JP6694351B2 - 発泡断熱シートとそれを用いた成型品、およびその製法 - Google Patents
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Description
上記先行発明では、原紙に合成樹脂フィルムを積層したシートを加熱し、主に原紙に含有する水分を用いて合成樹脂フィルムを発泡させて発泡セル群からなる発泡面を形成し、該発泡面の少なくとも一部を前記発泡面と金型に設けた吸引面との間に発泡セルを吸引するための隙間が生じるように大きさが設定された金型で真空吸引して発泡セルの発泡高さを高めた構成となっており、相応の成果を挙げている。
一方で、発泡セルの発泡高さが高くなると発泡内部の空洞が大きくなるので、発泡が潰れやすいという問題もあった。
原紙に積層した合成樹脂フィルムを加熱により発泡させて加熱発泡セル群を形成し、該加熱発泡セル群を金型で真空吸引した状態で前記加熱発泡セル群より発泡高さが高いバキューム発泡セル群を形成する発泡断熱シートの製法において、
原紙に積層した合成樹脂フィルムが、原紙の非発泡側の面に積層された高融点合成樹脂フィルムと、原紙の発泡側の面に積層された低融点合成樹脂フィルムと、該低融点合成樹脂フィルムの上で発泡側の面の最も外側に積層された高融点合成樹脂フィルム層からなっており、
低融点合成樹脂フィルム層を低融点合成樹脂フィルムの融点温度以上で高融点合成樹脂フィルムの融点温度以下で加熱して、低融点合成樹脂フィルムに加熱発泡セル群を形成し、
金型で前記高融点合成樹脂フィルムを介して低融点合成樹脂フィルムに形成された加熱発泡セル群を真空吸引して高融点合成樹脂フィルムで覆われたバキューム発泡セル群を形成してなることを特徴とする。
即ち、従来構成に比してバキューム発泡に際してのバキューム圧を非発泡層である高融点合成樹脂フィルム層が受けるため、バキューム発泡セルの形状が潰れにくい。
そのため、触感は、従来に比して固く感じる。
また、外観は従来よりのマット調に対して光沢度が高くなりミラー調となり、さらに視認性もが高く、従来より優れた賦形効果が得られる。
また、合成樹脂フィルムは、ポリエチレンフィルムを例として示す。
ここで、本明細書では、説明の便宜上、加熱により形成される発泡セルを加熱発泡セルとし、加熱発泡セルを真空吸引した発泡セルをバキューム発泡セルとして区別する。
この発明で上記フィルムの厚さは上記数値に限定されるものではなく、低融点ポリエチレンフィルム3の厚みは加熱による加熱発泡セルを成形しうる厚みであり、高融点ポリエチレンフィルム4の厚みは、低融点ポリエチレンフィルム3の加熱発泡セルの成形を大きく阻害しない厚みであればよい。
原紙1の含水率は7%であった。
上記数値もこの発明で限定されるものではないこと勿論である。
第1に、ラミネート原紙10、10’を低融点ポリエチレンフィルム3の溶融温度で加熱する。
ここでは、加熱条件として、120℃で90秒間の加熱としたが、この発明では合成樹脂フィルムの物性や厚みに対応した加熱条件を用いることができる。
これによって、図5に示すように、加熱により成形された加熱発泡セル群5(図中、黒丸で示す)は、従来の単層構造の加熱発泡セル群5’(図中、黒三角形で示す)に比して、発泡セル数が少なく、発泡高さが低くなり、従来の細かい発泡形状に対してやや粗い発泡形状となる。
ここで、発泡セル数の数え方は、X線・CT装置の画面上で発泡セル群の断面を観察し、上記画面上で1mm2角内の発泡セルをカウントした。
第2に、前記加熱発泡セル群5、5’が形成されたラミネート原紙10、10’をバキューム金型(図示省略)にセットする(図3参照)。
バキューム金型は、前記加熱発泡セル群5、5’の発泡面と金型に設けた吸引面との間に加熱発泡セルを吸引するための隙間が生じるように大きさが設定されている。この時、金型の吸引面以外の箇所で原紙の吸引しない面を押さえておくと、吸引時に原紙がずれることがなく、綺麗な吸引加工ができる。
ここでバキューム条件は、吸引圧:−40kPa、吸引時間5秒としたが、この発明では合成樹脂フィルムの厚さや物性に応じて適宜変更することができる。
これに対して、本実施例のラミネート原紙10では、バキューム圧を非発泡の層となっている高融点ポリエチレンフィルム層4が受けるため、吸引されたバキューム発泡セル6の柱が切れにくく、再現性が高まる(図4(a)参照)。
即ち、図6に示すように、本実施例の真空吸引により成形されたバキューム発泡セル6(図中、白丸で示す)は、従来の単層構造のバキューム発泡セル6’(図中、白三角形で示す)に比して、崩れていない発泡セル数が多くなる。発泡高さは単層構造より低いが、加熱発泡セル群における発泡高さの差よりもバキューム発泡セル群における発泡高さの差が小さくなる。
従来の単層構造では、前述のように、図7(b)13で示すようにバキューム発泡セル6’の柱が切れたり潰れやすく、触感は軟らかくて、外観の光沢度が低かったはマット調となっていた。
これに対して、本実施例では、図7(a)3に示すように、バキューム発泡セル6の触感は潰れにくく固い触感で外観の光沢度も高くなっていたはミラー調となる(図7参照)。
バキューム発泡セル6について、ストログラフにて、荷重1400Nで20秒間静止しながら圧縮した際の発泡形状記憶率を算出し、従来の単層構造と本実施例とを比較し、触感の差を比較した。
ここで、発泡形状記憶率(%)=圧縮後の発泡高さ/圧縮前の発泡高さ×100とする。
単層構造では発泡形状記憶率63%、本発明では発泡形状記憶率99%であることが確認された。
鏡面光沢度は、光源からの光の反射率で示す。
測定方法は、JIS Z 8741−1997に準拠して測定した。
光沢度測定結果は、同じ金型を使用してバキューム発泡した結果、
(1)バキューム金型1(菱形の凹凸パターン)
単層構造 9.1%、 本実施例 15.0%
(2)バキューム金型2(格子の凹凸パターン)
単層構造 5.2%、 本実施例 9.2%
(3)バキューム金型32(三角の凹凸パターン)
単層構造 4.6%、 本実施例 4.8%
上記により、いずれの場合も、単層構造よりも多層構造である本実施例の方が光沢度が高いことが確認された。
輝度差を、バキューム発泡部分(凸部)の輝度−非発泡部分(凹部)で測定した。輝度の測定方法は、まず内部を一定照度に保つことが可能で、頂部にカメラによる撮影用の孔が設けられたドーム照明の中に、測定対象のサンプルを設置した。次に、ドーム照明内の照度を1100ルクスに設定し、撮影用の孔からサンプルをカメラで撮影し、解析ソフトを用いて、バキューム発泡部分(凸部)と非発泡部分(凹部)の輝度をそれぞれ測定した。
(1)バキューム金型1(菱形の凹凸パターン)
単層構造 89.0cd/m2 本実施例 96.9cd/m2
(2)バキューム金型2(格子の凹凸パターン)
単層構造 65.2cd/m2 本実施例 96.9cd/m2
上記により、いずれの場合も、単層構造よりも多層構造である本実施例の方が輝度差が大きく視認性が高いことが確認された。
また、外観は光沢度が高くいミラー調となり、視認性も高く、従来より優れた賦形効果や意匠効果が得られる。
この場合は、発泡処理されたブランクを用いて、コップ、容器、その他の成型品を成形加工してもよい。
また、上記実施例では合成樹脂フィルムの一例としてポリエチレンフィルムを挙げたが、その他の発泡可能な合成樹脂フィルムを用いてもよい。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
1’ 従来構造の原紙
2 裏面側の高融点ポリエチレンフィルム
2’ 従来構造の裏面側の高融点ポリエチレンフィルム
3 表面側の低融点ポリエチレンフィルム
3’ 表面側の低融点ポリエチレンフィルム
4 表面側の高融点ポリエチレンフィルム
5 加熱発泡セル群
5’ 従来構造の加熱発泡セル群
6 バキューム発泡セル
6’ 従来構造のバキューム発泡セル
10、10’ ラミネート原紙
Claims (3)
- 原紙に積層した合成樹脂フィルムを加熱により発泡させて加熱発泡セル群を形成し、該加熱発泡セル群を金型で真空吸引した状態で前記加熱発泡セル群より発泡高さが高いバキューム発泡セル群を形成する発泡断熱シートの製法において、
原紙に積層した合成樹脂フィルムが、原紙の非発泡側の面に積層された高融点合成樹脂フィルムと、原紙の発泡側の面に積層された低融点合成樹脂フィルムと、該低融点合成樹脂フィルムの上で発泡側の面の最も外側に積層された高融点合成樹脂フィルム層からなっており、
低融点合成樹脂フィルム層を低融点合成樹脂フィルムの融点温度以上で高融点合成樹脂フィルムの融点温度以下で加熱して、低融点合成樹脂フィルムに加熱発泡セル群を形成し、
金型で前記高融点合成樹脂フィルムを介して低融点合成樹脂フィルムに形成された加熱発泡セル群を真空吸引して高融点合成樹脂フィルムで覆われたバキューム発泡セル群を形成してなることを特徴とする発泡断熱シートの製法。 - 低融点合成樹脂フィルムに、加熱による加熱発泡セル群を形成し、その後に該加熱発泡セル群を吸引してバキューム発泡セル群を成形する工程が、成型品としての成形前のブランク段階で行われることを特徴とする請求項1に記載の発泡断熱シートの製法。
- 低融点合成樹脂フィルムに、加熱による加熱発泡セル群を形成し、その後に該加熱発泡セル群を吸引してバキューム発泡セル群を成形する工程が、成型品としての成型の途中段階、または成型後の段階で行われることを特徴とする請求項1に記載の発泡断熱シートの製法。
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