JP6693775B2 - 濾過装置、濾過方法および水処理システム - Google Patents

濾過装置、濾過方法および水処理システム Download PDF

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Description

本発明は、濾過装置、濾過方法および水処理システムに関する。
たとえば特開2015−9170号公報(特許文献1)は、円筒状フィルタおよび、それを用いたバラスト水処理装置を開示する。円筒状フィルタの材料として、たとえば不織布等の多孔質構造体が用いられる。
特開2015−9170号公報
不織布からなるフィルタの場合、水質によっては、水中の浮遊物等のために短時間でフィルタの目詰まりが起こる。目詰まりの要因として、表面堆積と内部閉塞とがある。表面堆積とは、フィルタの平均孔径よりも大きい粒子がフィルタの表面に堆積することにより、ケーキと呼ばれる固まりの層が形成される現象である。内部閉塞とは、フィルタの平均孔径よりも小さい粒子がフィルタの内部に滞留して流路を閉塞させる現象である。
フィルタの表面を水流によって洗浄することにより、ケーキ層を除去することができるので、表面堆積は解消できる。一方で、内部閉塞は、逆洗浄といった強制的な洗浄を行わなければ、解消することが難しい。高い頻度の逆洗浄が必要になった場合には濾過装置の処理能力が低下する。また、内部閉塞は圧損の上昇をもたらす。圧損の上昇はフィルタの寿命を低下させる。
本発明の目的は、フィルタの目詰まりを抑えながら濾過処理を継続することが可能な濾過装置、およびその濾過装置を用いた濾過方法ならびに水処理システムを提供することである。
本発明の一態様に係る濾過装置は、織布、または膜厚が200μm以下の不織布であるスクリーンフィルタを含み、かつ、その形状が円筒である円筒フィルタと、円筒フィルタの円筒の接線方向に沿って被処理水を流出し、かつ円筒の高さよりも短い高さを有するノズル口を含む、被処理水ノズルと、ノズル口をその内側に備え、かつ円筒フィルタを収容するケースと、ケースの内側に設けられた流入口を有し、かつ、円筒フィルタを透過した濾過水をケースの外部へ導出する濾過水流路と、円筒フィルタを、円筒の中心軸を中心として回転させる回転機構とを備える。
本発明の一態様に係る濾過方法は、織布、または膜厚が200μm以下の不織布であるスクリーンフィルタを含み、かつ、その形状が円筒である円筒フィルタと、円筒フィルタの円筒の接線方向に沿って被処理水を流出し、かつ円筒の高さよりも短い高さを有するノズル口を含む、被処理水ノズルと、ノズル口をその内側に備え、かつ円筒フィルタを収容するケースと、ケースの内側に設けられた流入口を有し、かつ、円筒フィルタを透過した濾過水をケースの外部へ導出する濾過水流路と、円筒フィルタを、円筒の中心軸を中心として回転させる回転機構とを備えた濾過装置による濾過方法であって、回転機構により円筒フィルタを回転させながら被処理水ノズルのノズル口から被処理水を流出して、被処理水を濾過する。
本発明の一態様に係る水処理システムは、被処理水を濾過する第1の濾過装置と、第1の濾過装置によって濾過された濾過水を濾過する第2の濾過装置とを備え、第1の濾過装置は、織布、または膜厚が200μm以下の不織布であるスクリーンフィルタを含み、かつ、その形状が円筒である円筒フィルタと、円筒フィルタの円筒の接線方向に沿って被処理水を流出し、かつ円筒の高さよりも短い高さを有するノズル口を含む、被処理水ノズルと、ノズル口をその内側に備え、かつ円筒フィルタを収容するケースと、ケースの内側に設けられた流入口を有し、かつ、円筒フィルタを透過した濾過水をケースの外部へ導出する濾過水流路と、円筒フィルタを、円筒の中心軸を中心として回転させる回転機構とを含み、第2の濾過装置は、円筒フィルタの孔径よりも小さい孔径を有し、かつ濾過水流路からの濾過水を濾過するフィルタを含む。
上記によれば、フィルタの目詰まりを抑えながら濾過処理を継続することが可能な濾過装置、およびその濾過装置を用いた濾過方法ならびに水処理システムを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る濾過方法を模式的に示した模式図である。 本発明の実施の形態に係る濾過方法による被処理水の濾過のメカニズムを説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る濾過処理による、円筒フィルタの接線方向に沿った被処理水の流れを説明するための模式図である。 図3に示された被処理水の流れを実現するための被処理水ノズルのノズル口(開口)の例を示した図である。 本発明の実施の形態に係る濾過装置の構成の概略を示した上面透視図である。 本発明の実施の形態に係る濾過装置の構成の概略を示した断面模式図である。 本発明の実施の形態に係る濾過方法による濾過処理の結果を表形式で表した図である。 本発明の実施の形態に係る濾過方法による濾過処理の結果を示したグラフである。 本発明の実施の形態に係る濾過装置の他の構成例を示した図である。 本発明の実施の形態に係る濾過装置を含む水処理システムの一例を概略的に示したブロック図である。 本発明の実施の形態に係る濾過装置を含む水処理システムの他の例を概略的に示したブロック図である。 本発明の実施の形態に係る濾過装置をプレフィルタとして用いたときの効果を説明するためのグラフである。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る濾過装置は、織布、または膜厚が200μm以下の不織布であるスクリーンフィルタを含み、かつ、その形状が円筒である円筒フィルタと、円筒フィルタの円筒の接線方向に沿って被処理水を流出し、かつ円筒の高さよりも短い高さを有するノズル口を含む、被処理水ノズルと、ノズル口をその内側に備え、かつ円筒フィルタを収容するケースと、ケースの内側に設けられた流入口を有し、かつ、円筒フィルタを透過した濾過水をケースの外部へ導出する濾過水流路と、円筒フィルタを、円筒の中心軸を中心として回転させる回転機構とを備える。
上記によれば、フィルタの目詰まりを抑えながら濾過処理を継続することが可能な濾過装置を実現できる。円筒フィルタは、織布または膜厚が200μm以下の不織布であるスクリーンフィルタによって形成される。スクリーンフィルタの膜厚が小さいために内部閉塞が生じにくい。このため、スクリーンフィルタの目詰まりの主たる要因は表面堆積となる。しかしながら、円筒フィルタの円筒の接線方向に沿って被処理水を流出することによって、円筒フィルタの表面のケーキ層を除去することができるので、表面堆積を解除できる。さらに、ノズル口の高さが円筒の高さよりも短いため、ノズル口から流出した被処理水は、円筒の接線方向、円筒の上端方向および円筒の下端方向に向かって流れる。これにより、円筒フィルタの上端部および下端部には、ケーキ層が形成される可能性があるものの、円筒フィルタの大部分の表面(濾過面)からケーキ層を除去することができる。したがって、フィルタの目詰まりを抑えながら濾過処理を継続することができる。
「織布」とは、たとえば樹脂繊維あるいは金属線を織ることによって形成された布であり、その材質は特に限定されない。「円筒の高さ」とは、円筒の中心軸の方向に沿った円筒の長さである。
(2)上記(1)の濾過装置は、ケースの内側に設けられた排出口を有し、円筒フィルタによって除去された濁質を含む排出水を、ケースの外部に排出する排水流路と、排水流路に設けられたバルブと、バルブを制御するように構成された制御部とをさらに備える。
上記によれば、濾過装置の処理量を制御することができる。たとえば、被処理水の濾過の際にバルブを閉状態にした場合には、被処理水の全量を濾過することができる。被処理水の濾過の際にバルブを開いてもよい。この場合には、流入した被処理水の一部を排水させつつ濾過することができる。
(3)本発明の一態様に係る濾過方法は、織布、または膜厚が200μm以下の不織布であるスクリーンフィルタを含み、かつ、その形状が円筒である円筒フィルタと、円筒フィルタの円筒の接線方向に沿って被処理水を流出し、かつ円筒の高さよりも短い高さを有するノズル口を含む、被処理水ノズルと、ノズル口をその内側に備え、かつ円筒フィルタを収容するケースと、ケースの内側に設けられた流入口を有し、かつ、円筒フィルタを透過した濾過水をケースの外部へ導出する濾過水流路と、円筒フィルタを、円筒の中心軸を中心として回転させる回転機構とを備えた濾過装置による濾過方法であって、回転機構により円筒フィルタを回転させながら被処理水ノズルのノズル口から被処理水を流出して、被処理水を濾過する。
上記によれば、フィルタの目詰まりを抑えながら濾過処理を継続することができる。
(4)本発明の一態様に係る水処理システムは、被処理水を濾過する第1の濾過装置と、第1の濾過装置によって濾過された濾過水を濾過する第2の濾過装置とを備え、第1の濾過装置は、織布、または膜厚が200μm以下の不織布であるスクリーンフィルタを含み、かつ、その形状が円筒である円筒フィルタと、円筒フィルタの円筒の接線方向に沿って被処理水を流出し、かつ円筒の高さよりも短い高さを有するノズル口を含む、被処理水ノズルと、ノズル口をその内側に備え、かつ円筒フィルタを収容するケースと、ケースの内側に設けられた流入口を有し、かつ、円筒フィルタを透過した濾過水をケースの外部へ導出する濾過水流路と、円筒フィルタを、円筒の中心軸を中心として回転させる回転機構とを含み、第2の濾過装置は、円筒フィルタの孔径よりも小さい孔径を有し、かつ濾過水流路からの濾過水を濾過するフィルタを含む。
上記によれば、被処理水の濾過が前処理として必要な水処理システムにとって有用な濾過装置を実現できる。なお、水処理システムの用途は特に限定されるものではない。第1の濾過装置は、フィルタの目詰まりを抑えながら濾過処理を継続することができる。第1の濾過装置を、プリフィルタ(主工程前に不純物を除去するためのフィルタ)として用いることができる。第2の濾過装置のフィルタの孔径は、第1の濾過装置の円筒フィルタの孔径よりも小さい。しかし第1の濾過装置が予め被処理水を濾過することによって、第2の濾過装置のフィルタの負担を低減させることができるので、第2の濾過装置のフィルタの寿命を延ばすことができる。
(5)上記(4)の水処理システムは、海水から淡水を生成するための海水淡水化システムである。
上記によれば、この実施の形態に係る水処理システムを海水淡水化システムに応用することができる。海水に含まれる目詰まり原因物質(たとえば微生物、浮遊物質など)を第1の濾過装置で除去することによって、第2の濾過装置のフィルタの目詰まりを生じにくくすることができる。
(6)上記(4)の水処理システムは、船舶に積み込まれるバラスト水を生成するためのバラスト水処理システムである。
上記によれば、この実施の形態に係る水処理システムをバラスト水処理システムに応用することができる。船舶の周囲の水(たとえば海水)に含まれる目詰まり原因物質(たとえば微生物、浮遊物質など)を第1の濾過装置で除去することによって、第2の濾過装置のフィルタの目詰まりを生じにくくすることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
1.濾過方法および濾過装置
図1は、本発明の実施の形態に係る濾過方法を模式的に示した模式図である。図2は、本発明の実施の形態に係る濾過方法による被処理水の濾過のメカニズムを説明するための図である。
図1および図2に示されるように、本発明の実施の形態に係る濾過方法は、円筒フィルタ1を用いて、被処理水5を濾過することにより、濾過水6を生成する。図2に示されるように、円筒フィルタ1は、ケース10に収容される。
円筒フィルタ1は、スクリーンフィルタを円筒形に形成したフィルタである。この実施の形態では、スクリーンフィルタとして、織布、または、膜厚が200μm以下の不織布が用いられる。織布に用いられる糸の種類は、特に限定されず、金属(たとえばSUS)線、あるいは樹脂繊維でもよい。
不織布は、繊維を織らずに絡み合わせたシートである。不織布の定義には、たとえば、JIS L0222を用いることができる。なお、不織布に用いられる樹脂繊維の種類は特に限定されない。
被処理水5が円筒フィルタ1を透過することにより、分離対象物3が被処理水5から取り除かれる。一方で、分離対象物3は、円筒フィルタ1の表面に付着する。本発明の実施の形態では、円筒の中心軸2を中心として円筒フィルタ1が回転しながら、円筒フィルタ1(円筒)の接線方向に沿って被処理水5が流される。円筒フィルタ1の回転に加えて、接線方向の被処理水5の流れによって、円筒フィルタ1の表面から分離対象物3を除去することができる。したがって円筒フィルタ1の表面におけるケーキ層の形成を防ぐことができる。なお、円筒フィルタ1の接線上において、被処理水5の流れの方向は、円筒フィルタ1の回転方向と同じである。
図3は、本発明の実施の形態に係る濾過処理による、円筒フィルタ1の接線方向に沿った被処理水5の流れを説明するための模式図である。図4は、図3に示された被処理水5の流れを実現するための被処理水ノズルのノズル口(開口)の例を示した図である。
図3および図4に示されるように、被処理水5は、被処理水ノズル11から噴出される。被処理水ノズル11は、円筒フィルタ1(円筒)の接線方向に向けられたノズル口12(開口)を有する。
以下の説明において、「高さ」とは、円筒フィルタ1(円筒)の中心軸2に沿った長さを意味する。円筒フィルタ1の高さは、H1であり、ノズル口12の高さは、H2である。高さH2は高さH1よりも小さい(H2<H1)。
被処理水ノズル11のノズル口12から、円筒フィルタ1の円筒の接線方向に沿って被処理水5が噴出される。円筒の接線方向に沿った被処理水5の流れ5cだけでなく、円筒フィルタ1の上端部1aおよび下端部1bに向かって広がる被処理水5の流れ5a,5bが生じる。たとえばノズル口12の上端および下端を利用して、円筒フィルタ1の上端部1aに向かう被処理水5の流れ5aおよび、円筒フィルタ1の下端部1bに向かう被処理水5の流れ5bを作り出すことができる。
上記の通り、接線方向に沿った被処理水5の流れ5cによって、分離対象物3(ケーキ層)が円筒フィルタ1の表面から除去される。さらに、被処理水5の流れ5a,5bによって、円筒フィルタ1の表面の分離対象物3は、円筒フィルタ1の上端部1aおよび下端部1bへとそれぞれ移動させられる。円筒フィルタ1の上端部1aおよび下端部1bには分離対象物3が堆積する可能性があるものの、円筒フィルタ1の大部分の表面から、分離対象物3を取り除くことができる。したがって本発明の実施の形態によれば、円筒フィルタ1の詰まりを抑えながら濾過処理を継続することができる。
図5は、本発明の実施の形態に係る濾過装置の構成の概略を示した上面透視図である。図6は、本発明の実施の形態に係る濾過装置の構成の概略を示した断面模式図である。図5および図6に示されるように、本発明の実施の形態に係る濾過装置101は、円筒フィルタ1と、ケース10と、被処理水ノズル11と、排水流路13と、バルブ14と、濾過水流路15と、回転機構としてのモータ16と、モータカバー17とを備える。
ケース10は、被処理水ノズル11のノズル口12、排水流路13の排出口18および濾過水流路15の流入口19をその内側に備えるとともに、円筒フィルタ1、モータ16およびモータカバー17を収容する。ケース10は、被処理水ノズル11、排水流路13および濾過水流路15と一体的に形成されていてもよい。
円筒フィルタ1は、織布または、膜厚が200μm以下の不織布をスクリーンフィルタとして含む、円筒形のフィルタである。被処理水ノズル11は、円筒の接線方向に沿って被処理水を流出し、かつ円筒の高さよりも短い高さを有するノズル口12を含む。濾過水流路15は、円筒フィルタ1を透過した濾過水をケース10の内側からケース10の外部へ導出するための流路である。
排水流路13は、円筒フィルタ1によって除去された分離対象物(濁質)を含む排出水を、ケース10の外部に排出するための流路である。
バルブ14は、排水流路13に設けられる。制御部20は、バルブ14の開閉を制御する。これにより、濾過装置の処理量を制御することができる。たとえば、円筒フィルタ1によって被処理水が濾過されているときには、制御部20は、バルブ14が閉状態になるようにバルブ14を制御してもよい。濾過装置101は、円筒フィルタ1を洗浄しつつ被処理水を濾過することができる。これにより、濾過装置101に供給される被処理水5の全量を濾過装置101によって濾過することができるので、濾過水の生産能力を高めることができる。円筒フィルタ1による被処理水の濾過が終了したときには、制御部20は、バルブ14を開状態に制御する。これにより、濾過処理の間にケース10の内部に蓄積された分離対象物を、排水流路13を通じて濾過装置101の外部に排出することができる。
たとえば、被処理水の濾過の際にバルブ14が開状態であってもよい。この場合には、流入した被処理水の一部を排水させつつ濾過することができる。たとえばバルブ14は流量制御弁であってもよい。この場合には、制御部20がバルブ14の開度を調整することによって、所望の処理量を達成することができる。
モータ16は、円筒フィルタ1を、円筒の中心軸2を中心として回転させる回転機構である。モータカバー17は、モータ16を覆う。
図7は、本発明の実施の形態に係る濾過方法による濾過処理の結果を表形式で表した図である。図7に示されるように、スクリーンフィルタの一例として、膜厚が60μm、開孔径が30μmのスクリーンフィルタを用いた。被処理水の供給量を30m3/h、濾過量を30m3/hとした条件では、円筒フィルタに目詰まりが生じるまでの時間は3時間を上回る。すなわち、3時間を上回る間、円筒フィルタには内部閉塞が生じず、円筒フィルタの表面を洗浄しながら濾過処理を継続することができる。
一方、デプスフィルタによる濾過処理は、本発明の実施の形態に係る濾過処理との対比である。被処理水の供給量および濾過量の条件は、それぞれ、30m3/hおよび30m3/hであり、本発明の実施の形態に係る濾過処理と同じである。デプスフィルタとして、膜厚が620μm、開孔径が21〜46μmのフィルタが用いられる。しかし、濾過処理を開始してから1分間でデプスフィルタに目詰まりが発生する。この目詰まりはデプスフィルタの内部閉塞による。
図8は、本発明の実施の形態に係る濾過方法による濾過処理の結果を示したグラフである。図8には、5種類のスクリーンフィルタおよび1種類のデプスフィルタについて、濾過処理の時間経過に伴うフィルタ膜の差圧の変化が示される。5種類のスクリーンフィルタのうち4種類のフィルタは、メッシュ状のフィルタであり、1種類のフィルタは膜厚200μmの不織布からなるフィルタである。
フィルタ膜の差圧の上昇はフィルタの目詰まりが発生していることを表す。デプスフィルタによる濾過処理の場合、時間の経過にともない差圧が上昇する。これに対して、スクリーンフィルタの場合、フィルタの材質(SUSまたはナイロン)あるいは、開孔径(30μm、37μm、60μm、67μm)によらず、差圧の上昇は見られない。本発明の実施の形態によれば、接線方向の被処理水の噴流によって分離対象物がフィルタ表面から除去される。さらに、スクリーンフィルタが用いられるため、内部閉塞が生じにくい。したがって本発明の実施の形態によれば、図8に示されるように濾過処理を長時間継続することができる。
円筒フィルタ1の個数は限定されない。したがって円筒フィルタ1の個数は複数でもよい。より好ましくは、図9に示されるように、たとえば3つの円筒フィルタ1がケース10の内部に収容される。
被処理水ノズル11は、3つに分岐されたノズル口12を有する。円筒フィルタ1ごとに被処理水ノズル11が設けられてもよい。円筒フィルタ1の個数を増やすことにより、円筒フィルタ1の全表面積を大きくすることができる。ただし、その効果がより明確に表れるために、円筒フィルタ1の個数が3個以上であることが好ましい。
2.水処理システム
本発明の実施の形態によれば、被処理水の濾過が前処理として必要な水処理システムにとって有用な濾過装置を実現できる。一例として、本発明の実施の形態に係る濾過装置は、水処理システムに適用することができる。本発明の実施の形態に係る濾過装置を備えた水処理システムの種類は特に限定されるものではないが、以下に具体的な例を説明する。
図10は、本発明の実施の形態に係る濾過装置を含む水処理システムの一例を概略的に示したブロック図である。図10を参照して、本発明の実施の形態に係る水処理システムは、たとえば海水淡水化システム201として実現可能である。海水淡水化システム201は、上述の濾過装置101と、限外濾過膜(UF膜)あるいは精密濾過膜(MF膜)から形成されたフィルタ112を含む濾過装置102と、逆浸透膜(RO膜)から形成されたフィルタ113を含む逆浸透膜透過装置103とを含む。フィルタ112の孔径は、濾過装置101の円筒フィルタ1の孔径よりも小さい。
海水淡水化システム201において、本発明の実施の形態に係る濾過装置101は、プレフィルタとして用いられ、海水である被処理水5を濾過する。濾過水6は、濾過装置102によってさらに濾過される。濾過装置102からの濾過水7は、逆浸透膜透過装置103に供給される。濾過水7が逆浸透膜透過装置103のフィルタ113を通されることによって、純水8が生成される。純水8はタンク104に貯留される。
図11は、本発明の実施の形態に係る濾過装置を含む水処理システムの他の例を概略的に示したブロック図である。図11を参照して、本発明の実施の形態に係る水処理システムは、たとえば船舶に貯留されるバラスト水を処理するためのバラスト水処理システム202として実現可能である。
バラスト水は空荷状態でも安全に航行するために船舶に積載される海水であり、船舶の出港時に船舶の周囲から取水され、入港時の積荷の積載時に海洋へ排出される。バラスト水処理システム202は、上述の濾過装置101と、濾過装置102とを含むことができる。本発明の実施の形態に係る濾過装置101は、プレフィルタとして用いられ、海水である被処理水5を濾過する。濾過装置102のフィルタ112には、たとえばデプスフィルタを用いることができる。フィルタ112の孔径は、濾過装置101の円筒フィルタ1の孔径よりも小さい。
図10に示された海水淡水化システム201と同じく、被処理水5である海水は、濾過装置101および濾過装置102を順に通される。濾過水7に対して、微生物を殺滅するためのさらなる処理(たとえば次亜塩素酸による殺滅処理、あるいは、紫外線照射処理など)が施されてもよい。濾過水7は、バラスト水として、船舶(図示せず)に設けられたバラストタンク105に貯留される。
本発明の実施の形態に係る濾過装置101は、フィルタの詰まりを抑えながら濾過処理を行うことができる。本発明の実施の形態に係る濾過装置をプレフィルタとして利用することによって、後段の濾過装置102のフィルタ112において目詰まりを起こしにくくすることができる。
図12は、本発明の実施の形態に係る濾過装置101をプレフィルタとして用いたときの効果を説明するためのグラフである。グラフは、後段の濾過装置102によって濾過水6を濾過するときの、フィルタ112の差圧の時間変化を示す。濾過装置101(プレフィルタ)による濾過処理が無い場合とは、原海水を濾過装置102によって濾過する場合である。この場合には、濾過開始から約15分でフィルタ112に目詰まりが発生する。一方、濾過装置101(プレフィルタ)による濾過処理を施した場合、プレフィルタ無しで濾過処理を15分行った場合の差圧と同じ差圧に達するのに要した時間は150分〜170分である。図12のグラフは、濾過装置101によって、濾過装置102のフィルタ112の目詰まりの寿命を10倍〜12倍に長くすることができることを示す。
このように本発明の実施の形態に係る濾過装置を含む水処理システムにおいては、後段の濾過装置のフィルタの寿命を延ばすことができる。したがって、長時間の連続運転が可能になる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 円筒フィルタ
1a 上端部
1b 下端部
2 中心軸
3 分離対象物
5 被処理水
5a,5b,5c 流れ(被処理水)
6,7 濾過水
8 純水
10 ケース
11 被処理水ノズル
12 ノズル口
13 排水流路
14 バルブ
15 濾過水流路
16 モータ(回転機構)
17 モータカバー
18 排出口
19 流入口
20 制御部
101 濾過装置(第1の濾過装置)
102 濾過装置(第2の濾過装置)
103 逆浸透膜透過装置
104 タンク
105 バラストタンク
112,113 フィルタ
201 海水淡水化システム
202 バラスト水処理システム
H1,H2 高さ

Claims (6)

  1. 織布、または膜厚が200μm以下の不織布であるスクリーンフィルタを含み、かつ、その形状が円筒である円筒フィルタと、
    前記円筒フィルタの前記円筒の接線方向に沿って前記円筒フィルタの表面に被処理水を流出し、かつ前記円筒の高さよりも短い高さを有するノズル口を含む、単一の被処理水ノズルと、
    前記ノズル口をその内側に備え、かつ前記円筒フィルタを収容するケースと、
    前記ケースの内側に設けられた流入口を有し、かつ、前記円筒フィルタを透過した濾過水を前記ケースの外部へ導出する濾過水流路と、
    前記円筒フィルタを、前記円筒の中心軸を中心として回転させる回転機構とを備え、
    前記単一の被処理水ノズルの前記ノズル口は、前記円筒の接線方向の前記被処理水の流れに加えて、前記円筒フィルタの上端部に向かう前記被処理水の流れ、および、前記円筒フィルタの下端部に向かう前記被処理水の流れを生成する、濾過装置。
  2. 前記ケースの内側に設けられた排出口を有し、前記円筒フィルタによって除去された濁質を含む排出水を、前記ケースの外部に排出する排水流路と、
    前記排水流路に設けられたバルブと、
    前記バルブを制御するように構成された制御部とをさらに備える、請求項1に記載の濾過装置。
  3. 織布、または膜厚が200μm以下の不織布であるスクリーンフィルタを含み、かつ、その形状が円筒である、円筒フィルタと、前記円筒フィルタの前記円筒の接線方向に沿って前記円筒フィルタの表面に被処理水を流出し、かつ前記円筒の高さよりも短い高さを有するノズル口を含む、単一の被処理水ノズルと、前記ノズル口をその内側に備え、かつ前記円筒フィルタを収容するケースと、前記ケースの内側に設けられた流入口を有し、かつ、前記円筒フィルタを透過した濾過水を前記ケースの外部へ導出する濾過水流路と、前記円筒フィルタを、前記円筒の中心軸を中心として回転させる回転機構とを備えた濾過装置による濾過方法であって、前記単一の被処理水ノズルの前記ノズル口は、前記円筒の接線方向の前記被処理水の流れに加えて、前記円筒フィルタの上端部に向かう前記被処理水の流れ、および、前記円筒フィルタの下端部に向かう前記被処理水の流れを生成し、
    前記回転機構により前記円筒フィルタを回転させながら前記被処理水ノズルの前記ノズル口から被処理水を流出して、前記被処理水を濾過する、濾過方法。
  4. 被処理水を濾過する第1の濾過装置と、
    前記第1の濾過装置によって濾過された濾過水を濾過する第2の濾過装置とを備え、
    前記第1の濾過装置は、
    織布、または膜厚が200μm以下の不織布であるスクリーンフィルタを含み、かつ、その形状が円筒である円筒フィルタと、
    前記円筒フィルタの前記円筒の接線方向に沿って前記円筒フィルタの表面に被処理水を流出し、かつ前記円筒の高さよりも短い高さを有するノズル口を含む、単一の被処理水ノズルと、
    前記ノズル口をその内側に備え、かつ前記円筒フィルタを収容するケースと、
    前記ケースの内側に設けられた流入口を有し、かつ、前記円筒フィルタを透過した濾過水を前記ケースの外部へ導出する濾過水流路と、
    前記円筒フィルタを、前記円筒の中心軸を中心として回転させる回転機構とを含み、
    前記単一の被処理水ノズルの前記ノズル口は、前記円筒の接線方向の前記被処理水の流れに加えて、前記円筒フィルタの上端部に向かう前記被処理水の流れ、および、前記円筒フィルタの下端部に向かう前記被処理水の流れを生成し、
    前記第2の濾過装置は、
    前記円筒フィルタの孔径よりも小さい孔径を有し、かつ前記濾過水流路からの前記濾過水を濾過するフィルタを含む、水処理システム。
  5. 前記水処理システムは、海水から淡水を生成するための海水淡水化システムである、請求項4に記載の水処理システム。
  6. 前記水処理システムは、船舶に積み込まれるバラスト水を生成するためのバラスト水処理システムである、請求項4に記載の水処理システム。
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