JP6698429B2 - 放射線治療システム - Google Patents

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本発明は、放射線治療システムに関し、特に、放射線治療中に被検体画像の撮影を行うモニタリング用X線CT撮影機能を備えたシステムに関する。
従来、医療診断や工業製品の不良検査に用いるために、被検体内部を非破壊で可視化する方法として、X線を被検体に照射し、被検体を透過したX線を検出するX線検査法が知られている。また、被検体内部を3次元的に把握するために、被検体の断面像を得る方法として、被検体の周囲を回転しながらX線を被検体に照射し、被検体を透過したX線を検出して、検出した透過X線情報を再構成演算処理することにより断面像を得るX線CT(Computed Tomography)検査法が知られている。
CT検査法には、ライン検出器を用いるファンビームCT撮影、面検出器を用いるコーンビームCT(以下、CBCTという)撮影、限定された回転角度の透過X線情報を用いるトモシンセシス撮影、回転軸を傾けるラミノグラフィ撮影などがある。被検体を回転させる方法の他に、被検体を固定してX線源と検出器を回転させる方法や、両者を回転させる方法がある。X線源あるいは検出器を回転させる代わりに回転軌道の接線方向に直線移動させる方法や、両者を回転軌道の接線方向で、反対向きに直線移動させる方法がある。
上述のCBCT撮影によって、被検体内の標的に医療用放射線を照射する放射線治療の監視を行うシステムが知られている。このような放射線治療システムにおいては、放射線治療中にCBCT撮影を行って得た画像を、予め医師が術前計画として別途CT撮影を行って得たアキシャル断面像(被検体の体軸に直交する断面)と比較して、標的の位置認識や、放射線治療の監視等を行う。
例えば、特許文献1には、X線撮影装置を備え、このX線撮影装置で取得したX線画像の中から、被検体の標的位置が動体追跡治療の治療放射線照射条件を満たす画像を選択して画像再構成を行うことにより、治療放射線照射状態の3次元CT画像を取得する放射線治療システムが開示されている。
また、特許文献2には、被検体の上部に配置した治療用放射線源から放射線を被検体に照射するとともに、治療用放射線源の両脇に鉛直に配置した一対のアームに観察用のX線源と検出器を配置し、被検体の斜め上方から観察用のX線を照射しながら、鉛直方向の軸を中心に一対のアームを回転させて被検体を撮影する放射線治療システムが開示されている。
さらに、特許文献3には、治療用等の放射線源と、二対の観察用X線源及び検出器とが、同心円状に配置された異なる円盤にそれぞれ固定された梁に搭載され、それぞれの円盤を回転させることにより被検体の周りで独立に回転可能な放射線システムが開示されている。さらに、特許文献3には、治療用放射線源を円盤に対して被検体の体軸方向に沿って傾斜させる機構も開示され、放射線を被検体に体軸方向の斜め方向から照射することができる。
特開2015−029793号公報 米国特許出願公開第2012/0307973号明細書 米国特許第8934605号明細書(FIG.8A〜8C,FIG.9A)
しかしながら、上述した特許文献1に記載された放射線治療システムは、同一のガントリの回転体に治療用の放射線源と観察用のX線源とが配置されているため、治療用の放射線源と観察用のX線源とが同時に回転する。放射線治療の際は、一般的に1分間に1回程度のゆっくりとした回転数に設定することが望ましいため、この回転速度でX線を被検体に照射して再構成像用のデータを取得すると、呼吸の周期よりも長い周期で撮影されることになる。したがって、呼吸による被検体の変位等も含まれるため、再構成像の画質が低下してしまう。
一方、特許文献2に記載された放射線治療システムは、被検体の両脇に鉛直に配置した一対のアームにX線源と検出器をそれぞれ搭載し、一方のアームのX線源から被検体の斜め上方からX線を照射して他方のアームの検出器で検出する位置関係を保ちながら、鉛直方向の軸を中心にX線源および検出器を回転させる。よって回転に伴うX線の中心軸Pの軌跡は円錐面を描き、アキシャル断面とは異なる。特許文献2の放射線治療システムにより得られた再構成画像からアキシャル断面像を得ることはできるが、予め術前計画のために別途CT撮影を行って得たアキシャル断面像のボクセルと比較すると、画像のボクセルが歪み、再構成像の画質が低下してしまう。
特許文献3に記載された放射線治療システムは、アキシャル断面内でX線源および検出器を回転させ、その内側で治療用放射線源をアキシャル断面もしくはそれに対して傾斜させた面内で回転させる構成であるが、治療用放射線として、近年注目されている陽子線や重粒子線を用いる場合、シンクロトロンを利用した非常に大規模な設備になるため、治療用放射線源を傾斜させることは困難である。具体的には、治療法放射線源は、シンクロトロンで発生した陽子線や重粒子線を真空の導管内に電場や磁場を印加して集束させ、電場や磁場の分布によって進行方向を曲げながら被検体近傍まで導く構造となる。そのため、設備全体を移動させることはできないし、被検体の近傍で放射線源を傾斜させるためには、磁場発生装置の発生する磁場の分布の調整が必要であるとともに、真空の導管の長さを変更したり、傾斜を変えたりする必要がある。したがって、特許文献3の技術を陽子線や重粒子線で実現することは大きな困難を伴うとともに、陽子線や重粒子線の出射口周辺のみの装置でも、大型になる。特許文献3の技術においては、アキシャル断面内で治療用放射線源とX線源の両者を回転させる場合、治療用放射線源がX線源よりの内側で回転するため、X線源から見て被検体が陽子線等の出射口装の影になる位置では、データを取得することができず、高画質のCT画像を取得することが難しい。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、画素(ボクセル)に歪が少なく、高画質な、アキシャル断面像を放射線治療中に取得することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、治療用回転機構に配置され、前記被検体の周囲を回転しながら前記被検体の標的に治療用放射線を照射する治療用放射線照射部と、X線源用回転機構に配置され、前記被検体の周囲を回転しながら前記標的にモニタリング用X線を照射するX線源と、検出器用回転機構に配置され、前記X線源用回転機構に同期して前記被検体の周囲を回転しながら前記X線源から照射され前記被検体を透過したX線を検出する検出器と、前記X線源及び前記検出器が共通の回転軸を中心に回転し、且つ、前記治療用放射線源、前記X線源及び前記検出器の回転面がそれぞれ異なり、互いに干渉しないように前記治療用回転機構、前記X線源回転機構及び前記検出器用回転機構が配置されている放射線治療システムを提供する。
本発明によれば、画素(ボクセル)に歪がすくなく、高画質な、アキシャル断面像を放射線治療中に取得することができる。これにより、放射線治療における被検体の位置決め、監視精度を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る放射線治療システムの概略構成と、治療用回転フレームとスキャナ用回転フレームとの正面から見た位置関係を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る放射線治療システムにおいて、治療用回転フレームとスキャナ用回転フレームとの位置関係を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る放射線治療システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の変形例1に係り、治療用回転フレームとスキャナ用回転フレームとの位置関係を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例2に係り、治療用回転フレームとX線管用回転フレームと検出器用回転フレームとの位置関係を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例3に係り、治療用回転フレームとX線管用回転フレームと検出器用回転フレームとの位置関係を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例4に係り、治療用フレームとX線管用フレームと検出器用回転フレームとの位置関係を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例6に係り、放射線治療システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る放射線治療システムにおいて、治療用回転フレームとスキャナ用回転フレームとの位置関係を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態に係る放射線治療システムについて、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態に係る放射線治療システムは、被検体1に放射線治療中に、アキシャル断面に近い角度の回転面でX線源およびX線検出器の対を回転させリアルタイムで観察用画像を取得して表示する。これにより、リアルタイムの観察用画像と、術前計画のCT画像とを治療中に対比可能とし、被検体の治療対象部位(標的)の位置ずれ等を補正しながら医師による正確な治療を支援する。このため、本実施形態の放射線治療システムは、図1にその全体構成を示すように、被検体を載せる寝台5、観察用X線CTスキャナ10、放射線治療装置20及び制御装置30を備えている。なお、治療用X線CTスキャナ10及び放射線治療装置20は、いずれも制御装置30により制御される。
観察用X線CTスキャナ10は、図1にガントリの正面図を、図2に側面図を示すように、支持台17(図1では図示せず)と、支持台17によって回転可能に支持されたスキャナ用回転フレーム11と、X線管12(X線源)と、X線検出器13と、高電圧発生部14と、スキャナ回転駆動部15と、スキャナ制御部16と、支持軸3と、支持台17とを備えている。
本実施形態において、観察用X線CTスキャナ10として、所謂CアームCTスキャナを適用することができる。従って、図1及び図2に示すように、本実施形態においてスキャナ用回転フレーム11はC字形状であり、X線管12とX線検出器13とは、スキャナ用回転フレーム11に備えられた支持機構112,113によってそれぞれ支持されている。これら支持機構112、113は、C字形状のスキャナ用回転フレーム(以下、Cアームともいう)11上を移動可能な構造であり、スキャナ用回転フレーム11の所望の位置でX線管12およびX線検出器13を支持することができる。本実施形態においては、スキャナ用回転フレーム11の一端部にX線管12が、他端部にX線検出器13が夫々取り付けられ、X線管12とX線検出器13とがFOV(field of view)100を挟んで互いに対向するように配置されている。
図2に示すように、スキャナ用回転フレーム11は、支持軸3を介して支持台17に回転可能に支持されている。支持台17の内部には、上記高電圧発生部14とスキャナ回転駆動部15とスキャナ制御部16とが配置されている。スキャナ回転駆動部15は支持軸3を回転軸Oを中心に回転駆動する。支持軸3には、C字形状のスキャナ用回転フレーム11を支持する位置を可変にする機構が備えられ、C字形状のスキャナ用回転フレーム11をその周方向に沿って任意の角度に傾斜させて回転可能に支持する。
本実施形態では、図2のように、X線管12に近い位置で、支持軸3がスキャナ用回転フレーム11を支持するように配置されている。したがって、スキャナ回転駆動部15がC字形状のスキャナ用回転フレーム11を支持軸3を回転させることにより、X線管12とX線検出器13とは、共通の回転軸である支持軸3を中心に回転し、X線管12の回転面120とX線検出器13の回転面130とが干渉せず、互いに平行な位置関係となる。本実施形態では、支持軸3の回転軸Oを被検体の体軸に一致させてまたは平行に配置することにより、回転面120、130は、被検体1の体軸に垂直に配置する。
これにより、スキャナ制御部16の制御下でスキャナ回転駆動部15が支持軸3を回転させることにより、スキャナ用回転フレーム11は回転軸Oを中心に回転し、X線管12とX線検出器13とを被検体1回りに回転する。このとき、スキャナ用回転フレーム11は、C字形状の湾曲した形状であり、図2のように、被検体1の頭頂部(または足の先端)から離れた位置に配置された支持軸3によって支持され、スキャナ用回転フレーム11の両端部は被検体1の中心よりも頭部側と足部側とにそれぞれ位置し、支持軸3を中心に回転する。両端部に支持されたX線管12とX線検出器13とは被被検体1には接触しない。これにより、X線管12およびX線検出器13は、被検体1の頭頂部および足先よりも体軸方向の被検体の中心寄りに位置し、体軸に交差する回転面120および回転面130内でそれぞれ回転する。なお、寝台5は、被検体1を載置する天板6を有し、天板6を被検体1の足部側(または頭頂部側)で片持ち支持して、天板を所定の位置まで移動可能な構造を有する。このような天板6を片持ち支持する構造の寝台5を用いることにより、C字形状のスキャナ用回転フレーム11が回転に伴って、寝台5と接触することなく天板6の下部を通過することができる。
なお、X線管12は、支持軸3に備えられたスリップリング機構(図示せず)等を介して高電圧発生部14に電気的に接続される。高電圧発生部14は、スキャナ制御部16による制御に従って、回転面120内で回転しているX線管12に高電圧を印加する。X線管12は、高電圧発生部14により高電圧が印加されることでX線を発生する。発生したX線は、被検体1に照射される。
被検体1に照射されたX線は、被検体1を通過して、回転面130内で回転しながらFOV100を挟んで対向するX線検出器13に到達する。X線検出器13は、2次元状に配列された複数の検出素子を備え、各検出素子は、被検体を通過して到達したX線を検出して、検出したX線の強度に応じた電気信号を発生する。発生した電気信号は、スキャナ制御部16に出力される。スキャナ制御部16は、画像再構成部16aを備え、検出素子の出力からFOV100内の3D画像(ボリュームデータ、CBCT画像(コーンビームCT画像))を再構成し、制御装置30に出力する。制御装置30の後述する画像処理部32は、3D画像をレンダリング処理等することにより、被検体1のアキシャル断面像を生成することができる。
スキャナ制御部16は、制御装置30からの指示に従って、スキャナ回転駆動部15、高電圧発生部14等を制御する。具体的には、スキャナ制御部16は、CTスキャン中、スキャナ用回転フレーム11が一定の角速度で回転するようにスキャナ回転駆動部15を制御する。また、スキャナ制御部16は、X線管12が所定エネルギーのX線を照射するように高電圧発生部14を制御する。
一方、放射線治療装置20は、円環形状の治療用回転フレーム21、シンクトロトン等の放射線(陽子線や重粒子線)発生部23と、治療用回転フレーム21に搭載されて放射線を被検体1のFOV100に照射する放射線照射部22と、治療用回転駆動部24と、治療制御部25とを備えている。治療用回転フレーム21の回転軸は、C字形状のスキャナ用回転フレーム11の回転軸Oと一致するように配置されている。
治療用回転駆動部24は、治療制御部25の指示に従って、回転軸Oを中心に治療用回転フレーム21を回転させる。治療用回転フレーム21に搭載された放射線照射部22は、回転軸Oを中心に被検体1の周囲を回転しながら、放射線発生部23が発生した放射線(陽子線や重粒子線)を、治療制御部25の指示にしたがって所定の角度で被検体1に照射する。本実施形態では、放射線照射部22の回転面122は、被検体1の体軸に垂直である。なお、放射線照射部22の回転面122は、被検体1の体軸に対して斜めに配置されてもよい。
このとき、放射線照射部22の回転面122は、X線管12の回転面120とX線検出器13の回転面130との間に位置するように配置されている。言い換えると、X線管12の回転面120とX線検出器13の回転面130が、治療用放射線照射部22の回転面122を挟むように、スキャナ用回転フレーム11が配置されている。
治療用放射線照射部22による治療用放射線の照射方向(治療用放射線の軸)と、X線管12によるX線の照射方向(X線の軸)とが、治療用放射線照射部22の回転軸(Z軸)方向について、所定の角度αを成すようになっている。従って、図1におけるXY平面に投影した時に、治療用放射線照射部22による治療用放射線の照射方向と、X線管12によるX線の照射方向とが一致したように見えても、治療用放射線の照射方向とX線の照射方向とはZ軸方向について常に角度αだけ傾斜している。つまり、治療用放射線の軸とX線の軸とが互いに干渉することがなく、常に、治療用照射線を照射しながらX線を照射してモニタリングを行うことができる。
また、放射線照射部22の回転面122と、X線管12の回転面120およびX線検出器13の回転面130との間隔は、X線検出器13の傾斜した端部やX線管12の傾斜した端部が、放射線照射部22の回転面122と干渉(接触および交差)しない範囲で、できるだけ小さくなるようにX線検出器13およびX線管12のサイズを考慮して決定されている。
すなわち、図2に示すように、治療用放射線照射部22の回転面と、X線管12とX線検出器13とを結ぶ直線(X線の中心軸P)との成す角度αは、できるだけ小さいことが望ましく、具体的には、αが40°以下であることが、被検体1のアキシャル断面の画像を生成した場合のボクセルの歪が小さいため望ましい。
また、X線検出器の幅が約400mm、X線管とX線検出器の距離が約1000mm、被検体がX線管とX線検出器のほぼ中間にあるとすると、X線検出器13のサイズを考慮すると、αは約20°以上となるが、αが20°〜40°程度であれば、生成したアキシャル断面に生じるボクセル歪を許容できる。アキシャル断面におけるボクセル歪が小さくなれば、アキシャル方向に直交する方向のコロナル断面およびサジタル断面におけるボクセル歪も小さくなる。なお、角度αは、X線管12とX線検出器13とをスキャナ用回転フレーム11上を移動させたり、スキャナ用回転フレーム11の治療用回転フレーム21に対する配置位置を変更したりすることにより、適宜変更することができる。例えば、被検体とX線検出器の距離を離すほど、αは小さくでき、ボクセル歪は小さくできる。
このように、本実施形態では、スキャナ用回転フレーム11と治療用回転フレーム21とは、別個独立に設けられ、別々の駆動部よって独立に回転駆動される。また、X線管12とX線検出器13とは、共通の回転軸である支持軸3を中心に回転し、X線管12の回転面120とX線検出器13の回転面130とが干渉せず、互いに平行となるような位置関係となっている。放射線照射部22の回転面122は、治療用回転フレーム12のX線管12の回転面120とX線検出器13の回転面130との間に位置する。また、治療用回転フレーム21の回転軸Oは支持軸3と一致しているため、治療用放射線照射部22、X線管12及びX線検出器13は、共通の回転軸Oを中心に回転し、夫々の回転面が互いに平行となるように配置されている。
制御装置30は、放射線治療システム全体を管理・制御する専用又は汎用のコンピュータ装置であり、システム制御部31、画像処理部32、寝台駆動部33、画像表示部34、記憶部36、及び操作部35を備えている。
システム制御部31は、スキャナ制御部16及び治療用制御部25を制御して、観察用X線CTスキャナ10及び放射線治療装置30を制御する。これにより、放射線治療装置20の治療用回転フレーム21を回転させながら放射線照射部22により所定のタイミングで所定の角度から放射線を被検体1のFOV100内の標的110に照射して治療を実行させるとともに、観察用X線CTスキャナ10のC字形状のスキャナ用回転フレーム11を回転させながらX線管12からX線を照射させ、被検体1を透過したX線をX線検出器13で検出させ、スキャナ制御部16の画像再構成部16aにおいて被検体1の3D画像を生成させる。
また、システム制御部31は、標的認識部31aを備えている。標的認識部31aは、スキャナ制御部16の3D画像における、標的(治療対象部位)110の位置を認識する。例えば、予め設定された標的110のCT画像やX線透視画像をテンプレートとして、類似領域を探索するテンプレートマッチングの技術により、3D画像における標的位置を認識する。また、システム制御部31は、画像処理部32、寝台駆動部33、画像表示部34、記憶部36、及び操作部35を制御する。なお、システム制御部31は、図示しないネットワークを介してスキャナ制御部16及び治療用制御部25を制御してもよい。
画像処理部32は、観察用X線CTスキャナ10から取得した画像データに前処理及び再構成処理を施し、治療直前の被検体1の再構成像を生成し、再構成像からレンダリング画像を生成する。画像処理部32は、システム制御部31を介して再構成像およびレンダリング画像に係るデータを表示部34に出力し、表示させる。
寝台5は、被検体1を載置する天板6を有し、寝台駆動部32により駆動される。寝台駆動部32は、後述するシステム制御部31による指示に従って天板6を移動させる。寝台駆動部32により天板6を移動させることにより、天板6に載置された被検体1の位置決めを行う。
表示部34は、画像処理部32により生成された再構成像およびレンダリング画像やその他必要なデータをシステム制御部31の指示に従って表示する。表示部34を実現する表示機器として、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を適用することができる。
操作部35は、入力機器を介してユーザからの各種指令や情報入力を受け付け、入力された情報をシステム制御部31に出力する。操作部35を実現する入力機器として、キーボードやマウス、スイッチ等を適用することができる。
記憶部36は、例えば、画像処理部32により生成された再構成像に係るデータ、レンダリング画像に係るデータ等の種々のデータを記憶する。
つぎに、本実施形態の放射線治療システムの各部の動作について図3のフローを用いて説明する。なお、ユーザは、別途X線CT装置を用いて被検体1について撮影した1以上のアキシャル断面像に、放射線を照射する治療対象領域(標的)110の位置をマーク等で特定した治療計画画像や、標的110への放射線の照射角度や照射回数等を定めた治療計画を予め作成しているものとする。
システム制御部31は、操作部35を介して、治療計画画像データと、放射線照射条件(治療用回転フレーム21の回転数、放射線の照射強度等)と、CT画像撮像条件(X線CTスキャナの管電圧・管電流等のX線照射条件、C字状のスキャナ用回転フレーム11の回転速度等)を受け付ける(ステップ201)。
システム制御部31は、被検体1が天板6に搭載され、ユーザが操作部35を介して、天板6の位置を指示したならば、それを受け付け、天板6を指示された位置まで移動させる(ステップ202)。
システム制御部31は、観察用X線CTスキャナ10のスキャナ制御部16に撮像を指示する。スキャナ制御部16は、高電圧発生部14からX線管12に所定の管電圧・管電流を供給してX線を発生させるとともに、スキャナ回転駆動部15を動作させて、支持軸3を回転させる。これにより、図2に示すように、C字形状のスキャナ用回転フレーム11が所定の速度で回転し、これに伴って、X線管12は、回転面120内で被検体1の周りを回転し、X線検出器13は、回転面130内で被検体1の周りを回転する。X線管12から出射されたX線は、FOV100に位置する被検体1を通過して、X線検出器13により検出される。スキャナ制御部16は、所定の時間間隔でX線検出器13の検出素子の出力を収集し、画像再構成部16aは、FOV100内の3D画像(CBCT画像)を再構成する(ステップ203)。
システム制御部31の標的認識部31aは、画像再構成部16aから3D画像を受け取って、3D画像内の標的110を、治療計画画像データの標的画像とテンプレートマッチング等により認識し、標的110の位置を求める(ステップ204)。システム制御部31は、3D画像内の標的110を含む位置のアキシャル断面像を再構成処理により画像処理部32に生成させ、治療計画画像の標的110を含む位置のアキシャル断面像とともに、表示部34に表示する(ステップ205)。この処理により生成されるアキシャル断面画像は、3D画像のボクセルを角度αだけ傾斜させることにより生成されるため、ボクセルは角度αのボクセル歪みを有するが、本実施形態では、角度αが小さく(40°)以下になるように設定しているため、ボクセル歪みを低減できる。
また、システム制御部31は、治療計画画像の標的位置と、観察用X線CTスキャナ10が撮影した画像の標的位置との位置ずれ量を算出し、表示部34に表示する(ステップ206)。標的110の位置ずれ量が所定値以上である場合には、システム制御部31は、算出した位置ずれを修正するように、寝台駆動部33により天板6を移動させ、ステップ203に戻る(ステップ207,208)。また、ユーザの操作部35の操作にしたがって、天板6を移動させてもよい。
なお、上述のステップ205に代えて、アキシャル断面と同様に、3D画像内の標的110を含む位置のコロナル断面像を画像処理部32に生成させ、治療計画画像の標的110を含む位置のコロナル断面像とともに、表示部34に表示することも可能である(ステップ205’)。この場合、システム制御部31は、治療計画画像の標的位置と、観察用X線CTスキャナ10が撮影した画像の標的位置とのコロナル方向の位置ずれ量を算出し、表示部34に表示する(ステップ206’)。標的110のコロナル方向の位置ずれ量が所定値以上である場合には、システム制御部31は、算出した位置ずれを修正するように、寝台駆動部33により天板6を移動させ、ステップ203に戻る(ステップ207’,208’)。これにより、コロナル方向の位置ずれ量を算出し、位置ずれを修正することができる。
また、上述のステップ205又はステップ205’に代えて、3D画像内の標的110を含む位置のサジタル断面像を画像処理部32に生成させ、治療計画画像の標的110を含む位置のサジタル断面像とともに、表示部34に表示する(ステップ205”)ことも可能である。この場合、システム制御部31は、治療計画画像の標的位置と、観察用X線CTスキャナ10が撮影した画像の標的位置とのサジタル方向の位置ずれ量を算出し、表示部34に表示する(ステップ206”)。標的110のサジタル方向の位置ずれ量が所定値以上である場合には、システム制御部31は、算出した位置ずれを修正するように、寝台駆動部33により天板6を移動させ、ステップ203に戻る(ステップ207”,208”)。これにより、サジタル方向の位置ずれ量を算出し、位置ずれを修正することができる。断面像で表示することによりアキシャル方向、コロナル方向、サジタル方向のずれ量を正確に表示することができる。
画像処理部32において再構成像からレンダリング画像を生成し、表示部34に断面像の代わりにレンダリング画像を表示させることもできる。治療計画画像において標的110を含む位置を算出し、レンダリング画像上に表示することにより、全方向のずれ量を一つの画像で示すことができる。
上述の通り、画像処理部32において、観察用X線CTスキャナ10が撮影した画像の再構成像およびレンダリング画像を生成し、これらの画像に治療計画画像において算出した標的110を含む位置を重ねることにより、リアルタイムの画像を基準にすることができる。一方、治療計画画像の再構成像およびレンダリング画像を生成し、これらの画像に観察用X線CTスキャナが撮影した断面像において算出した標的110を含む位置を重ねることも可能であり、この場合は治療計画画像を基準にすることができる。
ステップ206において、標的位置の位置ずれ量が所定値よりも小さい場合、システム制御部31は、放射線治療装置20の治療用制御部25に指示し、放射線照射による治療を実行させる(ステップ209)。具体的には、治療用回転駆動部24により、治療用回転フレーム21を所定の速度で回転させながら、放射線発生部23により放射線を発生させ、所定の角度に到達したタイミングで放射線照射部22から放射線を被検体の標的110に照射する。その際、観察用X線CTスキャナ10が撮影した3D画像を用いて、画像処理部32が3D画像内の標的110を含む位置のアキシャル断面像を生成し、治療計画画像の標的110を含む位置のアキシャル断面像とともに、表示部34に表示する(ステップ210)。
ここで、ステップ205で得られた画像を表示部34に表示することで、被検体の被曝を低減できる。あるいは、新たに観察用X線CTスキャナ10が撮影した3D画像を用いて生成した画像を表示することで、リアルタイムの画像を表示できる。また、アキシャル断面像の他にコロナル断面像、サジタル断面像、レンダリング画像を表示することが可能である。
これにより、ユーザは、表示部34に表示されたリアルタイムの標的110を含むアキシャル断面像を、治療計画の標的110を含むアキシャル断面像と対比して見ることができ、放射線の照射による標的部位の変化等を確認することができる。同様に、コロナル断面像、サジタル断面像、レンダリング画像で対比して見ることができる。
このように本実施形態の放射線治療システムによれば、X線管12及びX線検出器がスキャナ用回転フレーム11に取り付けられ、治療用放射線照射部22が、スキャナ用回転フレーム11とは別個独立の治療用回転フレーム21に取り付けられているため、X線管12及びX線検出器13と治療用放射線照射部22とを夫々異なる速度で回転させることができる。
また、X線管12とX線検出器13とが対峙したまま共通の回転軸Oを中心に回転し、且つ、治療用放射線照射部22、X線管12及びX線検出器13の各回転面122、120、130が互いに干渉しないように治療用回転フレーム21とスキャナ用回転フレーム11とが配置されているため、治療用放射線照射部22を傾斜させることなく、X線管12からX線検出器13に到達するX線の中心軸Pを、アキシャル断面に対して所定の角度αだけ傾斜させて3DのCT画像を得ることができる。よって、放射線源を容易に傾斜させることができない陽子線や重粒子線を用いる場合であっても、放射線治療中にX線CT画像を取得することができる。
また、本実施形態の放射線治療システムは、X線検出器13等のサイズやX線管および被検体との距離に応じて、X線の中心軸Pの傾斜角αを小さくできる。よって、アキシャル断面に近い角度にX線の中心軸Pが位置し、3D画像からアキシャル断面像を生成した場合であっても、ボクセルの歪を抑制でき、高精細なアキシャル断面像を、放射線による治療中にリアルタイムで得ることができる。よって、術前計画のアキシャル断面像と、リアルタイムのアキシャル断面像を対比してユーザに表示することができる。同様に、高精細なコロナル断面像、サジタル断面像、レンダリング画像を放射線による治療中にリアルタイムで得ることができ、術前計画の断面像とリアルタイムの断面像を対比してユーザに表示することができる。
また、本実施形態の放射線治療システムは、X線管12からX線検出器13に到達するX線の中心軸Pが、治療用の放射線が照射される方向とは角度αだけ傾斜しているため、治療用の放射線が被検体によって散乱する成分のうち最も量の多い前方に直進する成分が、X線検出器13に入射するのを防ぐことができる。したがって、高画質の再構成像を取得することができる。
以上のように、本実施形態の放射線治療システムは、放射線治療における被検体の位置決め、監視精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、放射線治療装置が陽子線や重粒子線を放射線として照射する例について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、X線やガンマ線を照射する構成にすることも可能である。放射線発生部23が小型の装置である場合には、放射線発生部23を治療用回転フレーム21に搭載して治療用回転フレーム21とともに回転させることも可能である。
なお、本実施形態では、治療用回転フレーム21の回転軸と、スキャナ用回転フレーム11の回転軸Oとが同軸である場合を説明したが、2つの回転軸は、必ずしも同軸でなくてもよく、平行にずれていてもよい。また、治療用回転フレーム21の回転軸に対して、スキャナ用回転フレーム11の回転軸Oが傾斜していてもよい。回転軸Oが傾斜している場合、放射線照射部22の回転面122に対して、X線源12の回転面120およびX線検出器の回転面130が傾斜するが、回転面122と回転面120または回転面130とが交差しないことが望ましい。ただし、放射線の照射角度が所定の角度に限られている場合には、放射線と、X線源12およびX線検出器13とを交差させず(干渉させず)に、回転面122と回転面120または回転面130とが交差するように回転軸Oを傾斜させることも可能であるので、そのような傾斜角度に回転軸Oを傾斜させてもよい。
また、本実施形態では、観察用X線CT画像スキャナによって、CT画像を撮影したが、X線透視画像やX線撮影画像を得ることも可能である。ステップ202の天板6の移動の際に、X線透視画像あるいはX線撮影画像をユーザが見ながら位置合わせをすることも可能である。
(変形例1)
上記した実施形態では、スキャナ用のX線管とX線検出器が夫々1つである例について説明したが、これらが夫々2つ設けられた構成とすることもできる。
図4に示すように、治療用放射線源21を設けた治療用回転フレーム21と、X線管12a,12bとX線検出器13a,13bを設けたスキャナ用回転フレーム11a,11bを夫々別個独立に配置することもできる。
すなわち、本変形例においては、Cアームを2台備え、第1のCアームのスキャナ用回転フレーム11aに取り付けられたX線管12aと第2のCアームのスキャナ用回転フレーム11bに取り付けられたX線検出器13bとがFOV100を挟んで対峙して配置され、スキャナ用回転フレーム11bに取り付けられたX線管12bとスキャナ用回転フレーム11aに取り付けられたX線検出器13aとがFOV100を挟んで対峙して配置されている。
スキャナ用回転フレーム11aは支持軸3aを回転軸として回転し、スキャナ用回転フレーム11bは支持軸3bを回転軸として回転する。支持軸3aと支持軸3bは略同一直線状に配置され、第1のCアームと第2のCアームとは実質的に略同一の回転軸を中心に回転するようになっている。
従って、第1のCアームに取り付けられたX線管12aから照射されたX線を第2のCアームに取り付けられたX線検出器13bで検出し、スキャナ用回転フレーム11bに取り付けられたX線管12bから照射されたX線をスキャナ用回転フレーム11aに取り付けられたX線検出器13aで検出することができる。
図4では、Cアームを被検体の頭側と足側から入れたが、Cアームを被検体の側面から入れる形態も考えられる。この場合には、X線管および検出器はCアーム上をアームに沿ってスライドすることで、上記と同様に回転軸の周囲を回転させることができる。
(変形例2)
また、図5に示すように、治療用放射線源、スキャナ用のX線管及びX線検出器が夫々1つであり、治療用回転フレーム21と、X線管用回転フレーム18と、X線検出器13を取り付けた検出器用回転フレーム19を夫々別個独立に配置することもできる。
治療用回転フレーム21と、X線管用回転フレーム18と、検出器用回転フレーム19とは何れも円環形状であり、同一の回転軸を中心に回転するようになっている。また、X線管用回転フレーム18と検出器用回転フレーム19とが治療用回転フレーム21を挟むように配置されている。また、X線管用回転フレーム18に設けられたX線管12と検出器用回転フレーム19に設けられたX線検出器13とはFOV100を挟んで対峙して配置されている。X線管用回転フレーム18と検出器用回転フレーム19とは、同期して回転しX線管12から照射されたX線を検出器13が検出するようになっている。
(変形例3)
また、図6に示すように、治療用放射線源、スキャナ用のX線管及びX線検出器が夫々1つであり、治療用回転フレーム21と、X線管用回転フレーム28と、検出器用回転フレーム29を夫々別個独立に配置することもできる。
治療用回転フレーム21は円環上であり、X線管用回転フレーム28と検出器用回転フレーム29とは棒状であり、何れも同一の回転軸を中心に回転するようになっている。また、X線管用回転フレーム28と検出器用回転フレーム29とが治療用回転フレーム21を挟むように配置されている。また、X線管用回転フレーム28に設けられたX線管12と検出器用回転フレーム29に設けられたX線検出器13とはFOV100を挟んで対峙して配置されている。X線管用回転フレーム28と検出器用回転フレーム29とは、同期して回転しX線管12から照射されたX線を検出器13が検出するようになっている。
(変形例4)
また、図7に示すように、治療用放射線源、スキャナ用のX線管及びX線検出器が夫々1つであり、治療用回転フレーム21と、X線管用移動フレーム38と、検出器用移動フレーム39を夫々別個独立に配置することもできる。
治療用回転フレーム21は円環上であり、X線管用移動フレーム38と検出器用移動フレーム39とは棒状であり、平行に配置されている。また、X線管用移動フレーム38と検出器用移動フレーム39とが治療用回転フレーム21を挟むように配置されている。また、X線管用移動フレーム38に設けられたX線管12と、検出器用移動フレーム39に設けられたX線検出器13とは、FOV100を挟んで対峙して配置されている。
X線管12はX線管用移動フレーム38上を直線移動し、X線検出器13は検出器用移動フレーム39上を直線移動する。X線管12とX線検出器13とは同期して移動し、X線管12から照射されたX線を検出器13が検出するようになっており、トモシンセシス撮影が可能である。
(変形例5)
上記した実施形態では、図2に示したように、X線管12およびX線検出器13のスキャナ用回転フレーム11上の位置は、撮像中は変化させず、角度αを一定に保つ構成であったが、システム制御部31の制御により、撮像中に機構112および113を動作させて、X線管12およびX線検出器13のスキャナ用回転フレーム(Cアーム)11上の位置を移動させてもよい。ただし、X線管12およびX線検出器13は、FOV100を挟んで対向する位置関係は維持する。
X線管12およびX線検出器13のスキャナ用回転フレーム11上の位置を移動させることにより、角度αが変化するため、様々なX線の入射角度でFOV100のデータを取得することができる。これにより、角度αを固定している場合よりも、高精度の3D画像(CBCT画像(コーンビームCT画像))を得ることができる。例えば、コーン角に起因するぼけの発生を抑制できる。これにより、画像処理部32は、例えば図3のステップ205、210において、より高精度なアキシャル断面像を再構成して表示部34表示することができる。この場合、αは40°以下に制限されるものではない。
(変形例6)
上記した実施形態では、図3に示したように、標的位置の位置ずれ量が所定値より大きい場合には、天板6の位置を修正しているが、呼吸動や脈拍により、周期的に位置が変動する部位に標的110が位置する場合には、観察用CT画像スキャナによりリアルタイムで3D画像を撮像し、標的位置が所定の範囲内に位置するタイミングで、放射線を標的110に照射することも可能である。これにより、呼吸動や脈拍による標的110の変動の影響を受けずに、精度よく標的110に放射線を照射することができる。
例えば、図8のフローチャートのように、システム制御部31は、上記実施形態と同様にステップ201〜204まで行って観察用CTスキャナにより撮像した3D画像において標的110の現在位置の術前計画との位置ずれ量を認識したのち、標的110の位置ずれ量が所定値以下の場合のみ放射線照射を行う(ステップ306〜308)。これを放射線照射が所定回数になるまで繰り返す(ステップ309)。その後、最後に取得した3D画像から標的110を含むアキシャル断面像を生成して表示部34に表示させる(ステップ310)。呼吸動や脈拍による標的110の変動を、リアルタイムで撮像したCT画像に基づいて認識することができるため、精度よく標的110に放射線を照射することができる。
なお、本変形例5では、観察用CTスキャナによる3D画像から呼吸動や脈拍による標的110の位置の変動を検出しているが、光学的または電気的に呼吸動や脈拍による被検体の変位を検出するセンサーを用いてステップ206の位置ずれ量を検出してもよい。また、これらセンサーと、観察用CTスキャナによる3D画像を用いた標的位置の検出を併用してもよい。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態及びその変形例では、治療用放射線源、スキャナ用のX線管及びX線検出器が互いに干渉しない異なる回転面で回転する構成について説明した。しかしながら、必ずしもこのような構成に限られず、例えば、第1の実施形態で示したようなCアームなどの、少なくとも治療用回転機構と、X線源回転機構及び検出器用回転機構とが別個独立であれば、治療用放射線源と、観察用のX線源とを異なる速度で回転させることができ、取得される再構成像の画質の向上を図ることができる。
すなわち、例えば、図9に示すように、治療用放射線照射部22を取り付けた円環状の治療用回転フレーム21と、Cアームであるスキャナ用回転フレーム11の両端にX線管12とX線検出器13とを夫々取り付けた構成とし、治療用放射線照射部22の回転面とX線管12とX線検出器13の回転軸を共通とし、かつ各回転面が概ね一致するように治療用回転フレーム21と、Cアームのスキャナ用回転フレーム11とを配置する。このとき、X線管12とX線検出器13とがFOV100を挟むように配置する。
このように、治療用放射線照射部22と、X線管12及びX線検出器13とを別個独立の回転機構で回転させることができる。つまり、治療用放射線照射部22が、スキャナ用回転フレーム11とは別個独立の治療用回転フレーム21に取り付けられているため、X線管12及びX線検出器13と治療用放射線照射部22とを夫々異なる速度で回転させることができる。より具体的には、治療用放射線源は、例えば、1分間に1回転などの放射線治療に適した速度で回転させ、X線管12及びX線検出器13は所望の画質の再構成像を取得するために必要な速度で回転させることができる。
したがって、画素(ボクセル)に歪がなく等方的で高画質の再構成像を取得して、放射線治療における被検体の位置決め、監視精度を向上させることができる。
1・・・被検体、3・・・支持軸、10・・・観察用X線CTスキャナ、11・・・スキャナ用回転フレーム、12・・・X線管、13・・・X線検出器、14・・・高電圧発生部、15・・・スキャナ回転駆動部、16・・・スキャナ制御部、18・・・X線管用回転フレーム18、19・・・検出器用回転フレーム、20・・・放射線治療装置、21・・・治療用回転フレーム、22・・・治療用放射線照射部、23・・・高電圧発生部、24・・・治療用回転駆動部、25・・・治療制御部、30・・・制御装置、31・・・システム制御部、32・・・画像処理部、33・・・寝台駆動部、34・・・表示部、35・・・操作部、36・・・記憶部

Claims (12)

  1. 治療用回転機構と、
    前記治療用回転機構に配置され、被検体の周囲を回転しながら前記被検体の標的に治療用放射線を照射する治療用放射線照射部と、
    前記被検体の周囲を回転しながら前記標的にモニタリング用X線を照射するX線源と、
    前記X線源の回転に同期して前記被検体の周囲を回転しながら前記X線源から照射され前記被検体を透過したX線を検出する検出器とを備え、
    前記X線源及び前記検出器は、それぞれ、前記治療用放射線照射部の回転面に対し交差する軸を中心に回転するC字形状アームに取り付けられており、且つ、前記C字形状アームの支持軸中心から、前記X線源及び前記検出器の一方までのC字形状アームに沿った距離が他方までのC字形状アームに沿った距離よりも短く、
    前記治療用放射線照射部、前記X線源及び前記検出器の回転面がそれぞれ異なり、互いに干渉しないように前記治療用回転機構及び前記C字形状アームが配置されている放射線治療システム。
  2. 前記X線源の回転面と前記検出器の回転面とが、前記治療用放射線照射部の回転面を挟むように前記C字形状アームが配置されている請求項1記載の放射線治療システム。
  3. 前記治療用放射線照射部による治療用放射線の照射方向と、前記X線源によるモニタリング用X線の照射方向とが、前記治療用放射線照射部の回転軸方向について、所定の角度を成す請求項1記載の放射線治療システム。
  4. 前記治療用放射線照射部の回転面と、前記X線源と前記検出器とを結ぶ直線との成す角度が可変である請求項1記載の放射線治療システム。
  5. 前記X線源と前記検出器とを前記C字形状アームに沿って移動させることにより前記角度を可変とする機構を備えた請求項記載の放射線治療システム。
  6. 前記角度が20°〜40°である請求項記載の放射線治療システム。
  7. 前記C字形状アームの回転軸は、前記治療用放射線照射部の回転面に対し直交している請求項1記載の放射線治療システム。
  8. 前記C字形状アームの回転軸は、前記治療用放射線照射部の回転軸に対し、平行にずれているか、または傾斜している請求項1記載の放射線治療システム。
  9. 前記医療用放射線照射部による放射線の照射タイミングと、前記X線源によるモニタリング用X線の照射タイミングと制御する制御部を備え、
    該制御部が、前記治療用放射線照射部による放射線の照射タイミングと、前記X線源によるモニタリング用X線の照射タイミングとを一致させないように制御する請求項1記載の放射線治療システム。
  10. 前記検出器の出力から前記被検体の画像を再構成処理し、前記被検体のアキシャル断面像を生成する画像処理部を備える請求項1記載の放射線治療システム。
  11. 前記被検体の画像から前記標的の位置を認識する標的認識部と、前記標的の位置が所定の範囲内に位置する場合に、前記治療用放射線照射部から前記標的に放射線を照射させる制御部を備える請求項10に記載の放射線治療システム。
  12. 前記治療用放射線照射部は、外部の放射線発生装置と真空の導管で接続され、前記放射線発生装置が発生した陽子線または重粒子線を磁場で集束させて前記標的に照射する装置である請求項1に記載の放射線治療システム。
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