JP6701065B2 - 通信制御装置、設備通信システム、および、空調機 - Google Patents

通信制御装置、設備通信システム、および、空調機 Download PDF

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Description

本発明は、通信制御装置、設備通信システム、および、空調機に関する。
産業用設備の通信網は、伝達する情報として設備機器の動作状態や制御命令といった少量の情報を扱う。このため、インターネットと比較して低速度のシリアル通信を用い低コスト化を図る方法が知られている。また、近年では設備機器の高機能化、伝達情報の多様化が進んでいる。
特許文献1には、空調管理装置が複数の空調機の動作状態を監視し、停止中の空調機に更新ソフトウェアを配信する方法が記載されている。
国際特許2014−181472公報
ビル内に設置される設備装置は、同じ通信速度の通信能力を持つ複数の装置が同時期に一斉に導入されるケースもあるが、旧製品と新製品とが混在して導入されることも多い。例えば、旧製品では低速通信しか対応していなかったが、新製品では高速通信も対応する。このような様々な通信速度の設備装置が混在する環境下であっても、正しく動作させる必要がある。
仮に、旧製品と新製品とで双方に対応している低速通信だけで通信を行うと、接続性は保証されるものの新製品の高速通信機能が使われないことにより、通信網の利用効率が下がる。
また、高速通信機能だけを利用し続けると、通信網の利用効率は上がるものの、低速通信でしか送信できない空調システムの制御信号が、高速通信により圧迫されてしまう。その結果、直ちに設備装置に反映したい制御信号(空調機の温度変更信号など)の到着が遅れてしまい、ユーザに不便を強いてしまう。このように、設備装置間を接続する設備網の利用には、通信効率の向上と、重要信号の確実な送信とをともに実現する必要がある。
しかし、特許文献1に記載の技術などの従来の技術は、様々な通信速度の設備装置が混在する環境下での、設備網の利便性向上という課題には不向きであった。
特許文献1には、空調機が停止中であるときにソフトウェアを配信する処理が記載されている。しかし、空調機が動作中のときにも設備網には通信可能な空き時間が存在する。よって、その空き時間を活用できておらず、設備網の通信効率が低いままであった。また、24時間運用される空調機には、そもそも停止期間が存在しない。
そこで、本発明は、様々な通信速度の設備装置が混在する環境下において設備網の利便性を向上させることを、主な課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の通信制御装置は、以下の構成を有する。
つまり、第1通信に対応する通信能力を有する第1設備装置と、前記第1設備装置よりも高速の通信能力を有し、前記第1通信および第2通信の双方に対応する第2設備装置とが混在して接続される設備網の通信を制御する通信制御装置であって、
記第1通信に使用されていない前記設備網の空き状態を前記第2通信に割り当てる通信割当部と、
前記設備網の通信モードを前記第1通信から前記第2通信に切り換えるためのトリガ信号を送信する通信制御部とを有することを特徴とする。
その他の手段は、後記する。
本発明によれば、様々な通信速度の設備装置が混在する環境下において設備網の利便性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に関する設備通信システムの構成図である。 本発明の一実施形態に関する設備通信システムの装置管理テーブルである。 本発明の一実施形態に関する設備通信システムの各設備装置の詳細な構成図である。 本発明の一実施形態に関する設備通信システムでやりとりされるパケットの説明図である。 本発明の一実施形態に関する設備網の通信モードの説明図である。 本発明の一実施形態に関する各設備装置間での1:1通信のシーケンス図である。 本発明の一実施形態に関する各設備装置間でのマルチキャスト通信のシーケンス図である。 本発明の一実施形態に関する設備通信システムの各装置についての調査処理のシーケンス図である。 本発明の一実施形態に関する設備通信システムの時系列における通信量の成分グラフである。 本発明の一実施形態に関する高速データ配信されるパケットの分割送信処理を示す図である。 本発明の一実施形態に関するパケットの分割送信処理のシーケンス図である。 本発明の一実施形態に関する低速装置の送受信処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する送信パケット作成処理の詳細を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関するパケット送信処理の詳細を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する高速装置の受信処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する高速装置の送信処理を複数回連続して行うときの、初回分の送信処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する高速装置の送信処理の2回分以降を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する設備通信システムの通信量をもとにしたデータ分割処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、設備通信システムの構成図である。設備通信システムは、ビル全体の設備を管理するための上位装置9と、設備網5に接続される各設備装置とにより構成される。
ここで、各設備装置とは、エアコンの室内機21〜26、エアコンの室外機31,32、照明機器やセキュリティ機器などの付随する機器41,42、および、それらの各装置を管理するための管理装置11,12の総称である。
各設備装置は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶手段(記憶部)と、ネットワークインタフェースとを有するコンピュータとして構成される。
このコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラム(アプリケーションや、その他のアプリとも呼ばれる)を実行することにより、各処理部により構成される制御部(制御手段)を動作させる。
上位装置9は、設備網5と異なるネットワークで管理装置11に接続される。上位装置9は、例えばビル全体の消費電力を最適化するために管理装置11に機器制御の指令を送信することで、その管理装置11から設備網5を介して、各設備装置を制御する。
なお、設備網5に接続されている各設備装置は、双方向(任意の方向)での送受信が可能である。例えば、管理装置11から室内機21にエアコンの温度調整信号を送信したり、室内機21から管理装置11に室内温度情報を通知したりする。
設備網5は、複数の通信モードを時系列で切り換えて通信可能なネットワークである。設備網5は、例えば、第1の通信モードとしての低速通信と、第2の通信モードとしての高速通信とが切り換わる。そして、低速通信の時間帯には、エアコンの温度調整信号などの重要な制御信号を送信し、高速通信の時間帯には、エアコンのファームウェア最新版などの大容量データを送信するなど、各通信モードに応じたデータ内容を送信するようにすれば、設備網5を有効活用することができる。
ここで、通信モードの切り換えは、通常の通信モードを基本とし、通信モードの変更トリガが発生したときには、通信モードを別のモードに切り換えることとする。なお、以下では、低速通信を通常の通信モードとし、高速通信をトリガに起因する通信モードとして説明する。一方、高速通信を通常の通信モードとし、低速通信をトリガに起因する通信モードとしてもよい。
また、設備通信システムの各設備装置は、低速通信だけに対応した低速装置と、低速通信および高速通信の両方に対応した高速装置とのいずれかに分類される。換言すると、低速通信しか対応していない旧型の設備装置である低速装置と、高速通信にも対応した上位互換である新型の設備装置である高速装置とが混在した通信環境が、設備通信システムである。
なお、図1では、装置を囲む四角形を太線で記載したものは高速装置を示し(室内機21など)、装置を囲む四角形を細線で記載したものは低速装置を示す(室内機23など)。
そして、図1では、各設備装置を2つのグループにグループ化している。
第1グループ8aは、管理装置11と、室内機21,22と、室外機31と、機器41とを含めて構成される。第2グループ8bは、管理装置12と、室内機23〜26と、室外機32と、機器42とを含めて構成される。
各グループは、同じ冷媒系統に属する設備装置の集合体である。室内機21,22と、室外機31とは、冷媒ガスを供給するための第1の冷媒配管(破線で図示)で接続されている。室内機23〜26と、室外機32とは、冷媒ガスを供給するための第2の冷媒配管(破線で図示)で接続されている。
図2は、設備通信システムの装置管理テーブルである。装置管理テーブルには、図1の設備通信システムで示した設備装置ごとに、装置種別、装置個別のアドレス、高速通信への対応可否(○が対応する高速装置、×が未対応の低速装置)、装置が属するグループが記載されている。
装置管理テーブルは、各設備装置内に記憶される。なお、各設備装置内に記憶する装置管理テーブルの内容は、テーブルの全エントリとしてもよいし、自身からみて通信相手とならない装置のエントリを除外してもよい。通信相手とならない装置とは、例えば、自身が室内機21であるときの室内機22など、自身と同じ装置種別の装置である。
図3は、設備通信システムの各設備装置の詳細な構成図である。図3に示す設備装置は、低速装置の機構、高速装置の機構、および、帯域制御装置(通信制御装置)の機構(帯域制御部70)を1台の筐体に内蔵している。
設備装置は、記憶部51と、負荷部52と、入出力部53と、制御部54とを有する。
設備装置を「低速装置」として動作させるときには、入出力部53内に出力部61と入力部63とを備え、かつ、制御部54内に送信部71と受信部73と通信制御部74とを備えればよい。
設備装置を「高速装置」として動作させるときには、低速装置の機構に加えて、入出力部53内に速度切換指示部62を備え、かつ、制御部54内に速度判断部72を備えればよい。
設備装置を「帯域制御装置」として動作させるときには、高速装置の機構に加えて、制御部54内に帯域監視部75と空期間算出部76とサイクル数算出部77とデータ分割部78とを帯域制御部70として備えればよい。
負荷部52は、例えば装置種別「管理装置」の場合は表示ディスプレイ、装置種別「室内機」の場合はファン、装置種別「室外機」の場合は圧縮機、装置種別「機器」の場合は照明ランプや撮像センサなどである。記憶部51には、ファンの回転速度などの負荷部52に関する各種パラメータなどが記憶される。
まず、低速装置について、説明する。低速装置は、以下に示すように、パケット送受信の基本的な通信機能を有する。
入力部63は、設備網5から受信したパケットを受信部73に通知する。出力部61は、送信するパケットのデータが送信部71から通知されると、通知されたデータを含むパケットを設備網5に送信する。なお、送信するパケットを入力部63にも戻すことで、通信制御部74はパケットが正しく出力されたかを確認することができる。
通信制御部74は、受信部73から受信したパケットの受信情報を元に記憶部51へのデータアクセス処理および負荷部52への制御処理を実行する。さらに、通信制御部74は、他装置に通知するデータを送信部71から出力部61に出力する。なお、通信制御部74は、負荷部52の状態にもとづき自発的にパケットを送信してもよい。
次に、高速装置について、説明する。高速装置は、低速通信を用いて低速装置と通信を行い、高速通信を用いて高速装置と通信を行うように、高速通信と低速通信とを切り換えることができる。
速度判断部72は、受信部73から受信した速度切り換えのトリガ信号に基づき、低速通信と高速通信とを切り換えるか否かを判断する。この判断結果は、速度判断部72から通信制御部74と速度切換指示部62とに通知される。
速度切換指示部62は、低速通信から高速通信に切り換えてパケットを送受信する旨を、出力部61と入力部63とに指示することで、高速通信を実現する。なお、通信制御部74は、外部からトリガ信号を受信する代わりに、装置自身が高速通信を必要とするときに、低速通信から高速通信に切り換えるトリガを発生させてもよい。
次に、帯域制御部70について、説明する。帯域制御部70は、低速通信を行う期間と、高速通信を行う期間とをそれぞれ決定することで、設備網5の帯域を制御する。なお、帯域制御部70を備える設備装置は、管理装置11に限定されず、室内機21、室外機31、機器41などの任意の装置種別の装置としてもよい。
帯域監視部75は、受信部73を介し設備網5で送受信されている通信量を監視する(詳細は図9の符号131)。監視対象となる通信量は、自身が送受信する通信量だけではなく、他の機器が送受信する通信量を含む。
空期間算出部76は、帯域監視部75で監視する通信量をもとに、設備網5の空期間を算出する(詳細は図9の符号132)。ここでの「空期間」とは、パケットが1つも流れていない無データ期間だけでなく、少数パケットが流れているが通信帯域(通信能力)に余裕がある期間も該当する。つまり、空期間算出部76は、設備網5が対応する通信量の上限から、帯域監視部75が監視した現在使用している通信量を減じた結果である余裕通信量を計算し、その余裕通信量が存在する期間を空期間とする。
サイクル数算出部77は、空期間算出部76で算出した通信ネットワークの空期間を元に、高速通信を行う送受信のサイクルを算出する(詳細は図10の符号141)。ここでの「サイクル」とは、空期間におけるデータ通信を割り当てる単位である。空期間の余裕通信量が大きいほど、割り当て可能なサイクルも多くすることができる。
データ分割部78は、サイクル数算出部77で算出したサイクル数にもとづき、記憶部51に記憶された送信対象のデータを分割する。(詳細は図10の符号142)。分割されたデータは、それぞれ別々のパケットに含められ、個別に送信される。つまり、送信側の通信制御部74は、サイクル数算出部77で算出したサイクル数に基づき、データ分割部78で分割された通信データを送信するように、入出力部53を制御する。また、受信側の通信制御部74は、分割されたパケットの集合体から、分割前の1つのデータを復元する。
図4は、設備通信システムでやりとりされるパケットの説明図である。パケットフォーマット80は、先頭から順に、ヘッダ欄81と、データ欄82と、パリティ欄83とを含めて構成される。なお、パケットフォーマット80内の各欄のかっこ書きは、各欄のデータ量(単位B:バイト)を示す。例えば、ヘッダ欄81は8バイトの固定長であり、データ欄82は可変長である。
ヘッダ欄81は、さらに、装置種別欄84と、送信元アドレス欄85と、送信先アドレス欄86と、通信種別欄87と、データ長欄88とを含めて構成される。データ長欄88は、データ欄82のデータ長を示す。
なお、低速通信と高速通信で同じデータフォーマットを用いてもよい。高速通信を行う場合は、高速装置は、低速通信を用いてヘッダ欄81を送信した後、後続するデータ欄82と、パリティ欄83とを高速通信に切り換えて送信してもよい。または、高速装置は、ヘッダ欄81と、データ欄82と、パリティ欄83とをすべて高速通信でまとめて送信してもよい。
なお、送信元アドレス欄85にはパケットの送信元装置のアドレスが記載され、送信先アドレス欄86にはパケットの送信先装置のアドレスが記載される。または、パケットの送信先装置を複数一括で指定するときには、送信先装置のアドレスとして、全装置を指定するマルチキャストアドレス「0xFFFF」、または、特定のビットを用いてグループ分けされた装置群を指定するマルチキャストアドレスが記載される。
また、本実施形態では、複数の送信先装置への送信を総称する意味で「マルチキャスト」という用語を用いている。この広義のマルチキャストを実現するために、例えば、IP(Internet Protocol)で既定される狭義のマルチキャストやブロードキャストを用いてもよい。
テーブル111は、送信元装置の装置種別を示す装置種別欄84の記載例を示す。例えば、送信元装置が室内機21であるときには、装置種別欄84には室内機を示す「0x02」が記載される。また、装置種別「機器」は、その設備の種類に基づいてさらに細分化して別々の値を割り当ててもよい。
テーブル112は、パケットの目的を示す通信種別欄87の記載例を示す。No.1(制御)からNo.6(高速通信)までの各値は、それぞれONまたはOFFのいずれかを指定できる。よって、通信種別欄87には、図4で示す各値の論理和が記載される。例えば、「応答要」と「一括制御」とを同時に指定したいときには、「0x80」と「0x04」との論理和「0x84」が通信種別欄87に記載される。また、「0x0F」は、低速装置では未定義の値であり、高速装置ではヘッダ欄81に後続する通信が高速であることを示す。
テーブル113は、データ長欄88の記載例を示す。データ長欄88の値が0x0000〜0x0030のときは、その値がそのままデータ長となる。一方、データ長欄88の値が0x0040〜のときは、図4で示したように、高速装置の場合に限り、その高速通信についての情報(高速通信回数、高速通信期間)が指定できる。
図5は、設備網5の通信モードの説明図である。時系列グラフ121,122は、それぞれ上から順に、低速通信で送信されるパケット、高速通信で送信されるパケット、設備網5の通信モード(状態)を示す。設備網5の通信モードは、「高速」と記載された期間が高速通信の期間であり、その他が低速通信の期間である。
時系列グラフ121では1回トリガにより1回の高速通信が行われる例を示す。低速通信のデータパケット送信後、1回の高速通信を可能にするためのトリガが低速通信で送信される。このトリガは、通信種別欄87に0x0Fを設定したヘッダ欄81であり、以下では高速トリガとも呼ぶ。
この高速トリガを受信した高速装置は高速通信でのパケット受信の準備ができるので、続くパケットが高速通信で送信される。そして、1回の高速通信の後に送受信が所定期間発生しないことで、設備網5の通信モードは、通常の低速通信に戻る。なお、もし低速装置が高速トリガを受信してしまっても、低速装置にとっては通信種別欄87の「0x0F」という値は未定義なので、高速トリガは適切に無視される。
時系列グラフ122では期間トリガにより複数回の高速通信が行われる例を示す。低速通信のデータパケット送信から期間T1の後に、所定期間の間ずっと高速通信を可能にするための期間トリガが低速通信で送信される。このトリガは、通信種別欄87に0x0Fを設定し、かつ、データ長欄88に高速通信期間(または高速通信回数)を指定したヘッダ欄81である。
この高速トリガを受信した全ての高速装置は高速通信でのパケット送受信の準備ができる。そして、高速通信期間内であれば、どの高速装置でも高速通信を行ってもよい。高速通信で送信される各パケットは、互いに衝突しないように期間T2の余裕を持たせている。そして、高速通信期間を終了した後は、設備網5にパケットが流れない未試用期間T3の後に、低速通信に戻る。なお、期間T1≦期間T3、期間T2<期間T3とすることにより、低速装置が高速通信期間中にデータ送信を行うことを回避できる。
図6は、各設備装置間での1:1通信のシーケンス図である。図6を含む各シーケンス図では、図1と同様にして図面上部の動作主体を囲う枠について、高速装置を太線、低速装置を細線とするように区別して記載している。また、各シーケンス図での動作主体は、あくまで高速装置の動作と、低速装置の動作とをわかりやすく説明するための例示であり、この例示以外の装置を高速装置や低速装置として動作させてもよい。
S11として、管理装置12は、各設備装置(室内機23、室内機21、管理装置11)に、低速通信により1:1で(個別に)テーブル112で説明した「応答要」のパケットを送信する(「send」と図示)。各設備装置は、管理装置12に対して、低速通信により個別にパケット応答を行う(「ack」と図示)。
S12は、パケット送信だけを高速通信する例である。室内機21は、時系列グラフ121で示した1回の高速トリガを管理装置11に送信する(破線矢印はトリガを示す)。これにより、続くパケットは室内機21から管理装置11に高速通信される(太線矢印は高速通信を示し、細線矢印は低速通信を示す)。一方、管理装置11から室内機21へのパケット応答は、低速通信のモードに戻る。
S13は、パケット送信とその応答との組み合わせを高速通信する例である。S12と同様に、管理装置11は高速トリガを室内機21に送信することで、続くパケットを室内機21に高速通信する。さらに、室内機21は高速トリガを管理装置11に送信することで、続く応答パケットを管理装置11に送信する。
S14は、高速通信期間を指定して、パケット送信とその応答との組み合わせを連続して高速通信する例である。管理装置11は時系列グラフ122で示した高速トリガを室内機21に送信することで、その後の高速通信期間は、室内機21と管理装置11との間のパケット送受信は、高速通信で行われる。
一方、高速通信期間が経過した後は低速通信のモードに戻る。よって、S15では、室内機21から管理装置11へのパケット送信、および、管理装置11から室内機21へのパケット応答は、低速通信で行われる。
このように、図6では、高速トリガを活用することで、同じ設備網5上での通信として、低速装置間での低速通信も、低速装置と高速装置との間での低速通信も、高速装置間での低速通信も、高速装置間での高速通信も、それぞれ可能となる。さらに、S14では高速通信期間を指定した高速トリガを用いることで、毎回高速トリガを送信する方法に比べ、効率的に高速通信できる。
図7は、各設備装置間でのマルチキャスト通信のシーケンス図である。
S21として、管理装置12は、各設備装置(室内機23、管理装置11、室内機21、室内機22)に対して、応答要のパケットをマルチキャストで送信する(図ではマルチキャストを示す「M」の後に送信パケットを示す「send」)。各設備装置は、低速通信により個別に管理装置12に応答する。ここで、1台の管理装置12に対して、4つのパケット応答が到着するので、各到着時刻が衝突しないように、各設備装置は別装置とは異なる送信待ち時間(オフセット時間)だけ待ってから応答するとよい。このオフセット時間は、例えば、各設備装置の装置アドレスなどから計算される。
S22として、管理装置11は、応答要かつ高速通信期間を指定した高速トリガを、各高速装置(室内機21、室内機22)にマルチキャストで通知する(「M−期間トリガ」と図示)。そして、管理装置11は、各高速装置にマルチキャストでパケットを高速通信する。各高速装置は、高速通信期間内に応答パケットを個別に高速通信する。
S23として、S22の高速通信期間が終了した後、管理装置11は、各設備装置(左右4台)に応答不要のマルチキャスト送信を行う。
このように、図7では、マルチキャスト通信を高速トリガと併用することで、同じ設備網5上での通信として、低速通信での一斉通信や、高速通信での一斉通信を行うことができる。
図8は、設備通信システムの各装置についての調査処理のシーケンス図である。調査とは、帯域制御装置が他装置それぞれの装置種別を装置種別欄84で通知してもらう処理である。この調査結果は、設備網5の今後の通信制御を計画するための基礎データとなる。例えば、調査結果が高速装置である装置へのユニキャストには高速通信を利用することで通信効率を向上させ、調査結果が低速装置である装置へのユニキャストには低速通信を利用することで確実な送信を可能とする。
以下では、帯域制御装置として管理装置11を用いる場合を説明する。
S31として、管理装置11は、各設備装置(室内機23、室外機32、室内機21、室外機31)に対して、装置種別を応答させるための通信種別欄87「状態取得」&応答要を指定したパケットをマルチキャストで送信する(M-send(装置種別?))。各設備装置は、自身の装置種別を装置種別欄84に含めたパケットを、低速通信により個別に管理装置12に応答する(ack)。
S32として、管理装置11は、各設備装置に対して、高速通信期間を指定したトリガ(M-期間トリガ)をマルチキャストして高速通信の準備をした後、通信種別欄87=「応答要&高速通信」としたパケット(M-send(高速対応?))を高速通信でマルチキャストする。このパケットの送信目的は、各設備装置が低速装置か高速装置かを調べることである。
高速装置(室内機21、室外機31)は、通信種別欄87「高速通信」を読み取ることができるので、高速通信でパケットに応答する(ack)。低速装置(室内機23、室外機32)は、通信種別欄87「高速通信」を読み取ることができないので、異常データとして読み捨てることで応答しない。これにより、管理装置11は、応答のあった室内機21、室外機31が高速装置であることを把握できる。
S33として、管理装置11は、各設備装置に対して、高速通信期間を指定したトリガ(M-期間トリガ)をマルチキャストして高速通信の準備をした後、通信種別欄87=「応答要&状態通知」としたパケット(M-send(装置情報))を高速通信でマルチキャストする。このパケットの送信目的は、各設備装置の装置種別などの装置情報を調べることである。
高速装置(室内機21、室外機31)は、自身の装置種別などの装置情報を装置種別欄84に含めたパケットを、高速通信により個別に管理装置12に応答する(ack)。
S34として、管理装置11は、S32で高速通信に対応していないことから応答の無かった各低速装置(室内機23、室外機32)に対して、個別に装置情報を通知してもらう(send(装置情報)とack)。ここで、図5の時系列グラフ122で示したように、S32の高速通信とS33の低速通信との間に、期間T3だけ通信を行わない待ち時間を設けることが望ましい。
これにより、管理装置11は、各設備装置が高速通信に対応しているか否かの情報、および、各設備装置の装置種別などの装置情報を効率的に収集することができる。
図9は、設備通信システムの時系列における通信量の成分グラフである。
時系列グラフ131は、帯域監視部75が監視する設備網5の通信データ量の時間別推移の一例である。このグラフの横軸は時刻、縦軸は単位時間あたりに送受信される通信データ量を示す。例えば、期間t4〜t5のデータ量はd1であり、通信時刻t7〜t8の期間のデータ量はd2である。
時系列グラフ132は、時系列グラフ131のデータ量の未使用箇所に対して、高速制御通信(斜線の棒グラフ)と、高速データ配信(白の棒グラフ)とを割り当てたものである。
縦軸のデータ量について、設備網5の通信能力の最大値から所定のマージンを差し引いたdtMaxが、高速制御通信と高速データ配信とを割り当てる上限となる。このようにマージンというデータ量の余裕を持たせることで、通信の衝突や輻輳の発生確率を下げることができる。
例えば、空期間算出部76は、期間t4〜t5のデータ量はdt1であるので、設備網5の通信能力には(dtMax-dt1)分のデータ量の余裕があると算出する。そこで、まず空期間算出部76は、優先度の高い制御信号を高速通信する「高速制御通信」をデータ量(dt1h-dt1)だけ割り当てる。設備網5の通信能力の余裕は、(dtMax-dt1h)となる。サイクル数算出部77は、(dtMax-dt1h)のデータ量を優先度の低い通常のデータ信号を高速通信する「高速データ配信」に割り当てる。
図10は、高速データ配信されるパケットの分割送信処理を示す図である。
符号141で示すように、なお、エアコンのソフトウェアなどの通常のデータ信号は、送信側でのデータ量が多いため(#0〜#9など)、1つのパケットに収まらないことも多い。そこで、サイクル数算出部77は、データ信号のサイズを所定サイズ(#0,#1,#2,…のサイズ)で除算した(分割した)サイクル数を計算する。
さらに、データ分割部78は、サイクル数算出部77で算出したサイクル数と、図9で確保した高速データ配信のデータ量とにもとづき、送信対象のデータを分割する。そのため、空期間算出部76は、これから送信する対象である高速データ配信のデータ量を設備網5の高速通信における通信速度で除算することで、そのデータ量の通信に要する空期間を求める。そして、サイクル数算出部77は、求められた空期間をサイクルの単位時間で除算することで、データ量の通信に要するサイクル数を求める。
図10では、1つの送信データを4つのパケットP1〜P4に分割する例を示している。例えば、データ分割部78は、#0〜#6という合計7つのサイクルから構成されるパケットP1を送信するように、パケットP1の空期間に見合ったデータ量のパケットP1を作成する。なお、図10では、パケットのデータ(#0〜#6)の上部に、各サイクルで送信可能なタイミングを示す線上の●印も併記している。
このように、1つのファイルを複数のパケットに分割することで、通信不良時に誤り訂正したりパケット再送したりすることで、通信を安定化することができる。そして、分割されたパケットP1〜P4の受信側は、連番#0,#1,#2,…の順にパケットを結合することで、送信対象のデータを復元することができる。
なお、各分割されたパケットP1〜P4のサイズが互いに異なるのは、図9の時系列グラフ132で説明したように、高速データ配信に割り当てられるデータ量が、時間帯ごとにばらつく未使用の領域であるためである。
図11は、パケットの分割送信処理のシーケンス図である。このシーケンス図では、帯域制御装置が管理装置11および室外機31であるとしたときの動作を示す。
S41として、管理装置11は、室内機21,22などの設備網5に接続されているすべての室内機21〜26に対して、状態確認のコマンド(通信種別欄87=状態取得&応答要)を低速通信でマルチキャスト送信する(M-send(状態確認?))。ここでは、低速装置の室内機も存在することを考慮して、状態確認のコマンド送信には低速通信を用いる。これにより、管理装置11は、室内機21,22などの各室内機から通知(通信種別欄87=状態通知)を受ける(ack)。
S42として、室外機31は、同じ第1グループ8a内の室内機21,22に対して、高速通信期間を指定した高速トリガ(M-期間トリガ)による状態確認のコマンドを高速通信でマルチキャスト送信する(M-send(状態確認?))。これにより、室外機31は、室内機21,22からS41と同様の通知(通信種別欄87=状態通知)を受信する(ack)。
S43として、管理装置11は、S41と同様に室外機31からも、状態確認のコマンドへの応答(ack)を受ける。ここで、管理装置11も室外機31も高速装置であることから、高速通信期間を指定した高速トリガを用いた高速通信を用いることができる。
S44として、管理装置11は、S41〜S43の各通信などを帯域監視部75が監視することで取得したデータ通信量(時系列グラフ131でのデータ量)をもとに計算したサイクル数に従い、1つの送信データを複数個(ここでは3個)のパケットに分割する。そして、管理装置11は、サイクル数である高速通信回数=3を指定したデータ長欄88に指定した回数トリガ(M-回数トリガ)を室内機21、22に送信した後、その3つの分割パケットを室内機21、22に対して高速通信で送信する(M-send(分割データ))。4回目以降のパケット送信では、設備網5は低速通信状態に戻る。
図12は、低速装置の送受信処理を示すフローチャートである。以下では、低速通信で送信されるパケットを「低速パケット」とし、高速通信で送信されるパケットを「高速パケット」とする。
S101として、低速装置は、低速パケットの受信を待つ。
S102として、低速装置は、低速パケットの受信があるか否かを判定する。S102でYesならS103に進み、NoならS111に進む。
S103として、低速装置は、低速パケットを受信する。
S104として、低速装置は、受信したパケットが正常であるか否かを判定する。S104でYesならS105に進み、NoならS101に戻る。
S105として、低速装置は、受信したパケットが自身宛であるか否かを判定する。受信したパケットの送信先アドレス欄86において、自身のアドレスまたは自身が属するマルチキャスト宛先であるときには、受信したパケットは自身宛である。S105でYesならS106に進み、NoならS101に戻る。
S106として、低速装置は、受信したパケットにもとづいた処理を行った後、受信したパケットへの応答が必要か否かを判定する。S106でYesならS113に進み、NoならS101に戻る。
S111として、低速装置は、自身から送信するパケットが存在するか否かを判定する。S111でYesならS112に進み、NoならS101に戻る。
S112として、低速装置は、これから送信するパケット(送信パケット)の作成処理(詳細は図13)を行う。
S113として、低速装置は、S112で新規作成されたパケット、または、S106での応答するパケットについて、期間T3の待ち時間の後に、パケット送信処理(詳細は図14)を行う。
図13は、送信パケット作成処理の詳細を示すフローチャートである。以下、このフローチャートの動作主体をパケット送信元の設備機器として説明する。
S201として、設備機器は、送信パケットのヘッダを作成するか否かを判定する。S201でYesならS202に進み、NoならS208に進む。
S202として、設備機器は、送信パケットの宛先は1台であるか否か(複数台か)を判定する。S202でYesならS203に進み、NoならS204に進む。
S203として、設備機器は、ユニキャストとして、送信先となる1台分のアドレスを送信パケットのヘッダ欄81に記載する。
S204として、設備機器は、マルチキャストとして、複数の送信先を示すアドレスを送信パケットのヘッダ欄81に記載する。
S205として、設備機器は、送信パケットへの応答が必要であるか否かを判定する。S205でYesならS206に進み、NoならS207に進む。
S206として、設備機器は、送信パケットの通信種別欄87に応答要を記載する。
S207として、設備機器は、送信パケットの通信種別欄87に応答要を記載しない。なお、通信種別欄87には、図4で列挙したその他必要な種別値を記載してもよい。
S208として、設備機器は、送信パケットのデータを作成するか否かを判定する。この分岐は、ヘッダ欄81だけを先行して送信する場合は、Noとなる。S208でYesならS209に進み、Noなら処理を終了する。
S209として、設備機器は、送信パケットのデータ欄82とそのデータ長欄88とを作成する。
図14は、パケット送信処理の詳細を示すフローチャートである。
S221として、設備機器は、図14のフローチャートの呼出元から指定された期間(T1,T2,T3のいずれか)を待つことで、設備網5が空いて通信可能となる。
S222として、設備機器は、送信パケット(データ)を設備網5に送信する。ここで、高速通信にするか、低速通信にするかは、図14のフローチャートの呼出元から指定されたとおりである。
S223として、設備機器は、S22のデータが正常に送信できたか否かを判定する。S223でYesなら処理を終了し、NoならS221に戻る。なお、データの再送信を複数回繰り返しても正常に送信できない場合は異常状態として、再送信を終了する。
図15は、高速装置の受信処理を示すフローチャートである。
S301として、高速装置は、低速パケットの受信を待つ。
S302として、高速装置は、低速パケットを受信したか否かを判定する。S302でYesならS303に進み、Noなら端子B1(図16のS401)に進む。
S303として、高速装置は、低速パケットを受信する。この低速パケットは、例えば、高速通信の準備をするための高速トリガである。
S304として、高速装置は、受信したパケットが正常であるか否かを判定する。S304でYesならS305に進み、NoならS301へ戻る。
S305として、高速装置は、受信したパケットに高速トリガが指定されているか否かを判定する。S305でYesならS306に進み、Noなら端子A(図12のS105)に進む。なお、端子Aから処理を実行した後にS101に戻るときには、そのS101ではなく、S301へと戻る。
S306として、高速装置は、受信した高速トリガに高速通信の期間指定があるか否かを判定する。S306でYesならS307に進み、NoならS311に進む。
S307として、高速装置は、高速通信期間(または高速送受信回数)のカウンタを開始する。このカウンタは、図15などのフローチャートの本処理とは別に常時監視を行い、指定された範囲内で高速通信できるようにカウンタを更新する。
S311として、高速装置は、高速パケットを受信する。
S312として、高速装置は、受信した高速パケットが正常であるか否かを判定する。S312でYesならS313に進み、NoならS320に進む。
S313として、高速装置は、受信した高速パケットが自身宛であるか否かを判定する。S313でYesならS314に進み、NoならS320に進む。
S314として、高速装置は、受信したパケットにもとづいた処理を行った後、受信したパケットへの応答が必要であるか否かを判定する。S314でYesならS315に進み、NoならS320に進む。
S315として、高速装置は、所定の待ち時間(低速通信中なら期間T1、高速通信中なら期間T2)を指定して、図14のパケット送信処理を呼び出すことで、「応答要」の応答パケットを送信する。
S320として、高速装置は、S307のカウンタが現在、有効期間(または有効回数)であるか否かを判定する。S320でYesならS321に進み、NoならS301に戻る。
S321として、高速装置は、高速パケットの受信を待つ。
S322として、高速装置は、高速パケットの受信があるか否かを判定する。S322でYesならS323に進み、Noなら端子B2(図17のS421)に進む。
S323として、高速装置は、高速パケットを受信する。
S324として、高速装置は、受信したパケットが正常であるか否かを判定する。S324でYesなら端子C(S306)に戻り、NoならS320に戻る。
図16は、高速装置の送信処理を複数回連続して行うときの、初回分の送信処理を示すフローチャートである。
S401として、高速装置は、自身から送信するパケットが存在するか否かを判定する。S401でYesならS402に進み、Noなら端子D(図15のS301)に進む。
S402として、高速装置は、高速通信を行うか否かを判定する。S402でYesならS403に進み、Noなら端子F(図12のS112)に進む。なお、図12のフローにおいてS101に戻る代わりに、S301に戻る。
S403として、高速装置は、送信パケットの通信種別欄87に高速トリガを設定する。
S404として、高速装置は、高速通信期間の指定を行うか否かを判定する。S404でYesならS405に進み、NoならS406に進む。
S405として、高速装置は、送信パケットのデータ長欄88に高速通信期間(または高速通信回数)を設定する。
S406として、高速装置は、高速トリガのデータ欄82を含む送信パケットを作成する。
S407として、高速装置は、待ち時間T3だけ待った後、S406で作成されたパケットを送信する。
S411として、高速装置は、S307と同様に、高速通信期間のカウンタを開始する。なお、高速通信期間を指定しない場合は、本ステップを省略する。
S412として、高速装置は、高速通信により通信データを送信する。
S413として、高速装置は、S412で正常に送信できたか否かを判定する。S413でYesなら端子E(図15のS320)に進み、NoならS414に進む。なお、再送信を複数回繰り返しても正常に送信できない場合は異常状態として、再送信を終了する。
S414として、高速装置は、待ち時間T2だけ設備網5が空くのを待ち、S412に処理を戻す。
図17は、高速装置の送信処理の2回分以降を示すフローチャートである。
S421として、高速装置は、自身から送信するパケットが存在するか否かを判定する。S421でYesならS422に進み、Noなら端子E(図15のS320)に進む。
S422として、高速装置は、高速通信を行うか否かを判定する。S422でYesならS424に進み、NoならS423に進む。
S423として、高速装置は、高速通信期間のカウンタ終了を待ってから、端子F(図12のS112)に進む。なお、図12のフローにおいてS101に戻る代わりに、S301に戻る。
S424として、高速装置は、現在の高速通信期間を見直すか否かを判定する。S424でYesならS425に進み、NoならS426に進む。
S425として、高速装置は、送信パケットのデータ長欄88に高速通信期間を再指定する。
S426として、高速装置は、通信データを含めた送信パケットを作成する。
S427として、高速装置は、待ち時間T2だけ待ってから高速通信でパケットを送信する。
S431として、高速装置は、S411と同様に、再設定した高速通信期間のカウンタを開始し、端子E(図15のS320)に進む。
図18は、設備通信システムの通信量をもとにしたデータ分割処理を示すフローチャートである。
S501として、帯域制御装置の帯域監視部75は、設備網5の帯域(データ通信量)を監視する。
S502として、帯域制御装置は、タイマで計測した所定の期間に到達するまで、S501の帯域監視を継続する。
S503として、帯域制御装置の空期間算出部76は、S501,S502で計測した所定の期間におけるデータ通信量をもとに、通信期間の空期間を算出する(図9で説明)。
S504として、帯域制御装置は、S503で計算した空期間が存在するか否かを時間帯ごとに判定する。例えば、図9の時刻t7〜t8は低速通信のデータ量がマージンの水準まで使用されているため、空期間が存在しない。一方、時刻t8〜t9は低速通信のデータ量に余裕があるため、空期間が存在する。S504でYesならS505に進み、NoならS501に戻る。
S505として、帯域制御装置のサイクル数算出部77は、S503の空期間をもとに高速通信のサイクル数を算出する(図10で説明)。なお、サイクル数算出部77は、高速通信のサイクル数を算出する代わりに、高速通信期間を算出してもよい。
S506として、帯域制御装置のデータ分割部78は、S505のサイクル数を元にデータを分割し、分割パケットを生成する。
S507として、帯域制御装置の通信制御部74は、S506の分割パケットを送信する。なお、分割パケットの送信処理は、図9の高速データ配信だけでなく、高速制御通信にも適用してもよい。また、
以上説明した本実施形態の設備通信システムでは、低速装置と高速装置とが混在する設備網5であっても、高速トリガにより適宜通信モードを切り換える。低速通信と高速通信とを同じ設備網5で使い分けることができるので、システムの可用性を高めることができる。
また、室外機であっても帯域制御装置の機構を持たせるなど、装置種別「室外機、室内機、管理装置、機器」と、通信制御における機能分け「低速装置、高速装置、帯域制御装置」とをそれぞれ制約なしに構成することで、双方向の通信を実現することができる。
さらに、高速トリガのオプションとして、複数回のパケット送信に対してまとめて高速通信ができるような一括指定(高速通信回数、高速通信期間)により、高速トリガを毎回送信する必要がなくなり、設備網5のネットワーク効率を高めることができる。
そして、図9に示したように、帯域制御装置は、低速通信の空き期間に高速制御通信を割り当て、高速制御通信の空き期間に高速データ配信を割り当てるように、優先度をつけて各通信を計画する。これにより、低速通信で行われる空調システムの全体制御という優先度が最高の通信帯域が他の通信により圧迫されないで済む。また、高速データ配信において緊急度が低いソフトウェアの配信を行うことができる。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。
また、前記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
さらに、各装置を繋ぐ通信手段は、無線LANに限定せず、有線LANやその他の通信手段に変更してもよい。
5 設備網
9 上位装置
11,12 管理装置
21〜26 室内機
31,32 室外機
41,42 機器
51 記憶部
52 負荷部
53 入出力部
54 制御部
61 出力部
62 速度切換指示部
63 入力部
70 帯域制御部
71 送信部
72 速度判断部
73 受信部
74 通信制御部
75 帯域監視部
76 空期間算出部(空き状態算出部)
77 サイクル数算出部(通信割当部)
78 データ分割部
81 ヘッダ欄
82 データ欄
83 パリティ欄
84 装置種別欄
85 送信元アドレス欄
86 送信先アドレス欄
87 通信種別欄
88 データ長欄

Claims (7)

  1. 第1通信に対応する通信能力を有する第1設備装置と、前記第1設備装置よりも高速の通信能力を有し、前記第1通信および第2通信の双方に対応する第2設備装置とが混在して接続される設備網の通信を制御する通信制御装置であって、
    記第1通信に使用されていない前記設備網の空き状態を前記第2通信に割り当てる通信割当部と、
    前記設備網の通信モードを前記第1通信から前記第2通信に切り換えるためのトリガ信号を送信する通信制御部とを有することを特徴とする
    通信制御装置。
  2. 前記通信制御装置は、さらに、前記第2通信の時間帯に送信可能なデータ量よりも大きいデータ量のデータを送信するときには、連続しない複数の前記第2通信の時間帯それぞれに送信可能なデータ量に送信対象のデータを分割してから、その分割後の各データを複数の前記第2通信の時間帯に分けて送信させるデータ分割部を有することを特徴とする
    請求項1に記載の通信制御装置。
  3. 前記通信制御部は、
    前記第1通信を用いて送信する信号として、前記第1設備装置および前記第2設備装置の制御信号を送信し、
    前記第2通信を用いて送信する信号として、前記第2設備装置で動作するソフトウェアの更新信号を送信することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の通信制御装置。
  4. 前記通信制御部は、前記設備網の前記通信モードを切り換えるための前記トリガ信号として、そのトリガ信号を起点とした所定期間において、前記設備網に接続される各前記第2設備装置が前記第2通信を実行できるようにする期間指定の前記トリガ信号を送信することを特徴とする
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の通信制御装置。
  5. 前記通信制御部は、さらに、前記設備網に接続される各設備装置に対して、それぞれ自身が前記第1設備装置であるか前記第2設備装置であるかを応答させる調査信号を送信し、その調査信号の応答により各設備装置に対して前記第1通信を用いるか前記第2通信を用いるかを決定することを特徴とする
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の通信制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の通信制御装置は、前記第1設備装置および前記第2設備装置のうちのいずれかの装置に内蔵され、
    前記第1設備装置と前記第2設備装置とが前記設備網で接続されて構成されること特徴とする
    設備通信システム。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の通信制御装置を有すること特徴とする
    空調機。
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