(部品実装装置)
以下、図1を用いて、実施の形態の部品実装装置100について説明する。以下の説明において、基板の搬送方向をX軸方向と称し、水平面内においてX軸方向に直角な方向をY軸方向と称し、X軸方向とY軸方向とに直角な方向をZ軸方向と称する。
なお、以下においては、説明の便宜上、送給中のキャリアテープと、待機中のキャリアテープとを区別するために、前者を第一キャリアテープ、後者を第二キャリアテープと称することがある。この場合、第一キャリアテープに収容された部品がすべて使用された後は、第二キャリアテープが第一キャリアテープとなることから、第一キャリアテープ、第二キャリアテープは、特定のキャリアテープを指すものではない。
部品実装装置100は、基板搬送装置10、部品供給部20、部品装着装置40、リール保持部50およびそれらを制御する制御装置200を有する。部品供給部20は、複数のスロット20aと、各スロット20aに着脱可能に装着される複数のフィーダ21とから構成されている。スロット20aは、部品供給部20に、X軸方向に複数並列に設けられている。
リール保持部50は、キャリアテープ900が巻回された第一リール810及び第二リール820を交換可能に保持するものである。第一リール810と第二リール820は、Y方向に並列して1つずつ配設されるとともに、各フィーダ21に対応してX方向に複数配設されている。
キャリアテープ900は、多数の電子部品等の部品を一列に収容するものである。図2や図3に示すように、キャリアテープ900は、ベーステープ901、カバーテープ902、ボトムテープ903とから構成されている。ベーステープ901は、紙材や樹脂等の柔軟な材料で構成されている。ベーステープ901の幅方向の中央部には、長さ方向に一定間隔をおいて空間である収納部901aが貫通形成されている。この収納部901aに部品が収納される。ベーステープ901の側部には、長さ方向に一定間隔をおいて、係合穴901bが貫通形成されている。
カバーテープ902の両側部は、接着材902a(図3参照)によってベーステープ901上面の両側部に接着されている。カバーテープ902は、透明な高分子フィルムによって構成されている。
図3に示すように、ベーステープ901の下面には、ボトムテープ903が接着されている。このボトムテープ903によって、収納部901aに収納された部品の脱落が防止される。ボトムテープ903は、紙材や高分子フィルム等で構成されていて、透明又は半透明となっている。
各フィーダ21には、第一リール810及び第二リール820に巻回されたキャリアテープ900が、それぞれ差し込まれている。そして、一方のリール810(820)に巻回されたキャリアテープ(第一キャリアテープ)900がフィーダ21によってフィーダ21の先端部に設けられた部品供給位置21aに順次送給される。これにより、当該キャリアテープ900に保持された部品が部品供給位置21aに供給される。また、他方のリール820(810)に巻回されたキャリアテープ(第二キャリアテープ)900は、フィーダ21に差し込まれているが、フィーダ21によって送給されずに待機している。フィーダ21については、後で詳細に説明する。
基板搬送装置10には、部品装着装置40の基台41上に、それぞれ一対のガイドレール13a,13bが設けられている。また、基板搬送装置10は、これらガイドレール13a,13bによりそれぞれ案内される基板Bを支持して搬送する図略の一対のコンベアベルトが設けられている。また、基板搬送装置10には、所定位置に搬送された基板Bを持ち上げてクランプする図略のクランプ装置が設けられている。
部品が実装される基板Bは、基板搬送装置10のガイドレール13a,13bにより案内されつつコンベアベルトにより、X軸方向に部品実装位置まで搬送される。部品実装位置に搬送された基板Bは、クランプ装置によって部品実装位置に位置決めクランプされる。
図1に示すように、部品装着装置40は、ガイドレール42、Y軸スライド43、X軸スライド45、図略の吸着ノズルを保持した部品装着ヘッド48を有している。Y軸スライド43及びX軸スライド45は、図略のY軸サーボモータ及びX軸サーボモータにより、Y軸方向及びX軸方向への移動が制御される。
ガイドレール42及びY軸スライド43によって、Y軸ロボットが構成されている。ガイドレール42は、基台41上にY軸方向に装架されて基板搬送装置10の上方に配設されている。Y軸スライド43は、ガイドレール42に沿ってY軸方向に移動可能に設けられている。Y軸スライド43は、図略のY軸サーボモータにより、ボールねじ機構を介してY軸方向に移動される。
X軸スライド45により、X軸ロボットが構成されている。X軸スライド45は、Y軸スライド43に、X軸方向に移動可能に設けられている。Y軸スライド43には図略のX軸サーボモータが設けられている。このX軸サーボモータにより、ボールねじ機構を介してX軸スライド45がX軸方向に移動される。かかるX軸スライド45がX軸方向およびY軸方向に移動可能な移動台を構成している。
X軸スライド45には、部品装着ヘッド48が設けられている。部品装着ヘッド48は、複数の吸着ノズル(図示せず)を着脱可能に保持している。吸着ノズルは、部品供給位置21aに供給された部品を吸着して、基板搬送装置10によって部品実装位置に位置決めされた基板B上に装着する。
X軸スライド45上には、基板カメラ46が取付けられ、基板カメラ46は、基板実装位置に位置決めされた基板Bに設けられた基準マーク、あるいは部品供給位置21aに供給された部品等を上方より撮像し、基板位置基準情報及び部品位置情報等を取得するようになっている。また、基台41上には、吸着ノズルによって吸着された部品を下方より撮像可能な部品カメラ47が設けられている。
(フィーダ)
以下に、図4〜図6を用いて、フィーダ21について説明する。なお、以下の説明において「搬送方向」とは、キャリアテープ900の搬送方向を指す。また、図4〜図6において、紙面右側を前方(搬送方向下流側)とし、紙面左側を後方(搬送方向上流側)とする。また、図4〜図6において、紙面上方を上方とし、紙面下方を下方とする。
フィーダ21は、主に、本体21b、第一サーボモータ22、第二サーボモータ23、第一ギヤ24、第二ギヤ25、第三ギヤ26、第四ギヤ27、浮上防止部材28、トーションスプリング29、ストッパー部材31、上流側押さえ部材32、下流側押さえ部材33、第一スプロケット61、第二スプロケット62、第三スプロケット63、第四スプロケット64、レール38、制御部39、テープ剥離ユニット70とから構成されている。
フィーダ21は、その前方側からスロット20aに差し込まれて装着されるようになっている。本体21bは、扁平な箱形である。なお、図4〜図6は、本体21bの側壁を除去して、フィーダ21の内部構造が視認できるようにした図である。
レール38は、本体21bの後部の挿入部21dから前部の部品供給位置21aに設けられている。レール38は、その上面がキャリアテープ900の搬送路を構成している。レール38の前部38aは、水平に形成されている。本実施形態では、レール38は、その後部から前部38aの手前まで徐々に高くなるように傾斜している。なお、図示はしていないが、レール38の両側には、キャリアテープ900の幅寸法よりも僅かに大きい寸法で離間したガイド部材が設けられている。
レール38の前部38aの下方の本体21bには、つまり、本体21bの部品供給位置21aに隣接する位置には、前方から後方(搬送方向下流側から上流側)に向かってそれぞれ、第一スプロケット61及び第二スプロケット62が回転可能に設けられている。レール38の後部の下方の本体21bには、前方から後方に向かってそれぞれ、第三スプロケット63及び第四スプロケット64が回転可能に設けられている。第一スプロケット61、第二スプロケット62、及び第三スプロケット63のそれぞれの外周には、一定角度をおいて、第一係合突起61a、第二係合突起62a、第三係合突起63aが形成されている。第四スプロケット64の外周の一部には、一定角度をおいて第四係合突起64aが設けられている。それぞれの係合突起61a〜64aは、キャリアテープ900の係合穴901bと係合する。
第一スプロケット61〜第四スプロケット64の外周部よりも内側には、それぞれ、第一スプロケットギヤ61b、第二スプロケットギヤ62b、第三スプロケットギヤ63b、第四スプロケットギヤ64bが形成されている。なお、レール38の各スプロケット61〜64の上方には、窓穴38b(図5参照)が設けられている。この窓穴38bから、各係合突起61a〜64aがレール38上から突出する。
第一サーボモータ22は、第一スプロケット61及び第二スプロケット62を回転させるサーボモータである。第一サーボモータ22の回転軸22aには、第一ドライブギヤ22bが設けられている。第一ギヤ24は、第一スプロケット61及び第二スプロケット62の下方の本体21bに回転可能に設けられている。第一ギヤ24に外周には、第一ドライブギヤ22bと噛合する第一外側ギヤ24aが形成されている。第一ギヤ24の外周よりも内側には、第一内側ギヤ24bが形成されている。
第二ギヤ25は、第一スプロケット61及び第二スプロケット62と第一ギヤ24の間の本体21bに回転可能に設けられている。第二ギヤ25は、第一スプロケットギヤ61b、第二スプロケットギヤ62b、及び第一内側ギヤ24bと噛合している。このような構成によって、第一サーボモータ22の回転が減速されて第一スプロケット61及び第二スプロケット62に伝達されて、第一スプロケット61及び第二スプロケット62が同期して回転する。
第二サーボモータ23は、第三スプロケット63及び第四スプロケット64を回転させるサーボモータである。第二サーボモータ23の回転軸23aには、第二ドライブギヤ23bが設けられている。第三ギヤ26は、第三スプロケット63及び第四スプロケット64の下方の本体21bに回転可能に設けられている。第三ギヤ26に外周には、第二ドライブギヤ23bと噛合する第三外側ギヤ26aが形成されている。第三ギヤ26の外周よりも内側には、第三内側ギヤ26bが形成されている。
第四ギヤ27は、第三スプロケット63及び第四スプロケット64と第三ギヤ26の間の本体21bに回転可能に設けられている。第四ギヤ27は、第三スプロケットギヤ63b、第四スプロケットギヤ64b、及び第三内側ギヤ26bと噛合している。このような構成によって、第二サーボモータ23の回転が減速されて第三スプロケット63及び第四スプロケット64に伝達されて、第三スプロケット63及び第四スプロケット64及が同期して回転する。
下流側押さえ部材33は、ブロック状であり、レール38後部の上方に、本体21bの挿入部21dに設けられている。下流側押さえ部材33は、本体21bに取り付けられた第一支持部材30−1及び第二支持部材30−2に、シャフト34−1を介して、上下方向移動可能に取り付けられている。シャフト34−1には、下流側押さえ部材33を下方に付勢するコイルスプリング35−1が取り付けられている。下流側押さえ部材33の前方には、第三スプロケット63上においてレール38と当接する押さえ部33dが形成されている。このような構成によって、押さえ部33dは、レール38から離接する。図5に示すように、押さえ部33dの後端下部には、侵入部33bが切欠形成されている。
上流側押さえ部材32は、ブロック状であり、レール38の後部上面に沿って設けられている。上流側押さえ部材32は、下流側押さえ部材33の後部から下方に、シャフト34−2を介して、上下方向移動可能に取り付けられている。上流側押さえ部材32は、押さえ部33dの後方に隣接している。シャフト34−2には、上流側押さえ部材32を下方に付勢するコイルスプリング35−2が取り付けられている。このような構成によって、上流側押さえ部材32は、レール38から離接する。上流側押さえ部材32の後端の下部には、挿入凹部32aが切欠形成されている。
図5に示すように、ストッパー部材31は、ブロック状であり、上流側押さえ部材32の下流側に隣接して設けられている。ストッパー部材31は、その中間部分に形成された軸支部31bが下流側押さえ部材33に軸支されて、揺動可能となっている。ストッパー部材31の軸支部31bよりも前方の下部は、下方に突出形成された当接部31aが形成されている。ストッパー部材31の下部の後端は、停止部31cとなっている。
下流側押さえ部材33には、ストッパー部材31を、当接部31aがレール38に近接する方向に付勢するスプリング36が取り付けられている。図5に示すように、搬送方向に関し、下流側押さえ部材33の前端とストッパー部材31の後端との間に、第四スプロケット64の頂部が位置している。
図4に示すように、浮上防止部材28は、板状であり、第三スプロケット63と第二スプロケット62の間のレール38上に沿って設けられている。浮上防止部材28の前端には、軸支部28aが形成され、この軸支部28aが、本体21bに設けられた軸部21cに軸支されて、浮上防止部材28が揺動可能に本体21bに取り付けられている。浮上防止部材28の後端には、上方に曲げられた案内部28bが形成されている。トーションスプリング29は、浮上防止部材28の上方の本体21bに取り付けられ、浮上防止部材28を下方に付勢している。このトーションスプリング29によって、浮上防止部材28の下面は、レール38の上面に密接されている。なお、第二スプロケット62と第三スプロケット63の間のレール38上には、空間38cが形成されている。
制御部39は、フィーダ21を制御するものであり、第一サーボモータ22及び第二サーボモータ23の回転を制御する。制御部39は、マイクロプロセッサや、サーボモータ22、23に駆動電流を供給するドライバを有している。
第三スプロケット63の下流側の本体21bには、キャリアテープ900の有無を検知し、その検知信号を制御部39に出力する第一センサ65が設けられている。第一センサ65は、後述する搬送テープ910と待機テープ920の境界部分を検知するセンサである。第二スプロケット62の上流側の本体21bには、キャリアテープ900の有無を検知し、その検知信号を制御部39に出力する第二センサ66が設けられている。この第二センサ66の役割については、後述する。
以下に、フィーダ21の動作について説明する。作業者は、キャリアテープ900を、図4に示す挿入凹部32aとレール38の後端との間に差し込む。すると、差し込まれたキャリアテープ900の先端部に形成された係合穴901bに第四係合突起64aが係合して、当該キャリアテープ900が第四スプロケット64によって第三スプロケット63に搬送される。第四係合突起64aは、第四スプロケット64の外周の一部にしか形成されていないので、差し込まれたキャリアテープ900の先端部に形成された係合穴901bに第四係合突起64aが係合すると、当該キャリアテープ900は間欠的に第三スプロケット63側に移動する。このため、キャリアテープ900が急激に、第三スプロケット63側に引き込まれないので、安全である。
第四スプロケット64によって下流側に送給されるキャリアテープ900の先端は、侵入部33bから、押さえ部33dの下方に侵入する。そして、キャリアテープ900の先頭部に形成された係合穴901bが第三係合突起63aと係合すると、第三スプロケット63によってキャリアテープ900が第二スプロケット62に搬送される。第三スプロケット63の外周には、全周にわたって第三係合突起63aが形成されているので、短時間でキャリアテープ900が第二スプロケット62側に搬送される。なお、搬送テープ910は、押さえ部33dによって上方から押し付けられて、係合穴901bと第三係合突起63aとの係合が外れないようになっている。
キャリアテープ900の先端は、案内部28bとレール38の間から、浮上防止部材28の下方に侵入する。キャリアテープ900の先端は、浮上防止部材28によってレール38からの浮き上がりが抑制されて、第二スプロケット62に搬送される。
第二センサ66が、第三スプロケット63によって搬送されたキャリアテープ900の先頭を検出すると、第一サーボモータ22及び第二サーボモータ23は、スプロケット61〜64を部品ピッチP1(図2示)分間欠的に回転させる。キャリアテープ900の先頭部に形成された係合穴901bが第二係合突起62aに係合すると、第二スプロケット62によってキャリアテープ900がテープ剥離ユニット70に送られ、テープ剥離ユニット70によってキャリアテープ900からカバーテープ902が剥離される。そして、キャリアテープ900の先頭に形成された係合穴901bが第一係合突起61aに係合すると、第一スプロケット61によってキャリアテープ900に収納された部品が順次部品供給位置21aに位置決めされて供給される。
搬送中のキャリアテープ900である搬送テープ910がフィーダ21によって搬送されている場合には、図5に示すように、搬送テープ910が当接部31aを押圧して、ストッパー部材31がスプリング36の付勢力に抗して停止部31cがレール38に近接する方向に揺動し、ストッパー部材31の後下端が搬送テープ910の上面と接触する。
作業者は、待機させるキャリアテープ900である待機テープ920を、挿入凹部32aと搬送テープ910の間に差し込む。すると、ストッパー部材31の後下端が搬送テープ910の上面と接触しているので、待機テープ920の先端がストッパー部材31の停止部31cに当接し、待機テープ920の下流への搬送が阻止されて、待機テープ920が搬送テープ910上において待機される。
待機テープ920は、上流側押さえ部材32によって、搬送テープ910に押し付けられている。このため、待機テープ920の先端の搬送テープ910から浮き上がりが防止され、待機テープ920の先端の上流側押さえ部材32の前端とストッパー部材31の後端との間への侵入が防止される。
なお、搬送テープ910が、前方側のリール810に巻回されている。また、待機テープ920は、後方側のリール820に巻回されている。
図6に示すように、搬送テープ910の後端が待機テープ920の先端よりも下流側に搬送されると、待機テープ920がレール38上に載置された状態となり、待機テープ920の先頭部に形成された係合穴901bが第四係合突起64aと係合する。そして、第四スプロケット64によって送給されるキャリアテープ900の先端は、侵入部33bから、押さえ部33dの下方に侵入する。そして、キャリアテープ900の先頭部に形成された係合穴901bが第三係合突起63aと係合すると、第三スプロケット63によってキャリアテープ900が第二スプロケット62に搬送され、上述したように部品供給位置21aまで搬送される。
待機テープ920であったキャリアテープ900の先端が当接部31aを押圧すると、ストッパー部材31がスプリング36の付勢力に抗して、停止部31cがレール38の上面に近接する方向に揺動し、ストッパー部材31の後下端が新たな搬送テープ910(旧待機テープ920)に当接する。
作業者は、搬送テープ910が全て送給された使用済みのリール810を、リール保持部50から除去するとともに、新たな待機テープ920が巻回されたリール820を、リール保持部50に保持させる。そして、作業者は、新たな待機テープ920の先端を、挿入凹部32aと搬送テープ910の間に差し込んで、新たな待機テープ920をセットする。上述したように、ストッパー部材31の後下端が新たな搬送テープ910に当接しているので、新たな待機テープ920の先端がストッパー部材31の停止部31cに当接し、待機テープ920の下流への搬送が阻止されて、待機テープ920が搬送テープ910上において待機される。
(テープ剥離ユニット)
次に、図7〜図14を用いて、テープ剥離ユニット70の構成について説明する。図7に示すように、フィーダ21の先端部には、部品供給位置21aに送られたキャリアテープ900のカバーテープ902を剥離するためのテープ剥離ユニット70が、本体21bに着脱可能に固着されている。
テープ剥離ユニット70は、キャリアテープ900の種類に応じて複数種類用意され、フィーダ21に装着されたキャリアテープ900の種類に対応したテープ剥離ユニット70が本体21bに取付けられる。実施の形態においては、図12に示すように、3種類のテープ剥離ユニット70A、70B、70Cが用意されている。
テープ剥離ユニット70は、図8〜図11に示すように、下向きに開放された断面コ字形からなるユニット本体71を有し、ユニット本体71の両側壁71a、71bの前後がビス等の締結手段によって本体21bの両側面に固定され、両側壁71a、71b間でキャリアテープ900が案内される。ユニット本体71の上壁71cには、部品供給位置21aを含む所定位置に、切欠き部71c1が形成され、キャリアテープ900の収納部901aより部品を取り出せるようになっている。
ユニット本体71の上壁71cには、キャリアテープ900のカバーテープ902を剥離する先端が鋭利な刃先72aを有する板状のカッタ部材72が、切欠き部71c1を覆うように、キャリアテープ900の上方位置に固定されている。カッタ部材72の刃先72aは、キャリアテープ900に両端を接着されたカバーテープ902の一方の端部(係合穴901b側の端部)に対応する位置に配置されている。そして、カッタ部材72の刃先72aは、キャリアテープ900の送りによって、ベーステープ901とカバーテープ902との間に介入され、カバーテープ902の他方の端部の接着状態を保ちつつ、カバーテープ902の一方の端部を剥離する。
ここで、複数種類のキャリアテープ900は、図13示すように、係合穴901bのピッチは同じであるが、収納部901aおよびそれに収納される部品の大きさを異にしている。このため、収納部901aを閉塞するカバーテープ902の幅寸法も、収納部901aの大きさに応じて互いに異なり、カッタ部材72の刃先72aによって剥離されるカバーテープ902の一方の端部位置(接着位置)は、キャリアテープ900の種類毎に異なる。
これに伴い、カッタ部材72の刃先72a位置は、図13に示すように、カバーテープ902の一方の端部に対応するように、キャリアテープ900の中心に対して、それぞれd1、d2、d3量だけ離間した位置に配置されている。このように、カッタ部材72の刃先位置は、複数種類のテープ剥離ユニット70A、70B、70Cの種類に応じて、それぞれキャリアテープ900の幅方向の異なった位置に配置されている。
また、ユニット本体71の上壁71c上には、剥離されたカバーテープ902の一方の端部を立ち上げて折り返す板状の折り返し部材73が、キャリアテープ900の上面との間に僅かな隙間が形成されるように固定されている。折り返し部材73には、カバーテープ902の幅方向に傾斜した傾斜面73aが、キャリアテープ900の送り方向に沿って所定長さに亘って形成されている。折り返し部材73の傾斜面73aは、カッタ部材72に対してカバーテープ902の幅方向に突出されている。
折り返し部材73は、カッタ部材72の刃先72aによって剥離されたカバーテープ902の一方の端部を、傾斜面73aによって徐々に立ち上げながら折り返し、部品供給位置21aに供給された部品を収納した収納部901aの上面を開放(露出)させる。折り返し部材73の傾斜面73aによって折り返されたカバーテープ902は、図14に示すように、折り返し部材73とキャリアテープ900(ベーステープ901)の上面との間の隙間に強制的に押し込まれ、収納部901aの上面の開放状態を維持する。
このようにすることにより、従来のように、カバーテープ902を折り返して回収する別個の回収機構が不要となり、カバーテープ902はキャリアテープ900のベーステープ901と一体的に回収できるようになる。なお、図7中74は、カバーテープ902とともにキャリアテープ900を回収するためのガイドであり、本体21bの先端部に固定されている。
テープ剥離ユニット70には、ユニット本体71の一方の側壁71aの内側に、キャリアテープ900の種類に応じた識別マーク75が形成されており、この識別マーク75を認識する認識センサ76が、一方の側壁71aの内側に対向する本体21bの側面に取付けられている。
実施の形態においては、一例として、図12(A)〜(C)に示すように、白黒の色彩を有したコードをキャリアテープ900の送り方向に2列並べて、識別マーク75が構成され、この識別マーク75を反射センサからなる2つの認識センサ76a、76bによって認識するようにしている。そして、認識センサ76a、76bによって認識される2列のコードが、「白−白」、「白−黒」、「黒−白」によって、3種類のテープ剥離ユニット70の種類を認識するようになっている。
上記した構成のテープ剥離ユニット70は、機外において、フィーダ21に装着するキャリアテープ900の種類に合致したものが、オペレータによって本体21bに取付けられる。
テープ剥離ユニット70(70A、70B、70C)を取付けたフィーダ21は、部品供給部20にセットされ、通信コネクタ80(図7参照)を介して部品実装装置100の本体側からフィーダ21側に電力が供給されるとともに、フィーダID等の必要な情報がフィーダ21側から部品実装装置100の本体側に伝達される。これにより、フィーダ21のシリアルIDに基づいて、フィーダ21に装着されたキャリアテープ900によって送られる部品の情報が取得され、部品実装装置100の制御装置200に記憶される。同時に、フィーダ21に設けられた認識センサ76(76a、76b)によって認識したテープ剥離ユニット70の種類の情報が部品実装装置100の制御装置200に記憶される。
なお、本体21bには、フィーダ21の基準位置を示すフィーダマーク77が形成されている。フィーダマーク77は一例として、フィーダ21の先端上面に形成され、フィーダマーク77を基板カメラ46によって上方から撮像できるように、フィーダ21の先端部に取付けられたユニット本体71の上壁71cおよび折り返し部材73には、穴78が貫通されている。
部品供給部20にフィーダ21がセットされると、制御装置200は、シリアルIDに基づいて取得された部品の情報と、認識センサ76(76a、76b)によって認識された情報とを、制御装置200の比較照合部200aによって比較照合し、一致していない場合、すなわち、フィーダ21によって送られるキャリアテープ(部品)900に対応しない種類のテープ剥離ユニット70が取付けられていると判断した場合には、オペレータに対して警告を発し、テープ剥離ユニット70の交換を促す。
なお、この場合、本体21bの上面に、表示部を設け、この表示部に、比較照合部200aによる比較照合結果を表示するようにしてもよい。これにより、オペレータは、表示部の表示によって比較照合結果を確認することができる。
(画像処理)
次に、部品を供給するキャリアテープが、第一キャリアテープから第二キャリアテープに切替った場合の制御装置200による画像処理を図15に基づいて説明する。キャリアテープが切替った場合には、キャリアテープ個々の個体差や、スプロケットとキャリアテープの噛合いによる部品のズレを補正するために、第二キャリアテープの最初の部品を吸着する前に、画像処理を行い、キャリアテープの個体差等に拘らず、吸着ノズルにより常に部品の中心位置を吸着できるようになっている。
図15において、検知センサとしての第一センサ65によって先行する第一キャリアテープの終端が検知(ステップS100)され、次いで、第一センサ65によって後続する第二キャリアテープの先端が検知(ステップS102)されると、続くステップS104において、第二キャリアテープに係合するスプロケットが早送りで所定量回転され、第二キャリアテープの先端がスプロケットに係合する手前まで送られる。
次いで、ステップS106において、第二キャリアテープの係合穴901bにスプロケットを噛合わせる噛合動作が実行され、第二キャリアテープの係合穴901bにスプロケットが噛合され、スプロケットが原点に位置決めされる。次いで、ステップS108において、スプロケットが一定量回転され、最初の部品が部品供給位置21aに供給される。
この際、スプロケットが原点位置から一定量回転されることにより、第二キャリアテープの収納部901aに収納された最初の部品の中心位置は、部品供給位置21aの定められた目標位置に位置決めされるはずであるが、フィーダ21の個体差等によって、部品の中心位置が目標位置に対してずれる場合が起こり得る。
ステップS110においては、X軸スライド45が移動されて、基板カメラ46が部品供給位置21aの上方位置に位置決めされ、基板カメラ46によって最初の部品を撮像し、画像処理によって部品の中心位置を認識し、目標位置に対する部品の中心位置のズレ量(ΔX、ΔY)を取得し、制御装置200のメモリに記憶する。この場合、ステップS108までの間にX軸スライド45を移動させ、基板カメラを部品供給位置21aの上方位置に予め位置決めしておくこともできる。
ステップS112においては、基板カメラ46の中心と吸着ノズルの中心とのオフセット量に基づいてX軸スライド45を移動するとともに、制御装置200のメモリに記憶されたズレ量(ΔX、ΔY)だけX軸スライド45を位置補正制御する。これによって、最初の部品の中心が目標位置に一致する位置に位置決めされる。
その状態で、吸着ノズルが下降され、吸着ノズルによって最初の部品が吸着される。この際、上記したズレ量(ΔX、ΔY)の補正によって、部品は吸着ノズルによって中心位置を確実に吸着される。その後、吸着ノズルによって吸着された部品は、基板Bの所定位置に実装される。なお、最初の部品の中心を部品供給位置21aに対して位置補正することにより、第一キャリアテープと第二キャリアテープの個体差を解消できるため、2番目以降の部品は、スプロケットによるキャリアテープのピッチ送りにより、部品供給位置21aにほぼ正確に供給できる。このため、2番目以降の部品の画像処理を省略しても問題ない。
このように、キャリアテープが切替った場合の最初の部品を吸着する前に、画像処理を行って部品の中心位置を認識するようにしたので、キャリアテープが切り替わっても、吸着ノズルによって最初の部品の中心位置を正確に吸着することができる。これにより、キャリアテープの個体差等に拘らず、部品の吸着ミスを抑制できるようになる。
なお、基板カメラ46による部品の中心位置の認識は、キャリアテープによって部品を供給する途中で、1回もしくは2回行うようにしてもよい。これは、キャリアテープの部品の残量の減少により、キャリアテープを引き出す負荷が変動し、それによって、キャリアテープの送り方向に対してずれが発生するからである。
このように、キャリアテープが切替った場合の最初の部品を吸着する前と、キャリアテープの途中の1、2回程度、画像処理を行って部品の中心位置を認識することにより、常に部品の中心位置を吸着ノズルによって正確に吸着することができる。しかも、吸着する部品を毎回毎回画像処理する場合に比べ、サイクルタイムが長くなることもない。
上記した実施の形態においては、第一キャリアテープに係合して第一キャリアテープに収納された部品を部品供給位置21aに送るスプロケット61(62)と、待機する第二キャリアテープに係合して第二キャリアテープをスプロケット61に係合する位置に送るスプロケット63(64)とを備えたフィーダ21により、第一キャリアテープと第二キャリアテープをスプライシングせずに部品供給位置21aに連続して送るようにした例について述べた。しかしながら、本発明にとって、フィーダ21の構成は特に限定されるものではなく、スプロケットを設けることなく、第一キャリアテープと第二キャリアテープをスプライシングせずに部品供給位置21aに連続して送ることができるフィーダ21であれば、どのような構成のものであってもよい。
斯様に、部品実装装置100は、上記した実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した主旨を逸脱しない範囲内で種々の形態を採り得るものである。