JP6701125B2 - 作業機械の管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、作業機械の管理方法に関する。
鉱山において、無人で稼働する作業機械が使用される場合がある。特許文献1には無人ダンプトラックを走行させる無人車両走行システムの一例が開示されている。
国際公開第2011/090093号
無人車両走行システムにおいて、作業機械は、管理装置から送信された目標走行経路を示す目標走行経路データに従って走行する。複数の作業機械は、同一の目標走行経路に従って走行する。そのため、鉱山の搬送路又は作業場において轍が生成される可能性が高い。深い轍が生成されてしまうと、作業機械の走行に支障が生じる。そのため、深い轍が生成されてしまった場合、例えばグレーダを用いる整地作業が実施される。整地作業中においては、作業機械の走行を阻害することとなり、その結果、鉱山の生産性が低下してしまう。また、整地作業をすること自体に費用が発生してしまう。
本発明の態様は、轍の生成を抑制して、鉱山の生産性の低下を抑制できる作業機械の管理装置を提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、鉱山の作業場において作業機械のスイッチバック点を少なくとも1つ設定するスイッチバック点設定部と、前記作業機械の作業点を複数設定する作業点設定部と、前記積込場において前記少なくとも1つのスイッチバック点の位置及び複数の前記作業点のそれぞれの位置に基づいて前記作業機械が前記作業場を走行するための複数の目標走行経路を生成する走行経路生成部と、前記作業機械が前記作業場を走行するための目標走行経路を、前記複数の目標走行経路の中から選択する走行経路選択部と、を備える作業機械の管理装置が提供される。
本発明の態様によれば、轍の生成を抑制して、鉱山の生産性の低下を抑制できる作業機械の管理装置が提供される。
図1は、第1実施形態に係る作業機械の制御システムの一例を模式的に示す図である。 図2は、第1実施形態に係る管理装置の一例を示す機能ブロック図である。 図3は、第1実施形態に係る目標走行経路の一例を示す模式図である。 図4は、第1実施形態に係るダンプトラックの一例を模式的に示す図である。 図5は、第1実施形態に係るダンプトラックの制御装置の一例を示す機能ブロック図である。 図6は、第1実施形態に係る油圧ショベルの一例を模式的に示す図である。 図7は、第1実施形態に係る油圧ショベルの制御装置の一例を示す機能ブロック図である。 図8は、第1実施形態に係るダンプトラックの動作の一例を示す模式図である。 図9は、第1実施形態に係るダンプトラックの制御方法の一例を示すフローチャートである。 図10は、第1実施形態に係るダンプトラックの制御方法の一例を示す模式図である。 図11は、第2実施形態に係るダンプトラックの制御方法の一例を示す模式図である。 図12は、第3実施形態に係るダンプトラックの制御方法の一例を示す模式図である。 図13は、第4実施形態に係るダンプトラックの制御方法の一例を示す模式図である。 図14は、第5実施形態に係るダンプトラックの制御方法の一例を示す模式図である。 図15は、第6実施形態に係るダンプトラックの制御方法の一例を示す模式図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る作業機械4の制御システム1の一例を示す図である。本実施形態においては、作業機械4が鉱山で稼働する鉱山機械4である例について説明する。
鉱山機械4とは、鉱山における各種作業に用いる機械類の総称である。鉱山機械4は、運搬機械、積込機械、掘削機械、ボーリング機械、及び破砕機の少なくとも一つを含む。運搬機械は、積荷を運搬するための鉱山機械であり、ベッセルを有するダンプトラックを含む。積込機械は、運搬機械に積荷を積み込むための鉱山機械であり、油圧ショベル、電気ショベル、及びホイールローダの少なくとも一つを含む。
また、鉱山機械4は、無人で稼働する無人鉱山機械と、運転者が搭乗し運転者の操作により稼働する有人鉱山機械とを含む。
本実施形態においては、鉱山機械4として、運搬機械であるダンプトラック2及び積込機械である油圧ショベル3が専ら稼働する例について説明する。
本実施形態において、ダンプトラック2は、無人で稼働する無人ダンプトラックである。ダンプトラック2は、管理装置10から送信されたデータ又は信号に基づいて鉱山を自律走行する。ダンプトラック2の自律走行とは、運転者の操作によらずに管理装置10から送信されたデータ又は信号に基づいて走行することをいう。
本実施形態において、油圧ショベル3は、運転者が搭乗し運転者の操作により稼働する有人油圧ショベルである。
図1に示すように、鉱山に作業場PA及び搬送路HLが設けられる。作業場PAは、積込場LPA及び排土場DPAの少なくとも一方を含む。積込場LPAは、ダンプトラック2に積荷を積み込む積込作業が実施されるエリアである。排土場DPAは、ダンプトラック2から積荷が排出される排出作業が実施されるエリアである。搬送路HLは、作業場PLに通じる走行路である。ダンプトラック2は、鉱山の作業場PA及び搬送路HLの少なくとも一部を走行する。
図1において、制御システム1は、鉱山の管制施設7に設置される管理装置10と、通信システム9とを備える。通信システム9は、データ又は信号を中継する中継器6を複数有する。通信システム9は、管理装置10と鉱山機械4との間においてデータ又は信号を無線通信する。また、通信システム9は、複数の鉱山機械4の間においてデータ又は信号を無線通信する。
本実施形態において、ダンプトラック2及び油圧ショベル3を含む鉱山機械4の位置が、GNSS(Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。GNSSとは、全地球航法衛星システムをいう。全地球航法衛星システムの一例として、GPS(Global Positioning System)が挙げられる。GNSSは、複数の測位衛星5を有する。GNSSは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定される位置を検出する。GNSSにより検出される位置は、グローバル座標系において規定される絶対位置である。GNSSにより、鉱山におけるダンプトラック2の位置及び油圧ショベル3の位置が検出される。
以下の説明においては、GNSSによって検出される位置を適宜、GPS位置、と称する。GPS位置は、絶対位置であり、緯度、経度、及び高度の座標データを含む。
次に、管理装置10について説明する。管理装置10は、鉱山機械4にデータ又は信号を送信し、鉱山機械4からデータ又は信号を受信する。図1に示すように、管理装置10は、コンピュータ11と、表示装置16と、入力装置17と、無線通信装置18とを備える。
コンピュータ11は、処理装置12と、処理装置12と接続される記憶装置13と、入出力部15とを備える。表示装置16、入力装置17、及び無線通信装置18は、入出力部15を介してコンピュータ11と接続される。
処理装置12は、鉱山機械4を管理するための演算処理を実施する。処理装置12は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む。記憶装置13は、鉱山機械4を管理するためのデータを記憶する。記憶装置13は、ROM(Read Only Memory)又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリとを含む。表示装置16は、処理装置12の演算処理の結果を表示する。表示装置16は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)又は有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display:OELD)のようなフラットパネルディスプレイを含む。入力装置17は、操作されることにより鉱山機械4を管理するためのデータを生成する。入力装置17は、例えばコンピュータ用のキーボード、マウス、及びタッチパネルの少なくとも一つを含む。処理装置12は、記憶装置13に記憶されているデータ、入力装置17で生成されたデータ、及び通信システム9を介して取得したデータの少なくとも一つを用いて演算処理を実施する。
無線通信装置18は、管制施設7に設置される。無線通信装置18は、アンテナ18Aを有する。無線通信装置18は、入出力部15を介して処理装置12と接続される。通信システム9は、無線通信装置18を含む。無線通信装置18は、鉱山機械4から送信されたデータ又は信号を受信可能である。無線通信装置18で受信されたデータ又は信号は、処理装置12に出力され記憶装置13に記憶される。無線通信装置18は、鉱山機械4にデータ又は信号を送信可能である。
図2は、本実施形態に係る管理装置10の一例を示す機能ブロック図である。図2に示すように、管理装置10の処理装置12は、鉱山の作業場PAにおいてダンプトラック2のスイッチバック点を設定するスイッチバック点設定部121と、鉱山の作業場PAにおいてダンプトラック2の作業点を設定する作業点設定部122と、鉱山機械4の目標走行経路を複数生成する走行経路生成部123と、鉱山機械4から送信されたデータ又は信号を取得するデータ取得部124と、走行経路生成部123で生成された複数の目標走行経路からダンプトラック2を走行させる目標走行経路を選択する走行経路選択部125と、走行経路選択部125で選択された目標走行経路に従ってダンプトラック2が走行するように制御信号を出力する走行制御部126と、を備える。
スイッチバック点設定部121は、積込場LPA及び排土場DPAの少なくとも一方において、ダンプトラック2がスイッチバックする絶対位置を示すスイッチバック点を少なくとも1つ設定する。スイッチバックとは、前進するダンプトラック2が鋭角的に進行方向を転換して、後進しながら作業点に接近する動作をいう。
作業点設定部122は、積込場LPA及び排土場DPAの少なくとも一方において、ダンプトラック2が規定作業を実施する絶対位置を示す作業点を設定する。ダンプトラック2の規定作業は、ダンプトラック2に積荷を積み込む積荷作業、及びダンプトラック2から積荷を排出する排出作業の少なくとも一方を含む。作業点は、積込作業が実施される絶対位置を示す積込点、及び排出作業が実施される絶対位置を示す排出点の少なくとも一方を含む。積込場LPAにおいて積込点が設定される。排土場DPAにおいて排出点が設定される。
走行経路生成部123は、搬送路HL及び作業場PAの少なくとも一方において鉱山を走行する各ダンプトラック2に対して走行する目標走行経路を生成する。走行経路生成部123は、搬送路HL及び作業場PAの少なくとも一方を含む作業場において、少なくとも1つのスイッチバック点の位置及び複数の作業点のそれぞれの位置に基づいてダンプトラック2が作業場を走行するための複数の目標走行経路を生成する。
データ取得部124は、ダンプトラック2及び油圧ショベル3を含む鉱山機械4から送信されたデータ又は信号を取得する。
走行経路選択部125は、ダンプトラック2が作業場を走行するための目標走行経路を、走行経路生成部123で生成された複数の目標走行経路の中から選択する。また、作業点が複数設定される場合、走行経路選択部125は、ダンプトラック2が複数の作業点に順次走行するように、目標走行経路を選択する。
走行制御部126は、ダンプトラック2の走行を制御するための制御信号を生成し出力する。走行制御部126は、走行経路生成部123で生成された目標走行経路に従ってダンプトラック2が走行するように、ダンプトラック2を制御する。
図3は、本実施形態に係る目標走行経路RPの一例を示す模式図である。処理装置12の走行経路生成部123は、鉱山を走行するダンプトラック2の走行条件データを生成する。目標走行経路RP走行条件データは、目標走行経路RP上に一定の間隔Wで設定される複数のコース点PIの集合体を含む。
複数のコース点PIのそれぞれは、ダンプトラック2の目標絶対位置データと、コース点PIが設定された位置におけるダンプトラック2の目標走行速度データとを含む。目標走行経路RPは、複数のコース点PIの集合体である目標走行経路RPによって規定される。複数のコース点PIを通過する軌跡によってダンプトラック2の目標走行経路RPが規定される。目標走行速度データに基づいて、そのコース点PIが設定された位置におけるダンプトラック2の目標走行速度が規定される。
管理装置10は、無線通信装置18を介して、ダンプトラック2に、進行方向前方の複数のコース点PIを含む走行条件データを出力する。ダンプトラック2は、管理装置10から送信された走行条件データに従って、鉱山を走行する。
なお、図3は、搬送路HLに設定される目標走行経路RPを示す。走行経路生成部123は、搬送路HLのみならず、作業場PAにおいても目標走行経路RPを示す目標走行経路RPを生成する。
次に、本実施形態に係るダンプトラック2について説明する。図4は、本実施形態に係るダンプトラック2の一例を模式的に示す図である。
ダンプトラック2は、鉱山を走行可能な走行装置21と、走行装置21に支持される車両本体22と、車両本体22に支持されるベッセル23と、走行装置21を駆動する駆動装置24と、制御装置25とを備える。
走行装置21は、車輪26と、車輪26を回転可能に支持する車軸27と、走行装置21を制動するブレーキ装置28と、進行方向を調整可能な操舵装置29とを有する。
走行装置21は、駆動装置24が発生した駆動力により作動する。駆動装置24は、ダンプトラック2を加速させるための駆動力を発生する。駆動装置24は、例えば電気駆動方式により走行装置21を駆動する。駆動装置24は、ディーゼルエンジンのような内燃機関と、内燃機関の動力により作動する発電機と、発電機が発生した電力により作動する電動機とを有する。
操舵装置29は、車輪26の向きを変えることによって、ダンプトラック2の進行方向を調整する。
ブレーキ装置28は、ダンプトラック2を減速又は停止させるための制動力を発生する。制御装置25は、駆動装置24を作動するためのアクセル指令信号、ブレーキ装置28を作動するためのブレーキ指令信号、及び操舵装置29を作動するためのステアリング指令信号を出力する。
また、ダンプトラック2は、ダンプトラック2の位置を検出する位置検出器35と、無線通信装置36とを備える。
位置検出器35は、GPS受信機を含み、ダンプトラック2のGPS位置(座標)を検出する。位置検出器35は、GPS用のアンテナ35Aを有する。アンテナ35Aは、測位衛星5からの電波を受信する。位置検出器35は、アンテナ35Aで受信した測位衛星5からの電波に基づく信号を電気信号に変換して、アンテナ35Aの位置を算出する。アンテナ35AのGPS位置が算出されることによって、ダンプトラック2のGPS位置が検出される。
通信システム9は、ダンプトラック2に設けられている無線通信装置36を含む。無線通信装置36は、アンテナ36Aを有する。無線通信装置36は、管理装置10と無線通信可能である。
管理装置10は、通信システム9を介して、目標走行経路RPを含むダンプトラック2の走行条件データを制御装置25に送信する。制御装置25は、管理装置10から供給された走行条件データに基づいて、ダンプトラック2が走行条件データに従って走行するように、ダンプトラック2の駆動装置24、ブレーキ装置28、及び操舵装置29の少なくとも一つを制御する。
また、ダンプトラック2は、通信システム9を介して、位置検出器35で検出されたダンプトラック2の絶対位置を示す絶対位置データを管理装置10に送信する。管理装置10のデータ取得部124は、鉱山を走行する複数のダンプトラック2の絶対位置データを取得する。
次に、本実施形態に係るダンプトラック2の制御装置25について説明する。図5は、本実施形態に係るダンプトラック2の制御装置25の機能ブロック図である。制御装置25は、ダンプトラック2に搭載される。
図5に示すように、ダンプトラック2は、無線通信装置36と、位置検出器35と、制御装置25と、駆動装置24と、ブレーキ装置28と、操舵装置29とを備える。
制御装置25は、入出力部41と、走行条件データ取得部42と、運転制御部43と、絶対位置データ取得部44と、記憶部45とを備える。
入出力部41は、無線通信装置36から出力された管理装置10からの走行条件データ、及び位置検出器35から出力されたダンプトラック2の絶対位置を示す絶対位置データを取得する。また、入出力部41は、駆動装置24にアクセル指令信号を出力し、ブレーキ装置28にブレーキ指令信号を出力し、操舵装置29にステアリング指令信号を出力する。
走行条件データ取得部42は、管理装置10から送信された、目標走行経路RPを含む走行条件データを取得する。
運転制御部43は、指定された走行条件データに基づいて、ダンプトラック2の走行装置21を制御する運転制御信号を出力する。走行装置21は、ブレーキ装置28及び操舵装置29を含む。運転制御部43は、駆動装置24、ブレーキ装置28、及び操舵装置29を含む走行装置21に運転制御信号を出力する。運転制御信号は、駆動装置24に出力されるアクセル信号、ブレーキ装置28に出力されるブレーキ指令信号、及び操舵装置29に出力されるステアリング指令信号を含む。
絶対位置データ取得部44は、位置検出器35の検出結果からダンプトラック2の絶対位置データを取得する。
記憶部45は、無線通信装置36から取得したダンプトラック2の走行条件データを記憶する。走行条件データは、目標走行経路RPを示す目標走行経路RPを含む。
次に、本実施形態に係る油圧ショベル3について説明する。図6は、本実施形態に係る油圧ショベル3の一例を模式的に示す図である。図7は、本実施形態に係る油圧ショベル3の制御装置70の機能ブロック図である。制御装置70は、油圧ショベル3に搭載される。
図6に示すように、油圧ショベル3は、油圧により作動する作業機50と、作業機50を支持する車両本体60とを備える。車両本体60は、上部旋回体61と、上部旋回体61を支持する下部走行体62とを含む。上部旋回体61は、運転室を含むキャブ63を有する。運転室には、運転者Maが着座する運転席64と、運転者Maに操作される操作レバー65と、運転者Maに操作される入力装置66と、表示装置67とが配置される。
図7に示すように、油圧ショベル3は、上部旋回体61に対するバケット53の相対位置を検出する検出装置57を備える。また、油圧ショベル3は、上部旋回体61の絶対位置を検出する位置検出器68と、無線通信装置69とを備える。
位置検出器68は、GPS受信機及び慣性計測装置(Inertial Measurement Unit:IMU)を含み、油圧ショベル3における上部旋回体61のGPS位置(絶対位置)及び方位を検出する。検出装置57によって上部旋回体61に対するバケット53の刃先53Bの相対位置が検出される。バケットの相対位置は、旋回中心から上部旋回体61の向きに所定距離離れた点に位置するものとして規定されてもよいし、ブーム、アーム、バケット等の角度を検出して規定されてもよい。位置検出器68の検出結果と検出装置57の検出結果とに基づいて、バケット53の刃先53Bの絶対位置が算出される。
通信システム9は、油圧ショベル3に設けられている無線通信装置69を含む。無線通信装置69は、管理装置10と無線通信可能である。
次に、本実施形態に係る油圧ショベル3の制御装置について説明する。図7は、本実施形態に係る油圧ショベル3の制御装置70の機能ブロック図である。制御装置70は、油圧ショベル3に搭載される。
図7に示すように、油圧ショベル3は、無線通信装置69と、位置検出器68と、検出装置57と、制御装置70と、入力装置66と、表示装置67とを備える。
制御装置70は、入出力部71と、バケット位置データ取得部72と、入力データ取得部73と、指令データ生成部74を備える。
入出力部71は、位置検出器68から出力された油圧ショベル3の位置を示す位置データ、検出装置57で検出されたバケット53の位置を示すバケット位置データ、及び入力装置66が操作されることにより生成された入力データを取得する。また、入出力部41は、指令データ生成部74で生成された指令データを、無線通信装置69を介して管理装置10に出力する。
バケット位置データ取得部72は、位置検出器68によって検出された上部旋回体61の絶対位置を示す位置データと、検出装置57によって検出された上部旋回体61に対するバケット53の相対位置を示す位置データとを取得する。バケット位置データ取得部72は、位置検出器68で検出された上部旋回体61の絶対位置を示す位置データと、検出装置57で検出された上部旋回体61に対するバケット53の相対位置を示す位置データとに基づいて、バケット53の絶対位置を示すバケット位置データを算出する。
入力データ取得部73は、運転者Maに操作されることにより入力装置66で生成された入力データを取得する。
指令データ生成部74は、鉱山機械4の作業点の設定を指令する指令データを生成する。本実施形態において、指令データ生成部74は、鉱山の積込場LPAにおいてダンプトラック2の積込点の設定を指令する指令データを生成する。積込点の設定方法として、例えば、運転者Maは、操作レバー65を操作して、バケット53を希望する位置に配置した状態で、入力装置66を操作する。指令データは、入力装置66が操作された時点におけるバケット53の絶対位置を示すバケット位置データを含む。入力装置66が操作され、入力装置66で生成された入力データが入力データ取得部73に取得された時点におけるバケット53のバケット位置データが積込点として設定される。このように、本実施形態においては、油圧ショベル3に設けられた入力装置66が操作されることにより、積込点の設定を指令する指令データが指令データ生成部74によって生成される。指令データ生成部74で生成された指令データは、無線通信装置69を介して管理装置10に送信される。
次に、本実施形態に係るダンプトラック2の動作の一例について説明する。図8は、本実施形態に係るダンプトラック2の積込場LPAにおける動作の一例を示す模式図である。
積込場LPAは、ダンプトラック2に対する積込作業が実施されるエリアである。油圧ショベル3が積込場LPAに配置される。積込場LPAには、積込場LPAに進入および退去するダンプトラック2が走行する第1搬送路HL1と、積込場LPAから退去したダンプトラック2が走行する第2搬送路HL2とが接続される。なお、搬送路は1つの搬送路HLのみが積込場LPAに接続される構成であってもよい。
管理装置10における走行経路生成部123は、第1搬送路HL1におけるダンプトラック2の目標走行経路RPi、第2搬送路HL2におけるダンプトラック2の目標走行経路RPo、及び積込場LPAにおけるダンプトラック2の目標走行経路RPを生成する。
管理装置10におけるスイッチバック点設定部121は、積込場LPAにおいてスイッチバック点BPを設定する。作業点設定部122は、積込場LPAにおいて積込点LPを設定する。スイッチバック点BPは、スイッチバックするダンプトラック2の絶対位置における目標点を示す。積込点LPは、油圧ショベル3が積込作業する際のダンプトラック2の絶対位置における目標点を示す。前進しながら第1搬送路HL1から積込場LPAに進入したダンプトラック2は、スイッチバック点BPでスイッチバックして、後進しながら積込点LPに移動する。積込点LPにおいて積込作業が実施されたダンプトラック2は、前進しながら積込場LPAから第2搬送路HL2に退去する。
本実施形態において、積込点LPは、例えば油圧ショベル3の運転者Maにより指定される。運転者Maは、操作レバー65を操作して、作業機50のバケット53を希望する位置に配置する。バケット53が希望する位置に配置された状態で、運転者Maは、入力装置66を操作する。入力装置66が操作され、入力装置66で生成された入力データが入力データ取得部73に取得された時点におけるバケット53の絶対位置を示すバケット位置データが積込点LPに設定される。
運転者Maにより設定された積込点LPの位置データを含む指令データが油圧ショベル3の指令データ生成部74で生成される。指令データ生成部74で生成された指令データは、無線通信装置69を介して管理装置10に送信される。
管理装置10のデータ取得部124は、運転者Maにより指定された積込点LPの位置データを含む指令データを油圧ショベル3から取得する。管理装置10の作業点設定部122は、油圧ショベル3から送信された指令データに基づいて、積込点LPを設定する。なお、作業点設定部122は、指令データによらず、作業点設定部122が自動的に積込点LPを設定するようにしてもよい。
走行経路生成部123は、第1搬送路HL1における目標走行経路RPiと、スイッチバック点設定部121で設定されたスイッチバック点BPとが結ばれるように、積込場LPAの入口からの目標走行経路RPを生成する。また、走行経路生成部123は、スイッチバック点設定部121で設定されたスイッチバック点BPと作業点設定部122で設定された積込点LPとが結ばれるように、目標走行経路RPを生成する。また、走行経路生成部123は、作業点設定部122で設定された積込点LPと第2搬送路HL2における目標走行経路RPoとが結ばれるように、積込場LPAの出口までの目標走行経路RPを生成する。
走行経路生成部123で生成された目標走行経路データ、スイッチバック点設定部121で設定されたスイッチバック点データ、及び作業点設定部122で設定された積込点データ(作業点データ)は、通信システム9を介してダンプトラック2に送信される。本実施形態においては、走行経路生成部123で生成され、走行経路選択部125で選択された目標走行経路データが、通信システム9を介してダンプトラック2に送信される。ダンプトラック2は、管理装置10で生成された、第1搬送路HL1における目標走行経路RPi、積込場LPAにおけるスイッチバック点BP及び積込点LPを含む目標走行経路RP、及び第2搬送路HL2における目標走行経路RPoに従って、第1搬送路HL1、積込場LPA、及び第2搬送路HL2を走行する。
次に、本実施形態に係るダンプトラック2の制御方法について説明する。図9は、本実施形態に係るダンプトラック2の制御方法の一例を示すフローチャートである。図10は、本実施形態に係るダンプトラック2の制御方法の一例を示す模式図である。
管理装置10におけるスイッチバック点設定部121において、スイッチバック点BPの位置が設定される(ステップSP10)。スイッチバック点設定部121は、積込場LPAにおいてダンプトラック2のスイッチバック点BPを設定する。図10に示すように、本実施形態においては、1つのスイッチバック点BPが設定される。本実施形態において、スイッチバック点BPは、積込場LPAの入口と油圧ショベル3の位置との間に設定される。積込場LPAの入口は、第1搬送路HL1と積込場LPAとの接続部を含む。
スイッチバック点BPの位置の設定は、例えば管制施設7の管理者により実施されてもよいし、油圧ショベル3の運転者Maにより実施されてもよい。例えば、管制施設7の管理者が入力装置17を操作して、スイッチバック点BPを設定してもよい。また、管理装置10におけるスイッチバック点設定部121により自動的に設定されてもよい。油圧ショベル3の運転者Maが入力装置66を操作して、スイッチバック点BPを設定してもよい。油圧ショベル3の運転者Maがスイッチバック点BPを設定する場合、入力装置66が操作されることにより生成されたスイッチバック点BPを設定するための入力データが、油圧ショベル3から通信システム9を介して管理装置10に送信される。
本実施形態において、作業点設定部122は、積込場LPAにおいてダンプトラック2の積込点LPの位置を複数設定する(ステップSP20)。図10に示すように、本実施形態においては、例えば3つの積込点LP1,LP2,LP3が間隔をあけて設定される。
複数の積込点LPの位置が設定された後、目標走行経路RPが生成される(ステップSP30)。図10に示すように、走行経路生成部123は、第1搬送路HL1における目標走行経路RPiと積込場LPAにおけるスイッチバック点BPとが結ばれるように、目標走行経路RPiを生成する。
また、走行経路生成部123は、スイッチバック点BPと複数の積込点LP(LP1,LP2,LP3)のそれぞれとを結ぶように、複数の目標走行経路RPを生成する。図10に示す例では、複数の目標走行経路RPは、スイッチバック点BPと作業点LP1とを結ぶ目標走行経路RP1、スイッチバック点BPと作業点LP2とを結ぶ目標走行経路RP2、及びスイッチバック点BPと作業点LP3とを結ぶ目標走行経路RP3を含む。
走行経路選択部125は、走行経路生成部123で生成された複数の目標走行経路RP(RP1,RP2,RP3)から、ダンプトラック2を走行させる目標走行経路RPを選択する(ステップSP40)。
走行経路生成部123で生成され走行経路選択部125で選択された目標走行経路RPは、鉱山で稼働する複数のダンプトラック2のそれぞれに送信される。複数のダンプトラック2はそれぞれ、走行経路選択部125で選択された目標走行経路RPのいずれかに従って積込場LPA内を走行する。
走行制御部126は、第1搬送路HL1から積込場LPAに進入するダンプトラック2の走行を制御するための制御信号を出力する(ステップSP50)。本実施形態において、走行制御部126は、積込場LPAに進入するダンプトラック2が走行経路選択部125で選択された目標走行経路RPに従って走行するように、ダンプトラック2に制御信号を出力する。
積込場LPAにおいて設定された複数の目標走行経路RP(RP1,RP2,RP3)からダンプトラック2に走行させる目標走行経路RPが走行経路選択部125によって選択された場合、走行制御部126は、その選択された目標走行経路RPに従ってダンプトラック2が走行するように、そのダンプトラック2に制御信号を出力する。
本実施形態においては、走行経路選択部125は、積込場LPAにおいて、ダンプトラック2が第1の目標走行経路RPを走行後、第2の目標走行経路RPを走行するように、ダンプトラック2を走行させる目標走行経路RPを選択する。
例えば、走行経路選択部125は、あるダンプトラック2が目標走行経路RP1を走行して積込点LP1に到達し、積込作業を終了した後、次のダンプトラック2が目標走行経路RP2を走行して積込点LP2に到達するように、複数のダンプトラック2のそれぞれを走行させるための目標走行経路RPを選択する。
走行経路選択部125は、ダンプトラック2が複数の積込点LP(LP1,LP2,LP3)に順次走行するように目標走行経路RPを選択する。例えば、第1のダンプトラック2がスイッチバック点BPを通過して積込点LP1に向かって目標走行経路RP1を走行後に積込作業を実施する第1動作、第2のダンプトラック2がスイッチバック点BPを通過して積込点LP2に向かって目標走行経路RP2を走行後に積込作業を実施する第2動作、及び第3のダンプトラック2がスイッチバック点BPを通過して積込点LP3に向かって目標走行経路RP3を走行後に積込作業を実施する第3動作が、第1動作、第2動作、及び第3動作の順番で実施された後、再度、第1動作、第2動作、及び第3動作が、その順番で実施されるように、複数のダンプトラック2が制御される。
本実施形態において、作業点設定部122は、積込場LPAにおいて轍の生成が抑制されるように、複数の積込点LP(LP1,LP2,LP3)を設定する。走行経路生成部123は、積込場LPAにおいて轍の生成が抑制されるように、複数の目標走行経路RP(RP1,RP2,RP3)を設定する。走行経路選択部125は、積込場LPAにおいて轍の生成が抑制されるように、ダンプトラック2を通過させる目標走行経路RPを選択する。走行経路制御部126は、選択された目標走行経路RPに従って走行するように、各ダンプトラック2に制御信号を送信する。
例えば、複数の積込点LPの間隔が狭かったり、複数の目標走行経路RPの間隔が狭かったりする場合、複数のダンプトラック2の車輪26は、実質的に同一ルートを通過することとなる。その結果、深い轍が生成される可能性がある。作業点設定部122は、複数の作業点LPの間隔が、例えば車輪26の幅(タイヤ幅)よりも大きくなるように、複数の作業点LPを設定する。走行経路生成部123は、複数の目標走行経路RPの間隔が、例えば車輪26の幅(タイヤ幅)よりも大きくなるように、複数の目標走行経路RPを設定する。
また、積込点LPが複数設定されても、複数の積込点LPのうち特定の積込点LPに向かって複数のダンプトラック2が連続して走行する場合、深い轍が生成される可能性がある。同様に、目標走行経路RPが複数設定されても、複数の目標走行経路RPのうち特定の目標走行経路RPを複数のダンプトラック2の車輪26が連続して通過する場合、深い轍が生成される可能性がある。
そこで、走行経路選択部125は、複数の積込点LPのうち同一の積込点LPに向かって複数のダンプトラック2が連続して走行しないように、複数の目標走行経路RPからダンプトラック2を走行させる目標走行経路RPを選択する。例えば、走行経路選択部125は、第1のダンプトラック2が積込場LPに進入した後に第2のダンプトラック2が積込場LPに進入する場合において、第1のダンプトラック2が配置される第1の積込点LPを、第2のダンプトラック2が配置されずに第1の積込点LPとは異なる第2の積込点LPに配置されるように、目標走行経路RPを選択してもよい。
また、走行経路選択部125は、スイッチバック点BPと複数の積込点LPとの間の複数の目標走行経路RPのうち同一の目標走行経路RPに複数のダンプトラック2が連続して通過しないように、複数の目標走行経路RPからダンプトラック2を走行させる目標走行経路RPを選択する。例えば、走行経路選択部125は、第1のダンプトラック2が積込場LPに進入した後に第2のダンプトラック2が積込場LPに進入する場合において、第1のダンプトラック2が通過した第1の目標走行経路RPを、第2のダンプトラック2が通過せずに第1の目標走行経路RPとは異なる第2の目標走行経路RPを通過するように、目標走行経路RPを選択してもよい。
なお、ある積込場LPAにおいて、第1のダンプトラック2が通過する積込点LPとして第1の積込点LP1が選択されたとしても、次に第1のダンプトラック2が同じ積込場LPAに進入する場合には、異なる積込点LPが選択されてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、1つのスイッチバック点BPに対して複数の積込点LPが設定され、スイッチバック点BPと複数の積込点LPのそれぞれとを結ぶ複数の目標走行経路RPが生成され、複数の目標走行経路RPのそれぞれに従ってダンプトラック2が積込点LPに走行するように制御されるので、同一の目標走行経路RPに従ってダンプトラック2が連続的に走行することが抑制される。したがって、積込場LPにおいて深い轍が生成されることが抑制される。深い轍の生成が抑制されるため、整地作業の実施が抑制され、鉱山の生産性の低下が抑制される。
また、本実施形態においては、作業点設定部122は、積込場LPにおいて轍の生成が抑制されるように、複数の積込点LPを設定する。作業点設定部122が、複数の積込点LPの間隔を調整したり、積込点LPの位置を変えたりすることにより、深い轍の生成が抑制される。
また、本実施形態においては、油圧ショベル3に設けられた入力装置66が運転者Maに操作されることにより指令データが生成され、作業点設定部122は、データ取得部124を介して、油圧ショベル3から指令データを取得する。運転者Maが入力装置66を操作する回数よりも多い数の積込点LPが作業点設定部122によって自動的に設定される。これにより、複数の積込点LPを設定する作業は効率良く実施される。また、運転者Maが希望する位置に積込点LPを設定することができる。
また、本実施形態においては、ダンプトラック2は、複数の積込点LPに順次走行するように制御される。これにより、例えばダンプトラック2が積込点LP1に配置されてから再度積込点LP1に配置されるまでの期間と、ダンプトラック2が積込点LP2に配置されてから再度積込点LP2に配置されるまでの期間と、ダンプトラック2が積込点LP3に配置されてから再度積込点LP3に配置されるまでの期間とを、実質的に同一にすることができる。これにより、複数の積込点LPにおいてダンプトラック2が配置される回数の偏り及び配置されない期間の偏りが抑制されるので、深い轍の生成が抑制される。
なお、本実施形態においては、走行制御部126は、ダンプトラック2が複数の積込点LP(LP1,LP2,LP3)に順次走行するように制御信号を出力することとした。すなわち、第1のダンプトラック2がスイッチバック点BPを通過して積込点LP1に向かって目標走行経路RP1を走行させる第1動作、第2のダンプトラック2がスイッチバック点BPを通過して積込点LP2に向かって目標走行経路RP2を走行させる第2動作、及び第3のダンプトラック2がスイッチバック点BPを通過して積込点LP3に向かって目標走行経路RP3を走行させる第3動作が、第1動作、第2動作、及び第3動作の順番で実施された後、再度、第1動作、第2動作、及び第3動作の順番で実施されるように、複数のダンプトラック2が制御される、シーケンシャル走行制御が実施されることとした。第1動作、第2動作、及び第3動作が、ダンプトラック2の走行毎に変更されるランダム走行制御が実施されてもよい。ランダム制御においては、上述のように、同一のスイッチバック点BPを連続的にダンプトラック2が通過しないように、ダンプトラック2の走行が制御されてもよい。また、後述するような、頻度マップ走行制御が実施されてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図11は、本実施形態に係るダンプトラック2の制御方法の一例を示す模式図である。図11に示すように、作業点設定部122は、複数の積込点LPを、積込場LPAにおいて、規定ラインCLに沿って間隔をあけて設定することができる。図11に示す例では、規定ラインCLに沿って3つの積込点LP(LP1,LP2,LP3)が設定される。
本実施形態において、規定ラインCLは、下部走行体62の走行が実質的に停止され、上部旋回体61が旋回軸RXを中心に旋回したときの、バケット53が描く円弧状のラインによって規定される。なお規定ラインの形状は円弧状であってもよいし、直線であってもよい。
上述のように、積込点LPは、例えば油圧ショベル3の運転者Maにより指定される。運転者Maは、希望する位置にバケット53が配置された状態で、入力装置66を操作する。油圧ショベル3の指令データ生成部74は、入力装置66が操作されることにより生成された入力データを入力データ取得部73が取得した時点におけるバケット53の絶対位置を示すバケット位置データに基づいて、ダンプトラック2の積込点LPの設定を指令する指令データを生成する。
本実施形態においては、運転者Maは、操作レバー65を操作してバケット53を積込点LP1に配置した状態で入力装置66を操作した後、操作レバー65を操作してバケット53を積込点LP3に配置した状態で入力装置66を操作する。これにより、油圧ショベル3の指令データ生成部74は、積込点LP1の設定を指令する指令データ、及び積込点LP3の設定を指令する指令データを生成する。
本実施形態においては、運転者Maは、バケット53を積込点LP1に配置した状態で入力装置66を操作した後、下部走行体62の走行を停止し、且つ、作業機50の伸縮を停止した状態で、上部旋回体61を旋回させて、バケット53を積込点LP3に配置して、入力装置66を操作する。したがって、積込点LP1及び積込点LP3は、旋回軸RXを中心とする円弧状の規定ラインCLに沿って間隔をあけて設定される。
なお、運転者Maは、バケット53を積込点LP1に配置した状態で入力装置66を操作した後、下部走行体62を僅かに走行させたり、作業機50を僅かに伸縮させたりしながら、上部旋回体61を旋回させて、バケット53を積込点LP3に配置して、入力装置66を操作してもよい。
管理装置10のデータ取得部124は、指令データ生成部74で生成された指令データを、通信システム9を介して油圧ショベル3から取得する。管理装置10の作業点設定部122は、データ取得部124で取得された指令データに基づいて、複数の積込点LPを設定する。図11に示すように、作業点設定部122は、指令データによって規定された積込点LP1と積込点LP3との間に、積込点LP2を設定する。積込点LP2は、規定ラインCL上に設定される。すなわち、本実施形態において、作業点設定部122は、3つの積込点LP1,LP2,LP3を規定ラインCLに沿って間隔をあけて設定する。
以上説明したように、規定ラインCLが設定され、規定ラインCLに沿って複数の積込点LPが設定されることにより、積込場LPAにおいて深い轍が生成されることが抑制され、鉱山の生産性の低下が抑制される。
また、本実施形態においては、複数の積込点LPは、旋回軸RXを中心とする円弧状の規定ラインCLに沿って間隔をあけて設定される。これにより、複数の積込点LPを設定するとき、運転者Maは、下部走行体62を走行させることなく、且つ、作業機50を伸縮させることなく、上部旋回体61を旋回させるだけで、複数の積込点LPを円滑に設定することができる。また、規定ラインCLに沿って複数の作業点LPが設定されることにより、ダンプトラック2に対する積込作業を実施するとき、運転者Maは、下部走行体62を走行させることなく、上部旋回体61を旋回させるだけで、複数の積込点LPのそれぞれに配置されたダンプトラック2に対する積込作業を作業性良く実施することができる。
なお、本実施形態において、規定ラインCLは、バケット53の移動軌跡でなくてもよい。例えば、管理装置10が任意に規定ラインCLを設定してもよい。
なお、図11に示す例では、規定ラインCLに沿って3つの積込点LP(LP1,LP2,LP3)が設定されているが、規定ラインCL上であればどの位置においても積込点LPを設定することができる。各ダンプトラック2が走行する毎にどの位置の積込点LPを通過させるかは、走行経路選択部125が選択する。具体的な走行経路の選択手法としては、例えば図11のように所定の積込点をいくつか設定して順次選択されるようにしてもよいし、図11における積込点LP1から上方向に等間隔に積込点LPを移動させて選択するようにしてもよいし、ランダムに規定ラインCL上に積込点LPを選択するようにしてもよい。また、後述する頻度マップを用いて積込点LPを選択するようにしてもよい。その他、どのような選択方法を採用してもよい。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図12は、本実施形態に係るダンプトラック2の制御方法の一例を示す模式図である。図12に示すように、作業点設定部122は、複数の積込点LPを、積込場LPAに設定された規定エリアARに設定することができる。図12に示す例では、規定エリアARに3つの積込点LP(LP1,LP2,LP3)が間隔をあけて設定される。
本実施形態において、規定エリアARは、油圧ショベル3の上部旋回体61の旋回エリアCRに設定する。上部旋回体61の旋回エリアCRとは、下部走行体62の走行が実質的に停止され、作業機50が最も伸ばされた状態で、上部旋回体61が旋回軸RXを中心に旋回したときの、バケット53の刃先が描く円の内側の領域をいう。なお、作業機50が最も伸ばされた状態とは、下部走行体62が配置される地面と実質的に平行な面内において、バケット53の刃先が旋回軸RXから最も遠くに配置されるときの作業機50の姿勢をいう。
以上説明したように、規定エリアARが設定され、規定エリアARに複数の積込点LPが設定されることにより、積込場LPAにおいて深い轍が生成されることが抑制され、鉱山の生産性の低下が抑制される。
また、本実施形態においては、規定エリアARは上部旋回体61の旋回エリアCRに規定され、複数の作業点LPは、上部旋回体61の旋回エリアCRに間隔をあけて設定される。旋回エリアCRの内側に複数の作業点LPが設定されることにより、複数の積込点LPを設定するとき、運転者Maは、下部走行体62を走行させることなく、上部旋回体61を旋回させるだけで、複数の積込点LPを円滑に設定することができる。また、旋回エリアCRの内側に複数の作業点LPが設定されることにより、ダンプトラック2に対する積込作業を実施するとき、運転者Maは、下部走行体62を走行させることなく、上部旋回体61を旋回させるだけで、複数の積込点LPのそれぞれに配置されたダンプトラック2に対する積込作業を作業性良く実施することができる。
なお、本実施形態において、規定エリアARは、旋回エリアCRの外側に設定されてもよい。
なお、図12に示す例では、規定エリアARに3つの積込点LP(LP1,LP2,LP3)が間隔をあけて設定されているが、規定エリアAR上であればどの位置においても積込点LPを設定することができる。各ダンプトラック2が走行する毎にどの位置の積込点LPを通過させるかは、走行経路選択部125が選択する。具体的な走行経路の選択手法としては、例えば図12のように所定の積込点をいくつか設定して順次選択されるようにしてもよいし、図12における積込点LP1から所定の方向(上、下、左右、斜め等)に等間隔に積込点LPを移動させて選択するようにしてもよいし、ランダムに規定エリアAR上に積込点LPを選択するようにしてもよい。また、後述する頻度マップを用いて積込点LPを選択するようにしてもよい。その他、どのような選択方法を採用してもよい。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
本実施形態においては、頻度マップを用いたスイッチバック点BP、すなわち走行経路RPの選択方法について説明する。頻度マップを用いた手法は、例えば上述した第1実施形態から第3実施形態の例において適用することができる。本実施形態において、走行経路選択部125は、積込場LPAにおいて轍の生成が抑制されるように、積込点LPの位置を変える。走行経路生成部123は、積込場LPAにおいて轍の生成が抑制されるように、目標走行経路RPの位置(ルート)を変える。
図13は、本実施形態に係るダンプトラック2の制御方法の一例を示す模式図である。図13では、上記第3実施形態の規定エリアARを用いた例において説明する。走行制御部126は、スイッチバック点BP及び複数の積込点LPを含む積込場LPAの所定エリアASを複数のグリッドGRで区画する。規定エリアARは、所定エリアASの一部に設定される。走行制御部126は、位置検出器35で検出されるダンプトラック2の絶対位置データに基づいて、ダンプトラック2の車輪26が通過したグリッドGRを特定する。走行制御部126は、複数のグリッドGR毎に、ダンプトラック2の車輪26が通過した回数をカウントする。つまり、あるグリッドGRのカウント回数が周囲のグリッドGRのカウント回数に対して大きい差がある場合、その領域に轍が発生していると推定することができる。作業点設定部122は、スイッチバック点BPの位置が固定された状態で、所定エリアASに設定された複数のグリッドGRのそれぞれについて、ダンプトラック2の車輪26がグリッドGRを通過した回数が、周囲のグリッドGRを通過した回数に対して突出して大きくならないように、積込点LPの位置を自動的に変える。また、走行経路生成部123は、スイッチバック点BPの位置が固定された状態で、所定エリアASに設定された複数のグリッドGRのそれぞれについて、ダンプトラック2の車輪26がグリッドGRを通過した回数が、周囲のグリッドGRを通過した回数に対して突出して大きくならないように、目標走行経路RPのルートを変える。これにより、深い轍の生成が抑制される。
図13に示す例では、目標走行経路RP2及び積込点LP2を含むグリッドGRbをダンプトラック2の車輪26が通過した回数が、そのグリッドGRbの周囲のグリッドGRを通過した回数よりも多いと判定される。この場合、作業点設定部122は、規定エリアARにおいて、作業点LPの位置を、作業点LP2から、例えば作業点LP1又は作業点LP3に変更する。
なお、本実施形態では目標走行経路RP上に位置するグリッドのカウント回数を増加させるようにしたが、実際の走行経路に対するタイヤの走行経路上に位置するグリッドのカウント回数を増加させるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態においては、積込場LPAの所定エリアASにおいてダンプトラック2の車輪26が通過する頻度を示す頻度マップが作成され、その頻度マップを参照して、所定エリアASの特定領域だけ車輪26が高頻度で走行しないように、作業点LP及び目標走行経路RPが設定される。したがって、積込場LPAにおいて深い轍が生成されることが抑制され、鉱山の生産性の低下が抑制される。
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図14は、本実施形態に係るダンプトラック2の制御方法の一例を示す模式図である。図14に示すように、スイッチバック点設定部121は、積込場LPAにおいて複数のスイッチバック点BPを設定することができる。また、走行経路生成部123は、第1搬送路HL1において複数の目標走行経路RPiを生成することができる。図14に示す例では、積込場LPAにおいて5つのスイッチバック点BPが間隔をあけて設定され、第1搬送路HL1において5つの目標走行経路RPiが生成される。走行制御部126は、第1搬送路HL1においてダンプトラック2が複数の目標走行経路RPiのそれぞれを通過するように、ダンプトラック2を制御する。これにより、第1搬送路HL1において深い轍が生成されることが抑制される。
本実施形態において、走行経路生成部123は、複数のスイッチバック点BPと第1搬送路HL1の複数の目標走行経路RPiのそれぞれとを結ぶように、第1搬送路HL1において複数の目標走行経路RPiを生成する。
また、走行経路生成部123は、積込点LPと複数のスイッチバック点BPのそれぞれとを結ぶように、積込場LPAにおいて複数の目標走行経路RPを生成する。なお、図14は、積込点LP1と複数のスイッチバック点BPのそれぞれとが結ばれる例を示す。図示は省略するが、走行経路生成部123は、積込点LP2と複数のスイッチバック点BPのそれぞれとを結ぶように、積込場LPAにおいて複数の目標走行経路RPを生成する。また、走行経路生成部123は、積込点LP3と複数のスイッチバック点BPのそれぞれとを結ぶように、積込場LPAにおいて複数の目標走行経路RPを生成する。走行制御部126は、積込場LPAにおいてダンプトラック2が複数の目標走行経路RPのそれぞれを通過するように、ダンプトラック2を制御する。これにより、積込場LPAにおいて深い轍が生成されることが抑制される。
また、走行経路生成部123は、第2搬送路HL2においてダンプトラック2の目標走行経路RPoを複数生成することができる。走行経路生成部123は、積込点LPと第2搬送路HL2の複数の目標走行経路RPoのそれぞれとを結ぶように、第2搬送路HL2において複数の目標走行経路RPoを生成する。なお、図14は、積込点LP1と複数の目標走行経路RPoのそれぞれとが結ばれる例を示す。図示は省略するが、走行経路生成部123は、積込点LP2と複数の目標走行経路RPoのそれぞれとを結ぶように、第2搬送路HL2において複数の目標走行経路RPoを生成する。また、走行経路生成部123は、積込点LP3と複数の目標走行経路RPoのそれぞれとを結ぶように、第2搬送路HL2において複数の目標走行経路RPoを生成する。走行制御部126は、第2搬送路HL2においてダンプトラック2が複数の目標走行経路RPoのそれぞれを通過するように、ダンプトラック2を制御する。これにより、第2搬送路HL2において深い轍が生成されることが抑制される。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1搬送路HL1において複数の目標走行経路RPiが生成され、第2搬送路HL2において複数の目標走行経路RPoが生成されることにより、第1搬送路HL1及び第2搬送路HL2においても轍の生成が抑制される。また、スイッチバック点BPが複数設定されることにより、積込場LPAの広い範囲において轍の生成が抑制される。
<第6実施形態>
第6実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図15は、本実施形態に係るダンプトラック2の制御方法の一例を示す模式図である。図15に示すように、作業点設定部122は、排土場DPAにおいてダンプトラック2の排出点DPを複数設定することができる。また、スイッチバック点設定部121は、排土場DPAにおいてスイッチバック点BPを設定することができる。走行経路生成部123は、スイッチバック点BPと複数の排出点DPのそれぞれとを結ぶ複数の目標走行経路RPを生成することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、排土場DPAにおける轍の生成が抑制される。
なお、上述の実施形態において、積込点LP及び排出点DPの一方又は両方を含む作業点の設定は、運転者Maによる入力装置66の操作に基づいて実施されることとした。作業点は、管理装置10により自動的に設定されてもよい。また、運転者Maによる入力装置66の操作により油圧ショベル3で生成された指令データは、管理装置10を経由せずに、油圧ショベル3とダンプトラック2との車々間通信によってダンプトラック2に送信されてもよい。
なお、上述の実施形態においては、ダンプトラック2が無人ダンプトラックであることとした。ダンプトラック2は、運転者の操作に従って走行する有人ダンプトラックでもよい。
なお、上述の実施形態においては、制御システム1がダンプトラック2の走行に適用されることとしたが、例えばホイールローダのようなダンプトラック2とは異なる他の鉱山機械の走行に適用されてもよい。
なお、上述の実施形態においては、作業機械が鉱山で稼働する鉱山機械であることとしたが、鉱山とは異なる作業現場で用いられる作業機械でもよい。
1…制御システム、2…ダンプトラック(鉱山機械)、3…油圧ショベル(鉱山機械)、4…鉱山機械(作業機械)、5…測位衛星、6…中継器、7…管制施設、9…通信システム、10…管理装置、11…コンピュータ、12…処理装置、13…記憶装置、15…入出力部、16…表示装置、17…入力装置、18…無線通信装置、18A…アンテナ、21…走行装置、22…車両本体、23…ベッセル、24…駆動装置、25…制御装置、26…車輪、27…車軸、28…ブレーキ装置、29…操舵装置、35…位置検出器、35A…アンテナ、36…無線通信装置、36A…アンテナ、41…入出力部、42…走行条件データ取得部、43…運転制御部、44…絶対位置データ取得部、45…記憶部、50…作業機、53…バケット、57…検出装置、60…車両本体、61…上部旋回体、62…下部走行体、62A…駆動輪、62B…従動輪、62C…履帯、63…キャブ、64…運転席、65…操作レバー、66…入力装置、67…表示装置、68…位置検出器、69…無線通信装置、70…制御装置、71…入出力部、72…バケット位置データ取得部、73…入力データ取得部、74…指令データ生成部、121…スイッチバック点設定部、122…作業点設定部、123…走行経路生成部、124…データ取得部、125…走行経路選択部、126…走行制御部、AR…規定エリア、AS…所定エリア、BP…スイッチバック点、CL…規定ライン、CR…旋回エリア、CS…コースデータ、DPA…排土場、GR…グリッド、HL…搬送路、LP…積込点(作業点)、LPA…積込場、PI…コース点、PA…作業場、RP…目標走行経路。

Claims (3)

  1. 鉱山の作業場において、運搬機械が前記作業場に進入する前に設定されたスイッチバック点の位置と積込機械の下部走行体の走行が停止した状態で上部旋回体が旋回するときの作業機の旋回エリアの一部の領域に前記設定された1つのスイッチバック点に対して複数設定された前記運搬機械の作業点の位置とをそれぞれ結ぶように前記運搬機械が前記作業場を走行するための複数の目標走行経路を生成し、前記生成された複数の目標走行経路から選択された目標走行経にしたがって走行すること、を含む、
    作業機械の管理方法。
  2. 前記運搬機械の作業点は、前記設定された1つのスイッチバック点に対して前記作業機の旋回エリアに間隔をあけて少なくとも3つ設定される、
    請求項1に記載の作業機械の管理方法。
  3. 前記作業場は、積込場及び排土場を含み、
    前記運搬機械の作業点は、積込場における積込点及び排土場における排土点を含む、
    請求項1又は請求項2に記載の作業機械の管理方法。
JP2017113840A 2017-06-08 2017-06-08 作業機械の管理方法 Active JP6701125B2 (ja)

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