JP6696823B2 - 端末装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、ユーザによって端末装置が移動させられた場合に、所定の処理を行う技術に関する。
特許文献1,2には、携帯端末のバイブレーション機能を原因とした動作上、又はユーザの利用上の不都合を抑えるための技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、バイブレータ或いはスピーカの報知動作が行われるときは、3軸加速度(傾斜)センサの検出結果を使用しないようにして、方位計測を行うことが記載されている。特許文献2には、自装置が水平、且つ静止中である場合に振動通知手段による振動の強度を低くすることが記載されている。
特開2010−169574号公報 特開2013−150201号公報
しかし、特許文献1,2には、端末装置がユーザによって移動させられていることを検出することについて記載されていない。
これに対し、本発明は、ユーザによって端末装置が面上を移動させられた場合に行うべき処理を、誤動作、及び遅延を少なくして行うことを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の端末装置は、自端末装置の水平方向に対する傾きを取得する第1取得部と、自端末装置に作用する水平成分を有する方向の加速度を取得する第2取得部と、前記傾きが第1閾値未満である場合において、前記加速度の変化の大きさが第2閾値以上となったときに、所定の処理を行う処理部とを備える。
本発明の端末装置において、前記第2閾値を可変として、当該第2閾値を設定する設定部を備えてもよい。
本発明の端末装置において、前記端末装置の一の面に表示領域が設けられた表示部を備え、前記処理部は、前記表示領域が外部から視認可能な方向を向いている場合には、前記所定の処理として、前記表示部に所定の情報を表示させる処理を行ってもよい。
本発明の端末装置において、前記処理部は、前記加速度が作用した方向、及び大きさの少なくとも一方に応じた処理を行ってもよい。
本発明の端末装置において、前記加速度の変化は、前記加速度を計測する加速度センサの1サンプリング期間における変化を示してもよい。
本発明の端末装置において、前記処理部は、前記所定の処理として、前記端末装置に着信があった後、電話帳データにおいて発信元の電話番号と対応付けられた名称を表示させる処理を行ってもよい。
本発明のプログラムは、端末装置のコンピュータに、前記端末装置の水平方向に対する傾きを取得するステップと、前記端末装置に作用する水平成分を有する方向の加速度を取得するステップと、前記傾きが第1閾値未満である場合において、前記加速度の変化の大きさが第2閾値以上となったときに、所定の処理を行うステップとを実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、ユーザによって端末装置が面上を移動させられた場合に行うべき処理を、誤動作、及び遅延を少なくして行うことができる。
本発明の一実施形態に係る端末装置の正面図。 同実施形態に係る端末装置が持ち上げによって移動する様子を示す図。 同実施形態に係る端末装置がスライドによって移動する様子を示す図。 同実施形態に係る端末装置のハードウェア構成を示すブロック図。 同実施形態に係る電話帳データの構成を示す図。 同実施形態に係る端末装置の制御部の着信時表示処理に関する機能構成を示すブロック図。 同実施形態に係る端末装置が行う着信時表示処理の流れを示すフローチャート。 同実施形態に係る端末装置に作用する加速度の時間的な変化を示すタイミングチャート。 同実施形態に係る期間Tsamにおける加速度の計算方法の説明図。 同実施形態に係る期間Tmovにおける加速度の計算方法の説明図。 同実施形態に係る期間Tmovにおける加速度の計算方法の説明図。 同実施形態に係る端末装置に作用する加速度の時間的な変化を示すタイミングチャート。 同実施形態に係る端末装置が行う着信時表示処理の説明図。 本発明の変形例1に係る端末装置の着信時表示処理に関する機能構成を示すブロック図。 同変形例に係る端末装置が行う着信時表示処理の流れを示すフローチャート。 同変形例に係る期間Tmovにおける加速度の計算方法の説明図。 同実変形例に係る端末装置に作用する加速度の時間的な変化を示すタイミングチャート。 本発明の変形例2に係る端末装置の着信時表示処理に関する機能構成を示すブロック図。 同変形例に係る端末装置が行う着信時表示処理の流れを示すフローチャート。 同変形例に係る端末装置に作用する加速度の時間的な変化を示すタイミングチャート。 本発明の変形例3に係る端末装置が行う着信時表示処理の流れを示すフローチャート。 同変形例に係る着信時表示処理の説明図。 本発明の変形例4に係る着信時表示処理の説明図。 同変形例に係る着信時表示処理の説明図。
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る端末装置10の正面図である。端末装置10は、ユーザが手に持って使用する携帯端末である。端末装置10は、ここでは、スマートフォンである。端末装置10は、正面から見たときの横方向が短尺方向、縦方向が長尺方向となるように、直方体状に形成されている。端末装置10には、X軸、Y軸、及びZ軸からなる右手系のXYZ直交座標系が定められている。X軸は、端末装置10の左から右方向に延びる。Y軸は、端末装置10の下から上方向に延びる。Z軸は、端末装置10の正面に設けられた表示領域121から外に向かう方向を正方向とし、その反対方向を負方向とする。表示領域121は、各種の画像が表示される矩形の領域である。
端末装置10は、通話のための音声の送話、及び受話を行う。端末装置10は、マイクロホン15、及びスピーカ16を正面に備える。マイクロホン15は、送話音声を入力するための装置である。スピーカ16は、受話音声を出力するための装置である。
端末装置10は、通話の着信があると、まず、発信元の電話番号を表示領域121に表示する。この時点では、発信元の電話番号に対応するその発信元の名称(以下「発信元名称」という。)は、表示領域121に表示されない。その理由は、発信元名称をユーザ以外の第三者に見られないようにするためである。発信元名称は、例えば発信者の氏名や所属先の情報で、端末装置10の電話帳機能によって管理される。端末装置10は、ユーザによって移動させられ、その移動が所定の条件を満たした場合に、発信元名称を表示領域121に表示する。このような通話の着信時に行われる表示処理を、以下、「着信時表示処理」という。
図2、及び図3は、通話の着信時における端末装置10の移動の様子を示す図である。図2には、ユーザUにより端末装置10が持ち上げられる様子が示されている。図2(A)に示すように、端末装置10が机Tに置かれているときに、端末装置10に通話の着信があったとする。着信があると、表示領域121に発信元の電話番号が表示される。この着信に気付いたユーザUは、端末装置10を握る。次に、ユーザUは、図2(B)に示すように、その端末装置10を上方に(ここでは、矢印R1の方向に)持ち上げる。この持ち上げによって、端末装置10においては、少なくともZ軸方向の加速度が変化する。図2(B)に示すように、表示領域121が上方を向くように端末装置10が持ち上げられた場合は、Z軸正方向に加速度に増大し、表示領域121が下方を向くように端末装置10が持ち上げられた場合は、Z軸負方向に加速度が増大する。次に、ユーザUは、図2(C)に示すように、端末装置10の正面を自身に向け、表示領域121を見る。この時点では、着信時表示処理により、表示領域121に発信元名称が表示されているものとする。ユーザUは、この発信元名称を確認してから、着信に対して応答する操作を行う。
なお、上方とは、少なくとも重力方向の反対方向の成分を持つ方向をいい、下方とは、少なくとも重力方向の成分を持つ方向をいう。また、端末装置10がホルダに設置されて立てられた状態の場合等、端末装置10が図2とは異なる姿勢の場合も、持ち上げによって、端末装置10にZ軸方向の加速度が作用する。
図3には、ユーザUにより端末装置10が机T上をスライドさせられる様子が示されている。図3(A)に示すように、端末装置10が机Tに置かれているときに、通話の着信があったとする。着信があると、表示領域121に発信元の電話番号が表示される。この着信に気付いたユーザUは、端末装置10に手を触れさせる。次に、ユーザUは、図3(B)に示すように、机T上をスライドさせて、端末装置10を自身に近づける方向に(ここでは、矢印R2の方向に)移動させる。このスライドによって、端末装置10においては、少なくともX軸方向、Y軸方向、又はこれらの両方向の加速度の変化が生じる。次に、ユーザUは、図3(C)に示すように、表示領域121の表示を見る。この時点では、着信時表示処理により、表示領域121に発信元名称が表示されているものとする。ユーザUは、この発信元名称を確認してから、図3(D)に示すように端末装置10を持ち上げ、着信に対して応答する操作を行う。
なお、端末装置10が、傾きがない面、又は傾きが少ない面に置かれている場合に、端末装置10はその面上をスライドし得る。
図4は、端末装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
端末装置10は、制御部11と、表示部12と、操作部13と、無線通信部14と、マイクロホン15と、スピーカ16と、加速度センサ17と、記憶部18とを備える。
制御部11は、演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)11A、ROM(Read Only Memory)11B、及びワークエリアとしてのRAM(Random Access Memory)11Cを備えたプロセッサである。CPU11Aは、ROM11B又は記憶部18に記憶されたプログラムを、RAM11Cに読み出して実行することにより、端末装置10の各部を制御する。
表示部12は、表示領域121に画像を表示する。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイを備える。操作部13は、ユーザにより行われた操作を受け付ける。操作部13は、例えば、表示領域121に重ねて設けられたタッチスクリーンや、物理ボタンを備える。無線通信部14は、移動通信網等のネットワークに接続して、無線通信を行う。この無線通信は、少なくとも、通話のための通信を含む。無線通信部14は、例えば、無線通信回路及びアンテナを備える。マイクロホン15は、ユーザにより入力された音声を音声信号に変換して、制御部11に供給する。スピーカ16は、制御部11から供給された音声信号を音声に変換して出力する。
加速度センサ17は、端末装置10に作用した加速度を計測する3軸の加速度センサである。3軸とは、X軸、Y軸、及びZ軸をいう。加速度センサ17は、所定のサンプリング間隔で、X軸、Y軸、及びZ軸方向の加速度をサンプリングする(つまり、計測する)。サンプリング間隔は、例えば、およそ66ミリ秒である。以下、各軸の正方向に作用する加速度を正の値、負方向に作用する加速度を負の値によって表す。
記憶部18は、制御部11により実行されるプログラム、及び電話帳データ181を記憶する。プログラムは、着信時表示処理を実行するためのアルゴリズムを含む。記憶部18は、例えば、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)、又はフラッシュメモリを備える。
図5は、電話帳データ181の構成を示す図である。
電話帳データ181は、電話番号毎に、電話番号とそれと対応する名称とを対応付けて登録したデータである。この名称は、例えば氏名や組織名で、ユーザによって登録される。図5の例では、電話番号「090−1111−****」と、名称「山田 一郎」とが対応付けられ、電話番号「090−2222−****」と、名称「鈴木 博」とが対応付けられている。
図6は、端末装置10の制御部11の着信時表示処理に関する機能構成を示すブロック図である。
制御部11は、プログラムを実行することにより、第1判定処理部111と、第2判定処理部112と、処理部113とに相当する機能を実現する。
第1判定処理部111は、端末装置10が持ち上げられたかどうかを判定するための処理を行う。第1判定処理部111は、取得部1111と、判定部1112とを含む。
取得部1111は、端末装置10に作用した3軸方向の加速度を、加速度センサ17から取得する。
判定部1112は、取得部1111により取得された加速度に基づいて、第1期間における加速度の変化と、その第1期間を一部に含む第2期間における加速度の変化とが、所定の条件を満たした場合に、端末装置10が持ち上げられたと判定する。所定の条件は、具体的には、第1期間における加速度の変化の大きさが第1閾値未満である場合に、第2期間における加速度の変化の大きさが第2閾値を超えたことを示す。
第2判定処理部112は、端末装置10が面上をスライドしたかどうかを判定するための処理を行う。第2判定処理部112は、第1取得部1121と、第2取得部1122と、判定部1123とを含む。
第1取得部1121は、端末装置10の水平方向に対する傾きを取得する。第1取得部1121は、この傾きを示す物理量として、Z軸方向の加速度を加速度センサ17から取得する。端末装置10が完全な水平面に置かれている場合、理論上は、Z軸方向の加速度の絶対値が、重力加速度の大きさ(9.8m/s2)を示す。Z軸方向の加速度の絶対値は、端末装置10の水平方向に対する傾きが大きくなるほど、小さくなる。
第2取得部1122は、端末装置10に作用する水平成分を有する方向の加速度を取得する。具体的には、第2取得部1122は、X軸方向の加速度、及びY軸方向の加速度を、加速度センサ17から取得する。
判定部1123は、第1取得部1121により取得された傾きと、第2取得部1122により取得された加速度とに基づいて、端末装置10の傾きが第1閾値未満である場合において、水平成分を有する方向の加速度の大きさが第2閾値以上となったときに、端末装置10がスライドしたと判定する。
処理部113は、第1判定処理部111により端末装置10が持ち上げられたと判定された場合、又は第2判定処理部112により端末装置10がスライドしたと判定された場合に、所定の処理を行う。所定の処理とは、ここでは、着信時表示処理における発信元名称を表示する処理をいう。即ち、処理部113は、無線通信部14を介して通話の着信を受け付けると、まず、発信元の電話番号を表示する。処理部113は、端末装置10が持ち上げられた、又は端末装置10がスライドしたと判定された場合に、電話帳データ181においてその発信元の電話番号と対応付けられた発信元名称を、表示領域121に表示する。
図7は、端末装置10が行う着信時表示処理の流れを示すフローチャートである。端末装置10は、図7に示す処理ステップを、所定の間隔で繰り返し実行する。
まず、端末装置10の制御部11は、無線通信部14を介して、通話の着信を受け付けたかどうかを判定する(ステップS1)。通話の着信を受けていないと判定した場合は(ステップS1;NO)、制御部11は、図7の処理を終了する。通話の着信を受け付けたと判定した場合は(ステップS1;YES)、制御部11は、表示部12を制御して、発信元の電話番号を表示領域121に表示する(ステップS2)。発信元番号が「090−1111−xxxx」の場合、図11(A)に示すように、表示領域121には「090−1111−xxxx」と表示される。ステップS2では、発信元名称は表示されない。
次に、制御部11は、通話の着信を受け付けている期間において、端末装置10の持ち上げの有無を判定するための処理(後述する、ステップS3〜S6の処理)と、端末装置10のスライドの有無を判定するための処理(後述する、ステップS7〜S11の処理)とを並行して実行する。これらの処理は、例えば加速度センサ17の加速度のサンプリング間隔と同じ間隔で、繰り返し実行される。
<端末装置10の持ち上げの有無を判定するための処理>
まず、端末装置10の持ち上げの有無を判定するための処理について説明する。
図8は、端末装置10に作用する加速度の時間的な変化を示すタイミングチャートである。図8には、端末装置10に作用する加速度として、X軸方向の加速度AX、Y軸方向の加速度AY、及びZ軸方向の加速度AZの時間的な変化が示されている。図8、及びその他の図面に示す「○」(白丸印)は、加速度のサンプリングが行われる時刻を示す。ΔVa1は、各サンプリングの時刻を基準とした、期間Tsam(本発明の第1期間に対応。)における加速度の変化の大きさ(絶対値)を示す。期間Tsamは、ここでは、1サンプリング期間に相当する。閾値Th1は、ΔVa1に対する閾値である。ΔVa2は、各サンプリングの時刻を基準とした、期間Tmov(本発明の第2の期間に対応。)における加速度の変化の大きさ(絶対値)を示す。期間Tmovは、少なくとも期間Tsamよりも長い期間で、ここでは3サンプリング期間に相当する。閾値Th2は、ΔVa2に対する閾値である。閾値Th1、及び閾値Th2は、端末装置10の機種に応じて、設計段階、又は製造段階で設定される。
なお、以下の説明では、時刻「T」からi(iは自然数)サンプリング期間前の時刻を「T−i」と表し、iサンプリング期間後の時刻を「T+i」と表す。
制御部11は、加速度センサ17によりサンプリングされた3軸方向の加速度AX,AY,AZを取得する(ステップS3)。制御部11は、取得した加速度AX,AY,AZを、RAM11Cに記憶させる。
次に、制御部11は、ステップS3で取得した加速度AX,AY,AZに基づいて、ΔVa1を計算する(ステップS4)。
図9Aは、ΔVa1の計算方法を説明する図である。図9Aには、図8に示す時刻Tnにサンプリングされた加速度に基づくΔVa1の計算方法が示されている。
即ち、制御部11は、時刻Tnにサンプリングされた加速度AX,AY,AZと、時刻Tn−1にサンプリングされた加速度AX,AY,AZとの差分をそれぞれ求め、求めた差分の絶対値を、|ΔX1|、|ΔY1|、及び|ΔZ1|として計算する。更に、制御部11は、|ΔX1|、|ΔY1|、及び|ΔZ1|を加算して、ΔVa1(つまり、ΔVa1=|ΔX1|+|ΔY1|+|ΔZ1|)を計算する。ΔVa1が大きいほど、期間Tsamというごく短い期間に(例えば瞬間的に)、端末装置10に作用する加速度に比較的大きな変化が生じたことを意味する。
次に、制御部11は、ステップS3で取得した加速度AX,AY,AZに基づいて、ΔVa2を計算する(ステップS5)。
図9Bは、ΔVa2の計算方法を説明する図である。図9Bには、時刻Tnにサンプリングされた加速度に基づくΔVa2の計算方法が示されている。この期間Tmovにおいては、図8に示すように、ΔVa1<Th1の関係を満たすものとする。
即ち、制御部11は、時刻Tn−3から時刻Tnまでにサンプリングされた加速度AX,AY,AZに基づいて、X軸、Y軸、及びZ軸のそれぞれについて、加速度の最大値と最小値との差分の絶対値を計算する。図9Bの例では、X軸については、時刻Tn、及び時刻Tn−2にサンプリングされた加速度AXの差分の絶対値|ΔX2|が計算される。Y軸については、時刻Tn、及び時刻Tn−2にサンプリングされた加速度AYの差分の絶対値|ΔY2|が計算される。Z軸については、時刻Tn、及び時刻Tn−1にサンプリングされた加速度AZの差分の絶対値|ΔZ2|が計算される。更に、制御部11は、|ΔX2|、|ΔY2|、及び|ΔZ2|を加算して、ΔVa2(つまり、ΔVa2=|ΔX2|+|ΔY2|+|ΔZ2|)を計算する。ΔVa2が大きいほど、期間Tmovという期間Tsamよりも長い期間において、端末装置10に作用する加速度に比較的大きな変化が生じたことを意味する。
ところで、図8に示す時刻Tmのように、期間Tmovの少なくとも一部の期間で、ΔVa1が閾値Th1以上となった場合には、図9Cで説明する計算方法により、ΔVa2が計算される。
即ち、制御部11は、期間Tmovのうち、ΔVa1が閾値Th1以上となった期間以前にサンプリングされた加速度を除外して、期間Tmovにおける加速度の最大値と最小値との差分の絶対値を計算する。図9Cに示す場合、時刻Tm−2において、ΔVa1が閾値Th1以上である。このため、制御部11は、時刻Tm−3,Tm−2にサンプリングされた加速度を除外して、時刻Tm−1,Tmにサンプリングされた加速度に基づいて、ΔVa2を計算する。
なお、図示はしないが、時刻Tm+1においては、制御部11は、時刻Tm−2にサンプリングされた加速度を除外し、時刻Tm−1,Tm,Tm+1にサンプリングされた加速度に基づいて、ΔVa2を計算することとなる。
図7に戻り、制御部11は、ΔVa2が閾値Th2以上であるかどうかを判定する(ステップS6)。ΔVa2が閾値Th2未満であると判定した場合には(ステップS6;NO)、制御部11は、ステップS3の処理に戻る。この場合、制御部11は、端末装置10が持ち上げられていないと判定したことになる。
一方、ΔVa2が閾値Th2以上であると判定した場合(ステップS6;YES)、制御部11は、発信元の電話番号に対応付けて電話帳データ181に登録された名称を、発信元名称として表示領域121に表示する(ステップS12)。図8の例では、時刻Tpにおいて、ΔVa2が増大して、閾値Th2以上となっている。よって、制御部11は、時刻Tpにおいて、発信元名称を表示領域121に表示する。発信元番号が「090−1111−xxxx」である場合、制御部11は、図11(B)に示すように、表示領域121に「山田 一郎」と表示する。これにより、図2(B)で説明した端末装置10の持ち上げによって、発信元名称が表示領域121に表示される。
なお、ステップS12では、電話番号に代えて発信元名称が表示されてもよい。
以上の方法で端末装置10の持ち上げの有無を判定する根拠について、具体的に説明する。
端末装置10において、ΔVa2が閾値Th2以上となるような、比較的大きな加速度の変化が生じた場合には、端末装置10が持ち上げられた可能性がある。しかし、このような加速度の変化が生じた全ての場合において、端末装置10が持ち上げられたとは限らない。例えば図8、又は図9Cに示す時刻Tm−2においては、ΔVa1が、期間Tsamというごく短い期間に急激に増大し、閾値Th1以上となっている。これは、例えば、着信を受け付けたときの端末装置10の構成部品の挙動、又は端末装置10の周辺の環境に起因して生じるものである、という知見を、本願の発明者は得た。また、このような急激な加速度の変化は、毎回の着信時に発生するとは限らないことも、本願の発明者は確認した。少なくとも、ΔVa1が閾値Th1以上となるような加速度の急激な変化は、人為的に端末装置10を移動させた場合に生じる加速度の変化とは、異質のものである。
なお、図8、及び図9Cの例では、Y軸、及びZ軸方向の加速度AY,AZに急激な変化が発生しているが、X軸方向の加速度AXに急激な変化が発生する可能性もある。
このような理由により、制御部11は、異常値として処理するΔVa1を閾値Th1によって規定する。そして、制御部11は、期間Tmovのうち、ΔVa1が閾値Th1以上となった時刻以前にサンプリングされた加速度を除外してΔVa2を算出する。この計算方法により、時刻Tm−2においては、ΔVa2が閾値Th2以上となっているが、ΔVa1が閾値Th1以上であるため、制御部11は発信元名称を表示しないこととなる。この場合、制御部11は、時刻Tm-2において算出されたΔVa2の値を異常値とみなし、ΔVa2の値をゼロに設定する。
一方、時刻Tpにおいては、ΔVa1が閾値Th1未満で、且つΔVa2が閾値Th2以上となっている。このような場合、ごく短期間の急激な加速度が発生していないにも関わらず、端末装置10における加速度の変化がある程度大きいため、人為的に端末装置10が持ち上げられたと推定される。よって、制御部11は、発信元名称を表示させる。
閾値Th2は、人為的に端末装置10を移動させた場合に生じる加速度の変化の大きさに応じて、設定される。また、閾値Th2は、例えば、バイブレーション機能の作動による加速度の変化を、端末装置10の持ち上げと誤認しないように、端末装置10の機種毎の異常値とする加速度の大きさや、バイブレーション機能による振動の大きさ等を考慮して、設定される。閾値Th1と閾値Th2とは、Th1>Th2の関係を満たす。
<端末装置10のスライドの有無を判定するための処理>
次に、端末装置10のスライドの有無を判定するための処理について説明する。
図10は、端末装置10に作用する加速度の時間的な変化を示すタイミングチャートである。図10には、端末装置10に作用する加速度として、X軸方向の加速度AX、Y軸方向の加速度AY、及びZ軸方向の加速度AZの時間的な変化が示されている。図10に示す「○」(白丸印)は、加速度のサンプリングが行われる時刻を示す。閾値+ThZ,−ThZは、加速度AZに対する閾値で、本発明の第1閾値の一例である。|ΔX|は、各サンプリングの時刻を基準とした、期間TsamにおけるX軸方向の加速度の変化の絶対値である。期間Tsamは、ここでは、1サンプリング期間に相当する。閾値ThXは、|ΔX|に対する閾値で、本発明の第2閾値の一例である。|ΔY|は、各サンプリングの時刻を基準とした、期間TsamにおけるY軸方向の加速度の変化の絶対値である。閾値ThYは、|ΔY|に対する閾値で、本発明の第2閾値の一例である。閾値ThX,ThYは、端末装置10の機種に応じて、設計段階、又は製造段階で設定されている。
制御部11は、加速度センサ17によりサンプリングされたZ軸方向の加速度AZを取得する(ステップS7)。制御部11は、取得した加速度AZを、RAM11Cに記憶させる。加速度AZは、端末装置10の水平方向に対する傾きを特定するために用いられる。
制御部11は、加速度センサ17によりサンプリングされた加速度AX,AYを取得する(ステップS8)。制御部11は、取得した加速度AX,AYを、RAM11Cに記憶させる。加速度AX,AYは、端末装置10の水平成分を持つ方向への移動(つまり、スライド)を特定するために用いられる。
次に、制御部11は、ステップS7で取得した加速度AZが閾値+ThZ以上か、又は−ThZ以下のいずれかとなるかどうかを判定する(ステップS9)。つまり、制御部11は、|AZ|≧|ThZ|の関係を満たすかどうかを判定する。|AZ|≧|ThZ|の関係を満たす場合、端末装置10の傾きが閾値未満であり、端末装置10は水平状態とみなせる姿勢である。水平状態とみなせる姿勢とは、端末装置10が完全な水平面に置かれたときの姿勢、又はほぼ水平面とみなせるような傾きの小さい面に置かれたときの姿勢をいう。
ステップS9で「NO」と判定した場合、制御部11は、ステップS7の処理に戻る。この場合、制御部11は、端末装置10がスライドしていないと判定したことになる。図10の例では、時間軸上の時刻「Tr」までの期間においては、加速度AZがほぼゼロである。この場合、端末装置10が水平状態とみなせる姿勢ではないため、図3(B)で説明したような端末装置10のスライドによる移動はしていないと判定される。このため、図10の時刻Tqでは、|ΔX|が閾値ThX以上であるが、端末装置10がスライドしたとは判定されない。
一方、時刻Tr以降においては、加速度AZが閾値+ThZ以上であるから、制御部11はステップS9で「YES」と判定する。この場合、制御部11は、ステップS7で取得した加速度AX,AYについて、期間Tsam前からの加速度の変化の大きさである|ΔX|、|ΔY|を計算する(ステップS10)。ここでは、制御部11は、図9Aで説明した計算方法と同じ方法により、X軸方向における加速度の変化の絶対値|ΔX|と、Y軸方向における加速度の変化の絶対値|ΔY|とをそれぞれ計算することとなる。
次に、制御部11は、|ΔX|が閾値ThX以上となったか、又は|ΔY|が閾値ThY以上となったかどうかを判定する(ステップS11)。
例えば、時刻Tsにおいては、|ΔX|、及び|ΔY|が増大しているが、それぞれ閾値ThX,ThY未満である。よって、制御部11は、ステップS11で「NO」と判定する。この場合、制御部11は、端末装置10がスライドしていないと判定することになる。この場合、制御部11は、ステップS7の処理に戻る。
一方、時刻Ttにおいては、|ΔY|が増大して、閾値ThY以上となっている。よって、制御部11は、ステップS11で「YES」と判定する。そして、制御部11は、発信元の電話番号に対応付けて電話帳データ181に登録された名称を、発信元名称として表示領域121に表示する(ステップS12)。発信元番号が「090−1111−xxxx」である場合、制御部11は、図11(B)に示すように、表示領域121に「山田 一郎」と表示する。これにより、図3(B)で説明したような端末装置10のスライドによって、発信元名称が表示領域121に表示される。
以上説明した実施形態によれば、端末装置10は、通話の着信があった場合に、自端末装置に作用した加速度の変化に基づいて、自端末装置の持ち上げ、又はスライドによる移動があったと判定した場合に、発信元名称を表示する。端末装置10の持ち上げの有無の判定は、3サンプリング期間相当の期間Tmovにおける加速度のサンプリング結果に基づいて行われ、端末装置10のスライドの有無の判定は、1サンプリング期間相当の期間Tsamにおける加速度のサンプリング結果に基づいて行われるので、これらの判定に要する処理時間の増大が抑えられる。その結果、端末装置10における、発信元名称の表示の遅延が抑えられる。また、端末装置10は、面上をスライドしたことによる移動があったと判定した場合にも、発信元名称を表示する。このため、図3(C)で説明したような、端末装置10が実際にユーザにより持たれる前であっても、発信元名称の表示が可能となる。
更に、端末装置10の持ち上げの有無の判定にあっては、期間Tmovにおける加速度の変化が大きい場合でも、期間Tsamにおける加速度の変化が大きい時刻の加速度については、異常値として除外される。このため、端末装置10の持ち上げ以外による加速度の変化に基づいて、端末装置10の持ち上げと判定されるという誤動作の発生が抑えられる。
更に、端末装置10がスライドしたことの判定は、端末装置10が水平状態とみなせる姿勢である場合に、水平方向に成分を有する方向の加速度が作用したことが条件となる。このため、端末装置10の姿勢を考慮しない場合に比べて、誤ったタイミングで発信元名称が表示される可能性が低くなる。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施してもよい。また、以下に示す変形例は、各々を組み合わせてもよい。
(変形例1)
端末装置の持ち上げの有無の判定に関し、その端末装置は、期間Tmovの長さ、及び閾値Th2の一方、又は両方を変更してもよい。
図12は、この変形例の端末装置10Aの制御部11の着信時表示処理に関する機能構成を示すブロック図である。制御部11は、プログラムを実行することにより、第1判定処理部111Aと、第2判定処理部112と、処理部113とに相当する機能を実現する。第2判定処理部112、及び処理部113は、上述した実施形態と同じ機能構成である。
第1判定処理部111Aは、取得部1111、及び判定部1112に加え、第1設定部1113と、第2設定部1114とに相当する機能を実現する。第1設定部1113は、期間Tmovの長さを可変として、期間Tmovの長さを設定する。第2設定部1114は、閾値Th2を可変として、閾値Th2を設定する。
図13は、端末装置10Aが行う着信時表示処理の流れを示すフローチャートである。端末装置10Aの制御部11は、通話の着信がある前の任意のタイミングで、期間Tmovの長さを設定し(ステップS21)、更に閾値Th2を設定する(ステップS22)。制御部11は、例えば、操作部13の操作に応じて、ユーザにより指定された期間Tmovの長さ、又は閾値Th2に設定する。
以降、制御部11は、ステップS21,S22の設定に従って、ステップS1〜S12の処理を実行する。
図14は、ステップS5における期間Tmovにおける加速度の変化の計算方法の説明図である。図14には、時刻Tkにサンプリングされた加速度を取得した場合において、期間Tmovを5サンプリング期間としたときのΔVa2の計算方法が示されている。
図14から分かるように、時刻Tk−5から時刻Tkまでの期間における加速度の最大値と最小値との差分の絶対値である|ΔX2|,|ΔY2|,|ΔZ2|は、時刻Tk−3から時刻Tkまでの期間における加速度の最大値と最小値との差分の絶対値と同じとなるか、又はそれよりも大きくなるはずである。即ち、期間Tmovを長くするほど、ΔVa2は大きくなりやすい。このため、端末装置10Aのゆっくりとした移動、又は小さな移動でも、制御部11は、端末装置10Aが持ち上げられたと判定しやすくなる(つまり、感度が上がる)。反対に、期間Tmovを短くするほど、端末装置10Aの急激な動き、又は大きな動きがないと、制御部11は、端末装置10Aが持ち上げられたと判定しない(つまり、感度が下がる)。また、期間Tmovを短くするほど、ΔVa2の計算に要する時間が短縮されるので、端末装置10Aの即時応答性が向上する。
よって、端末装置10Aのユーザは、自己の好みや端末装置10Aの利用にあった感度となるように、閾値Th2、及び期間Tmovの一方又は両方を調整すればよい。
図15は、図8に示す場合よりも、閾値Th2を小さくするように設定した場合の端末装置10Aに作用する加速度の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図15から分かるように、閾値Th2を小さくするほど、端末装置10Aのゆっくりとした動き、又は小さな動きでも、ΔVa2が閾値Th2以上となりやすい。即ち、制御部11は、端末装置10Aが持ち上げられたと判定しやすくなる(つまり、感度が上がる)。反対に、閾値Th2を大きくするほど、端末装置10Aの急激な動きがないと、又は大きな動きがないと、ΔVa2が閾値Th2以上とならない。即ち、制御部11は、端末装置10Aが持ち上げられたと判定しにくくなる(つまり、感度が下がる)。
よって、端末装置10Aのユーザは、自己の好みや端末装置10Aの利用にあった感度となるように、閾値Th2を設定すればよい。図15の例では、時刻Tuにおいて発信元名称が表示されるので、図8に示す場合よりもそのタイミングが早くなる。
この変形例によれば、端末装置10Aは、個々のユーザの利用に合った感度で自端末装置の持ち上げの有無を判定して、発信元名称の表示を行うことができる。
(変形例2)
端末装置のスライドの有無の判定に関し、その端末装置は、閾値ThX,ThYの一方、又は両方を変更してもよい。
図16は、この変形例の端末装置10Bの制御部11の着信時表示処理に関する機能構成を示すブロック図である。制御部11は、プログラムを実行することにより、第1判定処理部111と、第2判定処理部112Bと、処理部113とに相当する機能を実現する。第1判定処理部111、及び処理部113は、上述した実施形態と同じ機能構成である。
第2判定処理部112Bは、第1取得部1121、第2取得部1122、及び判定部1123に加え、設定部1124に相当する機能を実現する。設定部1124は、閾値ThX,ThYの一方、又は両方を可変として、閾値ThX,ThYを設定する。
図17は、端末装置10Bが行う着信時表示処理の流れを示すフローチャートである。端末装置10Bの制御部11は、通話の着信を受け付ける前の任意のタイミングで、閾値ThX,ThYを設定する(ステップS31)。制御部11は、例えば、操作部13の操作に応じて、ユーザにより指定された閾値ThX,ThYに設定する。
以降、制御部11は、ステップS31の設定に従って、ステップS1〜S12の処理を実行する。
図18は、図10に示す場合よりも、閾値ThX,ThYを小さくした場合の、端末装置10Bに作用する加速度の時間的な変化を示すタイミングチャートである。図18から分かるように、閾値ThX,ThYを小さくするほど、端末装置10Bのゆっくりとした動き、又は小さな動きでも、|ΔX|、|ΔY|が閾値ThX,ThY以上になりやすくなる。即ち、制御部11は、端末装置10Bがスライドしたと判定しやすくなる(つまり、感度が上がる)。反対に、閾値ThX,ThYを大きくするほど、急激な動きがないと、又は大きな動きがないと、|ΔX|、|ΔY|は閾値ThX,ThY以上とはならない。即ち、制御部11は、端末装置10がスライドしたと判定しにくくなる(つまり、感度が下がる)。よって、端末装置10Bのユーザは、自己の好みや端末装置10Bの利用にあった感度となるように、閾値Th2を設定すればよい。図18の例では、時刻Tsにおいて、発信元名称が表示される。
この変形例によれば、個々のユーザの利用に合った感度で端末装置10Bは発信元名称の表示を行うことができる。
(変形例3)
端末装置は、表示領域が向く方向に応じて、着信時表示処理を異ならせてもよい。
図19は、この変形例に係る端末装置10Cが行う着信時表示処理の流れを示すフローチャートである。図20は、端末装置10Cが行う着信時表示処理を説明する図である。
端末装置10Cの制御部11は、無線通信部14を介して、通話の着信を受け付けたと判定した場合(ステップS1;YES)、Z軸方向の加速度AZを、加速度センサ17から取得する(ステップS41)。次に、制御部11は、端末装置10Cが裏向きであるかどうかを判定する(ステップS42)。端末装置10Cが裏向きとは、端末装置10Cが水平状態とみなせる姿勢で、且つ表示領域121が下方を向いた姿勢をいう。ステップS42で「NO」と判定した場合、つまり端末装置10Cが裏向きでない場合(例えば表向きの場合)、制御部11は、上述した実施形態と同じ手順で、ステップS2〜S12の処理を行い、電話番号の表示、及び発信元名称の表示を行う。端末装置10Cが表向きとは、端末装置10Cが水平状態とみなせる姿勢で、且つ表示領域121が上方を向いた姿勢をいう。端末装置10Cが表向きの状態は、表示領域121が外部から視認可能な方向を向いた状態の一例である。この場合、表示領域121は、ユーザ又は第三者の位置から視認可能な方向を向いていることになる。よって、制御部11は、図20(A)に示すように、発信元の電話番号を表示した後、端末装置10Cが持ち上げられ又はスライドすると、発信元名称の表示を行う。
なお、表示領域121が外部から視認可能な方向を向いている状態は、表示領域121が外部から完全に視認不可能でない状態、又は視認可能とみなせる状態を含む概念である。
一方、制御部11は、端末装置10Cが裏向きであると判定した場合(ステップS42;YES)、制御部11は、ステップS12に進んで、発信元名称の表示を行う。つまり、制御部11は、図20(B)に示すように端末装置10Cが持ち上げられなくとも、又はスライドしなくとも、発信元名称の表示を行う。端末装置10Cが裏向きの場合、表示領域121が外部から視認不可能な方向を向いていることになる。このため、着信後直ちに表示領域121に発信元名称の表示が行われても、それが第三者に見られる可能性は低い。
端末装置10Cが裏向きであると判定した場合において(ステップS42;YES)、制御部11は、図20(C)に示すように、表示部12への画像の表示を停止させてもよい。そして、制御部11は、端末装置10Cの持ち上げ、又はスライドがあったと判定すると、表示領域121に発信元名称を表示してもよい。この場合、端末装置10Cが裏向きであるときに表示部12への表示が行われない分だけ、端末装置10Cの消費電力が軽減される。
(変形例4)
端末装置は、自端末装置がスライドしたときに作用した加速度の大きさ、又は方向に応じて、発信元名称の表示に係る処理を異ならせてもよい。図21、及び図22は、この変形例に係る端末装置10Dが行う着信時表示処理を説明する図である。
端末装置10Dは、例えば、|ΔX|、又は|ΔY|が閾値以上である場合は、図21(A)に示すように、電話番号の表示、及び発信元名称の表示を行う。一方、端末装置10Dは、|ΔX|、及び|ΔY|がいずれも閾値未満である場合は、図21(B)に示すように、電話番号の表示のままとする。
また、端末装置10Dは、例えば、X軸方向に加速度が作用した場合は、図22(A)に示すように、電話番号の表示、及び発信元名称の表示を行う。一方、端末装置10Dは、X軸方向以外、例えばY軸方向の加速度が作用した場合は、図22(B)に示すように、電話番号の表示のままとする。
この変形例の端末装置10Dによれば、発信元名称の表示を開始するためのスライドの条件を知っているユーザだけが、その方法で端末装置10Dをスライドさせることで、発信元名称の表示を開始させることもできる。この変形例の構成は、端末装置10Dが持ち上げられた場合に、発信元名称を表示する処理に適用されてもよい。
なお、この変形例で説明した加速度の方向や、大きさの条件はあくまで一例である。例えば、端末装置10Dは、加速度の方向や大きさを更に細分化して、加速度の方向や大きさに応じて、複数通りの処理を行ってもよい。
(変形例5)
着信時表示処理は、電子メールやSNS(Social Networking Service)等の、メッセージの着信があった場合の表示処理とすることもできる。この場合の着信時表示処理は、上述した実施形態の発信元の電話番号を、発信元の電子メールアドレスやID等の文字列に置き換えることで、説明することができる。
また、本発明においては、端末装置の持ち上げ、又はスライドがあった場合の処理として、着信時表示処理以外の処理を行ってもよい。
端末装置10は、例えば、着信を受け付けると、スピーカ16を介して着信音を出力し、端末装置10が持ち上げられると、着信音を停止させる、又はその音量を下げる。これにより、端末装置10への着信をユーザが認識できるようにしつつ、ユーザ以外の第三者に対する着信音の出力によって迷惑を掛ける可能性が低くなる。また、端末装置10は、着信を受け付けると、バイブレーション機能を作動させ、端末装置10が持ち上げられると、バイブレーション機能を停止させてもよい。
更に、端末装置10は、着信を受け付けると、スピーカ16を介して着信音を出力し、端末装置10がスライドすると、着信音を停止させる、又はその音量を下げる。これにより、端末装置10への着信をユーザが認識できるようにしつつ、ユーザ以外の第三者に対する着信音の出力によって迷惑を掛ける可能性が低くなる。また、端末装置10は、着信を受け付けると、バイブレーション機能を作動させ、端末装置10がスライドすると、バイブレーション機能を停止させてもよい。
更に、端末装置10は、表示部12への表示を停止させる等して、自端末装置の消費電力を低減させるモードのときに、端末装置10のスライドを判定すると、通常モードに復帰してもよい。この場合も、端末装置10がスライドにより移動したタイミング以外のタイミングで復帰することで、無駄な消費電力が生じてしまう可能性が低くなる。
(変形例6)
上述した実施形態で説明した構成、又は動作の一部が省略されてもよい。着信時表示処理は、例えば、端末装置10の持ち上げ、及びスライドのいずれか一方に応じて発信元名称の表示を行う処理であってもよい。
端末装置10の持ち上げの有無の判定に関し、端末装置10は、期間Tmovにおける少なくとも一部の時刻で、ΔVa1が閾値Th1以上となった場合は、期間Tmovの残りの期間の加速度と関わりなく、持ち上げによる移動ではないと判定してもよい。
期間Tsamは、1サンプリング期間に限られず、例えば1サンプリング期間よりも長くてもよい。期間Tmovは、3サンプリング期間に限られず、例えば3サンプリング期間よりも短くてもよいし、3サンプリング期間よりも長くてもよい。
また、Th1≦Th2の関係であってもよい。
また、上述した実施形態で説明した端末装置10が行う処理の順番は、変更されてもよい。例えば、ステップS8の処理と、ステップS9の処理との順番が逆でもよい。この場合、制御部11は、ステップS7で加速度AZを取得すると、この加速度AZが閾値+ThZ以上か、又は−ThZ以下のいずれかとなるかどうか(つまり、|AZ|≧|ThZ|となるかどうか)を判定する(ステップS9)。ステップS9で「YES」と判定した場合、制御部11は、加速度AX,AYを取得して(ステップS8)、ステップS10,S11の処理を行う。一方、ステップS9で「NO」と判定した場合は、制御部11は、ステップS8に進まずに、つまり加速度AX,AYを取得せずに、ステップS7の処理に戻る。この場合、加速度AX,AYの不要なサンプリングが行われないので、制御部11の処理速度を向上させる効果が期待できる。
端末装置10のハードウェア構成は、上述した実施形態で説明した構成に限定されない。要求される機能を実現できるものであれば、端末装置10は、どのようなハードウェア構成を有していてもよい。
例えば、端末装置10の水平方向に対する傾きが、ジャイロセンサ等の加速度センサ以外のセンサによって計測されてもよい。また、端末装置10は、フィーチャーフォンや、タブレット型コンピュータ等の、スマートフォン以外の端末装置であってもよい。また、端末装置10におけるX軸、Y軸、及びZ軸からなる座標系は、図1で説明した座標系に限られない。また、加速度センサ17が加速度を計測する方向や数は、上述した実施形態で説明した例に限られない。
上述した実施形態の端末装置10の制御部11が実現する機能は、複数のプログラムの組み合わせによって実現され、又は、複数のハードウェア資源の連係によって実現され得る。制御部11の機能がプログラムを用いて実現される場合、このプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよいし、ネットワークを介して配信されてもよい。また、本発明は、端末装置の制御方法として把握することも可能である。
10,10A,10B,10C,10D…端末装置、11…制御部、111,111A…第1判定処理部、1111…取得部、1112…判定部、1113…第1設定部、1114…第2設定部、112,112B…第2判定処理部、1121…第1取得部、1122…第2取得部、1123…判定部、1124…設定部、113…処理部、12…表示部、121…表示領域、13…操作部、14…無線通信部、15…マイクロホン、16…スピーカ、17…加速度センサ、18…記憶部、181…電話帳データ。

Claims (4)

  1. 自端末装置の水平方向に対する傾きを取得する第1取得部と、
    自端末装置に作用する水平成分を有する方向の加速度を取得する第2取得部と、
    前記傾きが第1閾値未満である場合において、前記加速度の変化の大きさが第2閾値以上となったときに、前記端末装置に着信があった後に、電話帳データにおいて発信元の電話番号と対応付けられた名称を表示させる処理を行う処理部と
    を備える端末装置。
  2. 前記第2閾値を可変として、当該第2閾値を設定する設定部
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
  3. 前記加速度の変化は、前記加速度を計測する加速度センサの1サンプリング期間における変化を示す
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
  4. 端末装置のコンピュータに、
    前記端末装置の水平方向に対する傾きを取得するステップと、
    前記端末装置に作用する水平成分を有する方向の加速度を取得するステップと、
    前記傾きが第1閾値未満である場合において、前記加速度の変化の大きさが第2閾値以上となったときに、前記端末装置に着信があった後に、電話帳データにおいて発信元の電話番号と対応付けられた名称を表示させる処理を行うステップと
    を実行させるためのプログラム。
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