JP6695496B2 - 鞍乗型車両の懸架構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗型車両の懸架構造に関する。
本願は、2017年03月27日に、日本に出願された特願2017−061862号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、鞍乗型車両の懸架構造において、パワーユニットにおけるエンジンが、防振リンクを介して車体フレームにおける後部フレームに支承されるものが開示されている(例えば特許文献1参照)。
防振リンクは、エンジンに設けられた左右一対のエンジン側ブラケットと、一端が各エンジン側ブラケットに揺動可能に連結されるとともに他端が後部フレームのフレーム主部に揺動可能に連結された左右一対のリンクと、両リンク間を連結するクロスメンバと、後部フレームの補強フレーム部に当接するようにして一方のリンクに設けられた一対のストッパラバーと、を備えている。各エンジン側ブラケットには、両リンクの一端に連結されて水平に配置されるボルト(以下「エンジン側ボルト」ともいう。)がゴムブッシュ(以下「エンジン側ゴムブッシュ」ともいう。)を介して支承されている。フレーム主部には、両リンクの他端に連結されて水平に配置されるボルト(以下「後部フレーム側ボルト」ともいう。)がゴムブッシュ(以下「後部フレーム側ゴムブッシュ」ともいう。)を介して支承されている。補強フレーム部の下面には、ストッパラバーを当接させる当接面が形成されている。
上記防振リンクでは、パワーユニットのエンジンからエンジン側ボルトに作用する荷重は、エンジン側ゴムブッシュの弾性変形によって吸収されるとともに、ストッパラバーが当接面に押し付けられて弾性変形することにより吸収され、さらに後部フレーム側ゴムブッシュの弾性変形によっても吸収される。
日本国特開2000−313389号公報
しかしながら、車体フレームでエンジンの揺動を規制するため、車体フレームの剛性を高める必要がある。
そこで本発明は、鞍乗型車両の懸架構造において、車体フレームの剛性を高めることなくエンジンの揺動を規制することを目的とする。
上記課題の解決手段として、本発明の態様は以下の構成を有する。
(1)本発明の第一の態様に係る鞍乗型車両の懸架構造は、車体フレームと、エンジンを含むとともに前記車体フレームに揺動可能に支持されるパワーユニットと、一端が前記車体フレームの側に揺動可能に連結されるとともに、他端が前記パワーユニットの側に揺動可能に連結されるリンク部材と、を備え、前記エンジンのクランクケースには、前記パワーユニットの揺動を規制する揺動規制部が設けられていて、前記揺動規制部は、前記クランクケースと一体に形成された規制壁部を備え、前記リンク部材の他端部には、下方に延出する下方延出部が設けられ、前記パワーユニットの前上部には、上方に開口するとともに、前記下方延出部が嵌入される凹部が設けられている。
(2)上記(1)に記載の鞍乗型車両の懸架構造では、側面視で、前記リンク部材は、前記車体フレームの側から斜め後ろ下方に延出した後、斜め前下方に延出して前記パワーユニットの側に連結されてもよい。
(3)本発明の第二の態様に係る鞍乗型車両の懸架構造は、車体フレームと、エンジンを含むとともに前記車体フレームに揺動可能に支持されるパワーユニットと、一端が前記車体フレームの側に揺動可能に連結されるとともに、他端が前記パワーユニットの側に揺動可能に連結されるリンク部材と、を備え、前記エンジンのクランクケースには、前記パワーユニットの揺動を規制する揺動規制部が設けられていて、前記揺動規制部は、前記クランクケースと一体に形成された規制壁部を備え、側面視で、前記リンク部材は、前記車体フレームの側から斜め後ろ下方に延出した後、斜め前下方に延出して前記パワーユニットの側に連結される。
(4)上記(3)に記載の鞍乗型車両の懸架構造では、前記リンク部材の他端部には、下方に延出する下方延出部が設けられ、前記パワーユニットの前上部には、上方に開口するとともに、前記下方延出部が嵌入される凹部が設けられてもよい。
(5)上記(2)又は(4)に記載の鞍乗型車両の懸架構造では、前記揺動規制部は、車両前後方向に延在する前記パワーユニットの前上部に設けられてもよい。
(6)上記(5)に記載の鞍乗型車両の懸架構造では、前記下方延出部は、前記パワーユニットの揺動方向と交差する車幅方向に延在する延在壁部を備え、前記凹部には、前記延在壁部を挟んで前記揺動方向に膨出する弾性部材が嵌入されてもよい。
(7)上記(6)に記載の鞍乗型車両の懸架構造では、前記下方延出部は、前記延在壁部の側端に繋がるとともに、前記弾性部材を側方から挟む一対の側壁部を更に備えてもよい。
(8)上記(7)に記載の鞍乗型車両の懸架構造では、前記リンク部材の前方には、スロットルボディが配置され、前記リンク部材の上方には、前記スロットルボディとエアクリーナとを繋ぐコネクティングチューブが配置されてもよい。
(9)上記(1)から(8)の何れか一項に記載の鞍乗型車両の懸架構造では、車体左右中心線に対して左右一側には、変速機が配置され、前記リンク部材の他端部の中心は、前記車体左右中心線に対して前記変速機が配置された側にオフセットしてもよい。
(10)上記(1)から(9)の何れか一項に記載の鞍乗型車両の懸架構造では、前記クランクケースには、車体に連結される連結部が設けられ、前記リンク部材の他端部の中心は、車体左右中心線に対して車幅方向一方側にオフセットしており、前記車体左右中心線に対して車幅方向他方側には、車幅方向に延びる連結パイプと、前記連結部とを橋架するステーが設けられてもよい。
本発明の上記(1)に記載の鞍乗型車両の懸架構造によれば、エンジンのクランクケースには、パワーユニットの揺動を規制する揺動規制部が設けられていることで、車体フレームに揺動規制部を設ける場合と比較して、車体フレームの剛性を高めることなくエンジンの揺動を規制することができる。ところで、車体フレームの剛性を高めるためには、車体フレームに曲げ加工を施したり補強部材を設けたりする必要がある。そのため、懸架構造が複雑化したり部品点数が増加したりし、懸架構造の大型化及び重量化を招く可能性が高い。これに対し、クランクケース自体の剛性が高いため、クランクケースに簡素な構造で揺動規制部を設けることができ、懸架構造の大型化及び重量化を抑制することができる。
本発明の上記(2)に記載の鞍乗型車両の懸架構造によれば、揺動規制部が、クランクケースと一体に形成された規制壁部を備えることで、揺動規制部をクランクエースと別個独立に設けた場合と比較して、部品点数を削減することができ、懸架構造の簡素化及び軽量化を図ることができる。
例えば、規制壁部をクランクケースとともに鋳造で一体に成形することができるため、好適である。
本発明の上記(3)に記載の鞍乗型車両の懸架構造によれば、揺動規制部が、車両前後方向に延在するパワーユニットの前上部に設けられていることで、リンク部材の他端がパワーユニットの前上部に揺動可能に連結される、いわゆる上リンク方式のパワーユニット(以下「上リンクユニットスイングエンジン」ともいう。)において、車体フレームの剛性を高めることなくエンジンの揺動を抑制することができる。
本発明の上記(4)に記載の鞍乗型車両の懸架構造によれば、リンク部材の他端部には、下方に延出する下方延出部が設けられ、パワーユニットの前上部には、上方に開口するとともに、下方延出部が嵌入される凹部が設けられていることで、エンジンの揺動を規制する機構(以下「リンクストッパ」ともいう。)をリンク部材の他端部とは別個独立に設けた場合と比較して、部品点数を削減することができ、懸架構造の簡素化及び軽量化を図ることができる。
本発明の上記(5)に記載の鞍乗型車両の懸架構造によれば、下方延出部は、パワーユニットの揺動方向と交差する車幅方向に延在する延在壁部を備え、凹部には、延在壁部を挟んで揺動方向に膨出する弾性部材が嵌入されていることで、パワーユニットの揺動時に生じる荷重を弾性部材の弾性変形によって吸収することができる。
本発明の上記(6)に記載の鞍乗型車両の懸架構造によれば、下方延出部は、延在壁部の側端に繋がるとともに、弾性部材を側方から挟む一対の側壁部を更に備えることで、下方延出部が延在壁部のみを備えた場合と比較して、下方延出部の剛性を高めることができる。加えて、弾性部材を一対の側壁部の間に収めることができ、弾性部材の小型化を図ることができる。
本発明の上記(7)に記載の鞍乗型車両の懸架構造によれば、側面視で、リンク部材は、車体フレームの側から斜め後ろ下方に延出した後、斜め前下方に延出してパワーユニットの側に連結されることで、リンク部材の前方及び上方に空間が形成されるため、車両部品の配置自由度を向上することができる。
本発明の上記(8)に記載の鞍乗型車両の懸架構造によれば、リンク部材の前方には、スロットルボディが配置され、リンク部材の上方には、スロットルボディとエアクリーナとを繋ぐコネクティングチューブが配置されていることで、以下の効果を奏する。リンク部材の前方空間及び上方空間に、それぞれ車両部品としてスロットルボディ及びコネクティングチューブを配置することができるため、懸架構造の周辺部品を集約することができる。したがって、車両全体のコンパクト化を図る上で好適である。
本発明の上記(9)に記載の鞍乗型車両の懸架構造によれば、車体左右中心線に対して左右一側には、変速機が配置され、リンク部材の他端部の中心は、車体左右中心線に対して変速機が配置された側にオフセットしていることで、車体左右中心線に対して変速機が配置された側にパワーユニットの重量が偏る場合でも、パワーユニットを車体フレームに安定して支持することができる。
本発明の上記(10)に記載の鞍乗型車両の懸架構造によれば、クランクケースには、車体に連結される連結部が設けられ、リンク部材の他端部の中心は、車体左右中心線に対して車幅方向一方側にオフセットしており、車体左右中心線に対して車幅方向他方側には、車幅方向に延びる連結パイプと、上記連結部とを橋架するステーが設けられていることで、リンク部材の他端部の中心が車体左右中心線に対して車幅方向一方側にオフセットする場合でも、車両後部の安定性を向上させることができる。
本発明の第一実施形態における自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車の要部の右側面図である。 上記自動二輪車のエンジン懸架構造の上面図であって、図2のIII−III断面を含む図である。 上記エンジン懸架構造の前面図であって、図3のIV−IV断面を含む図である。 上記エンジン懸架構造の左側面図であって、図3のV−V断面を含む図である。 上記自動二輪車の伝達ケースにおける内ケースの右側面図である。 上記エンジン懸架構造のリンク部材の左側面図である。 上記リンク部材の後面図である。 上記リンク部材の下面図である。 上記エンジン懸架構造の弾性部材の前面図である。 上記エンジン懸架構造の弾性部材の上面図である。 第二実施形態におけるリンク部材の左側面図である。 第二実施形態におけるリンク部材の後面図である。 第二実施形態における弾性部材の挟持状態を示す後面図である。 第三実施形態におけるリンク部材の左側面図である。 第三実施形態におけるリンク部材の後面図である。 第三実施形態におけるリンク部材の下面図である。 第三実施形態における弾性部材の挟持状態を示す後面図である。 第三実施形態における弾性部材の挟持状態を示す下面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、及び車両上方を示す矢印UPが示されている。
(第一実施形態)
<車両全体>
図1は、鞍乗型車両の一例としてのユニットスイング式の自動二輪車1を示す。図1を参照し、自動二輪車1は、ハンドル2によって操向される前輪3と、動力源を含むパワーユニット10によって駆動される後輪4とを備えている。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。実施形態の自動二輪車1は、シート8に着座した乗員が足を載せるステップフロア9を有するスクータ型の車両である。
ハンドル2及び前輪3を含むステアリング系部品は、車体フレーム11の前端のヘッドパイプ12に操向可能に枢支されている。車体フレーム11の外周は車体カバー5で覆われている。図1において、符号6はフロントフォークを示す。
車体フレーム11は、複数種の鋼材を溶接等により一体に接合して形成されている。図2に示すように、車体フレーム11は、その前端部に位置するヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12から斜め後下方へ延びるダウンフレーム13と、ダウンフレーム13の下端から後方へ向けて実質的に水平に延びる左右一対のロアフレーム14と、左右ロアフレーム14の後端から斜め後上方へ延びる左右一対のシートフレーム15と、左右ロアフレーム14の後端の車幅方向間を渡すロア側クロスメンバ16と、を備えている。
左右シートフレーム15は、左右ロアフレーム14から後上がりに延びる傾斜部15aと、傾斜部15aの後端から車体フレーム11の後端まで実質的に水平に延びる水平部15bと、を備えている。
車体フレーム11は、左右シートフレーム15において傾斜部15a下部の車幅方向間を渡すボックス支持フレーム17、傾斜部15a下部から車幅方向外側に延出する側方延出部材18、傾斜部15aから後下方に突出するピボットプレート19、水平部15bの前端の車幅方向間を渡すシート前クロスメンバ20、及び水平部15bの後端の車幅方向間を渡すシート後クロスメンバ21を更に備えている。
パワーユニット10は、内燃機関であるエンジン30と、後輪4を支持するアーム部31とが一体化されたユニットスイング式のパワーユニットである。
アーム部31は、中空のケース状に形成された伝達ケース50を有する。伝達ケース50の内部には、エンジン30の出力を後輪4に伝達する変速機49(図3参照)が収容されている。例えば、変速機49は、ドライブプーリ、ドリブンプーリ及びVベルトを備えている。変速機49は、ベルト式無段変速機である。図1に示すように、アーム部31の左側には、エンジン30を始動するためのキックペダル32が設けられている。図1において、符号22はセンタースタンド、符号23はサイドスタンドをそれぞれ示す。
図2に示すように、パワーユニット10は、クランクケース34の上方に配置されたリンク部材60を介して、車体フレーム11に揺動可能に支持されている。リンク部材60は、一端が車体フレーム11の側に揺動可能に連結されるとともに、他端がパワーユニット10の側に連結されている。以下、車体フレーム11の構成要素において、左側に配置された構成要素には「L」、右側に配置された構成要素には「R」を付すことがある。図3において、符号CLは、車体左右中心線を示す。
図3に示すように、左右ピボットプレート19L,19Rは、車幅方向内側に位置するピボットプレート内壁19aと、車幅方向外側に位置するピボットプレート外壁19bと、を備えている。ピボットプレート内外壁19a,19bには、ピボットプレート内外壁19a,19bの車幅方向間を渡すピボット軸19cの挿通孔19h,19i(以下「ピボットプレート内壁孔19h」、「ピボットプレート外壁孔19i」ともいう。)が形成されている。リンク部材60の一端(左右ピボット側軸支部61L,61R)は、左右ピボット軸19cを介して、左右ピボットプレート19L,19Rに連結されている。便宜上、図3においては、左ピボットプレート19Lにおけるピボットプレート内外壁孔19h,19iを示す。
図2に示すように、パワーユニット10は、ピボット軸19cを中心に揺動する。図2において、矢印V1は、ピボット軸19cを中心としたパワーユニット10の揺動方向を示している。アーム部31とシートフレーム15との間には、パワーユニット10の揺動を減衰するリヤクッション7が掛け渡されている。
エンジン30は、車幅方向に延びるクランク軸33を収容するクランクケース34と、クランクケース34の前端部から前上方へ起立するシリンダ35と、を備えている。
シリンダ35は、クランクケース34の側から順に、シリンダブロック35a、シリンダヘッド35b及びヘッドカバー35cを備えている。
図3に示すように、シリンダヘッド35bの上壁には、吸気管25が接続されている。吸気管25は、後方に延びてスロットルボディ26に接続されている。スロットルボディ26は、コネクティングチューブ27によってエアクリーナボックス28に接続されている。なお、図3において、符号39はバッテリユニットを示す。
図2に示すように、エアクリーナボックス28は、パワーユニット10におけるアーム部31の上部に支持されている。これにより、エアクリーナボックス28(以下単に「エアクリーナ28」ともいう。)は、パワーユニット10と一体に揺動するようになっている。
シリンダヘッド35bの下壁には、排気管36が接続されている。排気管36は、シリンダヘッド35bの下壁から下方に引き出された後に湾曲して後方に延びている。排気管36の後端は、後輪4の右側方に配置されたマフラー37に接続されている。マフラー37は、ステー38を介してクランクケース34の右後部に固定されている。
アーム部31は、クランクケース34の左後部から後輪4の左側方まで後方に延びている。後輪4は、アーム部31の後端部の後輪車軸4aに軸支されている。後輪4は、アーム部31によって片持ちで支持されている。
アーム部31における伝達ケース50は、車幅方向左側において前後方向に延びている。図6に示すように、伝達ケース50の前上部には、車体に連結される連結部51が設けられている。連結部51は、伝達ケース50の前上部(すなわち、クランクケース34の上部)から上方に突出している。
図4に示すように、連結部51は、クランクケース34の上部において左右一対設けられている。以下、左側の連結部51Lを「クランクケース左壁51L」、右側の連結部51Rを「クランクケース右壁51R」ともいう。クランクケース左右壁51L,51Rには、クランクケース左右壁51L,51Rの車幅方向間を渡すボルトの軸51cの挿通孔51h,51i(以下「クランクケース左壁孔51h」、「クランクケース右壁孔51i」ともいう。)が形成されている。
図6に示すように、伝達ケース50の後部には、後輪車軸4a(図1参照)が支持される車軸支持部52(後輪支持部)が設けられている。後輪車軸4a(図1参照)は、不図示の軸受を介して、車軸支持部52等に回転可能に支持されている。
伝達ケース50には、伝達ケース50の前後方向に沿って延びるリブ59が設けられている。リブ59は、伝達ケース50の車幅方向内側面と、左クランクケース34Lとを繋いでいる。伝達ケース50は、車幅方向内側に配置された内ケース53と、車幅方向外側に配置された外ケース(不図示)と、を備えている。
内ケース53は、前後に延びるとともに車幅方向外側(左側)を開放する箱状をなしている。具体的に、内ケース53は、前後に延びるとともに車幅方向に厚みを有する内ケース側壁53aと、内ケース側壁53aの外周縁から車幅方向外側(左側)に突出するとともに前後に延びる環状をなす内ケース周壁53bと、を備えている。
図中符号53dは、リヤクッション7(図2参照)の下部を支持するリヤクッション支持部を示す。図中符号53cは、内ケース周壁53b及び外ケース周壁(不図示)を連結するための連結ボスを示す。
伝達ケース50には、左クランクケース34L(クランクケース34)の一部を構成しかつ車幅方向に延びるクランクケース壁部54が設けられている。クランクケース壁部54は、内ケース側壁53aから車幅方向内方に向けて延びている。
クランクケース壁部54は、上下に湾曲しつつ延びる後壁54aと、後壁54aの下端に連なるとともに下方に凸をなすように前後に湾曲しつつ延びる底壁54bと、を備えている。クランクケース壁部54の後壁54aは、内ケース側壁53aと滑らかに連なっている。
クランクケース34には、クランク室55とオイルパン部56とを上下に隔てる隔壁57が設けられている。隔壁57は、内ケース側壁53aから車幅方向内方に向けて延びている。図6の側面視で、隔壁57は、下方に凸の弧状をなしている。
伝達ケース50の後部には、減速機構収容室58が設けられている。減速機構収容室58は、内ケース側壁53aから車幅方向内方に向けて延びている。図6の側面視で、減速機構収容室58は、下方に緩やかな凸をなす環状を有している。
図2に示すように、エンジン30の上方であって左右シートフレーム15の車幅方向間には、ヘルメット等の物品を収納可能な収納ボックス40が設けられている。収納ボックス40の上部開口は、シート8(図1参照)によって開閉自在に覆われている。収納ボックス40の前下部は、ボックス支持フレーム17に支持されている。
図2において、符号41はクランク軸33の軸端部に固定された冷却ファン、符号42はクランクケース34の右側方を覆うファンカバー、符号43はシリンダ35を覆うシリンダカバーをそれぞれ示す。
<エンジン懸架構造>
次に、自動二輪車1のパワーユニット10の懸架構造45(以下「エンジン懸架構造45」ともいう。)について説明する。
図5に示すように、エンジン懸架構造45は、一端が車体フレーム11の側に揺動可能に連結されるとともに他端がパワーユニット10の側に揺動可能に連結されるリンク部材60と、リンク部材60の他端部から下方に延出する下方延出部70と、エンジン30のクランクケース34においてパワーユニット10の揺動を規制する揺動規制部80と、を備えている。
<リンク部材>
リンク部材60は、複数種の鋼材を溶接等により一体に接合して形成されている。図5の側面視で、リンク部材60は、車体フレーム11の側から斜め後ろ下方に延出した後、斜め前下方に延出してパワーユニット10の側に連結される外形を有している。言い換えると、図5の側面視で、リンク部材60は、後方に凸をなすV字状をなしている。
図3に示すように、リンク部材60は、車体フレーム11の側において車幅方向に延びる円筒状をなす左右一対のピボット側軸支部61L,61Rと、前端部が左右ピボット側軸支部61L,61Rにそれぞれ連結されるとともに図7の側面視で後側ほど下方に位置するように傾斜して前後に延びる左右一対の第一連結部材62L,62Rと、左右第一連結部材62L,62Rの後端部の車幅方向間を渡すように図3の上面視で後下方に緩やかな凸をなして車幅方向に延びる連結パイプ63と、図4の前面視でエンジン30のクランクケース34の側において車幅方向に延びる円筒状をなすエンジン側軸支部64と、連結パイプ63とエンジン側軸支部64との上下間を渡すとともに図5の側面視で前側ほど下方に位置するように傾斜して延びる第二連結部材65と、を備えている。
<ピボット側軸支部>
図3に示すように、左右一対のピボット側軸支部61L,61Rは、互いに同軸に配置されている。例えば、ピボット側軸支部61は、円筒状のカラーである。左右ピボット側軸支部61L,61Rの径方向内側には、円筒状の弾性部材61aが設けられている。弾性部材61aは、カラーの内径と実質的に同じ大きさの外径を有する。例えば、弾性部材61aは、円筒状のゴムブッシュである。弾性部材61aの径方向内側には、ボルト等の締結部材が挿通されている。便宜上、図3においては、左ピボット側軸支部61Lにおける弾性部材61aを示す。
例えば、車幅方向外方からピボットプレート外壁孔19i、弾性部材61aの径方向内側、ピボットプレート内壁孔19hの順にボルトが挿通される。ピボットプレート内壁19aにおける車幅方向内側には、ボルトの先端が突出される。ピボットプレート内壁19aにおける車幅方向内側において、ボルトの先端(突出端)には、ナットが締結される。これにより、左右ピボット側軸支部61L,61Rは、ボルトの軸(ピボット軸19c)を中心に回動可能に、左右ピボットプレート19L,19Rに軸支される。
<第一連結部材>
図8の後面視で、左右第一連結部材62L,62Rは、U字状をなしている。図8の後面視で、左右第一連結部材62L,62Rは、上下に延びるとともに車幅方向内側に位置する内連結壁62aと、上下に延びるとともに内連結壁62aよりも車幅方向外側に位置する外連結壁62bと、内連結壁62aの下端と外連結壁62bの下端との車幅方向間を渡す下連結壁62cと、を備えている。
図7の側面視で、内外連結壁62a,62b(図7では外連結壁62bのみ図示)は、前端部がピボット側軸支部61(図7では左ピボット側軸支部61Lのみ図示)に連結されるとともに後端部が連結パイプ63に連結されるように前後に延びている。図7の側面視で、内外連結壁62a,62bの前端部には、ピボット側軸支部61が連結されるとともに、ピボット側軸支部61の外形に沿うように後下方に凸の円弧状なして窪む凹部62gが形成されている。図7の側面視で、内外連結壁62a,62bの後端部には、連結パイプ63の外形に沿う円形をなして開口するとともに、連結パイプ63が挿通される連結パイプ挿通孔62hが形成されている。
図7の側面視で、下連結壁62cは、ピボット側軸支部61の前下方に位置する内外連結壁62a,62bの前下端から後側ほど下方に位置するように緩やかに傾斜して直線状に延びた後、連結パイプ63の車幅方向外端の後下方に位置する内外連結壁62a,62bの後下端に至っている。下連結壁62cには、上下に開口する複数の貫通孔62i,62jが設けられている。実施形態において、下連結壁62cには、ピボット側軸支部61の下方に位置する前貫通孔62iと、連結パイプ63の車幅方向外端部の下方に位置する後貫通孔62jと、の2つの貫通孔が設けられている。
<連結パイプ>
図8の後面視で、連結パイプ63は、左右第一連結部材62L,62Rの後端部の車幅方向間を渡すように後下方に緩やかな凸をなして車幅方向に延びている。連結パイプ63は、1本のパイプ材を折り曲げて形成されている。図7の側面視で、連結パイプ63の断面形状(図5参照)は、ピボット側軸支部61よりも小さい外径の円環状をなしている。
図8の後面視で、連結パイプ63は、左右第一連結部材62L,62Rがそれぞれ接続される左右一対の第一連結部材接続部63aL,63aRと、第二連結部材65が接続される第二連結部材接続部63bと、左右第一連結部材接続部63aL,63aRと第二連結部材接続部63bとをそれぞれ繋ぐ左右一対の中間接続部63cL,63cRと、を備えている。
左右第一連結部材接続部63aL,63aRは、連結パイプ63の車幅方向外端側に位置するとともに車幅方向に延びる円筒状をなしている。左右第一連結部材接続部63aL,63aRは、互いに同軸に配置されている。
第二連結部材接続部63bは、左右第一連結部材接続部63aL,63aRの車幅方向間に位置するとともに車幅方向に延びる円筒状をなしている。図7の側面視で、第二連結部材接続部63bは、第一連結部材接続部63aよりも後下方に位置している。図7の側面視で、第二連結部材接続部63bの外周縁は、第一連結部材接続部63aの外周縁と重なっている。
図8に示すように、左右中間接続部63cL,63cRは、第二連結部材接続部63bの側ほど下方に位置するように傾斜して延びる円筒状をなしている。図8の後面視で、左中間接続部63cLの車幅方向の長さは、右中間接続部63cRの車幅方向の長さよりも短い。
<エンジン側軸支部>
エンジン側軸支部64は、円筒状のパイプである。図7の側面視で、エンジン側軸支部64は、第一連結部材接続部63aの下方に配置されている。図7の側面視で、エンジン側軸支部64の断面形状(図5参照)は、連結パイプ63よりも小さい外径の円環状をなしている。
図8の後面視で、エンジン側軸支部64の車幅方向中心64p(延在方向中心)は、連結パイプ63の車幅方向中心63p(延在方向中心)よりも左側にオフセットしている。ここで、エンジン側軸支部64の車幅方向中心64pは、リンク部材60の他端部の中心に相当する。
図8の後面視で、エンジン側軸支部64の車幅方向の長さは、連結パイプ63の車幅方向の長さよりも短い。図8の後面視で、エンジン側軸支部64の左端は左中間接続部63cLの下方に位置し、エンジン側軸支部64の右端は第二連結部材接続部63bの下方に位置している。
図4に示すように、クランクケース左右壁51L,51Rは、互いに同軸に配置されている。クランクケース左右壁孔51h,51iには、円筒状の弾性部材51a(左右弾性部材51aL,51aR)が設けられている。左右弾性部材51aL,51aRは、クランクケース左右壁孔51h,51iの直径と実質的に同じ大きさの外径を有する。例えば、左右弾性部材51aL,51aRは、円筒状のゴムブッシュである。左右弾性部材51aL,51aRの径方向内側には、ボルト等の締結部材が挿通されている。
例えば、車幅方向右方からクランクケース右壁孔51iにおける右弾性部材51aRの径方向内側、エンジン側軸支部64、クランクケース左壁孔51hにおける左弾性部材51aLの径方向内側、の順にボルトが挿通される。クランクケース左壁51Lにおける車幅方向外側には、ボルトの先端が突出される。クランクケース左壁51Lにおける車幅方向外側において、ボルトの先端(突出端)には、ナットが締結される。これにより、エンジン側軸支部64は、ボルトの軸51cを中心に回動可能に、クランクケース左右壁51L,51Rに軸支される。
<第二連結部材>
図7の側面視で、第二連結部材65の上端部には、連結パイプ63が連結されている。図7の側面視で、第二連結部材65の上端部は、連結パイプ63の外形に沿うように前下方に凸の円弧状をなしている。
図7の側面視で、第二連結部材65の下端部には、エンジン側軸支部64が連結されている。図7の側面視で、第二連結部材65の下端部は、エンジン側軸支部64の外形に沿うように後上方に凸の円弧状をなしている。
第二連結部材65は、連結パイプ63の前部とエンジン側軸支部64の前部との上下間を渡す前連結板66と、連結パイプ63の後部とエンジン側軸支部64の後部との上下間を渡す後連結板67と、を備えている。図7の側面視で、前後連結板66,67は、連結パイプ63とエンジン側軸支部64との上下間において前側ほど下方に位置するように傾斜して延びている。前後連結板66,67は、溶接等で互いに一体に結合されている。
図8の後面視で、前後連結板66,67は、車幅方向に延びる連結板本体66a,67aと、連結板本体66a,67aの車幅方向外端から連結パイプ63とエンジン側軸支部64との上下間内に延出する左右一対の延出壁66b,67bと、連結板本体66a,67aの右上部から連結パイプ63に沿って右方に延出する延出片66c,67cと、を備えている。
前連結板66における左右延出壁66bL,66bRの後端縁の車幅方向外側には、後連結板67における左右延出壁67bL,67bRの前端縁が位置している。前連結板66における左右延出壁66bL,66bRの後端縁と、後連結板67における左右延出壁67bL,67bRの前端縁とは、溶接等で互いに一体に結合されている。
前後連結板66,67における連結板本体66a,67aには、車幅方向に離間する複数の貫通孔66h,66i,67h,67iがそれぞれ形成されている。実施形態において、前後連結板66,67における連結板本体66a,67aには、左延出壁66bL,67bLの側に位置する左貫通孔66h,67hと、右延出壁66bR,67bRの側に位置する右貫通孔66i,67iと、の2つの貫通孔が設けられている。
なお、図8において、符号66j,67jは前後連結板66,67における連結板本体66a,67aの下部中央に設けられた切欠きをそれぞれ示す。
<下方延出部>
リンク部材60の他端部には、下方に延出する下方延出部70が設けられている。図8の後面視で、下方延出部70は、下側ほど左右幅が小さい台形状(言い換えると、逆台形状)をなしている。図8の後面視で、下方延出部70は、第二連結部材65の下方において連結板本体66a,67aの左右幅内に収まっている。図7の側面視で、下方延出部70は、エンジン側軸支部64から下方に延出している。下方延出部70は、エンジン側軸支部64から下方に延出する下方延出本体71と、下方延出本体71から後方に延出する左右一対の側方延出壁72L,72Rと、を備えている。
図9の下面視で、下方延出本体71は、前方に開放するとともに車幅方向に延びるU字状(言い換えると、横長の逆U字状)をなしている。図9の下面視で、下方延出本体71は、車幅方向に延在する延在壁部73と、延在壁部73の車幅方向外端から前方に延出する左右一対の前側壁部74L,74Rと、を備えている。
図9の下面視で、延在壁部73は、パワーユニット10の揺動方向V1(図2参照)と交差する車幅方向に延在している。実施形態において、延在壁部73は、パワーユニット10の揺動方向V1(図2参照)と直交して延びている。図8に示すように、延在壁部73の上端縁は、エンジン側軸支部64の延在方向に沿う直線状をなしている。図7の側面視で、左右の前側壁部74L,74R(図7では左の前側壁部74Lのみ図示)の上端縁は、エンジン側軸支部64の外形に沿うように前下方に凸の円弧状をなしている。延在壁部73の上端縁及び左右の前側壁部74L,74Rの上端縁と、エンジン側軸支部64とは、溶接等で一体に結合されている。
図9の下面視で、左右の側方延出壁72L,72Rは、L字状をなしている。図9の下面視で、左右の側方延出壁72L,72Rは、下方延出本体71の車幅方向外端から後方に延出する後側壁部75と、後側壁部75の後端から車幅方向外方に延出する後接続壁部76と、を備えている。
図7の側面視で、左右の後側壁部75L,75R(図7では左の後側壁部75Lのみ図示)は、矩形状をなしている。左右の後側壁部75L,75Rの前端縁と、左右の前側壁部74L,74Rの後端縁とは、溶接等で一体に結合されている。図9の下面視で、左右の後側壁部75L,75Rの車幅方向間の長さは、左右の前側壁部74L,74Rの車幅方向間の長さよりも長い。
図8の後面視で、左右の後接続壁部76L,76Rは、上側ほど車幅方向外方に位置する斜辺を有する三角形状をなしている。左右の後接続壁部76L,76Rの上端縁と、後連結板67における連結板本体67aの下端部とは、溶接等で一体に結合されている。
実施形態において、左右の前後側壁部74L,74R,75L,75Rは、延在壁部73の側端に繋がるとともに、弾性部材90(図4参照)を側方から挟んでいる。以下、前後側壁部74L,74R,75L,75Rを単に「側壁部77」ともいう。
なお、図8において、符号71jは下方延出本体71の下部中央に設けられた切欠きを示す。
<揺動規制部>
図5に示すように、揺動規制部80は、パワーユニット10の前上部に設けられている。パワーユニット10の前上部には、上方に開口するとともに、下方延出部70が嵌入される凹部81hが設けられている。揺動規制部80は、クランクケース34と同一の部材で一体に形成された規制壁部81を備えている。すなわち、規制壁部81は、クランクケース34において、凹部81hの形成部分の一部を構成している。
規制壁部81は、凹部81hの前側において上方に起立する前規制壁82と、凹部81hの後側において上方に起立する後規制壁83と、を備えている。
前後規制壁82,83は、弾性部材90を前後から挟んでいる。前後規制壁82,83は、クランクケース左右壁51L,51R(図4参照)に繋がるように車幅方向に延びている。前後規制壁82,83の車幅方向の長さは、下方延出部70の車幅方向の長さよりも長い。下方延出部70は、クランクケース左右壁の車幅方向間に収まっている。
<弾性部材>
図5に示すように、凹部81hには、延在壁部73を挟んで揺動方向V1(図2参照)に膨出する弾性部材90が嵌入されている。図4に示すように、弾性部材90は、車幅方向に延びる直方体状をなしている。図10の前面視で、弾性部材90は、車幅方向に延びる直方体状をなす前側弾性部91と、前側弾性部91よりも車幅方向に大きく且つ上下方向に短い直方体状をなすとともに、前側弾性部91の後側に繋がる後側弾性部92と、を備えている。
図5に示すように、前側弾性部91は、揺動規制部80における前規制壁82と、下方延出部70における延在壁部73とによって前方及び後方から挟まれている。前側弾性部91は、左右の側壁部77(図4参照)によって車幅方向外方から挟まれている。具体的に、前側弾性部91は、下方延出部70における左右の前側壁部74L,74R(図9参照)によって車幅方向外方から挟まれている。
図5に示すように、後側弾性部92は、下方延出部70における延在壁部73と、揺動規制部80における後規制壁83とによって前方及び後方から挟まれている。後側弾性部92は、左右の側壁部77(図4参照)によって車幅方向外方から挟まれている。具体的に、後側弾性部92は、下方延出部70における左右の後側壁部75L,75R(図9参照)によって車幅方向外方から挟まれている。
図11に示すように、弾性部材90において前側弾性部91と後側弾性部92との間には、上方に開放するとともに延在壁部73が嵌入される溝90mが形成されている。溝90m内において前側弾性部91と後側弾性部92との間には、上方に起立するとともに延在壁部73の切欠き71j(図8参照)に嵌入される突起93が設けられている。突起93は、弾性部材90の車幅方向中央に位置している。
<リンク部材の周辺構造>
図5に示すように、リンク部材60の前方には、スロットルボディ26が配置されている。リンク部材60の上方には、スロットルボディ26とエアクリーナ28(図3参照)とを繋ぐコネクティングチューブ27が配置されている。図5の側面視で、コネクティングチューブ27は、リンク部材60における連結パイプ63の上方空間を前後に湾曲しつつ延びている。
図3に示すように、車体左右中心線CLに対して左側には、変速機49が配置されている。リンク部材60の他端部の中心64p(言い換えると、エンジン側軸支部64の車幅方向中心64p)は、車体左右中心線CLに対して左側にオフセットしている。すなわち、リンク部材60の他端部の中心64pは、車体左右中心線CLに対して変速機49が配置された側にオフセットしている。
以上説明したように、上記実施形態は、車体フレーム11と、エンジン30を含むとともに車体フレーム11に揺動可能に支持されるパワーユニット10と、一端が車体フレーム11の側に揺動可能に連結されるとともに他端がパワーユニット10の側に揺動可能に連結されるリンク部材60と、を備えるエンジン懸架構造45において、エンジン30のクランクケース34には、パワーユニット10の揺動を規制する揺動規制部80が設けられている。
この構成によれば、エンジン30のクランクケース34には、パワーユニット10の揺動を規制する揺動規制部80が設けられていることで、車体フレーム11に揺動規制部80を設ける場合と比較して、車体フレーム11の剛性を高めることなくエンジン30の揺動を規制することができる。ところで、車体フレームの剛性を高めるためには、車体フレームに曲げ加工を施したり補強部材を設けたりする必要がある。そのため、懸架構造が複雑化したり部品点数が増加したりし、懸架構造の大型化及び重量化を招く可能性が高い。これに対し、この構成によれば、クランクケース34自体の剛性が高いため、クランクケース34に簡素な構造で揺動規制部80を設けることができ、エンジン懸架構造45の大型化及び重量化を抑制することができる。
また、上記実施形態では、揺動規制部80が、クランクケース34と同一の部材で一体に形成された規制壁部81を備えることで、揺動規制部80をクランクエース34と別個独立に設けた場合と比較して、部品点数を削減することができ、エンジン懸架構造45の簡素化及び軽量化を図ることができる。例えば、規制壁部81をクランクケース34とともに鋳造で一体に成形することができるため、好適である。
また、上記実施形態では、揺動規制部80が、車両前後方向に延在するパワーユニット10の前上部に設けられていることで、リンク部材60の他端がパワーユニット10の前上部に揺動可能に連結される、いわゆる上リンクユニットスイングエンジンにおいて、車体フレーム11の剛性を高めることなくエンジン30の揺動を抑制することができる。
また、上記実施形態では、リンク部材60の他端部には、下方に延出する下方延出部70が設けられ、パワーユニット10の前上部には、上方に開口するとともに、下方延出部70が嵌入される凹部81hが設けられていることで、リンクストッパをリンク部材60の他端部とは別個独立に設けた場合と比較して、部品点数を削減することができ、エンジン懸架構造45の簡素化及び軽量化を図ることができる。
また、上記実施形態では、下方延出部70は、パワーユニット10の揺動方向V1と交差する車幅方向に延在する延在壁部73を備え、凹部81hには、延在壁部73を挟んで揺動方向V1に膨出する弾性部材90が嵌入されていることで、パワーユニット10の揺動時に生じる荷重を弾性部材90の弾性変形によって吸収することができる。
また、上記実施形態では、下方延出部70は、延在壁部73の側端に繋がるとともに、弾性部材90を側方から挟む一対の側壁部77を更に備えることで、下方延出部70が延在壁部73のみを備えた場合と比較して、下方延出部70の剛性を高めることができる。加えて、弾性部材90を一対の側壁部77の間に収めることができ、弾性部材90の小型化を図ることができる。
また、上記実施形態では、側面視で、リンク部材60は、車体フレーム11の側から斜め後ろ下方に延出した後、斜め前下方に延出してパワーユニット10の側に連結されることで、リンク部材60の前方及び上方に空間が形成されるため、車両部品の配置自由度を向上することができる。
また、上記実施形態では、リンク部材60の前方には、スロットルボディ26が配置され、リンク部材60の上方には、スロットルボディ26とエアクリーナ28とを繋ぐコネクティングチューブ27が配置されていることで、以下の効果を奏する。リンク部材60の前方空間及び上方空間に、それぞれ車両部品としてスロットルボディ26及びコネクティングチューブ27を配置することができるため、エンジン懸架構造45の周辺部品を集約することができる。したがって、車両全体のコンパクト化を図る上で好適である。
また、上記実施形態では、車体左右中心線CLに対して左右一側には、変速機49が配置され、リンク部材60の他端部の中心64pは、車体左右中心線CLに対して変速機49が配置された側にオフセットしていることで、車体左右中心線CLに対して変速機49が配置された側にパワーユニット10の重量が偏る場合でも、パワーユニット10を車体フレーム11に安定して支持することができる。
なお、上記実施形態では、揺動規制部80が、クランクケース34と同一の部材で一体に形成された規制壁部81を備えている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、揺動規制部80をクランクケース34と別個独立に設けていてもよい。
また、上記実施形態では、揺動規制部80が、車両前後方向に延在するパワーユニット10の前上部に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、揺動規制部80が、車両前後方向に延在するパワーユニット10の前下部に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、下方延出部70は、延在壁部73の側端に繋がるとともに、弾性部材90を側方から挟む一対の側壁部77を更に備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、下方延出部70が延在壁部73のみを備えていてもよい。
また、上記実施形態では、側面視で、リンク部材60は、車体フレーム11の側から斜め後ろ下方に延出した後、斜め前下方に延出してパワーユニット10の側に連結される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、側面視で、リンク部材60は、車体フレーム11の側から斜め後ろ下方に延出してパワーユニット10の側に連結されていてもよい。
また、上記実施形態では、変速機49が、ドライブプーリ、ドリブンプーリ及びVベルトを備えた例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、変速機49が、ギア伝達及びチェーン伝達等の他の動力伝達を可能とする部材を備えていてもよい。
(第二実施形態)
図12に示すように、第二実施形態は、エンジン懸架構造におけるリンク部材及び下方延出部の構造が上述した第一実施形態と相違している。なお、以下の説明においては、上述した第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
<リンク部材>
図12に示すように、リンク部材160は、左右一対のピボット側軸支部61L,61Rと、上部が左右ピボット側軸支部61L,61Rにそれぞれ連結されるとともに後下方に延出する左右一対の第一連結部材162L,162Rと、左右第一連結部材162L,162Rの下部の車幅方向間を渡すように図13の後面視で下方に凸をなして車幅方向に延びる連結パイプ163と、エンジン側軸支部64と、連結パイプ163とエンジン側軸支部64との前後間を渡すように延びる第二連結部材165と、を備えている。
<第一連結部材>
図13の後面視で、左右第一連結部材162L,162Rは、U字状をなしている。図13の後面視で、左右第一連結部材162L,162Rは、上下に延びるとともに車幅方向内側に位置する内連結壁162aと、上下に延びるとともに内連結壁162aよりも車幅方向外側に位置する外連結壁162bと、内連結壁162aの前端と外連結壁162bの前端との車幅方向間を渡す前連結壁162cと、を備えている。
図12の側面視で、内外連結壁162a,162b(図12では外連結壁162bのみ図示)は、上部がピボット側軸支部61(図12では左ピボット側軸支部61Lのみ図示)に連結されるとともに下部が連結パイプ163に連結されている。図12の側面視で、内外連結壁162a,162bの上部には、ピボット側軸支部61の外形に沿う円弧状をなして窪むピボット側凹部162gが形成されている。図12の側面視で、内外連結壁162a,162bの下部には、ピボット側凹部162gに連なるとともに、連結パイプ163の外形に沿う円弧状をなして窪む連結パイプ側凹部162hが形成されている。
図12の側面視で、前連結壁162cは、ピボット側軸支部61の前上部に位置する内外連結壁162a,162bの前上端からピボット側軸支部61の外形に沿って下方に湾曲して延びた後、後側ほど下方に位置するように傾斜して直線状に延びて、連結パイプ163の車幅方向外端の下方に位置する内外連結壁162a,162bの後下端に至っている。
<連結パイプ>
図13の後面視で、連結パイプ163は、左右第一連結部材162L,162Rがそれぞれ接続される左右一対の第一連結部材接続部163aL,163aRと、第二連結部材165が接続される第二連結部材接続部163bと、左右第一連結部材接続部163aL,163aRと第二連結部材接続部163bとをそれぞれ繋ぐ左右一対の中間接続部163cL,163cRと、を備えている。
左右第一連結部材接続部163aL,163aRは、連結パイプ163の車幅方向外端側に位置するとともに車幅方向に延びる円筒状をなしている。左右第一連結部材接続部163aL,163aRは、互いに同軸に配置されている。
第二連結部材接続部163bは、左右第一連結部材接続部163aL,163aRの車幅方向間に位置するとともに車幅方向に延びる円筒状をなしている。図12の側面視で、第二連結部材接続部163bは、第一連結部材接続部163aの後下方に位置している。
図13に示すように、左右中間接続部163cL,163cRは、第二連結部材接続部163bの側ほど下方に位置するように傾斜して延びる円筒状をなしている。図13の後面視で、左中間接続部163cLの車幅方向の長さは、右中間接続部163cRの車幅方向の長さよりも短い。図13の後面視で、左右中間接続部163cL,163cRの上下方向の長さは、第一実施形態における左右中間接続部63cL,63cR(図8参照)の上下方向の長さよりも長い。
<エンジン側軸支部>
図12の側面視で、エンジン側軸支部64は、ピボット側軸支部61の下方に配置されている。図13の後面視で、エンジン側軸支部64の車幅方向中心64p(延在方向中心)は、連結パイプ163の車幅方向中心163p(延在方向中心)よりも左側にオフセットしている。
図13の後面視で、エンジン側軸支部64の車幅方向の長さは、連結パイプ163の車幅方向の長さよりも短い。図13の後面視で、エンジン側軸支部64の左端は左中間接続部163cLの下部前方に位置し、エンジン側軸支部64の右端は第二連結部材接続部163bの右部前方に位置している。
<第二連結部材>
図12の側面視で、第二連結部材165の後端部には、連結パイプ163が連結されている。図12の側面視で、第二連結部材165の後端部は、連結パイプ163の外形に沿うように前方に凸の円弧状をなしている。
図12の側面視で、第二連結部材165の前端部には、エンジン側軸支部64が連結されている。図12の側面視で、第二連結部材165の前端部は、エンジン側軸支部64の外形に沿うように後方に凸の円弧状をなしている。
第二連結部材165は、連結パイプ163の上部とエンジン側軸支部64の上部との前後間を渡す上連結板166と、連結パイプ163の下部とエンジン側軸支部64の下部との前後間を渡す下連結板167と、を備えている。図12の側面視で、上下連結板166,167は、連結パイプ163とエンジン側軸支部64との前後間において前側ほど下方に位置するように緩やかに傾斜して延びている。上下連結板166,167は、溶接等で互いに一体に結合されている。
図13の後面視で、上下連結板166,167は、車幅方向に延びる連結板本体166a,167aと、連結板本体166a,167aの車幅方向外端から連結パイプ163とエンジン側軸支部64との前後間内に延出する左右一対の延出壁166b,167bと、連結板本体166a,167aの右後部から連結パイプ163に沿って右方に延出する延出片166c,167cと、を備えている。
上連結板166における左右延出壁166bL,166bRの下端縁の車幅方向内側には、下連結板167における左右延出壁167bL,167bRの上端縁が位置している。上連結板166における左右延出壁166bL,166bRの下端縁と、下連結板167における左右延出壁167bL,167bRの上端縁とは、溶接等で互いに一体に結合されている。なお、図13においては、上下連結板166,167の連結板本体166a,167aにおける貫通孔の図示を省略している。
<下方延出部>
リンク部材160の他端部には、下方に延出する下方延出部170が設けられている。図13の後面視で、下方延出部170は、車幅方向両端が下方に延出する外形を有している。図13の後面視で、下方延出部170は、第二連結部材165の前下方において連結板本体166a,167aの左右幅内に収まっている。図12の側面視で、下方延出部170は、エンジン側軸支部64から前下方に延出している。下方延出部170は、車幅方向に延在する延在壁部173と、延在壁部173の車幅方向外端から後下方に延出する左右一対の側壁部177L,177Rと、を備えている。
下方延出部170の延出方向から見て、延在壁部173は、前上方に開放するとともに車幅方向に延びるU字状をなしている。延在壁部173は、パワーユニット10の揺動方向V1(図2参照)と直交して延びている。左右の側壁部177L,177Rは、延在壁部173の車幅方向外端に繋がるとともに後下方に延出している。延在壁部173の上端縁及び左右の側壁部177L,177Rの上端縁と、エンジン側軸支部64とは、溶接等で一体に結合されている。図14に示すように、左右の側壁部177L,177Rは、弾性部材190を側方から挟んでいる。なお、図13において、符号173jは延在壁部173の下部中央に設けられた切欠きを示す。
本実施形態によれば、下方延出部170は、延在壁部173の側端に繋がるとともに、弾性部材190を側方から挟む一対の側壁部177を更に備えることで、下方延出部170が延在壁部173のみを備えた場合と比較して、下方延出部170の剛性を高めることができる。加えて、弾性部材190を一対の側壁部177の間に収めることができ、弾性部材190の小型化を図ることができる。
(第三実施形態)
図15に示すように、第三実施形態は、連結パイプ63と連結部51(図19参照)とを橋架するステー278を更に備える点と、エンジン懸架構造におけるリンク部材及び下方延出部の構造とが上述した第一実施形態と相違している。なお、以下の説明においては、上述した第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
<リンク部材>
図15に示すように、リンク部材260は、左右一対のピボット側軸支部61L,61Rと、左右一対の第一連結部材62L,62Rと、連結パイプ63と、エンジン側軸支部64と、連結パイプ63とエンジン側軸支部64との上下間を渡すとともに図15の側面視で前側ほど下方に位置するように傾斜して延びる第二連結部材265と、連結パイプ63と連結部51(図19参照)とを橋架するステー278と、を備えている。
<第二連結部材>
図15の側面視で、第二連結部材265の上端部には、連結パイプ63が連結されている。
図15の側面視で、第二連結部材265の下端部には、エンジン側軸支部64が連結されている。図15の側面視で、第二連結部材265の下端部は、エンジン側軸支部64の外形に沿うように後上方に凸の円弧状をなしている。
第二連結部材265は、連結パイプ63の前部とエンジン側軸支部64の前部との上下間を渡す前連結板266と、連結パイプ63の後部とエンジン側軸支部64の後部との上下間を渡す後連結板267と、を備えている。図15の側面視で、前後連結板266,267は、連結パイプ63とエンジン側軸支部64との上下間において前側ほど下方に位置するように傾斜して延びている。前後連結板266,267は、溶接等で互いに一体に結合されている。
図16の後面視で、前後連結板266,267は、車幅方向に延びる連結板本体266a,267aと、連結板本体266a,267aの車幅方向外端から連結パイプ63とエンジン側軸支部64との上下間内に延出する左右一対の延出壁266b,267bと、連結板本体266a,267aの右上部から連結パイプ63に沿って右方に延出する延出片266c,267cと、連結板本体266a,267aの左上部から連結パイプ63に沿って左方に突出する突出片266d,267dと、を備えている。
前連結板266における左右延出壁266bL,266bRの後端縁の車幅方向外側には、後連結板267における左右延出壁267bL,267bRの前端縁が位置している。前連結板266における左右延出壁266bL,266bRの後端縁と、後連結板267における左右延出壁267bL,267bRの前端縁とは、溶接等で互いに一体に結合されている。なお、図16において、符号266h,266i,267h,267iは、前後連結板266,267における連結板本体266a,267aに形成された貫通孔、符号266j,267jは前後連結板266,267における連結板本体266a,267aの下部中央に設けられた切欠きをそれぞれ示す。
<下方延出部>
リンク部材260の他端部には、下方に延出する下方延出部270が設けられている。図15の側面視で、下方延出部270は、エンジン側軸支部64から下方に延出している。下方延出部270は、エンジン側軸支部64から下方に延出する下方延出本体271と、下方延出本体271から側方に延出する左右一対の側方延出壁272L,272Rと、を備えている(図17参照)。
図17の下面視で、下方延出本体271は、車幅方向に延びるクランク状をなしている。図17の下面視で、下方延出本体271は、車幅方向に延在する延在壁部273と、延在壁部273の左端から後方に延出する左側壁部277Lと、延在壁部273の右端から前方に延出する右側壁部277Rと、を備えている。
図17の下面視で、延在壁部273は、パワーユニット10の揺動方向V1(図2参照)と直交して延びている。図17の下面視で、左側壁部277Lは、延在壁部273の左端に繋がるとともに後方に延出している。図17の下面視で、右側壁部277Rは、延在壁部273の右端に繋がるとともに前方に延出している。図17の下面視で、左の側方延出壁272Lは、左側壁部277Lの後端から左方に延びた後に前方に屈曲して延びるL字状をなしている。図17の下面視で、右の側方延出壁272Rは、右側壁部277Rの前端から右方に延びた後に後方に屈曲して延びるL字状をなしている。延在壁部273の上端縁、左右の側壁部277L,277Rの上端縁及び左右の側方延出壁272L,272Rの上端縁と、エンジン側軸支部64とは、溶接等で一体に結合されている。
図19に示すように、左右の側壁部277L,277Rは、弾性部材290を側方から挟んでいる。図18の後面視で、弾性部材290の下部は、下方延出部270よりも下側に膨出している。図19の下面視で、弾性部材290の前部には、前方に突出する複数(実施形態では7つ)の前凸部290aが車幅方向に並んで設けられている。弾性部材290の後部には、後方に突出する複数(実施形態では2つ)の後凸部290bが車幅方向に並んで設けられている。なお、図17において、符号271j,271kは下方延出本体271の下部中央に設けられた切欠きを示す。
<ステー>
図19に示すように、ステー278は、連結パイプ63における第二連結部材接続部63b(図16参照)の右端部と、右連結部51R(クランクケース右壁)とを橋架している。ステー278は、車体左右中心線CLに対して右側に配置されている。図16の後面視で、ステー278は、エンジン側軸支部64の右側方において、連結パイプ63の側から左側ほど下方に位置するように傾斜した後、下方に屈曲して延びるステー本体278aと、ステー本体278aの上端部から連結パイプ63に向けて右上方に延出する前後一対の延出片278bと、を備えている。前後一対の延出片278bの上端縁と、連結パイプ63における第二連結部材接続部63bの右端部とは、溶接等で一体に結合されている。
図示はしないが、ステー本体278aには、車幅方向に開口する貫通孔(以下「ステー貫通孔」ともいう。)が形成されている。例えば、車幅方向右方からステー貫通孔、クランクケース右壁孔51iにおける右弾性部材51aRの径方向内側(図4参照)、エンジン側軸支部64、クランクケース左壁孔51hにおける左弾性部材51aLの径方向内側(図4参照)、の順にボルトが挿通される。クランクケース左壁51Lにおける車幅方向外側において、ボルトの先端(突出端)には、ナットが締結される。これにより、エンジン側軸支部64は、ボルトの軸51cを中心に回動可能に、クランクケース左右壁51L,51Rに軸支される。
本実施形態によれば、クランクケース34には、車体に連結されるクランクケース右壁51Rが設けられ、リンク部材260の他端部の中心64pは、車体左右中心線CLに対して左側にオフセットしており、車体左右中心線CLに対して右側には、車幅方向に延びる連結パイプ63と、クランクケース右壁51Rとを橋架するステー278が設けられていることで、リンク部材260の他端部の中心64pが車体左右中心線CLに対して左側にオフセットする場合でも、車両後部の安定性を向上させることができる。
本実施形態によれば、下方延出部270は、延在壁部273の側端に繋がるとともに、弾性部材290を側方から挟む一対の側壁部277を更に備えることで、下方延出部270が延在壁部273のみを備えた場合と比較して、下方延出部270の剛性を高めることができる。加えて、弾性部材290を一対の側壁部277の間に収めることができ、弾性部材290の小型化を図ることができる。
なお、本実施形態では、リンク部材260の他端部の中心64pは、車体左右中心線CLに対して左側にオフセットしており、車体左右中心線CLに対して右側にはステー278が設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、リンク部材260の他端部の中心64pは、車体左右中心線CLに対して右側にオフセットしており、車体左右中心線CLに対して左側にはステー278が設けられていてもよい。すなわち、リンク部材260の他端部の中心64pは、車体左右中心線CLに対して車幅方向一方側にオフセットしており、車体左右中心線CLに対して車幅方向他方側にはステー278が設けられていてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、上記鞍乗型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪且つ後二輪の他に、前二輪且つ後一輪の車両も含む)の車両も含まれる。また、本発明は、自動二輪車のみならず、自動車等の四輪の車両にも適用可能である。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
10 パワーユニット
11 車体フレーム
26 スロットルボディ
27 コネクティングチューブ
28 エアクリーナ
30 エンジン
34 クランクケース
45 エンジン懸架構造(懸架構造)
49 変速機
51 連結部
60、160、260 リンク部材
63、163 連結パイプ
64p エンジン側軸支部の車幅方向中心(リンク部材の他端部の中心)
70、170、270 下方延出部
73、173、273 延在壁部
77、177、277 側壁部
80 揺動規制部
81 規制壁部
81h 凹部
90、190、290 弾性部材
278 ステー
CL 車体左右中心線
V1 揺動方向

Claims (10)

  1. 車体フレームと、
    エンジンを含むとともに前記車体フレームに揺動可能に支持されるパワーユニットと、
    一端が前記車体フレームの側に揺動可能に連結されるとともに、他端が前記パワーユニットの側に揺動可能に連結されるリンク部材と、を備え、
    前記エンジンのクランクケースには、前記パワーユニットの揺動を規制する揺動規制部が設けられていて、
    前記揺動規制部は、前記クランクケースと一体に形成された規制壁部を備え、
    前記リンク部材の他端部には、下方に延出する下方延出部が設けられ、
    前記パワーユニットの前上部には、上方に開口するとともに、前記下方延出部が嵌入される凹部が設けられていることを特徴とする鞍乗型車両の懸架構造。
  2. 側面視で、前記リンク部材は、前記車体フレームの側から斜め後ろ下方に延出した後、斜め前下方に延出して前記パワーユニットの側に連結されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両の懸架構造。
  3. 車体フレームと、
    エンジンを含むとともに前記車体フレームに揺動可能に支持されるパワーユニットと、
    一端が前記車体フレームの側に揺動可能に連結されるとともに、他端が前記パワーユニットの側に揺動可能に連結されるリンク部材と、を備え、
    前記エンジンのクランクケースには、前記パワーユニットの揺動を規制する揺動規制部が設けられていて、
    前記揺動規制部は、前記クランクケースと一体に形成された規制壁部を備え、
    側面視で、前記リンク部材は、前記車体フレームの側から斜め後ろ下方に延出した後、斜め前下方に延出して前記パワーユニットの側に連結されることを特徴とする鞍乗型車両の懸架構造。
  4. 前記リンク部材の他端部には、下方に延出する下方延出部が設けられ、
    前記パワーユニットの前上部には、上方に開口するとともに、前記下方延出部が嵌入される凹部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗型車両の懸架構造。
  5. 前記揺動規制部は、車両前後方向に延在する前記パワーユニットの前上部に設けられていることを特徴とする請求項2又は4に記載の鞍乗型車両の懸架構造。
  6. 前記下方延出部は、前記パワーユニットの揺動方向と交差する車幅方向に延在する延在壁部を備え、
    前記凹部には、前記延在壁部を挟んで前記揺動方向に膨出する弾性部材が嵌入されていることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗型車両の懸架構造。
  7. 前記下方延出部は、前記延在壁部の側端に繋がるとともに、前記弾性部材を側方から挟む一対の側壁部を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の鞍乗型車両の懸架構造。
  8. 前記リンク部材の前方には、スロットルボディが配置され、
    前記リンク部材の上方には、前記スロットルボディとエアクリーナとを繋ぐコネクティングチューブが配置されていることを特徴とする請求項7に記載の鞍乗型車両の懸架構造。
  9. 車体左右中心線に対して左右一側には、変速機が配置され、
    前記リンク部材の他端部の中心は、前記車体左右中心線に対して前記変速機が配置された側にオフセットしていることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の鞍乗型車両の懸架構造。
  10. 前記クランクケースには、車体に連結される連結部が設けられ、
    前記リンク部材の他端部の中心は、車体左右中心線に対して車幅方向一方側にオフセットしており、
    前記車体左右中心線に対して車幅方向他方側には、車幅方向に延びる連結パイプと、前記連結部とを橋架するステーが設けられていることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の鞍乗型車両の懸架構造。
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