JP6693152B2 - 遠心機 - Google Patents

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本発明は、液体試料を連続的に流して遠心分離処理する遠心機(遠心分離機)の構造に関する。
高速回転時の遠心力によって密度の異なる物質を分離あるいは分析するために、遠心機(遠心分離機)が用いられている。遠心機においては、ロータを回転させるモータの回転速度(回転数:rpm)が定められ、ロータに試料が導入された状態で、ある定められた時間だけこの回転数でロータが回転し、この間に試料には強い遠心力が加わる。この際の加速度(遠心加速度)は、重力加速度Gを単位として数万G以上となる場合もあり、この場合には、特にロータの回転速度を高速とするため、ロータは、真空排気されたロータ室に設けられる場合が多い。遠心分離処理後には、試料は密度に応じて分離される。
こうした遠心機を用いて、例えばワクチン等を製造することができる。この場合には、ワクチンの原料となる試料が遠心分離処理され、密度に応じて分離された後に所望の密度に対応した部分が選択的に抽出され、ワクチンとして使用される。分析のために用いられる遠心機とは異なり、こうした目的で使用される遠心機は、回転するロータ中に試料が連続的に注入されることによって多量の試料を扱うことができ、処理後に所望の量のワクチンが得られるような構成とされる。この処理を繰り返すことにより、更に大量のワクチンを製造することができる。
こうした遠心機の構成は、例えば特許文献1に記載されている。図6は、こうした遠心機(連続遠心分離機)200全体の構成を示す斜視図である。この遠心機200においては、実際に試料に対して遠心分離処理が行われる分離ユニット210と、この遠心機200全体の制御を行う制御ユニット250とが用いられる。両者は、配管や電源ケーブル等で構成された配管群251で接続されている。分離ユニット210においては、試料を内部に保持するロータ230が、円筒形状のチャンバ211内で駆動部212によって回転する構成とされる。チャンバ211はベース213上に固定され、ベース213に固定されたリフタ214を用いてロータ230及び駆動部212は上下方向と前後方向で移動可能とされる。このため、ロータ230のチャンバ211への収容、あるいはロータ230のチャンバ211からの取り出しは、リフタ214を操作することによって行われる。図6は、ロータ230をチャンバ211から取り出した状態を示しており、この状態は、処理の準備中の状態に対応している。分離ユニット210は、回転中にもロータ230中に試料が連続的に供給できるような構成とされる。ロータ230の上部には中空のアッパシャフト215が、下部には中空のロアシャフト216がそれぞれ固定され、試料はアッパシャフト215、ロアシャフト216を介してロータ230中を流れる。アッパシャフト215は、駆動部212がロータ230を回転させる回転軸を兼ねている。この回転軸は鉛直方向に沿った形態とされ、ロータ230をチャンバ211に収容し、遠心分離処理が行われる。
図7は、ロータ230がチャンバ211に収容された際の形態を示す断面図であり、回転軸に沿った鉛直方向の断面を示している。この状態は、図6とは異なり、遠心分離処理時の形態に対応している。この状態では、ロータ230が収容された状態で、駆動部212に固定されたアッパプレート217によってチャンバの上側が封止される。これにより、チャンバ211内には遠心室211Aが形成され、遠心室211Aでロータ230が高速で回転する。チャンバ211の内側には、仮にロータ230が高速で回転中に破損した場合にチャンバ211よりも外側にその被害が及ぶことを抑制するために、チャンバ211と同心の円筒形状とされた厚く強固なプロテクタ218が設置される。また、プロテクタ218の内側には、ロータ230の温度を制御するための冷媒が流れるエバポレータ219が設置され、これによって遠心分離処理時において、遠心室211A内のロータ230の温度を制御、あるいはロータ230を冷却することができる。
図7において、上側でアッパシャフト215は駆動部212に装着され、中空のアッパシャフト215の内部は上側に設けられた上部配管接続部220と接続される。アッパシャフト215は駆動部212内に設けられた軸受(図示せず)で回転自在に支持される。駆動部212の上側に上部シール部221が設けられ、上部配管接続部220及びアッパシャフト215の内部は外部から封止される。同様に、下側においては、中空のロアシャフト216の内部は下部配管接続部222と接続され、ベース213に固定された下部シール部223によって、下部配管接続部222及びロアシャフト216の内部は封止される。ロアシャフト216は、下部シール部223内に設けられた軸受(図示せず)で回転自在に支持される。
図8、9は、それぞれ上部シール部221付近、下部シール部223付近の構造を示す断面図である。図8においては、アッパシャフト215の上端にはシャフトヘッド224Aが固定される。シャフトヘッド224Aは、外側から上部シール部221に固定されたリップシール225Aで回転自在に支持され、かつリップシール225Aによって潤滑油の流れる通路と駆動部212の内部の空間とを仕切っている。一方、上部配管接続部220は接続ブロック226Aに固定され、上部配管接続部220の内部は、下側のシールホルダ227Aの内部と接続される。接続ブロック226Aは上部シール部221に固定され、この際、シャフトヘッド224Aの上端部とシールホルダ227Aの間はメカニカルシール228Aで封止される。これによって、上部配管接続部220及びアッパシャフト215の内部が封止され、かつ上部配管接続部220を固定させた状態でアッパシャフト215を円滑に回転させることができる。
図9の構成は、図8の構成を上下反転させたものに対応する。すなわち、図9におけるロアシャフト216、シャフトヘッド224B、リップシール225B、下部配管接続部222、接続ブロック226B、シールホルダ227B、下部シール部223、メカニカルシール228Bの関係は、それぞれ図8におけるアッパシャフト215、シャフトヘッド224A、リップシール225A、上部配管接続部220、接続ブロック226A、シールホルダ227A、上部シール部221、メカニカルシール228Aの関係を上下方向で反転させたものとなっている。このため、上記と同様に、下部配管接続部222及び中空のロアシャフト216の内部が封止され、かつ下部配管接続部222を固定させた状態でロアシャフト216を円滑に回転させることができる。上部配管接続部220、下部配管接続部222には試料を通過させる管を装着することができる。
すなわち、図8、9に示された構成によって、アッパシャフト215、ロアシャフト216及びこれらに接続されたロータ230を回転させた状態で、アッパシャフト215、ロアシャフト216の内部に連続的に試料を流すことができる。このため、上部配管接続部220、下部配管接続部222に外部から試料供給用の管を装着すれば、一方からロータ230内に試料を供給し、他方から試料やロータ230内の空気を排出することができる。通常は、鉛直方向下側にある下部配管接続部222が試料を供給する側とされる。
特許文献1に記載の遠心機においては、ロータ230は、35000〜40000rpmの高速で回転する。このため、遠心室211Aは、真空排気系(図示せず)で排気され、減圧される。
図10は、ロータ230の回転軸(中心軸X)に沿った断面図(一部透視図)である。ロータ230は、円筒形状のロータボディ231の上部が蓋状の上部ロータカバー232で、下部が蓋状の下部ロータカバー233でそれぞれ封止される。上部ロータカバー232、下部ロータカバー233がロータボディ231に装着された状態で、ロータボディ231の内部における中心軸X付近でコア240が固定される。ロータボディ231は強度の高い金属で形成され、コア240は強度の高い金属、または十分な強度を持った樹脂材料で形成される。コア240はロータボディ231と係合するように組み合わされるため、遠心分離処理時にはこれらは一体となって回転する。試料は、コア240とロータボディ231との間の空隙である分離空間Sに溜められる。
図11は、図10における中心軸Xに垂直な、D−D方向の断面図である。ここでは、円筒形のロータボディ231の内部に、柱状(円柱形状)のコア本体241とその外周に中心軸Xから放射状に対称に6つ設けられたフィン242とが一体化されたコア240が用いられている。このため、試料が溜められる分離空間Sは、フィン242によって円周方向で6つに分割される。遠心分離処理後には、各分離空間Sにおいて、沈殿物Pは最も外側(ロータボディ231の内面側)に溜まる。ここで処理対象となる液体の試料においては、高速回転時に内部で乱流(渦)が発生しやすくなり、乱流によって分離の精度が低下することがある。これに対して、このように分離空間Sを円周方向で細かく分割することによって、乱流の発生を抑制することができる。
乱流を抑制するためには、各分離空間S毎の密封性を高めることが好ましい。このため、フィン242は、ロータ230内における回転軸(中心軸X)に沿った方向(上下方向)の全域にわたり存在することが好ましい。また、最も強い遠心力が印加されるロータボディ231の内面付近においてもフィン242が存在するようにする必要がある。このため、図10に示されるように、中心軸Xを中心とした径方向におけるフィン242の最も外側の端部(最外端)とロータボディ231の内面とは接することが好ましい。
図10に示された構造において、ロータボディ231、上部ロータカバー232、下部ロータカバー233、コア240は容易に分解可能とされ、複数種類のコア240が適宜選択されて用いられる。また、遠心分離処理が終了した後で、これらを分解清掃することも容易に行われる。このため、この観点からはフィン242の最外端とロータボディ231の内面は厳密には接さず、僅かな隙間が設けられることが、組み立てを容易とするためには好ましい。この僅かな隙間によってロータボディ231にコア240をセットする際に容易に挿入することができる。ただし、この隙間はロータ230をセットする際に作業者が手で挿入することができる程度であればよい。
特開2004−322054号公報
特許文献1に記載の遠心機のように、高速でロータ230を回転させる場合においては、停止中にフィン242の最外端とロータボディ231の内面とが接していた場合でも、外側にあるロータボディ231にはフィン242(コア240)よりも強い遠心力が働くために、運転時にはロータボディ231が膨らみ、回転中にフィン242の最外端とロータボディ231の内面とが離間する場合がある。図12(a)(b)は、図11におけるフィン242の最外端とロータボディ231の内面との間の状況を遠心分離処理(回転)時、遠心分離処理終了(停止)時、のそれぞれにおいて拡大して示す図である。
遠心分離処理時(図12(a))には、遠心力によってロータボディ231が膨らむために、フィン242の最外端とロータボディ231との間には、一時的に隙間が形成され、この隙間は沈殿物Pで埋められる。その後、遠心分離処理が終了しロータ230の回転が停止した場合(図12(b))には、ロータボディ231は収縮し、フィン242の最外端とロータボディ231の内面とが接する。このため、フィン242の最外端とロータボディ231との間には沈殿物Pに起因した固着部Uが形成される。固着部Uが中心軸X方向(上下方向)にわたり広く形成された場合には、遠心分離処理後の状態(図12(b))でロータボディ231とコア240とを分離することが困難となる場合があった。
この場合には、ロータ230を分解する際には、強い力を加えてこの固着部Uを機械的に剥がす、あるいは固着部Uを化学的に溶解する等の作業が必要となり、生産性の悪化が生じた。また、ロータ230を分解する際に、ロータボディ231やコア240を破損、劣化させ、再使用が困難となるという問題も生じた。
このように、連続式の遠心機において、ロータボディとコアとの間の固着を抑制することが望まれた。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記の問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の遠心機は、柱状のコア本体と、前記コア本体の中心軸から放射状に突出するように前記コア本体に装着された複数のフィンと、を具備するコアと、前記コアを囲む筒状のロータボディとを備え、且つ、前記中心軸の両端側の間で前記ロータボディ内に試料が流される構成とされたロータが、前記中心軸の周りで回転する遠心機であって、前記フィンは、前記中心軸に沿った方向にわたり、前記中心軸を中心とした径方向において、前記コア本体に対して移動可能とされ、前記コアと前記ロータボディとが組み合わされた状態において、前記フィンが前記コア本体に対して脱着可能なことを特徴とする。
本発明の遠心機において、前記コア本体の前記中心軸周りの外周面には、前記中心軸と平行に延伸する複数のフィン装着溝が複数の前記フィンに対応して形成され、前記フィンは、各前記フィン装着溝に嵌合されることを特徴とする。
本発明の遠心機において、前記試料は前記ロータボディ内に前記中心軸方向における一方の側から注入され、かつ他方の側から排出される構成とされ、前記ロータの停止時において、前記フィンは前記他方の側から前記一方の側に向かって前記コア本体に対して移動可能とされたことを特徴とする。
本発明の遠心機は、前記フィン装着溝の前記径方向の深さは前記一方の側に向かって深く、かつ前記フィンの前記中心軸に向かう高さは前記一方の側に向かって高くされたことを特徴とする。
本発明の遠心機は、前記コア本体に対して前記径方向に前記フィン全体が移動可能とされたことを特徴とする。
本発明の遠心機において、前記フィンは、前記コア本体に対して前記径方向に0.1mm以上の摺動長を有することを特徴とする。
本発明の遠心機において、前記ロータはチャンバ内において減圧雰囲気中で回転する構成とされたことを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、連続式の遠心機において、ロータボディとコアとの間の固着を抑制することができる。
本発明の実施の形態となる遠心機において用いられるロータの回転軸に沿った断面図である。 本発明の実施の形態となる遠心機において用いられるロータの回転軸に沿った透視図である。 本発明の実施の形態となる遠心機において用いられるコアの回転軸に沿った組み立て図である。 本発明の実施の形態となる遠心機において用いられるコアの回転軸に垂直な組み立て図である。 本発明の実施の形態となる遠心機における遠心分離処理時のロータ内の状況を示す、ロータの回転軸に垂直な断面図である。 一般的な遠心機全体の構成を示す図である。 遠心機において、ロータがチャンバに収容された際の構造を示す断面図である。 遠心機におけるチャンバの上側の構造を示す断面図である。 遠心機におけるチャンバの下側の構造を示す断面図である。 従来の遠心機の一例において用いられるロータの回転軸に沿った断面図である。 従来の遠心機の一例において用いられるロータの回転軸に垂直な断面図である。 従来の遠心機の一例における遠心分離処理時のロータ内の状況を示す、ロータの回転軸に垂直な断面図である。
本発明の実施の形態に係る遠心機(遠心分離機)について説明する。この遠心機は、前記の遠心機200と同様に連続式であり、特にそのロータの内部構造に特徴を有する。ロータ以外の構造は、その周囲のチャンバを含め、前記の遠心機200と同様であり、ロータが減圧雰囲気下で高速回転することも同様である。このロータにおいても、前記のロータ230と同様に、内部のコアにフィンが設けられるために、分離空間Sが分割して複数形成され、試料に乱流が発生することが抑制される。ただし、前記のロータ230とは異なり、フィンの最外端とロータボディの内面との間の固着が抑制される。このため、遠心分離処理後にコアとロータボディとの間の分離を容易に行うことができる。
図1は、このロータ10の回転軸(中心軸X)に沿った断面図であり、図10に対応する図である。また、図2は、ロータ10を上側から見た透視図である。このロータ10においても、内面が円筒形状とされたロータボディ11、上部ロータカバー12、下部ロータカバー13が同様に用いられる。コア20がこれらに囲まれた内部に設けられる点についても同様である。
上部ロータカバー12とロータボディ11の上部との間にはOリング14Aが、下部ロータカバー13とロータボディ11の下部との間にはOリング14Bが挟持された状態で、上部ロータカバー12と下部ロータカバー13はロータボディ11に対して固定される。これにより、上部ロータカバー12とロータボディ11の間、及び下部ロータカバー13とロータボディ11の間は密封される。
コア20が柱状のコア本体21と、中心軸Xを中心とした径方向でコア本体21から外側に延伸する板状のフィン22とで構成されている点についても前記と同様である。これにより、図2に示されるように、ロータボディ11の内側には、6つのフィン22で分離された6つの分離空間Sが形成される。
上部ロータカバー12の中心軸Xを含む領域の下部には下側に突出する突起部12Aが設けられ、下部ロータカバー13の上側にも同様に上側に突出する突起部13Aが設けられる。コア本体21の上側には突起部12Aと嵌合する嵌合孔21A、コア本体21の下側には突起部13Aと嵌合する嵌合孔21Bが、それぞれ設けられ、突起部12Aと嵌合孔21A、突起部13Aと嵌合孔21Bをそれぞれ嵌合させることにより、上部ロータカバー12、コア20(コア本体21)、下部ロータカバー13は一体化して固定される。この際、コア本体21の上部ロータカバー12、下部ロータカバー13に対する回転をピンを用いて抑制するための構造も設けられている。このため、図1、2に示された状態でロータボディ11、コア20、上部ロータカバー12、及び下部ロータカバー13は中心軸Xの周りで一体化して回転する。
上部ロータカバー12の上面における中心には、アッパシャフト連結部26が設けられ、このアッパシャフト連結部26に、図6等におけるアッパシャフト215がナット等を用いて結合される。同様に、下部ロータカバー13の下面における中心には、ロアシャフト連結部27が設けられ、このロアシャフト連結部27に、図6等におけるロアシャフト216が結合される。
アッパシャフト連結部26には、これを上下方向に貫通する貫通孔28Aが形成される。また、図2に示されるように、コア本体21の上面には、中心軸Xから放射状に水平方向に延伸するガイド溝30が各分離空間S毎に対応して6つ形成されており、貫通孔28Aと上部ロータカバー12の下面側とを連通させる連通孔29Aを介して、アッパシャフト215の内部と各ガイド溝30、各分離空間Sが連通する。同様に、下部ロータカバー13側においても、上部ロータカバー12と上下対称な形態で、貫通孔28B、連通孔29B、ガイド溝30が設けられる。これらの構造によって、アッパシャフト215の内部、ロアシャフト216の内部と各分離空間Sとを連通させ、これらの間に遠心分離処理の対象となる試料を流すことができる。
また、この遠心機におけるコア20以外の構成は、前記の遠心機200と同様である。このため、上記のコア20を減圧雰囲気下で高速で回転させた状態で、コア20の内部に試料を供給することができる。通常は、試料はロアシャフト216側からアッパシャフト215側に流される。この場合、図11における沈殿物Pはロータ10の底部側に多く溜まり、ロータ10を安定して回転させることができる。逆に、アッパシャフト215側から試料を流す場合には、ロータ10内の上側に沈殿物Pが多く溜まり、その一部が回転中に下側に落下する可能性がある。この場合には、回転中にロータ10の重量バランスが崩れるために、振動が発生し、ロータ10を安定して回転させることが困難となる場合がある。試料の内容によって、こうした問題が発生しにくい場合には、アッパシャフト215側からロアシャフト216側に試料を流してもよい。
図2に示されるように、図11に示された構造と同様に、板状のフィン22はそれぞれ中心軸Xを中心とした径方向で外側に向かって放射状に設けられている。ただし、図11に示された構造とは異なり、ここではコア本体21とは別体とされた各フィン22がコア本体21に装着されている。各フィン22は、各フィン22に対応してコア本体21の外周面に設けられたフィン装着溝21Cに径方向外側から挿入された形態で装着される。この際、フィン22はフィン装着溝21Cに対して径方向に平行移動可能とされる。また、フィン22及びフィン装着溝21Cは共に中心軸X方向において直線的な形状とされているため、フィン22はフィン装着溝21Cに対して中心軸X方向(上下方向)においても移動可能とされる。
図3はコア20を側面から見た組み立て図、図4はコア20を上面から見た組み立て図である。図2、図4に示されるように、フィン22は、フィン装着溝21Cから径方向外側に突出し薄いフィン先端部22Aと、装着時にフィン装着溝21C内に収容されフィン先端部22Aよりも厚く形成されたフィン基部22Bで構成される。また、図3に示されるように、フィン装着溝21Cはコア本体21における上端部側の領域を除き、コア本体21の外周面において中心軸X方向(上下方向)にわたり形成されている。フィン先端部22Aもコア本体21の中心軸X方向(上下方向)全体にわたり設けられているが、フィン基部22Bは、フィン装着溝21Cに対応し、上端部側では設けられていない。
また、図3に示されるように、フィン先端部22Aの上端部側、下端部側の径方向外側は、上部ロータカバー12、下部ロータカバー13の内面形状に対応した曲線形状とされる。このため、フィン22によって画成されて形成される各分離空間Sの密封性を高めることができ、上部ロータカバー12、下部ロータカバー13がロータボディ11に装着された状態では、フィン22の中心軸X方向(上下方向)の位置はコア本体21に対して固定される。また、図3においては、ロータボディ11が記載されていないが、上記の構成により、ロータボディ11内にコア本体21が設けられかつ下部ロータカバー13が装着されない状態において、フィン22をフィン装着溝21Cに対して下側から装着することができる。この際、フィン装着溝21Cの上端部側にフィン基部22Bの上端部が係止されることによって、フィン22のコア本体21に対する上下方向における位置が定まる。逆に、コア本体21に装着されたフィン22をコア本体21から下側に向けて取り外すことができる。
更に、フィン装着溝21Cは、図3において示された下端部側の領域(テーパ領域Y)において、下端部側に向かって徐々に深く形成されている。これに対応して、フィン22は、フィン基部22Bの中心軸Xに向かう高さが、テーパ領域Yにおいて下端部側に向かって徐々に大きくなるようなテーパ形状とされている。こうした構成により、下側からフィン22をコア本体21に装着する、あるいはフィン22をコア本体21から下側に向けて取り外すことが、特に容易となる。
一方、フィン22が中心軸Xを中心とした径方向で平行移動可能となる点について説明する。図5(a)(b)は、フィン22の最外端とロータボディ11の内面との間の状況を遠心分離処理(回転)時、遠心分離処理終了(停止)時、のそれぞれにおいて拡大して示す図であり、図12(a)(b)に対応する。
図5(a)に示されるように、遠心分離処理時には、図12(a)と同様に、ロータボディ11が遠心力によって膨らむ。しかしながら、図12(a)の場合とは異なり、同時にフィン22も遠心力によって外側に移動するため、フィン22(フィン先端部22A)の先端はロータボディ11の内面に係止された状態となる。このため、図12(a)の場合とは異なり、フィン先端部22Aとロータボディ11の内面との間に沈殿物Pが入り込むことはなく、各分離空間Sはフィン22によって密封された状態が維持される。また、フィン22はコア本体21に対して固定されていないため、遠心力によってロータボディ11やコア本体21の内径が変化しても、少なくとも回転時には遠心力によってフィン先端部22Aの先端とロータボディ11の内面とが当接した状態は維持される。このため、分離空間S中の試料(液体)における乱流の発生が抑制される。なお、沈殿物Pは遠心力によって中心軸Xからみた外側に偏在するため、フィン先端部22Aよりも内側にあるフィン装着溝21C内に沈殿物Pが入り込むことはない。
この状態からロータ10の回転が停止した図5(b)の状態において、ロータボディ11は図5(a)の状態から収縮するが、この収縮の際にフィン22は、その先端をロータボディ11の内面と当接させながら内側に移動する。このため、やはりフィン先端部22Aとロータボディ11の内面との間に沈殿物Pが入り込むことはない。このため、遠心分離処理時から処理終了時にかけて、フィン先端部22Aとロータボディ11の内面とが接する状態が維持され、図12(b)に示されるような固着部Uが形成されることが抑制される。
また、図5(b)の状態において、フィン22は中心軸X方向(上下方向)で移動可能であるため、図5(b)の状態から、分離空間S内において沈殿物Pが分離された後の試料(液体)を試料の導入と逆の手順で抜き取った後に、下部ロータカバー13を取り外し、ロータボディ11にコア20が装着された状態で、フィン22を下側に移動させてコア本体21から抜き取ることができる。その後、コア本体21と上部ロータカバー12を分離し、ロータ10を容易に分解することができ、清掃作業等を行うことができる。この際、前記の通り、ロータボディ11内では特に下側で大量の沈殿物Pが形成されるが、上記のようにテーパ領域Yが形成されることによって、フィン22を下側に移動させてコア本体21から抜き取る作業を容易に行うことができる。また、フィン22のコア本体21に対する装着には装着のための部材(ピンやビス等)は使用されないため、フィン22の脱着を特に容易に行うことができる。
径方向におけるコア本体22に対するフィン22の可動範囲Dは、例えば0.1mm以上好ましくは0.5mm以上とすることができる。この可動範囲Dは、遠心分離処理時(図5(a))、停止時(図5(b))のどちらにおいても、確保されることが好ましいが、遠心分離処理時(図5(a))から停止時(図5(b))にかけてフィン22が径方向で可動である状態が維持されればよい。
なお、前記の通り、ロータ10において、試料を上側から下側に流してもよい。上記の例ではフィン22を下側に向かって抜き取ることができる構成とされたが、試料の流れる方向等に応じ、フィン22を抜き取ることのできる向きをこれと逆向きにすることもできる。この場合には、テーパ領域Y等の構成を上記の構成と上下逆転させればよい。あるいは、上記のコア20を上下逆転させてロータボディ11に装着することができる構成とすれば、試料に応じてこの設定を容易に行うことができる。
なお、上記の構成においては、各フィン22は中心軸X方向(上下方向)に延伸するフィン装着溝21Cに装着(係止)されたが、上記の構成と同様にフィンが径方向で移動可能となる限りにおいて、フィンとロータボディとの間の固着は抑制される。このため、フィンのコア本体に対する装着方法として、上記の構成以外で、フィンが径方向で移動可能となるものを用いることができる。この際、上記の例ではフィン22は径方向で平行移動、すなわち上下方向にわたり一様な移動距離での移動が可能とされたが、上記のようにフィンが移動することによってフィンの先端部とロータボディ11の内面との間が封止できる限りにおいて、フィンの移動は平行移動でなくともよい。また、上記の例ではフィン22、分離空間Sが6つずつ設けられたが、これらの数は複数であれば任意である。ただし、ロータを高速回転させる際のバランスを良好とするためには、中心軸Xの周りでフィンは回転対称に設けられることが好ましい。
また、上記のようにフィン基部22Bがフィン装着溝21Cに係止される構成とすることにより、ロータボディ11とコア20とが組み合わされた状態でフィン22を上下方向に移動させて脱着することが容易となる。しかしながら、上記のとおりフィン22の先端とロータボディ11の内面との間の固着が抑制されるため、フィン22が装着された状態でコア20全体をロータボディ11から抜き取ることも容易である。このため、ロータボディとコアとを組み合わされた状態ではフィンのコア本体からの脱着は不可能であるが、コアをロータボディから取り外した状態でフィンをコア本体から取り外すことが可能な構成としてもよい。この場合には、上記のような中心軸X方向に延伸するフィン装着溝21Cとは異なる形態の溝を用いることもできる。
なお、上記の構成は、ロータを高速で回転させる遠心機において特に有効であるが、他の構成の遠心機においても、フィンで画成された分離空間がロータボディ内で形成される限りにおいて、同様に有効である。
10、230 ロータ
11、231 ロータボディ
12、232 上部ロータカバー
12A、13A 突起部
13、233 下部ロータカバー
14A、14B Oリング
20、240 コア
21、241 コア本体
21A、21B 嵌合孔
21C フィン装着溝
22、242 フィン
22A フィン先端部
22B フィン基部
26 アッパシャフト連結部
27 ロアシャフト連結部
28A、28B 貫通孔
29A、29B 連通孔
30 ガイド溝
200 遠心機(連続遠心分離機)
210 分離ユニット
211 チャンバ
211A 遠心室
212 駆動部
213 ベース
214 リフタ
215 アッパシャフト
216 ロアシャフト
217 アッパプレート
218 プロテクタ
219 エバポレータ
220 上部配管接続部
221 上部シール部
222 下部配管接続部
223 下部シール部
224A、224B シャフトヘッド
225A、225B リップシール
226A、226B 接続ブロック
227A、227B シールホルダ
228A、228B メカニカルシール
250 制御ユニット
251 配管群
D 可動範囲
P 沈殿物
S 分離空間
U 固着部
X 中心軸
Y テーパ領域

Claims (7)

  1. 柱状のコア本体と、前記コア本体の中心軸から放射状に突出するように前記コア本体に装着された複数のフィンと、を具備するコアと、前記コアを囲む筒状のロータボディとを備え、且つ、前記中心軸の両端側の間で前記ロータボディ内に試料が流される構成とされたロータが、前記中心軸の周りで回転する遠心機であって、
    前記フィンは、前記中心軸に沿った方向にわたり、前記中心軸を中心とした径方向において、前記コア本体に対して移動可能とされ、前記コアと前記ロータボディとが組み合わされた状態において、前記フィンが前記コア本体に対して脱着可能なことを特徴とする遠心機。
  2. 前記コア本体の前記中心軸周りの外周面には、前記中心軸と平行に延伸する複数のフィン装着溝が複数の前記フィンに対応して形成され、前記フィンは、各前記フィン装着溝に嵌合されることを特徴とする請求項1に記載の遠心機。
  3. 前記試料は前記ロータボディ内に前記中心軸方向における一方の側から注入され、かつ他方の側から排出される構成とされ、
    前記ロータの停止時において、前記フィンは前記他方の側から前記一方の側に向かって前記コア本体に対して移動可能とされたことを特徴とする請求項2に記載の遠心機。
  4. 前記フィン装着溝の前記径方向の深さは前記一方の側に向かって深く、かつ前記フィンの前記中心軸に向かう高さは前記一方の側に向かって高くされたことを特徴とする請求項3に記載の遠心機。
  5. 前記コア本体に対して前記径方向に前記フィン全体が移動可能とされたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の遠心機。
  6. 前記フィンは、前記コア本体に対して前記径方向に0.1mm以上の摺動長を有することを特徴とする請求項5に記載の遠心機。
  7. 前記ロータはチャンバ内において減圧雰囲気中で回転する構成とされたことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の遠心機。
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