JP6694704B2 - チタン含有膜形成用前駆体、及びチタン含有膜の形成方法 - Google Patents

チタン含有膜形成用前駆体、及びチタン含有膜の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、チタン含有膜形成用前駆体、チタン含有膜及び該前駆体を使用したチタン含有膜の形成方法に関する。
チタン含有膜は、半導体デバイスおいて、窒化チタン層と注入/拡散領域の間の導電膜として利用されている(例えば、非特許文献1参照)。また、アルミニウム材と誘電体層との間にチタン含有膜を介在させることによって、アルミニウム材と誘電体層との密着性を高めることができ、さらにアルミニウム材のエレクトロマイグレーションを抑制する効果を有することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、チタン含有膜は、トランジスタ、混成集積回路、電極材料、色素感太陽電池等にも利用されている。トランジスタや混成集積回路としては、チタン、白金、モリブデン等の異種金属膜を積層することにより得られる多層金属抵抗体が利用されている(例えば、特許文献2参照)。電極材料としては、電極中の厚さを1μm以下とした低抵抗の多孔質チタン層が利用されている。当該多孔質チタン層は、酸化チタン膜から電子を伝導し、生成したホールへのイオン拡散を起こさせる(例えば、非特許文献2参照)。そして、チタン含有膜は、バックコンタクト色素増感太陽電池としても利用されている(例えば、非特許文献3参照)。
さらに、チタン含有膜は、高い耐磨耗性及び耐酸化性を有することから、エレクトロニクス分野以外の分野、例えば工具や加工機械のハードコーティング用途で注目されている(例えば、非特許文献4参照)。
米国特許出願公開第2006/0134912号明細書 特開昭55−111101号公報
W.-F. Wu, K.-C. Tsai, C.-G. Chao, J.-C. Chen, K.-L. Ou, "Novel multilayered Ti/TiN diffusion barrier for Al metallization", J. Electronic Materials, 2005, 34, 1150-1156 Y.M.Sung, S.H.Paeng, B.H.Moon, D.J.Kwak, "Nanoporous Ti-Metal Film Deposition Using Radio Frequency Magnetron Sputtering Technique for Photovoltaic Application", J. Nanosci. Nanotech., 2012, 12, 1375-1379 N.Fuke, A.Fukui, A.Islam, R.Komiya, R.Yamanaka, H.Harima, L.Han, "Influence of TiO2/electrode interface on electron transport properties in back contact dye-sensitized solar cells", Solar Energy Materials and Solar Cells, 2009, 93, 720-724 C.Chokwatvikul, S.Larpkiattaworn, S.Surinphong, C.Busabok, P.Termsuksawad, "Effect of Nitrogen Partial Pressure on Characteristic and Mechanical Properties of Hard Coating TiAlN Film", Journal of Metals, Materials and Minerals, 2011, 21, 115-119
しかしながら、従来のチタン含有膜を形成する方法は、いずれも高周波プラズマ源、高温、高真空が要求されるプロセスであり、成膜プロセスの制御が困難であるという欠点があった。近年、ナノデバイスに要求されるチタン含有膜の膜質は高度化しており、三次元構造や深いトレンチ等の幾何学的に膜を形成することが困難な表面に、数オングストロームレベルでの均一性に優れたチタン含有膜を形成することが要求されている。このため、より低温で、かつ、プラズマを使用しないチタン含有膜の成膜プロセスが望まれている。
前駆体と呼ばれる有機金属分子を気化させて行う化学気相成長(CVD)や原子層堆積(ALD)による成膜技術はこの要求に応えるものである。特に1種の前駆体のみを使用する成膜方法は、成膜プロセスを簡略化することができ、成膜時のプロセスコントロールが容易であるため、このようなプロセスを可能にする前駆体の開発が望まれている。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、前記課題の少なくとも一部を解決することで、より低温で、かつ、プラズマを使用しないCVDやALD等の成膜プロセスに好適なチタン含有膜形成用前駆体、及び該前駆体を使用したチタン含有膜の形成方法を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るチタン含有膜形成用前駆体の一態様は、
基板上にチタン含有膜を形成するための前駆体であって、
下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする。
Figure 0006694704
(上記式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表す。Xは1または2の整数を表す。)
[適用例2]
適用例1のチタン含有膜形成用前駆体において、
前記一般式(1)中、R、R、R、R及びRの全てが、水素原子または同一の炭素数1〜6の炭化水素基であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2のチタン含有膜形成用前駆体において、
前記一般式(1)で表される化合物が、CpTi(BH、CpTi(BH)及びCp Ti(BH)(但し、Cpはシクロペンタジエニル基を表し、Cpはペンタメチルシクロペンタジエニル基を表す。)よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例のチタン含有膜形成用前駆体において、
前記一般式(1)で表される化合物を95質量%以上100質量%以下含むことができる。
[適用例5]
本発明に係るチタン含有膜の一態様は、
適用例1ないし適用例4のいずれか一例のチタン含有膜形成用前駆体を用いて作製されたことを特徴とする。
[適用例6]
本発明に係るチタン含有膜の形成方法の一態様は、
基板上にチタン含有膜を形成するための方法であって、
前記基板を処理容器内に収容する工程と、
下記一般式(1)で表される化合物を含むチタン含有膜形成用前駆体を前記処理容器内に導入して前記基板と接触させることにより前記基板上にチタン含有膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
Figure 0006694704
(上記式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表す。Xは1または2の整数を表す。)
[適用例7]
適用例6のチタン含有膜の形成方法において、
前記基板の温度が20℃以上800℃以下であることができる。
[適用例8]
適用例6または適用例7のチタン含有膜の形成方法において、
前記処理容器内の圧力が0.1Pa以上100kPa以下であることができる。
[適用例9]
適用例6ないし適用例8のいずれか一例のチタン含有膜の形成方法において、
前記チタン含有膜形成用前駆体を前記基板と接触させる手段が、化学気相成長(CVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ化学気相成長(PECVD)、プラズマ原子層堆積(PEALD)、パルス化学気相成長、低圧化学気相成長(LPCVD)、空間的ALD(spatial ALD, S-ALD)、空間的CVD(spatial CVD, S-ALD)、準大気圧化学気相成長及び大気圧化学気相成長(APCVD)よりなる群から選択される1種であることができる。
[適用例10]
適用例6ないし適用例9のいずれか一例のチタン含有膜の形成方法において、
前記基板上に形成される前記チタン含有膜が、金属チタン(Ti)、窒化チタン(Ti
N)、炭化チタン(TiC)、炭窒化チタン(TiCN)、チタンシリサイド(TiSi)、珪化窒化チタン(TiSiN)、ホウ化チタン(TiB)、ホウ窒化チタン(TiBN)、ホウ炭化チタン(TiBC)、酸化チタン(TiO)、及び窒酸化チタン(TiNO)よりなる群から選択される少なくとも1種であることができる。
[適用例11]
適用例6ないし適用例10のいずれか一例のチタン含有膜の形成方法において、
さらに、前記一般式(1)で表される化合物を前記処理容器内に導入すると同時または交互に、反応ガスを前記処理容器内に導入する工程を含むことができる。
[適用例12]
適用例11のチタン含有膜の形成方法において、
前記反応ガスが還元性物質であることができる。
[適用例13]
適用例12のチタン含有膜の形成方法において、
前記還元性物質が、窒素ガス、水素ガス、ジメチルアルミニウムヒドリド、アルミニウムジエチルメチルアミン三水素化物、トリメチルアミンテトラヒドロボロアルミニウム、トリメチルアミンアルミニウムジヒドリドテトラヒドロボレート、1−メチル−1−ピロールアルミニウム三水素化物、シラン、ジシラン、トリシラン、アンモニア、ジメチルシラン、ジエチルシラン、メチルシラン、エチルシラン、フェニルシラン、ヒドラジン、トリシリルアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ビストリメチルシリルアミン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、ジボラン、9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナン、ジヒドロベンゾフラン、ピラゾリン、トリメチルアルミニウム、ジメチル亜鉛及びジエチル亜鉛、のいずれか若しくはいずれかの化合物のラジカル又はこれらの混合物であることができる。
[適用例14]
適用例11のチタン含有膜の形成方法において、
前記反応ガスが酸化性物質であることができる。
[適用例15]
適用例14のチタン含有膜の形成方法において、
前記酸化性物質が、酸素、オゾン、水、過酸化水素、一酸化窒素、二酸化窒素及びカルボン酸類、のいずれか若しくはいずれかの化合物のラジカル又はこれらの混合物であることができる。
本発明に係るチタン含有膜形成用前駆体によれば、より低温で、かつ、プラズマを使用しないCVDやALD等の成膜プロセスを適用することができる。そして、本発明に係るチタン含有膜形成用前駆体を使用するチタン含有膜の形成方法によれば、基板上に数オングストロームレベルでの均一性に優れたチタン含有膜を形成することができる。
CpTi(BHの熱重量分析結果である。 CpTi(BH)の熱重量分析結果である。 Cp Ti(BH)の熱重量分析結果である。 CpTi(BH)及びCp Ti(BH)の温度に対する蒸気圧のプロットである。 CpTi(BH)の示差走査熱量計測定結果である。 Cp Ti(BH)の示差走査熱量計測定結果である。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。
以下の明細書及び特許請求の範囲を通じて、「Cp」という略語はシクロペンタジエニル基を表し、「Cp」という略語はペンタメチルシクロペンタジエニル基を表し、「Me」という略語はメチル基を表し、「Et」という略語はエチル基を表し、「Pr」という略語はプロピル基を表し、「iPr」という略語はイソプロピル基を表し、「Bu」という略語はブチル(n−ブチル)を表し、「tBu」という略語はtert−ブチルを表し、「sBu」という略語はsec−ブチルを表す。
「チタン含有膜」という用語は、チタン以外の他の元素を含有する膜だけでなく、チタンのみかなる膜(チタン膜)を含む意味で用いられる。
1.チタン含有膜形成用前駆体
本実施形態に係るチタン含有膜形成用前駆体は、基板上にチタン含有膜を形成するための前駆体であって、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする。
Figure 0006694704
(上記式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表す。Xは1または2の整数を表す。)
上記一般式(1)で表される化合物は、X=1の場合とX=2の場合とでそれぞれ以下のような形態を取り得る。
Figure 0006694704
上記一般式(1)中、R、R、R、R及びRが取り得る炭素数1〜6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基
、n−ヘキシル基等の直鎖アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の分岐鎖アルキル基;エチニル基、プロペニル基、ブチニル基等のアルケニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される化合物は、合成が困難である点及び物理的性質や熱的安定性の観点から、R、R、R、R及びRの置換基のすべてが、同一の水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物は、R、R、R、R及びRの置換基により、物理的性質や熱的安定性が大きく変動する。本実施形態においては、より低温で、かつ、プラズマを使用しないCVDやALD等の成膜プロセスを適用する観点から、より低温において蒸気圧が高い化合物が好ましい。したがって、R、R、R、R及びRの置換基は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基であることが好ましく、水素原子、メチル基であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、CpTi(BH、CpTi(BH)、Cp Ti(BH)、(tBuCp)Ti(BH)等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される化合物は、一般的にはシクロペンタジエニルチタンハライド錯体と水素化ホウ素リチウムのメタセシス反応により合成される。CpTi(BHの合成方法は、例えば「Soloveichik, G. L.; Bulychev, B. M.; Semenenko, K. N. Koordinatsionnaya Khimiya 1978, 4, 1216」に開示されている。CpTi(BH)の合成方法は、例えば「Lucas, C. R. Inorg. Synth. 1977, 17, 91」に開示されている。Cp Ti(BH)の合成方法は、「Pattiasina, J. W.; Heeres, H. J.; Van Bolhuis, F.; Meetsma, A.; Teuben, J. H.; Spek, A. L. Organometallics 1987, 6, 1004」及び「Bel'skii, V. K.; Sizov, A. I.; Bulychev, B. M.; Soloveichik, G. L. J. Organomet. Chem. 1985, 280, 67」に開示されている。また、(tBuCp)Ti(BH)の合成方法は、「Sizov, A. I.; Soloveichik, G. L.; Urazovskii, I. F.; Bel'skii,
V. K.; Bulychev, B. M. Metalloorganicheskaya Khimiya 1988, 1, 793」に開示されている。これらの合成方法によれば、いずれも温和な条件下でそれぞれの化合物が良好な収率で得られることが報告されている。
図1〜図3は、上記の合成方法により合成されたCpTi(BH、CpTi(BH)及びCp Ti(BH)の各熱重量分析の結果である。各熱重量分析には、メトラートレド社製、型式「TGA/SDTA 851e」を使用した。なお、熱重量分析は、空気暴露による化合物の分解を抑制するために窒素雰囲気としたグローブボックス内で実施した。
図1に示すCpTi(BHの熱重量分析は、温度範囲:25℃〜300℃、昇温速度:5℃/分、圧力:20mBarの条件下で行われた。図1の熱重量分析の結果より、室温から比較的低い温度の範囲(25〜50℃)でも質量の減少が見られ、CpTi(BHの残質量は8.0%となった。このことは、CpTi(BHが比較的高い蒸気圧を有することを示している。チタン含有膜形成用前駆体としては、このようなより低い温度で高い蒸気圧を有することが望ましいことから、CpTi(BHはチタン含有膜形成用前駆体として良好な特性を有することが明らかとなった。
図2に示すCpTi(BH)の熱重量分析は、温度範囲:25℃〜350℃、昇温
速度:10℃/分、圧力:20mBar及び大気圧の条件下で行われた。図2の熱重量分析の結果より、TGA曲線は90℃から170℃の範囲でなだらかな曲線を示しており、CpTi(BH)の残質量は1%以下であった。以上のことから、CpTi(BH)はチタン含有膜形成用前駆体として良好な特性を有することが明らかとなった。
図3に示すCp Ti(BH)の熱重量分析は、温度範囲:25℃〜500℃、昇温速度:10℃/分、圧力:20mBar及び大気圧の条件下で行われた。図3の熱重量分析の結果より、TGA曲線は130℃以上から質量減少を示し、400℃まで昇温時の残質量は2.7%であった。そして、160℃から170℃の間ではCp Ti(BH)は熱分解反応を起こすことなく昇華していると考えられる。このため、Cp Ti(BH)はチタン含有膜形成用前駆体として有用であると考えられる。
図4は、CpTi(BH)及びCp Ti(BH)の温度に対する蒸気圧のプロットである。図4に示すように、CpTi(BH)の蒸気圧が1torr(133.3Pa)に到達する温度は108℃であり、Cp Ti(BH)の蒸気圧が1torr(133.3Pa)に到達する温度が181℃であった。CpTi(BH)は、Cp Ti(BH)よりも低温で高い蒸気圧を有することから、チタン含有膜形成用前駆体としてより適していると言える。
図5は、CpTi(BH)の示差走査熱量計測定結果であり、図6は、Cp Ti(BH)の示差走査熱量計測定結果である。示差走査熱量計としては、メトラートレド社製、型式「TGA/SDTA 851e」を使用した。図5に示すCpTi(BH)の示差走査熱量計測定結果から、CpTi(BH)の融点が166.1℃、熱分解温度が242.1℃であることがわかった。図6に示すCp Ti(BH)の示差走査熱量計測定結果によれば、Cp Ti(BH)の融点が171.1℃、熱分解温度が241.6℃であることがわかった。
本実施形態に係るチタン含有膜形成用前駆体は、均一かつ純度に優れたチタン含有膜を形成するために、上記一般式(1)で表される化合物を95質量%以上100質量%以下含むことが好ましく、97質量%以上100質量%以下含むことがより好ましく、99質量%以上100質量%以下含むことが更に好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
2.チタン含有膜の形成方法
本実施形態に係るチタン含有膜の形成方法は、基板上にチタン含有膜を形成するための方法であって、基板を処理容器内に収容する工程と、下記一般式(1)で表される化合物を含むチタン含有膜形成用前駆体を前記処理容器内に導入して前記基板と接触させることにより前記基板上にチタン含有膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
Figure 0006694704
(上記式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を表す。Xは1または2の整数を表す。)
本実施形態に係るチタン含有膜の形成方法は、基板上に金属チタン膜、ホウ化チタン膜、ホウ炭化チタン膜、その他種々のチタン含有膜の成膜に使用することができ、半導体、トランジスタ、混成集積回路、電極材料、色素増感太陽電池等のエレクトロニクス分野の他、工具や加工機械等のハードコーティング用途に使用することができる。
基板上にチタン含有膜を形成するためには、当業者に既知の任意の堆積法を用いることができる。このような堆積法の具体例としては、化学気相成長(CVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ化学気相成長(PECVD)、プラズマ原子層堆積(PEALD)、パルス化学気相成長、低圧化学気相成長(LPCVD)、空間的ALD(spatial ALD, S-ALD)、空間的CVD(spatial CVD, S-ALD)、準大気圧化学気相成長及び大気圧化学気相成長(APCVD)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、成膜速度が速く、膜の均一性に優れ、コンフォーマルな膜質が要求されるプロセスには、熱CVDが好ましい。また、トレンチ、ホール又はビアといった過酷な条件においてより均一性の高い膜を成膜するプロセスには、熱ALDであることが好ましい。
まず、基板を上記例示した堆積法を実施するための処理容器内に収容する。チタン含有膜を堆積させる基板は、用途によって異なる。基板の具体例としては、金属基板等の固体基板(例えばAu、Pd、Rh、Ru、W、Al、Ni、Ti、Co、Pt、並びにTiSi、CoSi及びNiSi等の金属ケイ化物)、金属窒化物含有基板(例えばTaN、TiN、TiAlN、WN、TaCN、TiCN、TaSiN及びTiSiN)、半導体材料(例えばSi、SiGe、GaAs、InP、ダイヤモンド、GaN及びSiC)、絶縁体(例えばSiO、Si、SiON、HfO、Ta、ZrO、TiO、Al及びチタン酸バリウムストロンチウム)、又はこれらの材料のあらゆる組合せを含む他の基板が挙げられるが、これらに限定されない。
続いて、上記一般式(1)で表される化合物を含むチタン含有膜形成用前駆体の蒸気を処理容器内に導入する。処理容器内には、チタン含有膜を堆積させるための基板を1〜200個程度収容することができる。処理容器は、内部で堆積法を行うことができれば特に限定されるものではないが、例えば平行平板型反応器、低温壁型反応器、高温壁型反応器、単一ウエハー反応器、マルチウエハー反応器、その他のタイプの堆積システムであることができる。
処理容器内の温度、圧力及び基板の温度は、チタン含有膜形成用前駆体の蒸気と基板との接触により、基板の少なくとも一部の表面上でチタン含有膜が形成されるように好適な条件に保持される。
処理容器内の圧力は、好ましくは0.1Pa〜100kPa、より好ましくは0.5Pa〜1kPa、特に好ましくは1Pa〜100Paの範囲内とすることができる。処理容器内の温度は、好ましくは25℃〜350℃、より好ましくは50℃〜300℃とすることができる。
また、チタン含有膜の十分な成長速度を達成するために、基板を加熱しておいてもよい。基板の温度は、好ましくは20℃以上800℃以下、より好ましくは150℃以上600℃以下、更に好ましくは250℃以上500℃以下であり、特に好ましくは300℃以上450℃以下である。
チタン含有膜形成用前駆体の蒸気を処理容器内に導入する際、チタン含有膜形成用前駆体を液体状態で蒸発器に送り込み、そこで処理容器内に導入する前に蒸発させてもよい。溶媒としては、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン、デカン、ドデカン等から適切な
溶媒を選択することができる。得られる濃度は、およそ0.05M〜およそ2Mの範囲であり得る。
また、チタン含有膜形成用前駆体を含有する容器にキャリアガスを通すか、又はキャリアガスをチタン含有膜形成用前駆体にバブリングすることによってチタン含有膜形成用前駆体を蒸発させてもよい。次いで、キャリアガス及びチタン含有膜形成用前駆体を蒸気として処理容器内に導入する。キャリアガスとしては、Ar、He、N、及びその混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。チタン含有膜形成用前駆体を容器内で溶媒、別の金属前駆体、又はその混合物と任意で混合してもよい。必要に応じて、チタン含有膜形成用前駆体が液相になり、十分な蒸気圧を有することを可能にする温度に容器を加熱してもよい。また、容器を、例えば0℃〜150℃の範囲内の温度に維持してもよい。蒸発させるチタン含有膜形成用前駆体の量を制御するために、容器の温度を公知の方法で調整することができる。
さらに、上記一般式(1)で表される化合物を処理容器内に導入すると同時または交互に、反応ガスを前記処理容器内に導入してもよい。反応ガスは、得られるチタン含有膜に含まれる成分に応じて適宜選択することができる。反応ガスとしては、例えば酸化性物質、還元性物質が挙げられる。
酸化性物質としては、酸素、オゾン、水、過酸化水素、一酸化窒素、二酸化窒素及びカルボン酸類、のいずれか若しくはいずれかの化合物のラジカル又はこれらの混合物が挙げられる。
還元性物質としては、窒素ガス、水素ガス、ジメチルアルミニウムヒドリド、アルミニウムジエチルメチルアミン三水素化物、トリメチルアミンテトラヒドロボロアルミニウム、トリメチルアミンアルミニウムジヒドリドテトラヒドロボレート、1−メチル−1−ピロールアルミニウム三水素化物、シラン、ジシラン、トリシラン、アンモニア、ジメチルシラン、ジエチルシラン、メチルシラン、エチルシラン、フェニルシラン、ヒドラジン、トリシリルアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ビストリメチルシリルアミン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、ジボラン、9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナン、ジヒドロベンゾフラン、ピラゾリン、トリメチルアルミニウム、ジメチル亜鉛及びジエチル亜鉛、のいずれか若しくはいずれかの化合物のラジカル又はこれらの混合物が挙げられる。
これらの反応ガスは、反応ガスをそのラジカル形態へと分解するためにプラズマによって処理してもよい。プラズマによる処理の際にNを還元剤として利用してもよい。例えば、プラズマは、50W〜500W、好ましくは100W〜200Wの範囲の電力で発生させることができる。プラズマは処理容器から離して、例えば遠隔設置されたプラズマシステム内にあってもよく、又は処理容器自体の中に存在していてもよい。
以上説明した本実施形態に係るチタン含有膜の形成方法によって得られるチタン含有膜は、金属チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、炭窒化チタン(TiCN)、チタンシリサイド(TiSi)、珪化窒化チタン(TiSiN)、ホウ化チタン(TiB)、ホウ窒化チタン(TiBN)、ホウ炭化チタン(TiBC)、酸化チタン(TiO)、及び窒酸化チタン(TiNO)よりなる群から選択される少なくとも1種であることができる。上記反応ガスは、所望のチタン含有膜に含まれるチタン以外の元素の種類によって、後述する実施例に記載の如く適宜選択することができる。
3.実施例
3.1.CpTi(BHの合成
−30℃に冷却した水素化ホウ素リチウム(LiBH)0.75g(34.1mmol)のジエチルエーテル溶液を、−30℃に冷却した三塩化シクロペンタジエニルチタン(CpTiCl)1.78g(8.1mmol)のジエチルエーテル溶液に滴下した。LiBH溶液の滴下により溶液中に泡が発生した。その後、反応溶液を室温まで昇温し、12時間撹拌した。
得られた上澄みをグラスフィルターによりろ過して、シュレンクフラスコAにろ液を捕集した。シュレンクフラスコAからグラスフィルターを取り外し、フィンガータイプフラスコBとそれに続く真空ラインを接続した。フラスコAは室温下におき、フラスコBは液体窒素を充填したデュワーに挿入して冷却した状態で減圧することにより、フラスコB中に青色の固体を得た。フラスコAには暗色のタール状物質が残った。
フラスコAはフラスコBから切り離し、フラスコBを−5℃から0℃に昇温しながらさらに減圧することにより、固体中に残留していたジエチルエーテルを除去した。フラスコB内に目的物であるCpTi(BHの青色の結晶が得られた(収量0.89g)。
フラスコBを室温に戻すと、CpTi(BHの青色結晶は、暗緑色のオイル状に変化した。さらに−30℃まで冷却すると青色の結晶が得られた。このようにして得られたCpTi(BHH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(C.293,TMS):δ=61.3(br,5H,Cp),3.35(br,4H,CH,EtO),1.11(br,6H,CH,EtO)
3.2.Cp Ti(BH)の合成
室温下で水素化ホウ素リチウム(LiBH)(49.6mL、0.5M、24.8mmol)のジエチルエーテル溶液を、−30℃に冷却した二塩化ビステトラメチルシクロペンタジエニルチタン(Cp TiCl)3.0g(7.7mmol)のジエチルエーテル溶液に滴下し、その後100時間撹拌した。
得られた上澄みをグラスフィルターによりろ過して、シュレンクフラスコにろ液を捕集した。減圧下で揮発性成分を除去し、得られた残渣を少量のヘキサンで撹拌しながら溶解した。ヘキサン溶液はグラスフィルターでろ過し、−30℃に冷却して100時間静置したところ、暗青色の結晶が得られた。得られた結晶をフィルターにより分離し、減圧下で溶媒を除去した。Cp Ti(BH)の収量は1.95g、5.6mmolであり、収率は73%であった。結晶中に残った溶媒を除去するため、温度160〜170℃、10〜20mtorrの圧力下で昇華させた。このようにして得られたCp Ti(BH)のH−NMRの測定結果を以下に示す。
H−NMR(C.293,TMS):δ=17.7(br,15H,Cp),1.80(s,Cp,unassigned)
3.3.CpTi(BH)の合成
CpTi(BH)は、「Lucas, C. R. Inorg. Synth. 1977, 17, 91」に開示されている方法により合成した。
3.4.CpTi(BHを用いたチタン含有膜の成膜
一つの非限定的な例示的成膜プロセスでは、上記の合成方法により合成したCpTi(BHを使用して、以下の方法によりチタン含有膜を成膜することができる。
容量150mLのステンレススチール製容器にCpTi(BHを40g導入する。他の実施形態では、CpTi(BHを導入する容器としてステンレススチール製容器に代えてガラス製容器を用いることができる。次いで、室温下でCpTi(BHが導入された容器からバブリング法により、気相CpTi(BHを減圧下(10mtorr)の処理容器に導入する。処理容器内の圧力は、10〜40mtorrの範囲で適宜調整することができる。
原子層堆積型プロセスでは、CpTi(BHの蒸気相は処理容器に導入され、処理容器に収容された基板に接触する。過剰なCpTi(BHは、その後、処理容器をパージ及び/又は排気することによって、処理容器から除去することができる。反応ガスは、CpTi(BHが基板表面に吸着した基板を収容する処理容器内に導入される。過剰な反応ガスは、処理容器をパージ及び/又は排気することによって、処理容器から除去される。この2段階のプロセスを所望の膜厚のチタン含有膜が得られるまで繰り返すことができる。
所望のチタン含有膜がチタン金属、TiC、TiB、TiBCである場合には、反応ガスとしてNを使用するが、H、HAlMe、HAlNEtMe、HAlNMe、(BH)AlHNMe、HAl(Me−NC)、その他のアレーン類、SiH、Si、Si、又はBであってもよい。
所望のチタン含有膜がTiN、TiCN、TiBNである場合には、反応ガスとしてNHを使用するが、N、N(SiH、N(CH)H、N(C)H、N(CHH、N(CH、N(CH、N(C、(SiMeNH、(CH)HNNH、(CHNNH、又はフェニルヒドラジンであってもよい。
このような成膜プロセスによれば、成膜温度300℃〜400℃において、1Å/サイクルの成膜速度が期待される。そして、XRD、XPS、CS−SEM(Cross−section SEM)の測定により、良好で均一なチタン含有膜が得られたことを確認することができる。得られたチタン含有膜の酸化を防止するために保護膜をつける後処理や成膜温度と同じ温度における水素雰囲気下のアニーリングを施すことができる。
他の実施形態としては、国際公開第2011/123792号に開示されている方法を援用することもできる。TiCN膜は、CpTi(BH又はCpTi(BH)を使用し、NHを共反応物質としてALD法を用いて堆積することができる。処理容器にArガス約55SCCMを連続で流通し、圧力5torr、温度550℃に制御する。約1SCCMの流速でCpTi(BH又はCpTi(BH)を約10秒のパルスで処理容器に導入する。CpTi(BH又はCpTi(BH)は、約30秒間のArガス約55SCCMで処理容器からパージされる。NHを約10秒間、約50SCCMで処理容器に導入し、その後Arガス約55SCCMで処理容器からパージされる。チタン含有膜が適切な厚さに到達するまで、これらのステップを繰り返すことができる。
さらに、別の実施形態としては、米国特許出願公開第2014/0051264号明細書に開示されている方法を援用することもできる。すなわち、NH又はHのリモートプラズマにより発生させたラジカル窒素、または水素による流動PECVD法によってチタン含有膜を堆積させることができる。精製したラジカル共反応剤は、CpTi(BHまたはCpTi(BH)とともに処理容器に導入され、基板上に流動性膜を形成する。開示されたN含有チタン前駆体の窒素原子が堆積する膜の流動性を向上させることにより、ボイドの少ないフィルムが得られると考えられる。
3.5.CpTi(BH)を用いたチタン含有膜の成膜
一つの非限定的な例示的成膜プロセスでは、上記の合成方法により合成したCpTi(BH)を使用して、以下の方法によりチタン含有膜を成膜することができる。
容量150mLのステンレススチール製容器にCpTi(BH)を40g導入する
。他の実施形態では、CpTi(BH)を導入する容器としてステンレススチール製容器に代えてガラス製容器を用いることができる。
ヒーティングテープによりCpTi(BH)が導入された容器を100℃に、配管を110℃に加熱し、容器から気相CpTi(BH)を減圧下(10mtorr)の処理容器に導入する。処理容器内の圧力は、10〜30mtorrの範囲で適宜調整することができる。
原子層堆積型プロセスでは、CpTi(BH)の蒸気相は処理容器に導入され、処理容器に収容された基板に接触する。過剰なCpTi(BH)は、その後、処理容器をパージ及び/又は排気することによって、処理容器から除去することができる。反応ガスは、CpTi(BH)が基板表面に吸着した基板を収容する処理容器内に導入される。過剰な反応ガスは、処理容器をパージ及び/又は排気することによって、処理容器から除去される。この2段階のプロセスを所望の膜厚のチタン含有膜が得られるまで繰り返すことができる。
所望のチタン含有膜がチタン金属、TiC、TiB、TiBCである場合には、反応ガスとしてNを使用するが、H、HAlMe、HAlNEtMe、HAlNEtMe、HAlNMe、(BH)AlHNMe、HAl(Me−NC)、その他のアレーン類、SiH、Si、Si、又はBであってもよい。
所望のチタン含有膜がTiN、TiCN、TiBNである場合には、反応ガスとしてNHを使用するが、N、N(SiH、N(CH)H、N(C)H、N(CHH、N(CH、N(CH、N(C、(SiMeNH、(CH)HNNH、(CHNNH、又はフェニルヒドラジンであってもよい。
このような成膜プロセスによれば、成膜温度300℃〜400℃において、1Å/サイクルの成膜速度が期待される。そして、XRD、XPS、CS−SEM(Cross−section SEM)の測定により、良好で均一なチタン含有膜が得られたことを確認することができる。得られたチタン含有膜の酸化を防止するために保護膜をつける後処理や成膜温度と同じ温度における水素雰囲気下のアニーリングを施すことができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (12)

  1. 基板上にチタン含有膜を形成するための前駆体であって、
    CpTi(BH及びCp Ti(BH)(但し、Cpはシクロペンタジエニル基を表し、Cpはペンタメチルシクロペンタジエニル基を表す。)よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする、チタン含有膜形成用前駆体。
  2. 前記化合物を95質量%以上100質量%以下含む、請求項1に記載のチタン含有膜形成用前駆体。
  3. 基板上にチタン含有膜を形成するための方法であって、
    前記基板を処理容器内に収容する工程と、
    CpTi(BH及びCp Ti(BH)(但し、Cpはシクロペンタジエニル基を表し、Cpはペンタメチルシクロペンタジエニル基を表す。)よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むチタン含有膜形成用前駆体を前記処理容器内に導入して前記基板と接触させることにより前記基板上にチタン含有膜を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、チタン含有膜の形成方法。
  4. 前記基板の温度が20℃以上800℃以下である、請求項に記載のチタン含有膜の形成方法。
  5. 前記処理容器内の圧力が0.1Pa以上100kPa以下である、請求項または請求項に記載のチタン含有膜の形成方法。
  6. 前記チタン含有膜形成用前駆体を前記基板と接触させる手段が、化学気相成長(CVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ化学気相成長(PECVD)、プラズマ原子層堆積(PEALD)、パルス化学気相成長、低圧化学気相成長(LPCVD)、空間的ALD(spatial ALD, S-ALD)、空間的CVD(spatial CVD, S-ALD)、準大気圧化学気相成長及び大気圧化学気相成長(APCVD)よりなる群から選択される1種である、請求項
    いし請求項のいずれか一項に記載のチタン含有膜の形成方法。
  7. 前記基板上に形成される前記チタン含有膜が、金属チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、炭窒化チタン(TiCN)、チタンシリサイド(TiSi)、珪化窒化チタン(TiSiN)、ホウ化チタン(TiB)、ホウ窒化チタン(TiBN)、ホウ炭化チタン(TiBC)、酸化チタン(TiO)、及び窒酸化チタン(TiNO)よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項ないし請求項のいずれか一項に記載のチタン含有膜の形成方法。
  8. さらに、前記チタン含有膜形成用前駆体を前記処理容器内に導入すると同時または交互に、反応ガスを前記処理容器内に導入する工程を含む、請求項ないし請求項のいずれか一項に記載のチタン含有膜の形成方法。
  9. 前記反応ガスが還元性物質である、請求項に記載のチタン含有膜の形成方法。
  10. 前記還元性物質が、窒素ガス、水素ガス、ジメチルアルミニウムヒドリド、アルミニウムジエチルメチルアミン三水素化物、トリメチルアミンテトラヒドロボロアルミニウム、トリメチルアミンアルミニウムジヒドリドテトラヒドロボレート、1−メチル−1−ピロールアルミニウム三水素化物、シラン、ジシラン、トリシラン、アンモニア、ジメチルシラン、ジエチルシラン、メチルシラン、エチルシラン、フェニルシラン、ヒドラジン、トリシリルアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ビストリメチルシリルアミン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、ジボラン、9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナン、ジヒドロベンゾフラン、ピラゾリン、トリメチルアルミニウム、ジメチル亜鉛及びジエチル亜鉛、のいずれか若しくはいずれかの化合物のラジカル又はこれらの混合物である、請求項に記載のチタン含有膜の形成方法。
  11. 前記反応ガスが酸化性物質である、請求項に記載のチタン含有膜の形成方法。
  12. 前記酸化性物質が、酸素、オゾン、水、過酸化水素、一酸化窒素、二酸化窒素及びカルボン酸類、のいずれか若しくはいずれかの化合物のラジカル又はこれらの混合物である、請求項11に記載のチタン含有膜の形成方法。
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