の電極13の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することをさらに抑制することができる。第1の電極11または第2の電極13の温度上昇に起因する、第1の電極11もしくは第2の電極13が劣化すること、または、第1の電極11もしくは第2の電極13が半導体基板2から剥がれることをさらに抑制することができる。
本実施の形態の光電変換モジュール51では、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離、及び第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離の少なくとも1つは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。そのため、この少数キャリアは、第1の電極11または第2の電極13を通じて効率的に収集され得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51では、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離、及び第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離の少なくとも1つは、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離、及び第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離の少なくとも1つは、30μm以上である。そのため、光電変換素子1hと配線シート40との機械的な接続強度がさらに向上され得る。第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離、及び第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離の少なくとも1つは、1mm以下である。そのため、本実施の形態の光電変換モジュール51において、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51では、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離は、複数の第1の電極11のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離は、複数の第1の電極11のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上である。そのため、光電変換素子1hと配線シート40との機械的な接続強度がさらに向上され得る。第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離は、複数の第1の電極11のそれぞれの第2の方向における長さの10分の1以下である。そのため、本実施の形態の光電変換モジュール51において、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51では、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離は、複数の第2の電極13のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離は、複数の第2の電極13のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上である。そのため、光電変換素子1hと配線シート40との機械的な接続強度がさらに向上され得る。第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離を、複数の第2の電極13のそれぞれの第2の方向における長さの10分の1以下である。そのため、本実施の形態の光電変換モジュール51において、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51では、半導体基板2と第1の非晶質半導体膜7hとの間、及び、半導体基板2と第2の非晶質半導体膜9hとの間に、i型非晶質半導体膜5をさらに備えてもよい。i型非晶質半導体膜5は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)が再結合することを低減することができる。そのため、本実施の形態の光電変換モジュール51によれば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率をさらに向上させることができる。
本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法は、以下の工程を備える。光電変換素子1hを用意する。光電変換素子1hは、半導体基板2と、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7hと、第1の導電型と異なる第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9hと、複数の第1の電極11と、複数の第2の電極13とを含む。半導体基板2は、第1の面2aと第1の面2aと反対側の第2の面2bとを有する。半導体基板2は、単結晶半導体基板である。半導体基板2は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向とに延在する。第1の非晶質半導体膜7hは、半導体基板2の第2の面2b上に設けられる。第2の非晶質半導体膜9hは、半導体基板2の第2の面2b上に設けられる。複数の第1の電極11は、第1の方向及び第2の方向において互いに分離される。複数の第2の電極13は、第1の方向及び第2の方向において互いに分離される。第1の配線42と第2の配線43とを含む配線シート40を用意する。配線シート40及び光電変換素子1hの少なくとも1つに接合材38を設ける。接合材38によって光電変換素子1hを配線シート40に機械的に接続する。接合材38は、互いに隣り合う複数の第1の電極11と配線シート40とによって囲まれる領域及び互いに隣り合う複数の第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域の少なくとも1つに設けられる。第1の配線42を複数の第1の電極11に電気的に接続する。第2の配線43を複数の第2の電極13に電気的に接続する。
本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法によれば、接合材38は、互いに隣り合う複数の第1の電極11と配線シート40とによって囲まれる領域及び互いに隣り合う複数の第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域の少なくとも1つに設けられている。接合材38による光電変換素子1hと配線シート40との接合面積が広くなる。本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法によれば、光電変換素子1hと配線シート40との機械的な接続強度が向上され得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法によれば、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても、複数の第1の電極11は互いに分離されている。そのため、複数の第1の電極11の一部が第1の非晶質半導体膜7hから剥がれても、複数の第1の電極11の残りは、第1の非晶質半導体膜7hから剥がれない。その結果、向上された良品率で光電変換モジュール51が製造され得る。本実施の形態の光電変換モジュール51では、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても、複数の第2の電極13は互いに分離されている。そのため、複数の第2の電極13の一部が第2の非晶質半導体膜9hから剥がれても、複数の第2の電極13の残りは、第2の非晶質半導体膜9hから剥がれない。本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法によれば、向上された良品率で光電変換モジュール51が製造され得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法では、光電変換素子1hを用意することは、第5の架橋部33と第6の架橋部34と第3の開口部32とを有する第3のマスク31を用いて、複数の第1の電極11と複数の第2の電極13とを形成することを含んでもよい。第3の開口部32は、第1の方向において第5の架橋部33によって複数の区画に分離され、第2の方向において第6の架橋部34によって複数の区画に分離されてもよい。第3のマスク31は、第5の架橋部33だけでなく第6の架橋部34をも有する。第5の架橋部33及び第6の架橋部34は、第3のマスク31の機械的強度を向上させることができる。第3のマスク31を用いて複数の第1の電極11及び複数の第2の電極13を形成する際に、第3のマスク31が撓んで第3の開口部が変形することを抑制することができる。そのため、本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法によれば、複数の第1の電極11及び複数の第2の電極13がより正確なパターンで形成され得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法では、第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画のそれぞれは、円形、多角形または第3の丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)は、半導体基板2の第2の面2b上に形成された複数の第1の電極11または複数の第2の電極13へ移動する。本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法によれば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、複数の第1の電極11のそれぞれと複数の第2の電極13のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または第3の丸い角を有する多角形の形状を有する。そのため、第1の電極11または第2の電極13の特定の部分にこのキャリアが集中して、この特定の部分の温度が上昇することを抑制することができる。第1の電極11または第2の電極13の温度上昇に起因して、第1の電極11もしくは第2の電極13が劣化すること、または、第1の電極11もしくは第2の電極13が半導体基板2から剥がれることを抑制することができる。
本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法では、この円形及び第3の丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下であってもよい。このため、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)が、第1の電極11または第2の電極13の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することをさらに抑制することができる。第1の電極11または第2の電極13の温度上昇に起因する、第1の電極11もしくは第2の電極13が劣化すること、または、第1の電極11もしくは第2の電極13が半導体基板2から剥がれることをさらに抑制することができる。
本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法では、第6の架橋部34の幅は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。第6の架橋部34を有する第3のマスク31を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離を、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下とすることができる。第3のマスク31を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離を、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下とすることができる。そのため、この少数キャリアは、複数の第1の電極11または複数の第2の電極13を通じて効率的に収集され得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法では、第6の架橋部34の幅は、30μm以上1mm以下であってもよい。第6の架橋部34を有する第3のマスク31を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離を、30μm以上とすることができる。第6の架橋部34を有する第3のマスク31を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離を、30μm以上とすることができる。そのため、互いに隣り合う複数の第1の電極11と配線シート40とによって囲まれる領域及び互いに隣り合う複数の第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域が大きくなる。接合材38による光電変換素子1hと配線シート40との接合面積がさらに広くなる。光電変換素子1hと配線シート40との機械的な接続強度がさらに向上される。また、第6の架橋部34を有する第3のマスク31を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離を、1mm以下とすることができる。第6の架橋部34を有する第3のマスク31を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離を、1mm以下とすることができる。そのため、光電変換モジュール51において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法では、第6の架橋部34の幅は、第3のマスク31の第3の開口部32の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第6の架橋部34を有する第3のマスク31を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離を、複数の第1の電極11のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上とすることができる。第3のマスク31を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離を、複数の第2の電極13のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上とすることができる。そのため、互いに隣り合う複数の第1の電極11と配線シート40とによって囲まれる領域及び互いに隣り合う複数の第2の電極13と配線シート40とによって囲まれる領域が大きくなる。接合材38による光電変換素子1hと配線シート40との接合面積がさらに広くなる。そのため、光電変換素子1と配線シート40との機械的な接続強度がさらに向上され得る。また、第6の架橋部34を有する第3のマスク31を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11の間の距離を、複数の第1の電極11のそれぞれの第2の方向における長さの10分の1以下とすることができる。第3のマスク31を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13の間の距離を、複数の第2の電極13のそれぞれの第2の方向における長さの10分の1以下とすることができる。そのため、光電変換モジュール51において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法では、光電変換素子1hを用意することは、半導体基板2と第1の非晶質半導体膜7hとの間、及び、半導体基板2と第2の非晶質半導体膜9hとの間に、i型非晶質半導体膜5を形成することをさらに含んでもよい。i型非晶質半導体膜5は、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリア(電子または正孔)が再結合することを低減することができる。本実施の形態の光電変換モジュール51の製造方法によれば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率がさらに向上され得る。
本実施の形態の第1の変形例として、半導体基板2、第1の非晶質半導体膜7h、第2の非晶質半導体膜9hとして、それぞれ、n型単結晶シリコン基板、n型非晶質半導体膜、p型非晶質半導体膜が用いられてもよい。本実施の形態の第2の変形例として、半導体基板2、第1の非晶質半導体膜7h、第2の非晶質半導体膜9hとして、それぞれ、p型単結晶シリコン基板、p型非晶質半導体膜、n型非晶質半導体膜が用いられてもよい。本実施の形態の第3の変形例として、半導体基板2、第1の非晶質半導体膜7h、第2の非晶質半導体膜9hとして、それぞれ、p型単結晶シリコン基板、n型非晶質半導体膜、p型非晶質半導体膜が用いられてもよい。
(実施の形態10)
図41から図43を参照して、実施の形態10の光電変換モジュール51a及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換モジュール51aは、基本的には、図31から図34に示される実施の形態9の光電変換モジュール51と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、第1の非晶質半導体膜7及び第2の非晶質半導体膜9の形状が異なる。
本実施の形態の光電変換モジュール51aは、実施の形態1の光電変換素子1を備える。図43(A)及び図43(B)を参照して、本実施の形態の光電変換素子1は、実施の形態9の光電変換素子1hと同様の構成を有するが、本実施の形態の光電変換素子1では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7及び第2の非晶質半導体膜9は、第1の方向のみならず第2の方向においても、複数の区画に分離されている。本実施の形態では、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画と、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画とは、それぞれ、半導体基板2の第2の面2b上に格子パターンで配置されている。第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の配置パターンと、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の配置パターンとは、格子パターンに限られず、三角格子パターンや非周期的なパターンであってもよい。
本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法の一例は、基本的には、実施の形態9の光電変換モジュール51の製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第1のマスク21(図9を参照)の第1の開口部22の複数の区画の形状と、第2のマスク26(図12を参照)の第2の開口部27の複数の区画の形状とが異なる。本実施の形態では、図9に示される第1のマスク21を用いて、第1の非晶質半導体膜7が形成される。図12に示される第2のマスク26を用いて、第2の非晶質半導体膜9が形成される。
本実施の形態に係る光電変換モジュール51aの製造方法の一例は、以下の工程を備える。実施の形態1に示される製造方法によって製造された光電変換素子1を用意する。配線シート40を用意する。配線シート40は、実施の形態9に示される方法によって製造されてもよい。それから、接合材38によって、配線シート40を光電変換素子1に機械的に接続する。光電変換素子1を配線シート40に電気的に接続する。
本実施の形態の光電変換モジュール51aは、実施の形態9の光電変換モジュール51の効果に加えて、以下の効果を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51aでは、第1の非晶質半導体膜7と第2の非晶質半導体膜9とは、第2の方向において、複数の区画に分離されている。本実施の形態の光電変換モジュール51aは、第2の方向において、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7と第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9とが形成されていない領域を有する。低い耐熱性を有する第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7及び第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aは、向上された耐熱性を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51aでは、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下であってもよい。そのため、この少数キャリアは、第1の非晶質半導体膜7及び複数の第1の電極11、または第2の非晶質半導体膜9及び複数の第2の電極13を通じて効率的に収集され得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51aでは、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは、30μm以上1mm以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは、30μm以上である。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7及び第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9の少なくとも1つの面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aは、さらに向上された耐熱性を有する。また、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つは、1mm以下である。そのため、光電変換モジュール51aにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51aでは、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yは、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yは、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上である。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aは、さらに向上された耐熱性を有する。また、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yは、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの10分の1以下である。そのため、光電変換モジュール51aにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51aでは、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yは、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yは、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上である。そのため、低い耐熱性を有する第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aは、さらに向上された耐熱性を有する。また、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yは、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの10分の1以下とする。そのため、光電変換モジュール51aにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法は、実施の形態9の光電変換モジュール51の製造方法の効果に加えて、以下の効果を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、第1の非晶質半導体膜7及び第2の非晶質半導体膜9を、第2の方向において、複数の区画に分離することができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、第2の方向において、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7と第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9とが形成されていない領域を有する光電変換モジュール51aが得られる。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7及び第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、光電変換モジュール51aの耐熱性を向上させ得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、第2の方向における第1のマスク21(図9参照)の第2の架橋部24の幅、及び第2の方向における第2のマスク26(図12参照)の第4の架橋部29の幅の少なくとも1つを、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下としてもよい。第2の架橋部24を有する第1のマスク21及び第4の架橋部29を有する第2のマスク26の少なくとも1つを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つを、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成される少数キャリアの半導体基板2内における拡散長以下とすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、この少数キャリアは、第1の非晶質半導体膜7及び第1の電極11、または第2の非晶質半導体膜9及び第2の電極13を通じて効率的に収集され得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、第2の方向における第1のマスク21(図9参照)の第2の架橋部24の幅、及び第2の方向における第2のマスク26(図12参照)の第4の架橋部29の幅の少なくとも1つを、30μm以上1mm以下としてもよい。第2の架橋部24を有する第1のマスク21及び第4の架橋部29を有する第2のマスク26の少なくとも1つを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つを、30μm以上とすることができる。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7及び第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9の少なくとも1つの面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、光電変換モジュール51aの耐熱性をさらに向上させ得る。また、第2の方向における第1のマスク21の第2の架橋部24の幅、及び第2の方向における第2のマスク26の第4の架橋部29の幅の少なくとも1つは、30μm以上である。そのため、第1のマスク21及び第2のマスク26の少なくとも1つの機械的強度を向上させることができる。第1のマスク21及び第2のマスク26の少なくとも1つを用いて第1の非晶質半導体膜7及び第2の非晶質半導体膜9の少なくとも1つを形成する際に、第1のマスク21及び第2のマスク26の少なくとも1つが撓んで第1の開口部22及び第2の開口部27の少なくとも1つが変形することを抑制することができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、第1の非晶質半導体膜7及び第2の非晶質半導体膜9の少なくとも1つがより正確なパターンで形成され得る。さらに、第2の架橋部24を有する第1のマスク21及び第4の架橋部29を有する第2のマスク26の少なくとも1つを用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1y、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yの少なくとも1つを、1mm以下とすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、光電変換モジュール51aにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、第2の方向における第1のマスク21(図9参照)の第2の架橋部24の幅を、第1のマスク21の第1の開口部22の第2の方向における長さw3yの1000分の1以上10分の1以下としてもよい。第2の架橋部24を有する第1のマスク21を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yを、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの1000分の1以上とすることができる。そのため、低い耐熱性を有する第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜7の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、光電変換モジュール51aの耐熱性をさらに向上させ得る。また、第2の方向における第1のマスク21の第2の架橋部24の幅は、第1のマスク21の第1の開口部22の第2の方向における長さw3yの1000分の1以上である。そのため、第1のマスク21の機械的強度を向上させることができる。第1のマスク21を用いて第1の非晶質半導体膜7を形成する際に、第1のマスク21が撓んで第1の開口部22が変形することを抑制することができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、第1の非晶質半導体膜7がより正確なパターンで形成され得る。さらに、第2の架橋部24を有する第1のマスク21を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜7の複数の区画の間の距離g1yを、第1の非晶質半導体膜7の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw1yの10分の1以下とすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、光電変換モジュール51aにおいて、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、第2の方向における第2のマスク26(図12参照)の第4の架橋部29の幅を、第2のマスク26の第2の開口部27の第2の方向における長さw4yの1000分の1以上10分の1以下としてもよい。第4の架橋部29を有する第2のマスク26を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yを、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの1000分の1以上とすることができる。そのため、低い耐熱性を有する第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜9の面積を小さくすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、光電変換モジュール51aの耐熱性をさらに向上させ得る。また、第2の方向における第2のマスク26の第4の架橋部29の幅は、第2のマスク26の第2の開口部27の第2の方向における長さw4yの1000分の1以上である。そのため、第2のマスク26の機械的強度を向上させることができる。第2のマスク26を用いて第2の非晶質半導体膜9を形成する際に、第2のマスク26が撓んで第2の開口部27が変形することを抑制することができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、第2の非晶質半導体膜9がより正確なパターンで形成され得る。さらに、第4の架橋部29を有する第2のマスク26を用いることによって、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜9の複数の区画の間の距離g2yを、第2の非晶質半導体膜9の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw2yの10分の1以下とすることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51aの製造方法によれば、光電変換モジュール51aにおいて、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
(実施の形態11)
図44から図48を参照して、実施の形態11の光電変換モジュール51b及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換モジュール51bは、基本的には、図31から図34に示される実施の形態9の光電変換モジュール51と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7iの面積は、第2の非晶質半導体膜9iの面積よりも大きい。複数の第1の電極11iの面積は、複数の第2の電極13iの面積よりも大きい。複数の第1の電極11iの各々の面積は、複数の第2の電極13iの各々の面積よりも大きい。
本実施の形態の光電変換モジュール51bは光電変換素子1iを備える。図46(A)及び図46(B)を参照して、本実施の形態の光電変換素子1iは、実施の形態9の光電変換素子1hと同様の構成を有するが、本実施の形態の光電変換素子1iでは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7iの面積は、第2の非晶質半導体膜9iの面積よりも大きい。特定的には、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7iの複数の区画のそれぞれの面積は、第2の非晶質半導体膜9iの複数の区画のそれぞれの面積よりも大きい。より特定的には、第1の非晶質半導体膜7iの複数の区画のそれぞれの第1の方向の長さは、第2の非晶質半導体膜9iの複数の区画のそれぞれの第1の方向の長さよりも大きい。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、複数の第1の電極11iの面積は、複数の第2の電極13iの面積よりも大きい。特定的には、複数の第1の電極11iの各々の面積は、複数の第2の電極13iの各々の面積よりも大きい。より特定的には、複数の第1の電極11iのそれぞれの第1の方向の長さは、複数の第2の電極13iのそれぞれの第1の方向の長さよりも大きい。図46(A)に示される複数の第1の電極11iは、図15(A)に示される実施の形態2の複数の第1の電極11aと同様の構成を有する。図46(A)に示される複数の第2の電極13iは、図15(A)に示される実施の形態2の複数の第2の電極13aと同様の構成を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51bの製造方法の一例は、基本的には、実施の形態1の光電変換モジュール51の製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、光電変換素子1iを用意することは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第2の非晶質半導体膜9iよりも大きな面積を有する第1の非晶質半導体膜7iを形成することを含む。本実施の形態では、図47(A)に示される第1のマスク21iを用いて、第1の非晶質半導体膜7iが形成される。図47(B)に示される第2のマスク26iを用いて、第2の非晶質半導体膜9iが形成される。図48に示される第3のマスク31iを用いて、複数の第1の電極11i及び複数の第2の電極13iが形成される。図48に示される第3のマスク31iは、図16(C)に示される実施の形態2の第3のマスク31aと同様の構成を有する。第3のマスク31iの第3の開口部32iの複数の区画は、第1の方向において第5の架橋部33iによって分離され、第2の方向において第6の架橋部34iによって分離されている。
図47(A)及び図47(B)を参照して、第1のマスク21iの第1の開口部22iの面積は、第2のマスク26iの第2の開口部27iの面積よりも大きい。特定的には、第1のマスク21iの第1の開口部22iの複数の区画のそれぞれの面積は、第2のマスク26iの第2の開口部27iの複数の区画のそれぞれの面積よりも大きい。より特定的には、第1のマスク21iの第1の開口部22iの複数の区画のそれぞれの第1の方向の長さは、第2のマスク26iの第2の開口部27iの複数の区画のそれぞれの第1の方向の長さよりも大きい。第1のマスク21iの第1の開口部22iは、第1の架橋部23iによって、第1の方向において複数の区画に分離されている。第2のマスク26iの第2の開口部27iは、第3の架橋部28iによって、第1の方向において複数の区画に分離されている。
図48を参照して、複数の第1の電極11iに対応する第3のマスク31iの第3の開口部32iの面積は、複数の第2の電極13iに対応する第3のマスク31iの第3の開口部32iの面積よりも大きい。特定的には、複数の第1の電極11iの一つに対応する第3の開口部32iの一つの区画の面積は、複数の第2の電極13iの一つに対応する第3の開口部32iの一つの区画の面積よりも大きい。より特定的には、複数の第1の電極11iの一つに対応する第3の開口部32iの一つの区画の第1の方向の長さは、複数の第2の電極13iの一つに対応する第3の開口部32iの一つの区画の第1の方向の長さよりも大きい。
本実施の形態の光電変換モジュール51bは、実施の形態9の光電変換モジュール51の効果に加えて、以下の効果を有する。本実施の形態の光電変換モジュール51bでは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7iの面積は、第2の非晶質半導体膜9iの面積よりも大きい。本実施の形態の光電変換モジュール51bでは、半導体基板2に対する第1の非晶質半導体膜7iの面積比と、半導体基板2に対する第2の非晶質半導体膜9iの面積比とを自由に変更することができる。例えば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときのn型単結晶半導体基板からなる半導体基板2の面積に対するp型非晶質シリコン膜からなる第1の非晶質半導体膜7iの面積の割合を大きくすると、光電変換素子1bにおける電流収集を向上させることができる。他方、半導体基板2の第2の面2b側から見たときのn型単結晶半導体基板からなる半導体基板2の面積に対するn型非晶質シリコン膜からなる第2の非晶質半導体膜9iの面積の割合を大きくすると、光電変換素子1iにおけるパッシベーション性を向上させることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51bは、向上された設計の自由度を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51bの製造方法は、実施の形態9の光電変換モジュール51の製造方法の効果に加えて、以下の効果を有する。本実施の形態の光電変換モジュール51bの製造方法において、光電変換素子1iを用意することは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第2の非晶質半導体膜9iよりも大きな面積を有する第1の非晶質半導体膜7iを形成することを含む。本実施の形態の光電変換モジュール51bの製造方法によれば、半導体基板2に対する第1の非晶質半導体膜7iの面積比と、半導体基板2に対する第2の非晶質半導体膜9iの面積比とを自由に変更することができる。例えば、半導体基板2の第2の面2b側から見たときのn型単結晶半導体基板からなる半導体基板2の面積に対するp型非晶質シリコン膜からなる第1の非晶質半導体膜7iの面積の割合を大きくすると、光電変換素子1bにおける電流収集を向上させることができる。他方、半導体基板2の第2の面2b側から見たときのn型単結晶半導体基板からなる半導体基板2の面積に対するn型非晶質シリコン膜からなる第2の非晶質半導体膜9iの面積の割合を大きくすると、光電変換素子1iにおけるパッシベーション性を向上させることができる。本実施の形態の光電変換モジュール51bの製造方法によれば、光電変換モジュール51bの設計の自由度が向上され得る。
(実施の形態12)
図49から図51(B)を参照して、実施の形態12の光電変換モジュール51c及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換モジュール51cは、基本的には、図21から図23(B)に示される実施の形態11の光電変換モジュール51bと同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、第1の非晶質半導体膜7a及び第2の非晶質半導体膜9aの形状が異なる。
本実施の形態の光電変換モジュール51cは、実施の形態2の光電変換素子1aを備える。図51を参照して、本実施の形態の光電変換素子1aは、実施の形態10の光電変換素子1と同様の構成を有するが、本実施の形態の光電変換素子1aでは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7a及び第2の非晶質半導体膜9aは、第1の方向のみならず第2の方向においても、複数の区画に分離されている。第1の非晶質半導体膜7a及び第2の非晶質半導体膜9aは、それぞれ、格子パターンで配列されている。
本実施の形態の光電変換モジュール51cの製造方法の一例は、基本的には、実施の形態11の光電変換モジュール51bの製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第1のマスク21a(図16(A)を参照)の第1の開口部22aの複数の区画の形状と、第2のマスク26a(図16(B)を参照)の第2の開口部27aの複数の区画の形状とが異なる。本実施の形態では、図16(A)に示される第1のマスク21aを用いて、第1の非晶質半導体膜7aが形成される。図16(B)に示される第2のマスク26aを用いて、第2の非晶質半導体膜9aが形成される。図16(C)に示される第3のマスク31aを用いて、複数の第1の電極11a及び複数の第2の電極13aが形成される。
本実施の形態に係る光電変換モジュール51cの製造方法の一例は、以下の工程を備える。実施の形態2に示される製造方法によって製造された光電変換素子1aを用意する。配線シート40を用意する。配線シート40は、実施の形態9に示される方法によって製造されてもよい。それから、接合材38によって、配線シート40を光電変換素子1aに機械的に接続する。光電変換素子1aを配線シート40に電気的に接続する。
本実施の形態の光電変換モジュール51cは、実施の形態10の光電変換モジュール51aの効果と実施の形態11の光電変換モジュール51bの効果とを有する。本実施の形態の光電変換モジュール51cの製造方法は、実施の形態10の光電変換モジュール51aの製造方法の効果と実施の形態11の光電変換モジュール51bの製造方法の効果とを有する。
(実施の形態13)
図52から図55を参照して、実施の形態13の光電変換モジュール51d及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換モジュール51dは、基本的には、図31から図34に示される実施の形態9の光電変換モジュール51と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、複数の第1の電極11j及び複数の第2の電極13jの配置パターンが異なる。
本実施の形態の光電変換モジュール51dは、光電変換素子1jを備える。図54を参照して、本実施の形態の光電変換素子1jは、実施の形態9の光電変換素子1hと同様の構成を有するが、本実施の形態の光電変換素子1jでは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、複数の第1の電極11jと複数の第2の電極13jとは千鳥パターンで配置される。図54に示される本実施の形態の複数の第1の電極11jは、図17(A)に示される実施の形態3の複数の第1の電極11bと同様である。図54に示される本実施の形態の複数の第2の電極13jは、図17(A)に示される実施の形態3の複数の第2の電極13bと同様である。複数の第1の電極11jと複数の第2の電極13jとは、他の様々なパターンで配置されてもよい。
本実施の形態の光電変換モジュール51dの製造方法の一例は、基本的には、実施の形態9の光電変換モジュール51の製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第3のマスク31jの第3の開口部32jのパターンが異なる。本実施の形態では、図55に示される第3のマスク31jを用いて、複数の第1の電極11j及び複数の第2の電極13jが形成される。本実施の形態における複数の第1の電極11jに対応する第3のマスク31jの第3の開口部32jは、実施の形態9における複数の第1の電極11hに対応する第3のマスク31(図14を参照)の第3の開口部32と同じパターンを有している。本実施の形態における複数の第2の電極13jに対応する第3のマスク31jの第3の開口部32jは、実施の形態9における複数の第2の電極13hに対応する第3のマスク31(図14を参照)の第3の開口部32が第2の方向に半周期ずらされたパターンを有する。図55に示される本実施の形態の第3のマスク31jは、図18(B)に示される実施の形態3の第3のマスク31bと同様の構成を有する。第3の開口部32jの複数の区画は、第1の方向において第5の架橋部33jによって分離され、第2の方向において第6の架橋部34jによって分離されている。本実施の形態の第1の非晶質半導体膜7j及び第2の非晶質半導体膜9jは、それぞれ、実施の形態9の第1の非晶質半導体膜7h及び第2の非晶質半導体膜9hと同様の構成を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51dは、実施の形態hの光電変換モジュール51の効果に加えて、以下の効果を有する。本実施の形態の光電変換モジュール51dでは、複数の第1の電極11j及び複数の第2の電極13jが様々なパターンで配置され得る。光電変換モジュール51dは、向上された設計の自由度を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51dでは、複数の第1の電極11j及び複数の第2の電極13jは千鳥パターンで配置される。そのため、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11jの間のギャップと、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13jの間のギャップとが、第2の方向においてより均一に分布する。第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11jのギャップと、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13jのギャップとには、接合材38が設けられる。そのため、本実施の形態の光電変換モジュール51dは、第2の方向においてより均一な、光電変換素子1jと配線シート40との機械的な接続強度を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51dの製造方法は、実施の形態9の光電変換モジュール51の製造方法の効果に加えて、以下の効果を有する。複数の第1の電極11jと複数の第2の電極13jとが様々なパターンで配置され得る。本実施の形態の光電変換モジュール51dの製造方法によれば、光電変換モジュール51dの設計の自由度が向上され得る。
本実施の形態の光電変換モジュール51dの製造方法によれば、複数の第1の電極11jと複数の第2の電極13jとは千鳥パターンで配置される。そのため、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11jの間のギャップと、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13jの間のギャップとが、第2の方向においてより均一に分布する。第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極11jの間のギャップと、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極13jの間のギャップとには、接合材38が設けられる。そのため、本実施の形態の光電変換モジュール51dの製造方法によれば、光電変換素子1jと配線シート40との機械的な接続強度が第2の方向においてより均一な光電変換モジュール51dを製造することができる。
本実施の形態の光電変換モジュール51dの変形例を説明する。この変形例では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7j及び第2の非晶質半導体膜9jは、第1の方向のみならず第2の方向においても、複数の区画に分離されてもよい。この変形例では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7j及び第2の非晶質半導体膜9jは、千鳥パターンで配列される。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7j及び第2の非晶質半導体膜9jは、他のパターンで配列されてもよい。
(実施の形態14)
図56から図59を参照して、実施の形態14の光電変換モジュール51e及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換モジュール51eは、基本的には、図44から図46(B)に示される実施の形態11の光電変換モジュール51bと同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、複数の第1の電極11k及び複数の第2の電極13kの配置パターンが異なる。
本実施の形態の光電変換モジュール51eは、光電変換素子1kを備える。図58を参照して、本実施の形態の光電変換素子1kは、実施の形態11の光電変換素子1iと同様の構成を有するが、本実施の形態の光電変換素子1kでは、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、複数の第1の電極11kと複数の第2の電極13kとは千鳥パターンで配置される。図58に示される本実施の形態の複数の第1の電極11kは、図19(A)に示される実施の形態4の複数の第1の電極11cと同様である。図58に示される本実施の形態の複数の第2の電極13kは、図19(A)に示される実施の形態4の複数の第2の電極13cと同様である。複数の第1の電極11kと複数の第2の電極13kとの配置パターンは、千鳥パターンに限られない。本実施の形態の第1の非晶質半導体膜7k及び第2の非晶質半導体膜9kは、それぞれ、実施の形態11の第1の非晶質半導体膜7i及び第2の非晶質半導体膜9iと同様の構成を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51eの製造方法の一例は、基本的には、実施の形態11の光電変換モジュール51bの製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第3のマスク31kの第3の開口部32kのパターンが異なる。本実施の形態では、図59に示される第3のマスク31kを用いて、複数の第1の電極11k及び複数の第2の電極13kが形成される。本実施の形態における複数の第1の電極11kに対応する第3のマスク31kの第3の開口部32kは、実施の形態11における複数の第1の電極11iに対応する第3のマスク31i(図48を参照)の第3の開口部32iと同じパターンを有している。本実施の形態における複数の第2の電極13kに対応する第3のマスク31kの第3の開口部32kは、実施の形態11における複数の第2の電極13iに対応する第3のマスク31i(図48を参照)の第3の開口部32iが第2の方向に半周期ずらされたパターンを有する。第3の開口部32kの複数の区画は、第1の方向において第5の架橋部33kによって分離され、第2の方向において第6の架橋部34kによって分離されている。図59に示される第3のマスク31kは、図20(B)に示される第3のマスク31cと同様の構成を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51eは、実施の形態11の光電変換モジュール51bの効果と実施の形態13の光電変換モジュール51dの効果とを有する。本実施の形態の光電変換モジュール51eの製造方法は、実施の形態11の光電変換モジュール51bの製造方法の効果と実施の形態13の光電変換モジュール51dの製造方法の効果とを有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51eの変形例を説明する。この変形例では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7k及び第2の非晶質半導体膜9kは、第1の方向のみならず第2の方向においても、複数の区画に分離されてもよい。この変形例では、半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7k及び第2の非晶質半導体膜9kは、千鳥パターンで配列される。半導体基板2の第2の面2b側から見たときに、第1の非晶質半導体膜7k及び第2の非晶質半導体膜9kは、他のパターンで配列されてもよい。
(実施の形態15)
図60から図63を参照して、実施の形態15の光電変換モジュール51f及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換モジュール51fは、基本的には、図44から図46(B)に示される実施の形態11の光電変換モジュール51bと同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、複数の第1の電極11m及び複数の第2の電極13mの配置パターンが異なる。
本実施の形態の光電変換モジュール51fは、光電変換素子1mを備える。図62を参照して、本実施の形態の光電変換素子1mは、実施の形態11の光電変換素子1iと同様の構成を有するが、本実施の形態の光電変換素子1mでは、第2の方向における複数の第1の電極11mの周期p13は、第2の方向における複数の第2の電極13mの周期p14よりも小さい。複数の第1の電極11fのそれぞれの第2の方向における長さは、複数の第2の電極13fのそれぞれの第2の方向における長さよりも小さい。本実施の形態の第1の非晶質半導体膜7m及び第2の非晶質半導体膜9mは、それぞれ、実施の形態11の第1の非晶質半導体膜7i及び第2の非晶質半導体膜9iと同様の構成を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51fの製造方法の一例は、基本的には、実施の形態11の光電変換モジュール51bの製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第3のマスク31mの第3の開口部32mのパターンが異なる。図63を参照して、第1の電極11mに対応する第3のマスク31mの第3の開口部32mの複数の区画の周期は、第2の電極13mに対応する第3のマスク31mの第3の開口部32mの複数の区画の周期よりも小さい。第1の電極11mに対応する第3のマスク31mの第3の開口部32mの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さは、第2の電極13mに対応する第3のマスク31mの第3の開口部32mの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw5yよりも小さい。第3の開口部32mの複数の区画は、第1の方向において第5の架橋部33mによって分離され、第2の方向において第6の架橋部34mによって分離されている。
本実施の形態の光電変換モジュール51f及びその製造方法の効果を説明する。本実施の形態の光電変換モジュール51fでは、第2の方向における複数の第1の電極11mの周期p13は、第2の方向における複数の第2の電極13mの周期p14よりも小さい。半導体基板2の第2の面2bからの平面視における、互いに隣り合う複数の第1の電極11mと配線シート40とによって囲まれる領域の面積が増加する。接合材38による光電変換素子1mと配線シート40との接合面積が広くなる。そのため、本実施の形態の光電変換モジュール51f及びその製造方法によれば、光電変換素子1mと配線シート40との機械的な接続強度がさらに向上される。
複数の第1の電極11mの各々は複数の第2の電極13mの各々よりも広い面積を有する。特に、複数の第1の電極11m上に接合材38が設けられない場合には、複数の第1の電極11mが形成される第1の非晶質半導体膜7m上の領域における光電変換素子1mと配線シート40との機械的な接合強度が相対的に低下する。第2の方向における複数の第1の電極11mの周期p13を第2の方向における複数の第2の電極13mの周期p14よりも小さくすることは、第1の非晶質半導体膜7m上の領域における光電変換素子1mと配線シート40との機械的な接合強度が相対的に低下することを防止し得る。
(実施の形態16)
図64から図67を参照して、実施の形態16の光電変換モジュール51g及びその製造方法について説明する。本実施の形態の光電変換モジュール51gは、基本的には、図44から図46(B)に示される実施の形態11の光電変換モジュール51bと同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、複数の第1の電極11n及び複数の第2の電極13nの配置パターンが異なる。
本実施の形態の光電変換モジュール51gは、光電変換素子1nを備える。図66を参照して、本実施の形態の光電変換素子1nは、実施の形態11の光電変換素子1iと同様の構成を有するが、本実施の形態の光電変換素子1nでは、第2の方向における複数の第1の電極11nの間の間隔g13は、第2の方向における複数の第2の電極13nの間の間隔g14よりも小さい。第2の方向における複数の第1の電極11nのそれぞれの長さは、第2の方向における複数の第2の電極13nのそれぞれの長さよりも小さい。本実施の形態の第1の非晶質半導体膜7n及び第2の非晶質半導体膜9nは、それぞれ、実施の形態11の第1の非晶質半導体膜7i及び第2の非晶質半導体膜9iと同様の構成を有する。
本実施の形態の光電変換モジュール51gの製造方法の一例は、基本的には、実施の形態11の光電変換モジュール51bの製造方法と同様の方法を備え、同様の効果を得ることができるが、第3のマスク31nの第3の開口部32nのパターンが異なる。図67を参照して、第1の電極11nに対応する第3のマスク31nの第3の開口部32nの複数の区画の間の間隔は、第2の電極13nに対応する第3のマスク31nの第3の開口部32nの複数の区画の間の距離d5yよりも小さい。第1の電極11nに対応する第3のマスク31nの第3の開口部32nの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さは、第2の電極13nに対応する第3のマスク31nの第3の開口部32nの複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さw5yよりも小さい。第3の開口部32nの複数の区画は、第1の方向において第5の架橋部33nによって分離され、第2の方向において第6の架橋部34nによって分離されている。
本実施の形態の光電変換モジュール51g及びその製造方法の効果を説明する。本実施の形態の光電変換モジュール51gでは、第2の方向における複数の第1の電極11nの間の間隔g13は、第2の方向における複数の第2の電極13nの間の間隔g14よりも小さい。そのため、半導体基板2の第1の面2a側から入射する光によって半導体基板2内に生成されるキャリアが、第1の非晶質半導体膜7n及び第1の電極11nを通じてさらに効率的に収集され得る。
[付記]
(1)ここで開示された実施の形態は、半導体基板と、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜と、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜と、第1の電極と、第2の電極とを備える。半導体基板は、第1の面と第1の面と反対側の第2の面とを有する。半導体基板は単結晶半導体基板である。半導体基板は第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向とに延在する。第1の非晶質半導体膜は、半導体基板の第2の面上に設けられる。第1の非晶質半導体膜は、第1の方向及び第2の方向において、複数の区画に分離される。第2の非晶質半導体膜は、半導体基板の第2の面上に設けられる。第2の非晶質半導体膜は、第1の方向及び第2の方向において、複数の区画に分離される。第1の電極は、第1の非晶質半導体膜の複数の区画のそれぞれの上に設けられる。第2の電極は、第2の非晶質半導体膜の複数の区画のそれぞれの上に設けられる。ここで開示された実施の形態の光電変換素子は、向上された耐熱性を有する。
ここで開示された実施の形態の光電変換素子では、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても、複数の第1の電極が互いに分離されている。一部の複数の第1の電極が第1の非晶質半導体膜から剥がれても、他の複数の第1の電極は、第1の非晶質半導体膜から剥がれない。そのため、ここで開示された実施の形態の光電変換素子は、低い故障率を有する。ここで開示された実施の形態の光電変換素子では、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても、複数の第2の電極が互いに分離されている。一部の複数の第2の電極が第2の非晶質半導体膜から剥がれても、他の複数の第2の電極は、第2の非晶質半導体膜から剥がれない。そのため、ここで開示された実施の形態の光電変換素子は、低い故障率を有する。
(2)ここで開示された実施の形態の光電変換素子において、半導体基板の第2の面側から見たときに、第1の非晶質半導体膜の複数の区画のそれぞれと第2の非晶質半導体膜の複数の区画のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。そのため、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成されるキャリアが、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することを抑制することができる。第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜の温度上昇に起因して、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜が劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜が半導体基板から剥がれることを抑制することができる。
(3)ここで開示された実施の形態の光電変換素子において、円形及び丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下であってもよい。そのため、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成されるキャリアが、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することをさらに抑制することができる。第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜の温度上昇に起因して、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜が劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜が半導体基板から剥がれることをさらに抑制することができる。
(4)ここで開示された実施の形態の光電変換素子において、第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜の複数の区画の間の距離、第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜の複数の区画の間の距離、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜の複数の区画の間の距離、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜の複数の区画の間の距離の少なくとも1つは、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成される少数キャリアの半導体基板内における拡散長以下であってもよい。そのため、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成される少数キャリアは、第1の非晶質半導体膜及び第1の電極、または第2の非晶質半導体膜及び第2の電極を通じて効率的に収集され得る。
(5)ここで開示された実施の形態の光電変換素子において、第1の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜の複数の区画の間の距離、第1の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜の複数の区画の間の距離、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜の複数の区画の間の距離、及び第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜の複数の区画の間の距離の少なくとも1つは、30μm以上1mm以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換素子は、さらに向上された耐熱性を有する。光電変換素子において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれる。
(6)ここで開示された実施の形態の光電変換素子において、第2の方向において互いに隣り合う第1の非晶質半導体膜の複数の区画の間の距離は、第1の非晶質半導体膜の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換素子は、さらに向上された耐熱性を有する。光電変換素子において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれる。
(7)ここで開示された実施の形態の光電変換素子において、第2の方向において互いに隣り合う第2の非晶質半導体膜の複数の区画の間の距離は、第2の非晶質半導体膜の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換素子は、さらに向上された耐熱性を有する。光電変換素子において光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれる。
(8)ここで開示された実施の形態の光電変換素子において、半導体基板の第2の面側から見たときに、第1の非晶質半導体膜の面積は、第2の非晶質半導体膜の面積よりも大きくてもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換素子は、向上された設計の自由度を有する。
(9)ここで開示された実施の形態の光電変換素子において、半導体基板の第2の面側から見たときに、第1の非晶質半導体膜及び第2の非晶質半導体膜は、格子パターンまたは千鳥パターンで配置されてもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換素子は、向上された設計の自由度を有する。
(10)ここで開示された実施の形態の光電変換素子において、第2の方向における第1の非晶質半導体膜の複数の区画の周期は、第2の方向における第2の非晶質半導体膜の複数の区画の周期よりも小さくてもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換素子は、さらに向上された耐熱性を有する。
(11)ここで開示された実施の形態の光電変換素子において、第2の方向における第1の非晶質半導体膜の複数の区画の間の間隔は、第2の方向における第2の非晶質半導体膜の複数の区画の間の間隔よりも小さくてもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換素子によれば、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成されるキャリアが、第1の非晶質半導体膜及び第1の電極を通じてさらに効率的に収集され得る。
(12)ここで開示された実施の形態の光電変換素子において、半導体基板と第1の非晶質半導体膜との間、及び、半導体基板と第2の非晶質半導体膜との間に、i型非晶質半導体膜をさらに備えてもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換素子によれば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率をさらに向上させることができる。
(13)ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法は、以下の工程を備える。第1の面と第1の面と反対側の第2の面とを有する半導体基板の第2の面上に、第1のマスクを用いて、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜を形成する。半導体基板は、単結晶半導体基板である。半導体基板は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向とに延在する。第1のマスクは、第1の架橋部と、第2の架橋部と、第1の開口部とを有する。第1の開口部は、第1の方向において、第1の架橋部によって複数の区画に分離される。第1の開口部は、第2の方向において、第2の架橋部によって複数の区画に分離される。半導体基板の第2の面上に、第3の架橋部と第4の架橋部と第2の開口部を有する第2のマスクを用いて、第1の導電型と異なる第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜を形成する。第2の開口部は、第1の方向において、第3の架橋部によって複数の区画に分離される。第2の開口部は、第2の方向において、第4の架橋部によって複数の区画に分離される。第1の非晶質半導体膜の複数の区画のそれぞれの上に第1の電極を形成する。第2の非晶質半導体膜の複数の区画のそれぞれの上に第2の電極を形成する。ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法によれば、向上された耐熱性を有する光電変換素子が得られる。
ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法では、複数の第1の電極は、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても互いに分離されている。一部の複数の第1の電極が第1の非晶質半導体膜から剥がれても、他の複数の第1の電極は、第1の非晶質半導体膜から剥がれない。ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法によれば、向上された良品率で光電変換素子が製造され得る。ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法では、複数の第2の電極は、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても互いに分離されている。一部の複数の第2の電極が第2の非晶質半導体膜から剥がれても、他の複数の第2の電極は、第2の非晶質半導体膜から剥がれない。ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法、向上された良品率で光電変換素子が製造され得る。
(14)ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法において、第1のマスクの第1の開口部の複数の区画のそれぞれと第2のマスクの第2の開口部の複数の区画のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。そのため、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成されるキャリアが、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することを抑制することができる。第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜の温度上昇に起因して、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜が劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜が半導体基板から剥がれることを抑制することができる。
(15)ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法において、円形及び丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下であってもよい。そのため、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成されるキャリアが、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することをさらに抑制することができる。第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜の温度上昇に起因して、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜が劣化すること、または、第1の非晶質半導体膜または第2の非晶質半導体膜が半導体基板から剥がれることをさらに抑制することができる。
(16)ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法において、第1の方向における第1のマスクの第1の架橋部の幅、第2の方向における第1のマスクの第2の架橋部の幅、第1の方向における第2のマスクの第3の架橋部の幅、及び第2の方向における第2のマスクの第4の架橋部の幅の少なくとも1つは、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成される少数キャリアの半導体基板内における拡散長以下であってもよい。そのため、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成される少数キャリアは、第1の非晶質半導体膜及び第1の電極、または第2の非晶質半導体膜及び第2の電極を通じて効率的に収集され得る。
(17)ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法において、第1の方向における第1のマスクの第1の架橋部の幅、第2の方向における第1のマスクの第2の架橋部の幅、第1の方向における第2のマスクの第3の架橋部の幅、及び第2の方向における第2のマスクの第4の架橋部の幅の少なくとも1つは、30μm以上1mm以下であってもよい。そのため、さらに向上された耐熱性を有するとともに、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれた光電変換素子を製造することができる。
(18)ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法において、第2の方向における第1のマスクの第2の架橋部の距離は、第1のマスクの第1の開口部の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。そのため、さらに向上された耐熱性を有するとともに、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれた光電変換素子を製造することができる。
(19)ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法において、第2の方向における第2のマスクの第4の架橋部の距離は、第2のマスクの第2の開口部の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。そのため、さらに向上された耐熱性を有するとともに、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれた光電変換素子を製造することができる。
(20)ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法において、第1のマスクの第1の開口部の面積は、第2のマスクの第2の開口部の面積よりも大きくてもよい。そのため、設計の自由度が向上された光電変換素子を製造することができる。
(21)ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法において、半導体基板と第1の非晶質半導体膜との間、及び、半導体基板と第2の非晶質半導体膜との間に、i型非晶質半導体膜を形成することをさらに備えてもよい。そのため、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率がさらに向上された光電変換素子を製造することができる。
(22)ここで開示された実施の形態は、光電変換素子と、配線シートとを備える。光電変換素子は、半導体基板と、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜と、第1の導電型と異なる第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜と、複数の第1の電極と、複数の第2の電極とを含む。半導体基板は、第1の面と第1の面と反対側の第2の面とを有する。半導体基板は、単結晶半導体基板である。半導体基板は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向とに延在する。第1の非晶質半導体膜は、半導体基板の第2の面上に設けられる。第2の非晶質半導体膜は、半導体基板の第2の面上に設けられる。複数の第1の電極は、第1の非晶質半導体膜上に設けられる。複数の第1の電極は、第1の方向及び第2の方向において互いに分離される。複数の第2の電極は、第2の非晶質半導体膜上に設けられる。複数の第2の電極は、第1の方向及び第2の方向において互いに分離される。光電変換素子は、接合材によって配線シートに機械的に接続される。接合材は、互いに隣り合う第1の電極の複数の区画と配線シートとによって囲まれる領域及び互いに隣り合う第2の電極の複数の区画と配線シートとによって囲まれる領域の少なくとも1つに設けられる。配線シートは、第1の配線と第2の配線とを含む。第1の配線は、複数の第1の電極に電気的に接続される。第2の配線は、複数の第2の電極に電気的に接続される。ここで開示された実施の形態の光電変換素子によれば、光電変換素子と配線シートとの機械的な接続強度が向上される。
ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールでは、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても、複数の第1の電極が互いに分離されている。そのため、複数の第1の電極の一部が第1の非晶質半導体膜から剥がれても、複数の第1の電極の残りは、第1の非晶質半導体膜から剥がれない。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールは、低い故障率を有する。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールでは、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても、複数の第2の電極が互いに分離されている。そのため、複数の第2の電極の一部が第2の非晶質半導体膜から剥がれても、複数の第2の電極の残りは、第2の非晶質半導体膜から剥がれない。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールは、低い故障率を有する。
(23)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて、半導体基板の第2の面側から見たときに、複数の第1の電極のそれぞれと複数の第2の電極のそれぞれとの少なくとも1つは、円形、多角形または丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールによれば、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成されるキャリアが、第1の電極または第2の電極の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することを抑制することができる。第1の電極または第2の電極の温度上昇に起因して、第1の電極または第2の電極が劣化すること、または、第1の電極または第2の電極が半導体基板から剥がれることを抑制することができる。
(24)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて、円形及び丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールによれば、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成されるキャリアが、第1の電極または第2の電極の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することをさらに抑制することができる。第1の電極または第2の電極の温度上昇に起因して、第1の電極または電極が劣化すること、または、第1の電極または第2の電極が半導体基板から剥がれることをさらに抑制することができる。
(25)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極の間の距離、及び第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極の間の距離の少なくとも1つは、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成される少数キャリアの半導体基板内における拡散長以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールによれば、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成される少数キャリアは、第1の電極または第2の電極を通じて効率的に収集され得る。
(26)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極の間の距離、及び第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極の距離の少なくとも1つは、30μm以上1mm以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールは、さらに向上された光電変換素子と配線シートとの機械的な接続強度を有する。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
(27)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて、第2の方向において互いに隣り合う複数の第1の電極の間の距離は、複数の第1の電極のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールは、さらに向上された光電変換素子と配線シートとの機械的な接続強度を有する。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
(28)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて、第2の方向において互いに隣り合う複数の第2の電極の間の距離は、複数の第2の電極のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールは、さらに向上された光電変換素子と配線シートとの機械的な接続強度を有する。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
(29)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて、半導体基板の第2の面側から見たときに、第1の非晶質半導体膜の面積は、第2の非晶質半導体膜の面積よりも大きくてもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールは、向上された設計の自由度を有する。
(30)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて、半導体基板の第2の面側から見たときに、第1の非晶質半導体膜及び第2の非晶質半導体膜は、ストライプパターン、格子パターンまたは千鳥パターンで配置されてもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールは、向上された設計の自由度を有する。
(31)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて、第2の方向における複数の第1の電極の周期は、第2の方向における複数の第2の電極の周期よりも小さくてもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールによれば、光電変換素子と配線シートとの機械的な接続強度がさらに向上される。
(32)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて、第2の方向における複数の第1の電極の間の間隔は、第2の方向における複数の第2の電極の間の間隔よりも小さくてもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールによれば、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成されるキャリアが、第1の非晶質半導体膜及び第1の電極を通じてさらに効率的に収集され得る。
(33)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールにおいて、半導体基板と第1の非晶質半導体膜との間、及び、半導体基板と第2の非晶質半導体膜との間に、i型非晶質半導体膜をさらに備えてもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールによれば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率をさらに向上させることができる。
(34)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法は、以下の工程を備える。光電変換素子を用意する。光電変換素子は、半導体基板と、第1の導電型を有する第1の非晶質半導体膜と、第1の導電型と異なる第2の導電型を有する第2の非晶質半導体膜と、複数の第1の電極と、複数の第2の電極とを含む。半導体基板は、第1の面と第1の面と反対側の第2の面とを有する。半導体基板は、単結晶半導体基板である。半導体基板は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向とに延在する。第1の非晶質半導体膜は、半導体基板の第2の面上に設けられる。第2の非晶質半導体膜は、半導体基板の第2の面上に設けられる。複数の第1の電極は、第1の方向及び第2の方向において互いに分離される。複数の第2の電極は、第1の方向及び第2の方向において互いに分離される。第1の配線と第2の配線とを含む配線シートを用意する。配線シート及び光電変換素子の少なくとも1つに接合材を設ける。接合材によって光電変換素子を配線シートに機械的に接続する。接合材は、互いに隣り合う複数の第1の電極と配線シートとによって囲まれる領域及び互いに隣り合う複数の第2の電極と配線シートとによって囲まれる領域の少なくとも1つに設けられ、さらに、第1の配線を、複数の第1の電極に電気的に接続する。第2の配線を、複数の第2の電極に電気的に接続する。ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法によれば、光電変換素子と配線シートとの機械的な接続強度が向上され得る。
ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても互いに分離された複数の第1の電極を備える光電変換モジュールを製造することができる。そのため、複数の第1の電極の一部が第1の非晶質半導体膜から剥がれても、複数の第1の電極の残りは、第1の非晶質半導体膜から剥がれない。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、向上された良品率で光電変換モジュールが製造され得る。ここで開示された実施の形態の光電変換素子の製造方法によれば、第1の方向だけでなく、第1の方向と交差する第2の方向においても互いに分離された複数の第2の電極を備える光電変換モジュールを製造することができる。そのため、複数の第2の電極の一部が第2の非晶質半導体膜から剥がれても、複数の第2の電極の残りは、第2の非晶質半導体膜から剥がれない。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、向上された良品率で光電変換モジュールが製造され得る。
(35)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法において、光電変換素子を用意することは、第1の架橋部(第5の架橋部33)と第2の架橋部(第6の架橋部34)と開口部(第3の開口部32)とを有するマスク(第3のマスク31)を用いて、複数の第1の電極と複数の第2の電極とを形成することを含んでもよい。開口部(第3の開口部32)は、第1の方向において、第1の架橋部(第5の架橋部33)によって複数の区画に分離されてもよい。開口部(第3の開口部32)は、第2の方向において、第2の架橋部(第6の架橋部34)によって複数の区画に分離されてもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、マスク(第3のマスク31)は、第1の架橋部(第5の架橋部33)だけでなく第2の架橋部(第6の架橋部34)をも有する。そのため、第1の架橋部(第5の架橋部33)及び第2の架橋部(第6の架橋部34)によってマスク(第3のマスク31)の機械的強度を向上させることができる。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、複数の第1の電極及び複数の第2の電極がより正確なパターンで形成され得る。
(36)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法において、マスク(第3のマスク31)の開口部(第3の開口部32)の複数の区画のそれぞれは、円形、多角形または丸い角を有する多角形の形状を有してもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成されるキャリアが、第1の電極または第2の電極の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することを抑制することができる。第1の電極または第2の電極の温度上昇に起因して、第1の電極または電極が劣化すること、または、第1の電極または第2の電極が半導体基板から剥がれることが抑制され得る。
(37)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法において、円形及び丸い角の曲率半径は、1μm以上10mm以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成されるキャリアが、第1の電極または第2の電極の特定の部分に集中して、この特定の部分の温度が上昇することをさらに抑制することができる。第1の電極または第2の電極の温度上昇に起因して、第1の電極または電極が劣化すること、または、第1の電極または第2の電極が半導体基板から剥がれることがさらに抑制され得る。
(38)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法において、第2の架橋部(第6の架橋部34)の幅は、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成される少数キャリアの半導体基板内における拡散長以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、半導体基板の第1の面側から入射する光によって半導体基板内に生成される少数キャリアは、第1の非晶質半導体膜及び複数の第1の電極、または第2の非晶質半導体膜及び複数の第2の電極を通じて効率的に収集され得る。
(39)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法において、第2の架橋部(第6の架橋部34)の幅は、30μm以上1mm以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、光電変換素子と配線シートとの機械的な接続強度がさらに向上され得る。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、光電変換モジュールにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
(40)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法において、第2の架橋部(第6の架橋部34)の幅は、マスク(第3のマスク31)の開口部(第3の開口部32)の複数の区画のそれぞれの第2の方向における長さの1000分の1以上10分の1以下であってもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、光電変換素子と配線シートとの機械的な接続強度がさらに向上され得る。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、光電変換モジュールにおいて光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が過度に低下することが防がれ得る。
(41)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法において、光電変換素子を用意することは、半導体基板の第2の面側から見たときに、第2の非晶質半導体膜よりも大きな面積を有する第1の非晶質半導体膜を形成することを含んでもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、向上された設計の自由度で光電変換モジュールが製造され得る。
(42)ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法において、光電変換素子を用意することは、半導体基板と第1の非晶質半導体膜との間、及び、半導体基板と第2の非晶質半導体膜との間に、i型非晶質半導体膜を形成することをさらに含んでもよい。ここで開示された実施の形態の光電変換モジュールの製造方法によれば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率がさらに向上され得る。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。