JP6692628B2 - 構造部品を接合するためのスプライスアセンブリ - Google Patents

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Description

本開示は、概して、部品同士を接合するための装置及び方法に関し、より詳しくは、ビークル(vehicle)の構造部品、例えば航空機のストリンガー、を調節可能に接合するための装置及び方法に関する。
ビークルの製造においては、構造部品同士が接合されてジョイントが形成される。伝統的に用いられているジョイントの1つにスプライス(splice)ジョイントがある。これは、1つの構造部品の端部を、別の構造部品の隣接する端部と突合せ又は重ね合わせて、ボルトやリベットなどの留め具や、リブ、ブラケット、スプライス板などの装置を用いて接合するものである。
一例として、航空機の機体は、典型的には、一連の離間した周方向胴体フレーム(例えば、フープ状フレーム)として構成されており、これらが航空機の大まかな断面形状を規定しており、一連の互いに離間したストリンガー部材(例えばストリンガー)が、胴体フレーム間で航空機胴体の長手方向に延びている。胴体フレーム及びストリンガーは、航空機外板を構造的に支持しており、航空機外板は、別々の構成片を、様々な構造支持部材上に配置し互いに接合することによって形成されている。ストリンガー同士をスプライスジョイントで接合する際は、単一のストリンガースプライスプレート(splice plate)で隣接するストリンガーの端部同士を連結することによって、ストリンガースプライスアセンブリが形成される。
しかし、隣接するストリンガーが、ストリンガースプライスプレートによって連結できるように適切にアラインメントされていないことが多々ある。このような非アライメント状態の場合は、スプライスジョイントのいずれか一方側でストリンガーをアラインメントするための工具を使用する必要がある。アラインメントの後は、ストリンガーとストリンガースプライスプレートを適所でクランプし、様々なシムを作製してストリンガースプライスアセンブリの周囲に配置し、ストリンガー及びストリンガースプライスプレートに締結穴を形成する。締結穴を形成した後は、ストリンガースプライスアセンブリを分解し、必要なシーラントを塗布する。次にストリンガースプライスアセンブリを再び組み付け、共に締結する。
このようなプロセスでは、製造時間及びコストがかかる上に、所望のレベルの完成品が得られず、不都合が生じる場合がある。
従って、当業者は、構造部品の接合分野において、研究開発の取り組みを継続している。
一実施形態において、開示のスプライスブラケットは、長軸と、構造部品の端部に連結されるように構成された連結部材と、連結部材から長軸に沿って延びる係合部材と、を含み、係合部材は、長軸に対して非ゼロ角度で設けられた係合面を含む。
別の実施形態において、開示のスプライスアセンブリは、第1の長軸と、第1連結部材と、第1連結部材から第1の長軸に沿って延びる第1係合部材とを備える第1スプライスブラケットを含み、第1係合部材は、第1の長軸に対して第1の非ゼロ角度で設けられた第1係合面を含む。開示のスプライスアセンブリは、第2の長軸と、第2連結部材と、第2連結部材から第2の長軸に沿って延びる第2係合部材とを備える第2スプライスブラケットをさらに含み、第2係合部材は、第2の長軸に対して第2の非ゼロ角度で設けられた第2係合面を含む。第1係合面と第2係合面とは補完し合う。第1係合面と第2係合面との面接触が、第1スプライスブラケットと第2スプライスブラケットとを連結する締結箇所を規定する。
別の実施形態において、構造部品を接合するための開示の方法は、(1)第1構造部品に対して第1スプライスブラケットを関連付ける工程と、(2)第2構造部品に対して第2スプライスブラケットを関連付ける工程と、(3)第1構造部品に対する第1スプライスブラケットの配置及び第2構造部品に対する第2スプライスブラケットの配置のうちの少なくとも一方を行う工程と、(4)第1スプライスブラケットと第2スプライスブラケットとを互いに連結する工程と、(5)第1構造部品に第1スプライスブラケットを連結する工程と、(6)第2構造部品に第2スプライスブラケットを連結する工程と、を含む。
さらに別の実施形態において、シェル構造体の構造部品を介して負荷を導くための開示の方法は、(1)負荷の少なくとも一部を、第1構造部品から、第1構造部品に連結された第1スプライスブラケットに伝達する工程と、(2)負荷の少なくとも一部を、第1スプライスブラケットから第1スプライスブラケットに連結された第2スプライスブラケットに対して、第1スプライスブラケットの第1係合面と、これと面接触状態にある第2スプライスブラケットの第2係合面との間のスプライスブラケット連結部を介して、伝達する工程と、(3)負荷の少なくとも一部を、第2スプライスブラケットから、第2スプライスブラケットに連結された第2構造部品に伝達する工程と、を含む。
開示の装置及び方法の他の実施形態は、以下の詳細な説明、添付図面、及び、添付の特許請求の範囲から、より明らかになるであろう。
開示のスプライスアセンブリの一実施形態のブロック図である。 第1の参照平面内における非アラインメント状態にある、図1の構造部品の一実施形態の概略平面図である。 第2の参照平面内における非アラインメント状態にある、図1の構造部品の別の実施形態の概略側面図である。 第1の参照平面内におけるアラインメント状態にある、図1の構造部品の別の実施形態の概略平面図である。 第2の参照平面内におけるアラインメント状態にある、図1の構造部品の別の実施形態の概略側面図である。 図2Aの構造部品に対して第1のリニア位置にある、図1のスプライスブラケットの一実施形態の概略平面図である。 図2Bの構造部品に対して第1のリニア位置にある、図1のスプライスブラケットの別の実施形態の概略側面図である。 図2Cの構造部品に対して第1のリニア位置にある、図1のスプライスブラケットの別の実施形態の概略平面図である。 図2Dの構造部品に対して第1のリニア位置にある、図1のスプライスブラケットの別の実施形態の概略側面図である。 図2Aの構造部品に対して第2のリニア位置にある、図3Aのスプライスブラケットの概略平面図である。 図2Bの構造部品に対して第2のリニア位置にある、図3Bのスプライスブラケットの概略側面図である。 図2Cの構造部品に対して第2のリニア位置にある、図3Cのスプライスブラケットの概略平面図である。 図2Dの構造部品に対して第2のリニア位置にある、図3Dのスプライスブラケットの概略側面図である。 航空機の製造及びサービス方法のブロック図である。 航空機の概略図である。 図6の航空機の別の概略図である。 図7の航空機の胴体の概略図である。 図1のスプライスアセンブリの一実施形態の概略上方及び側方斜視図である。 図9Aのスプライスアセンブリの概略断面図である。 図1のスプライスアセンブリの別の実施形態の概略上方及び側方斜視図である。 図1のスプライスアセンブリの別の実施形態の概略上方及び側方斜視図である。 図1のスプライスアセンブリの別の実施形態の概略上方及び側方斜視図である。 図12のスプライスブラケットの概略平面図である。 図1のスプライスアセンブリの別の実施形態の概略平面図である。 図1のスプライスアセンブリの別の実施形態の概略側面図である。 図1のスプライスブラケットの別の実施形態の概略上方斜視図である。 図1のスプライスブラケットの別の実施形態の概略上方斜視図である。 図1のスプライスアセンブリの別の実施形態の概略平面図である。 図8の航空機の胴体の概略横断面図である。 図1のスプライスアセンブリによって長手方向に連結された複数の外板パネルの概略斜視図である。 複数のスプライスアセンブリによって長手方向に連結された複数の外板パネルの概略側方斜視図である。 図20の外板パネルの概略平面図である。 ツール固定具の一実施形態の概略側面図である。 図1のスプライスアセンブリにおける負荷を示す概略側面図である。 図1のスプライスアセンブリにおける負荷を示す概略平面図である。 構造部品を接合するための開示の方法の一実施形態のフロー図である。 シェル構造体の構造部品を介して負荷を導くための開示の方法の一実施形態のフロー図である。
以下の詳細な説明は、添付図面を参照しており、これらの図面は、本開示の特定の実施形態を図示したものである。異なる構造及び動作を有する他の実施形態は、本開示の範囲を逸脱するものではない。様々な図面において、同じ要素又はコンポーネントは、同様の参照数字で示す場合がある。
図1を参照すると、本開示のスプライスアセンブリの一実施形態が、概括的に符号100で示されている。当該アセンブリは、ビークル10の複数の構造部品14を相互連結するためのものであり、一対のスプライスブラケット102(個別には、第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102bと呼ぶ)を含む。ビークル10は、相互連結された複数の構造部品14と、複数の構造部品14に連結された外板90とを含むシェル構造体12(例えば、ビークルフレーム支持構造体)を含む。例えば、ビークル10は、外板90を介して負荷を支持するモノコック構造である。相互連結された複数の構造部品14のうちの少なくとも2つの隣接する構造部品18(例えば、第1構造部品18aと第2構造部品18b)は、開示のスプライスアセンブリ100を形成する1対のスプライスブラケット102によって、互いに連結することができる。1つ又は複数のスプライスアセンブリ100(例えば、構成部品14を相互連結する)によって、スプライスジョイント16が形成される。
一例として図2A〜図4A、図2B〜図4B、図2C〜図4C、及び図2D〜図4Dを簡単に参照すると、第1構造部品18aと第2構造部品18bとは、第1構造部品18aの端部20aが第2構造部品18bの端部20bから概ね離間するように、端同士を向かい合わせた配向92で概ね並べられている。図4A、図4B、図4C、及び図4Dに示すように、一対のスプライスブラケット102a、102bは、構造部品18a、18bの端部20a、20bを相互連結する。
図2A〜図4A及び図2C〜図4Cは、シェル構造体12、及び、スプライスジョイント16(図1)を形成するスプライスアセンブリ100の平面図である。本明細書において、図2A〜図4A、図2C〜図4C、図9、図10、図14及び図18を参照すると、平面図は、構造部品18a、18b(例えばストリンガー42a、42b)が連結された外板90a、90b(例えば外板パネル48)の主面を見る方向の図である。例えば、平面図は、ビークル10(図1)(例えば航空機22)の機内から機外への方向に見たシェル構造体12(例えば、外板90a、90b、構造部品18a、18b、外板パネル48、ストリンガー42a、42b)の任意の配向からの図を含む。
図2B〜図4B及び図2D〜図4Dは、シェル構造体12、及び、スプライスジョイント16(図1)を形成するスプライスアセンブリ100の側面図である。本明細書において、図2B〜図4B、図2D〜図4D、図11及び図15を参照すると、側面図は、外板90a、90b(例えば外板パネル48)の側面を見る方向の図である。例えば、側面図は、構造部品18a、18b(例えばストリンガー42a、42b)が連結された外板90a、90b(例えば外板パネル48)の主面に沿う方向に見たシェル構造体12(例えば、外板90a、90b、構造部品18a、18b、外板パネル48、ストリンガー42a、42b)の任意の配向からの図を含む。
図1に戻ると、一実施例において、スプライスアセンブリ100は、少なくとも1つのスプライスクリップ110を含み、当該スプライスクリップは、スプライスブラケット102a、102bと、相互連結された複数の構造部品14のうちの第3構造部品18cとの間に連結されて、第1構造部品18a及び第2構造部品18bを第3構造部品18cに接合するように構成されたものである。
特に明記しない限り、「第1」、「第2」「第3」等の語句は、単に標識として用いられており、これらの用語が言及している要素に対し、順序、位置、又は階層的な要件を課すものではない。また、例えば「第2の」アイテムについて言及することによって、より小さい序数のアイテム(例えば「第1の」アイテム)、及び/又は、より大きい序数のアイテム(例えば「第3の」アイテム)の存在を要件としたり排除したりするものではない。
図2A、図2B、図2C及び図2D(まとめて図2A〜図2Dという)を参照すると、一実施例において、第1構造部品18aは、シェル構造体12の第1外板90aに連結されており、第2構造部品18bは、シェル構造体12の第2外板90bに連結されている。第1外板90aと第2外板90bとは、互いに突合せ状態96にある。第1構造部品18aと第2構造部品18bとは、端同士を向かい合わせた配向92(例えば、第1構造部品18aの端部20aが、第2構造部品18bの端部20bと概ね近接している配向)で、概ね配置されている。例えば、第1構造部品18aと第2構造部品18bとは、距離Dだけ離間している(図2A〜図2D)。
当業者であればわかるように、ある種の実施態様において、第1外板90aと第2外板90bとを互いに突合せ状態96とした際に、スプライスジョイント16(図1)の全長に沿って完全に接触した状態(例えばタッチしている状態)とならない場合がありうる。当業者であればわかるように、突合せ状態96とされた外板90a、90b間に間隙が形成された場合は、(例えば、シム、フィラー等によって)充填したり、他の方法で対処したりすることができる。
図2A〜図2Dを参照すると、一構成例において、第1構造部品18aと第2構造部品18bとの間の距離Dは、これらの間に配置されるスプライスブラケット102a、102b(図3A〜図3D及び図4A〜図4D)及び/又は第3構造部品18c(図1)の相互連結を可能とするのに十分な距離である。一例として、第1構造部品18a及び第2構造部品18bは、隣接する端部20a、20bの間に、スプライスブラケット102a、102b(図3A〜図3D及び図4A〜図4D)及び/又は第3構造部品18c(図3A〜図3D及び図4A〜図4Dには図示せず)を配置するのに十分な空間49(図2A〜図2D)を規定するように配置されている。
図2A〜図2Dを参照すると、第1構造部品18a及び第2構造部品18bは、それぞれ、長軸(例えば中心軸)X(それぞれを個別に軸Xa、軸Xbという)を含む。第1構造部品18a及び第2構造部品18bの配置98を行うと(例えば、第1外板90a及び第2外板90bの突合せ96を行うと)、第1構造部品18aと第2構造部品18bとは、(例えば第1の)参照平面134内においてアラインメントした状態138(図2C)(例えば長軸Xaと長軸Xbとが参照平面134内でアラインメントした状態138)、(例えば第2の)参照平面136内においてアラインメントした状態140(図2D)(例えば長軸Xaと長軸Xbとが参照平面136内でアラインメントした状態140)、第1の参照平面134に沿った非アラインメント状態142(図2A)(例えば、長軸Xaと長軸Xbとが参照平面134内で非アラインメントとなった状態142)、第2の参照平面136に沿った非アラインメント状態144(図2B)(例えば、長軸Xaと長軸Xbとが参照平面136内で非アラインメントとなった状態144)、又は、第1の参照平面134及び第2の参照平面136に沿った非アラインメント状態144、のうちの1つとなる。
本明細書において、「アラインメント(した)状態」とは、第1構造部品18a及び第2構造部品18bの互いに対する配置98を行った際(例えば、第1外板90a及び第2外板90bの突合せ96を行った際)に、第1構造部品18aと第2構造部品18bとが一直線上に配置(例えば整列)される(例えば長軸Xaと長軸Xbとがコリニア(co-linear)である)こと、あるいは、非アラインメント度合いが約ゼロインチであることを意味する。
本明細書において、「非アラインメント状態」とは、第1構造部品18a及び第2構造部品18bの互いに対する配置98を行った際(例えば、第1外板90a及び第2外板90bの突合せ96を行った際)に、第1構造部品18aと第2構造部品18bとが一直線上に配置(例えば整列)されていないこと(例えば長軸Xaと長軸Xbとがコリニア(co-linear)でない)こと、あるいは、非アラインメント度合いがゼロインチより大きいことを意味する。
本明細書において、「非アラインメント度合い」とは、長軸Xa及び長軸Xbに対して垂直な方向に測定した長軸Xaと長軸Xbとの直線距離を意味する。
本明細書において、図2A及び図2Cを参照すると、第1の参照平面134は、外板90がフラットな場合は外板90に実質的に平行であり、外板90が湾曲している場合は、構造部品18の位置において、外板90に対して実質的に接線方向に延びる。
本明細書において、図2B及び図2Dを参照すると、第2の参照平面136は、外板90がフラットな場合は外板90に対して実質的に垂直であり、外板90が湾曲している場合は、構造部品18の位置において、第1の参照平面134(図2A及び図2C)に対して実質的に垂直である。
実施例において、第1の参照平面134内における非アラインメント状態142(図2A〜図4A)は、ビークル10(例えば航空機22の胴体38)のシェル構造体12のフープ方向(例えば周方向)における、第1構造部品18a(例えば第1ストリンガー42a)と第2構造部品18b(例えば第2ストリンガー42b)との非アラインメントをいう。実施例において、第2の参照平面136内における非アラインメント状態144(図2B〜図4B)は、ビークル10(例えば航空機22の胴体38)のシェル構造体12の機内/機外方向における、第1構造部品18a(例えば第1ストリンガー42a)と第2構造部品18b(例えば第2ストリンガー42b)との非アラインメントをいう。
本明細書において、開示のスプライスアセンブリ100(図4A、図4B、図4C、及び図4D)は、第1の参照平面134内におけるアラインメント状態138(図2C〜図4C)、第2の参照平面136内におけるアラインメント状態140(図2D〜図4D)、第1の参照平面134内における非アラインメント状態142(図2A〜図4A)、第2の参照平面136内における非アラインメント状態144(図2B〜図4B)、または、第1の参照平面134及び/又は第2の参照平面136内におけるアラインメント状態138、140及び/又は非アラインメント状態142、144の何らかの組み合わせ、の状態にある第1構造部品18a(例えば第1ストリンガー42a)と第2構造部品18b(例えば第2ストリンガー42b)とを、相互連結するとともにこれらの間の負荷伝達を実現する。
図3A、図3B、図3C及び図3Dを参照すると、一実施例において、第1スプライスブラケット102aは、第1構造部品18aの端部20aの近傍(例えば端部領域)に連結され、第2スプライスブラケット102bは、第2構造部品18bの端部20bの近傍(例えば端部領域)に連結される。
各スプライスブラケット102は、構造部品18の端部20の近傍(例えば当該端部又はその付近)に連結されるように構成された連結部材104を含む。一例として、第1スプライスブラケット102aは、第1構造部品18aの端部20aの近傍に連結されるように構成された連結部材104aを含む。第2スプライスブラケット102bは、第2構造部品18bの端部20bの近傍に連結されるように構成された連結部材104bを含む。第1スプライスブラケット102aの連結部材104aは、第1構造部品18a及び第2構造部品18b(例えば端部20a、20bの近傍)の構成(例えば形状)に応じて、第2スプライスブラケット102bの連結部材104bと構造的に同じものとしてもよいし異なるものとしてもよい。
図3A、図3B、図3C、図3D、図4A、図4B、図4C及び図4Dを参照すると、各スプライスブラケット102は、係合部材106を含んでおり、当該係合部材は、略アライメント状態にある隣接するスプライスブラケット102の係合部材106と接触状態146(図4A、図4B、図4C及び図4D)とされるように構成されている。例えば、第1スプライスブラケット102aは係合部材106aを含み、第2スプライスブラケット102bは係合部材106bを含む。各スプライスブラケット102の係合部材106は、直線状に傾斜した係合面108を含む。(例えば、係合面108は、長軸Xに対して非ゼロ角度θ(図13)で設けられている。)例えば、第1スプライスブラケット102aの係合部材106aは、係合面108aを含み、第2スプライスブラケット102bの係合部材106bは、これと補完し合う係合面108bを含む。一構成例において、係合面108(例えば108a、108b)は実質的にフラットな面である。
さらに図3A、図3B、図3C、図3D、図4A、図4B、図4C及び図4Dを参照すると、係合面108aと係合面108bとを接触状態146とすべく、第1スプライスブラケット102aを第1構造部品18aに沿って(例えば矢印122の方向に直線的に)移動させたり、第2スプライスブラケット102bを第2構造部品18bに沿って(例えば矢印124の方向に直線的に)移動させたりすることができる。
以下により詳しく説明するように、各スプライスブラケット102a、102bは、位置決め部152(図12〜図14)を含む。位置決め部152は、構造部品18a、18bに対するスプライスブラケット102a、102bのそれぞれの望ましい位置を示す視覚的な指標となる。例えば、位置決め部152は、係合面108a、108bを接触状態146とした場合において、構造部品18a、18bに対するスプライスブラケット102a、102bの移動(例えば矢印122及び矢印124の方向における直線的な移動)(図3A、図3B、図3C及び図3D)の際の望ましい位置を視覚的に示す。
各スプライスブラケット102a、102bの係合面108a、108bは、参照平面134内におけるアラインメント状態138(図2C、図3C、及び図4C)、参照平面136内におけるアラインメント状態140(図2D、図3D、及び図4D)、参照平面134内における非アラインメント状態142(図2A、図3A、及び図4A)、及び、参照平面136内における非アラインメント状態144(図2B、図3B、及び図4B)のうちの1つ又は複数の状態にある構造部品18a、18bを接合するように構成されている。
一実施態様において、スプライスブラケット102a、102bを構造部品18a、18bに対して配置(例えば矢印122及び矢印124の方向における直線移動)(図3A、図3B、図3C、及び図3D)して係合面108a、108bを接触状態146とした後、図4A、図4B、図4C、及び図4Dに示すように、スプライスブラケット102a、102bを互いに連結する。
このように、開示のスプライスアセンブリ100を形成するスプライスブラケット102を用いることによって、アラインメント状態138、140(図4C、図4D)及び非アラインメント状態142、144(図4A、図4B)のどちらの状態の構造部品18も連結することができる。当業者であればわかるように、スプライスブラケット102は、図4A及び図4Bに示すように、非アラインメント状態142、144を許容しながら非アラインメント状態142、144の構造部品18を連結することができるという点で、有益に利用することができる。
一例として、図3A及び図4Aに示すように、スプライスブラケット102aの係合面108aは、係合部材106aにおける直線状に傾斜した(例えば斜面化された)第1側面154aを規定する一方、スプライスブラケット102bの係合面108bは、第1側面154aと補完し合うとともにこれに対向する、直線状に傾斜した(例えば斜面化された)第1側面154bを規定し、これによって参照平面134内における非アライメント142を許容する。
別の例として、図3B及び図4Bに示すように、スプライスブラケット102aの係合面108aは、係合部材106aにおける直線状に傾斜した(例えば斜面化された)下面158を規定する一方、スプライスブラケット102bの係合面108bは、下面158と補完し合うとともにこれに対向する、直線状に傾斜した(例えば斜面化された)上面160を規定し、これによって参照平面136内における非アライメント144を許容する。
第1スプライスブラケット102aの係合面108aは、第2スプライスブラケット102bの係合面108bに対応し且つこれと補完し合うものである。このようにして、(例えば軸Xaに沿った)第1構造部品18aに対する第1スプライスブラケット102a、及び/又は、(例えば軸Xbに沿った)第2構造部品18bに対する第2スプライスブラケット102、のうちの少なくとも一方の(例えば矢印122、124の方向における)移動によって、係合面108a、108b同士が接触状態146となり、第1構造部品18aと第2構造部品18bとを接合(例えば重ね合わせ)する締結箇所162(図4A、図4B、図4C、及び図4D)が形成される。
図4A、図4B、図4C及び図4Dを参照すると、第1スプライスブラケット102aの係合面108aと第2スプライスブラケット102bの係合面108bとを接触状態146とした後、第1スプライスブラケット102aが第1構造部品18aに連結(例えば締結)され、第2スプライスブラケット102bが第2構造部品18bに連結(例えば締結)され、第1スプライスブラケット102aと第2スプライスブラケット102bとが互いに連結(例えば締結)されて、第1構造部品18aと第2構造部品18bとが接合される。
図4B及び図4Dを参照すると、ある種の実施態様において、係合面108a、108b同士が接触するように一対の第1スプライスブラケット102a、102bを配置し互いに連結すると、係合部材106の一方又は両方と外板90の表面との間(例えば図4B及び図4Dにおける係合部材106bと外板90bとの間)に空間(例えば間隙)338が形成される場合がある。このような間隙は、例えば、シム又はその他の充填材料によって埋めることができる。
図5及び図6を参照しつつ、本開示の実施例について、図5に示す航空機の製造及びサービス方法50、並びに図6に示す航空機22に基づき説明する。生産開始前の工程として、例示的な方法50は、ブロック52に示す、航空機22の仕様決定及び設計、及び、ブロック54に示す材料調達を含む。生産中の工程としては、ブロック56に示す、航空機22の部品及び小組立品(subassembly)の製造、及び、ブロック58に示す航空機のシステムインテグレーションが行われる。その後、航空機22は、ブロック60に示す認証及び納品の工程を経て、ブロック62に示す就航及び使用期間に入る。使用期間では、航空機22は、ブロック64に示す定期的なメンテナンス及び各種サービスに組み込まれる。定期的なメンテナンス及びサービスは、航空機22の1つ又は複数のシステムの変更、再構成、改装などが含まれる。
図5を参照すると、例示的な方法50の各工程(例えば、ブロック52、54、56、58、60、62、64)は、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレーター(例えば顧客)によって実行または実施することができる。なお、システムインテグレーターは、例えば。航空機メーカー及び主要システムの下請業者を任意の数だけ含んでいる。第三者は、売主、下請業者、供給業者をいくつ含んでいてもよく、特に限定されない。オペレーターは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス組織などであってもよい。
図6に示すように、例示的な方法50(図5)によって製造される航空機22は、例えば、機体24(例えばビークル10のシェル構造体12)に加えて、複数のハイレベルシステム26及び内装28を備えている。ハイレベルシステム26の例としては、限定するものではないが、駆動系統30、電気系統32、油圧系統34、及び/又は環境系統36のうちの1つ又は複数を含む。また、その他のシステムをいくつ含んでいてもよい。
航空宇宙産業に用いた例を示しているが、本開示の原理は、例えば自動車産業や船舶産業などの他の産業に適用してもよい。従って、本開示の原理は、航空機22に加えて、他のタイプのビークル10(例えば陸上車両、船舶、宇宙船など)又はモノコック構造体に適用することができる。
本明細書に図示及び記載した装置(例えばスプライスアセンブリ100及び/又はスプライスブラケット102)及び方法(例えば方法200)は、製造及びサービス方法50における段階のうち、任意の1つ又は複数の段階において採用することができる。例えば、部品及び小組立品製造工程(ブロック56)に対応する部品又は小部品は、航空機22の使用期間(ブロック62)中に作製される部品又は小部品と同様に作製することができる。また、装置、方法、又はそれらの組み合わせの1つ又は複数の実施例を、例えば製造段階(ブロック56及び58)で用いることによって、実質的に航空機22の組み立て速度を速めたり、異物破片を減らしたり、製造中における部品及び/又はサブアセンブリの損傷を低減したり、航空機22のコストを削減したりすることができる。同様に、装置もしくは方法又はこれらの組み合わせの実施形態の1つ又は複数を、航空機22のサービス中に、例えば、メンテナンス及びサービス(ブロック64)に用いてもよいが、これに限定されない。
図7を参照すると、非限定的な一具体例において、ビークル10は航空機22である。航空機22は、複数の胴体セクション40(個別には胴体セクション40a〜40eとする)を有する胴体38を含む。直接隣接する胴体セクション40の端部同士は、対応する複数のスプライスジョイント16によって互いに接合されている。各スプライスジョイント16は、1つ又は複数のスプライスアセンブリ100(図1)を含む。
図8を参照すると、航空機22は、機体24(例えば、相互連結された複数の構造部品14及び外板90を含むシェル構造体12)(図1)を含む。一例として、機体24は、相互接続された複数のストリンガー42(例えば長手方向構造部品)、複数のフォーマー(former)胴体フレーム44(例えば、フープ方向の周フレーム)、及び外板46を含む。外板46は、相互接続された複数のストリンガー42及び/又は複数の胴体フレーム44に連結されて、機体24の外側を形成している。
各胴体セクション40は、胴体38の長軸Aを中心として周方向に延びる少なくとも1つの胴体フレーム44、及び、胴体セクション40の第1端部80(例えば前端)から第2端部82(例えば後端)まで長手方向に延びる複数のストリンガー42を含む。本明細書において、「前」及び「後ろ」は、航空機22の移動方向に関連させて考えられ、例えば、航空機22は、前端164及び後端166(図7)を含む。
概して図9A、図9B、図10、図11、図14、図15及び図18を参照すると、上述し且つ図1に示した実施例によれば、第1構造部品18a(図9A、図9B、図10、図11、図14、図15及び図18には図示せず)は、第1ストリンガー42aを含み、第2構造部品18b(図9A、図9B、図10、図11、図14、図15及び図18には図示せず)は、第2ストリンガー42bを含み、第3構造部品18c(図9A、図9B、図10、図11、図14、図15及び図18には図示せず)は、スプライスジョイント16において第1ストリンガー42aと第2ストリンガー42bとの間に位置する胴体フレーム44(図10及び図11)を含む。
図10及び図11には、胴体フレーム44の一部のみが示されている。当業者であればわかるように、胴体フレーム44は、例えば、外板46の内面168に沿って周方向に延び且つスプライスジョイント16を支持する連続したフレーム構造体(具体的には図示せず)を含むものであってもよいし、外板46の内面168に沿って周方向に延び且つスプライスジョイント16を支持する複数の胴体フレーム部分(具体的には図示せず)であってもよい。
本明細書において、図9A、図10、図14及び図18を参照すると、第1の参照平面134は、外板46(例えば外板パネル48)がフラットな場合には、外板46に対して実質的に平行であり、外板46が湾曲している場合には、ストリンガー42a、42bの位置において、外板46に対して実質的に接線方向に延びる。
本明細書において、図11及び図15を参照すると、第2の参照平面136は、外板46(例えば外板パネル48)がフラットな場合には、外板46に対して実質的に垂直であり、外板46が湾曲している場合には、ストリンガー42a、42bの位置において、第1の参照平面134(図9A)に対して実質的に垂直である(例えば、第2の参照平面136は、胴体フレーム44によって規定される平面に対して実質的に平行である)。
図8〜図10を参照すると、隣接する胴体セクション40における、隣接し且つ概ね並んだ対向するストリンガー42(個別にはストリンガー42a及びストリンガー42bという)(例えば胴体セクション40aのストリンガー42及び胴体セクション40bのストリンガー42)(図8)は、一対のスプライスブラケット102(個別にはスプライスブラケット102a及びスプライスブラケット102bという)によって連結することができる。スプライスブラケット102の連結対は、スプライスクリップ110によって胴体フレーム44(図10)に連結される。
各胴体セクション40は、胴体38の長軸Aを中心として周方向に延びる外板46を含む。外板46は、胴体フレーム44及び/又はストリンガー42に連結(例えば締結)される。例えば、外板46は、胴体フレーム44及び/又はストリンガー42に連結された複数の金属及び/又は複合材料製の外板パネル48(図9A、図10、図14、図15、及び図18)を含む。
当業者であればわかるように、ある種の実施態様において、外板パネル48の縁部170は、例えば図9A及び図10に示すように、互いに突合せ状態96とした際に、スプライスジョイント16(図10)の全長に沿って完全に接触した状態(例えばタッチしている状態)とならない場合がありうる。当業者であればわかるように、突合せ状態96とされた外板パネル48の間(例えば隣接する縁部170の間)に間隙が形成された場合は、(例えば、シム、フィラー等によって)充填したり、他の方法で対処したりすることができる。
本開示全体を通して、「胴体セクション」(バレル(barrel)セクション又は胴体バレルセクションとしても知られる)(例えば胴体セクション40a、40b、40c、40d、40e(図8))という用語は、便宜上、軸を中心として少なくとも部分的に(例えば360度(360°)延び、且つ、複数の構造部品14(図1)(例えばストリンガー42及び/又は胴体フレーム44)(図8)及び外板90(図1)(例えば外板46)(図8)を有する任意のシェル構造体12(図1)(例えば胴体‐シェル構造体)のことをいう。例えば、シェル構造体12は、モノコック構造体である。
当業者であればわかるように、胴体セクション40は、略円筒形の構造体に限定されるものではなく、円形、楕円形、長円形、卵形、直線で囲まれた形状、テーパ状、又はその他の断面形状を有する構造体を含む。また、当業者であればわかるように、胴体セクション40はのそれぞれは、単一部材のセクションであってもよく、これには、外板46が、軸を中心として360°連続して延びる単一部材の外板である構造や、2つ又はそれ以上の外板パネル48(例えば外板セグメント)を接合させて外板を形成し、360°フルに延びる胴体セクション40を形成している構造が含まれる。
図19を参照すると、一般的且つ非限定的な一構成例において、胴体38及び/又は胴体セクション40は、周方向に相互連結された複数の外板パネル48を含む。複数の外板パネル48は、例えば、キールパネル48a、1つ又は複数のサイドパネル48b、1つ又は複数のクラウンパネル48c、及び/又は(例えばサイドパネル及びクラウンパネルを形成している)1つ又は複数のスーパーパネル48dを含む。各パネル48a、48b、48c、48dは、(例えば内面168に連結された)1つ又は複数の長状のストリンガー42及び/又は胴体フレーム44を含む。一例として、パネル48a、48b、48c、48dは、パネル48a、48b、48c、48dに連結されたフレーム44及びストリンガー42による十字状の支持構造体を含む。パネル48a、48b、48c、48dは、(例えば周方向に)互いに接合されて、胴体セクション40a、40b、40c、40d、40eといった胴体バレルセクションを形成する。
図20を参照すると、開示のスプライスアセンブリ100を用いて、長手方向に並べられた2つ以上の外板パネル48(例えば2つ以上のキールパネル48a、サイドパネル48b、クラウンパネル48c、及び/又はスーパーパネル48d)を連結することもできる。例えば、隣接する外板パネル48’、48’’の縁部170’、170’’同士を突合せ状態96(例えば接触状態)とする。これによって、ストリンガー42a、42bは、互いに離間関係94に配置されうる。これは、第1ストリンガー42aが外板パネル48’の縁部170’までは延びておらず、第2ストリンガー42bが外板パネル48’’の縁部170’’まで延びていないためである。スプライスブラケット102a、102bを用いることによって、ストリンガー42a、42bを相互連結し、スプライスジョイント16を形成することができる。
図21を参照すると、一実施態様において、航空機22(図7)の胴体38(例えば胴体セクション40)は、複数のスプライスアセンブリ100によって縁部170に沿って長手方向に接合された複数のキールパネル48a’、48a’’、48a’’’と、複数のスプライスアセンブリ100によって縁部170に沿って長手方向に接合された第1群のサイドパネル48b’、48b’’、48b’’’と、複数のスプライスアセンブリ100によって縁部170に沿って長手方向に接合された第2群のサイドパネル48b’’’’、48b’’’’’、48b’’’’’’と、複数のスプライスアセンブリ100によって縁部に沿って長手方向に接合された複数のクラウンパネル48c(図21には図示せず)によって形成されている。複数のキールパネル48a、複数のサイドパネル48b、及び複数のクラウンパネル48cを、(例えば、縁部336に沿って周方向に)接合することによって、航空機22の胴体セクション40及び/又は胴体38(図7)が形成される。
当業者であればわかるように、図19〜図21には、明瞭な図示のために、限られた数(例えば1つ)のストリンガー42が外板パネル48(例えばキールパネル48a及びサイドパネル48b)に連結された状態を図示しており、胴体フレーム44(図19)は図20及び図21には示していない。
図9A、図9B、図10、図11、図14、図15、及び図18を参照すると、開示のスプライスアセンブリ100の非限定的な具体例は、第1(例えば前方)ストリンガー42a及び第2(例えば後方)ストリンガー42bを含む。第1スプライスブラケット102aの連結部材104aは、第1ストリンガー42aの端部に連結(例えば締結)され、第2スプライスブラケット102bの連結部材104bは、第2ストリンガー42bの端部に連結されている。例えば、複数の機械式留め具(例えばボルト、リベットなど)によって、第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102bの連結部材104a、104bは、それぞれ第1ストリンガー42a、第2ストリンガー42bに相互連結されている。
第1スプライスブラケット102aの係合部材106aの係合面108aは、第2スプライスブラケット102bの係合部材106bの係合面108bと並べられ、接触状態146とされる。第1係合部材106aと第2係合部材106bとは互いに連結(例えば締結)されている。例えば、複数の機械式留め具84(図9A及び図9B)(例えば、ボルト、リベットなど)によって、第1スプライスブラケット102aと第2スプライスブラケット102bの係合部材106a、106bが(例えば締結箇所162において)相互連結される。一例として、スプライスブラケット102a、102bの係合部材106a、106bに締結穴196(図9A)が穿孔又は機械加工形成され、留め具84によってスプライスブラケット102a、102bが互いに連結(例えば締結)される。
図9A及び図18に示した実施例においては、係合面108aは、第1スプライスブラケット102aの係合部材106aの第1(例えば右)側面154aを規定し、係合面108bは、第2スプライスブラケット102bの係合部材106bの第2(例えば左)側面154bを規定している。従って、このような構成例において、スプライスブラケット102a、102bは、第1の参照平面134内におけるストリンガー42a、42bの非アラインメント142を許容(例えば補償)する。一例として、スプライスブラケット102a、102bは、非アラインメント度合いが比較的大きい(例えば0.05インチより大きい)第1の参照平面134内におけるストリンガー42a、42bの非アライメント状態142を許容する。さらに、このような構成例において、スプライスブラケット102a、102bは、第2の参照平面136(図11)内におけるストリンガー42a、42bの非アラインメント144を許容する。一例として、スプライスブラケット102a、102bは、非アラインメント度合いが比較的大きい(例えば0.05インチより大きい)第1の参照平面134内におけるストリンガー42a、42bの非アライメント状態142を許容するとともに、非アラインメント度合いが比較的小さい(例えば0.05インチより小さい)第2の参照平面136内におけるストリンガー42a、42bの非アライメント状態144を許容することができる。
具体的且つ非限定的な一構成例において、図9A、図10、図12〜図14及び図18に示すように、第1スプライスブラケット102aと第2スプライスブラケット102bとは同じ形状であってもよい。(例えば、第1スプライスブラケット102aと第2スプライスブラケット102bとは互いに鏡像関係であってもよい。)
図11に示す実施例においては、係合面108aは、第1スプライスブラケット102aの係合部材106aの上面(例えば頂面)160を規定し、係合面108bは、第2スプライスブラケット102bの係合部材106bの下面(例えば底面)158を規定している。図15に示す実施例においては、係合面108aは、第1スプライスブラケット102aの係合部材106aの下面(例えば底面)158を規定し、係合面108bは、第2スプライスブラケット102bの係合部材106bの上面(例えば頂面)160を規定している。従って、このような構成例において、スプライスブラケット102a、102bは、第2の参照平面136内におけるストリンガー42a、42bの非アラインメント144を許容する。一例として、スプライスブラケット102a、102bは、非アラインメント度合いが比較的大きい(例えば0.05インチより大きい)第2の参照平面136内におけるストリンガー42a、42bの非アライメント状態144を許容する。さらに、このような構成例において、スプライスブラケット102a、102bは、第1の参照平面134(図9A)内におけるストリンガー42a、42bの非アラインメント状態142を許容する。一例として、スプライスブラケット102a、102bは、非アラインメント度合いが比較的大きい(例えば0.05インチより大きい)第2の参照平面136内におけるストリンガー42a、42bの非アライメント状態144を許容するとともに、非アラインメント度合いが比較的小さい(例えば0.05インチより小さい)第1の参照平面134内におけるストリンガー42a、42bの非アライメント状態142を許容することができる。
具体的且つ非限定的な別の構成例において、図11及び図15〜図17に示すように、第1スプライスブラケット102aと第2スプライスブラケット102bとは異なる形状を有していてもよい。
図15に示すように、一例において、少なくとも1つの係合部材106(例えば、スプライスブラケット102bの係合部材106bにおける、係合面108bとは反対側の締結面112b)は、スプライスブラケット102(例えばスプライスブラケット102b)における当該係合部材106(例えば係合部材106b)と、外板46(例えば外板パネル48)の表面との間に空間338を規定するように構成(例えば形状設定)されている。空間338は、係合部材106と外板46との間に隙間を規定する。一例として、係合部材106と外板46との間に規定される空間338は、例えばストリンガー42a、42bが第2の参照平面136内における非アラインメント状態144(機内/機外方向における非アラインメント状態)にある場合に、外板パネル48同士を隣接する縁部170に沿って突合せ状態96とした際にこれらの外板パネル48にわたる非平面を収容することができる。任意の構成として、空間338は、シム、充填剤等によって埋めてもよい。
当業者であればわかるように、係合面108a、108bは、(図9A、図10、図12〜図14、及び図18に示した実施例のように)係合部材106a、106bの略垂直な側面154a、154bを規定したり、(図11及び図15〜図17に示した実施例のように)係合部材106a、106bの略水平な底面(下面)158及び/又は頂面(例えば上面)160を規定したりすることができるが、係合面108a、108bの他の配向も想定される。一例として(図示しないが)、スプライスブラケット102の係合部材106を、連結部材104に対して長軸B(図13)を中心として任意の向きに回転させることによって、係合面108が垂直又は水平に対して(例えば15度、45度、40度、90度などの)非ゼロ角度(例えば、垂直と水平との間の何らかの角度)となるようにしてもよい。スプライスアセンブリ100を形成するスプライスブラケット102a、102bの関連付けられたペアの係合部材106a、106bの角度配向にかかわらず、係合面108a、108bは面接触146できるよう補完し合う構成とされる。
図9A、図10及び図11を参照すると、スプライスクリップ110は、スプライスブラケット102及びストリンガー42を、胴体フレーム44及び/又は外板46に相互連結する。一例として、スプライスクリップ110は、第1スプライスブラケット102a及び/又は第2スプライスブラケット102bの少なくとも一方に連結(例えば締結)される。一例として、図9A、図10及び図11に示すように、スプライスクリップ110は、第2スプライスブラケット102bの係合部材106bに連結されており、外板46から外方(例えば胴体38の機内側)(図8)に延びている。図10及び図11に示すように、スプライスクリップ110は、胴体フレーム44に連結(例えば締結)されることによって、連結された第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102b(例えば第1ストリンガー42a及び第2ストリンガー42b)を胴体フレーム44に接合する。
図9A及び図10に示すように、スプライスクリップ110は、スプライスジョイント16のあたりで外板46(例えば隣接する外板パネル48)にも連結されており、これにより、外板46を胴体フレーム44に締結することにもなる(図10参照)。
一構成例において、図10及び図11に示すように、胴体フレーム44は、外板46から離間することによって、第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102bの一部(例えば、係合部材106a、106b)を通すための空間を規定している。胴体フレーム44は、複数のシアタイ(shear ties)174(例えばシアクリップ)(図10)によって、外板46に連結されている。別の構成例(図示せず)においては、シアタイ174は、第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102bの一部(例えば、係合部材106a、106b)を通すための1つ又は複数の開口(マウスホール(mouse hole)ともいう)を含む。さらに別の構成例(図示せず)においては、胴体フレーム44が、第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102bの一部(例えば、係合部材106a、106b)を通すための1つ又は複数の開口(マウスホールともいう)を含む。
図9A及び図10を参照すると、別の構成例において、ストリンガー42と外板パネル48との間に、スプライスジョイント16に沿って(例えば、隣接する外板パネル48の縁部170の間の界面に沿って)、スプライスストラップ47が配置される。スプライスストラップ47は、周方向に延びており、外板46の内面168に連結されている。スプライスストラップ47は、外板パネル48同士を突合せ状態96とした際にこれらを接合する内部重ね板としての役割を果たす。
当業者であればわかるように、ストリンガー42は、スプライスアセンブリ100の組み立ての前に(例えば、隣接する外板パネル48同士を突合せ状態96とし、開示のスプライスアセンブリ100を用いてストリンガー42同士を接合する前に)、外板パネル48に連結(例えば締結)される。例えば、開示されたスプライスブラケット102を用いてストリンガー42の非アラインメント142、144を許容することができるため、ストリンガー42を外板パネル48に完全に連結することができる。例えば、スプライスアセンブリ100(図9A、図9B、図10、図11、図15、及び図18)の組み立ての前に、図22に示すように、一群の締結穴176を、外板パネル48及びストリンガー42に(例えば貫通するように)機械加工形成し、ストリンガー42の端180から端まで機械式留め具178を取り付けることによって、ストリンガー42と外板パネル48とが相互連結される(例えば、ストリンガー42は、外板パネル48に完全に締結される)。このような構成は、製造サイクル時間の減少、製造コストの低減、及び/又はスプライスジョイント16に関連する異物破片の減少につながる点で、特に有益であろう。
図12〜図14を参照すると、一実施例において、スプライスブラケット102は、第1端114(一対のスプライスブラケット102a、102bのそれぞれについては、114a、114bともいう)(図14)、長手方向反対側の第2端116(一対のスプライスブラケット102a、102bのそれぞれについては、116a、116bともいう)(図14)、及び、長軸(例えば中心軸)Bを含む。連結部材104は、第1端114から係合部材106まで延びて、スプライスブラケット102の第1端部182(例えば連結部分)を規定している(図12)。係合部材106は、連結部材104から第2端116まで延びて、スプライスブラケット102(図12)の第2端部184(例えば係合部分)を形成している。
スプライスブラケット102の長軸Bは、ストリンガー42の長軸Xと並んでいるか、あるいは実質的にこれと平行となっている。例えば、図14に示すように、スプライスブラケット102aの軸Baは、ストリンガー42aの軸Xaと並んでおり(例えば同軸であり)、スプライスブラケット102bの軸Bbは、ストリンガー42bの軸Xbと並んでいる(例えば同軸である)。
図13を参照すると、係合部材106の係合面108は、長軸Bに対して非ゼロ角度θとされている。一例として、角度θは、約1度と約89度の間であってもよい。別の例として、角度θは、約1度と約45度の間であってもよい。別の例として、角度θは、約3度と約15度の間であってもよい。別の例として、角度θは、約3度と約10度の間であってもよい。さらに別の例として、角度θは、約5度であってもよい。
図12〜図17を参照すると、一実施例において、係合部材106は、係合面108の反対側の締結面112を含む。締結面112は、スプライスブラケット102の長軸B(図13)に対して実質的に平行とされている。
図13を参照すると、係合面108は、連結部材104の近傍186から第2端116まで延び、締結面112は、連結部材104の近傍186から第2端116まで延びている。係合面108が角度θを成しているため、係合部材106の厚みTは、スプライスブラケット102の第2端116に近づくにつれ減少する。従って、係合部材106は、連結部材104からスプライスブラケット102の第2端116に向かってテーパー状である。
図9A及び図11を参照すると、一構成例において、スプライスクリップ110は、スプライスブラケット102の締結面112に連結(例えば締結)されている。
図12〜図14を参照すると、一実施形態において、係合面108は、係合部材106の第1側面154を規定する。締結面112は、係合部材106における反対側の第2側面156を規定する。非限定的な一具体例として、図14に示すように、係合面108aは、係合部材106aの第1側面154aを規定し、締結面112aは、係合部材106aにおける反対側の第2側面156aを規定している。係合面108bは、係合部材106bの第1側面154bを規定し、締結面112bは、係合部材106bにおける反対側の第2側面156bを規定している。
図15〜図17を参照すると、一実施形態において、係合面108は、係合部材106の上面160又は下面158の一方を規定する。締結面112は、係合部材106における、反対側の上面160又は下面158を規定する。非限定的な一具体例として、図15に示すように、係合面108aは、係合部材106aの下面158aを規定し、締結面112aは、係合部材106aにおける反対側の上面160aを規定している。係合面108bは、係合部材106bの上面160bを規定し、締結面112bは、係合部材106bの下面158bを規定している。
従って、一対のスプライスブラケット102(例えば第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102b)が、アラインメント状態138、140(図2C〜図4C及び図2D〜図4D)のストリンガー42a、42bのそれぞれの端部20a、20bに配置されると、第1スプライスブラケット102aの係合面108aと、第2スプライスブラケット102bの係合面108bとが互いに対向し接触状態146となって、締結箇所162(図9A、図11、図14、図15及び図18)を規定し、ストリンガー42a、42bを連結する。
同様に、一対のスプライスブラケット102(例えば第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102b)が、非アラインメント状態142のストリンガー42a、42b(図2A〜図4A、図9、図10、図14、及び図18)又は非アラインメント状態144のストリンガー42a、42b(図2B〜図4B、図11、及び図15)のそれぞれの端部20a、20bに配置されると、第1スプライスブラケット102aの係合面108aと、第2スプライスブラケット102bの係合面108bとが互いに対向し接触状態146となって、参照平面134内(図2A、図9、図10、図14、及び図18)及び/又は参照平面136内(図2B、図11、及び図15)の少なくとも一方 におけるストリンガー42a、42bの非アラインメント142、144を許容し、締結箇所162を規定し、ストリンガー42a、42bを連結する。
図16及び図17は、複数の締結穴196を有する、一対のスプライスブラケット102(例えば第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102b)を示している。一実施態様において、スプライスブラケット102a、102bを、関連するストリンガー42a、42bに対して配置(図9A、図10、図11、図14、図15、図18、及び図23)し、係合面108a、108bを接触状態146とした上で、例えばツール固定具300を用いて(例えば、連結部材104a、104b及び/又は係合部材106a、106bにおける)締結穴196を、スプライスブラケット102a、102bに対して位置決めし、機械加工形成(例えば穿孔)する(図23)。別の実施態様においては、第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102bの両方(例えば、連結部材104a、104b及び/又は係合部材106a、106b)に締結穴196を予め穿孔しておき、締結穴196を位置合わせする。別の実施態様においては、一方のスプライスブラケット102(例えば、第1スプライスブラケット102aの連結部材104a及び/又は係合部材106a)に締結穴196を予め穿孔しておき、他方のスプライスブラケット102(例えば第2スプライスブラケット102bの連結部材104b及び/又は係合部材106b)における締結穴196は、スプライスブラケット102a、102bを関連するストリンガー42a、42bに対して配置し、係合面108a、108bを接触状態146とした上で、位置を合わせて穿孔する。さらに別の実施態様において、予め穿孔する締結穴196と、位置合わせしてから穿孔する締結穴196との組み合わせを用いてもよい。
図9A、図10、図14、及び図18に示す実施態様においては、ストリンガー42a、42bは、参照平面134内において非アラインメント状態142であり、スプライスブラケット102a、102bがこのような非アラインメント状態142を許容する。図11及び図15に示した実施態様においては、ストリンガー42a、42bは、参照平面136内において非アラインメント状態144にあり、スプライスブラケット102a、102bがそのような非アラインメント状態142を許容する。
図14を参照すると、第1スプライスブラケット102a及び/又は第2スプライスブラケット102bの少なくとも一方を(例えば矢印122及び124の方向に直線的に)並進移動させることによって、参照平面134内における様々な度合いの非アラインメント状態を許容することができる。例えば、非アラインメント度合いが大きいほど、第1スプライスブラケット102a及び/又は第2スプライスブラケット102bの少なくとも一方を、他方に向かって(例えば矢印122及び124の方向に直線的に)より大きく移動させる。
図15を参照すると、第1スプライスブラケット102a及び/又は第2スプライスブラケット102bの少なくとも一方を(例えば矢印122及び124の方向に直線的に)並進移動させることによって、参照平面136内における様々な度合いの非アラインメント状態144を許容することができる。例えば、非アラインメント度合いが大きいほど、第1スプライスブラケット102a及び/又は第2スプライスブラケット102bの少なくとも一方を、他方に向かって(例えば矢印122及び124の方向に直線的に)より大きく移動させる。
このように、開示のスプライスアセンブリ100のスプライスブラケット102は、様々な度合いの非アラインメントを許容する。一例として、非アラインメント度合いが約ゼロである、参照平面134内における非アラインメント状態142は、参照平面134内におけるストリンガー42a、42bのアラインメント状態138と同等と考えることができる。別の例として、非アラインメント度合いが約ゼロである、参照平面136内における非アラインメント状態144は、参照平面136内におけるストリンガー42a、42bのアラインメント状態140と同等と考えることができる。別の例として、非アラインメント度合いが約0.05インチまでの参照平面134内における非アラインメント状態142は、参照平面134内における、比較的小さい度合いのストリンガー42a、42bの非アライメント状態と考えることができる。別の例として、非アラインメント度合いが約0.05インチまでの参照平面136内における非アラインメント状態144は、参照平面136内における、比較的小さい度合いのストリンガー42a、42bの非アライメント状態と考えることができる。別の例として、非アラインメント度合いが約0.05インチと約0.15インチの間の参照平面134内における非アラインメント状態142は、参照平面134内における、比較的大きな度合いのストリンガー42a、42bの非アライメント状態と考えることができる。別の例として、非アラインメント度合いが約0.05インチと約0.15インチの間の参照平面136内における非アラインメント状態144は、参照平面136内における、比較的大きな度合いのストリンガー42a、42bの非アライメント状態と考えることができる。
当業者であればわかるように、スプライスアセンブリ100のスプライスブラケット102によって許容される参照平面134及び/又は参照平面136における非アラインメント(例えば、非アラインメント142及び/又は非アライメント144)の度合いは、長軸Bに対する係合面108の角度θ(図13)に依存する。例えば、角度θが大きいほど、許容できる非アラインメントの相対的な度合いが大きくなる。一例として、0.25インチに近い非アラインメント度合いは、長軸Bに対する係合面108の角度θ(図13)を増大させることによって対応することができる。従って、一実施態様において、非アラインメントの相対的な度合いに基づいてストリンガー42の接合状態を最適化するために、一定範囲内の異なる角度θを有する複数のスプライスブラケット102を用意してもよい。例えば、接合状態を最適化するべく、開示のスプライスアセンブリ100のアセンブラ(assembler)によって、一定範囲の異なる角度θを有する複数のスプライスブラケット102から(例えば、補完し合う2つのスプライスブラケット102を)選択する構成としてもよい。
図12、図14、図15、及び図17を参照すると、一構成例において、係合部材106の係合面108は、表面積188(図12及び図17)を有する。スプライスアセンブリ100を形成するスプライスブラケット102の少なくとも一方の係合面108の表面積188は、参照平面134、136(図14及び図15)内における非アラインメント142、144を許容できる十分な大きさである。非限定的な一例として、図12及び図14に示すように、第1スプライスブラケット102a及び/又は第2スプライスブラケット102bの少なくとも一方の(例えば矢印122及び124の方向における直線的な)移動によって、参照平面134内における比較的大きな度合いの非アラインメントを許容することができる。少なくとも一方のスプライスブラケット102(図14に示した102a及び/又は102b)の係合面108(図14における108a及び/又は108b)の第1側面154(図14における154a及び/又は154b)の表面積188は、参照平面136(図15)内における比較的小さな度合いの非アラインメントを許容できる十分な大きさである。別の非限定的な一例として、図15及び図17に示すように、第1スプライスブラケット102a及び/又は第2スプライスブラケット102bの少なくとも一方の(例えば矢印122及び124の方向における直線的な)移動によって、参照平面136内における比較的大きな度合いの非アラインメントを許容することができる。少なくとも一方のスプライスブラケット102(図15における102a及び/又は102b)の係合面108(図15における108a及び/又は108b)の面(図15における下面158及び/又は上面160)の表面積188は、参照平面134(図14)内における比較的小さな度合いの非アラインメントを許容できる十分な大きさである。従って、一実施態様において、様々な度合いの非アラインメントを許容するために、一定範囲の異なる表面積188を有する複数のスプライスブラケット102を用意してもよい。例えば、比較的大きな度合いの非アラインメント及び/又は比較的小さい度合いの非アラインメントを許容すべく、開示のスプライスアセンブリ100のアセンブラによって、所定範囲の異なる表面積188を有する複数のスプライスブラケット102から(例えば、2つのスプライスブラケット102を)選択する構成としてもよい。
図9A、図9B、図10、図11、図14、図15及び図18を参照すると、各スプライスブラケット102(例えばスプライスブラケット102a及び102b)は、ストリンガー42(例えばストリンガー42a及びストリンガー42b)の関連する端部20(例えば端部20a及び端部20b)に連結されるように構成(例えば適切に形状設定及びサイズ設定)されている。一構成例において、連結部材104は、ストリンガー42の端部20の形状及び/又はサイズと一致及び対応するように、適切に形状設定及び/又はサイズ設定される。
概括的な例として、ストリンガー42は、外板46(例えば外板パネル48)に連結された長状の補強部材を規定する。ストリンガー42は、一体化し単一の構造体とされたフット330、ウェブ332及びフランジ76(図9A及び図9B)を含む。フット330は、(例えば留め具178によって)(図9B)外板46に連結(例えば締結)されている。ウェブ332は、フット330から伸張してストリンガー42を補強している。ストリンガー42は、(例えばフット330、ウェブ332及びフランジ76によって規定される)様々な断面形状を有する。
図9A、図9B、図10、図11、図14、図15、図18、及び図22を参照すると、一例において、ストリンガー42に形成された締結穴176及び/又はスプライスブラケット102(例えば連結部材104)に形成された締結穴196を、皿穴(例えばVタイプの皿穴)(図9B)とすることによって、皿頭留め具(例えば留め具178及び/又は留め具198)が取り付けられるようになっている。留め具178及び留め具198は、図9Bにはボルト/隙間嵌めボルトとして示されているが、当業者であればわかるように、留め具178及び/又は留め具198は締り嵌め留め具であってもよい。従って、締結穴176及び/又は締結穴196は、ねじ切り部無しで穿孔され、留め具178及び/又は留め具196のシャンクは、締結穴176及び/又は締結穴196のそれぞれの壁面に、全長にわたって接触する構成であってもよい。また、留め具178及び/又は留め具198は、必ずしも六角ヘッド留め具(例えばボルト)である必要はなく、ナットが六角ヘッドであってもよい。締り嵌め留め具としては、ナットを締めている間、留め具178及び/又は留め具198を保持する必要はない。
非限定的な一具体例として、図9A、図9B、図10、図11、図14及び、図15に示すように、ストリンガー42は、略U字型の断面形状(ハットストリンガーともいう‐ストリンガー42の断面が人の帽子(hat)に似ていることから)を有し、連結部材104は、ストリンガー42のU字型端部20との係合(例えば嵌入)に適した断面形状を有する。従って、スプライスブラケット102(例えばブラケット102a、102b)の連結部材104(104a、104b)は、ストリンガー42(例えばストリンガー42a、42b)の端部20(例えば端部20a、20b)の内側192(図9A、図9及び図14)と係合する。
別の非限定的な具体例(図示せず)として、ストリンガー42は、略逆U字型の断面形状を有し、連結部材104は、ストリンガー42の逆U字型端部20との係合に適した形状を有する。別の非限定的な具体例(図示せず)として、ストリンガー42は、略Z字型の断面形状を有し、連結部材104は、ストリンガー42のZ字型端部20との係合に適した形状を有する。別の非限定的な具体例(図示せず)として、ストリンガー42は、略I字型の断面形状を有し、連結部材104は、ストリンガー42のI字型端部20との係合に適した形状を有する。別の非限定的な具体例(図示せず)として、ストリンガー42は、略逆T字型の断面形状を有し、連結部材104は、ストリンガー42の逆T字型端部20との係合に適した形状を有する。別の非限定的な具体例(図示せず)として、ストリンガー42は、略円形の断面形状を有し、連結部材104は、ストリンガー42の円形端部20の外側又は内側に少なくとも部分的に嵌合するのに適した形状を有する。
別の非限定的な具体例として、図18に示すように、ストリンガー42(例えば、ストリンガー42a、42b)は、例えば、Z、I、逆U、逆Tなどの断面形状を有し、連結部材104(例えば、連結部材104a、104b)は、ストリンガー42の一部(例えばストリンガー42の端部20)を挿入するのに適したサイズ及び形状のスリーブ190(例えばスリーブ190a、190b)を形成する。このように、スプライスブラケット102(例えばスプライスブラケット102a、102b)の連結部材104(例えば連結部材104a、104b)は、ストリンガー42(例えばストリンガー42a、42b)の端部20(例えば端部20a、20b)の少なくとも一部(例えば外側194)を囲み、当該部分と係合(例えば面接触)する。
ストリンガー42、及び/又は、スプライスブラケット102の連結部材104−これらはストリンガー42の外側194及び/又は内側192(例えばストリンガー42の端部20)と係合する−の他の代替の形状及び/又は構成も、想定することができる。
図9A、図9B、図10、図11、図14、及び図15を参照すると、非限定的な一具体例において、ストリンガー42は、ハットストリンガー(例えばU字断面のストリンガー)である。一例として、図10及び図14に示すように、ハットストリンガー42は、互いに離間し且つ横方向に対向する一対の側壁70を含む。側壁70は、ストリンガー42のウェブ332を規定している。各側壁70は、上端から略垂直に外方に延びるフランジ76を含む。ハットストリンガー42は、側壁70の下端同士の間で延びる底面74を含む。底面74は、ストリンガー42のフット330を規定している。底面74は、外板パネル48に接触し、これに連結(例えば締結)されている。側壁70及び底面74(例えばフット330及びウェブ332)は、略U字型のチャネル72(図9A、図9B、図10及び図14)を規定している。
図9B、図12、図13、図14、図16、及び図17を参照すると、非限定的な一具体例において、スプライスブラケット102の連結部材104は、ハットストリンガー42の端部20に連結(例えば締結)されるように構成されている。一例として、連結部材104は、ハットストリンガー42を形成しているウェブ332及びフランジ76に連結される。一構成例において、連結部材104は、互いに離間し且つ横方向に対向する一対の側壁118及び120を含む。側壁118、120が、ハットストリンガー42(例えばストリンガー42の内側192)における、横方向に対向する側壁70(例えばウェブ332)の間に嵌入し接触することによって、側壁118、120の少なくとも一部がチャネル72内に位置するようになっている。
図9B、図13、及び図14に示すように、側壁118、120の下端同士は、構造的に連結されておらず、連結部材104のいずれの部分も、ストリンガー42(図9B及び図14)のフット330(例えば底面74)(図14)に接触しない状態となっている。このように、スプライスブラケット102は、ストリンガー42の底面74(例えばフット330)には機械的に連結されておらず、これによって、(例えばストリンガー42とスプライスブラケット102との間を)塞ぐ必要性が低減又は解消されるという利点がもたらされる。また、側壁118、120の下端間の構造的連結をなくし、連結部材104とストリンガー42のフット330(例えば底面74)との接触をなくしたことによって、スプライスブラケット102のストリンガー42に対する(矢印122及び124(図14)の方向における直線的な)移動が妨げられない。(例えば、ストリンガー42のフット330と外板46(例えば外板パネル48)とを連結する留め具178(図9B)は、スプライスブラケット102の動きを妨げない。)
連結部材104は、側壁118、120の上端から略垂直に外方に延びる、対向するウィング部126、128を含む。一例として、第1ウィング部126は、第1側壁118の上端から横方向に外方に延び、第2ウィング部128は、第2側壁120の上端から横方向に外方に延びている。ウィング部126、128は、ストリンガー42の対向するフランジ76の少なくとも一部(例えば、ストリンガー42の外側194)に接触し、これによって支持されている。
図18を参照すると、スプライスブラケット102の非限定的な一具体例において、連結部材104は、「Z」、「I」、「T」などの断面形状のストリンガー42の端部20に連結(例えば締結)されるように構成される。一構成例において、連結部材104は、互いに離間し且つ横方向に対向する一対の側壁118及び120を含み、これらがスリーブ190を規定している。側壁118、120は、側壁70の少なくとも一部がスリーブ190内に位置するように、ストリンガー42(例えばストリンガー42の外側194)のウェブ332に対して、また必須ではないがフランジ76に対して、嵌合及び接触する。
このように、ストリンガー42がどのような形状及び/又は構成のものであっても、スプライスブラケット102の連結部材104は、ストリンガー42のウェブ332及びフランジ76に接続される(例えば、面接触し連結される)、形状設定及び/又は構成される。例えば、スプライスブラケット102の連結部材104は、ストリンガー42のウェブ332(例えば側壁70)及びフランジ76のみに面接触及び連結(例えば締結)され、ストリンガー42における(例えば外板46に連結されている)フット330(例えば底面74)には面接触及び連結されないように構成される。
スプライスアセンブリ100の組立においては、(例えばストリンガーの非アラインメントを許容すべく)スプライスブラケット102を、関連するストリンガー42に対して適切に配置した後、連結部材104の側壁118、120及びストリンガー42の側壁70に、締結穴196(図9A、図11及び図15〜図17)を機械加工形成する。締結穴196は、連結部材104のウィング部126、128及びストリンガー42のフランジ76にも、機械加工形成される。機械加工形成された締結穴196に機械式留め具198(例えばボルト、リベットなど)(図9A及び図9B)を取り付けることによって、連結部材104をストリンガー42に締結する。
図12、図13、図14、図16、図17及び図23を参照すると、スプライスブラケット102は、少なくとも1つのインデックス部132(図12、図13、図16及び図17)を含む。インデックス部132は、ツール固定具300(図23)が係合するように構成されており、これによって、例えば参照平面134及び/又は参照平面136内の少なくとも一方におけるストリンガー42の非アラインメント状態142、144を許容すべく、ストリンガー42に対してスプライスブラケット102を選択した位置に一旦固定(例えばクランプ)することができる。ツール固定具300は、クランプ本体302、及び、クランプ本体302に設けられた複数の位置決め穴304を含む。
クランプ本体302は、ストリンガー42及びスプライスブラケット102の周囲をクランプして、ストリンガー42の端部20に対するスプライスブラケット102の位置を固定するように構成されている。一構成例として、クランプ本体302は、ストリンガー42の側壁70及び/又はフランジ76(図14)の一部、及び、スプライスブラケット102の連結部材104の側壁118、120及び/又はウィング部126、128(図14)の少なくとも一部をクランプする。
クランプ本体302をストリンガー42及びスプライスブラケット102に固定した後、位置決め穴304を用いて、スプライスブラケット102の連結部材104及びストリンガー42に機械加工形成される複数の締結穴196の位置を定める。このように、ツール固定具300は、(例えばクランプ本体302に設けられた位置決め穴304を利用して)スプライスブラケット102(例えば連結部材104)及びストリンガー42(例えばウェブ332及び/又はフランジ76)に形成する締結穴196の穿孔位置を合わせるための穿孔用テンプレートである。
図12、図13、図16、図17及び図22を参照すると、一構成例において、インデックス部132は、連結部材104の側壁118、120の対向する上縁部の間に延びるクロス部材148を含んでもよい。クロス部材148によって、連結部材104に少なくとも2つのインデックス開口150が形成されている。別の構成例においては、図16に示すように、インデックス部132は、連結部材104の対向する側壁118、120の間に規定された単一のインデックス開口150を含む。ツール固定具300は、スプライスブラケット102のインデックス部132と係合するように構成されたインデックスアーム306(図23)を含む。一構成例として、インデックスアーム306は、クランプ本体302から外方に延びており、インデックス開口150内に挿入されてクロス部材148又は開口150を規定する他の面に接触する。
一実施態様において、インデックス部132があることによって、スプライスブラケット102とストリンガー42とを新たに連結する度に、スプライスブラケット102に対してツール固定具300を実質的に同じ位置に繰り返し配置することができる。従って、連結部材104の側壁118、120及びストリンガー42の側壁70に機械加工形成される締結穴196、ならびに、連結部材104のウィング部126、128及びストリンガー42のフランジ76に機械加工形成される締結穴196の、ストリンガー42及びスプライスブラケット102に対する相対位置を、繰り返し同じ位置にすることができる。
当業者であればわかるように、ツール固定具300の形状及び/又は構成は、ストリンガー42及び/又はスプライスブラケット102の連結部材104の形状及び/又は構成に応じて決めることができる。
図16を参照すると、一実施例において、スプライスブラケット102の係合部材106は、締結面112の対向する長手方向縁部から略垂直に外方に延びる、一対の横方向に対向するリップ130を含む。リップ130は、スプライスクリップ110(図11)をスプライスブラケット102の締結面112に連結する際に、スプライスクリップの連結をガイドする役割を行う。一例として、図11及び図16に示すように、対向するリップ部130は、胴体フレーム44に最も近接するスプライスブラケット102(例えば図11における第2スプライスブラケット102b)の係合部材106の(例えば上面160を規定する)締結面112から、略垂直に外方に延びている。
図12〜図14を参照すると、スプライスブラケット102は、位置決め部152も含む。一構成例において、位置決め部152は、スプライスブラケット102の上縁から外方に延びるタブを含む。位置決め部152は、前縁324及び後縁326を含む。前縁324と後縁326との間の領域は、位置決め境界328を規定している。位置決め部152は、連結部材104と係合部材106との界面あたりに位置している。位置決め部152は、ストリンガー42の端部20に対してスプライスブラケット102を配置するための視覚的な目印の役割を行う。
一例として、図14を参照すると、ストリンガー42の端部20に対してスプライスブラケット102を配置する(例えば矢印122、124の方向に直線的に)(例えば移動又は摺動させる)際には、位置決め部152によって規定される物理的な位置決め境界328内に、ストリンガー42の端部20の縁部78を配置する(例えば位置合わせする)。位置決め部152の大きさ(例えば、前縁324と後縁326との距離)は、連結部材104の長さ及び/又は係合部材106の長さに依存しうる。このように、位置決め部152は、適切な配置のために許容される、ストリンガー42(例えばストリンガー42の端部20)に対するスプライスブラケット102の(例えば矢印122、124の方向における直線的な)並進の最大量を、視覚的に規定する。
図22を参照すると、ストリンガー42の端部20における縁部78と、ストリンガー42の端部20に最も近接する締結穴176(及び留め具178)の位置との間には、エッジマージン308(エッジ距離「ED]ともいう)が必要である。ストリンガー42の端部20における縁部78(図14)を、位置決め部152(図12〜図14)によって規定される境界内に配置することによって、適切なエッジマージン308が設定される。一例として、最小のエッジマージン308は、留め具178の直径の少なくとも2倍(例えば、締結穴176の中心から縁部78までの測定で、留め具178の直径の2倍プラス1/16インチ)とすることができる。
図14を参照すると、スプライスブラケット102a、102bを互いに連結した後、連結されたスプライスブラケット102a、102bのペアを(例えば矢印310の方向に直線的に)移動させることによって、ストリンガー42a、42bの端部20a、20bの位置に対して、位置決め部152a、152bを合わせることができる。
図14、図24及び図25を参照すると、関連するストリンガー42a、42bの端部20a、20bに対するスプライスブラケット102a、102bのうちの1つ又は両方の(例えば矢印122及び124の方向における直線的な)配置(例えば移動又は摺動)は(図14)、スプライスアセンブリ100の使用態様の特定の条件に応じて、引張負荷312、圧縮負荷314、ねじり負荷316、剪断負荷318、及び/又は曲げ負荷320、又は負荷の何らかの組み合わせ(図24)に合わせて最適化することができる。
一例として、スプライスブラケット102は、以下のように、スプライスジョイント16の両側にストリンガー42を接続した結果生じる軸方向圧縮314、軸方向引張312ならびに局所的曲げ320及びねじり316を伝達するように、最適化される。一実施例において、第1スプライスブラケット102aは、留め具84(例えばボルト)によって第2スプライスブラケット102bに連結される(図9A及び図9B)。留め具84にかかる負荷は、おおむね剪断として表れるが、留め具は張力がかかるように設計されている。(例えば留め具の中心軸に沿って)張力がかかることによって、スプライスブラケット連結部322は、局所的な曲げ320及び/又はねじり316の影響又はこれらの何らかの組み合わせに対して、反作用することができる。
別の実施例において、外板46(例えば外板パネル48)によって外板スプライスストラップ47(9A)に対して規定される、追加の負荷経路が存在しうる。この負荷経路の要否及び大きさは、スプライスブラケット102及びスプライスクリップ110の構成によって左右される。しかし、各負荷経路は、その限られた能力内で、他の負荷経路がなくても機能するように設計されている。各負荷経路は、独立して、様々な量の引張負荷312、圧縮負荷314、剪断負荷318、ねじり負荷316、及び/又は曲げ320負荷、又はこれらの何らかの組み合わせに耐えることが可能である。
スプライスクリップ110は、スプライスブラケット102が負荷に対して反作用するのを補助するように設計することができる。一例として、スプライスクリップ110は、スプライスブラケット102a、102bから胴体フレーム44(図24)への負荷の一部に反作用するように設計される。例えば、スプライスクリップ110は、スプライスジョイント16を横切る、より大きな構造部品(例えば外板パネル48及び/又はストリンガー42)に存在するねじり負荷316及び/又は曲げ負荷320又はこれらの組み合わせに対して反作用することで、スプライスブラケット102a、102b(例えばスプライスブラケット連結部322)を補助することができる。
スプライスブラケット102及びスプライスクリップ110は、全体構造(例えば航空機22のビークル10)の剪断負荷318に耐えるように設計することもできる。
このように、長手方向の連結負荷(例えば引張負荷312又は圧縮負荷314)及び/又は横方向の連結負荷(例えば剪断負荷318)は、連結されたスプライスブラケット102a、102b(例えばスプライスブラケット連結部322)及びスプライスクリップ110を介して、1つのストリンガー42から別のストリンガーへと伝達させることができ、また、機内方向連結負荷及び/又は機外方向連結負荷(例えばねじり負荷316又は曲げ負荷320)は、スプライスブラケット102a、102b及びスプライスクリップ110を介して、胴体フレーム44から連結されたストリンガー42へと伝達させることができる。
スプライスブラケット102によって連結された非アラインメント状態142、144のストリンガー42にかかるいかなる負荷も、スプライスブラケット102{例えば係合面108の表面積188(図12)、係合部材106の厚みT(図13)、スプライスブラケット102の長軸Bに対する係合面108の角度θ(図13)}及び/又はスプライスクリップ110を介してこれに反作用することによって、安全代の範囲に抑えられる。
図25を参照すると、(スプライスブラケット連結部322を形成する)スプライスブラケット102a、102b同士の連結、及び、スプライスブラケット102a、102bに対するスプライスクリップ110の連結に用いられる留め具84(例えばボルト)は、例えばねじり負荷316及び/又は曲げ負荷320に応じて留め具84の中心軸(図示せず)に沿って付与される追加の引張負荷334に対しても反作用する。
図26を参照し、且つ、図1、図2A〜図4A、図2B〜図4B、図2C〜図4C、及び図2D〜図4Dを参照すると、構造部品18(例えばシェル構造体12の構造部品18)を接合するための開示の方法の一実施形態を、概括的に符号200で示しており、当該方法では、まず、ブロック202に示すように、第1構造部品18aの配置98を行う。次に、ブロック204に示すように、第1構造部品18aに対する第2構造部品18bの配置98を行う。
一実施態様において、第1構造部品18aと第2構造部品18bとは、参照平面134内におけるアラインメント状態138にある(図2C〜図4C)。別の実施態様において、第1構造部品18aと第2構造部品18bとは、参照平面136内におけるアラインメント状態140にある(図2D〜図4D)。別の実施態様において、第1構造部品18aと第2構造部品18bとは、参照平面134内における非アラインメント状態142にある(図2A〜図4A)。別の実施態様において、第1構造部品18aと第2構造部品18bとは、参照平面136内における非アラインメント状態144にある(図2A〜図4A)。さら別の実施態様において、第1構造部品18aと第2構造部品18bとは、アラインメント状態138、140及び/又は非アラインメント状態142、144を何らかの態様で組み合わせた状態にある。
図1、図7、図9A、図9B、図10、及び図11を参照すると、非限定的な一実施例において、第1構造部品18a(図1)は、航空機22(図7)の機体24(例えばビークル10のシェル構造体12)(図1)の第1ストリンガー42a(図9A、図9B、図10、及び図11)であり、第2構造部品18bは、航空機22の機体24の第2ストリンガー42bである。一構成例において、第1構造部品18a(例えば第1ストリンガー42a)は、第2構造部品18b(例えば第2ストリンガー42b)の近傍にはあるが離間状態94にある。
図26を参照し、且つ、図1、図2A〜図4A、図2B〜図4B、図2C〜図4C及び図2D〜図4Dを参照すると、ブロック206に示すように、第1スプライスブラケット102aを第1構造部品18aの端部20aに関連付ける。第1スプライスブラケット102aは、第1の長軸Xa、及び、第1の長軸Xaに対して第1の非ゼロ角度θ(図13)で設けられた第1係合面108aを含む。
ブロック208に示すように、第2スプライスブラケット102bを第2構造部品18bの端部20bに関連付ける(例えば配置する)。第2スプライスブラケット102bは、第2の長軸Xb、及び、第2の長軸Xbに対して第2の非ゼロ角度θ(図13)で設けられた第2係合面108bを含む。
ブロック210に示すように、第1構造部品18aに対する第1スプライスブラケット102aの配置(例えば矢印122の方向に直線的に移動)(図3A、図3B、図3C、及び図3D)、及び/又は、第2構造部品18bに対する第2スプライスブラケット102bの配置(例えば矢印124の方向に直線的に移動)(図3A、図3B、図3C、及び図3D)の少なくとも一方を行う。
ブロック212に示すように、第1構造部品18a及び第2構造部品18bに対する第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102bの配置(ブロック210)を受けて、締結箇所162を規定すべく、第1スプライスブラケット102aの第1係合面108aを第2スプライスブラケット102bの第2係合面108bと面接触状態146にする。
一実施態様において、第1構造部品18a(例えば第1ストリンガー42a)と第2構造部品18b(例えば第2ストリンガー42b)とは、第1の参照平面134及び第2の参照平面136内の少なくとも一方において、非アラインメント状態142、144にある(図2A、図2B)(ブロック204)。第1係合面108aと第2係合面108bとを面接触状態146にする(ブロック210)ことは、第1構造部品18aの端部20aに対して第1スプライスブラケット102a(例えば第1連結部材104a)を配置すること、及び/又は、第2構造部品18bの端部20bに対して第2スプライスブラケット102b(例えば第2連結部材104b)を配置すること、の少なくとも一方(ブロック212)を含む。第1構造部品18aに対する第1スプライスブラケット102aの配置、及び/又は、第2構造部品18bに対する第2スプライスブラケット102bの配置の少なくとも一方を行うこと(ブロック212)によって、第1の参照平面134及び/又は第2の参照平面136内の少なくとも一方における、第1構造部品18aと第2構造部品18bとの様々な度合いの非アラインメントが許容される。
一例として、第1構造部品18aの端部20aに対する第1スプライスブラケット102aの配置、及び/又は、第2構造部品18bの端部20bに対する第2スプライスブラケット102bの配置の少なくとも一方は、締結箇所162を規定すべく(ブロック210)、第1スプライスブラケット102aの第1係合面108a及び第2スプライスブラケット102bの第2係合面108bが面接触状態146となるように実行(例えば矢印122、124の方向に直線的に移動)される(ブロック212)。第1スプライスブラケット102a及び/又は第2スプライスブラケット102bの配置(例えば、矢印122、124の方向に直線的に移動)(ブロック210)により、第1係合面108aと第2係合面108bとを面接触状態146とする(ブロック212)ことによって、第1構造部品18aと第2構造部品18bとの非アラインメント142、144(例えば様々な度合いの非アライメント)が許容される。
ブロック214に示すように、第1スプライスブラケット102aと第2スプライスブラケット102bとを、締結箇所162において、(例えば留め具84によって)互いに連結(例えば締結)する(図9A及び図9B)。一例として、第1係合面108aと第2係合面108bとの面接触146によって規定された締結箇所162において、留め具84は、第1スプライスブラケット102aの第1係合部材106a及び第2スプライスブラケット102bの第2係合部材106bを通るように連結される。第1スプライスブラケット102a及び/又は第2スプライスブラケット102bを配置する(例えば、矢印122、124の方向に直線的に移動させる)(ブロック210)ことによって、第1係合面108aと第2係合面108bとを面接触状態146とする(ブロック212)と、係合部材106a、106bによって、第1スプライスブラケット102a及び第2スプライスブラケット102bの連結のための締結箇所162が規定される。
ブロック216に示すように、第1スプライスブラケット102を、(例えば留め具198によって)第1構造部品18aに連結(例えば締結)する(図9A及び図9B)。ブロック218に示すように、第2スプライスブラケットを、(例えば留め具198によって)第2構造部品に連結(例えば締結)する(図9A及び図9B)。
図26を参照し、且つ、図1及び図14を参照すると、一実施態様において、第1構造部品18a(例えば第1構造部品18aの端部20a)に対する第1スプライスブラケット102aの位置、及び/又は、第2構造部品18b(例えば第2構造部品18bの端部20b)に対する第2スプライスブラケット102bの位置は、スプライスブラケット102a、102bを構造部品18a、18bに連結する前に、スプライスブラケット102a、102bの位置決め部152a、152b内(例えば、位置決め部152の前縁324と後縁326の間に規定される境界328内)(図13)に構造部品18a、18bの端部20a、20bを実質的にセンタリングすることによって、揃えることができる。
図26を参照し、且つ図9A、図9B及び図23を参照すると、一実施態様において、第1スプライスブラケット102aを第1構造部品18aに連結すること(ブロック216)、及び/又は、第2スプライスブラケット102bを第2構造部品18bに連結すること(ブロック218)は、ツール固定具300(図23)によってスプライスブラケット102を構造部品18にクランプすること、ツール固定具300の位置決め穴304を用いて締結穴196の位置を定めること、スプライスブラケット102及び構造部品18に締結穴196を機械加工形成すること、及び、構造部品18にスプライスブラケット102を連結すべく、締結穴196内に留め具198を取り付けること、を含みうる(図26には図示せず)。
図26を参照し、且つ、図1、図2A〜図4A、図2B〜図4B、図2C〜図4C、図2D〜図4D、及び図9〜図11を参照すると、ブロック220に示すように、第1スプライスブラケット102a及び/又は第2スプライスブラケット102bの少なくとも一方にスプライスクリップ110を連結(例えば締結)する。
ブロック222に示すように、スプライスアセンブリ100を形成すべく、スプライスクリップ110を第3構造部品18cに連結(例えば締結)する。
ブロック224に示すように、スプライスアセンブリ100を形成すべく、第1構造部品18a及び/又は第2構造部品18bの少なくとも一方に連結された外板90(例えば外板46)(図9A)にスプライスクリップ110を連結(例えば締結)する。
非限定的な一実施例において、第3構造部品18cは、航空機22の機体24の周方向に延びる胴体フレーム44である。複数のスプライスアセンブリ100によって、航空機22の胴体38を形成する胴体セクション40の間(例えば、シェル構造体12の間)、又は航空機22の胴体セクション40もしくは胴体38を形成する外板パネル48の間にスプライスジョイント16が規定される。
図27を参照し、且つ、図1、図2A〜図4A、図2B〜図4B、図2C〜図4C、図2D〜図4D、図24及び図25を参照すると、シェル構造体12の構造部品18(例えばストリンガー42)を介して負荷を導く方法の一実施形態を、概括的に符号400で示しており、当該方法では、まず、ブロック402に示すように、負荷340(例えば引張負荷312、圧縮負荷314、ねじり負荷316、剪断負荷318、曲げ負荷320及び/又は引張負荷334)(図24及び図25)の少なくとも一部を、第1構造部品18a(例えば第1ストリンガー42a)から、第1構造部品18aに連結された第1スプライスブラケット102aに伝達する。
ブロック404に示すように、負荷340の少なくとも一部は、第1スプライスブラケット102aの第1係合面108と、これと面接触状態146にある第2スプライスブラケット102bの第2係合面108との間のスプライスブラケット連結部322を介して、第1スプライスブラケット102aから、第1スプライスブラケット102aに連結された第2スプライスブラケット102bに伝達される。
ブロック406に示すように、負荷340の少なくとも一部は、第2スプライスブラケット102bから、第2スプライスブラケット102bに連結された第2構造部品18b(例えば第2ストリンガー42b)に伝達される。
ブロック408に示すように、負荷340の少なくとも一部は、スプライスブラケット連結部332から、第1スプライスブラケット102a又は第2スプライスブラケット102bの一方に連結されたスプライスクリップ110に伝達される。
ブロック410に示すように、負荷340の少なくとも一部は、スプライスクリップ110から、スプライスクリップ110に連結された外板90(例えば外板46)、及び、第1構造部品18a及び/又は第2構造部品18bの少なくとも一方に伝達される。
ブロック412に示すように、負荷340の少なくとも一部は、スプライスクリップ110から、スプライスクリップ110に連結された第3構造部品18c(図1)(例えば胴体フレーム44)(図24)に伝達される。
ブロック414に示すように、負荷340の少なくとも一部は、スプライスブラケット連結部332から、第2スプライスブラケット102bの第2係合面108b(例えば第2係合部材106b)と面接触状態146にある第1スプライスブラケット102aの第1係合面108a(例えば第2係合部材106a)を通って延びる留め具84へと、伝達される。
このように、要約すると、本発明によれば、以下が提供される。
項A1. 長軸と、
構造部品の端部に連結されるように構成された連結部材と、
前記連結部材から前記長軸に沿って延びる係合部材と、を含み、前記係合部材は、前記長軸に対して非ゼロ角度で設けられた係合面を含む、スプライスブラケット。
項A2.前記非ゼロ角度は、約1度と約89度の間である、項A1に記載のスプライスブラケット。
項A3. 前記スプライスブラケットは第1スプライスブラケットであり、前記係合面は第1係合面であり、前記第1スプライスブラケットの前記第1係合面は、これと補完し合う第2スプライスブラケットの第2係合面と接触することによって、非アラインメント状態の構造部品同士を接合するように構成されている、項A1に記載のスプライスブラケット。
項A4. 第1構造部品の端部に対する第1連結部材の位置及び第2構造部品の端部に対する第2連結部材の位置のうちの少なくとも一方は、前記第1構造部品と前記第2構造部品との様々な度合いの非アライメントを許容する、項A3に記載のスプライスブラケット。
項A5. 前記係合面は、前記係合部材の上面、底面、又は側面のうちの1つを規定する、項A1に記載のスプライスブラケット。
項A6. インデックス部をさらに備え、前記インデックス部は、前記スプライスブラケット及び前記構造部品に対してツール固定具を繰り返し位置合わせすることができる、項A1に記載のスプライスブラケット。
項A7. 前記連結部材と前記係合部材の間に設けられた位置決め部をさらに備え、前記位置決め部は、前記構造部品の前記端部に対する前記スプライスブラケットの位置の視覚的な目印を規定している、項A1に記載のスプライスブラケット。
項B1. 第1の長軸、第1連結部材、及び、前記第1連結部材から前記第1の長軸に沿って延びるとともに、前記第1の長軸に対して第1の非ゼロ角度で設けられた第1係合面を含む第1係合部材、を備える第1スプライスブラケットと、
第2の長軸、第2連結部材、及び、前記第2連結部材から前記第2の長軸に沿って延びるとともに、前記第2の長軸に対して第2の非ゼロ角度で設けられた第2係合面を含む第1係合部材、を備える第2スプライスブラケットと、を含み、
前記第1係合面と前記第2係合面とは補完し合い、
前記第1係合面と前記第2係合面との面接触が、前記第1スプライスブラケットと前記第2スプライスブラケットとを連結する締結箇所を規定する、スプライスアセンブリ。
項B2. 第1構造部品の端部に対する前記第1連結部材の位置及び第2構造部品の端部に対する前記第2連結部材の位置のうちの少なくとも一方によって、前記第1係合面と前記第2係合面との前記面接触が規定される、項B1に記載のスプライスアセンブリ。
項B3. 前記第1構造部品と前記第2構造部品とは、第1の参照平面及び第2の参照平面内のうちの少なくとも一方においてアラインメント状態にある、項B2に記載のスプライスアセンブリ。
項B4. 前記第1構造部品と前記第2構造部品とは、第1の参照平面及び第2の参照平面内のうちの少なくとも一方において非アラインメント状態にある、項B2に記載のスプライスアセンブリ。
項B5. 前記第1構造部品の前記端部に対する前記第1連結部材の前記位置及び前記第2構造部品の前記端部に対する前記第2連結部材の前記位置のうちの少なくとも一方は、前記第1構造部品と前記第2構造部品との様々な度合いの非アライメントを許容する、項B4に記載のスプライスアセンブリ。
項B6. 前記第1構造部品は、第1の外板に連結された第1のフットと、前記第1のフットから延びる第1のウェブと、前記第1のウェブから延びる第1のフランジとを含み、前記第1連結部材は、前記第1のウェブ及び前記第1のフランジのみに連結される、項B2に記載のスプライスアセンブリ。
項B7. 前記第1スプライスブラケット又は前記第2スプライスブラケットのうちの一方に連結されたスプライスクリップをさらに含み、前記スプライスクリップは、第3構造部品に連結されるとともに、前記第1構造部品及び前記第2構造部品に連結された外板に連結されている、項B2に記載のスプライスアセンブリ。
項B8. 前記第1構造部品及び前記第2構造部品のそれぞれは、航空機の機体のストリンガーであり、前記第3部品は、前記航空機の前記機体の胴体フレームである、項B7に記載のスプライスアセンブリ。
項C1. 第1構造部品に対して第1スプライスブラケットを関連付けることと、
第2構造部品に対して第2スプライスブラケットを関連付けることと、
前記第1構造部品に対する前記第1スプライスブラケットの配置及び前記第2構造部品に対する前記第2スプライスブラケットの配置のうちの少なくとも一方を行うことと、
前記第1スプライスブラケットと前記第2スプライスブラケットとを互いに連結することと、
前記第1構造部品に前記第1スプライスブラケットを連結することと、
前記第2構造部品に前記第2スプライスブラケットを連結することと、を含む、構造部品を接合する方法。
項C2. 前記第1スプライスブラケットは、第1の長軸と、前記第1の長軸に対して第1の非ゼロ角度で設けられた第1係合面とを含み、前記第2スプライスブラケットは、第2の長軸と、前記第2の長軸に対して第2の非ゼロ角度で設けられた第2係合面とを含む、項C1に記載の方法。
項C3. 締結箇所を規定すべく、前記第1スプライスブラケットの前記第1係合面を前記第2スプライスブラケットの前記第2係合面と面接触させることと、
前記締結箇所において、前記第1スプライスブラケットと前記第2スプライスブラケットとを連結することと、をさらに含む、項C2に記載の方法。
項C4. 前記第1構造部品と前記第2構造部品とは、第1の参照平面及び第2の参照平面内のうちの少なくとも一方において非アラインメント状態にある、項C1に記載の方法。
項C5. 前記第1構造部品に対する前記第1スプライスブラケットの配置及び前記第2構造部品に対する前記第2スプライスブラケットの配置のうちの少なくとも一方によって、前記第1構造部品と前記第2構造部品との様々な度合いの非アライメントを許容する、項C4に記載の方法。
項C6. 前記第1スプライスブラケットを前記第1構造部品に連結することは、
ツール固定具によって前記第1スプライスブラケットを前記第1構造部品にクランプすることと、
前記ツール固定具に形成された位置決め穴を用いて締結穴の位置を定めることと、
前記第1スプライスブラケット及び前記第1構造部品に締結穴を機械加工形成することと、
前記締結穴に留め具を取り付けることと、を含む、項C1に記載の方法。
項C7. 前記第1スプライスブラケット又は前記第2スプライスブラケットの一方にスプライスクリップを連結することと、
前記スプライスクリップを第3構造部品に連結することと、
前記スプライスクリップを、前記第1構造部品及び前記第2構造部品に連結された外板に連結することと、をさらに含む、項C1に記載の方法。
項C8. 前記第1構造部品及び前記第2構造部品のそれぞれは、航空機の機体のストリンガーであり、前記第3部品は、前記航空機の前記機体の胴体フレームである、項C7に記載の方法。
項D1. シェル構造体の構造部品を介して負荷を導くための方法であって、
前記負荷の少なくとも一部を、第1構造部品から、前記第1構造部品に連結された第1スプライスブラケットに伝達することと、
前記負荷の前記少なくとも一部を、前記第1スプライスブラケットから前記第1スプライスブラケットに連結された第2スプライスブラケットに対して、前記第1スプライスブラケットの第1係合面と、これと面接触状態にある前記第2スプライスブラケットの第2係合面との間のスプライスブラケット連結部を介して、伝達することと、
前記負荷の前記少なくとも一部を、前記第2スプライスブラケットから、前記第2スプライスブラケットに連結された第2構造部品に伝達することと、を含む方法。
項D2. 前記負荷の前記少なくとも一部を、前記スプライスブラケット連結部から、前記第1スプライスブラケット又は前記第2スプライスブラケットのうちの一方に連結されたスプライスクリップに及ぼすことと、
前記負荷の前記少なくとも一部を、前記スプライスクリップから、前記スプライスクリップに連結された外板に伝達するとともに、前記第1構造部品及び前記第2構造部品のうちの少なくとも一方に伝達することと、をさらに含む、項D1に記載の方法。
項D3. 前記負荷の前記少なくとも一部を、前記スプライスクリップから、前記スプライスクリップに連結された第3構造部品に伝達することをさらに含む、項D2に記載の方法。
項D4. 前記第1構造部品及び前記第2構造部品のそれぞれは、航空機の機体のストリンガーであり、前記第3部品は、前記航空機の前記機体の胴体フレームである、項D3に記載の方法。
項D5. 前記負荷の前記少なくとも一部を、前記スプライスブラケット連結部から、第2スプライスブラケットの第2係合面と前記面接触状態にある第1スプライスブラケットの第1係合面1を通って延びる留め具に伝達すること、をさらに含む、項D1に記載の方法。
項D6. 前記第1スプライスブラケットは、第1の長軸と、前記第1構造部品に連結された第1連結部材と、前記第1連結部材から前記第1の長軸に沿って延びる第1係合部材とを含み、前記第2スプライスブラケットは、第2の長軸と、前記第2構造部品に連結された第2連結部材と、前記第2連結部材から前記第2の長軸に沿って延びる第2係合部材とを含み、前記第1係合部材は、前記第1の長軸に対して第1の非ゼロ角度で設けられた前記第1係合面を含み、前記第2係合部材は、前記第2の長軸に対して第2の非ゼロ角度で設けられた前記第2係合面を含み、前記第1係合面と前記第2係合面とは補完し合う、項D1に記載の方法。
開示の装置及び方法の様々な実施形態を図示及び説明したが、当業者であれば、本明細書を読めば改変を思いつくであろう。本願は、そのような改変を含むものであり、特許請求の範囲のみによってその範囲を規定されるものである。

Claims (12)

  1. 第1スプライスブラケットと第2スプライスブラケットとを含むスプライスアセンブリであって、前記第1スプライスブラケット及び第2スプライスブラケットの各々は、
    長軸と、
    第1構造部品及び第2構造部品のそれぞれの端部に連結されるように構成された連結部材と、
    前記連結部材から前記長軸に沿って延びる係合部材と、を含み、前記係合部材は、前記長軸に対して非ゼロ角度で設けられた係合面を含んでおり、
    前記第1スプライスブラケットの第1係合面と前記第2スプライスブラケットの第2係合面とは相互に接触して、前記第1構造部品及び第2構造部品を相互に接合させており、
    前記第1スプライスブラケットと前記第2スプライスブラケットの一方にはスプライスクリップが接続されており、当該スプライスクリップは第3構造部品に連結されている、スプライスアセンブリ。
  2. 前記非ゼロ角度は、約1度と約89度の間である、請求項1に記載のスプライスアセンブリ。
  3. 前記第1構造部品及び前記第2構造部品の各々は、航空機の機体におけるストリンガーを含んでおり、前記第3構造部品は、航空機の機体における胴体フレームを含んでいる、請求項1又は2に記載のスプライスアセンブリ。
  4. 前記第1構造部品の端部に対する第1連結部材の位置及び前記第2構造部品の端部に対する第2連結部材の位置のうちの少なくとも一方は、前記第1構造部品と前記第2構造部品との様々な度合いの非アライメントを許容する、請求項3に記載のスプライスアセンブリ。
  5. 前記係合面は、前記係合部材の上面、底面、又は側面のうちの1つを規定する、請求項1〜4のいずれかに記載のスプライスアセンブリ。
  6. インデックス部をさらに備え、前記インデックス部は、前記スプライスブラケット及び前記構造部品に対してツール固定具を繰り返し位置合わせすることができる、請求項1〜5のいずれかに記載のスプライスアセンブリ。
  7. 前記連結部材と前記係合部材の間に設けられた位置決め部をさらに備え、前記位置決め部は、前記第1又は第2構造部品の前記端部に対する前記第1又は第2スプライスブラケットの位置の視覚的な目印を規定している、請求項1〜6のいずれかに記載のスプライスアセンブリ。
  8. シェル構造体の構造部品を介して負荷を導くための方法であって、
    前記負荷の少なくとも一部を、第1構造部品から、前記第1構造部品に連結された第1スプライスブラケットに伝達することと、
    前記負荷の前記少なくとも一部を、前記第1スプライスブラケットから前記第1スプライスブラケットに連結された第2スプライスブラケットに対して、前記第1スプライスブラケットの第1係合面と、これと面接触状態にある前記第2スプライスブラケットの第2係合面との間のスプライスブラケット連結部を介して、伝達することと、
    前記負荷の前記少なくとも一部を、前記第2スプライスブラケットから、前記第2スプライスブラケットに連結された第2構造部品に伝達することと、を含み、さらに、
    前記負荷の前記少なくとも一部を、前記スプライスブラケット連結部から、前記第1スプライスブラケット又は前記第2スプライスブラケットのうちの一方に連結されたスプライスクリップに伝達することと、
    前記負荷の前記少なくとも一部を、前記スプライスクリップから、前記スプライスクリップに連結された外板及び前記第1構造部品及び前記第2構造部品のうちの少なくとも一方に伝達することと、を含む、方法。
  9. 前記負荷の前記少なくとも一部を、前記スプライスクリップから、前記スプライスクリップに連結された第3構造部品に伝達することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1構造部品及び前記第2構造部品のそれぞれは、航空機の機体のストリンガーであり、前記第3構造部品は、前記航空機の前記機体の胴体フレームである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記負荷の前記少なくとも一部を、前記スプライスブラケット連結部から、第2スプライスブラケットの第2係合面と前記面接触状態にある第1スプライスブラケットの第1係合面1を通って延びる留め具に伝達すること、をさらに含む、請求項8〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記第1スプライスブラケットは、第1の長軸と、前記第1構造部品に連結された第1連結部材と、前記第1連結部材から前記第1の長軸に沿って延びる第1係合部材とを含み、前記第2スプライスブラケットは、第2の長軸と、前記第2構造部品に連結された第2連結部材と、前記第2連結部材から前記第2の長軸に沿って延びる第2係合部材とを含み、前記第1係合部材は、前記第1の長軸に対して第1の非ゼロ角度で設けられた前記第1係合面を含み、前記第2係合部材は、前記第2の長軸に対して第2の非ゼロ角度で設けられた前記第2係合面を含み、前記第1係合面と前記第2係合面とは補完し合う、請求項8〜11のいずれかに記載の方法。
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