JP6695555B2 - 試料気化ユニット及びそれを備えたガスクロマトグラフ - Google Patents
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Description
シールキャップ4は、上面に試料注入用のニードル6を挿通させるための試料注入口5と、当該試料注入口5を塞ぐセプタム7とを備えており、セプタム7はニードル6が挿通可能な弾性材料で形成されている。また、シールキャップ4の側面には、試料気化室2にキャリアガスを導入するための配管8と接続されるキャリアガス導入口10が設けられており、シールキャップ4とケーシング1との間隙には、弾性材料からなるシールリング9が挟み込まれている。
測定試料は、試料注入口5に挿通されたニードル6から高温の試料気化室2に注入されてインサート3内で気化し、気化した試料ガスはキャリアガス導入口10から導入されたキャリアガスによってガス流出口16から分析カラムBに送り込まれる。そして、分析カラムBで試料ガスが分離され、検出器Cにおいて分離成分ごとに検出される(特許文献1、2参照)。
シールキャップ4の着脱手段としては、ケーシング1側に設けられた外ネジとシールキャップ4側に設けられた内ネジを螺合させて取り付けるようにした構造が一般的である。しかし、このような構造では、インサート3を着脱するときに、スパナ等の工具を使ってシールキャップ4を回転させて取り外すことになるが、試料注入口5の周辺にはキャリアガス導入用の配管8等が存在するため工具を動かしにくく、作業が困難になる。
また、シールキャップを取り付けるときには、回動レバーによってシールキャップの回動部を螺旋溝のストローク分だけ回動させて固定するのであるが、このとき、ピンと螺旋溝とはユーザ自身が手動で回動操作できる程度の摩擦力で接しているため、螺旋溝の傾斜面下位側にピンが係合する凹部がない場合は、誤って回動部の回動レバー等に工具等が触れることにより回動部が回動して、試料気化ユニット内部の気密性が失われるといった不具合の発生するおそれがある。本発明では、シールキャップを取り付けたときに、ピンは螺旋溝の傾斜面下位側で凹部に係合するため、シールキャップを安定した状態で取り付け位置に定着してロックさせることができ、上記した不具合の発生を未然に防止することができる。
これにより、シールキャップを取り付けるときにバランスよく下方に締め付けて固定することができる。
さらには、前記固定部の係合手段が前記固定部から側方に向かって延びる固定用爪片を備え、この固定用爪片が前記カラムオーブンに形成された固定用の受部に係合するように形成されているようにしてもよい。
本発明のガスクロマトグラフは、上記の試料気化ユニットを備えているので、試料気化ユニットのインサートの着脱作業が容易になり、メンテナンス作業の効率を向上させることができる。
ガスクロマトグラフは、上述したように、試料気化ユニットA、分析カラムB、検出器C及びカラムオーブンDを備えており、分析カラムBの一端は試料気化ユニットAの下端に接続され、他端は検出器Cに接続されている。
さらに、固定部14bには、試料気化室12にキャリアガスを導入するための配管8と接続されるキャリアガス導入口18が設けられており、シールキャップ14とケーシング11との間隙には、弾性材料からなるシールリング19が挟み込まれている。このシールリング19によって、ケーシング11とシールキャップ14との間隙、及び、試料気化室12の内壁とインサート13の上端部分との間隙が気密に封止される。
また、回動レバー24による回動部14aの回動時において、キャリアガス導入用の配管8を接続する固定部14bは回動しないため、配管8等に留意することなく容易にシールキャップ14の開閉操作を行うことができる。
また、本発明は、必ずしも上記の実施形態のみに特定されるものではなく、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
B 分析カラム
C 検出器
D カラムオーブン
6 ニードル
8 配管
11 ケーシング
11a 上端突出部
12 試料気化室
13 インサート
14 シールキャップ
14a 回動部
14b 固定部
14c 中心軸
15 試料注入口
16 ガス流出口
17 セプタム
18 キャリアガス導入口
19 シールリング
20 螺旋溝
21 挿入部
22 凹部
23 環状溝
24 回動レバー
25 ピン
26 固定用爪片
27 受部
Claims (5)
- 上面が開口された試料気化室を有し、前記試料気化室にインサートを収容するケーシングと、
前記試料気化室の上面開口部を封止するとともにセプタムで塞がれた試料注入口を上面に有するシールキャップとからなり、
前記ケーシングの円筒状の上端がカラムオーブンの上面から突出した状態で形成され、この上端突出部の外周面に螺旋溝が形成されており、
前記シールキャップは、回動部と固定部とで構成され、筒状の中心軸により分離できないように連結されており、
前記シールキャップの前記回動部は、外方に延びる回動レバーを備えるとともに前記中心軸の周りで回動可能に形成され、かつ、前記回動部の下面に前記ケーシングの前記上端突出部に対して回動可能に嵌まり込む環状溝を備え、この環状溝の外側内壁に内方に向かって突出するピンが設けられており、前記螺旋溝の傾斜面上位側に前記ピンを上方から受け入れる挿入部が設けられ、前記螺旋溝の傾斜面下位側に前記ピンが係合する凹部が設けられており、
前記シールキャップの前記固定部は、前記カラムオーブンもしくはこれに連なる部分に係合して前記固定部の回動を阻止する係合手段を備え、
さらに、前記シールキャップの前記固定部には、前記試料気化室へキャリアガスを導入するための配管が接続され、前記ケーシングには、前記試料気化室で気化した試料を前記分析カラムに送り込むためのガス流出口が設けられていることを特徴とする試料気化ユニット。 - 前記螺旋溝並びに前記ピンは、それぞれ互いに対向する位置に2箇所設けられている請求項1に記載の試料気化ユニット。
- 前記シールキャップと前記ケーシングとの間隙に装着され、前記試料気化室の内壁と前記インサートの上端部分との間隙を封止する弾性材料製のシールリングを備えた請求項1又は請求項2に記載の試料気化ユニット。
- 前記固定部の係合手段は、前記固定部から側方に向かって延びる固定用爪片を備え、この固定用爪片が前記カラムオーブンに形成された固定用の受部に係合するように形成されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の試料気化ユニット。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の試料気化ユニットと、前記試料気化ユニットに注入された試料の分析を行う分析カラムと、前記分析カラムで分析された前記試料を検出する検出器とを備えたガスクロマトグラフ。
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JP2018221828A JP6695555B2 (ja) | 2018-11-28 | 2018-11-28 | 試料気化ユニット及びそれを備えたガスクロマトグラフ |
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