JP6692966B1 - 工作機械の電力制御装置および電力制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工作機械の電力制御装置および電力制御方法において、2つまたはそれ以上のモータのうちの1つのモータが休止状態にあるとき、複数のアンプを用いて、1つのモータを高出力で駆動する。【解決手段】電力制御装置は、第1モータおよび第2モータと、第1アンプおよび第2アンプと、前記第1モータのインピーダンスを高値(H)と低値(L)との間で切替可能な第1切替部と、前記第1アンプからの第1電力を前記第1モータに供給するとともに前記第2アンプからの第2電力を前記第2モータに供給する第1状態(OFF)と、前記第1電力および前記第2電力を前記第1モータに供給する第2状態(ON)との間で切替可能な第2切替部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械の電力制御装置および電力制御方法に関する。
従来より、複数のサーボモータと、各サーボモータを駆動する複数のサーボアンプとを備えた工作機械が知られていた。例えば特許文献1には、2つのモータ(例えば工具主軸用モータおよび(ワークが載置された)テーブル駆動用モータ)と、各モータを同期して駆動するサーボアンプ(例えば工具軸アンプおよびワーク軸アンプ)を備えた工作機械において、電力制御装置が故障した場合または電力制御装置と2つのモータとの間の通信路に異常が生じた場合に、2つの軸を同期して制御する電力制御装置(同期制御装置)が記載されている。
特開2014−191727号公報
しかしながら、工作機械に実装された2つまたはそれ以上のアンプは、異なるモータを必ずしも同期して駆動させる必要はなく、互いに独立して駆動させる場合がある。例えば一方のアンプがテーブル駆動用モータを駆動させて、ワークを移動させ、所定位置に配置して、テーブル駆動用モータを静止させた(ワークを固定させた)後、他方のアンプが工具主軸用モータを駆動させて、ワークを切削加工等の機械加工を行う場合がある。
すなわちテーブル駆動用モータを休止させた状態でワークを機械加工するとき、通常、テーブル駆動用モータを駆動するワーク軸アンプは休止状態にあり、工具軸アンプのみが工具主軸用モータを駆動し、むしろワーク軸アンプおよび工具軸アンプがともに各モータを駆動することは稀である。
また工具軸アンプは、工具主軸用モータがより大きなトルクで(より高速で)ワークを機械加工するためには、より大きな電力を工具主軸用モータに供給する必要がある。すなわちワーク軸アンプが休止状態にあるとき、工具軸アンプから工具主軸用モータへより大きな電力を供給して、より大きなトルクで機械加工を実現するために、工具軸アンプおよびワーク軸アンプの両方が工具主軸用モータに電力を供給することが好ましい。
そこで本発明に係る第1の態様は、工作機械の電力制御装置に関し、この電力制御装置は、第1モータおよび第2モータと、第1アンプおよび第2アンプと、前記第1モータのインピーダンスを高値(H)と低値(L)との間で切替可能な第1切替部と、前記第1アンプからの第1電力を前記第1モータに供給するとともに前記第2アンプからの第2電力を前記第2モータに供給する第1状態(OFF)と、前記第1電力および前記第2電力を前記第1モータに供給する第2状態(ON)との間で切替可能な第2切替部と、を備える。
また電力制御装置は、前記第1アンプならびに前記第2アンプ、および前記第1切替部ならびに前記第2切替部を制御する制御部をさらに備える。前記制御部は、前記第2モータが休止しているとき、前記高値から前記低値に切り替えるように(H→L)前記第1切替部を制御するとともに、前記第1状態から前記第2状態に切り替えるように(OFF→ON)前記第2切替部を制御するように構成されている。
また前記制御部は、前記第1アンプおよび前記第2アンプの制御手順を示す制御プログラムを先読みし、先読みしたブロックに前記第2モータの回転指令がないと判断したとき、前記第2モータが休止していると判断してもよい。
さらに前記制御部は、前記第2モータが休止した後、再び回転するとき、前記低値から前記高値に切り替えるように(L→H)前記第1切替部を制御するとともに、前記第2状態から前記第1状態に切り替えるように(ON→OFF)前記第2切替部を制御してもよい。
また前記制御部は、前記第1アンプおよび前記第2アンプの制御手順を示す制御プログラムを先読みし、先読みしたブロックに前記第2モータの回転指令があると判断したとき、前記第2モータが回転すると判断することが好ましい。
択一的には、前記電力制御装置は、前記第1アンプならびに前記第2アンプ、および前記第1切替部ならびに前記第2切替部を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記第2モータが駆動しているとき、前記高値(H)から前記低値(L)に切り替えるように(H→L)前記第1切替部を制御するとともに、前記第1状態(OFF)を維持するように前記第2切替部を制御してもよい。
本発明に係る第2の態様は、工作機械の電力制御方法に関し、とりわけ第1モータおよび第2モータと第1アンプおよび第2アンプとを備えた工作機械の電力制御方法に関し、この電力制御方法は、前記第1モータのインピーダンスを高値から低値に切り替える第1切替工程と(H→L)、前記第1アンプからの第1電力を前記第1モータに供給するとともに前記第2アンプからの第2電力を前記第2モータに供給する第1状態から、前記第1電力および前記第2電力を前記第1モータに供給する第2状態に切り替える第2切替工程と(OFF→ON)、を備える。
好適には、前記電力制御方法において、前記第1切替工程および前記第2切替工程は、前記第2モータが休止しているときに行われる。
また好適には、前記電力制御方法は、前記第1アンプおよび前記第2アンプの制御手順を示す制御プログラムを先読みする先読工程をさらに備え、前記第1切替工程および前記第2切替工程は、先読みしたブロックに第2モータの回転指令がないときに行われる。
また好適には、前記電力制御方法は、前記第2モータが休止した後、再び回転するとき、前記低値から前記高値に切り替える第3切替工程と(L→H)、前記第2状態から前記第1状態に切り替える第4切替工程と(ON→OFF)と、をさらに備える。
また前記電力制御方法は、前記第1アンプおよび前記第2アンプの制御手順を示す制御プログラムを先読みする先読工程をさらに備え、第3切替工程および第4切替工程は、先読みしたブロックに前記第2モータの回転指令があるときに行われる。
択一的には、第1モータと第1アンプとを備えた工作機械の電力制御方法は、インピーダンスを高値(H)から低値(L)に切り替える切替工程(H→L)を備える。
本発明に係る態様によれば、工作機械の電力制御装置および電力制御方法において、2つまたはそれ以上のモータのうちの1つのモータが休止状態にあるとき、複数のアンプを用いて、1つのモータを高出力で駆動することができる。
本発明の実施形態に係る工作機械の電力制御装置の概略的構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るインピーダンス切替部の具体的構成を示す概略的な回路図である。 回転速度に対する第1モータの出力およびトルクを示すグラフである。 回転速度に対する第1モータの出力およびトルクを示すグラフである。 本実施形態に係る電力制御方法を示すフローチャートである。
添付図面を参照して、本発明に係る工作機械の電力制御装置および電力制御方法の実施形態を以下説明する。なお、各図面において電力制御装置の同一の構成部品には同一の符号を用いて示す。
図1は、本発明の実施形態に係る工作機械の電力制御装置の概略的構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る電力制御装置1は、概略、第1モータ10および第2モータ20と、第1アンプ30および第2アンプ40と、インピーダンス切替部50(第1切替部ともいう)と、アンプ切替部60(第2切替部ともいう)と、制御部70とを備える。制御部70は、第1アンプ30ならびに第2アンプ40、およびインピーダンス切替部50ならびにアンプ切替部60を制御するように構成されている。第1モータ10および第2モータ20は、エンコーダを有し、回転速度および/または回転位置を示す信号をそれぞれ第1アンプ30および第2アンプ40に出力して速度制御および/または位置制御を行うサーボモータであってもよい。
インピーダンス切替部50は、制御部70からの第1切替信号を受けて(図1の破線)、第1モータ10のインピーダンスを高値(H)と低値(L)との間で切り替えることができるように構成されている。
一方、アンプ切替部60は、第1状態(OFF)と第2状態(ON)との間で切り替えることができるように構成されている。本願において、第1状態(OFF)とは、第1アンプ30からの第1電力を第1モータ10に供給するとともに第2アンプ40からの第2電力を第2モータ20に供給する状態をいい、第2状態(ON)とは、第1電力および第2電力を第1モータ10にのみ供給する状態をいう。
図2は、インピーダンス切替部50の具体的構成を示す概略的な回路図である。第1モータ10は、例えば線間電圧が200V(図2の+と−の間の電圧)の三相誘導電動機であって、巻線を複数ターン(Nターン、例えば20ターン)巻回して構成されたU相コイル11、V相コイル13、およびW相コイル15を備え、これらは第1アンプ30のインバータ回路32に接続されている。またU相コイル11、V相コイル13、およびW相コイル15はそれぞれ、図2に示すように、2つのサブコイル(U1サブコイル12aとU2サブコイル12b、V1サブコイル14aとV2サブコイル14b、およびW1サブコイル16aとW2サブコイル16b)で構成されている。
インピーダンス切替部50は、第1モータ10のU相コイル11、V相コイル13、およびW相コイル15のそれぞれに接続された3つの直列並列スイッチSW1〜SW3を有する。直列並列スイッチSW1〜SW3はそれぞれ、U相コイル11、V相コイル13、およびW相コイル15の各サブコイル12a,12b;14a,14b;16a,16bを直列接続または並列接続に同期して切り替えることができる。図2は、各サブコイル12a,12b;14a,14b;16a,16bが直列に接続された状態(H)を示す。
一般に、コイルのインピーダンスZはベクトルとして表され、その大きさは[数1]で表される。
[数1]
Z=[R+(ωL)1/2
ここでRはコイルの抵抗、Lはコイルのリアクタンス、ωは角周波数を示す。
例えばU相コイル11のサブコイル12a,12bが直列に接続されているときのU相コイル11の合成インピーダンスZsは、サブコイル12a,12bのインピーダンスZ,Zを用いて[数2]で表され、直列並列スイッチSW1の切替により、サブコイル12a,12bが並列に接続されているときのU相コイル11の合成インピーダンスZpは、[数3]で表される。
[数2]
Zs=Z+Z
[数3]
Zp=(Z −1+Z −1−1
U相コイル11のサブコイル12a,12bのインピーダンスZ(抵抗値RおよびリアクタンスL)が同一である場合、直列接続時の合成インピーダンスZsおよび並列接続時の合成インピーダンスZpは、次のように表される。
[数4]
Zs=2Z
[数5]
Zp=Z/2
V相コイル13およびW相コイル15のサブコイル14a,14b;16a,16bの直列接続時または並列接続時の合成インピーダンスZも同様に表される。このようにインピーダンス切替部50は、第1モータ10全体の合成インピーダンスZを直列接続時の高値(H)と並列接続時の低値(L)との間で切り替えることができる。そして[数4]および[数5]から明らかなように、合成インピーダンスZの高値(H)は、低値(L)の4倍となる。換言すると、インピーダンス切替部50は、第1モータ10のインピーダンスZを高値(H)から、その1/4倍の低値(L)に切り替え(H→L)、または低値(L)からその4倍の高値(H)に切り替えることができる(L→H)。
一方、直列接続されたサブコイル12a,12bを並列接続にすると、U相コイル11の巻数(ターン数)は、例えば20ターンから10ターンに半減する(1/2倍になる)。V相コイル13およびW相コイル15も同様である。図3は、回転速度Nに対する第1モータ10の出力W(実線)およびトルクT(破線)を示すグラフであって、インピーダンスZが高値(H)および低値(L)である場合(ただし第1モータ10に供給する電力(例えば10kW)は同一)を示す。
第1モータ10のインピーダンスZが高値(H)である場合、第1モータ10に供給する電流Iをゼロから(例えば100Aまで)徐々に増大させて第1モータ10を始動させると、トルクTは一定で(図3の短い破線で示す。)、回転速度Nが定格回転速度Nに達したとき、一定の定格出力Wが出力される。
一般に、出力WはトルクTと回転速度Nに線形比例し(W=T×N)、トルクTはトルク定数Kと電流Iに線形比例するので(T∝K×I)、回転速度Nがゼロから定格回転速度Nに至るまでの出力W(実線)を示すグラフの傾きは、インピーダンスZが高値(H)であるときの第1モータ10のトルク定数Kに対応する。また、回転速度Nが定格回転速度Nを超えて増大すると、定格出力Wが一定であるため、図3の短い破線で示すように、トルクTが回転速度Nに反比例するように小さくなる。
第1モータ10のインピーダンスZが低値(L)である場合、第1モータ10に供給する電流Iをゼロから徐々に増大させて第1モータ10を始動させると、トルクTは一定で(図3の長い破線で示す。)、回転速度Nが定格回転速度Nに達したとき、一定の定格出力Wが出力される。
同様に、回転速度Nがゼロから定格回転速度Nに至るまでの出力W(実線)を示すグラフの傾きは、インピーダンスZが低値(L)であるとき、すなわちサブコイル12a,12bが並列接続されて巻数(ターン数)が半減したときの第1モータ10のトルク定数Kに対応する。
したがって、第1モータ10に流れる電流Iが同じ(例えば100A)であるとき、巻数(ターン数)が半減したことに起因して、第1モータ10のトルク定数Kは、トルク定数Kの1/2倍(傾きが半分)となる。また、回転速度Nが定格回転速度Nを超えて増大すると、定格出力Wが一定であるため、同様に図3の短い破線で示すように、トルクTが回転速度Nに反比例するように小さくなる。すなわち、トルクTおよびトルクTは、回転速度Nが定格回転速度Nを超えるとき、同一の軌跡上を推移する(長い破線と短い破線が重なり合う)。
再び図1を参照して、制御部70は、インピーダンスZの高値(H)から低値(L)に切り替えるように(H→L)インピーダンス切替部50を制御する一方、第1状態(OFF)を維持するようにアンプ切替部60を制御すると、第1モータ10の出力WおよびトルクT,Tは、図3を参照して上記説明したように推移する。インピーダンスZが高値(H)から低値(L)に低減しても、第1モータ10のコイルの銅損(=インピーダンスZと電流Iの二乗の積)と、モータの鉄損(回転数Nの二乗に比例)の合計許容値は変わらない。したがって、銅損が減少した分、鉄損の上限値を大きくすることができるので、回転数の上限値を大きくすることができる。結果として、アンプ切替部60が通常状態にあって、インピーダンス切替部50のみを高値(H)から低値(L)に切り替えたとき、通常の最大回転速度NMAXより高い回転速度NSUPで第1モータ10を回転させることができる。
さらに換言すると、上述のようにインピーダンス切替部50(H→L)およびアンプ切替部60(OFFを維持)を制御すると、第1モータ10の最大回転速度を増大させることができる。この電力制御装置および電力制御方法は、工作機械で用いられる工具主軸用モータのトルクは小さくても、大きな回転速度を必要とする場合に有用である。
[本実施形態に係る電力制御方法]
次に、本実施形態に係る電力制御方法において、第2モータ20が休止しているとき、インピーダンスZの高値(H)から低値(L)に切り替えるように(H→L)インピーダンス切替部50を制御するとともに、第1状態から第2状態に切り替えるように(OFF→ON)アンプ切替部60を制御する場合について詳細に以下説明する。
このとき、インピーダンス切替部50は、第1モータ10のインピーダンスZを高値(H)から、その1/4倍の低値(L)に切り替える(H→L)とともに、第1モータ10の巻数(ターン数)を例えば20ターンから10ターンに切り替える。
一方、アンプ切替部60は、第2モータ20が休止しているとき、第1アンプ30および第2アンプ40から供給される第1電力および第2電力を第1モータ10にのみ供給するように切り替える。一例として、線間電圧が200Vで、第1状態では第1アンプ30から10kWの第1電力(I=100Aの電流)が第1モータ10に供給されていたところ、第2状態では第1アンプ30および第2アンプ40から第1電力および第2電力(合計20kW=10kW×2)が第1モータ10にのみ供給される。
図4は、回転速度Nに対する第1モータ10の出力W(実線)およびトルクT(破線)を示すグラフであって、高値(H)のインピーダンスZに第1アンプ30から第1電力が供給される場合と、低値(L)のインピーダンスZに第1アンプ30および第2アンプ40から電力が供給される場合を示す。
高値(H)のインピーダンスZに第1アンプ30から第1電力(10kW)が供給される場合において、回転速度Nに対する第1モータ10の出力W(実線)およびトルクT(破線)は、図3で説明したとおりである。すなわち、第1モータ10に供給する電流Iをゼロから(例えば100Aまで)徐々に増大させて第1モータ10を始動させると、トルクTは一定で(図4の短い破線で示す。)、回転速度Nが定格回転速度Nに達したとき、一定の定格出力Wが出力される。
一方、インピーダンス切替部50は、第1モータ10のインピーダンスZを高値(H)から、その1/4倍の低値(L)に切り替えた(H→L)とき、トルク定数Kはコイルの巻数に線形比例するので、第1モータ10のU相コイル11、V相コイル13、およびW相コイル15のサブコイル12a,12b;14a,14b;16a,16bが並列接続されて巻数(ターン数)が半減すると、第1モータ10のトルク定数Kも切替前の1/2倍になる。
ただし第1モータ10は、第1アンプ30および第2アンプ40の両方から電力供給(例えば20kW)を受けて2倍の電流Iが供給される。トルクTはトルク定数Kと電流Iに線形比例するので(T∝K×I)、トルク定数Kが半減しても電流Iが2倍になるので、低速時のトルクTはトルクTに等しく(図4の短い破線で示す)、定格回転速度Nで一定の定格出力Wが出力されるまでの出力W(実線)を示すグラフの傾きは、高値(H)のインピーダンスZに第1アンプ30から第1電力(10kW)が供給される場合と一致する。すなわち、回転速度Nに対する第1モータ10の出力W(実線)を示すグラフは、回転速度NがゼロとNの間にあるとき、高値(H)のインピーダンスZに第1アンプ30から第1電力(10kW)が供給される場合と、低値(L)のインピーダンスZに第1アンプ30から第1電力および第2電力(20kW)が供給される場合とで重なり合っている。
第1モータ10のコイルの巻数が半減すると、定格回転速度Nは定格回転速度Nの2倍になり、定格出力Wは定格出力Wの2倍になるので、回転速度Nが定格回転速度Nを超えて増大するとき、同様に図4の長い破線で示すように、トルクTは回転速度Nに反比例するように小さくなる。すなわちトルクTは、同じ回転速度Nに対して、トルクTの2倍となる。
このように構成された工作機械の電力制御装置および電力制御方法によれば、第2モータ20および第2アンプ40が休止状態にあるとき、第1アンプ30からの第1電力に加えて、第2アンプ40からの第2電力を第1モータ10に供給することにより、第1モータ10の高速回転時のトルクTおよび出力Wを倍増させることができる。これは、工作機械に搭載可能なアンプの数に制約がある場合であっても、休止している第1アンプ30を有効活用することにより、大きなトルクおよび出力で工具主軸用モータ(第1モータ10)を駆動することができる。これにより、例えば加工時間の短縮や、高速回転を要する加工を容易に実現することができる。
なお、第1電力および第2電力はともに例えば10kWであり、第1モータ10のインピーダンスZの高値(H)が低値(L)の4倍であるとして上記説明したが、これに限定されるものではなく、第1電力および第2電力は互いに異なる任意の値であってもよいし、高値(H)と低値(L)の比率も任意の値であってもよい。
(制御プログラムの先読み)
ところで工作機械の制御部70は、一般に、数値制御装置で構成され、制御プログラムに従ってアンプ等の構成部品の駆動または処理を制御する。また制御プログラムとは、制御部70による処理が円滑かつ能率よく実行されるよう補助する機能をもつ管理プログラムであり、NC(数値制御)プログラムとも呼ばれている。制御部70は、NCプログラムに特別の指令がなければ、順次1ブロックずつ読み込むように構成されているが、複数のブロックを事前に読み込む(プログラムを先読みする)ことにより、例えばNCプログラム指令により実現されるワークの指令形状を判定し、ワークの機械特性に最適な工具ツール(モータ)の速度や加速度を決定することができる。すなわち制御部70は、例えば高速で高品位の機械加工のためにNCプログラムを先読みすることができる。
図5は、本実施形態に係る電力制御方法を示すフローチャートである。
まず制御部70は、第1アンプ30および第2アンプ40の制御手順を示す制御プログラムを先読みする(ステップST01)。制御部70は、先読みした複数のブロックの中に第2モータ20の回転指令があるか否かを判定し(ステップST02)、回転指令がある場合(YESの場合)には第2モータ20は回転していると判断してステップST03に進み、回転指令がない場合(NOの場合)には第2モータ20は休止していると判断してステップST04に進む。
制御部70は、ステップST03において、第1モータ10のインピーダンスZを高値(H)から低値(L)に切り替えるように(H→L)インピーダンス切替部50を制御するとともに、第1状態から第2状態に切り替えるように(OFF→ON)アンプ切替部60を制御する。こうして、第1アンプ30からの第1電力に加えて、第2アンプ40からの第2電力を第1モータ10に供給して、第1モータ10の高速回転時のトルクTおよび出力Wを倍増させることができる。したがって、第2モータ20に電力供給することなく休止している第2アンプ40を有効活用することにより、大きなトルクおよび出力で工具主軸用モータ(第1モータ10)を駆動することができる。よって本実施形態に係る電力制御方法によれば、加工時間を短縮し、高速回転を要する加工を容易に実現することができる。
制御プログラムの先読み(ステップST01〜ST03)は、反復して行われる。制御部70は、先読みした複数のブロックの中に第2モータ20の回転指令がないと判定したとき(ステップST02)、第2モータ20が休止した後、再び回転すると判断し、ステップST04において、第1モータ10のインピーダンスZを低値(L)から高値(H)に切り替えるように(L→H)インピーダンス切替部50を制御するとともに、第2状態から第1状態に切り替えるように(ON→OFF)アンプ切替部60を制御する。こうして通常状態に戻し、第1モータ10は第1アンプ30から給電され、第2モータ20は第2アンプ40から給電される。
図示しないが、第2モータ20(第2アンプ40)の駆動/停止に拘わらず、制御部70は、図3で上記説明したように、インピーダンスZの高値(H)から低値(L)に切り替えるように(H→L)インピーダンス切替部50を制御する一方、アンプ切替部60は第1状態(OFF)を維持するように制御してもよい。このとき、通常の最大回転速度NMAXより高い回転速度NSUPで第1モータ10を回転させることができる。上記制御方法は、小さいトルクで大きな回転速度を必要とする工具主軸用モータに特に有利である。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
本発明は、工作機械の電力制御装置および電力制御方法に利用することができる。
1…電力制御装置、10…第1モータ、11…U相コイル、13…V相コイル、15…W相コイル、12a,12b;14a,14b;16a,16b…サブコイル、20…第2モータ、30…第1アンプ、40…第2アンプ、50…インピーダンス切替部50(第1切替部)、60…アンプ切替部(第2切替部)、70…制御部

Claims (11)

  1. 第1モータおよび第2モータと、
    第1アンプおよび第2アンプと、
    前記第1モータのインピーダンスを高値(H)と低値(L)との間で切替可能な第1切替部と、
    前記第1アンプからの第1電力を前記第1モータに供給するとともに前記第2アンプからの第2電力を前記第2モータに供給する第1状態(OFF)と、前記第1電力および前記第2電力を前記第1モータに供給する第2状態(ON)との間で切替可能な第2切替部と、を備えた工作機械の電力制御装置。
  2. 前記第1アンプならびに前記第2アンプ、および前記第1切替部ならびに前記第2切替部を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第2モータが休止しているとき、前記高値から前記低値に切り替えるように(H→L)前記第1切替部を制御するとともに、前記第1状態から前記第2状態に切り替えるように(OFF→ON)前記第2切替部を制御する、請求項1に記載の工作機械の電力制御装置。
  3. 前記制御部は、前記第1アンプおよび前記第2アンプの制御手順を示す制御プログラムを先読みし、先読みしたブロックに前記第2モータの回転指令がないと判断したとき、前記第2モータが休止していると判断する、請求項2に記載の工作機械の電力制御装置。
  4. 前記制御部は、前記第2モータが休止した後、再び回転するとき、前記低値から前記高値に切り替えるように(L→H)前記第1切替部を制御するとともに、前記第2状態から前記第1状態に切り替えるように(ON→OFF)前記第2切替部を制御する、請求項2または3に記載の工作機械の電力制御装置。
  5. 前記制御部は、前記第1アンプおよび前記第2アンプの制御手順を示す制御プログラムを先読みし、先読みしたブロックに前記第2モータの回転指令があると判断したとき、前記第2モータが回転すると判断する、請求項4に記載の工作機械の電力制御装置。
  6. 前記第1アンプならびに前記第2アンプ、および前記第1切替部ならびに前記第2切替部を制御する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記第2モータが駆動しているとき、前記高値(H)から前記低値(L)に切り替えるように(H→L)前記第1切替部を制御するとともに、前記第1状態(OFF)を維持するように前記第2切替部を制御する、請求項1に記載の工作機械の電力制御装置。
  7. 第1モータおよび第2モータと第1アンプおよび第2アンプとを備えた工作機械の電力制御方法であって、
    前記第1モータのインピーダンスを高値から低値に切り替える第1切替工程と(H→L)、
    前記第1アンプからの第1電力を前記第1モータに供給するとともに前記第2アンプからの第2電力を前記第2モータに供給する第1状態から、前記第1電力および前記第2電力を前記第1モータに供給する第2状態に切り替える第2切替工程と(OFF→ON)、を備えた工作機械の電力制御方法。
  8. 前記第1切替工程および前記第2切替工程は、前記第2モータが休止しているときに行われる、請求項7に記載の工作機械の電力制御方法。
  9. 前記第1アンプおよび前記第2アンプの制御手順を示す制御プログラムを先読みする先読工程をさらに備え、
    前記第1切替工程および前記第2切替工程は、先読みしたブロックに第2モータの回転指令がないときに行われる、請求項8に記載の工作機械の電力制御方法。
  10. 前記第2モータが休止した後、再び回転するとき、前記低値から前記高値に切り替える第3切替工程と(L→H)、
    前記第2状態から前記第1状態に切り替える第4切替工程と(ON→OFF)と、をさらに備えた請求項8または9に記載の工作機械の電力制御方法。
  11. 前記第1アンプおよび前記第2アンプの制御手順を示す制御プログラムを先読みする先読工程をさらに備え、
    第3切替工程および第4切替工程は、先読みしたブロックに前記第2モータの回転指令があるときに行われる、請求項10に記載の工作機械の電力制御方法。
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