JP6697762B2 - 光干渉測定装置及び光干渉測定方法 - Google Patents

光干渉測定装置及び光干渉測定方法 Download PDF

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本発明は、光干渉測定装置及び光干渉測定方法に関するものである。
信号光と参照光との間の光路長差に光の波長程度の位相変調を与えることで、対象物を
測定する位相変調式の光干渉測定装置が知られる(特許文献1)。
図7は、特許文献1のリンニック(Linnik)干渉計を用いた光干渉測定装置である。光源100からの光は、ビームスプリッタ101に入射し、光干渉計の各アーム102,105に至る。
第1アーム102には、レンズ103と対象物104とが配置され、第2アーム105には、レンズ106と参照面107とが配置される。光の波長程度の微細な移動量を与えるために、参照面107にはPZT素子108が配される。各アーム102,105に送られた光は、対象物104及び参照面107から反射し、カメラ109へ入射する。なお、特許文献1では、PZT素子108により干渉光の位相が連続的に正弦変調される。
特表2004−528586号公報
しかしながら、前記従来の構成では、PZT素子の耐久性が劣化するという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、位相変調にPZT素子を不要とし、堅牢性に優れた位相変調式の光干渉測定装置及び光干渉測定方法を提供することを目的とする。
本発明の1つの態様にかかる光干渉測定装置は、
中心波長を有する測定用光を放つ測定用光源と、
前記測定用光の前記中心波長よりも長波長である中心波長を有する加熱用光を放つ加熱用光源と、
前記測定用光と前記加熱用光とが入射する第1ビームスプリッタと、
前記第1ビームスプリッタを出射した前記測定用光と前記加熱用光とをそれぞれ分光して対象物と参照面とにそれぞれ入射させる第2ビームスプリッタと、
前記第2ビームスプリッタから前記対象物に至る光の光路中に配された第1レンズと、
前記第2ビームスプリッタから前記参照面に至る光の光路中に配された第2レンズと、
前記参照面で反射又は散乱した光と前記対象物で反射又は散乱した光とが干渉した干渉光が入射するカメラと、
前記カメラに入射した前記干渉光の干渉信号強度から演算により画像を構築する演算部と、
前記第2ビームスプリッタから前記対象物に至る前記光路中に配された前記加熱用光の前記中心波長以上の波長を遮蔽するローパスフィルターと、
前記対象物と前記第1レンズとの間に配された第1液体と、
前記参照面と前記第2レンズとの間に配され、かつ前記第2レンズに入射した前記加熱用光の前記中心波長の光を吸収する第2液体と、
前記加熱用光源から放つ前記加熱用光の放射エネルギを周波数で駆動制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記加熱用光を周波数制御することで前記第2液体の温度を変動させて、該第2液体の屈折率を変化させ、前記測定用光のうちの前記第2ビームスプリッタで前記参照面に向けて分離された参照光を位相変調させるとともに、
前記第2液体は、前記第1液体と同じ液体である
本発明の別の態様にかかる光干渉測定方法は、
前記態様に記載の前記光干渉測定装置に前記対象物を配置し、
次いで、前記光干渉測定装置を用いて前記対象物を測定する。
以上のように、本発明の前記態様によれば、前記測定用光の前記中心波長よりも長波長である中心波長を有する加熱用光を放つ加熱用光源を用いて参照光の位相変調を行うため、位相変調にPZT素子が不要となり、堅牢性に優れた位相変調式の光干渉測定装置及び光干渉測定方法を提供できる。
本発明の実施の形態1における光干渉測定装置の模式図 本発明の実施の形態1における、波長と水の吸収係数の関係図 本発明の実施の形態1における光干渉測定装置の第2のアームの拡大図 本発明の実施の形態1における、水の温度と屈折率の関係図 実施の形態1における光干渉測定装置の光干渉測定方法を示したフローチャート 実施の形態1における光干渉測定装置の光干渉測定によって得られた注目画素の干渉波形の模式図 特許文献1に記載された従来の光干渉測定装置の模式図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光干渉測定装置200の模式図である。
光干渉測定装置200は、リンニック型干渉計の一種であって、測定用光源201と、加熱用光源222と、第1ビームスプリッタ205と、第2ビームスプリッタ206と、第1レンズ210と、第2レンズ215と、カメラ219と、演算部221cと、ローパスフィルター209と、制御部221aとを有する。光干渉測定装置200は、さらに、記憶部221bを有していても良い。
測定用光源201は、中心波長λcの測定用光L1を発するユニットであり、ランプ202と、スリット203と、第1のコリメータレンズ204とを具備する。ランプ202は、例えばハロゲンランプ、キセノンアークランプ、水銀ランプ、又はLEDなどの低コヒレンス光を発する光源である。また、ランプ202の発する測定用光は、スリット203と第1のコリメータレンズ204とを通過することにより、例えば中心波長λc=400nm以上かつ1350nm未満で、コヒレンス長Lc=1〜2μmの測定用光L1となる。
測定用光源201から出た測定用光L1は、第1のビームスプリッタ205に入射して透過し、さらに第2のビームスプリッタ206に入射する。第1のビームスプリッタ205と第2のビームスプリッタ206とは、それぞれ、キューブ型であってもよいし、プレート型でもよい。
第2のビームスプリッタ206に入射した測定用光L1は、同一の振幅を持つ信号光L2と参照光L3との2つに分離される。信号光L2は干渉計の第1のアーム207に送られ、参照光L3は第2のアーム208に送られる。
第1のアーム207には、ローパスフィルター209と、第1レンズの一例として機能する第1の対物レンズ210と、対象物211(主に生体材料)と、対象物211を入れる容器(以下、単に「ディッシュ」と称する。)212とが配置されている。第1のアーム207は、制御部221aの制御の下に駆動可能なZ方向ステージ271で支持され、Z方向(光路方向)に移動可能として光路長さを調整可能としている。ディッシュ212内は、対象物211の例としての生体材料を培養する第1液体(以下、単に「培養液」と称する。)213で満たされている。また、第1の対物レンズ210の先端部は、培養液213中に液浸させている。対象物211と第1対物レンズ210の先端部との間には、培養液213が配される。
ローパスフィルター209は、理由は後述するが、加熱光L4の中心波長である波長1350nm以上の光をカット(遮蔽)する。
なお、培養液213は、生体材料(生体又は細胞)の培養に適したものであればよく、特に制限されないが、例えば、純水に添加物を加えたものであることが多い。
測定用光L1から分岐された信号光L2の焦点面は、第1の対物レンズ210により対象物211の内部に合わせられる。焦点面で反射又は散乱した信号光L2bは、第1の対物レンズ210を通じて第2のビームスプリッタ206に戻る。なお、反射とは、フレネル反射を含み、散乱とは、後方散乱を含む。
よって、第2のビームスプリッタ206からの信号光L2は、まず、ローパスフィルター209を通り、次いで、第1の対物レンズ210を通り、第1対物レンズ210の先端部から培養液213内に入り、対象物211に照射されたのち、対象物211で反射又は散乱されて、再び、培養液213と第1対物レンズ210とローパスフィルター209とを通り、第2のビームスプリッタ206に戻る。
一方、第2のアーム208には、透明硝材214と、第1レンズの一例として機能する第2の対物レンズ215と、参照面216と、参照面216を入れる容器(以下、単に「水槽」と称する。)217とが配置されている。第2のアーム208は、制御部221aの制御の下に駆動可能なZ方向ステージ272で支持され、Z方向(光路方向)に移動可能として光路長さを調整可能としている。水槽217内は、培養液213の屈折率と近い屈折率を有する第2液体(以下、単に「水溶液」と称する。)218で満たされている。また、第2の対物レンズ215の先端部は、水溶液218中に液浸させている。参照面216と第2対物レンズ215との間には、水溶液218が配される。
透明硝材214は、波長分散による影響を除くために、ローパスフィルター209の屈折率と分散と同じ屈折率と分散とに調整されたものが望ましいが、無くてもよい。
水溶液218は、純水に、濃度0.1%以上5%以下の防腐剤を加えたものが望ましい。参照面216の溶解等の懸念がなければ、培養液213と同じ液体を水槽217に入れるのが、波長分散の影響を除く上で最もよい。防腐剤として、フェノキシエタノール、パラベン、デヒドロ酢酸Na、エチレングリコール、又はジクロロイソシアヌル酸Naなどを用いることができる。また、四国化成工業株式会社製のアクアクリーンG若しくはアクアクリーンL、ユーアイ化成株式会社製のホワイト7−SW又は株式会社ゼニス・アドバン製のアピザスを防腐剤として利用できる。
参照光L3の焦点は、第2の対物レンズ215により、参照面216上に合わせられる。参照面216で反射又は散乱した参照光は、第2の対物レンズ215を経て第2のビームスプリッタ206に戻る。
よって、第2のビームスプリッタ206からの参照光L3は、まず、透明硝材214を通り、次いで、第2の対物レンズ215を通り、第2の対物レンズ215の先端部から水溶液218i入り、参照面216を照射したのち、参照面216で反射又は散乱されて、再び、水溶液218と第2の対物レンズ215透明硝材214を通り、第2のビームスプリッタ206に戻る。
第1のアーム207における信号光L2の光路長Lsと第2のアーム208における参照光L3の光路長Lrefとが、測定用光源201のコヒレンス長Lcの範囲内で一致するとき、第2のビームスプリッタ206に戻った信号光L2bと参照光L3bとは、光干渉を起こす。干渉した光(干渉光)L5は、第2のビームスプリッタ206でカメラ219に向けて反射され、カメラ219上に焦点を絞る結像レンズ220によりカメラ219上に結像される。
カメラ219は、例えばCCDタイプの2次元状の画素からなるセンサ面を有する。このセンサ面と対象物211と、並びにセンサ面と参照面216とは、それぞれ、光学的に共役関係になるよう配置されている。つまり、カメラ219は、その視野の中に、対象物211と参照面216とを重複して収める。なお、光学系収差による測定誤差を低減するために、対象物211と参照面216とを同一の倍率で撮像することが望ましく、波長分散による測定誤差を低減するために、同一硝材を用いて倍率を調整することが望ましい。カメラ219には、参照面216で反射又は散乱した光と、対象物211で反射又は散乱した光とが干渉して形成された干渉光L5が入射する。
コンピュータ221は、少なくとも、カメラ219で取得したデータを演算して対象物211の画像を構築する演算部221cと、カメラ219のシャッター及び加熱用光源222の放射パワーにそれぞれ指示を出してそれぞれ駆動制御する制御部221aとを具備している。さらに、コンピュータ221は、カメラ219で取得したデータを記憶する記憶部221bを具備していてもよい。なお、カメラ219のシャッターは、電子式でも、機械式でも良い。記憶部221bは、カメラ219で測定した前記干渉光L5の干渉信号強度を保存する。演算部221cは、記憶部221bで保存された前記干渉信号強度から画像を構築するように演算する。
制御部221aは、記憶部221bのデータを利用して演算部221cで演算を行うとともに、加熱用光源222からの加熱光L4の放射パワー(放射エネルギ)を周波数fで制御して、物理的距離Dにおける光路長ΔLrefを変動させる他、ランプ202及びカメラ219及びZステージ271及び272などの駆動制御を行う。
加熱用光源222は、中心波長λdの赤外加熱光(加熱用光)L4を発するユニットであり、赤外ランプ223と、第2のコリメータレンズ224とを具備する。赤外ランプ223は、例えばレーザー、SLD(Superluminescent diode)、又はLEDなどの高周波駆動が可能な光源である。
赤外ランプ223の発する加熱光L4の中心波長λdは、測定用光L1の中心波長λcよりも長波長となるように設定される。このように設定する理由は、加熱光L4をローパスフィルター209で遮蔽するためである。また、加熱光L4の中心波長λdは、後述する位相変調を行うために、第2液体218に吸収される波長とする。第2液体218が水を主成分とする場合、図2に示す、波長と水との吸収係数の関係図から、中心波長λdを1350nm以上とし、水の吸収スペクトルが高い赤外光を、加熱光L4の例として、赤外ランプ223から照射するのが望ましい。好ましい中心波長λdの範囲としては、1350nm以上かつ3000nm未満である。より具体的には、中心波長λd=1450nm又はλd=1940nmの赤外光源を加熱用光源222とするのがよい。
加熱光L4の一例としての赤外加熱光L4は、第1のビームスプリッタ205に入射して第2のビームスプリッタ206に向けて反射され、さらに第2のビームスプリッタ206に入射する。すなわち、第1のビームスプリッタ205には、測定用光L1と赤外加熱光L4との両方が入射し、その後、第1のビームスプリッタ205を出射した測定用光L1と赤外加熱光L4とは、第2のビームスプリッタ206に入射する。
第2のビームスプリッタ206に入射した赤外加熱光L4は2つに分離され、一部の赤外加熱光L4aは、信号光側として干渉計の第1のアーム207に送られ、残りの赤外加熱光L4bは、参照光側として第2のアーム208に送られる。信号光側の第1アーム207に送られた赤外加熱光L4aは、ローパスフィルター209によって通過を阻止される。このため、信号光側としての赤外加熱光L4aは、対象物211に照射されず、測定に影響を与えない。
本光干渉測定装置200は、赤外加熱光L4を用いて、測定用光L1のうちの第2のビームスプリッタ206で参照面216に向けて分離された参照光L3の位相変調を行う。このため、位相変調にPZT素子を用いる必要がない。生体材料211を培養する場合、光干渉測定装置200は、インキュベータ300内に配置される。この際、インキュベータ300内は、生体材料211を培養するために湿度が60%以上95%以下といった高湿度環境となっている。この高湿度環境下では、PZT素子の耐久性劣化が問題となっていたが、本光干渉測定装置200は、PZT素子ではなく、赤外加熱光L4bを用いて位相変調を行うことで、その問題を解決している。以下に、赤外加熱光L4bを用いた位相変調方法について詳述する。
図3は、本発明の実施の形態1における、第2のアーム208の拡大図である。
参照光L3側の第2アーム208に送られた赤外加熱光L4bは、参照光L3と同様に、透明硝材214を通り、第2対物レンズ215で集光され、参照面216に結像しようとする。このとき、第2対物レンズ215と参照面216の光路上の領域に存在する水溶液218aとに赤外加熱光L4bが吸収される。このため、その光路上の領域に存在する水溶液218aの温度が上昇する。なお、ここでは、第2対物レンズ215と参照面216との間で水槽217内に存在する水溶液218は、第2対物レンズ215と参照面216との赤外加熱光L4bの光路の領域(赤外加熱光L4が照射される領域)に存在する水溶液218aと、赤外加熱光L4bの照射されない領域における水溶液218bとに分けて考える。赤外加熱光L4bで照射された水溶液218aは、温度が上昇する。
図4は、本発明の実施の形態1における、水の温度と屈折率との関係図である。水溶液218aの温度が上昇すると、水溶液218aの屈折率nが低下する。物理的距離が同じでも、屈折率nが変化すると、光学的距離(光路長)は変化する。
水溶液218aの低下した屈折率をΔnとし、図3に示すように第2の対物レンズ215の先端部と参照面216の表面との間の物理的距離をDとすると、物理的距離D内で変化する光路長ΔLrefは、以下の(式1)で表される。
ΔLref=Δn×D・・・(式1)
さらに、屈折率nと温度の勾配係数をCnとし、温度変動量をΔCとすると、これらの関係は(式2)で表される。
Δn=Cn×ΔC・・・(式2)
したがって、図1の加熱用光源222からの加熱光L4の放射パワーを制御部221aで制御し、周波数fで加熱用光源222を駆動させることで、物理的距離Dにおける光路長ΔLrefを変動させることができる。この光路は、参照光L3も通過する。このため、加熱光L4の放射パワーを制御部221aで変動させることで、参照光L3の位相変調を実現できる。
ここで、測定用光源201からの測定用光L1の中心波長λcをλc=800nmとし、位相変調量ΔLrefをΔLref=λc/2=400nmとする。物理的距離Dを5mmとすると、(式1)より、
Δn=ΔLref/D=400/5000000=0.00008
となる。図4より、対象物211の培養温度に使用されることが多い35度近傍の屈折率と温度との勾配係数Cnは、
Cn=|(1.3325−1.3315)/(25−35)|=0.0001
と算出できる。
したがって、必要な温度変動量ΔCは、
ΔC=Δn/Cn=0.00008/0.0001=0.8℃
と計算される。放熱については、水溶液218の光路上の水溶液218a以外の領域の水溶液218bが水冷の役割をし、加熱された水溶液218aの放熱を助ける。すなわち、水溶液218aのみが局所的に温度変動する。水溶液218bの体積は、水溶液218aの体積に比べて著しく大きく、例えば100倍以上大きく、より好ましくは1000倍以上かつ100000倍以下の範囲で大きい。
また、別の条件でも説明する。図4の温度と屈折率との関係より、係数α=0.00013[1/℃]がわかる。物理的距離D(焦点距離)を4.5mmとし、透明硝材214を通過した光のスポット径を7.2mmとすると、光学的距離の変動量Δ=100[nm]に必要な温度変化β[℃]は
β=Δ/(α×D)=100[nm]/(0.00013[1/℃]×4500000[nm])≒0.17[℃]
となる。光路中の水溶液218aの体積Vは、焦点距離D及びスポット径より0.61[ml]である。必要熱量J=4.2×体積V×温度変化βであるため、0.042[J]となる。光の周波数fを100[Hz]とすると、必要な熱源(光源)パワーPは4.3[W]となる。なお、光の周波数fを60[Hz]とすると、必要なパワーは2.6[W]である。ここで、中心波長λcを1450nmとすると、水(水溶液218a)の吸収係数は12、吸光度は23.45、吸収率は100%であるため、光学的距離を100nm変動させるためには、周波数100[Hz]かつパワー4,3[W]とすればよい。なお、中心波長λcを940nmとすると、水(水溶液218a)の吸収係数は0.3、吸光度は0.59、吸収率は74%となるため、中心波長λcを1450nmかつ100[Hz]の1.4倍のパワーが必要となる。なお、光路上以外の水溶液218bが水冷の機能を発揮し、加熱された水溶液218aの温度は直ちに低下するため、後述の位相変調が可能となる。
ここで、簡単に位相変調方式の干渉計について説明する。
対象物211と参照面216との光路差を、前述のように加熱用光源222を制御部221aで連続的に変化せると、対象物211と参照面216との光路差がゼロとなる箇所で、コントラスト最大の干渉画像がカメラ219で撮像される。
ここで、光干渉測定装置200による測定方法について図1と図5と図6とを用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態1における、測定方法を示したフローチャートである。図6は、本発明の実施の形態1における、測定によって得られた注目画素の干渉波形の模式図である。
まず、ステップS1では、光干渉測定装置200に対象物211を配置したのち、制御部221aの制御の下に、光路長の調整を行う。具体的には、制御部221aの制御の下に、対象物211又は参照面216のZ方向ステージ271又は272を駆動して対象物211又は参照面216のZ方向(光路方向)の位置を調整することで、信号光L2と参照光L3との光路長を、測定用光源201からの光のコヒレンス長Lc内で一致させる。このZ方向ステージ271又は272は、ステッピングモータなど、光路長差がコヒレンス長Lcの範囲内になるよう調整できる機構であればよく、PZT素子である必要はない。
次に、ステップS2で、その光路長を調整した位置で、前述の加熱用光源222と制御部221aとを用いて加熱光L4で水溶液218aを加熱して光路長を変化させることによる位相変調を行い、制御部221aの制御の下に、対象物211の表面から反射又は散乱した参照光L3bと信号光L2bとの1度目の干渉光L5の信号(干渉信号)をカメラ219で取得し、記憶部221bに保存する。
なお、制御部221aの制御の下に、保存の際、同じ位置においてカメラ219で複数回の撮影を行い、その複数画像の積算によりS/N比を向上してもよいし、カメラ219のCCDの光電変換後のゲインを下げて長時間露光させることで、S/N比を向上してもよい。
次に、ステップS3で、制御部221aの制御の下に、第1のアーム207のZステージ271を対象物211の表面から厚み方向内部側(光路長が長くなる方向)にλc/2程度移動させる。
次いで、ステップS4で、その移動させた位置で、制御部221aの制御の下に、干渉信号をカメラ219で取得し、記憶部221bに保存する。
次いで、ステップS5で、このようなステップS3〜ステップS4までの干渉信号取得動作を、制御部221aの制御の下に、対象物211の表面から指定位置(対象物211の表面から対象物211の大略厚み寸法分だけ光路長が長くなった位置)に至るまで繰り返す。
ステップS5で、制御部221aの制御の下に、指定位置まで到達したと判断された後、ステップS6で、演算部221cで、第1のアーム207のZステージ271によるZ方向の移動で撮像されて干渉信号が取得され、さらに演算部221cでの演算により画像を取得する。そして、取得した複数枚の画像の各点の輝度を演算部221cで計算すると、図6に示すような干渉波形(実線部)が得られる。
次いで、ステップS7で、この干渉波形の包絡線(点線)を演算部221cで求める。
次いで、ステップS8で、この包絡線から干渉振幅を演算部221cで計算して取得する。カメラ219の全画素にわたって同様の計算を演算部221cですることで、演算部221cで対象物211のXY面画像を構築できる。
測定用光源201からの光が対象物211を透過する場合は、演算部221cで断層画像を構築できる。
以上が、位相変調した干渉信号に基づいて画像を構築する詳細である。
制御部221aは、水溶液218の屈折率変動のプロファイルが正弦波状となるように、加熱用光源222の放射パワー(放射エネルギ)を調整して位相変調することが画像処理の高速化にとっては望ましいが、周波数fで変動させておけば問題はない。なお、屈折率変動は温度変動と相関するため、水溶液218の屈折率変動のプロファイルが正弦波状となる場合、水溶液218の温度の変動も正弦波となる。すなわち、制御部221aは、水溶液218の温度の変動が正弦波状となるように、加熱用光源222の放射パワー(放射エネルギ)を調整して位相変調してもよい。
以上のように、前記実施の形態1によれば、測定用光L1の中心波長λcよりも長波長である中心波長λdを有する加熱光L4を放つ加熱用光源222を用いて、参照面216が液中に配置されかつ加熱用光源222から入射した加熱光L4の中心波長λdの光を吸収する水溶液218の温度を制御部221aによって周波数制御している。このように構成することで、参照光L3の位相変調を行うため、位相変調にPZT素子が不要となり、高湿度下でも堅牢性に優れた位相変調式の光干渉測定装置200及び光干渉測定方法を提供できる。
よって、上記の光干渉測定装置200に対象物211を配置し、当該光干渉測定装置200を用いて前記対象物211を測定する光干渉測定方法が実施できる。これにより、高精度な測定が実現可能である。また、前記対象物211は、生体、又は細胞であることが好ましい。加えて、インキュベータ300内で前記光干渉測定装置200を用いて前記対象物211の測定を行うのが望ましい。そのような構成によれば、生体又は細胞を培養しつつ、位相変調を高精度に行うことで、より信頼性の高い測定が可能となる。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明の前記態様にかかる光干渉測定装置及び光干渉測定方法は、高湿度環境化において、堅牢性に優れた位相変調方式を実現し、工業分野における測定又は化学分野における測定等において対象物の表層又は内層の測定用途にも適用できる。
200 光干渉測定装置
201 測定用光源
202 ランプ
203 スリット
204 第1のコリメータレンズ
205 第1のビームスプリッタ
206 第2のビームスプリッタ
207 第1のアーム
208 第2のアーム
209 ローパスフィルター
210 第1の対物レンズ
211 対象物
212 ディッシュ
213 培養液
214 透明硝材
215 第2の対物レンズ
216 参照面
217 水槽
218 水溶液
219 カメラ
220 結像レンズ
221 コンピュータ
221a 制御部
221b 記憶部
221c 演算部
222 加熱用光源
223 赤外ランプ
224 第2のコリメータレンズ
271 第1のアームのZステージ
272 第2のアームのZステージ
300 インキュベータ
L1 測定用光
L2 信号光
L2b 参照面から反射又は散乱した信号光
L3 参照光
L3b 対象物の表面から反射又は散乱した参照光
L4 加熱光
L4a 信号光側に分離された加熱光
L4b 参照光側に分離された加熱光
L5 干渉光

Claims (9)

  1. 中心波長を有する測定用光を放つ測定用光源と、
    前記測定用光の前記中心波長よりも長波長である中心波長を有する加熱用光を放つ加熱用光源と、
    前記測定用光と前記加熱用光とが入射する第1ビームスプリッタと、
    前記第1ビームスプリッタを出射した前記測定用光と前記加熱用光とをそれぞれ分光して対象物と参照面とにそれぞれ入射させる第2ビームスプリッタと、
    前記第2ビームスプリッタから前記対象物に至る光の光路中に配された第1レンズと、
    前記第2ビームスプリッタから前記参照面に至る光の光路中に配された第2レンズと、
    前記参照面で反射又は散乱した光と前記対象物で反射又は散乱した光とが干渉した干渉光が入射するカメラと、
    前記カメラに入射した前記干渉光の干渉信号強度から演算により画像を構築する演算部と、
    前記第2ビームスプリッタから前記対象物に至る前記光路中に配された前記加熱用光の前記中心波長以上の波長を遮蔽するローパスフィルターと、
    前記対象物と前記第1レンズとの間に配された第1液体と、
    前記参照面と前記第2レンズとの間に配され、かつ前記第2レンズに入射した前記加熱用光の前記中心波長の光を吸収する第2液体と、
    前記加熱用光源から放つ前記加熱用光の放射エネルギを周波数で駆動制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記加熱用光を周波数制御することで前記第2液体の温度を変動させて、該第2液体の屈折率を変化させ、前記測定用光のうちの前記第2ビームスプリッタで前記参照面に向けて分離された参照光を位相変調させるとともに
    前記第2液体は、前記第1液体と同じ液体である、
    光干渉測定装置。
  2. 前記カメラで測定した前記干渉光の干渉信号強度を保存する記憶部をさらに備える、請求項1に記載の光干渉測定装置。
  3. 前記加熱用光の前記中心波長が1350nm以上かつ3000nm以下である、請求項1又は2に記載の光干渉測定装置。
  4. 前記第2液体は、純水と、濃度0.1%以上かつ5%以下の防腐剤とからなる、請求項1〜3のいずれか1つに記載の光干渉測定装置。
  5. 前記制御部は、前記第2液体の屈折率変動のプロファイルが正弦波状となるように、前記加熱用光の放射エネルギを制御する、請求項1〜のいずれか1つに記載の光干渉測定装置。
  6. 前記第2ビームスプリッタから前記参照面に至る前記光路中に、前記ローパスフィルターと同じ屈折率と同じ分散とを持つ透明硝材を更に有する、請求項1〜のいずれか1つに記載の光干渉測定装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1つに記載の前記光干渉測定装置に前記対象物を配置し、
    次いで、前記光干渉測定装置を用いて前記対象物を測定する光干渉測定方法。
  8. 前記対象物は、生体、又は細胞である、請求項に記載の光干渉測定方法。
  9. インキュベータ内で前記光干渉測定装置を用いて前記対象物の測定を行う、請求項に記載の光干渉測定方法。
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