JP6700151B2 - 溶接部材の超音波診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接によって取り付けられた部材(以下、被溶接部材という)の溶接種類及び前記被溶接部材の状態を評価する溶接部材の超音波診断方法に関するものである。
プラントの配管や構造物などのコンクリートの建屋に機器を固定するなどのために設置された埋込金物は、製造工程で、スタッド溶接や隅肉溶接をすることにより、板材に鋼棒(スタッドジベル)が取り付けられる。その後、建設現場にて、コンクリートから板材の部分のみを露出させた状態で施工される。
この際、コンクリート基礎の配筋との干渉等によって、スタッドジベルの切断、曲げ、切断したスタッドジベルの点溶接のような施工不良が生じているケースがある。こうした施工不良の診断には、スタッドジベルの長さを超音波にて測定することが一般的に行なわれている(例えば特許文献1〜5参照)。
しかしながら、製造工程において、隅肉溶接がされ、かつ溶け込み量が少ない場合、超音波がスタッドジベルまで到達せずに、板材からの反射エコーのみが観測され、健全であるはずの隅肉溶接型の埋込金物を「スタッドジベルが切断されている」として、不良と誤判定してしまう問題があった。このような誤判定を防止するためには、溶接種類を把握する必要がある。
さらに、曲げられているスタッドジベルに関しては、曲げ度合いによっては不良となるため、定量的な評価が必要である。しかしながら、従来の超音波法では、スタッドジベルの曲げ等の状態を正しく測定できない問題があった。
例えば、特許文献1に記載の方法は、隅肉溶接部での超音波の反射強度の低下を元に、鋼板の表側から裏側部材の取付位置を検知する方法であり、単に溶接位置の把握のみが可能である。この方法では、溶接種類や被溶接部材の状況を把握することが困難であるため、上記問題を解決できない。
そして、特許文献2に記載の方法は、船体のデッキプレートとロンジの接合部等、測定困難な箇所における隅肉溶接部の経年劣化後ののど厚値を測定する方法であり、未溶着面の端部と隅肉溶接部の表面ラインの距離からのど厚を求めるものである。この方法では、被溶接部材の状態を正確に把握することが困難であるため、上記問題を解決できない。
また、特許文献3〜5に記載の方法は、いずれも、溶接の形状を評価するものである。したがって、これらの方法でも上記問題を解決できない。
特開平11−230953号公報 特開2007−147548号公報 特開2008−73730号公報 特開2014−174012号公報 特開2016−44984号公報
本発明は、上記問題に鑑み、溶接種類を把握したうえで、被溶接部材の状態を評価することができる溶接部材の超音波診断方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、
溶接によって取り付けられた被溶接部材の溶接種類及び前記被溶接部材の状態を評価する溶接部材の超音波診断方法であって、
超音波垂直探触子を用いて溶接部を含む領域を二次元的に測定することにより、前記溶接部の状況情報を取得し、取得した前記溶接部の状況情報に基づいて、前記被溶接部材の溶接種類を判定する溶接種類判定ステップと、
取得した前記溶接部の状況情報に基づいて、前記被溶接部材の状態の評価が可能か否かを判断する可否判断ステップと、
前記可否判断ステップの判断結果に応じて、超音波ビームの入射角度を変えながら前記被溶接部材を測定することにより、前記被溶接部材の状態を判定する状態判定ステップとを備えており、
前記可否判断ステップにおいて、前記被溶接部材への溶接溶け込み量に基づいて、前記被溶接部材の状態の評価が可能か否かを判断することを特徴とする溶接部材の超音波診断方法である。
請求項2に記載の発明は、
前記溶接種類判定ステップにおいて、前記超音波垂直探触子として、フェーズドアレイ方式の超音波探触子を用いることを特徴とする請求項1に記載の溶接部材の超音波診断方法である。
請求項3に記載の発明は、
前記溶接種類判定ステップにおいて、前記フェーズドアレイ方式の超音波探触子の走査方向に対して直交方向の移動位置情報を取得するエンコーダを用いて、前記溶接部を含む領域を二次元的に測定することを特徴とする請求項2に記載の溶接部材の超音波診断方法である。
請求項に記載の発明は、
前記状態判定ステップにおいて、前記被溶接部材の測定にフェーズドアレイ方式の超音波探触子を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の溶接部材の超音波診断方法である。
本発明によれば、溶接種類を把握したうえで、被溶接部材の状態を評価することができる溶接部材の超音波診断方法を提供することができる。
診断対象の部材の一例である埋込金物を模式的に示す斜視図である。 被溶接部材における溶接状況の検査結果の一例を示す図である。 モード変換損失を説明するための図である。 スタッド溶接及び隅肉溶接の外観を示す図である。 実施例で用いた超音波診断装置の構成を示す図である。 溶接種類の把握に用いたフェーズドアレイ超音波プローブの概略図である。 スタッド溶接及び隅肉溶接の超音波測定結果の一例を示す図である。 被溶接部材の状態評価に用いたフェーズドアレイ超音波プローブの概略図である。 スタッドジベルの曲げ角度0°の測定結果を示す図である。 スタッドジベルの曲げ角度10°の測定結果を示す図である。 スタッドジベルの曲げ角度20°の測定結果を示す図である。 スタッドジベルの曲げ角度40°の測定結果を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施の形態に係る溶接部材の超音波診断方法について説明する。
1.診断対象部材
図1は、診断対象部材の一例を示す斜視図である。診断対象部材は埋込金物1である。埋込金物1は鋼板(板材)からなるプレート2の一方の面(裏面)に、例えば4本の被溶接部材が溶接によって取り付けられている。本実施の形態では、被溶接部材はスタッドジベル3である。ただし、被溶接部材はスタッドジベル以外の部材であってもよい。スタッドジベル3の溶接には、スタッド溶接や隅肉溶接などが用いられる。スタッドジベル3のプレート2側の端部には溶接部4が形成されている。
2.本実施の形態に係る溶接部材の診断方法における診断手順
本実施の形態に係る溶接部材の超音波診断方法は、溶接種類を把握したうえで、スタッドジベル3の状態(例えばスタッドジベル3の長さ及び曲げ状態等)を評価する方法であり、以下に記載する手順に従って実施される。
(手順1)溶接種類判定ステップ
溶接種類を把握しなければ、上述のように、健全であるはずの隅肉溶接型の埋込金物を「スタッドジベルが切断されている」として、不良と誤判定してしまう。それを避けるためには、まず、溶接種類を把握する必要がある。
把握方法としては、垂直超音波プローブを用いてプレート2の表面側から溶接部4を含む領域を面的(二次元的)に測定し、プレート2の底面(裏面)及びスタッドジベル3の未溶接部の状況を把握することにより、その測定結果(見え方)の違いから溶接種類を把握することができる。この際、垂直超音波プローブとしてフェーズドアレイ(以下「PA」という)超音波プローブを用い、さらにPA超音波プローブの走査方向に対して直交方向の移動位置情報を取得するエンコーダを用いると、面的な測定が容易になるため、溶接状況を短時間で評価することが可能となる。したがって、本手順では、PA超音波プローブ及びエンコーダを用いることが好ましい。
図2は、上記した被溶接部材における溶接状況の検査結果の一例を示す図である。図2の上側には、超音波ビームの経路を示す図が示されており、図2の下側には、PA超音波プローブによるリニアスキャンとエンコーダとを用いて得られた信号結果(コンタ(Contour)図)が示されている。コンタ図において、プレート2からの反射エコーが高いと赤色に、低いと白色になるように設定されている。ただし、図2では、赤色で表示される部分がハッチングで表示されている。したがって、溶着されている部分は、プレート2からの反射エコーがない又は小さいために白色に表示される。
隅肉溶接では、(A)に示すように、ドーナツ状(環状)に白色部分が見られる。白色部分は隅肉溶接部(外径D)に対応し、ドーナツ状の内側のハッチング部分は未溶接部に対応している。未溶接部の面積はスタッドジベル3の断面積Mより小さくなっている。
スタッド溶接では、(B)に示すように、円状に白色部分が見られ、その内側には未溶接部が見られない。円状の白色部分の面積は、スタッドジベル3の断面積Mとほぼ同じ又は若干大きくなっている。
部分溶接(点溶接)では、(C)に示すように、部分溶接に対応する小さな白色部分が見られる。
このように、溶接種類に応じてコンタ図での見え方が異なるため、本手順によって溶接種類を正確に把握することができる。したがって、隅肉溶接型の埋込金物であるにも拘わらず、「スタッドジベルが切断されている」と誤判定されるようなことがなくなる。
(手順2)可否判断ステップ
本手順では、上記手順1で取得した溶接部の状況情報(溶接状況)に基づいて、スタッドジベル3の状態の評価が可能か否かを判断する。ここでは、スタッドジベル3への溶接溶け込み量に基づいて、スタッドジベル3の長さ及び曲げ等の状態の評価が可能か否かを判断する。すなわち、スタッドジベル3の断面積に対して未溶接部の範囲がどの程度かによって、スタッドジベル3の状態を把握可能か否かが決定される。
例えば、図2(C)に示した部分溶接では、スタッドジベル3への溶け込みがほとんどないため、スタッドジベル3内に超音波エコーを伝搬させることが困難となる。そのため、超音波を用いたスタッドジベル3の状態の把握が困難となる。本手順では、スタッドジベル3の断面積に対する未溶接部の範囲の割合Sを評価し、その値に基準を設けて、スタッドジベル3の状態把握を実施するか否かを判断する。割合Sの閾値は、スタッドジベル3の形状等にもよるが、50%以下であることが好ましい。
(手順3)状態判定ステップ
本手順は、上記手順2にてスタッドジベル3の状態の評価が可能と判断された場合に実施される。
スタッドジベル3の不良の種類としては、長さ不足と極度の曲げがある。この2点を正確に把握しなければ、構造材の強度を担保できない。ただし、スタッドジベル3に曲げが生じると、垂直に被溶接部材に縦波超音波を入射した場合に、スタッドジベル3の側壁で反射するときにモード変換が生じ、遅れエコーが発生する。極端に曲げられた場合は、モード変換された超音波エコーがメインとなる。縦波から横波にモード変換が生じると、音速が遅くなるため、スタッドジベル3の底面(端部)から反射されてくる底面エコーの距離が実際の長さより長く観測される。
ここで、図3を参照してモード変換について説明する。図3はモード変換損失の例を示した図である。図3(A)に示すように、スタッドジベル3の壁面に対して、超音波をなるべく平行に入射することにより、モード変換による損失が小さくなる。一方、図3(B)に示すように、スタッドジベル3の壁面に対して、ある角度を持って超音波が入射した場合、モード変換によって破線矢印で示す横波が生じる。
長さ不足については、底面エコーの距離が単純に短く観測されるため、通常の評価では以下のような課題が挙げられる。すなわち、
・曲げによる効果と長さ不足による効果とが重畳した場合、長さ不足であるにも拘わらず十分な長さと測定されて、誤判定をしてしまう。
・曲げがあることは確認できても、曲げ度合までは把握できない。
そこで、本願発明者らは、スタッドジベル3の曲げ状態及び長さ状態を正確に測定する方法を検討した結果、図3(A)に示したように、スタッドジベル3の側壁に対して超音波をなるべく平行に入射することによりモード変換による損失を小さくし、かつ、モード変換していない波(第一底面波)の強度が高い角度及びビーム路程を評価することで、曲げ及び長さの定量的な評価を同時に行なうことを可能にした。
具体的な手順としては、超音波ビームの入射角度を変えながらスタッドジベル3を測定することにより、モード変換していない第一底面波の強度が高い角度及びビーム路程を評価し、これによって、スタッドジベル3の状態を判定する。すなわち、曲げ方向に沿って斜角で超音波をスタッドジベル3に入射する。なお、実際のスタッドジベル3はどの方向にどれだけ曲げられているのかが不明であるため、斜角超音波プローブにPA超音波プローブを用いることが好ましい。PA超音波プローブにより角度を任意に変更しながら操作することで、スタッドジベル3の状態を短時間で判定することが可能となる。
3.本実施の形態の効果
本実施の形態によれば、垂直超音波プローブを用いて溶接部を含む領域を面的に測定することにより、溶接部の状況情報(溶接状況)を取得し、取得した溶接部の状況情報に基づいて、スタッドジベル3の溶接種類を判定する。これにより、スタッド溶接、隅肉溶接、部分溶接などの溶接種類を明確に把握できる。
従来技術では、隅肉溶接は「スタッドジベルが切断されている」という誤った判定をしてしまう恐れがあったが、本実施の形態では、溶接種類を明確に把握できるため、このような誤判定をなくすことができる。また、点溶接やスタッドジベルが切断されているなどの不良を正しく判定することもできる。
さらに、取得した溶接状況に基づいて、スタッドジベル3の状態の評価が可能か否かを判断することができる。評価が可能と判断された場合、超音波ビームの入射角度を変えながらスタッドジベル3を測定することにより、スタッドジベル3の状態を判定する。これにより、従来困難であった曲げの状態、すなわち、曲げ角度及び曲げ方向等を正確に評価することができる。加えて、曲げ状態の評価と同時に、スタッドジベル3の長さも定量的に評価することができる。
(実施例)
1.溶接種類の把握
溶接種類の把握の実施例として、スタッド溶接及び隅肉溶接の例を示す。図4にスタッド溶接及び隅肉溶接の外観を示す。
スタッド溶接は建築土木のスタッドジベルの溶接に使用される溶接である。スタッドジベルの先端部には外気を遮断し、溶接部に適当な形状のカラーを形成させる磁器製のフェルール(図示せず)が装着される。このフェルールは、溶接終了後に壊して取り除かれる。この溶接手法の特徴は、スタッド部径が全面溶接される点であり、超音波が内部を通りやすくなる。
これに対し、隅肉溶接は、開先深さ等の溶接条件によってスタッド部径の溶接範囲が異なり、未溶接部が残ることがある。スタッド部径に対する未溶接部の割合が大きいと、超音波がスタッドジベルまで伝搬することが困難となり、スタッドジベルの状態を把握することが困難となる。
本実施例では、これらの部材に対して、プレート(板材)の表面側から溶接部を含む領域を面的に測定した。図5に本実施例で用いた超音波診断装置の構成を示す。超音波診断装置は、PA超音波プローブ10、エンコーダ20、及び超音波探傷装置30を備えている。PA超音波プローブ10はオリンパス(株)社製のPAプローブである。また、板厚からの反射エコーを観測するために、探傷範囲は50mmに設定している。図6に溶接種類の把握に用いたPA超音波プローブの概略図を示す。PA超音波プローブ10を用いて、超音波ビームを直線状に走査(リニアスキャン)する。
図5に示したエンコーダ20は、オリンパス(株)社の「VersaMOUSE」である。PA超音波プローブ10とエンコーダ20とは、接触治具16によって接続されている。エンコーダ20はPA超音波プローブ10の走査方向(X方向)に対して直交方向(Y方向)にPA超音波プローブ10を走査するとともに、その移動位置情報を取得する。PA超音波プローブ10からの反射エコー信号、及びエンコーダ20からの移動位置情報が超音波探傷装置30に入力されて、面的な測定結果が表示画面(図示せず)に表示される。
図7にこれらの装置を用いて得られた超音波測定結果の一例を示す。PA超音波プローブ10によるリニアスキャンとエンコーダ20とを用いて得られた信号結果は画面下の図である。スタッド溶接及び隅肉溶接は、それぞれ、図2に示した見え方通りに確認できた。なお、図7では、図2と同様、プレートからの反射エコーが高いと赤色に、低いと白色になるように設定されている。ただし、図7では、赤色で表示される部分が黒色系の色で表示されている。したがって、溶着されている部分は、プレートからの反射エコーがない又は小さいために白色に表示されている。これにより、溶接種類を正確に評価できた。
2.被溶接部材への溶接溶け込み量の評価
図7に示す結果を用いて、溶け込み量の評価を行なった。スタッド溶接の場合、被溶接部材の外径とプレートから反射エコーが返ってこない領域(白色の部分)とが一致するため、被溶接部材が完全溶着されている(100%溶接されている)ことが分かる。
これに対して、隅肉溶接の場合、被溶接部材の箇所でプレートから反射エコーが返ってきている(ドーナツ状の部分の内側の部分)。この状態では、被溶接部材まで超音波を伝搬させることが困難なため、被溶接部材の状態を評価できないと判断した。この判断を実施しなければ、プレートで複数回反射したエコーを間違って評価してしまう恐れがあり、誤判定の原因となる。
3.被溶接部材の状態評価
被溶接部材の長さを評価する場合は、被溶接部材の底部からのエコー(第一底面波)の計測時間と超音波の音速から長さに換算可能である。しかしながら、被溶接部材が曲げられている場合、垂直に超音波を入射させると、上述のように、モード変換損失が生じるため、第一底面波を確認することが困難である。したがって、本実施例では、PA超音波プローブを用いて入射角度を任意に変更しながら操作することにより計測を行なった。
具体的には、被溶接部材(スタッドジベル)を0°〜40°に曲げた4体の部材(埋込金物)を準備し、PA超音波プローブを用いてスタッドジベルの曲げ状態及び長さ状態を測定した。各部材におけるスタッドジベルの曲げ角度は、0°、10°、20°、及び40°である。スタッドジベルの溶接種類はスタッド溶接である。
図8に被溶接部材の状態評価に用いたPA超音波プローブの概略図を示す。PA超音波プローブ12を用いて、超音波ビームを一定の角度範囲で走査(セクタスキャン)する。
図9〜図12にスタッドジベルを0°〜40°まで曲げた場合のPA超音波による測定結果を示す。いずれの曲げ角度でも、第一底面波の強度が最大となる角度を確認することで、曲げ角度を評価することが可能であった。また、第一底面波が表示されるビーム路程を見ると、いずれも135mmであった。これは、プレート2の板厚15mmとスタッドジベル3の長さ120mmとを足した長さに一致する。これより、曲げ角度の測定と同時にスタッドジベル3の長さも測定可能であることが確認できた。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
1 埋込金物
2 プレート
3 スタッドジベル
4 溶接部
10、12 PA超音波プローブ
16 接触治具
20 エンコーダ
30 超音波探傷装置
D (隅肉溶接部の)外径
M スタッドジベルの断面積

Claims (4)

  1. 溶接によって取り付けられた被溶接部材の溶接種類及び前記被溶接部材の状態を評価する溶接部材の超音波診断方法であって、
    超音波垂直探触子を用いて溶接部を含む領域を二次元的に測定することにより、前記溶接部の状況情報を取得し、取得した前記溶接部の状況情報に基づいて、前記被溶接部材の溶接種類を判定する溶接種類判定ステップと、
    取得した前記溶接部の状況情報に基づいて、前記被溶接部材の状態の評価が可能か否かを判断する可否判断ステップと、
    前記可否判断ステップの判断結果に応じて、超音波ビームの入射角度を変えながら前記被溶接部材を測定することにより、前記被溶接部材の状態を判定する状態判定ステップとを備えており、
    前記可否判断ステップにおいて、前記被溶接部材への溶接溶け込み量に基づいて、前記被溶接部材の状態の評価が可能か否かを判断することを特徴とする溶接部材の超音波診断方法。
  2. 前記溶接種類判定ステップにおいて、前記超音波垂直探触子として、フェーズドアレイ方式の超音波探触子を用いることを特徴とする請求項1に記載の溶接部材の超音波診断方法。
  3. 前記溶接種類判定ステップにおいて、前記フェーズドアレイ方式の超音波探触子の走査方向に対して直交方向の移動位置情報を取得するエンコーダを用いて、前記溶接部を含む領域を二次元的に測定することを特徴とする請求項2に記載の溶接部材の超音波診断方法。
  4. 前記状態判定ステップにおいて、前記被溶接部材の測定にフェーズドアレイ方式の超音波探触子を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の溶接部材の超音波診断方法。
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