本発明は、携帯電話、PHS、PDAなど(以下、「携帯端末」という)において、所持者の移動状況に応じてその通話音量の設定を自動的に変更する、携帯端末に関する。
携帯端末で通話する際には、その特性上、所持者が歩行中である、など所持者の様々な状況に応じて通話が行われる。
そして歩行中は静止している状態よりも携帯端末の受話口と耳がずれやすくなるので、会話が聞き取りにくくなる。その為、従来、会話が聞き取りにくい場合には、所持者が携帯端末を操作して通話音量を上げることによって、聞き取りやすくしていた。
そこで携帯端末の所持者が歩行しているか、静止しているかなどの移動状況に合わせて自動的に設定の変更が行われることが好ましい。下記特許文献1及び特許文献2では、携帯端末の所持者の移動状況に合わせて携帯電話の制御を行うシステムが開示されている。
特開2003−298690号公報
特開2001−203783号公報
特開2000−174852号公報
しかし所持者が歩行しているか、静止しているかなどの移動状況を自動的に判定し、通話音量の変更を行うようなものは存在しなかった。上述の特許文献に開示の発明では、例えば歩行中の携帯電話の使用を制限することは出来たとしても、携帯端末の所持者がどの程度速く歩いているのか、あるいは静止しているのか等の移動状況を判定することまでは出来ないので、その移動状況に応じて通話中の通話音量を制御することは出来ない。
また従来は、所持者が手動で通話音量を調節しているので、調節の際に、携帯端末を耳から一旦離した上で操作している。その為、通話相手に一言断ったりする必要があり、会話が一時的に途切れてしまい、通話相手との円滑な会話に支障が生じる場合もある。
つまり、通話中の所持者の移動状況に合わせて通話音量の有無が自動的に設定変更されることが好ましいが、従来は所持者がどの程度速く歩いているのか、あるいは静止しているのかなどの移動状況を判定することが難しいので、このような自動的な設定変更を行うことは出来なかった。
また特許文献3には、携帯電話で着信を検出した後に、着信音を鳴らし、その後、携帯電話の利用者が携帯電話に所定以上の振動を与えた場合に、着信音の鳴動を停止させる発明が開示されているが、この発明は、着信、振動の検出、振動強度の判断、振動数の計測、が直列的な処理として行われており、特に振動強度の判断処理において、範囲外の場合には振動数の計測が行われない構成となっている。つまり振動強度の検出は、振動数の計測のためのいわば、「トリガ」として用いられているに過ぎない。その為、振動強度を考慮した処理となっていないので、正確な判定を行うことが難しい。
本願発明者は、携帯端末の所持者の行動について考察を重ねた結果、所持者が速い状態で歩いている場合には通話音量が大きい方が良いことを知見し、それに基づいて、携帯端末の通話音量について自動的に設定を変更する携帯端末を発明した。
請求項1の発明は、加速度センサーを備えた携帯端末であって、前記加速度センサーで検出した単位時間あたりの、所定値以上の大きさの電圧を検出した電圧検出回数と、その電圧の大きさに関する情報を記録する記録部と、前記記録部に記録した単位時間あたりの電圧検出回数に基づいて、予め定められた所定時間内の電圧検出回数を判定し、且つ前記電圧検出回数と前記電圧の大きさに関する情報とを用いて、少なくとも前記携帯端末での通話中における前記携帯端末の所持者自身の停止、歩行、走行の移動状況を判定する移動状況判定部と、前記所持者の移動状況に応じて発生する振動で音が聞こえにくくなることを解消するために、前記移動状況の変化にあわせて、前記携帯端末における通話音量の変更の設定を行う通話音量設定部と、を有する携帯端末である。
本発明のように構成することで、携帯端末の所持者の移動状況を判定して、通話音量の設定を自動的に行う携帯端末が可能となる。また移動状況の判定において、単に電圧の検出回数のみならず、電圧の大きさを用いて判定を行っている。電圧の検出回数は振動を検出した回数であり、電圧の大きさは振動の大きさを意味している。そして電圧の大きさは携帯端末に発生した加速度の大きさと比例関係にある。つまり電圧の大きさを用いて判定を行うことによって、携帯端末、即ち携帯端末を所持する所持者に発生した振動の度合いを考慮して移動状況の判定を行うことが出来るので、より的確な判定処理を行うことが出来る。なお、本明細書において「移動状況」とは、携帯端末(あるいはその所持者)が停止しているのか(「停止状態」なのか)、歩いている状態であるのか、走っている状態であるのか(これらを総称して「移動状態」)にあるのか、を示す情報であり、好適には数値化された情報、「0」、「1」、「2」などであることが好ましいが、「停止状態」、「歩行状態」、「歩行/走行状態」、「走行状態」といった情報で示されていても良い。
請求項2の発明は、加速度センサーを備えた携帯端末であって、前記加速度センサーで所定値以上の大きさの電圧を検出した時刻と、その電圧の大きさに関する情報を記録する記録部と、予め定められた所定時間内の電圧の検出回数を前記記録部に記録した情報に基づいて判定し、且つ前記電圧検出回数と前記電圧の大きさに関する情報とを用いて、少なくとも前記携帯端末での通話中における前記携帯端末の所持者自身の停止、歩行、走行の移動状況を判定する移動状況判定部と、前記所持者の移動状況に応じて発生する振動で音が聞こえにくくなることを解消するために、前記移動状況の変化にあわせて、前記携帯端末における通話音量の変更の設定を行う通話音量設定部と、を有する携帯端末である。
所持者の移動状況を判定して通話音量の設定を自動的に行う携帯端末としては、本発明のように構成することも出来る。本発明においても、移動状況の判定において、単に電圧の検出回数のみならず、電圧の大きさを用いて判定を行っているので、より的確な判定処理を行うことが出来る。
請求項3の発明は、加速度センサーを備えた携帯端末であって、前記加速度センサーで検出した単位時間あたりの電圧検出回数と、その電圧の大きさに関する情報を記録する記録部と、前記記録部に記録した単位時間あたりの電圧検出回数に基づいて、予め定められた所定時間内の電圧検出回数を判定することで、前記電圧検出回数に対応するポイントを判定し、且つ前記電圧の大きさに関する情報に対応するポイントを判定し、それらの各ポイントを演算することで、少なくとも前記携帯端末での通話中における前記携帯端末の所持者自身の停止、歩行、走行の移動状況として合計ポイントを算出する移動状況判定部と、前記所持者の移動状況に応じて発生する振動で音が聞こえにくくなることを解消するために、前記合計ポイントに基づいて、前記携帯端末における通話音量の変更の設定を行う通話音量設定部と、を有する携帯端末である。
所持者の移動状況を判定して通話音量の設定を自動的に行う携帯端末としては、本発明のように構成することも出来る。本発明においても、移動状況の判定において、単に電圧の検出回数のみならず、電圧の大きさを用いて判定を行っているので、より的確な判定処理を行うことが出来る。また移動状況としてポイントを用いて判定を行っているので、通話音量の設定が的確に行える。
請求項4の発明は、加速度センサーを備えた携帯端末であって、加速度センサーで電圧を検出した時刻と、その電圧の大きさに関する情報を記録する記録部と、予め定められた所定時間内の電圧の検出回数を前記記録部に記録した情報に基づいて判定することで、前記電圧検出回数に対応するポイントを判定し、且つ前記電圧の大きさに関する情報に対応するポイントを判定し、それらの各ポイントを演算することにより、少なくとも前記携帯端末での通話中における前記携帯端末の所持者自身の停止、歩行、走行の移動状況として合計ポイントを算出する移動状況判定部と、前記所持者の移動状況に応じて発生する振動で音が聞こえにくくなることを解消するために、前記合計ポイントに基づいて、前記携帯端末における通話音量の変更の設定を行う通話音量設定部と、を有する携帯端末である。
所持者の移動状況を判定して通話音量の設定を自動的に行う携帯端末としては、本発明のように構成することも出来る。本発明においても、移動状況の判定において、単に電圧の検出回数のみならず、電圧の大きさを用いて判定を行っているので、より的確な判定処理を行うことが出来る。また移動状況としてポイントを用いて判定を行っているので、通話音量の設定が的確に行える。
請求項5の発明において、前記移動状況判定部は、前記電圧検出回数に対応するポイントを判定し、前記所定時間内における電圧の平均値である平均電圧を前記記録部に記録した情報に基づいて算出して、前記平均電圧に対応するポイントを判定し、それらの各ポイントを演算することにより、前記移動状況として合計ポイントを算出し、前記通話音量設定部は、前記合計ポイントに基づいて、前記携帯端末における通話音量の設定を行う、携帯端末である。
上述の発明において、電圧の大きさを用いて判定処理を行う場合には、平均電圧を算出して処理を行うことが出来る。これによって所定時間内に携帯端末に対して発生した振動の程度(電圧の大きさ)を、平均化することが出来るので、その平均的な動き(電圧検出回数や電圧の大きさ)から移動状況を判定することが出来る。また移動状況としてポイントを用いて処理を行っているので、通話音量レベルの設定がより的確に行える。
請求項6の発明において、前記移動状況判定部は、前記電圧検出回数に対応するポイントを判定し、前記電圧の大きさが基準値を超えた回数に応じたポイントを判定し、それらの各ポイントを演算することにより、前記移動状況として合計ポイントを算出し、前記通話音量設定部は、前記合計ポイントに基づいて、前記携帯端末における通話音量の設定を行う、携帯端末である。
電圧の検出回数と電圧の大きさとを用いて判定処理を行う際に、平均電圧を用いるほかに、本発明のように電圧の大きさが基準値を超えた回数により判定を行うように構成することも出来る。また移動状況としてポイントを用いて処理を行っているので、通話音量レベルの設定がより的確に行える。
請求項7の発明において、前記移動状況判定部は、前記電圧検出回数に対応するポイントを判定し、前記所定時間における電圧の大きさが所定値未満になった時点と電圧の大きさとによって構成される、所定時間における任意の形状の面積を算出することで前記面積に応じたポイントを判定し、それらの各ポイントを演算することにより、前記移動状況として合計ポイントを算出する、携帯端末である。
電圧の検出回数と電圧の大きさとを用いて判定処理を行う際に、平均電圧を用いるほかに、本発明のように、電圧の大きさによって形成される面積を算出することにより判定処理を行うように構成することも出来る。これは例えば縦方向(y軸)に電圧の大きさ、横方向(x軸)に時間をとったとすると、電圧の大きさによって構成される形状の面積が大きいと、移動している状況が激しい状態(例えば走行状態)と考えられることによる。また移動状況としてポイントを用いて処理を行っているので、通話音量レベルの設定がより的確に行える。
請求項8の発明において、前記移動状況判定部は、前記電圧検出回数に対応するポイントを判定し、前記所定時間における単位時間と電圧の大きさとによって構成される、所定時間における任意の形状の面積を算出することで前記面積に応じたポイントを判定し、それらの各ポイントを演算することにより、前記移動状況として合計ポイントを算出し、前記通話音量設定部は、前記合計ポイントに基づいて、前記携帯端末における通話音量の設定を行う、携帯端末である。
上述と同様に面積を算出して移動状況の判定を行う場合には、本発明のように構成することも出来る。
請求項9の発明において、前記移動状況判定部は、前記記録部に記録した情報を用いて、前記電圧検出回数に対応するポイントを判定し、所定数前に検出した電圧の大きさとの差の絶対値の総和に対応するポイントを判定し、それらの各ポイントを演算することにより、前記移動状況として合計ポイントを算出する、携帯端末である。
電圧の検出回数と電圧の大きさとを用いて判定処理を行う際に、平均電圧を用いるほかに、本発明のように、所定数前に検出した電圧の大きさとの差を算出し、その差の絶対値の総和を算出することにより、構成することも出来る。電圧の差の絶対値の総和が大きい場合、携帯端末の所持者は不規則な動きを行っていると思われる。例えば移動しながら話をしていたり、何かに集中していたりする場合には、突発的な行動が多くなる。その場合には不規則な動きとなるが、このように判定することで、移動状況を判定することが出来る。また移動状況としてポイントを用いて処理を行っているので、通話音量レベルの設定がより的確に行える。
本発明によって、携帯端末の所持者が歩いているのか、静止しているのかなどの移動状況に応じて、携帯端末の通話音量を制御することが可能となる。例えば、携帯端末の所持者が静止していると判定される場合には通話音量を変更せず、携帯端末の所持者が移動していると判定される場合に通話音量を上げる設定へと自動的に変更する携帯端末が可能となる。これによって、携帯端末の所持者が歩いている場合であったとしても、自動的に通話音量の調節がなされるので、通話相手とスムースな会話が可能となる。また振動の回数と平均振幅とをポイント化して処理することによって、通話音量のレベルを考慮した設定をすることが出来る。これによって、所持者の移動状況に応じた通話音量の設定を的確に行うことが出来る。
本発明の携帯端末1のシステム構成の一例を図1に示す。本発明の携帯端末1は、携帯端末1の所持者の振動を検出する加速度センサー2を備えている。携帯端末1に備える加速度センサー2としては、圧電式、半導体ピエゾ抵抗式、静電容量式など様々な方式があり、各種の加速度センサー2を用いることが出来る。これらの加速度センサー2では、振動を検出することによって電圧が発生し、その電圧の大きさを測定することで、携帯端末1に発生している振動の大きさを判定することが出来る。なお本明細書においては加速度センサー2で、所定値以上の大きさの電圧を検出した回数と、電圧の大きさとを用いることによって処理を行う場合を説明するが、それに限定されず、加速度センサー2が出力する様々な出力値を用いることによって処理を行うことも出来る。
加速度センサー2が出力する出力値を用いて処理を行うには、例えば、単位時間において所定値以上の大きさの電圧を検出した回数と、その電圧の大きさの合計値または平均値を用いたり、所定値以上の大きさの電圧を検出した時刻とその電圧の大きさを用いたりすることが出来る。加速度センサー2で検出した電圧の検出回数、電圧の大きさ、電圧を検出した時刻などの情報は、所定の記録部3に記録される。記録部3に記録した情報は、所定時間経過後、削除されることが好ましい。図3に記録部3に記録した情報の一例を示す。図3(a)は所定値以上の大きさの電圧を検出した時刻とその電圧の大きさを記録した場合を模式的に示しており、図3(b)は単位時間において、所定値以上の大きさの電圧を検出した回数と、その電圧の大きさの合計値を記録した場合を模式的に示している。また図4は図3(b)における記録の状態を模式的に示している。
以下の説明においては、図3(a)の方法で振動を記録した場合を示すが(つまり所定値以上の大きさの電圧を検出した時刻と電圧の大きさを記録した場合を示す)、図3(b)の方法で振動を記録した場合(つまり単位時間において、所定値以上の電圧を検出した回数と、その電圧の大きさの合計値または平均値を記録した場合)であっても同様に実施は可能である。
なお本明細書では加速度センサー2を備えた携帯端末1を説明するが、加速度センサー2を他の機能の一部として携帯端末1に備えていても良い。例えば歩数計機能を備えた携帯端末1における歩数計機能を実現する加速度センサー2を本発明に用いても良い。
移動状況判定部4は、加速度センサー2で検出した、所定値以上の大きさの電圧の検出時刻と電圧の大きさとに基づいて、所定時間における電圧の検出回数を算出し、電圧の検出回数と電圧の大きさとを用いて、携帯端末1の通話音量に対応するポイントを算出する(つまり所持者の移動状況を判定する)。例えば、所定のタイミングから所定時間前(例えば10秒間)までの電圧を検出した時刻と電圧の大きさを記録部3から抽出することで、所定時間における電圧の検出回数と電圧の平均値を算出することにより、ポイントを算出する。電圧検出回数と平均電圧に対して与えられるポイントの概念図を図5(a)に、移動状況判定部4の判定処理の概念を模式化した図を図5(b)に示す。なお以下の実施例においては、携帯端末1の所持者の移動状況としてポイントを用いて処理を行った場合を説明するが、ポイントを用いずに、「停止状態」、「歩行状態」、「歩行/走行状態」、「走行状態」といった情報によっても同様に処理を行うことが出来る。
図5では、電圧検出回数と平均電圧とを各々ポイント化し、それらを加算することによって、通話音量の設定を行っている。この場合、電圧検出回数を3段階に分け、所定のタイミング時点から10秒以前の振動の回数が「0〜14」の時には「0ポイント」、「15〜29」の時には「1ポイント」、「30以上」の時には「2ポイント」とする(図5(a)左図)。
また、所定のタイング時点から10秒以前の電圧の平均値を2段階に分け、平均電圧が所定の基準値未満であればを「0ポイント」、平均電圧が所定の基準値以上であれば「1ポイント」とする(図5(a)右図)。
そして電圧検出回数と平均電圧とを用いて、移動状況判定部4は、携帯端末1の所持者の移動状況(「停止状態」であるか「移動状態」(「歩行状態」、「歩行/走行状態」、「走行状態」)に対応するポイント(合計ポイント)を算出する。つまり、電圧検出回数で選択されたポイントと、平均電圧で選択されたポイントとを合計することにより、合計ポイントを算出する。そして算出した合計ポイントを通話音量設定部5に渡す。なお電圧検出回数が予め定められた回数未満である場合(図5の場合、15回未満である場合)には、合計ポイントとして電圧検出回数のポイントを合計ポイントとしてもよい。
例えば電圧検出回数が「18」で平均電圧が「基準値未満」の場合、電圧検出回数として「1ポイント」、平均電圧として「0ポイント」が選択されるので、合計ポイントは「1ポイント」となる。移動状況設定部は「1ポイント」の情報を通話音量設定部5に渡す。
電圧検出回数が「17」で平均電圧が「基準値以上」の場合、電圧検出回数として「1ポイント」、平均電圧として「1ポイント」が選択されるので、合計ポイントは「2ポイント」となる。移動状況設定部は「2ポイント」の情報を通話音量設定部5に渡す。
また電圧検出回数が「38」で平均電圧が「基準値未満」の場合、電圧検出回数として「2ポイント」、平均電圧として「0ポイント」が選択されるので、合計ポイントは「2ポイント」となる。移動状況設定部は「2ポイント」の情報を通話音量設定部5に渡す。
また電圧検出回数が「37」で平均電圧が「基準値以上」の場合、電圧検出回数として「2ポイント」、平均電圧として「1ポイント」が選択されるので、合計ポイントは「3ポイント」となる。移動状況設定部は「3ポイント」の情報を通話音量設定部5に渡す。
更に、電圧検出回数が「6」で平均電圧が「基準値未満」の場合、電圧検出回数として「0ポイント」、平均電圧として「0ポイント」が選択されるので、合計ポイントは「0ポイント」となる。移動状況設定部は「0ポイント」の情報を通話音量設定部5に渡す。
更に、電圧検出回数が「6」で平均電圧が「基準値以上」の場合、電圧検出回数として「0ポイント」、平均電圧として「1ポイント」が選択されるので、合計ポイントは「1ポイント」となる。移動状況設定部は「1ポイント」の情報を通話音量設定部5に渡す。
なお図5(b)の場合では、電圧検出回数の全てのレベルにおいて電圧の大きさによる判定を行う場合を示したが、図5(c)に示すように、電圧検出回数が所定回数以下または所定回数以上の場合においては、電圧の大きさによる判定を行わずに、電圧検出回数だけで合計ポイントを算出するように構成しても良い。更に、電圧検出回数が所定回数以下または所定回数以上の場合においては、移動状況判定部4において算出した合計ポイントを、すぐに通話音量設定部5に渡すのではなく、その移動状況が連続して定められた回数だけ連続して判定された場合に限り、通話音量設定部5に渡すように構成しても良い。このような構成を採る場合には、移動状況判定部4は、合計ポイントの算出を行うにあたり、併せて携帯端末1の所持者の移動状況(「停止状態」、「移動状態」(「歩行状態」、「歩行/走行状態」、「走行状態」など)を判定し、それを記録しておき、その移動状況が連続して何回続いているかを判定すればよい。
通話音量設定部5は、移動状況判定部4で判定した所持者の合計ポイントに基づいて通話音量の設定を行い、それを記録させる。通話音量の設定としては、携帯端末1毎に異なる音量設定が設けられており、それに応じた設定で行うと良い。なお本明細書では携帯端末1の通話音量の設定は、音量0、音量1、音量2、音量3、音量4、音量5の5段階の場合を説明するが、携帯端末1に応じて適宜変更することが出来る。例えば移動状況判定部4から受け取った合計ポイントが「0ポイント」の時には通話音量レベルの設定変更はせず、通話音量レベルの設定変更はせず、あるいは規定の音量レベルに戻し、合計ポイントが「1ポイント」の時には現在の音量レベルまたは規定の音量レベルから1上げる設定変更を行い、合計ポイントが「2ポイント」の時には現在の音量レベルまたは規定の音量レベルから2上げる設定変更を行い、合計ポイントが「3ポイント」の時には現在の音量レベルまたは規定の音量レベルから3上げる設定変更を行う。
また通話音量設定部5は、現在の音量レベルまたは規定の音量レベルから、合計ポイントに応じた通話音量レベルだけ上げる設定を行うのではなく、ポイントに応じた通話音量レベルに変更する設定を通話音量設定部5が行っても良い。つまり、移動状況判定部4から受け取った合計ポイントが「0ポイント」の時には通話音量を最小値(音量0や音量1)にし、「4ポイント」の時には通話音量を「音量4」に設定しても良い。
なお本発明の携帯端末1では図示をしないが、通話をする機能、電子メールの送受信をする機能、インターネットを利用する機能など、通常の携帯端末1が備える機能を備えている。また本実施例では、通話の開始により記録部3が加速度センサー2での電圧の検出時刻や電圧の大きさの記録を開始する場合を説明するが、所定時間毎に記録をしていても良いし、電話の着信を検出したことにより記録を開始しても良い。
次に本発明の携帯端末1の実施態様を図2のフローチャートを用いて説明する。なお本実施例では通話の開始を検出することにより記録部3が加速度センサー2での、所定値以上の大きさの電圧を検出した時刻や、検出した電圧の大きさの記録を開始する場合を示す。なお電話の着信を検出することによって記録部3が加速度センサー2での、所定値以上の大きさの電圧を検出した時刻や、検出した電圧の大きさの記録を開始するなど、上記以外のタイミングであっても良い。例えば所定時間毎に加速度センサー2で記録を行っていても良い。なお以下の説明では、移動状況判定部4における判定として、図5(b)を用いた場合を説明する。
携帯端末1で電話の着信があり、また所持者が所定の操作を行うことによって、携帯端末1での通話が開始される。これによって携帯端末1には加速度センサー2が備えられているので、携帯端末1の所持者が移動することにより(振動が発生することにより)、加速度センサー2がその振動を検出する(S100)。この振動があったことは、逐次、記録部3に記録される。記録部3には、所定値以上の電圧を検出した時刻、その電圧の大きさが図3に示すように記録される。なお上述したが、記録部3では図3(a)のように記録したり、単位時間毎に(例えば1秒ごとに)、所定値以上の大きさの電圧を検出した回数と、検出した電圧の合計値とを記録するようにしても良い(図3(b))。
このようにして振動を検出する度に電圧を検出した時刻、電圧の大きさの情報を記録部3に記録するが、移動状況設定部は、所定のタイミングでその時点から所定時間前までの電圧の検出回数と、検出した電圧の大きさとを記録部3から抽出する(S110)。所定時間が10秒であり、移動状況判定部4において移動状況を判定する時点が「10時31分19秒92」だとすると、「10時31分09秒92」から「10時31分19秒92」までの電圧検出回数と、その電圧の大きさとを抽出する。
電圧の検出回数については、記録されている時刻数など記録されている情報をカウントすれば判定できる。図3(a)の場合には電圧の検出回数は「19」と判定できる。また電圧の大きさの平均値を算出すると、「0.374ボルト」となる。従って電圧検出回数について「1ポイント」が選択され、また「0.374ボルト」が「基準値未満」であったとすると、平均電圧について「0ポイント」が選択される。
移動状況判定部4は、電圧検出回数により選択されたポイントと、平均電圧により選択されたポイントとを加算して合計ポイントを算出する(S120)。上述の場合、移動状況判定部4は、合計ポイントとして「1ポイント」を算出して、それを通話音量設定部5に渡す。
通話音量設定部5は、合計ポイントとして「1ポイント」を移動状況判定部4から受け取り、携帯端末1における現在の通話音量設定と対比させる。この場合、合計ポイントが「1ポイント」なので、現在の通話音量レベルから1上げた通話音量レベルに設定変更する(S130)。これによって、処理前の通話音量よりも1大きい音で通話を行うことが出来る。
なおS110及びS120において、例えば電圧検出回数が「14」であって、平均電圧が「基準値未満」であったとする。そうすると、電圧検出回数によるポイントが「0ポイント」、平均電圧によるポイントが「0ポイント」となり、合計ポイントも「0ポイント」となる。そして合計ポイントとして「0ポイント」を、移動状況判定部4が通話音量設定部5に渡す。
通話音量設定部5は、合計ポイントとして「0ポイント」を移動状況判定部4から受け取ると、通話音量設定部5は、現在の通話音量レベルの設定を変更しない。
またS110及びS120において、例えば電圧検出回数が「34」の場合には電圧検出回数によるポイントとして「2ポイント」が与えられる。そして平均電圧が「基準値以上」であったとする。そうすると平均電圧によるポイントは「1ポイント」となる。従って合計ポイントは「3ポイント」となり、移動状況判定部4は「3ポイント」を通話音量設定部5に渡す。これを受け取った通話音量設定部5は、現在の通話音量レベルから3上げた通話音量レベルに設定変更する(S130)。
以上のように通話中において、所定のタイミングより所定時間前の電圧検出回数と平均電圧とに基づいて、通話音量を変更することで、自動的に通話音量の設定を変更することが出来る。つまり建物内や着座しているときなどでは、携帯端末1の所持者は移動をしないことが多く、静止状態であることから、振動を検出しない(電圧が検出されない)。その為、通話音量レベルは通常と同じであっても問題はない。一方、携帯端末1の所持者が歩いていたり、走っている場合には振動を検出するので(大きな電圧が検出されるので)、音が聞こえにくくなることから、自動的に通話音量レベルを上げることが好ましく、その処理を行う。また電圧検出回数と平均電圧とを各々ポイント化して処理することで、単に通話音量レベルが上がるように設定させるだけではなく、どれだけ上げたらよいか、的確に通話音量レベルを変更することも出来る。
携帯端末1の移動状況判定部4の処理において、上述の実施例では記録部3に記録した電圧の検出時刻と電圧の大きさとを抽出し、電圧の検出回数と平均電圧とを用いて処理を行ったが、それ以外の方法によっても、携帯端末1の所持者の移動状況を判定する(合計ポイントを算出する)ことも出来る。
まず他の処理方法の第1の方法としては、移動状況判定部4が、所定のタイミングで、その時点から所定時間前(例えば10秒間)の電圧の検出時刻と電圧の大きさを記録部3から抽出し、電圧の検出回数と電圧の大きさが基準値を超えた回数とに基づいて判定を行う。本実施例の場合の判定の概念図を図6に模式的に示す。図6(a)は電圧検出回数とポイント、電圧の大きさが基準値を超えた回数とポイントを模式的に示すものである。図6(b)は本実施例における電圧検出回数と電圧の大きさが基準値を超えた回数とを用いた場合の通話音量の制御を模式的に示す図である。また図6(c)は、図6(b)の判定において、電圧検出回数が所定値以下の場合に電圧の大きさを用いた判定を行わない場合をを模式的に示している。
移動状況判定部4が、所定のタイミングで、その時点から所定時間前(例えば10秒間)の電圧の検出時刻と電圧の大きさを記録部3から抽出し、電圧の検出回数と電圧の大きさが所定の基準値を超えた回数とに基づいて判定を行う。
例えば判定の基準が図6(b)のような場合、移動状況判定部4は、記録部3から10秒間の電圧の検出時刻と電圧の大きさを抽出する。そしてその10秒間の振動において、電圧の検出回数と、電圧の大きさが基準値(これは予め定められている)以上(または基準値を超えた)となった回数をカウントする。そして電圧の検出回数と、電圧の大きさが基準値以上となった回数とを用いて、携帯端末1の所持者の移動状況を判定(合計ポイントを算出)する(S120)。つまり、電圧の検出回数によるポイントと、電圧の大きさが基準値以上となった回数によるポイントを判定し、それらの合計である合計ポイントを算出する。そして算出した合計ポイントの情報を通話音量設定部5に渡す。
通話音量設定部5は、移動状況判定部4から受け取った合計ポイントに基づいて、通話音量の設定変更を行う(S130)。即ち、合計ポイントとして「1ポイント」を受け取っていたら、現在の通話音量レベルまたは規定の通話音量レベルから1上げる設定変更を行ったり、通話音量レベルを1にする設定変更を行う。また合計ポイントとして「3ポイント」を受け取っていたら、現在の通話音量レベルまたは規定の通話音量レベルから3上げる設定変更を行ったり、通話音量レベルを3にする設定変更を行う。
移動状況判定部4における他の処理の第2の方法は、電圧の大きさと時間との関係に基づいて判定の処理を行うものである。つまり、所定時間において、電圧の大きさが所定値未満になった時点(電圧の大きさが所定値未満とは、加速度センサー3で検出した電圧のうち、記録部3に記録する閾値である所定値を指す。つまり加速度センサー3で検出した電圧のうち、記録部3に記録されない電圧の大きさになった時点となる)をx軸に用いて、その時点の間隔と振幅とによって構成される任意の形状(三角形以上の多角形を含む)の面積を算出することによって、移動状況を判定する(合計ポイントを算出する)方法である。図7にその概念図を模式的に示す。また図8(a)は電圧検出回数とポイント、移動状況判定部4が算出した面積とポイントを模式的に示すものである。図8(b)は本実施例における電圧検出回数と電圧を用いて算出された面積とを用いた場合の通話音量の制御を模式的に示す図である。また図8(c)は、図8(b)の判定において、電圧検出回数が所定値以下の場合に電圧の大きさを用いた判定を行わない場合をを模式的に示している。
移動状況判定部4が、所定のタイミングで、その時点から所定時間前(例えば10秒間)の電圧の検出時刻と電圧の大きさを記録部3から抽出する。この際に、電圧の大きさが所定値未満となった時点を判定する。図7では電圧の大きさが所定値未満になった時点はt1からt8である。なお電圧の大きさが所定値未満になった時点は、常に電圧の大きさを記録部3に記録している場合には、電圧の大きさが所定値未満となった時刻を用いることが出来るし、電圧を検出した場合にその電圧の大きさを記録部3に記録しているだけの場合には、電圧を検出した時点の前後の所定微小時間を、電圧の大きさが所定値未満の時点として用いても良い。
そして所定時間内で検出した電圧の大きさを面積として移動状況判定部4は算出する。例えば図7の場合、t1からt8が電圧の大きさは所定値未満の時点なので、それらの間隔とその間の電圧の大きさとによって構成される形状の面積を算出する。この面積は図7では三角形の面積を算出している。また電圧の大きさが所定値未満の間は、各々1回ずつの振動が発生している場合である。従って、
(数1)
面積Si=間隔(ti−ti−1)×電圧の大きさhi÷2
によって一つの間隔あたりの面積Siを算出し、それらを所定時間分、合計することによって、電圧の大きさを評価する。
そして電圧の検出回数と、電圧を用いて算出した面積とを用いて、携帯端末1の所持者の移動状況を判定(合計ポイントを算出)する(S120)。つまり、電圧の検出回数によるポイントと、電圧を用いて算出した面積が基準値未満であるか基準値以上であるかによるポイントを判定し、それらの合計である合計ポイントを算出する。そして算出した合計ポイントの情報を通話音量設定部5に渡す。
通話音量設定部5は、移動状況判定部4から受け取った合計ポイントに基づいて、通話音量の設定変更を行う(S130)。即ち、合計ポイントとして「1ポイント」を受け取っていたら、現在の通話音量レベルまたは規定の通話音量レベルから1上げる設定変更を行ったり、通話音量レベルを1にする設定変更を行う。また合計ポイントとして「3ポイント」を受け取っていたら、現在の通話音量レベルまたは規定の通話音量レベルから3上げる設定変更を行ったり、通話音量レベルを3にする設定変更を行う。
なお、図7では三角形の面積を算出するようにしているが、その他にも長方形、任意の多角形としてもよい。これは電圧の大きさが所定値未満にならないで、連続的に電圧を検出している場合にはこのような形状となることが多い。このように、所定時間分の、電圧の大きさが所定値未満になった時点の間隔と電圧の大きさとによって構成される任意の形状(三角形以上の多角形を含む)の面積を算出することによって、移動状況を判定する(合計ポイントを算出する)ことも出来る。
更に、所定時間において、電圧の大きさが所定値未満になる間に複数の電圧の検出がある場合には、図9に示すように、面積を求める対象となる形状が多角形になる場合もある。この場合には、電圧の大きさが所定値未満になった時点をx軸に用いて、その時点の間隔と電圧の大きさとによって構成される任意の形状の面積を算出する場合であっても良い。図9にその概念図を模式的に示す。図9に示す場合では、t0、t1、t2、t3、t4、t5の時点が電圧の大きさが所定値未満になった時点を示しており、(t0,h1,t1)により構成される形状、(t1,h3,h4,h5,h6,h7,t2)により構成される形状、(t2,h9,h10,h11,h12,h13,h14,h15,h16,h17,t3)により構成される形状、(t3,h19,h20,h21,t4)により構成される形状、(t4,h23,t5)により構成される形状の面積を求めても良い。
例えば移動状況判定部4は、記録部3から10秒間の電圧の検出時刻とそれらの電圧の大きさとを抽出する。そして所定時間における電圧の検出回数を判定する。電圧の検出回数と、電圧の大きさについて算出した面積(数1で算出した面積)とを用いて、携帯端末1の所持者の移動状況を判定(合計ポイントを算出)する(S120)。そして算出した合計ポイントを通話音量設定部5に渡す。
通話音量設定部5は、移動状況判定部4から受け取った合計ポイントに基づいて、通話音量の設定変更を行う(S130)。
上述の数1では電圧の大きさが所定値未満になった時点の間隔と、電圧の大きさとによって構成される形状の面積を算出したが、所定時間分の、単位時間と振幅とによって構成される任意の形状(三角形以上の多角形を含む)の面積を算出することによって、移動状況を判定するように構成しても良い。図10にその場合の概念図を模式的に示す。
この場合、移動状況判定部4が、例えば所定のタイミングで、その時点から所定時間前(例えば10秒間)の電圧の検出時刻と電圧の大きさを記録部3から抽出する。この際に、所定時間は、所定の単位時間(例えば0.1秒ごと、0.5秒ごと、1秒ごと、あるいは微小時間などの任意の時間。なお所定時間=単位時間としても良い)に分けられる。そしてその単位時間内に検出した電圧における大きさを面積として移動状況判定部4は算出する。例えば図10の場合、所定時間は、p1からp8の単位時間に分割され、その各単位時間において各々1回ずつの振動が発生している。
そのため、各単位時間あたりの面積を算出する。この面積は図10では三角形の面積を算出している。従って、
(数2)
面積Si=単位時間pi×電圧の大きさhi÷2
によって単位時間piあたりの面積Siを算出し、それらを所定時間分、合計することによって、移動状況判定部4は、電圧を用いた面積を算出することが出来る。そして電圧の検出回数と、電圧を用いて算出した面積とを用いて、携帯端末1の所持者の移動状況を判定(合計ポイントを算出)する(S120)。つまり、電圧の検出回数によるポイントと、電圧を用いて算出した面積が基準値未満であるか基準値以上であるかによるポイントを判定し、それらの合計である合計ポイントを算出する。そして算出した合計ポイントの情報を通話音量設定部5に渡す。
通話音量設定部5は、移動状況判定部4から受け取った合計ポイントに基づいて、通話音量の設定変更を行う(S130)。
図10では三角形の面積を算出するようにしているが、その他にも長方形や任意の多角形であっても良い。特に単位時間を1秒のように長い時間として設定していると、その単位時間内に複数の電圧の検出が発生しうる。そうするとこの面積は多角形となるので、当該単位時間に於ける面積は多角形となる。このように、所定時間分の、単位時間と電圧の大きさとによって構成される、任意の形状(三角形以上の多角形を含む)の面積を算出することによって、移動状況を判定することも出来る。
移動状況判定部4における他の処理の第3の方法は、所定時間内の電圧の検出における電圧の大きさにおいて、前回の電圧の大きさとの差(一つ前の電圧の大きさのみならず、任意に設定可能である)の絶対値を算出し、それらの値の合計を算出することで、移動状況を判定する方法である。これは、加速度センサー2で検出する電圧の大きさは加速度の大きさと比例していることから、電圧の大きさの差の総和が大きいほど、不規則な動きが大きいと考えられる。不規則な動きをしているときは、移動しながら話していたり、何かに集中していたりしていると思われ、大きな音量レベルやバイブレーション機能のレベル、着信音を鳴らすか鳴らさないかの設定の方が、気づきやすいと考えられる。図11にその概念図を模式的に示す。また図12(a)は電圧検出回数とポイント、所定数前の電圧の大きさの差の絶対値の総和とポイントを模式的に示すものである。図12(b)は本実施例における電圧検出回数と所定数前の電圧の大きさの差の絶対値の総和とを用いた場合の通話音量の制御を模式的に示す図である。また図12(c)は、図12(b)の判定において、所定数前の電圧の大きさの差の絶対値の総和を用いた判定を行わない場合を模式的に示している。
移動状況判定部4は、記録部3から10秒間の電圧の検出時刻と電圧の大きさを抽出する。そしてその10秒間の振動において、電圧の検出回数と、所定数前の電圧の大きさの差の絶対値を算出し、その総和を算出する。そして電圧の検出回数と、電圧の大きさの絶対値の総和とを用いて、携帯端末1の所持者の移動状況を判定(合計ポイントを算出)する(S120)。また電圧の検出回数によるポイントと、電圧の大きさの差の絶対値の総和によるポイントを判定し、それらの合計である合計ポイントを算出する。そして算出した合計ポイントの情報を通話音量設定部5に渡す。
通話音量設定部5は、移動状況判定部4から受け取った合計ポイントに基づいて、通話音量の設定変更を行う(S130)。即ち、合計ポイントとして「1ポイント」を受け取っていたら、現在の通話音量レベルまたは規定の通話音量レベルから1上げる設定変更を行ったり、通話音量レベルを1にする設定変更を行う。また合計ポイントとして「3ポイント」を受け取っていたら、現在の通話音量レベルまたは規定の通話音量レベルから3上げる設定変更を行ったり、通話音量レベルを3にする設定変更を行う。
なお実施例2から実施例4において、電圧の検出回数が所定の基準値未満であった場合(例えば10回未満の場合)においても実施例1と同様に、電圧の大きさによる判定を行わずに、電圧検出回数だけで合計ポイントを算出するように構成しても良い(図6(c)、図8(c)、図12(c))。更に、電圧検出回数が所定回数以下または所定回数以上の場合においては、移動状況判定部4において算出した合計ポイントを、すぐに通話音量設定部5に渡すのではなく、その移動状況が連続して定められた回数だけ連続して判定された場合に限り、通話音量設定部5に渡すように構成しても良い。このような構成を採る場合には、移動状況判定部4は、合計ポイントの算出を行うにあたり、併せて携帯端末1の所持者の移動状況(「停止状態」、「移動状態」(「歩行状態」、「歩行/走行状態」、「走行状態」など)を判定し、それを記録しておき、その移動状況が連続して何回続いているかを判定すればよい。
本発明によって、携帯端末1の所持者が歩いているのか、静止しているのかなどの移動状況に応じて、携帯端末1の通話音量を制御することが可能となる。例えば、携帯端末1の所持者が静止していると判定される場合には通話音量を変更せず、携帯端末1の所持者が移動していると判定される場合に通話音量を上げる設定へと自動的に変更する携帯端末1が可能となる。これによって、携帯端末1の所持者が歩いている場合であったとしても、自動的に通話音量の調節がなされるので、通話相手とスムースな会話が可能となる。また振動の回数と平均振幅とをポイント化して処理することによって、通話音量のレベルを考慮した設定をすることが出来る。これによって、所持者の移動状況に応じた通話音量の設定を的確に行うことが出来る。
本発明の携帯端末のシステム構成の一例を示す概念図である。
本発明の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
記録部の一例を模式的に示す図である。
図3(b)における記録方式の概念図である。
実施例1の移動状況の判定処理を模式的に示した一例である。
実施例2の移動状況の判定処理を模式的に示した一例である。
実施例3の概念を模式的に示した図である。
実施例3の移動状況の判定処理を模式的に示した一例である。
実施例3における面積の他の算出方法の概念を模式的に示した図である。
実施例3における面積の他の算出方法の概念を模式的に示した図である。
実施例4の概念を模式的に示した図である。
実施例4の移動状況の判定処理を模式的に示した一例である。
符号の説明
1:携帯端末
2:加速度センサー
3:記録部
4:移動状況判定部
5:通話音量設定部