JP6692594B2 - 皮膚反射促進装置 - Google Patents

皮膚反射促進装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6692594B2
JP6692594B2 JP2014076319A JP2014076319A JP6692594B2 JP 6692594 B2 JP6692594 B2 JP 6692594B2 JP 2014076319 A JP2014076319 A JP 2014076319A JP 2014076319 A JP2014076319 A JP 2014076319A JP 6692594 B2 JP6692594 B2 JP 6692594B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
skin reflex
induction
amplitude
skin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014076319A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015196006A (ja
Inventor
陽一 遠藤
陽一 遠藤
Original Assignee
陽一 遠藤
陽一 遠藤
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 陽一 遠藤, 陽一 遠藤 filed Critical 陽一 遠藤
Priority to JP2014076319A priority Critical patent/JP6692594B2/ja
Publication of JP2015196006A publication Critical patent/JP2015196006A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6692594B2 publication Critical patent/JP6692594B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Percussion Or Vibration Massage (AREA)

Description

本発明は、皮膚反射を引き起こす振動を頭皮に加える皮膚反射誘発装置に関する。
頭髪の発育を促すために頭皮に刺激を与える装置が多々ある。例えば、特許文献1に記載された「頭皮刺激装置」は、頭皮に当接させるパッドに発熱体を内蔵し、頭皮を温める温熱刺激で毛細血管の血行を促進させる。さらに、この頭皮刺激装置は、パッドを介して頭皮に振動刺激を加えるために、回転不平衡重錘(偏心回転子)による振動発生器を備えている。そして頭皮刺激装置は、振動発生器に振幅(振動強度)を変化させる機構を備えており、最適な振動刺激を長時間与える。さらに特許文献1には、特定の周波数60〜70Hzの振動を与えることで、振動誘発皮膚反射理論(VSR)に基づく皮膚反射が生じるような振動強度で、長時間振動を与えることが記載されている。
また、人体に対する振動誘発皮膚反射による効果として、リラクゼーション効果や睡眠誘導(入眠)効果があることが知られている。例えば、特許文献2に記載された椅子形マッサージ機や、特許文献3に記載された振動誘発皮膚反射制御システムを搭載するベッドなどがある。そして、特許文献2及び特許文献3では、振動誘発皮膚反射の効果を得ることができる振動刺激を間欠的に与えることが開示されている。
さらに、特許文献4には、頭部に取り付けて使用する振動治療器の実施例としてヘルメット形の装置が示されている。この振動治療器の効果として、頭部を振動刺激によって刺激して頭皮をマッサージすることにより血液の循環を良くし、睡眠導入や覚醒、頭痛の軽減、心身の安静化が得られることが記載されている。この他に、特許文献4では、振動治療器によって血行が良くなるので、発育毛の促進や抜け毛の予防にも効果があることが記載されている。
特開平11−290368号公報 特開2000−262578号公報 特許第4988311号公報 特許第2707261号公報
ところで、「振動誘発皮膚反射」とは、特許文献1にも記載されているように、外部から振動刺激を受けることによって人体に生じる反射反応であって、振動を受けている部位の筋肉が反射によって収縮(緊張)する現象のことである。したがって、振動誘発皮膚反射を利用する場合、振動刺激を受けている間は当該部の筋肉が収縮することによって血行が一時的に悪くなるので、特許文献1のように長時間振動を与えるだけでは頭髪の育成に対して逆効果である。
特許文献2及び特許文献3によれば、振動誘発皮膚反射の効果は、振動刺激が止まった後に現れる。したがって、特許文献2及び特許文献3では間欠的に振動を与えることで、振動刺激の発生期間に振動誘発皮膚反射が起こり収縮(緊張)していた筋肉は、振動刺激の休止期間において振動誘発皮膚反射が解けることで弛緩する。その結果、適度な脱力状態になり、リラクゼーション効果や睡眠誘導(入眠)効果を得る。
また、上述の「振動誘発皮膚反射」は、多少の個人差はあるものの特定の振動周波数によって引き起こされることが分かっている。これに対して、振動誘発皮膚反射が生じるときの振動強度には個人差がある。したがって、振動誘発皮膚反射を起こさせるためには、その振動刺激を快適に思うか不快に思うかは利用者の個人的な主観によるところが多いものの、皮膚反射を起こさせるための振動強度は、自由に設定できなければならない。
特許文献1では、振動を与える機構として回転不平衡重錘(偏心回転子)によって振動を発生させている。回転不平衡重錘のような回転体によって振動強度つまり振幅を変化させる場合、回転不平衡重錘に作用する遠心力を変化させる必要がある。同じ質量の回転不平衡重錘に作用する遠心力を変えるためには、回転速度を変化させなければならないが、そうすると回転数すなわち振動周波数が変化してしまい、振動誘発皮膚反射に適した振動数の範囲から外れてしまう。したがって、特許文献1では振動周波数を変えずに振動強度を変化させるために、2つの回転不平衡重錘を搭載し、互いの回転位相を変えることで振動強度を変える機構を備えている。しかし、構造が複雑になり重量及び嵩が大きくなる点において、頭部に適用する振動発生器として不向きである。
特許文献4では、振動治療器の振動装置として超音波モータを採用している。この超音波モータは、そのものの単価が高いだけでなく、高度な制御を必要とするため、振動治療器の製造コストが高くなってしまう。また、どのような振動を頭皮に与えることが育毛に効果的であるのか特許文献4では解明されておらず、具体的に示されていない。
特許文献4では、皮膚反射によるマッサージ効果によって血行が良くなることが挙げられ、引用文献1では、温熱手段によって温めることを主眼にさらに振動刺激を加えて血行を促進することが挙げられている。しかしながら、頭皮の血行を良くすることによって発毛が促進されるのであれば、他の温熱療法で血行を良くすることによっても発毛が促進されるはずであるが、顕著な効果が得られたという報告は他の文献にも見られない。上述の知見から、特許文献4の発明者の一人である本発明者は、血液循環の促進の効果以外の効果が振動誘発皮膚反射に備わっていると考え、その後さらに皮膚反射と頭髪の発毛との関係について鋭意研究を重ねてきた。そして、頭皮に振動誘発皮膚反射を効率よく引き起こさせることができ、かつ、安価で軽量な装置を開発することとした。
そこで、本発明は、皮膚反射を誘発させる振動数を維持しながら振動強度を調整できるとともに、小型でかつ軽量な皮膚反射誘発装置を提供する。
本発明に係る一実施形態の皮膚反射誘発装置は、発振器と振動発生機と制御部とバッテリと伝達部材とを備える。発振器は、設定された周波数及び振幅の信号を発生させる。振動発生機は、発振器から出力される信号に基づいて錘を一方向に振動させるとともに振動の周波数を維持しながら振幅の大きさを変化させることのできる少なくとも1つのリニア振動アクチュエータを含む。制御部は、皮膚反射を誘発させる周波数及び振幅の誘発信号を振動発生機に供給する誘発時間及び誘発信号を振動発生機に供給しない弛緩時間を交互に繰り返して設定できる。バッテリは、発振器と振動発生機と制御部とに電力を供給する。伝達部材は、少なくとも振動発生機を搭載し、利用者の頭部に当接して振動を頭皮に伝播することで頭皮に皮膚反射を誘発させる。
このとき、制御部は、誘発時間よりも弛緩時間を短く設定する。そして、制御部は、誘発時間が始まると一定の周波数を維持しながら振幅を予め設定された大きさまで徐々に増大させ、誘発時間が終了すると瞬時に誘発信号を止める。または、制御部は、誘発時間が始まると一定の周波数を維持しながら振幅を予め設定された大きさまで徐々に増大させ、誘発時間が終了すると誘発信号の止まった状態まで徐々に振幅を減衰させる。また、制御部は、弛緩時間に皮膚反射を誘発しない周波数または振幅の振動を発生させる無効信号を振動発生機に供給する。
振動発生機は、錘の振動方向を頭皮に対して垂直にまたは平行にしてリニア振動アクチュエータを配置する。
錘の振動方向を揃えて配置された複数のリニア振動アクチュエータを振動発生機が含む場合、制御部は、全てのリニア振動アクチュエータの錘の振動の位相を同期させる。または、制御部は、少なくとも1つのリニア振動アクチュエータの錘の振動の位相を、残りのリニア振動アクチュエータの錘の振動の位相からずらす。または、制御部は、少なくとも1つのリニア振動アクチュエータの錘の振動の位相を、残りリニア振動アクチュエータの錘の振動の位相に逆転させる。または、少なくとも一つのリニア振動アクチュエータの錘の振幅を、残りのリニア振動アクチュエータの錘の振幅よりも大きくする。または、制御部は、少なくとも1つのリニア振動アクチュエータに皮膚反射を誘発しない周波数または振幅の振動を発生させる無効信号を供給し、残りのリニア振動アクチュエータに皮膚反射を誘発させる周波数及び振幅の誘発信号を供給する。
また、他の実施形態の皮膚反射誘発装置は、前頭部、頭頂部、後頭部及び側頭部の頭蓋部全体に対応する範囲にわたって配置される複数のリニア振動アクチュエータを振動発生機が有し、複数のリニア振動アクチュエータを、個別に、または分割された複数の領域に各々対応して少なくとも1つの前記リニア振動アクチュエータで構成される群ごとに、誘発時間、弛緩時間、周波数、振幅、および位相を設定可能に制御部が設けられる。
また皮膚反射誘発装置がさらに制御部にインターフェイスで接続される操作端末を備え、この操作端末が、伝達部材に配置された複数のリニア振動アクチュエータの配置を平面に展開して示す二次元平面画像を少なくとも表示する画面と、この画面に表示された情報に対応して操作が可能な入力部と、を備えることも好ましい。このとき、操作端末は、画面に表示された二次元平面画像に対する入力部の部位に触れられることによって、伝達部材の対応する位置に配置されたリニア振動アクチュエータの錘の振動の周波数、振幅、および位相の少なくとも1つを変化させる指令信号を制御部に出力する。
そして、本発明に係る発毛促進アプリケーションは、上述の操作端末に格納され、上述の皮膚反射誘発装置の制御部に対して通信をして複数のリニア振動アクチュエータの誘発時間、弛緩時間、周波数、振幅、および位相の少なくとも1つを制御するように構成される。この発毛促進アプリケーションは、複数のリニア振動アクチュエータの誘発時間中の振動数、振幅、位相の少なくとも1つを、個別にまたは分割された複数の領域に各々対応して少なくとも1つのリニア振動アクチュエータで構成される群ごとに、変化させる複数の振動パターンを含む。この振動パターンは、前頭部から後頭部に向けて、頭頂部から前頭部及び後頭部に向けて、頭頂部から両側頭部に向けて、両側頭部から頭頂部に向けて、頭頂部を上から見て右回り、または、頭頂部を上から見て左回り、の少なくともいずれか1つの順序で、振動数、振幅、位相の異なる範囲を移動させるように、複数のリニア振動アクチュエータを制御する。
本発明に係る皮膚反射誘発装置によれば、伝達部材を利用者の頭部に当接させることで、振動が頭皮に伝搬され、頭皮に皮膚反射を誘発させる。このとき、振動発生機は、錘を一方向に振動させるとともに振動の周波数を維持しながら振幅の大きさを変化させることのできる少なくとも1つのリニア振動アクチュエータを含んでいる。皮膚反射を誘発させる振動の周波数及び振幅(すなわち振動強度)は、利用者の個人差によってわずかに異なる。振動発生機は、皮膚反射を誘発させるための周波数を維持したまま振幅を変えることができるので、利用者に最も適した皮膚反射を誘発させるための振動を容易に発生させることができる。
また制御部は、皮膚反射を誘発させる周波数及び振幅の誘発信号を振動発生機に供給する誘発時間と、誘発信号を振動発生機に供給しない弛緩時間とを交互に繰り返して設定できる。したがって、誘発時間から弛緩時間へ切り換わり皮膚反射を誘発する振動が停止すると、頭皮に生じていた皮膚反射が止まる。このとき弛緩時間では、皮膚反射を誘発させる誘発信号が停止されるのであって、皮膚反射を誘発させる周波数及び振幅の誘発信号を振動発生機に供給することを遮断してリニア振動アクチュエータの振動そのものを止めること以外に、皮膚反射を誘発する周波数及び振幅の誘発信号から皮膚反射を誘発しない周波数または振幅の無効信号へ振動発生機に供給する信号を切り替えることでリニア振動アクチュエータが振動する状態を継続させたまま皮膚反射を起こさないようにすることも含む。
皮膚反射が止むことによって筋肉が弛緩され、振動刺激を受けていた範囲の頭皮の毛細血管が広がり、血行が良くなる。また、誘発時間と弛緩時間を繰り返し、意識的に力を入れることが難しい頭部の筋肉を皮膚反射で繰り返し収縮させるので、頭皮の新陳代謝も促進される。その結果、緩慢になっていたあるいは活動期が短くなっていた頭皮の毛包の活動が活性化され、発毛が促進される。また、この皮膚反射誘発装置は、伝達部材にバッテリを搭載しているので、利用できる場所を制限されない。
制御部が誘発時間よりも弛緩時間を短く設定する発明の皮膚反射誘発装置によれば、皮膚反射によって頭部の筋肉が収縮している時間を長くすることになる。皮膚反射は、反射反応の中でも強い反射ではあるが、その反応速度が他の反射反応に比較して遅い。誘発時間を長くとることで、先に筋肉を十分に収縮させたのち弛緩させることができるので、皮膚反射による筋肉の収縮と弛緩と差が大きくなり、血液循環及び新陳代謝の促進に効果的である。
また、誘発時間が始まると一定の周波数を維持しながら振幅を予め設定された大きさまで徐々に増大させ、誘発時間が終了すると瞬時に振動を止めるように制御部が動作する発明の皮膚反射誘発装置によれば、より効果的に頭部の筋肉の収縮に伴って頭皮が収縮される。そして、発振時間が終了して振動が瞬時に止まることで頭部の筋肉の緊張状態が瞬時に解けて弛緩されるので、皮膚反射によって頭部の筋肉が収縮していたことを利用者が体感しやすい。筋肉が弛緩されたことを利用者が体感することで、より大きなリラクゼーション効果が得られ、ストレスが解消されるため、ストレスを原因とする脱毛が予防され、発毛が促進される。または、誘発時間が始まると一定の周波数を維持しながら振幅を予め設定された大きさまで徐々に増大させ、誘発時間が終了すると誘発信号の止まった状態まで徐々に振幅を減衰させる発明の皮膚反射誘発装置によれば、皮膚反射の反応速度に合わせた振動の制御をすることができるので、リラクゼーション効果が増す。
弛緩時間に皮膚反射を誘発しない周波数または振幅の振動を発生させる無効信号を制御部が振動発生機に供給する発明の皮膚反射誘発装置によれば、振動刺激が継続される中で、振動の周波数または振幅が変わる。皮膚反射が解かれても振動刺激が加えられるので、筋肉が弛緩された後の血行及びリンパの流れをより促進させることができる。
錘の振動方向を頭皮に対して垂直にしてリニア振動アクチュエータを配置した発明の皮膚反射誘発装置によれば、頭皮に対して効率よく振動刺激を入力することができる。また、錘の振動方向を等に被対して平行にしてリニア振動アクチュエータを配置した発明の皮膚反射誘発装置によれば、頭皮に沿って広範囲に振動を伝播することができる。また、複数のリニア振動アクチュエータを備える場合には、互いの振動が組み合わさることによって、頭皮に沿う方向の振動以外の方向の振動に変換されることも期待され、さらなる皮膚反射の効果が得られる。
錘の振動方向を揃えて配置された複数のリニア振動アクチュエータを振動発生機が含む場合、制御部が全てのリニア振動アクチュエータの錘の振動の位相を同期させる発明の皮膚反射誘発装置によれば、振動刺激を一体的に感じることができる。
または、錘の振動方向を揃えて配置された複数のリニア振動アクチュエータを振動発生機が含む場合、制御部が少なくとも1つのリニア振動アクチュエータの錘の振動の位相を、残りのリニア振動アクチュエータの錘の位相からずらす発明、または逆転させる発明の皮膚反射誘発装置によれば、位相の異なる部位だけ皮膚反射を誘発しつつ異なる振動刺激を提供できる。特に位相を逆転させる場合には明確な差を感じさせることができる。
または、錘の振動方向を揃えて配置された複数のリニア振動アクチュエータを振動発生機が含む場合、制御部が少なくとも1つのリニア振動アクチュエータの錘の振幅を、残りのリニア振動アクチュエータの錘の振幅よりも大きくする発明によれば、振幅の大きい部分だけ皮膚反射を誘発しつつ強い振動刺激を与えられる。
さらに、錘の振動方向を揃えて配置された複数のリニア振動アクチュエータを振動発生機が含む場合、制御部が少なくとも1つのリニア振動アクチュエータに皮膚反射を誘発しない周波数または振幅の振動を発生させる無効信号を供給し、残りのリニア振動アクチュエータに誘発信号を供給する発明の皮膚反射誘発装置によれば、振動刺激が与えられている中で、皮膚反射を誘発されていない領域と皮膚反射が誘発されている領域が混在することとなる。皮膚反射を誘発されていない領域が設けられることで、皮膚反射を誘発されている領域に対する感覚が異なるので、より明確に皮膚反射による感覚を体感しやすい。
前頭部、頭頂部、後頭部及び側頭部の頭蓋部全体に対応する範囲にわたって配置される複数のリニア振動アクチュエータを振動発生機が有し、複数のリニア振動アクチュエータを、個別に、または分割された複数の領域に各々対応する群ごとに、誘発時間、弛緩時間、周波数、振幅、位相の少なくとも1つを設定可能に制御部が設けられる発明の皮膚反射誘発装置によれば、頭部全体にわたって均質な振動を与えることができるだけでなく、個別にあるいは群ごとに皮膚反射を誘発させるように制御することで、様々なパターンの振動刺激を供給することができる。
リニア振動アクチュエータを頭蓋部全体に複数備えることで出力の小さい軽量なリニア振動アクチュエータを採用できるため、皮膚反射誘発装置の重量が分散される。その結果、皮膚反射誘発装置を頭部に装着した際のバランスもよく、頸部への負担が軽くなる。
また、制御部にインターフェイスで接続される操作端末をさらに備え、この操作端末が、伝達部材に配置された複数のリニア振動アクチュエータの配置を平面に展開して示す二次元平面画像を少なくとも表示する画面と、この画面に表示された情報に対して操作が可能な入力部と、を備える発明の皮膚反射誘発装置によれば、伝達部材を頭部に装着した状態でも、操作端末を使って、複数のリニア振動アクチュエータを個別にまたは群ごとに、発振時間、停止時間、周波数、振幅、位相の少なくとも1つを設定できる。
また、操作端末の画面に表示された二次元平面画像に対応する入力部の部位に触れられることで、伝達部材の対応する位置に配置されたリニア振動アクチュエータの周波数、振幅、位相の少なくとも1つを変化させる指令信号を操作端末が操作部に出力する発明の皮膚反射誘発装置によれば、振動部材を装着した利用者の好みに合わせて、リアルタイムで振動刺激の位置やその振動刺激の強さを変えることができる。
さらに、本発明の他の形態の発毛促進アプリケーションによれば、上述の操作端末に格納され、上述した皮膚反射誘発装置の制御部に対して通信をして複数のリニア駆動アクチュエータの誘発時間、弛緩時間、周波数、振幅、位相の少なくとも1つを制御する。通信手段は、規格化された汎用の通信手段であれば、有線でも無線でもよい。したがって、専用の操作端末によらず、通信手段を有したものであれば、携帯電話やスマートフォン、タブレット型コンピュータ、または、デスクトップ型コンピュータなど、利用者が皮膚反射誘発装置を利用するうえで都合の良い操作端末を活用することができ、汎用性が増す。
そして、複数のリニア振動アクチュエータの誘発時間中の振動の周波数、振幅、位相の少なくとも1つを個別に、または分割された複数の領域に各々対応する群ごとに、変化させる複数の振動パターンを含む発明の発毛促進アプリケーションによれば、制御部に無い複雑な振動パターンの振動を提供することができる。また、発毛促進アプリケーションのバージョンをアップグレードすることで、新たな振動パターンの提供を受けられる。
振動パターンとして、前頭部から後頭部に向けて、頭頂部から前頭部及び後頭部に向けて、頭頂部から両側頭部に向けて、両側頭部から頭頂部に向けて、頭頂部を上から見て右回り、または、頭頂部を上から見て左回り、の少なくともいずれか1つの順序で、振動の周波数、振幅、位相の異なる範囲を移動させるように、複数のリニア振動アクチュエータを制御する発明の発毛促進アプリケーションによれば、頭蓋部の頭皮全体に振動刺激を与えながら、皮膚反射を誘発させる位置を変えたり刺激強度を変えたりすることで、マッサージ効果を得ることもできる。
本発明に係る第1の実施形態の皮膚反射誘発装置を装着した図であって、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は背面図。 図1の皮膚反射誘発装置のブロック図。 図1の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す図。 図1の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す図。 図1の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す図。 図1の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す図。 図1の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す図。 本発明に係る第2の実施形態の皮膚反射誘発装置を装着した図であって、(A)は左側面図、(B)は正面図、(C)は背面図。 本発明に係る第3の実施形態の皮膚反射誘発装置を装着した図であって、(A)は左側面図、(B)は正面図、(C)は背面図。 図9の皮膚反射誘発装置を支持台座に乗せた左側面図。 図9の皮膚反射誘発装置のブロック図。 図9の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す図。 図9の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す図。 図9の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す図。 図9の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す図。 第4の実施形態の皮膚反射誘発装置を利用する状態を示す図であって、(A)は斜視図、(B)は平面図。 第5の実施形態の皮膚反射誘発装置を装着した斜視図。 図17の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す側面図。 図17の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す上面図。 図17の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す図。 図17の皮膚反射誘発装置が発生する振動パターンの一例を示す図。
本発明に係る第1の実施形態の皮膚反射誘発装置1について、図1から図7を参照して説明する。この皮膚反射誘発装置1は、利用者の頭部に装着され、頭皮に振動を加えることで頭皮の皮膚反射を誘発させる。
ここで「皮膚反射」とは、刺激に反応して筋肉が収縮し意思とは関係なく体が勝手に動く反射反応のひとつであり、物理的な振動刺激が皮膚に与えられることによってその部位で起こる反射反応を言う。特に、振動刺激によって誘発されるものを「振動誘発皮膚反射」と呼ぶ。皮膚反射を誘発する振動刺激の振動の周波数は、50〜70Hzの周波数帯にほぼ特定されており、この範囲内の一定の周波数(至適周波数)において皮膚反射が顕著に表れることが、発明者によって明らかにされた。また、皮膚反射を誘発する振動刺激の強さには、個人差があるものの同じ振動刺激の強さで皮膚反射を誘発する再現性が高いことも分かっている。そして、皮膚反射の反応の特徴として、振動刺激が開始されると皮膚反射によって徐々に筋肉が収縮しはじめ、その収縮量は漸増することが判明している。また、振動刺激が続いている間は皮膚反射による筋肉の収縮も継続され、振動刺激が中止されると筋肉の収縮が解けて速やかに弛緩される。
図1は、皮膚反射誘発装置1を頭部Hに装着した状態を示している。以下、説明の便宜上、利用者の頭部Hに装着された状態において、利用者を基準に、「前」、「後」、「右」、「左」、「上」、「下」を定義する。また、皮膚反射誘発装置1の細部を説明する際に、各部分の配置される位置を利用者の頭部Hの部分名称(前頭部、頭頂部、後頭部、側頭部)で説明することがある。図1の(A)は左斜め前から見た状態、(B)は正面から見た状態、(C)は後ろから見た状態をそれぞれ示す。皮膚反射誘発装置1は、発振器11と振動発生機12と制御部13とバッテリ14と伝達部材15とを備える。これらの構成を有した皮膚反射誘発装置1のブロック図を図2に示す。
発振器11は、設定された周波数及び振幅の信号を発生させる。皮膚反射を誘発する振動の周波数は、上述のように50〜70Hzの周波数帯の中の一定の周波数であるので、その周波数の振動を振動発生機12で発生できるように、少なくとも信号を出力できればよい。皮膚反射を誘発する振動の振幅すなわち振動強度は、上述のように利用者ごとに個人差があり多少異なる。したがって、信号の振幅は、そのまま振動発生機12の振動強度に反映されてもよいし、制御部13に内蔵されるアンプなどを介して増幅されてもよい。利用者ごとに異なる皮膚反射を誘発する振動の周波数及び振幅は、利用前に調べられ、設定値として設定される。そこで以下、本明細書では、皮膚反射を誘発する周波数及び振幅の信号を「誘発信号」とし、振動しても皮膚反射を誘発しない周波数または振幅の信号を「無効信号」とする。
振動発生機12は、少なくとも1つのリニア振動アクチュエータ、本実施形態では1つのリニア振動アクチュエータ121を有している。このリニア振動アクチュエータ121は、図1(A)〜(C)に示すように利用者の頭部Hの頭頂部HMの中央に配置される。リニア振動アクチュエータ121は、発振器11から出力される信号に基づいて、内蔵している錘を一方向に往復駆動させることで、振動を発生させる。具体的には、リニア振動アクチュエータ121は、スピーカのコイルと磁石が逆に配置された構造、すなわち錘となる磁石が一方向に移動可能に支持されてその近傍にコイルが固定された構造を有している。リニア振動アクチュエータ121は、モータの回転軸に偏心した錘を取り付けた振動装置では容易に実現できない、振動の周波数及び振幅を個別に調整することが可能であり、振動させたい一方向に振動するので、エネルギー変換効率もよい。本実施形態では、リニア振動アクチュエータ121の場合、錘の振動方向は、頭皮に対して垂直になるよう、配置される。したがって、発生する振動の伝達効率が良い。
制御部13は、発振器11が出力する誘発信号を振動発生機12に供給する誘発時間t1と、誘発信号を振動発生機12に供給しない弛緩時間t2を交互に繰り返すように設定することができる。制御部13によって、振動発生機12が発生する振動パターンV1〜V5の一例を図3から図7にそれぞれ示す。図3から図7に示すように、制御部13は、誘発時間t1と弛緩時間t2とを交互に複数回繰り返すように、誘発時間t1とその次の誘発時間t1の間に弛緩時間t2が設けられている。したがって、1つの振動パターンV1〜V5の運転時間t3は、n回の誘発時間t1とその間のn−1回の弛緩時間t2で構成される。
なお、実際には、最後の誘発時間t1が経過した後、振動が停止するので、弛緩時間t2が設けられることと同じ状態になる。したがって、タイマのみ作動させ、弛緩時間t2に相当する時間を加えて運転時間t3として管理してもよい。第1の実施形態では、図3から図7のいずれも、誘発時間t1を5回繰り返すように運転時間t3が構成されている。誘発時間t1、弛緩時間t2及び運転時間t3は、制御部13に接続されたタイマ131において設定される。タイマ131は、制御部13に含まれていてもよい。一例をあげると、誘発時間t1は2〜3分、弛緩時間t2は1分、したがって誘発時間t1を5回繰り返す場合の運転時間t3は14〜19分である。また、誘発時間t1の長さはさまざま(例えば、2分、3分、5分、10分など)に織り交ぜて、弛緩時間t2をそれぞれの間に例えば1分設けるなどの間欠的な振動パターンを提供してもよい。各振動パターンV1〜V5の詳細は、後述する。
バッテリ14は、図2に示すように発振器11と振動発生機12と制御部13とに電力を供給する。本実施形態において、バッテリ14は、充電して繰り返し利用できる二次電池141と、この二次電池141の充電と放電を制御する電源回路142とを含む。電源回路142は、外部の商業用電源に接続可能な接続端子143を備えている。二次電池141を充電する場合、電源回路142は接続端子143に接続される商業用電源から電力を得て二次電池141を充電する。また、電源回路142は、二次電池141の容量が少なくなった場合、接続端子143に接続される商業用電源の電力を変換して発振器11、振動発生機12、および制御部13に直接電力を供給することもできる。二次電池141は、規格で定められた電池パックでもよいし、適した容量及び電圧に作られた専用の電池パックであってもよい。皮膚反射誘発装置1は、バッテリ14を搭載することによって、コードレスで使用できる。したがって、利用者は、皮膚反射誘発装置1の使用中の居場所を制限されないとともに、使用中に他のことを並行して行える。
伝達部材15は、少なくとも振動発生機12を搭載し、利用者の頭部Hに当接して振動発生機12の振動を頭皮に伝播することで頭皮に皮膚反射を誘発させる。本実施形態において、伝達部材15は、発振器11と振動発生機12と制御部13とバッテリ14とを搭載している。具体的には図1に示すように、発振器11と制御部13とバッテリ14とは、ケース10に収納されている。伝達部材15は、ケース10と振動発生機12を図1に示すように利用者の頭部Hに保持する。本実施形態において、伝達部材15は、振動発生機12を利用者の頭頂部HMにしっかりと押し当てておくことができるように作られたハーネス15Aで構成される。振動発生機12は、リード線122でケース10内の制御部13及びバッテリ14に接続されている。なお、バッテリ14は、重量バランスを考慮して、ケース10から分けて別に配置してもよい。また、振動発生機12のリニア振動アクチュエータ121は、発振器11から出力される信号で直接的に駆動されてもよいし、発振器11の信号を基に制御部13を介してバッテリから供給される電力がオン/オフされて駆動されてもよい。
また、振動発生機12と頭頂部HMとの間に位置して頭頂部HMに当接するハーネス15Aの接触面151は、頭皮に(頭髪がある場合はその上から)均質に面接触するように柔軟で滑らかに形成されている。具体的には、ハーネス15Aの接触面151となる部分は、柔軟なポリウレタンやシリコーン樹脂などであることが好ましく、スポンジのように柔らかすぎると振動を伝播できないので、ある程度の硬さと密度が必要である。また、接触面151は、頭の形に沿って面接触するように滑らかに形成されていることによって、皮膚反射を誘発する振動が均質に頭皮に伝わりやすく、また、汗や皮脂などによって汚れた場合にも、凹凸が無いので簡単に拭い取るあるいは洗浄することができる。頭髪が多い場合には頭皮に振動が伝わりにくくなるので、接触面151に複数の突起を設けてもよい。この場合、突起の先端形状、硬さ、数量は、点接触による痛みを生じないように配慮される。
そして、ケース10は、邪魔にならない範囲のハーネス15Aに懸架される。本実施形態の場合、図1に示すようにケース10は左側頭部HSl側に保持されている。利用者にとって煩わしくない位置であればケース10はどこに配置されていてもよい。したがって、右側頭部HSrでもよいし、後頭部HR側でもよいし、前頭部HF側でもよい。このケース10には、制御部13の設定値を変更したり振動パターンV1〜V5を選択したりすることができるように、図1(A)に示すような操作部16が設けられている。操作部16は、表示部161といくつかのボタン162を有している。
表示部161には、選択された振動パターンV1〜V5、周波数、強度(振幅)のほかに、振動パターンV1〜V5を自由に組み替えられるように誘発時間t1及び弛緩時間t2などが表示される。ボタン162は、これらの設定値を変更する調整ボタンや、変更したい設定値を選択する切換ボタンのほかに、スタート(ストップ)ボタン、電源ボタンを含む。操作部16は、皮膚反射誘発装置1を頭部Hに装着してからでも操作できるように、リード線によって接続されていてもよいし、赤外線や電波などで無線接続されていてもよい。なお、操作部16をリード線で伝達部材15に有線接続する場合、操作部16とともに制御部13やバッテリ14もリード線によって有線接続されるように、ケース10ごと有線接続されていてもよい。
このハーネス15Aは、額(前頭部HF)から左右の側頭部HSr,HSlを通って後頭部HRに巻かれた上環15A1と、顎から後頭部HRに巻かれた下環15A2と、顎から左右のこめかみを通り上環15A1に接続されるとともに頭頂部HMの振動発生機12が取り付けられた部分に延びた右縦帯15A3及び左縦帯15A4と、下環15A2の後部から後頭部HRで上環15A1に接続されて頭頂部HMの右縦帯15A3及び左縦帯15A4につながる後縦帯15A5とを備える。このハーネス15Aは、図1(A)及び図1(B)に示すように、ほほの高さの位置で右縦帯15A3及び左縦帯15A4の長さを調整することのできるアジャスタ15A6を有している。また図1(C)に示すように、下環15A2の長さを調整できるように、後縦帯15A5の下部すなわち首の後ろから左右に延びた下環15A2の帯を耳の下で折り返し、再び首の後ろに面ファスナ15A7で固定できるように作られている。さらに、ハーネス15Aの装着を容易にするために、本実施形態では左顎に位置する下環15A2の部分に面ファスナ15A8を備えている。
なお、上環15A1の長さを調整できるように、額の位置に面ファスナを設けてもよいし、後頭部HRで後縦帯15A5と交差する上環15A1の近傍にアジャスタや面ファスナを設けて長さを調整できるようにしてもよい。ハーネス15Aは、頭頂部HMに振動発生機12を適度な力で押し当てることができるとともに、頭部Hにフィットするように、伸縮性のある部材で形成されているとよい。例えば、ウレタンエラストマで一体に成形されていてもよいし、ゴム材が織り込まれたゴム紐のようなもので構成されていてもよい。さらに装着性を向上させるために、水泳用のゴムキャップや、ラグビー競技で使用されるヘッドギアのようなものであってもよい。
以上のように構成された皮膚反射誘発装置1は、バッテリ14が十分に充電された状態で、操作部16で振動パターンV1〜V5を選択した後、もしくは、誘発時間t1と弛緩時間t2、繰り返し回数、振動の周波数及び強度(振幅)を設定した後、図1に示すように振動発生機12が利用者の頭頂部HMに位置するように利用者の頭部Hに被せられ、下環15A2の面ファスナ15A8を止められる。そして、振動発生機12の振動を伝える接触面151を密着させるために、右縦帯15A3及び左縦帯15A4のアジャスタ15A6や下環15A2の面ファスナ15A7でハーネス15Aを締め上げる。すでに何度か使用していれば、アジャスタ15A6や面ファスナ15A7は調整されているので、ハーネス15Aを被って面ファスナ15A8を止めるだけで、皮膚反射誘発装置1を簡単に装着することができる。ハーネス15Aがしっかりと固定されたことを確認し、操作部16のボタン(スタートボタン)162を押すと、振動パターンV1〜V5など設定された振動が皮膚反射誘発装置1から頭皮に供給される。
皮膚反射誘発装置1によって振動が与えられている誘発時間t1の間は頭皮全体にわたって皮膚反射が誘発されて頭部Hの筋肉が収縮した状態を維持する。また、弛緩時間t2になり振動が停止されると皮膚反射も速やかに消失して筋肉が弛緩される。図3から図7に示すような振動パターンV1〜V5など、予め設定された回数の誘発時間t1と弛緩時間t2が繰り返されると運転時間t3が終了し、皮膚反射誘発装置1は自動的に停止する。このとき電源も自動的に切れるように構成されていてもよい。この皮膚反射誘発装置1は、バッテリ14を搭載しているので、頭部Hに装着したまま動き回って他の作業をすることができる。
皮膚反射による効果は、皮膚反射によって収縮した筋肉を収縮前の状態よりも弛緩させることによって得られる。このとき、皮膚反射は、振動刺激が開始されると徐々に筋肉が収縮し始めて漸増するように作用するとともに、振動刺激が中止されると筋肉が速やかに弛緩されるように作用する。そこで、頭皮に対する皮膚反射の効果を効率よく引きだすために、この皮膚反射誘発装置1の制御部13は、図3から図7に示すように発振時間t1よりも停止時間t2を短く設定する。このとき発振時間t1は、皮膚反射によって筋肉の収縮が漸増しきった後、それに慣れてあるいは疲労によって筋肉が弛み始める時間よりも長くする。
各振動パターンV1〜V5について、図3から図7を参照してされに説明する。図3から図6に示す振動パターンV1〜V4は、振動の周波数が一定であるので、振幅の片側について最大値の変化を示す。図3に示す振動パターンV1において、誘発時間t1が開始されると直ちに設定された誘発信号の周波数及び振幅でリニア振動アクチュエータ121の錘を駆動する。そして、誘発時間t1が経過すると瞬時に誘発信号の供給を止めて、錘を停止させる。振動パターンV1の場合、誘発信号は瞬時に休止されるので、誘発時間t1に続いて直ちに弛緩時間t2が開始される。
図4に示す振動パターンV2において、制御部13は、誘発時間t1が開始されると周波数を一定に維持しながら振幅を予め設定された大きさまで徐々に増大させる。誘発時間t1が終了すると瞬時に誘発信号の供給を止める。誘発時間t1導入時の振幅を徐々に大きくすることで、皮膚反射による筋肉の収縮が漸増する速度を遅くし、毛細血管の中の血液や細胞間のリンパ液の流れを阻害することなく回収する。より多くの血液及びリンパ液を回収し循環させることができる。また、図3の振動パターンV1及び図4の振動パターンV2の場合、誘発時間t1が終了すると瞬時に振動が止まるので、皮膚反射による緊張が解かれて筋肉が弛緩することを利用者がより強く実感しやすい。
図5に示す振動パターンV3において、制御部13は、誘発時間t1が開始されると周波数を一定に維持しながら振幅を予め設定された大きさまで徐々に増大させる。そして誘発時間t1が終了すると誘発信号の止まった状態まで徐々に振幅を減衰させる。振幅が止むと弛緩時間t2が開始される。なお、振動パターンV3において弛緩時間t2の開始は、皮膚反射を誘発しない振動強度まで振幅が減衰された時点としてもよい。皮膚反射による筋肉の収縮速度は、他の反射反応に比較して遅い。したがって、皮膚反射の反応速度に合わせた振動制御となるので、リラクゼーション効果が増す。
図6に示す振動パターンV4において、制御部13は、誘発時間t1が開始されると誘発信号を供給して設定された周波数及び振幅でリニア振動アクチュエータ121の錘を直ちに駆動させる。そして誘発時間t1が終了すると、リニア振動アクチュエータ121に供給する信号を、振動の周波数を維持したまま、皮膚反射を誘発する振幅W1よりも小さい、皮膚反射を誘発しない振幅の振動Nとなる無効信号に切り換え、直ちに弛緩時間t2になる。つまり、この振動パターンV4の場合、運転時間t3の間、すなわち振動刺激が継続される中で、振幅のみ周期的に繰返し変動する一定の周波数の振動が出力される。皮膚反射を誘発しない振幅すなわち振動強度になり皮膚反射が解かれた弛緩時間t2の間にも振動刺激が継続されることによって、筋肉が弛緩された後の血行及びリンパの流れをより促進させることができる。
図7に示す振動パターンV5において、制御部13は、誘発時間t1が開始されると誘発信号を供給して設定された周波数及び振幅でリニア振動アクチュエータ121の錘を直ちに駆動させる。図7では、振動刺激の変化をわかりやすくするために、実際の振動の周波数よりも少ない周波数で模式的に表示している。誘発時間t1が終わると、制御部13は、振動の振幅を維持したまま、皮膚反射を誘発する周波数よりも小さい、皮膚反射を誘発しない周波数の振動Nとなる無効信号に切り換え、直ちに弛緩時間t2になる。無効信号として供給される信号の周波数は、皮膚反射を誘発する周波数に対して高い周波数であってもよい。振動パターンV5の場合、運転時間t3の間、すなわち振動刺激が継続される中で、皮膚反射を誘発する周波数と皮膚反射を誘発しない周波数との間で周波数のみ変調されるいわゆる疎密波のように振動刺激が供給される。リニア振動アクチュエータ121に誘発信号が供給される誘発時間t1から無効信号が供給される弛緩時間t2に切り換わると、刺激強度はそのままに、皮膚反射が解ける。したがって、皮膚反射によって筋肉が収縮するのと皮膚反射が解けて筋肉が弛緩するのとを利用者が体感しやすい。
以上のように図3から図7の振動パターンV1〜V5のいずれにおいても、皮膚反射誘発装置1によって誘発時間t1の振動を頭皮に与えて継続的に皮膚反射を起こさせた後、弛緩時間t2に切り換わって皮膚反射から解放された筋肉は、皮膚反射によって収縮する以前の状態よりも弛緩する。つまり、皮膚反射によって筋肉が収縮すると、毛細血管中の血液や細胞間を流れるリンパ液が押し流され、皮膚反射によって収縮していた筋肉が弛緩すると、この筋肉の周辺にある毛細血管及び細胞間も同時に緩み新たな血液及びリンパ液がそれまでよりも多く流入する。したがって、継続的な皮膚反射を間欠的に繰り返し起こさせることによって頭皮の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すことで、頭皮の細胞の活動が活性化される。また、皮膚反射による細胞の活性化の効果以外にも、皮膚反射を誘発する振動刺激が断続的に繰り返し供給されたり、皮膚反射を誘発する振動の周波数または振幅から繰り返し外れるように振動刺激が供給されたりするなど、皮膚反射を誘発する以外の振動刺激による直接的な効果と組み合わさって、頭皮細胞が活性化されている可能性も推察される。
頭皮の細胞の活動が活性化されると、毛周期において成長期にある毛母細胞や毛乳頭も活性化され、成長期が維持されると考えられる。その結果、発毛される期間が長くなり、抜け落ちる毛髪の本数が減るとともにそれぞれの毛髪が長く伸びるので、頭髪が増えることが期待される。また、皮膚反射を起こす振動を停止させ筋肉が弛緩されることで、リラクゼーション効果が得られ、ストレスが軽減されるので、ストレス性の脱毛を予防できることも期待される。
発明者の研究によれば、頭皮に一定の周波数の振動を供給することで発現される振動誘発皮膚反射によって頭髪の発毛が促進されるときの振動の周波数は、多少の個人差はあるものの58〜65Hzの間の一定の周波数(至適周波数)で最も良い効果が得られることが分かっている。ここで、振動誘発皮膚反射は、50〜70Hzの振動、さらに言えば58〜65Hzの振動を受ける人に対して必ず発生するものであるが、その周波数の中でも、その人にとって振動誘発皮膚反射が最も強く起こるときの周波数を「至適周波数」と呼び、その値には個人差があるものの、その人に対しては一定の周波数である。なお、上記振動周波数帯から外れているところに至適周波数を有する人も存在することは言うまでもないが、その場合はその人の至適周波数に対して±3Hzの範囲で、有効な皮膚反射を誘発することができる。また、人によっては、至適周波数であることよりも少し外れた周波数(しかし皮膚反射を起こす周波数)を好む場合もあるので、その場合は、その周波数を「一定の周波数」として扱う。
また皮膚反射誘発装置1の利用頻度は、図3から図7の振動パターンV1〜V5のような繰り返し回数の運転モードで20分以内の利用を1日に1回、継続的に行えばよい。そして、この皮膚反射誘発装置1は、振動によって頭皮の細胞に対し物理的な刺激及び圧力を加えて血行を良くするのではなく、あくまでも、特定の周波数の振動を与えて皮膚反射を誘発させ、その皮膚反射による筋肉の収縮と皮膚反射を消失させた時の筋肉の弛緩を交互に繰り返させることで、血液及びリンパの流れを良くしているのである。つまり、皮膚反射誘発装置1によって得られる効果は、与えた振動によって皮膚反射を誘発させて得られるものであり、振動マッサージのように振動刺激を強くしたり長時間与え続けたりして得られるものとは異なる。
また、この皮膚反射を誘発させる周波数すなわち58〜65Hzの振動は、睡眠を誘発させる皮膚反射の振動の周波数帯に含まれる。したがって、この皮膚反射誘発装置1は、就寝の際に使用することで、リラクゼーション効果と発毛効果のほかに睡眠誘発効果も得られる。皮膚反射誘発装置1を就寝前に利用する場合、発振器11、制御部13及びバッテリなどを収納したケース10は、伝達部材15であるハーネス15Aの頭頂部HM寄りの後縦帯15A5に固定するとよい。寝返りを打った場合に振動発生機12やケース10が邪魔にならずに済む。本実施形態の皮膚反射誘発装置1では、振動発生機12のリニア振動アクチュエータ121を頭頂部HMに1つ配置しているだけであるが、振動は頭蓋骨の全体に骨伝導で伝わるため、前頭部HFや左右の側頭部HSr,HSl及び後頭部HRの頭皮の皮膚反射も誘発される。
本発明に係る他の実施形態の皮膚反射誘発装置について以下に説明する。第1の実施形態の皮膚反射誘発装置1と同じ機能を有する構成は、各実施形態の説明及び図中において第1の実施形態と同じ符号を付し、その構成の詳細な説明は、第1の実施形態の対応する記載を参酌することとする。
本発明に係る第2の実施形態の皮膚反射誘発装置1について、図8を参照して説明する。この皮膚反射誘発装置1において、伝達部材15は、図8に示すように頭蓋部を覆う鍔の無い硬質な外殻15B0を有したヘルメット形のキャップ15Bに形成されている。図8の(A)は左側から見た状態、(B)は正面から見た状態、(C)は後ろから見た状態をそれぞれ示す。キャップ15Bは、頭頂部HMの中央の位置に振動発生機12のリニア振動アクチュエータ121を1つ配置し、後頭部HRの位置に発振器11と制御部13とバッテリ14と操作部16とを配置している。
第2の実施形態では、バッテリ14は、発振器11と制御部13と操作部16とが設けられた部分から少し離れて配置されており、規格化された汎用の電池又は充電式の電池を含む。これらの電池は、専用に作られた電池パックであってもよい。バッテリ14は、キャップ15Bの外側すなわち後方に向かって開放されるハッチ144から交換することができる。さらに、第1の実施形態と同様に、電源回路と接続端子を設けて、外部の商業用電源に接続して使えるようにしてもよいし、バッテリ14の電池に充電式の電池を採用する場合に充電できるようにしてもよい。操作部16は、表示部161及びボタン162を露出させた状態で、キャップ15Bの外殻15B0よりも隆起させた部分に一体的に設けられている。発振器11及び制御部13を構成する回路が実装された基板101は、この操作部16の内側に設置されている。
また、キャップ15Bは、振動発生機12の周りを取り巻くように頭頂部HMの範囲に位置する第1のパッド15B1と、額の頭髪の生え際に相当する前頭部HFの範囲に位置する第2のパッド15B2と、後頭部HRの範囲に位置する第3のパッド15B3とを備えている。第2の実施形態において第3のパッド15B3は、図8(A)及び図8(C)に示すように、発振器11及び制御部13が配置された範囲に重なるように設けられる。伝達部材15の接触面151となる第1のパッド15B1、第2のパッド15B2、第3のパッド15B3は、それぞれの位置の頭皮に(頭髪がある場合はその上から)均質に面接触するために、いずれも頭の形に沿う柔軟で滑らかに形成される。具体的には、ポリウレタンやシリコーン樹脂などであることが好ましい。
人の頭蓋骨の形状および大きさは様々であるので、皮膚反射を誘発する振動を効率よく頭皮に伝達するために、第1のパッド15B1、第2のパッド15B2、第3のパッド15B3は、キャップ15Bの外殻15B0に対して利用者の頭部Hの形状に合わせたスペーサを挿入して位置決めされる。スペーサは、頭部Hを3Dスキャナで読み取り、その形状を基に3Dプリンタで造形してもよいし、実際にキャップ15Bを被って当たり具合を確かめながら適度に調整されてもよい。また、キャップ15Bは、それぞれの接触面151を利用者の頭部に適度に押し当てるために、長さの調節が可能な顎紐15B4を有している。この他の構成及び機能は、第1の実施形態の皮膚反射誘発装置1と同じである。
以上のように構成された第2の実施形態の皮膚反射誘発装置1は、振動発生機12のリニア振動アクチュエータ121によって発生される58〜65Hzの範囲内の一定の周波数の振動を、これを取り巻く位置に設けられた第1のパッド15B1だけでなく、キャップ15Bの硬質な外殻15B0を介して第2のパッド15B2及び第3のパッド15B3にも伝播され、それぞれ前頭部HF及び後頭部HRの頭皮に伝達される。第1のパッド15B1、第2のパッド15B2、第3のパッド15B3がそれぞれ頭頂部HM、前頭部HF、後頭部HRの広範囲にわたって頭皮に面接触することになるので、小さい起振力(振動刺激)でも各部分に十分に皮膚反射を誘発させることができる。
本発明に係る第3の実施形態の皮膚反射誘発装置1について、図9から図15を参照して説明する。図9の(A)は左から見た状態、(B)は正面から見た状態、(C)は後ろから見た状態をそれぞれ示す。図9の(A)及び(B)に示すように、伝達部材15である異形キャップ15Cは、可撓性の硬質材料で作られた外殻15C0を有し、頭頂部HMから後頭部HRにかけて一続きに覆うように形成された第1のパッド15C1と、前頭部HFを全体的に覆うように形成された第2のパッド15C2とがその内面に取り付けられている。第1のパッド15C1及び第2のパッド15C2のそれぞれ接触面151は、第1の実施形態及び第2の実施形態の接触面151と同様に柔軟で滑らかに、例えばウレタンエラストマやシリコーン樹脂で形成される。第1のパッド15C1及び第2のパッド15C2は、接触面151がそれぞれ利用者の頭部Hの外形にフィットするように、第2の実施形態と同様に作られるスペーサで調整される。
また、異形キャップ15Cは、左右の側頭部HSr,HSlから頭頂部HMに向かってスロット15C3が設けられている。また、図9の(A)及び(C)に示すように異形キャップ15Cは、後頭部HRを下方から包み込むように延びたテール15C4を後部に有している。このテール15C4は、ネジなどの固定部材15C5で長さを調整できるよう可撓性のバー15C6を介して異形キャップ15Cに連結されている。
この異形キャップ15Cは、外殻15C0が可撓性を有しているので、スロット15C3よりも前側の部分は利用者の前頭部HFの形状に合わせて、またスロット15C3よりも後側の部分は利用者の頭頂部HMから後頭部HRの範囲の形状に合わせて、それぞれ幅方向に撓み、スロット15C3によってくびれた部分は前後方向に撓むことで、利用者の頭部Hの外形にフィットするよう変形する。また、図9の(A)に示すようにこの異形キャップ15Cは、第2のパッド15C2とテール15C4によって、頭部Hを挟むように構成されており、これによって、異形キャップ15Cは、頭部Hに保持される。第1の実施形態のハーネス15Aや第2の実施形態のキャップ15Bのように顎の下に通されるものがないので、伝達部材15を被ったり外したりするのが楽に行える。
また、第3の実施形態の皮膚反射誘発装置1は、利用者の頭頂部HMと前頭部HFと後頭部HRとにわたる範囲に対して振動を均質に伝達できるように、振動発生機12に複数のリニア振動アクチュエータ121を含む。具体的には、図9の(A),(B),(C)に示すように、前頭部HFの中央に1つのリニア振動アクチュエータ121F、頭頂部HMと後頭部HRの間の右寄りおよび左寄りの位置にそれぞれ1つずつのリニア振動アクチュエータ121R,121L、合計で3つのリニア振動アクチュエータ121(121F,121R,121L)を配置している。各リニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lの錘の振動方向は、同じ方向に揃えて配置される。ここでいう「同じ方向」とは、三軸直交座標系において向きが揃っていることではなく、利用者の頭皮に沿う曲面について揃っていることを意味する。つまり、頭皮に対して垂直な方向及び頭皮に沿って前後左右方向とした場合を意味する。本実施形態では、頭皮に対して垂直方向に揃えて配置される。前頭部HFに配置されたリニア振動アクチュエータ121Fは第2のパッド15C2に主に振動を伝播し、頭頂部HMと後頭部HRとの間に配置された2つのリニア振動アクチュエータ121R,121Lは第1のパッド15C1に主に振動を伝播する。
操作部16は、異形キャップ15Cの外殻15C0に対して表示部161及びボタン162を露出させた状態で一体的に埋め込まれている。発振器11及び制御部13を構成する回路が実装された基板101は、頭頂部HMの後方に配置された操作部16のすぐ下に組み込まれている。バッテリ14は、後頭部の中央の位置に組み込まれている。バッテリ14の電源回路142は、基板101に実装されていてもよい。
さらに第3の実施形態の皮膚反射誘発装置1は、図10に示すように、支持台座17を備える。この支持台座17は、伝達部材15である異形キャップ15Cを乗せる球形の搭載部171と、搭載部171に配置されてバッテリ14を充電するために必要な電力を無線で供給する送電部172と、を有している。したがって、異形キャップ15Cは、図10及び図11に示すように、送電部172に対応する近傍に配置されてバッテリ14に有線で接続されるとともに送電部172から無線で電力を受ける受電部145を内蔵している。支持台座17に対してどの向きに異形キャップ15Cを被せても送電部172と受電部145が対峙するように、送電部172は、図10に示すように搭載部171の頂点に配置される。これに対応させて、受電部145は、異形キャップ15Cの操作部16の内側に配置する。
操作部16の内側に受電部145が配置されていることで、受電部145の位置が分かりやすく、支持台座17に異形キャップ15Cを乗せる際の位置決めが容易になる。また、バッテリ14の充電中に、皮膚反射誘発装置1の運転モードを選択したり、振動パターンV1〜V5、誘発時間t1、弛緩時間t2、運転時間t3、振動の周波数、振動強度(振幅)などの設定値を調整したりする際に、操作部16の操作がしやすく表示部161も見やすい。なお、異形キャップ15Cの形に合わせて支持台座17の搭載部171を作る場合は、送電部172及び受電部145が対峙する位置関係に配置されればよい。
以上のように構成された第3の実施形態の皮膚反射誘発装置1は、振動発生機12のリニア振動アクチュエータ121によって発生される58〜65Hzの範囲内における一定の周波数の振動を、第1のパッド15C1及び第2のパッド15C2の接触面151を介して頭皮に伝達する。接触面151から振動が伝達された頭皮に皮膚反射が誘発されるとともにその周囲の頭皮にも骨伝導によって伝わった振動で皮膚反射が誘発される。複数のリニア振動アクチュエータ121(121F,121R,121L)によって、頭皮に対する領域を分担して振動を発生させるので、一つの場合に比べて、出力の小さいリニア振動アクチュエータ121を採用することができる。その結果、皮膚反射誘発装置1の製造コストが軽減され、装置の重量も軽くなる。また、バッテリ14の充電において無線で電力の供給を受けるので、充電のための接続端子を設けなくてもよい。したがって、装置全体を防水仕様に作ることができる。皮膚反射誘発装置1が汚れた場合に洗いやすく、また入浴中にも使用することができる。
さらに、振動発生機12が複数のリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lを備えていることによって、第1の実施形態において説明した図3から図7の振動パターンV1〜V5とは異なる体感を利用者に提供できる。例えば、個々のリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lに対して、振動パターンV1〜V5を別々に設定することもできるし、さらに複雑な振動モードを作り出すこともできる。本実施形態では、振動発生機12が3つのリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lを含むので、これらを組み合わせて、図12から図15に示す振動パターンV6〜V9を実行することができる。図12及び図13では振動の振幅の最大値の変化を示し、図14及び図15では振動の位相の差が分かるように時間軸を拡大して振動の振幅そのものを示している。以下にその詳細を説明する。
図12に示す振動パターンV6では、振動発生機12の全てのリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lの錘の振動の位相を同期させるとともに、誘発時間t1及び弛緩時間t2の開始及び長さ、各リニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lの振動強度(振幅)の大きさも同じに揃えている。また、図12において、誘発時間t1の開始後には設定された振幅まで徐々に漸増させ、終了後には振動が止まる状態まで徐々に減衰させる。この結果、複数のリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lは、あたかも1つのリニア振動アクチュエータであるかのような挙動を示す。各リニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lから、頭皮に対して垂直に新刺激を受けるので、1つのリニア振動アクチュエータ121の場合よりも、振動刺激を均質に感じやすい。
図13に示す振動パターンV7では、振動発生機12のリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lのうち少なくとも1つ、この場合は2つのリニア振動アクチュエータ121R,121Lを残りのリニア振動アクチュエータ121Fに対して、振動を発生させるタイミングを異ならせている。具体的には、2つのリニア振動アクチュエータ121R,121Lの1回目の誘発時間t1を残りのリニア振動アクチュエータ121Fの誘発時間t1よりも長くし、2回目以降の誘発時間t1の開始を遅らせている。
振動が発生している誘発時間t1の開始及び終了にずれがあることで、利用者はすべてのリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lが同時に振動を開始及び停止する場合と異なる間隔を得る。
図14に示す振動パターンV8では、振動発生機12のリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lのうち少なくとも1つ、この場合は2つのリニア振動アクチュエータ121R,121Lの錘の振動の位相を残りのリニア振動アクチュエータ121Fの振動の位相に対してずらしている。さらに、振動発生機12のリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lのうちの少なくとも1つ、この場合は、リニア振動アクチュエータ121Lの錘の振動の位相を残りのリニア振動アクチュエータ121Rの錘の振動の位相に逆転させている。
具体的には、前頭部HFに配置されるリニア振動アクチュエータ121Fの錘の振動の位相に対して、約1/4周波数分だけ、右側頭部HSrと後頭部HRの間に配置されるリニア振動アクチュエータ121R及び左側頭部HSlと後頭部HRの間に配置されるリニア振動アクチュエータ121Lの錘の振動の位相を遅らせている。さらに、リニア振動アクチュエータ121Rの錘の振動の位相をリニア振動アクチュエータ121Lの振動の位相に対して逆転させている。
この結果、振幅の最大値は、図14に示されるように、前頭部HFに配置されたリニア振動アクチュエータ121F、後頭部HRの右側に配置されたリニア振動アクチュエータ121R、後頭部HRの左側に配置されたリニア振動アクチュエータ121Lの順番に、つまり頭頂部HMの上方から見て右回りに現れるため、利用者は、全てのリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lが同期している場合、および、図13に示した振動パターンV7の場合とは異なる間隔を得る。
図15に示す振動パターンV9では、振動発生機の12のリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lのうちの少なくとも1つ、この場合は前頭部HFに配置されるリニア振動アクチュエータ121Fの錘の振幅を残りのリニア振動アクチュエータ121R,121Lの振動の振幅よりも大きくしている。その結果、利用者はより強い振動刺激を前頭部HFに体感することになる。
さらに、第1の実施形態において説明した図3から図7に示した振動パターンV1〜V5を個々のリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lに適用してもよい。例えば、個々のリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lに振動パターンV4又は振動パターンV5を採用するとともに、全体に振動パターンV7を採用して、少なくとも1つのリニア振動アクチュエータに皮膚反射を誘発しない周波数または振幅の振動を発生させる無効信号を供給している間、残りのリニア振動アクチュエータに誘発信号を供給する。または、個々のリニア振動アクチュエータ121F,121R,121Lに対して振動パターンV1〜V5のいずれかを採用するとともに、全体に対して振動パターンV6又は振動パターンV7を採用し、さらにその個々の誘発時間t1に振動パターンV8や振動パターンV9を組み合わせるなど、様々な組み合わせで実施可能である。
本発明に係る第4の実施形態の皮膚反射誘発装置1について、図16を参照して説明する。この実施形態の皮膚反射誘発装置1は、利用者の頭部Hに当接して頭皮に皮膚反射を誘発させる振動を伝達する伝達部材15として、図16に示す枕15Dの形態を有している。図16の(A)は利用者が就寝時に頭部Hの下に枕15Dを置いて使用する状態を示し、(B)は設置した枕を上から見下ろした状態を示す。振動発生機12のリニア振動アクチュエータ121は、振動が後頭部HRから骨伝導によって頭部H全体に伝播するように、枕15Dの中央部に少なくとも1つ、図16の(B)に示すように左右に寝返りを打った場合にも振動が加わるように、左右に少なくとも1つずつ配置される。リニア振動アクチュエータ121の個数は、枕15Dの大きさに合わせて適宜増やしてもよい。
発振器11、制御部13、バッテリ14及び操作部16は、使用の邪魔にならない左右どちらかの端部に配置される。本実施形態では図16の(B)に示す状態で右側に操作部16の表示部161及びボタン162が露出するように発振器11、制御部13、バッテリ14が内蔵される。また、振動発生機12と頭部Hとの間に位置して頭部Hに接触する伝達部材15の接触面151となる枕15Dの表面15D0には、利用者の頭部Hの形状に沿うように柔軟で滑らかなパッド15D1が設けられる。枕15Dの中身は、適度な硬さを有した粒状部材で、かつ、頭部Hの形状に合わせて整形した場合に互いの摩擦力でその形状をある程度保てるもの、例えば、おがくず、木チップ、コルクチップなどであってもよい。
以上のように構成された第4の実施形態の皮膚反射誘発装置1は、第1の実施形態に示したような振動パターンV1〜V9や、誘発時間t1、弛緩時間t2、運転時間t3、振動周波数、振動強度(振幅)などの値がそれぞれ設定された運転モードによって58〜65Hzの範囲内で一定の振動を発生することで、表面の接触面151に当接する利用者の頭部Hに振動を伝達し、さらに骨伝導で頭部Hの全体に振動が伝播されることによって、頭皮に皮膚反射を誘発させる。その結果、頭皮の毛母細胞や毛乳頭が活性化され、発毛が促進されることが期待される。
また、発毛促進のために頭皮に皮膚反射を誘発させる振動の周波数(58〜65Hz)は、睡眠効果を促進させる皮膚反射を誘発させる振動の周波数帯50〜70Hzに含まれている。したがって、第4の実施形態の皮膚反射誘発装置1は、一定の振動を発生させることで、頭皮の発毛を促進させるとともに睡眠をも促すことができる。毎日の就寝時にこの皮膚反射誘発装置1を使用することで、頭皮に対する皮膚反射が誘発され、早く眠りにつけるとともに、発毛が促進されることが期待される。
なお、振動の周波数を100〜120Hzの範囲内で一定の周波数にした振動を与えると、緊張性振動反射を誘発することが知られている。この「緊張性振動反射」とは皮膚を介して骨格筋の筋腹あるいは腱上に振動周波数100〜120Hzの振動刺激を与えるとその骨格筋が収縮し、振動刺激を続けると収縮が徐々に増強される反射反応である。また、緊張性振動反射を誘発させる振動を受けると、睡眠状態から覚醒されることが知られている。なお、振動誘発皮膚反射と同様に緊張性振動反射にも当然のように個人差があるため、各人の緊張性振動反射を引き起こす一定の周波数に対する至適周波数もそれぞれに存在する。
そこで、この第4の実施形態の皮膚反射誘発装置1に振動周波数100〜120Hzの範囲内で一定の周波数の振動をリニア振動アクチュエータ121に発生させる機能と、緊張性振動反射を誘発させる振動を発動させるまでの待機時間または発動させたい時刻を設定できるタイマの機能とをさらに備えることによって、起きたい時刻に覚醒されるようにすることができる。
本発明に係る第5の実施形態の皮膚反射誘発装置1について、図17から図21を参照して説明する。図17は、本実施形態の皮膚反射誘発装置1を頭部に装着して使用する状態を利用者の左後方から見た斜視図である。図18及び図19は、この皮膚反射誘発装置1に発生させることのできる振動パターンV10,V11を実行中のある瞬間の振幅の絶対値の大きさの分布を、皮膚反射誘発装置1に対応させて模式的に示している。また、図20及び図21は、この皮膚反射誘発装置1に適用される振動パターンの一例である、振動パターンV12,V13の一部を示している。図20では振幅の絶対値の変化を示し、図21では、振動の位相の差が分かるように時間軸を拡大して振動の振幅そのものを示している。
本実施形態において、皮膚反射誘発装置1は、図17に示すように伝達部材15としてスカルキャップ15Eを採用している。スカルキャップ15Eは、伝達部材15として利用者の頭蓋部(前頭部HF、頭頂部HM、後頭部HR、および側頭部HSr,HSl)を覆う硬質の外殻15E0と、利用者の頭蓋部の形状に合わせて作られる内壁パッド15E1を有している。皮膚反射誘発装置1の振動発生機12は、外殻15E0と内壁パッド15E1との間に、頭蓋部に対応する範囲の全体にわたって隙間なく配置された複数のリニア振動アクチュエータ121を有している。
発振器11、制御部13、バッテリ14は、後頭部HRから後頸部側へ延びた外殻15E0と内壁パッド15E1との間に配置される。十分な容積を確保するために、外殻15E0を後方へ隆起させてもよい。操作部16は、発振器11などが配置された後頭部HRの外殻15E0に表示部161及びボタン162を露出した状態に組み込まれる。利用者の頭部Hに当接して個々のリニア振動アクチュエータ121の振動を頭皮に伝達する内壁パッド15E1の接触面151が利用者の一人一人の頭部Hの外形にフィットするように、3Dスキャナで頭部Hの形状を読み取り、その形状を基に外殻15E0内面と個々のリニア振動アクチュエータ121との間に挿入するスペーサを3Dプリンタで造形するとよい。
制御部13は、複数のリニア振動アクチュエータ121を、それぞれ個別に、または、分割された複数の領域に各々対応する群ごとに、発時間t1、弛緩時間t2、振動の周波数、振幅、位相の少なくとも1つを設定できるように設けられている。例えば前頭部HFに対応する領域に配置されたリニア振動アクチュエータ121の群12GF、頭頂部HMに対応する領域に配置されたリニア振動アクチュエータ121の群12GM、後頭部HRに対応する領域に配置されたリニア振動アクチュエータ121の群12GR、左右の側頭部HSr,HSlに対応する領域にそれぞれ配置されたリニア振動アクチュエータ121の群12GSr,12GSlのそれぞれに対して、誘発時間t1、弛緩時間t2、周波数、振幅、位相を設定可能に設けられる。また、全領域のリニア振動アクチュエータ121の一つ一つの誘発時間t1、弛緩時間t2、周波数、振幅、位相を設定することもできる。さらに、いずれの場合も、運転時間t3(または誘発時間t1の繰返し回数)を設定できるようにしてもよい。制御部13は、いくつかの予め設定された標準運転プログラムを有しており、これらを利用者の好みに合わせて微調整して実行してもよい。カスタマイズされた標準運転プログラムは、内蔵するメモリや制御部13に接続される記憶媒体に保存され、必要に応じて読みだして利用される。
標準運転プログラムは、第1の実施形態で説明した図3から図7の振動パターンV1〜V5や、第3の実施形態で説明した図12から図15の振動パターンV6〜V9のほか、図18から図21に示す振動パターンV10〜V13を含んでおり、これらを単独であるいは複合的に実行するように構成されている。振動パターンV10〜V13の詳細については後述する。
さらに、第5の実施形態の皮膚反射誘発装置1は、図17に示すように制御部13にインターフェイスで接続される操作端末2を含むとともに、操作端末2と通信するために操作部16の周辺の外殻15E0に組み込まれている通信モジュール18を備える。本実施形態では、インターフェイスとして無線(赤外線や近距離無線を含む)接続される場合を例に説明する。ただしインターフェイスとして一般的なコネクタとジャックを設けて有線接続されてもよい。
図17に示す操作端末2は、伝達部材15に配置された複数のリニア振動アクチュエータ121の配置を平面に展開して示す二次元平面画像Gを少なくとも表示する画面21と、この画面21に表示された情報に対応して操作が可能な入力部22と、を備える。そして、操作端末2は、画面21に表示された二次元平面画像Gに対応する入力部22の部位に触れられることで、伝達部材15の対応する位置に配置されたリニア振動アクチュエータ121を選択し、振動パターンV1〜V13や、誘発時間t1、弛緩時間t2、運転時間t3、振動の周波数、振動の強度(振幅)などを設定できるほか、任意の振動パターンを実行中である場合には、選択したリニア振動アクチュエータ121を振動パターンによる誘発時間t1とは異なるタイミングで振動させたり、振幅の大きさを変化させたりする、優先的な指令信号を制御部13に送信する。
上記機能を備えるこの操作端末2は、専用のリモートコントローラであってもよいし、携帯電話やスマートフォン、無線通信機能を有したタブレット型端末やノートブック型ポータブルコンピュータあるいはデスクトップコンピュータであってもよい。図17の本実施形態では、スマートフォンを利用し、専用のアプリケーションである発毛促進アプリケーションをダウンロードして使用している一例を示している。この場合、入力部22は、タッチパネルとして、画面21に対して積層されているので、画面21に表示された情報の位置にそのまま触れることで、入力部22を操作できる。操作端末2がデスクトップコンピュータである場合、モニタに表示された情報や二次元平面画像Gに対してかマウスやタッチパッドでカーソルの位置を移動させて入力操作される。操作端末2は、無線通信機能によって無線接続される以外に、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)や他の規格のインターフェイスによる通信ケーブルによって伝達部材15であるスカルキャップ15Eに搭載された制御部13に接続されてもよい。
次に、操作端末2に格納された発毛促進アプリケーションの機能について説明する。この発毛促進アプリケーションは、本実施形態では操作端末2となるスマートフォンに格納され、皮膚反射誘発装置1の伝達部材15であるスカルキャップ15Eに搭載された制御部13に対してインターフェイスを介して通信を行う。つまり、発毛促進アプリケーションは、皮膚反射誘発装置1の電源が入っている状態で起動されることで、または、発毛促進アプリケーションが先に起動している場合は皮膚反射誘発装置1の電源が入れられたのち設定情報の取得操作をすることで、操作端末2の通信機能を利用して皮膚反射誘発装置1の制御部13と通信モジュール18を介して無線で通信し、現在の皮膚反射誘発装置1の設定情報等を取得する。そして、操作端末2とスカルキャップ15Eの間の通信が確立されると、制御部13は、スカルキャップ15Eに設けられた操作部16を無効化する。操作端末2と通信モジュール18の間の通信が一定の時間以上、途絶えると、制御部13は、操作部16の機能を回復させる。
この発毛促進アプリケーションは、通信状態にあるスカルキャップ15Eの複数のリニア振動アクチュエータ121の誘発時間t1、弛緩時間t2、振動の周波数、振幅、位相を制御するための指令信号(運転プログラム)を制御部13に提供する。さらにこの発毛促進アプリケーションは、制御部13が備えていない複数の振動パターンを実施する振動プログラムを含んでいてもよい。例えば、複数のリニア振動アクチュエータ121の誘発時間t1中の振幅を、個別に、または分割された複数の領域に対応するリニア振動アクチュエータ121の群(例えば、前頭部の群12GF,頭頂部の群12GM,後頭部の群12GR,左右の側頭部の群12GSr,12GSl)ごとに変化させるなど、複数の振動パターンを含む。
第5の実施形態の皮膚反射誘発装置1に適用される振動パターンのいくつかの例を図18から図21に示した振動パターンV10〜V13を用いて説明する。なお、これらの振動パターンV10〜V13は、第1の実施形態で説明した図3から図7の振動パターンV1〜V5や図12から図15の振動パターンV6〜V9と複合して実施されてもよい。
図18は、振動パターンV10で運転中の皮膚反射誘発装置1において、誘発時間t1の任意の瞬間における振幅の絶対値の大きさをスカルキャップ15Eの側面図と対応させて模式的に示している。この振動パターンV10では、誘発時間t1中の各リニア振動アクチュエータ121の振幅の大きさが周囲のリニア振動アクチュエータ121の振幅よりも大きくなる極大部VLを、前頭部HFから後頭部HRへ向けて(M1)、または、後頭部HRから前頭部HFへ向けて(M2)、あるいは、頭頂部HMから前頭部HF及び後頭部HRの両方へ向けて、それぞれ移動させるように、全てのリニア振動アクチュエータ121を制御して振幅の大きさを変化させる。極大部VLの代わりに振幅が小さくなる極小部VSを上述のように移動するように、各リニア振動アクチュエータ121の振幅の大きさを変化させる制御をしてもよい。
図19は、振動パターンV11で運転中の皮膚反射誘発装置1において、誘発時間t1の任意の瞬間における振幅の絶対値の大きさをスカルキャップ15Eの平面図と対応させて模式的に示している。この振動パターンV11では、誘発時間t1中の各リニア振動アクチュエータ121の振幅の大きさが周囲のリニア振動アクチュエータ121の振幅よりも大きくなる極大部VLを、頭頂部HMを上から見て右回り(M3)、または、頭頂部HMを上から見て左回り(M4)に移動させるように、全てのリニア振動アクチュエータ121を制御して振幅の大きさを変化させる。
図20は、スカルキャップ15Eのリニア振動アクチュエータ121を図17に示した群12GF,12GM,12GR,12GSr,12GSlごとに異なる振動を出力するように設定された振動パターンV12を示す。図20では、各群のリニア振動アクチュエータ121の振幅の絶対値の変化を示している。この振動パターンV12では、全ての群のリニア振動アクチュエータ121に対して、同じ周期で誘発時間t1及び弛緩時間t2を繰り返すように制御される。
このとき、図20に示すように、前頭部HFの群12GF、頭頂部HMの群12GM、後頭部HRの群12GRのリニア振動アクチュエータ121は、1回の誘発時間t1の間に、皮膚反射を誘発する振幅W1を維持しつつ、これよりも振幅を大きくして振動刺激を強めたピークPを、前頭部12GFの群12GFから頭頂部HMの群12GMへ、さらに後頭部HRの群12GRへ移行させるように、制御される。また、左右の側頭部HSr,HSlの群12GSr,12GSlのリニア振動アクチュエータ121は、弛緩時間t2中に無効信号が供給され、側頭部HSr,HSlに皮膚反射を誘発しない振動Nが与えられる。無効信号によって提供される振動Nは、皮膚反射を誘発しない周波数または振幅の振動であればよい。
図21は、スカルキャップ15Eのリニア振動アクチュエータ121を図17に示した群12GF,12GM,12GR,12GSr,12GSlごとに異なる振動を出力するように設定された振動パターンV13を示す。この振動パターンV13では、1回の誘発時間t1中のリニア振動アクチュエータ121の錘の振動の位相を群12GF,12GM,12GR,12GSr,12GSlごとに異ならせている。
具体的には、前頭部HFの群12GF、頭頂部HMの群12GM、後頭部HRの群12GRのリニア振動アクチュエータ121の錘の振動の位相を前頭部HFから後頭部HRへ約1/3周波数ずつ遅らせるとともに、右側頭部HSrの群12GSrのリニア振動アクチュエータ121の錘の振動の位相に対して、左側頭部HSlの群12GSlのリニア振動アクチュエータ121の錘の振動の位相を逆転させている。
以上のように、図18から図21の振動パターンV10〜V13をスカルキャップ15Eの制御部13に提供し、リニア振動アクチュエータ121を制御することで、異なる振動を体感することができるとともに、体感の違いによる異なる効果も得られる。例えば、これらの振動パターンV10〜V12を図3から図7に示す基本的な振動パターンV1〜V5と組み合わせた運転プログラムにすることによって、振動の強さを感じる位置が移動することによるマッサージ的効果を加えることができる。
また、各リニア振動アクチュエータ121が誘発時間t1の間に発生させる振動の周波数は、58〜65Hzの範囲内の一定の周波数である。図21のように各12GF,12GM,12GR,12GSr,12GSl群の位相を異ならせた振動パターンV13でリニア振動アクチュエータ121を制御するだけでなく、他の振動パターンV10〜V12に振動パターンV13を組み合わせてもよい。つまり、振動強度の強い振幅の極大部VLや振動強度の弱い振幅の極小部VSの位置を移動させるようにリニア振動アクチュエータ121の振動を変化させる代わりに、振動の位相を逆位相に変えた部位や周囲との位相を早めるまたは遅らせた部位を移動させるようにリニア振動アクチュエータ121の振動を変化させるように制御してもよい。同じ振動強度の刺激を受けていても、異なる体感を得ることができる。
以上、本発明の皮膚反射誘発装置及び発毛促進アプリケーションについて、いくつかの実施形態を説明した。これらの実施形態は、発明をわかりやすくするために一例を示したに過ぎない。したがって、これらの実施形態に発明を限定することを意図したものではない。本発明は、他の様々な形で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更をすることが可能である。上述の各実施形態及びその変形例は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に対しそれらの均等の範囲を含むものである。
また、上述の各実施形態で示した構成及び機能は、他の実施形態においても流用することができる。例えば、第5の実施形態に示した操作端末2及びそれと皮膚反射誘発装置1との間の無線通信による制御や、既存の通信端末によって皮膚反射誘発装置1を制御駆動させる発毛促進アプリケーションなどを第1から第4の実施形態の皮膚反射誘導装置1に適用することも可能である。
1…皮膚反射誘発装置、11…発振器、12…振動発生機、121…リニア振動アクチュエータ、12GF…(前頭部の)群、12GM…(頭頂部の)群、12GR…(後頭部の)群、12GSr…(右側頭部の)群、12GSl…(左側頭部の)群、13…制御部、15…伝達部材、15A…ハーネス(伝達部材)、15B…キャップ(伝達部材)、15C…異形キャップ(伝達部材)、15D…枕(伝達部材)、15E…スカルキャップ(伝達部材)、16…操作部、2…操作端末、21…画面、22…入力部、t1…誘発時間、t2…弛緩時間、t3…運転時間、V1〜V13…振動パターン。

Claims (7)

  1. 設定された周波数及び振幅の信号を発生させる発振器と、
    前記発振器から出力される前記信号に基づいて錘を一方向に振動させるとともに振動の周波数を維持しながら振幅の大きさを変化させることのできる少なくとも1つのリニア振動アクチュエータを含む振動発生機と、
    皮膚反射を誘発させる周波数及び振幅の誘発信号を前記発振器から前記振動発生機に供給する誘発時間及び前記誘発信号を前記振動発生機に供給しない弛緩時間を交互に繰り返して設定できる制御部と、
    少なくとも前記振動発生機を搭載し、利用者の頭部に当接して前記振動を頭皮に伝播することで前記頭皮に皮膚反射を誘発させる伝達部材と、
    を備え、
    前記制御部は、前記誘発時間よりも前記弛緩時間を短く設定することを特徴とする皮膚反射誘発装置。
  2. 前記制御部は、前記誘発時間が始まると一定の周波数を維持しながら振幅を予め設定された大きさまで徐々に増大させ、前記誘発時間が終了すると瞬時に誘発信号を止めることを特徴とする請求項1に記載の皮膚反射誘発装置。
  3. 前記制御部は、前記誘発時間が始まると一定の周波数を維持しながら振幅を予め設定された大きさまで徐々に増大させ、前記誘発時間が終了すると誘発信号の止まった状態まで徐々に振幅を減衰させることを特徴とする請求項1に記載の皮膚反射誘発装置。
  4. 前記制御部は、前記弛緩時間に皮膚反射を誘発しない周波数または振幅の振動を発生させる無効信号を前記振動発生機に供給することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の皮膚反射誘発装置。
  5. 前記振動発生機は、前記錘の振動方向を前記頭皮に垂直にして前記リニア振動アクチュエータを配置することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の皮膚反射誘発装置。
  6. 前記振動発生機は、前記錘の振動方向を前記頭皮に平行にして前記リニア振動アクチュエータを配置することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の皮膚反射誘発装置。
  7. 前記振動発生機は、前記錘の振動方向を揃えて配置される複数のリニア振動アクチュエータを含み、
    前記制御部は、全ての前記リニア振動アクチュエータの前記錘の振動の位相を同期させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の皮膚反射誘発装置。
JP2014076319A 2014-04-02 2014-04-02 皮膚反射促進装置 Active JP6692594B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014076319A JP6692594B2 (ja) 2014-04-02 2014-04-02 皮膚反射促進装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014076319A JP6692594B2 (ja) 2014-04-02 2014-04-02 皮膚反射促進装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015196006A JP2015196006A (ja) 2015-11-09
JP6692594B2 true JP6692594B2 (ja) 2020-05-13

Family

ID=54546112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014076319A Active JP6692594B2 (ja) 2014-04-02 2014-04-02 皮膚反射促進装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6692594B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101713579B1 (ko) * 2015-12-22 2017-03-09 (주)아모레퍼시픽 피부의 리프팅 기능을 갖는 마사지기
CN106422019A (zh) * 2016-08-15 2017-02-22 赵矗 一种折叠式可穿戴的智能头箍装置
TWI627949B (zh) * 2016-09-02 2018-07-01 何君毅 可調頻的低周波生理調整系統
JP6364577B1 (ja) * 2017-12-18 2018-07-25 雄介 安本 発毛促進マッサージ器
AU2019309213A1 (en) * 2018-04-25 2020-12-03 Jean Philippe GIACOMINI Stimulation device and method of use
US20220088345A1 (en) * 2020-09-20 2022-03-24 Apex Neuro Holdings, Inc. Devices and methods for using mechanical affective touch therapy to reduce stress, anxiety and depression

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0538753Y2 (ja) * 1984-10-20 1993-09-30
JPH0994276A (ja) * 1995-10-02 1997-04-08 Tdk Corp 振動押圧マッサージ器
JP2000262578A (ja) * 1999-03-12 2000-09-26 Tadahiro Okura 椅子形マッサージ機
JP2007044406A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Sanyo Electric Co Ltd マッサージ機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015196006A (ja) 2015-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6692594B2 (ja) 皮膚反射促進装置
US20210393478A1 (en) Hand-attached controlled eccentric vibration device
CN109414369B (zh) 刺激装置
KR20200143584A (ko) 피부미용 마스크
US7153283B1 (en) Massage helmet
US20090177129A1 (en) Wrist massager
US20140350441A1 (en) Vibratory neural stimulation
KR20140038165A (ko) 다기능 미용기
KR100974531B1 (ko) 초음파를 이용한 안면 마사지용 마스크
KR20160140176A (ko) 음향 압력을 이용하는 다용도 안마기
KR101569850B1 (ko) 형상기억합금을 이용한 물리적 지압 마사지 장치
KR20100002567A (ko) 기능성 마사지기
JP7258865B2 (ja) ハンドアタッチト制御パルス振動装置
JP2013520221A (ja) 顔マッサージ器
CN206660096U (zh) 一种背带按摩器
KR200426924Y1 (ko) 헬멧형태의 레이저조합자극 탈모치료기
JP2002000685A (ja) 首・肩マッサージャ
KR200185058Y1 (ko) 안면 마사지기
US11666505B2 (en) Method for inducing a meditative state
KR102202370B1 (ko) 음악 반응형 마사지 헤드셋
KR200279590Y1 (ko) 초음파 및 온열기능을 이용한 마사지 마스크
KR200247169Y1 (ko) 건강 벨트
KR20040042977A (ko) 귀맛사지기
JP7148195B1 (ja) 刺激システム
KR200327533Y1 (ko) 안면 마사지기

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180402

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181107

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20181115

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20181214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6692594

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250