JP6697787B1 - 導体線の絶縁被膜切除装置および絶縁被膜切除方法 - Google Patents

導体線の絶縁被膜切除装置および絶縁被膜切除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、導体線の絶縁被膜切除時に、バリの発生を抑制できる導体線の絶縁被膜切除装置および絶縁被膜切除方法を得る。【解決手段】導体線の絶縁被膜切除装置は、導体部および上記導体線に被覆された絶縁被膜を有し、かつ平面からなる4つの側面がR面で繋がっている断面矩形の連続する導体線の、絶縁被膜切除領域に位置する相対する一対の側面の上記絶縁被膜を、上記導体部の一部とともに切除する上型と、上記導体線が配置され、切除時に上記導体線にかかる荷重を上記導体線の相対する他の一対の側面の一方の側面を介して支える下型と、を備え、上記下型は、上記導体線の長さ方向における上記絶縁被膜切除領域との境界部に位置する上記一対の側面と上記一方の側面との間の上記R面を受ける受け部を有する。【選択図】図23

Description

この発明は、例えば回転電機などの固定子の固定子巻線に用いられる導体線の絶縁被膜切除装置および絶縁被膜切除方法に関する。
従来の電動機、発電機などの回転電機のコイルの製造方法は、絶縁被覆された導体線の一部に、切除刃によって絶縁被膜を切除して、角型断面の対向する一対の切除面を形成する第1絶縁被膜切除工程と、その後、切除刃によって絶縁被膜を切除し、角型断面の他の対向する一対の切除面を形成する第2絶縁被膜切除工程と、第2絶縁被膜切除工程の後に、導体線の角型断面に形成された部分を途中で切断する切断工程と、切断工程の後、切断された導体線を曲げ加工する加工工程と、加工工程の後、切断された導体線の切除面同士を溶接接合する接合工程と、を備えていた(例えば、特許文献1参照)。
特許第4654068号公報
特許文献1では、第1絶縁被膜切除工程および第2絶縁被膜切除工程において、導体線を下型に配置し、上型を下型方向に移動して、下型に形成された穴を通過させることで、絶縁被膜とともに導体部分を切除して、導体線の一部に角型断面の対向する一対の切除面を形成していた。導体線は、下型に平面で受けられている。そして、導体線の幅方向両側の下型側は、曲面となっているので、下型と導体線の曲面部分との間には、隙間が生じる。これにより、上型による切除時に、削られた導体および絶縁被膜がその隙間に入り込み、バリが生じる。
コイルにバリがあると、コイルを固定子鉄心のスロットに挿入する際に、バリが引っかかってコイルをスロットに挿入しにくくなり、生産性が悪化する。また、コイルのスロット挿入時およびコイルの曲げ加工時にバリが落下して、絶縁不良を起こす恐れがある。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、導体線の絶縁被膜切除時に、バリの発生を抑制できる導体線の絶縁被膜切除装置および絶縁被膜切除方法を得ることを目的とする。
この発明による導体線の絶縁被膜切除装置は、導体部および上記導体部に被覆された絶縁被膜を有し、かつ平面からなる4つの側面がR面で繋がっている断面矩形の連続する導体線の、絶縁被膜切除領域に位置する相対する一対の側面の上記絶縁被膜を、上記導体部の一部とともに切除する上型と、上記導体線が配置され、切除時に上記導体線にかかる荷重を上記導体線の相対する他の一対の側面の一方の側面を介して支える下型と、を備え、上記下型は、上記導体線の長さ方向における上記絶縁被膜切除領域の両側の絶縁被膜非切除領域のなかの上記絶縁被膜切除領域との境界部に位置する上記一対の側面と上記一方の側面との間の上記R面を受ける受け部を有する。
この発明によれば、上述の構成となっているので、下型と導体線の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置するR面との間の隙間の発生が抑制される。これにより、絶縁被膜の切除時のバリの発生を抑制できる導体線の絶縁被膜切除装置および絶縁被膜切除方法が得られる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の要部を示す横断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の要部を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の要部を径方向外側から見た側面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子における単位コイルの端部の形状を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子における単位コイルの端部同士の接続状態を示す斜視図である。 単位コイルの材料である導体線を示す断面図である。 導体線をY方向から見た平面図である。 導体線をX方向から見た平面図である。 比較例の第1絶縁被膜切除装置を示す斜視図である。 比較例の単位コイルの製造方法における第1切除工程を説明する図である。 比較例の単位コイルの製造方法における第1切除工程後の導体線を示す斜視図である。 比較例の第2絶縁被膜切除装置を示す斜視図である。 比較例の単位コイルの製造方法における第2切除工程を説明する図である。 比較例の単位コイルの製造方法における第2切除工程後の導体線を示す斜視図である。 比較例の単位コイルの製造方法における切断工程後の導体線を示す斜視図である。 比較例の単位コイルの製造方法における第1切除工程後の導体線と下型とをX方向から見た側面図である。 図17のA−A矢視断面図である。 比較例の単位コイルの製造方法における第1切除工程後の導体線を示す斜視図である。 比較例の単位コイルの製造方法における第2切除工程後の導体線と下型とをY方向から見た側面図である。 図20のB−B矢視断面図である。 比較例の単位コイルの製造方法における第2切除工程後の導体線を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る単位コイルの製造方法に用いられる第1絶縁被膜切除装置の下型を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る単位コイルの製造方法における第1切除工程後の導体線を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る単位コイルの製造方法に用いられる第2絶縁被膜切除装置の下型を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る単位コイルの製造方法における第2切除工程後の導体線を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における単位コイルの装着工程を説明する要部側面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における単位コイルの第1曲げ工程を説明する要部側面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における単位コイルの第2曲げ工程を説明する要部側面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における単位コイルの溶接工程を説明する要部側面図である。 この発明の実施の形態1に係る単位コイルの製造方法に用いられる第1絶縁被膜切除装置の下型の実施態様を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る単位コイルの製造方法における第1切除工程後の導体線を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る単位コイルの製造方法における第2切除工程後の導体線を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る単位コイルの製造方法における第2切除工程後の導体線を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る単位コイルの製造方法に用いられる第1絶縁被膜切除装置の下型の実施態様を示す斜視図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す縦断面図である。なお、縦断面図とは、回転軸の軸心を含む断面を示す断面図である。また、本明細書においては、便宜上、回転軸の軸心と平行な方向を軸方向、回転軸の軸心を中心として、回転軸の軸心と直交する方向を径方向、回転軸を中心として回転する方向を周方向とする。また、各図において、径方向を矢印Xで示し、周方向を矢印Yで示している。
図1において、回転電機100は、回転電機本体101と、回転電機本体101のリア側に一体に取り付けられる制御装置102と、を有する。
回転電機本体101は、フロントブラケット1とリアブラケット2とからなるハウジング3と、ハウジング3に支持された軸受4,5に回転可能に支持される回転軸6と、回転軸6に同軸に固定されてハウジング3内に回転可能に設置された回転子7と、回転子7の外周側を覆うようにハウジング3に固定された固定子10と、を備える。
回転子7は、軸心位置を貫通する回転軸6に固着された回転子鉄心8と、回転子鉄心8に装着された界磁コイル9と、を備える。
固定子10は、円環状の固定子鉄心11と、固定子鉄心11に装着された固定子巻線12と、を備える。固定子10は、回転子鉄心8と同軸に、かつ回転子鉄心8を囲むように配置された固定子鉄心11を、軸方向両側からフロントブラケット1とリアブラケット2とにより加圧状態に挟み込むことで、ハウジング3に保持される。
つぎに、固定子10の構成について説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の要部を示す横断面図、図3は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の要部を示す縦断面図、図4は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の要部を径方向外側から見た側面図である。なお、横断面図とは、回転軸の軸心と直交する断面を示す断面図である。
ここで、説明の便宜上、毎極毎相当たりのスロット数を2、固定子巻線を三相巻線とする。また、単位コイルのスロット内の収納位置を内径側から第1層、第2層、第3層、第4層とする。また、図4中上側を固定子鉄心11の軸方向一端側とし、図4中下側を固定子鉄心11の軸方向他端側とする。
固定子10は、図2から図4に示されるように、円環状の固定子鉄心11と、固定子鉄心11に装着された固定子巻線12と、を備える。固定子鉄心11は、電磁鋼板などの磁性薄板を積層一体化して作製され、円環状のコアバック31と、それぞれ、コアバック31の内周壁面から径方向内方に突出して、周方向に等角ピッチで配列された複数のティース32と、を備える。周方向に隣り合うティース32間に形成されるスペースがスロット33となる。なお、スロット33内には、固定子鉄心11と固定子巻線12との電気絶縁性を確保するためのインシュレータ34が装着されている。インシュレータ34は、紙、樹脂、それらの複合材料により作製されるが、ここでは、ポリイミドフィルムをメタ系アラミド繊維で挟み込んでシート状に作製されている。
固定子巻線12は、スロット33に挿入された多数の単位コイル35を結線して構成される。単位コイル35は、エナメル樹脂などの絶縁被膜が被覆された銅、アルミなどの断面矩形の導体により直線状に構成されている。各スロット33には、4本の単位コイル35が径方向に1列に配列されて収納されている。
固定子鉄心11の軸方向一端側においては、スロット33内の第1層および第3層に収納されている単位コイル35のスロット33からの突出部分は、図4中、左方向に傾斜するように曲げられている。スロット33内の第2層および第4層に収納されている単位コイル35のスロット33からの突出部分は、図4中、右方向に傾斜するように曲げられている。
ここで、一のスロット33の第1層に収納されている単位コイル35の一端部と、一のスロット33から図4中左方向に6スロット離れたスロット33の第2層に収納されている単位コイル35の一端部と、が、径方向に重なっている。一のスロット33の第3層に収納されている単位コイル35の一端部と、一のスロット33から図4中左方向に6スロット離れたスロット33の第4層に収納されている単位コイル35の一端部とが、径方向に重なっている。
6スロット離れたスロット33の対の第1層と第2層とに収納されている単位コイル35の一端部同士が溶接されて接続されている。6スロット離れたスロット33の対の第3層と第4層とに収納されている単位コイル35の一端部同士が溶接されて接続されている。なお、6スロット離れたスロット33の対とは、周方向に連続する6つのティース32の両側に位置するスロット33の対である。また、溶接部36は、単位コイル35の先端部同士の溶接による接合部である。
固定子鉄心11の軸方向他端側においては、スロット33内の第1層および第3層に収納されている単位コイル35のスロット33からの突出部分は、図4中、右方向に傾斜するように曲げられている。スロット33内の第2層および第4層に収納されている単位コイル35のスロット33からの突出部分は、図4中、左方向に傾斜するように曲げられている。
ここで、一のスロット33の第1層に収納されている単位コイル35の他端部と、一のスロット33から図4中右方向に6スロット離れたスロット33の第2層に収納されている単位コイル35の他端部とが、径方向に重なっている。一のスロット33の第3層に収納されている単位コイル35の他端部と、一のスロット33から図4中右方向に6スロット離れたスロット33の第4層に収納されている単位コイル35の他端部とが、径方向に重なっている。
6スロット離れたスロット33の対の第1層と第2層とに収納されている単位コイル35の他端部同士が溶接されて接続されている。6スロット離れたスロット33の対の第3層と第4層とに収納されている単位コイル35の他端部同士が溶接されて接続されている。
これにより、それぞれ、6スロット間隔で配列されているスロット33の群の第1層と第2層とに収納されている単位コイル35を直列に接続した2本の1ターンのコイルが構成されている。さらに、それぞれ、6スロット間隔で配列されているスロット33の群の第3層と第4層とに収納されている単位コイル35を直列に接続した2本の1ターンのコイルが構成されている。なお、6スロット間隔とは、周方向に連続する6つのティース32の両側に位置するスロット33間の間隔である。
ここで、単位コイル35の端末の形状と接続構造を図5および図6を参照しつつ説明する。図5は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子における単位コイルの端部の形状を示す斜視図、図6は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子における単位コイルの端部同士の接続状態を示す斜視図である。
単位コイル35は、矩形断面の導体部351と、導体部351に被覆された絶縁被膜352と、を備える。図5に示されるように、単位コイル35の両先端部の絶縁被膜352が切除されている。絶縁被膜352が切除されている領域を被膜剥離部353とする。被膜剥離部353は、4つの平面の被膜剥離面353aからなる断面矩形に形成されている。絶縁被膜352が被覆されている領域を被膜部354とする。被膜剥離部353と被膜部354との境界部分を剥離境界部355とする。剥離境界部355は、4つの傾斜平面の剥離境界面355aにより構成される。図6に示されるように、2本の単位コイル35を径方向に並べた状態で先端部を溶接して溶接部36を形成することで、単位コイル35同士が接続される。
つぎに、比較例の単位コイルの絶縁被膜切除方法を説明する。図7は、単位コイルの材料である導体線を示す断面図、図8は、導体線をY方向から見た平面図、図9は、導体線をX方向から見た平面図である。図10は、比較例の第1絶縁被膜切除装置を示す斜視図、図11は、比較例の単位コイルの製造方法における第1切除工程を説明する図、図12は、比較例の単位コイルの製造方法における第1切除工程後の導体線を示す斜視図である。図13は、比較例の第2絶縁被膜切除装置を示す斜視図、図14は、比較例の単位コイルの製造方法における第2切除工程を説明する図、図15は、比較例の単位コイルの製造方法における第2切除工程後の導体線を示す斜視図である。図16は、比較例の単位コイルの製造方法における切断工程後の導体線を示す斜視図である。なお、図12では、導体線が第1下型の上面に配置された状態を示し、図15では、導体線が第2下型の上面に配置された状態を示している。
導体線350は、図7から図9に示されるように、絶縁被膜352が銅、アルミなどの導体部351に被覆された、接続部のない連続導体線である。導体線350は、4つの平面の側面が曲面、すなわちR面Cにより繋がれた断面矩形の連続導体線である。導体線350のX方向の両側に位置する側面Aが対向する一対の側面であり、Y方向の両側に位置する側面Bが対向する他の一対の側面である。単位コイルの製造方法では、図示されていないが、第1切除部、第2切除部および切断部が、単位コイル35の長さの間隔で、1列に並んで設置されている。
<第1切除工程>
第1切除工程では、まず、導体線350が第1切除部に搬送される。第1切除部では、図10に示される比較例の第1絶縁被膜切除装置が用いられる。比較例の第1絶縁被膜切除装置は、第1上型41、第1下型42、第1押さえ板43で構成される。第1下型42および第1押さえ板43には、第1上型41を通す第1上型挿入穴42a,43aが設定された距離だけ離れて形成されている。第1下型42の上面および第1押さえ板43の下面は、平面に形成されている。導体線350は、図11に示されるように、導体線350のY方向の両側面Bが上下面となるように第1下型42の上面に配置される。ついで、第1押さえ板43が、上方から導体線350の上面を押さえるように配置される。第1押さえ板43は、第1上型挿入穴43aが第1下型42の第1上型挿入穴42aと相対するように配置される。
ついで、第1上型41が、上方から第1押さえ板43の第1上型挿入穴43aおよび第1下型42の第1上型挿入穴42aに通される。これにより、導体線350が第1下型42と第1押さえ板43とにより押さえられた状態で、導体線350のX方向の両側面Aの絶縁被膜352が導体部351の一部とともに切除される。このとき、切除時に導体線350にかかる荷重は、Y方向の両側面Bの第1下型42側の側面Bを介して第1下型42により受けられる。
ここで、導体線350のX方向の両側面Aの切除面は、第1上型41の切除刃の形状に適合する面形状に形成される。これにより、図12に示されように、導体線350のX方向の両側面Aにおける切除面は、それぞれ、被膜剥離面353aと、導体線350の長さ方向における被膜剥離面353aの両側に位置する一対の剥離境界面355aと、を有する形状に形成される。被膜剥離面353aは、導体線350の長さ方向と平行な平面に形成される。剥離境界面355aは、導体線350の長さ方向に対して傾斜する平面に形成される。
<第2切除工程>
第2切除工程では、まず、導体線350が第2切除部に搬送される。第2切除部では、図13に示される比較例の第2絶縁被膜切除装置が用いられる。比較例の第2絶縁被膜切除装置は、第2上型51、第2下型52、第2押さえ板53で構成される。第2下型52および第2押さえ板53には、第2上型51を通す第2上型挿入穴52a,53aが設定された距離だけ離れて形成されている。さらに、第2下型52の上面の第2上型挿入穴52a間には、凸部52bが形成されている。第2下型52の上面は、凸部52bを除いて平面に形成されている。第2押さえ板53の下面は、平面に形成されている。凸部52bは、第1切除工程で導体線350の側面Aに形成された被膜剥離面353aと一対の剥離境界面355aとに沿った形状、すなわち第1切除工程で切除された導体線350の側面Aの切除面に沿った面形状に形成されている。導体線350は、図14に示されるように、X方向の両側面Aが上下面になるように第2下型52の上面に配置される。このとき、導体線350は、被膜剥離面353aと一対の剥離境界面355aとで構成される凹部内に凸部52bが入るように配置される。そして、被膜剥離面353aおよび一対の剥離境界面355aからなる切削面が、凸部52bに接している。ついで、第2押さえ板53が、上方から導体線350の上面を押さえるように配置される。第2押さえ板53は、第2上型挿入穴53aが第2下型52の第2上型挿入穴52aと相対するように配置される。
なお、第2押さえ板53の下面を平面としているが、第1切除工程で切除された導体線350の側面Aに沿った面形状の凸部を第2押さえ板53の下面に形成してもよい。この場合、第2押さえ板53が配置された際に、第2下型52の凸部523bと第2押さえ板の凸部とが導体線350の両側面Aに凹部内に挿入され、切除面に接する。これにより、導体線350は、第2下型53と第2押さえ板53との間に上下方向の移動を制限された状態に保持される。
ついで、第2上型51が、上方から第2押さえ板53の第2上型挿入穴53aおよび第2下型52の第2上型挿入穴52aに通される。これにより、導体線350が第2下型52と第2押さえ板53とにより押さえられた状態で、導体線350のY方向の両側面Bの絶縁被膜352が導体部351の一部とともに切除される。なお、切除時に被膜剥離面353aおよび剥離境界面355aにかかる荷重は、第2下型52の凸部52bにより受けられる。これにより、被膜剥離面353aおよび剥離境界面355aが切除時の荷重により第2下型52の方向に変形することが抑制される。
ここで、導体線350のY向の両側面Bの切除面は、第2上型51の切除刃の形状に適合する面形状に形成される。これにより、図15に示されるように、導体線350のY方向の両側面Bの切除面は、それぞれ、被膜剥離面353aと、導体線350の長さ方向における被膜剥離面353aの両側に位置する一対の剥離境界面355aと、を有する形状に形成される。被膜剥離面353aは、導体線350の長さ方向と平行な平面に形成される。これにより、被膜剥離面353aを4面とする被膜剥離部353が構成される。導体線350の長さ方向に対して傾斜する平面に形成された剥離境界面355aを4面とする剥離境界部355が構成される。そして、被膜剥離部353と一対の剥離境界部355とにより絶縁被膜切除領域が構成される。
<切断工程>
切断工程では、導体線350が切断部に搬送される。切断部では、図16に示されるように、導体線350の被膜剥離部353が導体線350の長さ方向の中央部で切断される。導体線350は、その長さ方向に単位コイル35の長さを搬送ピッチとして搬送され、第1切除工程、第2切除工程および切断工程が実施される。これにより、被膜剥離部353と剥離境界部355とが両端部に形成された単位コイル35が製造される。
つぎに、比較例の単位コイルの製造方法の問題点について説明する。図17は、比較例の単位コイルの製造方法における第1切除工程後の導体線と下型とをX方向から見た側面図、図18は、図17のA−A矢視断面図、図19は、比較例の単位コイルの製造方法における第1切除工程後の導体線を示す斜視図である。図20は、比較例の単位コイルの製造方法における第2切除工程後の導体線と下型とをY方向から見た側面図、図21は、図20のB−B矢視断面図、図22は、比較例の単位コイルの製造方法における第2切除工程後の導体線を示す斜視図である。
比較例の第1絶縁被膜切除装置の第1下型42の上面は、図17および図18に示されるように、平面である。導体線350の断面矩形の角部は、R面Cとなっている。そこで、図18に示されるように、第1下型42と導体線350の下側のR面Cとが向かい合う部分には、隙間42cが形成される。そのため、第1上型41による切除時に、切除中の絶縁被膜352および導体部351が隙間42cに入り込む。そして、図19に示されるように、隙間42cに入り込んだ絶縁被膜352および導体部351が切除しきれずに、バリ356となって導体線350に残ってしまう。
比較例の第2絶縁被膜切除装置の第2下型52の剥離境界面355aと相対する上面部分は、図20に示されるように、平面である。そこで、図21に示されるように、第2下型52と剥離境界面355aの下側のR面Cとが向かい合う部分では、隙間52cが形成される。そのため、第1切除工程と同様に第2上型51による切除時に、切除中の絶縁被膜352および導体部351が隙間52cに入りこむ。そして、図22に示されるように、隙間52cに入り込んだ絶縁被膜352および導体部351が切除しきれずに、バリ356となって導体線350に残ってしまう。
つぎに、実施の形態1による固定子の製造方法における単位コイルの製造方法を説明する。図23は、この発明の実施の形態1に係る単位コイルの製造方法に用いられる第1絶縁被膜切除装置の下型を示す斜視図、図24は、この発明の実施の形態1に係る単位コイルの製造方法における第1切除工程後の導体線を示す斜視図、図25は、この発明の実施の形態1に係る単位コイルの製造方法に用いられる第2絶縁被膜切除装置の下型を示す斜視図、図26は、この発明の実施の形態1に係る単位コイルの製造方法における第2切除工程後の導体線を示す斜視図である。なお、図24および図26では、導体線が第1下型および第2下型の上面に配置された状態を示している。
ここで、実施の形態1における単位コイルの製造方法は、比較例の製造方法と同様に、第1切除工程、第2切除工程および切断工程を有する。実施の形態1による第1絶縁被膜切除装置は、第1上型41、第1下型42A、第1押さえ板43で構成される。実施の形態1による第2絶縁被膜切除装置は、第2上型51、第2下型52A、第2押さえ板53で構成される。このように、実施の形態1による第1絶縁被膜切除装置および第2絶縁被膜切除装置は、第1下型42Aおよび第2下型52Aが異なる点を除いて、比較例の第1絶縁被膜切除装置および第2絶縁被膜切除装置と同様に構成されている。また、実施の形態1による絶縁被膜切除方法は、第1下型42Aおよび第2下型52Aを用いている点を除いて、比較例の絶縁被膜切除方法と同様である。
第1下型42Aの上面には、図23に示されるように、第1下型42Aに面する側面Bと一対の側面Aとの間、かつ導体線350の長さ方向における剥離境界面355aとの境界部に位置するR面Cに沿った面形状有する第1受け部42dが形成されている。これにより、図24に示されるように、第1切除工程において、導体線350の第1下型42A側のR面Cが第1受け部42dに接した状態で、導体線350が第1下型42Aの上面に配置される。これにより、導体線350の一対の側面Bの一方の側面Bが第1下型42Aの上面に受けられる。さらに、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する一方の側面Bと一対の側面Aとの間のR面Cが第1受け部42dに受けられる。また、切除時に導体線350に係る荷重は、第1下型42Aの上面および第1受け部42dにより受けられる。
そこで、比較例の第1下型42を用いた場合に形成されていた隙間42cがなくなる。これにより、第1上型41による切除時に、切除中の絶縁被膜352および導体部351が、第1下型42Aと導体線350のR面Cとの間に入り込むのを抑制することができる。その結果、バリ356の発生が抑制される。ここで、第1受け部42dの凹面は、導体線350のR面Cに沿う面形状に形成され、隙間42cをなくすことが理想である。しかし、第1受け部42dの凹面は、必ずしも隙間42cをなくす面形状である必要はなく、隙間42cを減少させることができる面形状であればよい。これにより、隙間42cが少なくなるので、切除中の絶縁被膜352および導体部351が隙間42cに入り込む量が少なくなり、バリ356の発生を抑制できる。
第2下型52Aの上面には、図25に示されるように、第2下型52Aに面する側面Aと一対の側面Bとの間、かつ導体線350の長さ方向における剥離境界面355aとの境界部に位置するR面Cに沿った面形状を有する第2受け部52dが形成されている。これにより、図26に示されるように、第2切除工程において、導体線350の第2下型52A側のR面Cが第2受け部52dに接した状態で、導体線350が第2下型52Aの上面に配置される。これにより、導体線350の一対の側面Aの一方の側面Aが第2下型52の凸部52bに受けられる。さらに、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する一方の側面Aと一対の側面Bとの間のR面Cが第2受け部52dに受けられる。また、切除時に導体線350に係る荷重は、第2下型52Aの凸部52bおよび第2受け部52dにより受けられる。
そこで、比較例の第2下型52を用いた場合に形成されていた隙間52cがなくなる。これにより、第2上型51による切除時に、切除中の絶縁被膜352および導体部351が、第2下型52Aと導体線350のR面Cとの間に入り込むのを抑制することができる。その結果、バリ356の発生が抑制される。ここで、第2受け部52dの凹面は、導体線350のR面Cに沿う面形状に形成され、隙間52cをなくすことが理想である。しかし、第2受け部52dの凹面は、必ずしも隙間52cをなくす面形状である必要はなく、隙間52cを減少させることができる面形状であればよい。これにより、隙間52cが少なくなるので、切除中の絶縁被膜352および導体部351が隙間52cに入り込む量が少なくなり、バリ356の発生を抑制できる。
つぎに、実施の形態1による固定子の製造方法について説明する。図27は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における単位コイルの装着工程を説明する要部側面図、図28は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における単位コイルの第1曲げ工程を説明する要部側面図、図29は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における単位コイルの第2曲げ工程を説明する要部側面図、図30は、この発明の実施の形態1に係る回転電機の固定子の製造方法における単位コイルの溶接工程を説明する要部側面図である。なお、図27から図30の要部側面図は、固定子の要部を径方向外方から見た側面図である。
<単位コイルの装着工程>
まず、インシュレータ34が、固定子鉄心11の各スロット33に装着される。ついで、図27に示されるように、このように製造された単位コイル35が、軸方向一端側から、各スロット33に1本ずつ4本装着される。このとき、各単位コイル35の両端は、スロット33から突出している。
<単位コイルの第1曲げ工程>
ついで、図28に示されるように、各スロット33から軸方向一端側に突出する単位コイル35の部分を周方向に曲げる。このとき、スロット33の第1層と第3層とから軸方向一端側に突出する単位コイル35の突出部分は、図28中左方向に曲げられる。また、スロット33の第2層と第4層とから軸方向一端側に突出する単位コイル35の突出部分は、図28中右方向に曲げられる。さらに、各単位コイル35の軸方向一端側の被膜剥離部353を含む領域が軸方向外方に延びるように曲げられる。
これにより、一のスロット33の第1層に収納されている単位コイル35の軸方向一端側の被膜剥離部353を含む領域と、一のスロット33から図28中左方向に6スロット離れたスロット33の第2層に収納されている単位コイル35の軸方向一端側の被膜剥離部353を含む領域と、が、径方向に重なっている。また、一のスロット33の第3層に収納されている単位コイル35の軸方向一端側の被膜剥離部353を含む領域と、一のスロット33から図28中左方向に6スロット離れたスロット33の第4層に収納されている単位コイル35の軸方向一端側の被膜剥離部353を含む領域と、が、径方向に重なっている。
<単位コイルの第2曲げ工程>
ついで、図29に示されるように、各スロット33から軸方向他端側に突出する単位コイル35の部分を周方向に曲げる。このとき、スロット33の第1層と第3層とから軸方向他端側に突出する単位コイル35の突出部分は、図29中右方向に曲げられる。また、スロット33の第2層と第4層とから軸方向他端側に突出する単位コイル35の突出部分は、図29中左方向に曲げられる。さらに、各単位コイル35の軸方向他端側の被膜剥離部353を含む領域が軸方向外方に延びるように曲げられる。
これにより、一のスロット33の第1層に収納されている単位コイル35の軸方向他端側の被膜剥離部353を含む領域と、一のスロット33から図29中右方向に6スロット離れたスロット33の第2層に収納されている単位コイル35の軸方向他端側の被膜剥離部353を含む領域と、が、径方向に重なっている。また、一のスロット33の第3層に収納されている単位コイル35の軸方向他端側の被膜剥離部353を含む領域と、一のスロット33から図29中右方向に6スロット離れたスロット33の第4層に収納されている単位コイル35の軸方向他端側の被膜剥離部353を含む領域と、が、径方向に重なっている。
<溶接工程>
ついで、図30に示されるように、固定子鉄心11の軸方向両端側で、径方向に重なっている被膜剥離部353同士が溶接される。これにより、接続対象の単位コイル35同士が溶接部36により接続され、固定子10が製造される。
実施の形態1による固定子の製造方法では、単位コイル35の剥離境界部355との境界部におけるバリ356の発生が抑制されている。そこで、単位コイル35の装着工程において、単位コイル35をインシュレータ34が装着されたスロット33に挿入する際に、インシュレータ34に引っ掛かるバリ356がない。そこで、バリ356がインシュレータ34に引っかかることによる単位コイル35の挿入不良、インシュレータ34の破れおよびずれなどの発生を抑制することができ、製品品質が向上する。また、単位コイル35の第1曲げ工程および第2曲げ工程などの工程において、単位コイル35同士がすれ違うときに、バリ356によって他の単位コイル35を傷つけること、バリ356の落下による絶縁不良などの発生を抑制することができる。
なお、上記実施の形態1では、単位コイルを固定子鉄心のスロットに1本ずつ4本装着しているが、径方向に1列に4本配列された単位コイルの群を周方向に1スロットピッチでスロットと同数配列して円環状の単位コイル組立体を組み立て、その単位コイル組立体を固定子鉄心のスロットに装着してもよい。
また、実施の形態1で用いる第1絶縁被膜切除装置の第1下型42Aでは、その上面を部分的に突出させて凸形状の第1受け部42dを形成しているが、第1受け部42dは、図31に示されるように、第1下型42Aの上面を窪ませて凹形状に形成してもよい。第2絶縁被膜切除装置の第2下型52Aでは、その上面を部分的に突出させて凸形状の第2受け部52dを形成しているが、第2受け部52dは、同様に、第2下型52Aの上面を窪ませて凹形状に形成してもよい。
実施の形態2.
図32は、この発明の実施の形態2に係る単位コイルの製造方法における第1切除工程後の導体線を示す斜視図、図33は、この発明の実施の形態2に係る単位コイルの製造方法における第2切除工程後の導体線を示す斜視図である。なお、図32および図33では、導体線が第1下型および第2下型の上面に配置された状態を示している。
ここで、実施の形態2における単位コイルの製造方法は、実施の形態1の単位コイルの製造方法と同様に、第1切除工程、第2切除工程および切断工程を有する。実施の形態2による第1絶縁被膜切除装置は、第1下型42Bが異なる点を除いて、実施の形態1による第1絶縁被膜切除装置と同様に構成されている。実施の形態1による第2絶縁被膜切除装置は、第2下型52Bが異なる点を除いて、実施の形態1の第2絶縁被膜切除装置と同様に構成されている。
第1下型42Bの第1受け部42eは、図32に示されるように、受け部42e1と第1壁部42e2とを有する。受け部42e1は、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する、第1下型42B側に位置する側面Bと一対の側面Aとの間のR面Cに沿った凹面形状に形成されている。第1壁部42e2は、導体線350の側面Aに沿った平面形状に形成されている。これにより、第1下型42Bに配置された導体線350は、一対の側面Bの一方の側面Bが第1下型42Bの上面に受けられる。また、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する一方の側面Bと一対の側面Aとの間のR面Cが受け部42e1に受けられる。さらに、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する一対の側面Aが第1壁部42e2に受けられる。また、切除時に導体線350に係る荷重は、第1下型42Bの上面および受け部42e1により受けられる。
第2下型52Bの第2受け部52eは、図33に示されるように、受け部52e1と第2壁部52e2とを有する。受け部52e1は、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する、第2下型52B側に位置する側面Aと一対の側面Bとの間のR面Cに沿った凹面形状に形成されている。第2壁部52e2は、導体線350の側面Bに沿った平面形状に形成されている。これにより、第2下型52Bに配置された導体線350は、一対の側面Aの一方の側面Aが第2下型52Bの凸部52bに受けられる。さらに、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する一方の側面Aと一対の側面Bとの間のR面Cが受け部52e1に受けられる。さらに、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する一対の側面Bが第2壁部52e2に受けられる。また、切除時に導体線350に係る荷重は、第2下型52Aの凸部52bおよび受け部52e1により受けられる。
上記実施の形態1では、第1下型42Aの上面には、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する、第1下型42A側の側面Bと一対の側面Aとの間のR面Cに沿った面形状を有する第1受け部42dが形成されている。すなわち、第1下型42Aの第1受け部42dには、導体線350の側面Aに沿った部分がない。そこで、図34に示されるように、第1上型41による切除時に、切除中の絶縁被膜352および導体部351が、剥離境界面355aから側面Aに逃げて、バリ357が発生するおそれがあった。
また、第2下型52Aの上面には、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する、第2下型52A側の側面Aと一対の側面Bとの間のR面Cに沿った面形状を有する第2受け部52dが形成されている。すなわち、第2下型52Aの第1受け部42dには、導体線350の側面Bに沿った部分がない。そこで、図34に示されるように、第2上型51による切除時に、切除中の絶縁被膜352および導体部351が、剥離境界面355aから側面Bに逃げて、バリ357が発生するおそれがあった。
実施の形態2における第1下型42Bの第1受け部42eは、図32に示されるように、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する、第1下型42B側の側面Bと一対の側面Aとの間のR面Cに沿った面形状を有する受け部42e1と、導体線350の側面Aに沿った平面を有する第1壁部42e2と、を有する。
そこで、第1下型42Bに設置された導体線350は、第1下型42B側の側面Bが第1下型42Bの上面に受けられる。さらに、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する、第1下型42B側の側面Bと一対の側面Aとの間のR面C、及び一対の側面Aが、第1下型42Bの第1受け部42eの受け部42e1および第1壁部42e2に受けられる。これにより、第1上型41による切除時に、切除中の絶縁被膜352および導体部351が、第1下型42Bと導体線350のR面Cとの間に入り込むのを抑制することができる。さらに、第1受け部42eの第1壁部42e2が導体線350の側面Aに接している。そこで、第1上型41による切除時に、切除中の絶縁被膜352および導体部351が剥離境界面355aから側面Aに逃げるのが、第1壁部42e2により阻止される。これにより、バリ356,357の発生が抑制される。
また、第2下型52Bの第2受け部52eは、図33に示されるように、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する、第2下型52B側の側面Aと一対の側面Bとの間のR面Cに沿った面形状を有する受け部52e1と、導体線350の側面Bに沿った平面を有する第2壁部52e2と、を有する。
そこで、第2下型52Bに設置された導体線350は、第2下型52B側の側面Aの切除面が第2下型52Bの凸部52bに受けられる。さらに、導体線350の長さ方向における絶縁被膜切除領域との境界部に位置する、第2下型52B側の側面Aと一対の側面Bとの間のR面C、および一対の側面Bが、第2下型52Bの第2受け部52eの受け部52e1および第2壁部52e2に受けられる。これにより、第2上型51による切除時に、切除中の絶縁被膜352および導体部351が、第2下型52Bと導体線350のR面Cとの間に入り込むのを抑制することができる。さらに、第2受け部52eの第2壁部52e2が導体線350の側面Bに接している。そこで、第2上型51による切除時に、切除中の絶縁被膜352および導体部351が剥離境界面355aから側面Bに逃げるのが、第2壁部52e2により阻止される。これにより、バリ356,357の発生が抑制され、単位コイル35の品質が向上される。
なお、実施の形態2において、第1下型42Bの第1受け部42eの受け部42e1は、導体線350のR面Cと側面Aとに沿う面形状に形成され、隙間をなくすことが理想である。しかし、受け部42e1の面形状は、必ずしも導体線350と受け部42e1との間の隙間をなくす面形状である必要はなく、当該隙間を減少させることができる面形状であればよい。これにより、導体線350と受け部42e1との間の隙間が少なくなるので、切除中の絶縁被膜352および導体部351が当該隙間に入り込む量が少なくなり、バリの発生を抑制できる。
また、第1下型42Bの第1受け部42eの第1壁部42e2は、導体線350の側面Aに沿う面形状に形成され、隙間をなくすことが理想である。しかし、第1壁部42e2の面形状は、必ずしも導体線350と第1壁部42e2との間の隙間をなくす面形状である必要はなく、当該隙間を減少させることができる面形状であればよい。これにより、導体線350と第1壁部42e2との間の隙間が少なくなるので、切除中の絶縁被膜352および導体部351が当該隙間に入り込む量が少なくなり、バリの発生を抑制できる。
また、第2下型52Bの第2受け部52eの受け部52e1は、導体線350のR面Cと側面Bとに沿う面形状に形成され、隙間をなくすことが理想である。しかし、受け部52e1の面形状は、必ずしも導体線350と受け部52e1との間の隙間をなくす面形状である必要はなく、当該隙間を減少させることができる面形状であればよい。これにより、導体線350と受け部52e1との間の隙間が少なくなるので、切除中の絶縁被膜352および導体部351が当該隙間に入り込む量が少なくなり、バリの発生を抑制できる。
また、第2下型52Bの第2受け部52eの第2壁部52e2は、導体線350の側面Bに沿う面形状に形成され、隙間をなくすことが理想である。しかし、第2壁部52e2の面形状は、必ずしも導体線350と第2壁部52e2との間の隙間をなくす面形状である必要はなく、当該隙間を減少させることができる面形状であればよい。これにより、導体線350と第2壁部52e2との間の隙間が少なくなるので、切除中の絶縁被膜352および導体部351が当該隙間に入り込む量が少なくなり、バリの発生を抑制できる。
また、実施の形態2で用いる第1絶縁被膜切除装置の第1下型42Bでは、その上面を部分的に突出させて凸形状の第1受け部42dを形成しているが、第1受け部42dは、図35に示されるように、第1下型42Bの上面を窪ませて凹形状に形成してもよい。第2絶縁被膜切除装置の第2下型52Bでは、その上面を部分的に突出させて凸形状の第2受け部52dを形成しているが、第2受け部52dは、同様に、第2下型52Bの上面を窪ませて凹形状に形成してもよい。
なお、上記各実施の形態では、単位コイルがスロット内に1列に4本ずつ配列されているが、スロット内に1列に配列される単位コイルの本数は、4本に限定されず、偶数本であればよい。
また、上記各実施の形態では、直線状の単位コイルを用いているが、単位コイルは直線状の単位コイルに限定されず、例えば、U字状の単位コイル、螺旋状に巻かれた単位コイルを用いることができる。
また、上記各実施の形態では、単位コイル同士の先端部同士を溶接により接合しているが、接合手段は、ガス溶接、レーザ溶接などの融接、拡散接合などの圧接、ロウ付けなどのろう接を用いることができる。
また、上記各実施の形態では、スロット数が毎極毎相当たり2の割合で形成されているが、毎極毎相当たりのスロット数は2に限定されず、例えば1でもよい。スロット数が毎極毎相当たり1の場合、3スロット離れた単位コイル同士が接続される。
また、上記各実施の形態1では、固定子巻線が3相巻線に構成されているが、固定子巻線の相数は3相に限定されず、5相、7相でもよい。
42A,42B 第1下型、42d 第1受け部、42e 第1壁部、52A,52B 第2下型、52b 凸部、52d 第2受け部、52e 第2壁部、350 導体線、351 導体部、352 絶縁被膜、353 被膜剥離部(絶縁被膜切除領域)、354 被膜部、355 剥離境界部(絶縁被膜切除領域)、A,B 側面、C R面。

Claims (8)

  1. 導体部および上記導体部に被覆された絶縁被膜を有し、かつ平面からなる4つの側面がR面で繋がっている断面矩形の連続する導体線の、絶縁被膜切除領域に位置する相対する一対の側面の上記絶縁被膜を、上記導体部の一部とともに切除する上型と、
    上記導体線が配置され、切除時に上記導体線にかかる荷重を上記導体線の相対する他の一対の側面の一方の側面を介して支える下型と、を備え、
    上記下型は、上記導体線の長さ方向における上記絶縁被膜切除領域の両側の絶縁被膜非切除領域のなかの上記絶縁被膜切除領域との境界部に位置する上記一対の側面と上記一方の側面との間の上記R面を受ける受け部を有する導体線の絶縁被膜切除装置。
  2. 上記受け部は、上記絶縁被膜非切除領域のなかの上記絶縁被膜切除領域との上記境界部に位置する上記一対の側面と上記一方の側面との間の上記R面に沿った面形状に形成されている請求項1記載の導体線の絶縁被膜切除装置。
  3. 上記受け部は、上記絶縁被膜非切除領域のなかの上記絶縁被膜切除領域との上記境界部に位置する上記一対の側面に相対する壁部をさらに有する請求項1又は請求項2記載の導体線の絶縁被膜切除装置。
  4. 上記受け部は、凸形状である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の導体線の絶縁被膜切除装置。
  5. 上記受け部は、凹形状である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の導体線の絶縁被膜切除装置。
  6. 導体部および上記導体部に被覆された絶縁被膜を有し、かつ平面からなる4つの側面がR面で繋がっている断面矩形の連続する導体線の、絶縁被膜切除領域に位置する相対する一対の側面の上記絶縁被膜を、上記導体部の一部とともに切除する第1切除工程と、
    上記第1切除工程の後に、上記導体線の上記絶縁被膜切除領域に位置する、相対する他の一対の側面の上記絶縁被膜を上記導体部の一部とともに切除する第2切除工程と、を備え、
    上記第1切除工程では、上記導体線の上記他の一対の側面の一方の側面、および上記導体線の長さ方向における上記絶縁被膜切除領域の両側の絶縁被膜非切除領域のなかの上記絶縁被膜切除領域との境界部に位置する、上記他の一対の側面の一方の側面と上記一対の側面との間の上記R面が受けられた状態で、上記絶縁被膜切除領域の上記一対の側面の上記絶縁被膜を上記導体部の一部とともに切除し、
    上記第2切除工程では、上記一対の側面の一方の側面の切除面、および上記導体線の長さ方向における上記絶縁被膜切除領域の両側の上記絶縁被膜非切除領域のなかの上記絶縁被膜切除領域との境界部に位置する、上記一対の側面の一方の側面と上記他の一対の側面との間の上記R面が受けられた状態で、上記絶縁被膜切除領域の上記他の一対の側面の上記絶縁被膜を上記導体部の一部とともに切除する導体線の絶縁被膜切除方法。
  7. 上記第1切除工程において、上記絶縁被膜非切除領域のなかの上記絶縁被膜切除領域との境界部に位置する上記一対の側面がさらに受けられた状態で、上記絶縁被膜切除領域の上記一対の側面の上記絶縁被膜を上記導体部の一部とともに切除する請求項6記載の導体線の絶縁被膜切除方法。
  8. 上記第2切除工程において、上記絶縁被膜非切除領域のなかの上記絶縁被膜切除領域との境界部に位置する上記他の一対の側面がさらに受けられた状態で、上記絶縁被膜切除領域の上記他の一対の側面の上記絶縁被膜を上記導体部の一部とともに切除する請求項6又は請求項7記載の導体線の絶縁被膜切除方法。
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