JP6691727B2 - 受信信号分析に基づく受動的自動アンテナチューニング - Google Patents

受信信号分析に基づく受動的自動アンテナチューニング Download PDF

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Description

本発明は、一般的に無線受信機および送受信機に関し、特に自動アンテナチューニングに関するものである。
多くの無線機器が小さな空間に制限され、したがって電気的に小型のアンテナ(ESA)を使用する。ESAは自由空間波長λに比較して小さな物理的寸法を有する。つの例示的定義では、アンテナが半径λ/2πの球面の中に納まることができる場合、そのアンテナを電気的に小型と見做す。
電気的に小型のアンテナは、例えば、Wheeler著「小型アンテナの基本的限界」、IRE会議論文集、第35巻、第12号、1947年12月、第1479−1484頁(非特許文献1);Wheeler著「小型アンテナの周りのラジアン球」、IRE会議論文集、第47巻、第8号、1959年8月、1325−1331頁(非特許文献2);およびMcLean著「電気的小型アンテナの放射Qに関する基本的限界の再検討」、IEEEアンテナと伝搬に関する会議の論文集、第44巻、第5号、1996年5月、第672−675頁(非特許文献3)に記載され、それらはすべて本明細書中に参照として採り入れられる。
Wheeler著「小型アンテナの基本的限界」、IRE会議論文集、第35巻、第12号、1947年12月、第1479−1484頁 Wheeler著「小型アンテナの周りのラジアン球」、IRE会議論文集、第47巻、第8号、1959年8月、1325−1351頁 McLean著「電気的小型アンテナの放射Qに関する基本的限界の再検討」、IEEEアンテナと伝搬に関する会議の論文集、第44巻、第5号、1996年5月、第672−675頁
本明細書に記載される本発明の1つの実施形態は、遠隔地の送信機から、チューニング可能な要素を含む電気的にチューニング可能なアンテナを介して信号を受信するステップを含む方法を提供する。電気的にチューニング可能なアンテナの応答に適用される調整は、受信された信号を分析することにより計算される。
電気的にチューニング可能なアンテナの応答は、計算された調整に応答してチューニング可能な要素を制御することにより適合される。
いくつかの実施形態では、調整を計算するステップと応答を適合させるステップは、受信された信号のレベルを最大にすることを目指す繰り返しチューニングプロセスを実行するステップを有する。1つの実施形態では、受信された信号は既知の信号要素を含み、調整を計算するステップは、既知の信号要素の計測された受信レベルから調整を得るステップを有する。
1つの開示された実施形態では、調整を計算するステップは、1つの周波数領域に亘って周波数の関数としての応答の勾配を計算するステップと、そして計算された勾配から調整を得るステップと、を有する。他の1つの実施形態では、調整を計算するステップは、周波数の関数としての応答の勾配の変化を、チューニング可能な要素の少なくとも第1の設定と第2の設定の間で計算するステップと、そして勾配の計算された変化から調整を得るステップと、を有する。
いくつかの実施形態では、調整を計算するステップは、チューニング可能な要素の少なくとも第1の設定と第2の設定のそれぞれの受信された信号レベルを測定するステップと、そして受信された信号レベルを比較することにより調整を得るステップと、を有する。1つの事例的実施形態では、受信された信号レベルを測定するステップは、第1の設定の第1の測定を実行するステップと、そして第1の測定の前および後に第2の設定の第2の測定を実行するステップと、を有し、そして受信された信号レベルを比較するステップは、第1の測定を第2の測定の組み合わせと比較するステップを有する。
別の1つの実施形態では、調整を計算するステップは、受信された信号の単一のシンボルの間に、チューニング可能な要素の2つまたはそれ以上の異なる設定を評価するステップを有する。さらに別の1つの実施形態では、信号を受信するステップは、一連の通信時間フレームを受信するステップを有し、そして応答を適合させるステップは、時間フレームの間の境界においてチューニング可能な要素を制御するステップを有する。
また別の1つの実施形態では、信号を受信するステップは、間欠的受信モードで信号を受信する受信機を操作するステップを有し、そして方法は、既定の起動基準への適合に応答して、調整を計算するために受信機を起動するステップを有する。1つの開示された実施形態では、受信された信号は第1の基地局から第1の周波数で送信され、そして調整を計算するステップは、第2の基地局から第2の周波数で送信された後続の信号を受信する時に、チューニング可能な要素の使用されるべき設定を予測するステップを有する。1つの実施形態では、適合された応答に基づいて、信号送信に使用されるべきアンテナチューニング設定を計算するステップを有する。
本発明の1つの実施形態は、さらに装置であって、電気的にチューニング可能なアンテナと、受信機と、そして制御回路とを有する装置が提供される。電気的にチューニング可能なアンテナはチューニング可能な要素を含む。受信機は、遠隔地の送信機から、電気的にチューニング可能なアンテナを介して信号を受信するように構成される。制御回路は、電気的にチューニング可能なアンテナの応答に適用される調整を、受信された信号を分析することにより計算し、そして計算された調整に応答して、チューニング可能な要素を制御することにより、電気的にチューニング可能なアンテナの応答を適合させるように構成される。
本発明は実施形態の詳細な説明と以下の図面により、より十分に理解されよう:
本発明の実施形態による、適応型にチューニング可能なアンテナを有する無線通信機器を概略示すブロック図である。 本発明の1つの実施形態による、電気的に小型のアンテナの効率性を示すグラフである。 図5は、本発明の1つの実施形態による、電気的に小型のアンテナのインピーダンスチューニングと開口チューニングを概略示すブロック図である。図6は、本発明の1つの実施形態による、直行周波数分割多重化(OFDM)信号のアンテナのチューニングへの使用を示す図である。 周波数の関数としての計算されたアンテナ効率の勾配に基づくアンテナのチューニングを概略示すグラフである。
(概論)
本明細書で記載される本発明の実施形態は、無線通信機器におけるアンテナの適応型チューニングのための改善された技術を提供する。本明細書に記載された実施形態は、主に狭帯域であり、適応型チューニングから大幅に利益を得ることができる、適応型チューニング可能な電気的に小型のアンテナ(ESA)を主に記載しているが、開示された技術は他の適切なタイプのアンテナに適用可能である。
いくつかの実施形態では、無線機器は、信号受信のために、場合によっては送信のためにも使用される少なくとも1つの適応型チューニング可能なアンテナを備える。おそらく送受信機の一部である受信機は、アンテナを介して遠隔送信機から受信される信号を処理する。制御ユニットは、受信信号を分析し、解析された受信信号に応答してアンテナをチューニングする。チューニングは、後述するように、インピーダンスチューニング、開口チューニング、および/または他の適切なチューニング方法を含むことができる。
開示されたチューニング方式は、信号発信を使用しないまたは必要としないという点で、完全に受動的である。この特性は、例えば、電圧定在波比(VSWR)測定に基づくチューニング方式とは対照的である。しかしながら、いくつかの実施形態では、開示された技術は、アクティブな、例えば、VSWRベースのチューニング方式と組み合わせて使用することができる。
受信信号に基づくアンテナチューニングには、多くの重要な利点がある。多くの場合、送信号は全く存在しないか、少なくとも長時間にわたって存在しない。例えば、一部の無線機器は、送信に全く使用されない受信専用アンテナを使用する。他の場合には、アンテナは送信のためにときどき使用されるが、信号が送信されない長い時間がある(例えば、ほんの数例を挙げると、機器がアイドル状態のとき、長いページングサイクルの間、システム情報の取得中、ダウンリンク信号の測定中)。
さらに他の場合では、送信号に基づいてアンテナをチューニングすることは、受信性能にとって最適ではなく、時には不適切であることもある。例えば、いくつかの通信プロトコルでは、異なる周波数で送受信が行われるため、アンテナを送信周波数でチューニングさせても、許容できる受信性能が保証されない。受信信号に基づいてアンテナをチューニングすることは、実際の受信周波数に対し、そして実際の受信信号を使用して受信性能を最大にすることを目指すという意味で最適である。さらに、受信ベースのチューニングは、通常、アンテナの性能を最適化し、そして可能な最も強い受信信号を保証するが、一方電圧定在波比(VSWR)ベースのチューニングは、典型的には最小の反射信号電力に収束し、そしてアンテナ自体の中に放散されるエネルギーを厳密に制御することはできない。
典型的には、無線機器内の制御ユニットは、ボディ効果(body effect)のような時間と共に変化する影響を追跡し、補償するために、開示されたチューニング方式を連続的かつ高速で実行する。速かつ連続的なチューニングはまた、受信信号が高速チャネルフェージングの影響を受けやすいため重要である。
いくつかの実施形態では、チューニング方式は、アンテナの周波数応答(例えば、アンテナ共鳴周波数)を実際の受信周波数の中心になるようにすることを目指す。1つの実施形態では、制御ユニットは、アンテナ応答の勾配を周波数の関数として計算し、または1つのチューニング設定から別のチューニング設定への勾配の変化を計算する。計算された勾配は、周波数応答をどのように適応させるか、例えば、アンテナ中心周波数を増加させるか、減少させるか、およびどれたけの数値だけ増減させるかを決定するために使用される。異なる周波数ビンにおける基準信号(RS)を分析することによって勾配を計算する例示的な方法を詳細に説明する。
(適応型チューニング可能な電気的に小型のアンテナを有する無線機器)
いくつかの実施形態では、開示される無線通信機器は、送信および/または受信に使用される1つまたは複数の電気的に小型のアンテナ(ESA)を備える。本特許出願および特許請求の範囲の文脈において、用語「ESA」は、その体積が半径λ/2πの球面に閉じ込められたアンテナを指し、λはアンテナによって送信または受信される信号の自由空間波長を示す。
ESAは本質的に狭帯域であり、その帯域幅は通常、物理的な寸法とともに減少する。多くの無線通信アプリケーションでは、ESAの瞬時帯域幅(例えば、中心周波数の6%以下)は、送信帯域と受信帯域のエンドツーエンド帯域幅(時には中心周波数の約5−25%)よりもかなり狭い。
広帯域無線通信アプリケーションにおいて狭帯域ESAを使用するために、開示された実施形態における無線機器のESAは適応型チューニングが可能である。1つの実施形態では、機器は、信号送信または受信に実際に使用される特定の狭帯域周波数スライスにESAの周波数応答を適応型チューニングする制御ユニットをさらに備える。このような適応型チューニング可能なESAを使用する場合、ESAの瞬時帯域幅は、送信または受信信号の瞬時帯域幅(通常は20MHz以下)に一致することだけが必要とされる。
本特許出願および特許請求の範囲の文脈において、「適応型チューニング可能なアンテナ」という用語は、製造中のチューニングとは対照的に、機器の動作中に周波数応答をチューニングすることができるアンテナを指す。アンテナ応答は、場合によっては変化する条件および環境下で、望の動作周波数スライスまたはサブ帯域に適合するように適応型チューニングすることができる。適応型チューニング可能なアンテナ内のチューニング可能な素子は、アンテナの物理的な放射素子および/または関連する回路を含むか、またはそれに結合されてもよい。アンテナは、例えば、開口チューニング機構、インピーダンス整合ネットワーク、および/または1つまたは複数のアンテナ素子を適応型に接続または切断する機構などの、任意の適切なチューニング機構を備えることができる。チューニング方式は、所望の周波数スライスにチューニングすると共に、アンテナ性能を劣化させ、又はボディ効果のようなアンテナ発振周波数をシフトさせる、様々な影響を補償するために使用することができる。
適応型チューニング可能なESAを備えた無線機器の様々な構成例が本明細書に記載されている。1つの実施形態では、機器は、両方とも適応型チューニング可能な、送信/受信(TX/RX)アンテナおよび受信専用(RX)アンテナを備える。RXアンテナは所望のRXサブ帯域にチューニングされ、TX/RXアンテナは所望のTXサブ帯域にチューニングされる。受信時には、主アンテナであるRX専用アンテナとダイバーシティアンテナであるTX/RXアンテナとでダイバーシティ受信を行う。TX/RXアンテナはTXサブ帯域にチューニングされるので、RXサブ帯域におけるその利得および効率は劣化する。しかし、この劣化は、ダイバーシティアンテナとして機能する場合は許容される。
別の実施形態では、機器は、送信および受信の両方に使用される単一の適応型チューニング可能なESAのみを備える。例えば、周波数分割複信(FDD)を使用する場合、このTX/RXアンテナは、送信および受信性能のバランスをとるようにチューニングされてもよい。あるいは、時分割複信(TDD)または半二重周波数分割複信(HFDDまたはHD−FDD)を使用する場合、制御ユニットは、必要に応じてTXサブ帯域およびRXサブ帯域にアンテナを交互にチューニングさせてもよい。
いくつかの追加の機器構成が本明細書に記載されている。SAをチューニングするために御ユニットにより使用できる、様々なチューニング方式およびにメトリックについても説明する。
本明細書に記載の方法および機器は、所与のアンテナ体積に対する改善された性能、または所定の性能レベルに対するより小さな体積を有する、物理的に小型のアンテナの使用を、広帯域無線アプリケーションにおいて可能にする。開示された技術は、任意の適切な無線機器に適用することができ、そして携帯電話および、スマートウォッチや眼鏡のようなウェアラブル機器、のような小型機器において特に魅力的である。
(システムの記述)
図1は、本発明の1つの実施形態による、無線通信機器20を概略的に示すブロック図である。機器20は、例えば、携帯電話、スマートフォン、スマートウォッチまたはスマート・グラスのようなスマート・ウェアラブル機器、IoT(Internet−of−Things)アプリケーションで使用される機器、または他の任意の適切な無線機器を含むことができる。
機器20は、任意の適切な無線ネットワークを介して、任意の適切な通信プロトコルまたは無線インタフェースに従って通信することができる。例示的なプロトコルは、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、ロングタームエボリューション(LTE)およびLTEアドバンスド(LTE−A)のような携帯電話プロトコル、または様々なIEEE802.11などの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)プロトコルを含む。あるいは、任意の他の適切なプロトコルを使用することができる。機器20は、任意の適切な送信(TX)および受信(RX)帯域を使用し、そして任意の適切な多重アクセス方式、例えば、周波数分割複信(FDD)、時分割複信(TDD)または半二重FDD(HFDD)などを使用して、動作してもよい。
本明細書で説明する実施形態は、無線通信機器について記載しているが、開示された技術は、GPSおよびGLONASSのような位置基準に従って動作するナビゲーション受信機のような他の種類の送受信機または受信機でも使用することができる。
この事例では、機器20は、機器の基底帯域処理機能を実行する基底帯域モデム24と、無線周波数(RF)送信および受信を実行する無線送受信機(トランシーバ)28とを備える。機器20は、2つのESA、すなわち、TX/RXアンテナ33およびRX専用アンテナ37を備える。アンテナ33および37は、例えば、逆F型アンテナ(IFA)、平面逆F型アンテナ(PIFA)、ミアンダラインアンテナ、または他の適切なタイプのアンテナのような、適切なタイプのESAであってよい。
送信時に、基底帯域モデム24は、適用可能な通信プロトコルに従って変調された基底帯域または低中間周波数(IF)信号を生成する。無線送受信機28は、信号を無線周波数(RF)に上方変換し、適切な送信(TX)帯域のある周波数スライスで送信(TX)信号を出力する。パワーアンプ(PA)40は送信(TX)信号を増幅し、デュプレクサ44は増幅された信号をフィルタリングする。信号は、その後順方向および逆方向の電力レベルを感知する、方向性カプラ48を通過する。カプラに続いて、信号はチューニング可能なマッチングネットワーク(MN)34を通過し、そして最終的にアンテナ33を介して送信される。
受信時には、TX/RXアンテナ33とRXアンテナ37の両方によって、遠隔送信機(例えば、基地局)からのRX信号が受信される.TX/RXアンテナ33の受信チェーンでは、RX信号は、マッチングネットワーク(MN)34および方向性カプラ48を通過する。その後、RX信号は、デュプレクサ44によってフィルタリングされ、無線送受信機28に供給される。無線送受信機28は、例えば、基底帯域またはある中間周波数(IF)にRX信号を下方変換し、さらなる処理および復号化のために基底帯域モデム24に下方変換された信号を送る。
RXアンテナ37の受信チェーンにおいて、RX信号は、チューニング可能なマッチングネットワーク(MN)38を通過し、受信フィルタ52によってフィルタリングされる。フィルタリングされた信号は、無線送受信機28に供給され、無線送受信機28はその信号を下方変換し、処理および復号のために基底帯域モデム24に下方変換された信号を送る。
図1の実施形態では、基底帯域モデム24は、様々な制御および管理機能を実行する制御ユニット56を備える。他のタスクの中で、制御ユニット56は、マッチングネットワーク(MN)34および38をチューニングし、方向性カプラ48を使用して順方向および逆方向電力レベルを読み取る。これらのタスクは、以下で詳細に説明するように、チューニング可能なTX/RXアンテナおよびRX専用アンテナをチューニングする際に使用される。本実施形態の文脈では、アンテナ33およびマッチングネットワーク(MN)34は、一体として適応型チューニング可能なTX/RXアンテナ32と見做される。同様に、アンテナ37およびマッチングネットワーク(MN)38は、一体として適応型チューニング可能なRXアンテナ36と見做される。
典型的な実施形態では、アンテナチューニングに使用される信号測定は、無線送受信機28によって実行され、制御ユニット56に提供される。制御機能、例えば測定に基づいてアンテナをチューニングするなどの機能は、基底帯域モデム24内の制御ユニット56によって実行される。本特許出願および特許請求の範囲において、制御ユニット56および信号測定を実行する無線送受信機28内の回路は、まとめて「制御回路」と呼ばれる。この実施形態では、「制御ユニット56が信号を測定する」などの表現は、無線送受信機28が制御ユニット56の制御下で信号を測定することを意味する。代替の実施形態では、制御回路の機能性は、任意の所望の方法で基底帯域モデムと無線送受信機との間で分割されてもよいし、または独占的に基底帯域モデムでのみ、または無線送受信機でのみ実行されてもよい。
図2は、本発明の代替の実施形態による、無線通信機器58を概略的に示すブロック図である。図1の無線通信機器20とは異なり、機器58は、単一のアンテナ、適応型チューニング可能なTX/RX電気的小型アンテナ(ESA)32のみを備える。
図3は、本発明のさらに別の実施形態による、無線通信機器を概略的に示すブロック図である。この実装は、例えば、時分割複信(TDD)および半二重FDD(HFDD)のような送信及び受信が同時に行われないアプリケーションに適している。
図3の実施形態では、デュプレクサ44は、送信−受信(T−R)切替スイッチ57、および選択肢としての受信フィルタ(RXF)52および送信フィルタ(TXF)58によって置換されている。オプションの追加フィルタ(図示せず)が無線送受信機28とパワーアンプ(PA)40の間に挿入されてもよい。
図1−図3に示される無線機器の構成、およびそれらの様々な要素は、純粋に概念の明確化のために選択された構成例である。代替の実施形態では、任意の他の適切な構成を使用することができる。例えば、無線機器は、任意の他の適切な数のTX/RXアンテナおよび他の適切な数のRX専用アンテナを含むことができ、そのうちの1つまたは複数のアンテナは適応型チューニング可能である。別の例として、制御ユニット56は、無線送受信機28ではなく、むしろ基底帯域モデム24内に実装され、または無線機器またはそのホストシステムの任意の他の適切なユニット内に実装されてもよい。
図1−図3の種々の無線機器の異なる要素は、適切なハードウェア、例えば、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)および/または無線集積回路(RFIC)を使用して、ソフトウェアを使用して、またはハードウェアとソフトウェアの要素の組み合わせを使用して、実装されてもよい。
いくつかの実施形態では、制御ユニット56は、本明細書で記載される機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされる汎用プロセッサを備える。ソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形式でプロセッサにダウンロードすることができ、あるいは、磁気的、光学的、または電子的メモリなどの非一過性有形媒体に提供および/または格納されてもよい。
(適応型チューニング可能な電気的小型アンテナの使用)
上述したように、電気的に小型のアンテナ(ESA)は特徴的に狭帯域であり、この特性は、その有用性および達成可能な性能を制限する。例えば、送信及び受信がガード帯域によって分離された異なるTX帯域及びRX帯域で実行される典型的な周波数分割複信(FDD)アプリケーションを考える。
図4A及び図4Bは、本発明の1つの実施形態による、電気的に小型のアンテナの効率を示すグラフである。図4Aは、従来の可能な解決法の性能を示している。図4Bは、本発明の1つの実施形態による、上記図1の適応型チューニング可能なESA32および36の性能を示す。
両方の図は、受信(RX)帯域が791−821MHzの間にあり、送信(TX)帯域が832−862MHzの間にあるFDDアプリケーションに関している。RX帯域とTX帯域は、11MHz幅のガード帯域によって分離されている。これらの帯域内で、無線機器は、RXスライス68で10MHz幅のRX信号を受信し、TXスライス72で10MHz幅のTX信号を送信する。RX帯域は、「1」、「2」および「3」と記された3つの可能な10MHz幅の受信スライスを有し、TX帯域は、「1」、「2」および「3」と記された3つの対応する10MHz幅の送信スライスを有する。この例では、アクティブチャネルはスライス「3」であり、これは図で網掛けされている。上記の周波数および帯域幅は、純粋に事例として与えられ、そして他の任意の周波数および帯域幅を代替実施形態において使用することができる。
図4Aの従来の可能な解決法では、破線の曲線60はTX/RXアンテナの効率を示し、実線の曲線64はRXアンテナの効率を示す。TX/RXアンテナは、ガード帯域における最大効率のためにチューニングされ(曲線60参照)、それによりアンテナの瞬時帯域幅はRX帯域とTX帯域を同時にカバーする。RXアンテナ(曲線64参照)は、その瞬時帯域幅がRX帯域全体をカバーするようにチューニングされる。図からわかるように、このチューニング方式は、両方の帯域における両方のアンテナの効率が悪いという犠牲を払う。
図4Bでは、点線の曲線76は本発明の1つの実施形態による、適応型チューニング可能なTX/RXアンテナ32の効率を示し、実線の曲線80は適応型チューニング可能なRXアンテナ36の効率を示す。適応型チューニング可能なTX/RXアンテナ32は、30MHz幅のTX帯域全体にわたって、またはTXおよびRXの両方にわたってではなく、むしろ、この特定の時点でTX信号を送信するために使用される実際の10MHz幅のスライス72にわたって最大の効率を得るようにチューニングされる。適応型チューニング可能なRXアンテナ36は、30MHz幅のRX帯域全体にわたってではなく、むしろ、この特定の時点でRX信号を受信するために使用される実際の10MHz幅のスライス68にわたって最大の効率を得るようにチューニングされる。
開示された技術によって達成される性能の改善は、図4Aおよび4Bの対応する効率曲線を比較することによって理解することができる。この特定の事例では、TX/RXアンテナ32は、スライス72において、従来の解決策の22―25%の効率に対して、約40−45%の効率を有する。RXアンテナ36は、スライス68において、従来の解決策の34−35%の効率に対して、約40−42%の効率を有する。
TX/RXアンテナ32は、受信にも使用されているが、その効率はRX帯域68において約15%に低下することに留意すべきである。しかしながら、実際には、機器が複数のアンテナを使用して受信するように構成されている場合、そのうちの1つでは受信性能の低下が許容される。
例えば、いくつかの実施形態では、図1の機器20は、ダイバーシティ受信を行い、RXアンテナ36は1次または主アンテナとして機能し、TX/RXアンテナ32はダイバーシティまたは2次アンテナとして機能する。このような構成では、アンテナ32の劣化した効率は、2次アンテナとして機能するので、許容することができる。基底帯域モデム24は、典型的には、どの役割がどのアンテナによって果たされているか(アンテナ36が主アンテナとして機能し、アンテナ32が2次アンテナとして機能する)を認識し、それに応じて様々な受信手順を実行する。機器試験の間、単一のRXアンテナが必要とされる場合、機器20はアンテナ36を単一のアンテナとして選択する。
要するに、使用される実際のTXおよびRXスライスにアンテナ32および36を適応型にチューニングすることによって、アンテナを狭帯域幅に、したがって高効率に最適化することが可能になる。いくつかの実施形態では、適応型チューニング可能なESAの瞬時帯域幅は、帯域全体の帯域幅ではなく、信号の瞬時帯域幅(例えば、20MHzのLTEシステムでは20MHz)と一致しなければならない。
他の実施形態では、適応型チューニング可能なESAは、一般に狭帯域であるが、必ずしも信号と同じほど狭帯域である必要はない。例えば、FDDまたはHFDDアプリケーションでは、適用可能な帯域(TXまたはRX)とガード帯域を足したものより狭いアンテナ帯域幅は狭帯域とみなされる。TDDアプリケーションでは、適用可能な帯域(TXまたはRX)よりも狭い任意のアンテナ帯域幅が狭帯域とみなされる。
本開示の文脈において、信号帯域幅およびアンテナ帯域幅は、典型的に3dB帯域幅として測定される。しかしながら、代わりに、任意の他の適切な慣例を使用することができる。
(アンテナチューニング方式の事例)
様々な実施形態において、ESA32および36を適応型チューニングするために、任意の適切なチューニング方式または回路を使用することができる。インピーダンスマッチングまたは無線マッチングと呼ばれるいくつかのチューニング方式は、アンテナのインピーダンスを前の無線回路のインピーダンスにマッチングさせることにより、送信ラインからアンテナへの電力伝達を最適化することを目的としている。
図1の例では、アンテナは制御ユニット56により制御される無線マッチングネットワーク(MN)を使用してチューニングされる。1つの実施形態では、制御ユニット56は、電圧定在波比(VSWR)を最小にすることを目的とした閉ループ プロセスでMNを調整する。制御ユニット56は、例えば、方向性カプラ48によって検知される順方向電力レベル(アンテナに送信される電力)と逆方向電力レベル(アンテナから反射される電力)との間の比を評価することによってVSWRを推定することができる。
種々の実施形態において、マッチングネットワーク(MN)34および38は、任意の適切なMN形態を使用して実装されてもよい。場合によっては、アンテナの特定のタイプ、アンテナの周波数特性に関する知識、および/または予想されるボディ効果に関する知識または仮定に基づいて、MN形態を選択することが可能である。例えば、アンテナインピーダンスは、既知のインピーダンス範囲(例えば、スミスチャートの特定の領域にわたって)だけ変化すると期待されることが知られている。この知識は、MNを簡略化し、損失を低減し、そして制御ユニット56におけるより速い収束、およびより小さなルックアップテーブルを可能にするためにMN設計で使用することができる。いくつかの実施形態では、MNは、単一のインダクタ−コンデンサ(LC)、コンデンサ−コンデンサ(CC)またはコンデンサ−インダクタ(CL)のL型のMN、またはT型またはPi型のMNに簡略化される。
開口チューニングと呼ばれることがある他のチューニング方式は、アンテナ端子から自由空間への放射効率を最適化することを目的としている。これらのチューニング方式は、典型的には、アンテナ開口および/または共振周波数を変更する。いくつかの実施形態では、開口チューニングは、制御ユニット56により制御される1つのチューニング可能要素をアンテナに連結させることにより実行される。チューニング可能要素は、例えば、スイッチドキャパシタ、チューニング可能コンデンサ(例えば、バリウム−ストロンチウム−チタン酸塩(BST)コンデンサ)、または、微小電気機械システム(MEMS)デバイスを含んでもよい。さらに別の例として、チューニング方式は、1つまたは複数のアンテナ素子を適応型に接続および切断することを含んでもよい。さらに追加的または代替的に、任意の他の適切なチューニング方式を使用することができる。
上述の記載では、制御ユニット56の適応型チューニングプロセスは、対象周波数スライスにおけるアンテナ性能(例えば、効率)を最適化することを目的としている。さらに、制御ユニット56は、ユーザの身体または他の物体がアンテナに近接することに起因するボディ効果など、アンテナ性能を歪める様々な影響を補償するためにチューニングプロセスを使用することができる。
様々な実施形態では、制御ユニット56は、任意の適切なメトリックまたはメトリックの組み合わせに基づいて、適応型チューニング可能なESAのうちの1つまたは複数をチューニングすることができる。メトリックの例は:
・上記で説明したTXアンテナのVSWR測定値。
・RX信号の特性、例えば、各アンテナの受信信号強度指標(RSSI)、各アンテナの基準信号受信電力(RSRP)、RXアンテナ間の相関、基準信号位相差、各RXアンテナにおける推定ノイズ/干渉レベルおよび/またはRX信号の変調および符号化方式(MCS)。
・TX信号の特性、例えば、TX信号の電力余力。
・近接検出器からの入力、近くの物体を示す。
・バイオセンサーからの入力、例えば心拍数、温度、皮膚の水分、血液の飽和など。スマートウォッチアプリケーションでは、例えば、そのようなセンサは、制御ユニット56に対し、無線機器がユーザの身体に装着されているかテーブル上に横たわっているかを確認し、そしてまた時計の位置を決定することを可能にする。
・モーションセンサーからの入力。スマートウォッチアプリケーションでは、例えば、そのような入力は、デバイスが静的であるかどうか、どの腕にデバイスが装着されているか、そしてその向き(例えば、前腕の前部/後部)を示してもよい。
・マイク/スピーカー行動センサ。通話中にマイクとスピーカーがアクティブになっていると、デバイスはおそらくユーザの頭の横に保持されている。
・充電器接続センサ。
上述したように、いくつかの実施形態では、制御ユニット56は、RX帯域におけるESAの受信性能の一定の劣化を許容しながら、TX/RX ESA32をチューニングしてもよい。いくつかの実施形態では、制御ユニット56は、上記メトリックの1つまたは複数に基づき、または他の適切なメトリックに基づいて劣化の許容量を設定してもよい。制御ユニット56は、例えば、いつチューニングが必要か、そしてどの方向にチューニングするかを決定するために、上記メトリクスを使用してもよい。
代替の実施形態では、制御ユニット56は、上記のメトリックまたは他の適切なメトリックのうちの1つまたは複数に基づいて、TXおよびRXの性能をバランスさせながら、TX/RX ESA32をチューニングすることができる。このチューニング方式は、例えば、周波数分割複信(FDD)で動作する(単一アンテナを有する)無線機器58において有用であり得る。
(非FDD実施形態)
上記の説明は主に周波数分割複信(FDD)アプリケーションについて述べたものである。しかし、開示された技術は、時分割複信(TDD)および半二重FDD(HFDD)などの他の二重方式にも適用可能であり、有利である。TDDアプリケーションでは、例えば、送信と受信が、同じ周波数で、交互の時間間隔で実行される。このようなプロトコルでは、図2の無線機器58のように、単一のTX/RXアンテナを使用することができる。制御ユニット56は、TX/RX ESA32を適用可能なTX/RX周波数に適応型チューニングすることができる。別の例として、TDD無線機器は、無線機器20のように2つのアンテナを使用することができる。この実施形態では、両方のアンテナを狭帯域にし、同様の基準を使用して制御ユニット56によって調整することができる。
半二重FDD(HFDD)では、送信と受信は異なる周波数で実行されるが、しかし交互の時間間隔で実行され、同時には実行されない。FDDに関する上記の技術は、HFDDでも同様に使用することができる。いくつかの実施形態では、制御ユニット56は、無線機器が現在送信中であるか受信中であるかに応じてESA32を適応型にチューニングすることができる。換言すれば、制御ユニットは、送信中にはTXに最適化されたチューニング方式に、受信中にはRXに最適化されたチューニング方式にESAを切り替えることができる。典型的には、TX最適化方式は、アンテナの中心周波数をTX帯域内の適切な周波数に調整し、RX最適化方式は、アンテナの中心周波数をRX帯域内の適切な周波数に調整する。
この実施形態では、制御ユニット56は、送信中にTXに最適化されたチューニング方式と受信中にRXに最適化されたチューニング方式との間でTX/RX ESA32を交替させることができる。一方、RXのみのESA36の中心周波数は、RX帯域において一定に保持されてもよい。
(受信信号分析に基づく自動アンテナチューニング)
本発明のいくつかの実施形態では、制御ユニット56は、遠隔送信機から受信した信号の分析に基づいて、無線機器の適応型チューニング可能な1つまたは複数のアンテナをチューニングする。以下に説明するチューニング方式は、上記の図1−3の無線機器構成のいずれか、または任意の他の適切な構成と共に使用することができる。
開示されたチューニング方式は、例えば、上述のアンテナ構成のような、任意の適切な適応型チューニング可能なアンテナと共に使用することもできる。本明細書に記載された実施形態は主に電気的に小型のアンテナを指すが、開示された技術はそのようなアンテナに限定されず、他の適切なアンテナタイプのチューニングに使用することができる。
図5は、本発明の1つの実施形態による、アンテナのインピーダンスチューニングおよび開口チューニングを概略的に示すブロック図である。この図は、接地平面94上に取り付けられ、給電線92によって給電される放射素子98を備える例示的アンテナを示す。
この例では、チューニング可能なマッチングネットワーク(MN)34は、アンテナの出力インピーダンスを上流の無線周波数回路の入力インピーダンスに整合させる。受信信号に基づいて、MN34を用いたインピーダンス整合が行われる。チューニング可能コンデンサ98は、開口チューニングを行う、すなわちアンテナの共振周波数をチューニングする、チューニング可能素子の一例である。コンデンサ98(または他の調整可能素子)を使用する開口チューニングは、受信信号に基づいて行われる。
MN34および/またはコンデンサ98(または他のチューニング可能素子)の設定は、ここではアンテナチューニング設定と呼ばれる。この例では、MN34およびコンデンサ98の両方が、様々なチューニング設定を適用およびテストするように、制御ユニット56によって制御される。代替的な実施形態では、チューニング方式は、インピーダンスチューニングまたは開口チューニングのみを適用することができる。MN34、コンデンサ98および/または他の任意のチューニング構成要素または回路は、本明細書では、ューニング可能要素と呼ばれ、そのチューニングアンテナの応答を変化させる。
以下の記載は、受信信号解析に基づくアンテナチューニング方式のいくつかの実施例を概説する。以下の例は、主に、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のLTE(Long−Term Partnership)仕様に従って動作する受信機を例として記述する。代替的に、開示された技術は、任意の他の適切な通信または位置標準またはプロトコルに従って動作する受信機とともに使用することができる。例示としてのプロトコルは、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、グローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))、コード分割多重アクセス(CDMA)、IEEE802.11のような無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)規格、およびブルートゥース(登録商標)、GPS、グロナスを特に含む。
(アクティブ受信中のアンテナチューニング)
いくつかの実施形態では、制御ユニット56は、受信機が所望の信号を受信して復調する期間中にアンテナをチューニングする。例えば、LTEでは、そのような時間期間は、無線機器がRRC_CONNECTEDモードで動作する時間であってよい。アンテナチューニングはアンテナの複素利得を変化させるので、受信信号の振幅および/または位相を歪める可能性がある。したがって、連続受信期間中にチューニングを行う場合は注意が必要である。
1つの実施形態では、受信信号は、一連の時間フレーム(LTEではサブフレームと表される)を含み、制御ユニット56は、連続する時間フレーム間の境界の間だけアンテナに対しチューニング変化を適用する。
1つの実施形態では、制御ユニット56は、信信号レベルおよび波数の関数としての受信信号レベルの勾配を計算するために、受信信号の既知の部分に関する測定を実行することによって、適切なチューニング変更を決定する。これらの2つのパラメータは、ンテナ応答と波数の関数としてのアンテナ応答の勾配を示す。
本明細書において、「信号の既知の部分」という用語は、ビット値が固定されている(または、少なくとも半固定されている、例えば、高い確率で長時間固定されたままである)、あるいはそうでなければ復調または復号の成功に関係なく、事前に受信機に既知の、信号の部分を意味する。このような既知の信号は、例えば、いくつかの事例を挙げると、セル固有の基準信号、位置決め基準信号(PRS)、物理同報通信チャネル(PBCH)、2次同期信号(SSS)、1次同期信号(PSS)、マスター情報ブロック(MIB)、およびシステム情報ブロック(SIB)のような種々のタイプの基準信号(RS)および同期信号を含む。
さらに、サービス提供中のセルの信号だけでなくサービス提供中のセルと同じ周波数で動作する隣接セルからの既知の信号も処理することができる。この技術は、例えば限定された信号対雑音比条件の下で、性能を高めることができる。アンテナチューニングのために使用することができる別の種類の信号は、反復を有するデータサブフレームである:信号が首尾よく復号されると、他の反復サブフレームは既知であり、処理に使用することができる。
このような信号の既知の値を使用することによって、制御ユニット56は、高精度の信号レベルおよび勾配の測定値を得ることができる。例えば、制御ユニット56は、受信された既知信号と予想される既知のビットシーケンスとの畳み込みを計算することができる。このような畳み込みは高い処理利得を有し、正確な信号レベル測定を可能にする。
本文脈では、用語「アンテナ応答」は、受信信号に適用されるときのアンテナの伝達関数を指す。アンテナ応答は、例えば、全アンテナ効率及びアンテナ利得と相関している。これらのパラメータはすべて、特定の周波数において、または周波数の関数として調べることができる。「アンテナ応答」、「アンテナ利得」及び「アンテナ効率」という用語は、本明細書では交換可能に使用されることがある。アンテナ応答値および周波数に対するそれらの勾配は、通常、アンテナチューニングの所望の調整を決定する際に制御ユニット56によって使用される。
代表的な実施形態では、制御ユニット56は、受信信号レベルを最大にすること、すなわち、特定の受信信号に対するアンテナ応答の計算値を最大にすることを目指す反復プロセスでアンテナをチューニングする。各反復において、制御ユニット56は、アンテナ応答の測定された勾配に基づいて、アンテナチューニングに適用される調整を計算する。
いくつかの実施形態では、調整は、アンテナの中心周波数に適用される周波数調整を含む。この周波数調整は、方向(すなわち、中心周波数を増加または減少させるかどうかの決定)およびサイズ(すなわち、決定された方向での周波数シフト)から構成される。他の実施形態では、調整は、得られる周波数調整を明示的に計算することなく、アンテナのチューニング要素(例えば、図5のMN34またはコンデンサ98)に適用される直接調整を含む。さらに代替的に、任意の他の適切なタイプの調整を使用することができる。
典型的には、制御ユニット56によって測定される信号レベルは相対的である。言い換えれば、制御ユニット56は、絶対的信号レベルを解釈することができず、むしろ、アンテナチューニング素子の異なる設定を比較し、どの設定がより高い受信信号レベルをもたらすかを決定することができる。
このような相対的な測定を行う場合は、類似のチャネル条件で測定を行うように注意する必要がある。例示的な実施形態では、相互に比較されるべき2つのチューニング設定を測定する場合、制御ユニット56は、あるサブフレームの最後の基準信号(RS)で1回の測定を行い、次のサブフレームの第1の基準信号(RS)で2回目の測定を行う。測定間の時間の近接は、チャネルフェージングの影響を減少させる。あるいは、互いが時間的に近接している他の適切な測定時間を使用することができる。
典型的には、受信信号は、通信規格に応じて、例えば10KHzから数十MHz程度の一定の帯域幅を占有する。1つの実施形態では、制御ユニット56は、受信信号帯域幅にわたっていくつかの周波数で既知の信号(例えば、基準信号(RS))の受信レベルを測定する。これらの相対的な測定値は、受信信号帯域幅にわたる周波数の関数としてのアンテナ応答の勾配の推定値を提供する。制御ユニット56は推定勾配を使用して、アンテナチューニング設定に対する調整の適切な方向およびサイズを決定する。1つの実施形態では、制御ユニット56は、異なるアンテナチューニング設定で行われるいくつかの勾配の測定値から調整の方向を推測する。
上記の説明は、既知の信号に基づく測定について述べた。代替の実施形態では、制御ユニット56は、ユーザデータまたは事前には知られていない他のデータを運ぶ信号部分に基づいて、信号レベルおよび勾配を測定することもできる。例えば、制御ユニット56は、データ信号を復号し、誤り訂正された情報ビットを信号から抽出し、次にデータシンボルを再符号化することができる。再符号化されたシンボルは、読み取りエラーに起因する歪みがほとんどまたは全くない、より正確なバージョンの受信信号と見なすことができる。したがって、制御ユニット56は、再符号化されたシンボルからアンテナ応答を計算することができる。
(間欠受信時のアンテナチューニング)
いくつかの実施形態では、制御ユニット56は、受信機の動作が間欠的である期間中にアンテナをチューニングする。このようなシナリオでは、受信機は、通常、低いデューティサイクルで起動しそして信号を復号し、それ以外の場合は休止して節電するように制御される。例えば、LTEにおいて、無線機器は、不連続受信(DRX)状態またはページング状態、例えばRRC_IDLEモードで動作してもよい。継続的稼働期間(wake−up period)の間の休止時間間隔は、LTEリリース11以下では最大2.56秒、アドバンスト標準では数分から数時間といったように長くてもよい。
アンテナ応答は、例えばボディ効果のために、ある稼働期間から次の稼働期間までに変化する可能性があるので、稼働期間の間の休止間隔の間、アンテナのチューニングを続けることが望ましい。間欠受信時にアンテナチューニングを実施する場合は、消費電力を最小限に抑えるように注意する必要があり、それはこのようなシナリオでは最も重要な考慮事項である。
一方、受信機は稼働期間の間に実際のデータ復調を実行しないので、制御ユニット56は、休止間隔の間の任意の適切な時間にチューニング設定を自由に試験することができる。制御ユニット56は、例えば受信信号レベル及び/又は休止インターバル及び稼働期間の持続時間に依存して、必要に応じて測定のタイミングを変更することができる。
例示的な実施形態では、間欠受信の間、制御ユニット56は、既知の信号を含まないデータシンボルの間(例えば、基準信号(RS)を含まないデータシンボルの間)にアンテナチューニング設定を変更し、既知信号を含むシンボル(例えば、RSシンボル)の間に信号レベル測定を行う。上述したように、基準信号(RS)は既知の信号であるので、受信されたRSと期待される既知のビットシーケンスとの間の畳み込みは高い処理利得を有し、正確な信号レベル測定を可能にする。
図6は、本発明の1つの実施形態による、無線機器によって受信された地局(eNodeB)からLTE直行周波数分割多重化(OFDM)信号と、それがアンテナチューニングのために使用される方法を示す図である。横軸は、OFDMシンボル間隔単位の時間軸である。垂直軸は、OFDMサブキャリア帯域幅の単位での周波数軸である。この例では、各シンボルは約71.3マイクロ秒の長さであり、サブキャリアは15KHz離れて配置されている。
それぞれの時間−周波数ユニット(1シンボル時間間隔にわたる1つのサブキャリア)は、本明細書では時間−周波数ビンと呼ばれる。全体の受信信号帯域幅は、例えば、180KHzと18MHzとの間であり得る。時間軸上で、信号はサブフレーム100に分割される。各サブフレームは、「スロット0」および「スロット1」と表される2つのタイムスロットに分割され、各スロットは0から6の番号を付けられた6つのOFDMシンボルから構成される。
受信信号内のOFDMシンボルのいくつかは、それらの時間−周波数ビンのうちのいくつかにおいて基準信号(RS)を運ぶ。そのようなシンボルの1つが図において101とマーキングされている。他のシンボルは、基準信号(RS)をまったく搬送しない。この例では、信号は、地局によりTX0およびTX1と呼ばれる2つのアンテナポートから信されている。基準信号(RS)の別個のパターンが各アンテナポートを介して送信される−TX0に対しRS102(図では濃い陰影で表示)、TX1に対しRS104(クロスハッチングで表示)。この送信パターンは、単に例として示されている。任意の他の適切なパターンを使用することができる。
この例では、各スロットのシンボル0および4はRSシンボル101である。各RSシンボルにおいて、基準信号(RS)(TX0またはTX1のいずれか)はそれぞれ3番目のサブキャリア上に受信される。受信された信号の残りの時間−周波数ビンは、無線機器または他の機器のいずれかに対して、データチャネルまたは他のチャネルタイプを送信するために使用されてもよい。図6の信号パターンは、純粋に例として示された例示的なパターンである。開示された技術は、任意の他の適切な信号構造とともに使用することができる。
いくつかの実施形態では、チャネルフェージングに対する感応性を低減するために、制御ユニット56は、以下のようにアンテナ応答を測定する。制御ユニット56は、AおよびBで示される2つのアンテナチューニング設定を比較する.Aは、基準またはベースライン設定と見なされる。制御ユニット56は、設定Bが設定Aよりも良いか悪いかを判断しようとする。この動作は、例えば、受信信号レベルを最大にすることを目的とする反復チューニングプロセスの所与の1つの反復において実行されてもよい。
この例では、制御ユニット56は時刻110においてアンテナチューニング要素を設定Aに設定し、続くRSシンボル内の基準信号に対して測定(設定Aのもとで)を行う。次に、時刻112において、制御ユニット56は設定Bに切り替え、続くRSシンボルの基準信号に対して測定(設定Bの下で)を実行する。時刻114において、制御ユニット56は設定を設定Aに戻し、後に続くRSシンボル内の基準信号に対して測定(設定Aのもとで)を再度行う。上述したように、チューニング設定の変更は、データシンボル(すなわち非RSシンボル)中に実行されるが、信号レベル測定はRSシンボル中に実行される。
上述の例では、制御ユニット56は、設定Bを測定する前と後で設定Aを測定し、設定Bとの比較において設定Aの両方の測定値を考慮する。このメカニズムは、チャネルフェージングによって引き起こされる歪みを最小にするのに役立つ。したがって、制御ユニット56は、第1および第3のRSシンボル(スロット0のシンボル0およびスロット1のシンボル0)を補間する。この補間は、設定Aがスロット0のシンボル4(設定Bが測定される)に生じたであろう結果を近似する。
代替の実施形態では、制御ユニット56は、測定精度を向上させるために、RSシンボルのより多くの測定値を補間し、および/またはより多数の可能な設定を測定してもよい。いくつかの実施形態、例えば低速フェージングシナリオでは、スロット0のシンボル0(設定Aの下)とスロット0のシンボル4(設定Bの下)を比較する、すなわち設定Aを2回測定することを控えることで十分であるかもしれない。
信号レベルを測定することに加えて、制御ユニット56は、所与のアンテナチューニング設定に対し、周波数の関数としてのアンテナ応答の勾配を測定してもよい。勾配は、アンテナが現在どの程度良好にチューニングされているか、および/またはどの方向に、および/またはどの程度、アンテナ中心周波数が調整されるべきかを示すことができる
制御ユニット56は、通常、RSシンボル内の異なるRSの相対的な測定振幅を計算することによって勾配を測定する。例えば図6の信号では、所与のRSシンボルは、信号帯域幅にわたって3番目のサブキャリアごとにRS(102または104)を含む。シンボル内のRSの相対的振幅を測定することにより、アンテナ応答の勾配(または他の特性)が周波数の関数として提供される。
所与の設定における勾配に加えて、制御ユニット56は、チューニング設定間の勾配の変化を計算することもできる。異なるチューニング設定間の勾配の変化は、より広い帯域幅に関する情報を提供し、所望の調整の振幅および方向についてより正確な指示を提供し得る。
図7は、周波数の関数としての計算されたアンテナ効率の勾配に基づく、アンテナチューニングを概略的に示すグラフである。グラフ120は、所与のアンテナチューニング設定に対する、全体的アンテナ効率を周波数の関数としてプロットしたグラフである。例えば、この場合の設定は、約772.5MHzの中心周波数の周りの信号を受信するようにうまくチューニングされている。
実際の場合のほとんどでは、所与のチャネル帯域幅の両端の勾配は、平坦な勾配、緩やかな正の勾配、緩やかな負の勾配、急な正の勾配、急な負の勾配、または凹面の勾配に分類できる。凹面の勾配は、典型的には、アンテナがチューニングされているか、またはほぼチューニングされていることを示し、わずかな調整しか必要とされないことを示す。急な正の勾配は、典型的には、アンテナの中心周波数を低減すべきであることを示す。急な負の勾配は、典型的には、アンテナの中心周波数を増加させるべきであることを示す。緩やかな勾配は、アンテナがチューニングされていることを示すか、またはチューニングが完全に目標から外れているため、大きなチューニングステップが必要であることを示すかのどちらかである。
間欠受信(例えば、不連続受信(DRX)またはページングサイクル)の間、制御ユニット56は、アンテナチューニング設定を評価(および場合によっては調整)するために、受信機を起動する時期がいつかを判断するために様々な基準を使用することができる。起動基準は、例えば、最新の基準信号受信電力(RSRP)または基準信号受信品質(RSRQ)の値を考慮することができる。受信された信号が強い場合、アンテナのチューニングは、低い精度かつ少ない頻度追跡出来る
別の例として、起動基準は、近接センサ、加速度センサ、ジャイロスコープおよび/またはタッチスクリーンなどの、無線機器の低電流センサを考慮してもよい。1つの実施形態では、制御ユニット56は、これらのセンサによって感知された環境変化に応答してアンテナのチューニングを開始する。このような変化は、例えば、アンテナの再チューニングを是認するボディ効果の変化を示し得る。
さらに別の例として、起動基準は、無線機器の非稼働持続時間を考慮してもよい。長い非稼働期間は、通常、実際の受信に先立ってアンテナチューニングを検証する必要性が高いことを示し、逆も同様である。さらに代替的に、制御ユニット56は、受信機をいつ起動し、アンテナチューニング設定を評価するかを決定する際に他の適切なパラメータを考慮してもよい。
上記の説明は、連続受信中に使用されるものと、間欠受信中に使用されるものとの2つのチューニング方式について記載している。いくつかの実施形態では、制御ユニット56は、無線機器の現在の動作モードおよびモード間の遷移を認知している。制御ユニット56は、この情報を用いて2つのチューニング方式のうちの1つを選択してもよい。
(追加の実施形態と変化形)
図6の例では、制御ユニット56は、RSシンボル間の異なるチューニング設定の間で切り替えを行い、RSシンボル中のアンテナ応答を測定する。そのような実装では、所与のチューニング設定を評価するために、一般的に所与のRSシンボル全体が使用される。しかしながら、基準信号(RS)によって提供される処理利得が十分に大きい場合、その所与のRSシンボルの間に設定を切り替えることができ、したがって、所与のRSシンボルを、1つより多いチューニング設定の評価を行うために使用することができる。このような方式は、高速フェージングシナリオではより速く、より弾力的である。
例えば、LTEでは、基準信号(RS)シーケンスにはゼロが埋め込まれ、時間領域では周期的である。したがって、RSシンボルを(時間的に)複数の測定に分割し、このようにして測定プロセスを高速化することが可能である。LTE RSの時間領域における周期性は、直行周波数分割多重化(OFDM)シンボル時間の3分の1である。したがって、例えば、制御ユニット56は、RSシンボルの最初の3分の1の間に設定Aを測定し、RSシンボルの第二の3分の1の間に設定をBに切り替え、RSシンボルの第三の3分のの間に設定Bを測定することができる。次に、制御ユニット56は、2つの測定の結果を相関させ、相関結果を平均して所望のチューニング方向を生成することができる。
いくつかの実施形態では、制御ユニット56は、受信機による基地局信号の最初の取得中に適切なチューニング方式を見つけることを試みる。1つの実施形態では、最初の取得中に、制御ユニット56は、アンテナ共鳴周波数の潜在的変動を十分にカバーする、チューニング要素の複数の設定にわたって走査を試みてもよい。最初の取得プロセスは、これらの名目上の設定で開始することができる。信号が見つからない場合は、例えば、確率の高い設定から始めるなど、他の設定を検索することもできる。いったん基地局信号が見つかると(例えば、プライマリ同期信号(PSS))、上述の反復プロセスを使用して、より細かいチューニングを行うことができる。最初のチューニングは、最初の検索中に見つかった任意の信号に対して実行することもできる。
所与の時点において、無線機器は、特定の周波数で特定の基地局によってサービスを提供され、したがって、この周波数に対する最適なアンテナチューニング設定の良好な知識を有する。ある時点で、無線機器は異なる周波数上の代替基地局を探索することがある。いくつかの実施形態では、制御ユニット56は、(周波数シフト間の予想される相関により)現在サービスを提供する基地局の既知のチューニング設定を使用して新しい基地局の周波数に対するチューニング設定を計算することができる。
上記のメカニズムは、帯域内セル探索、すなわち現在の基地局と新しい基地局が同じ周波数帯域で動作する場合に主に適用可能である。周波数間帯域間サーチ(すなわち現在の基地局と新基地局とが異なる周波数帯域で動作する場合)においては、周波数差異とアンテナの特性に応じて、上述した初期取得プロセスまたは上述の帯域内計算プロセスのいずれかを用いることができる。
いくつかの実施形態では、制御ユニット56は、送信された信号に基づいてアンテナをチューニングする送信ベースのチューニング方式だけでなく、開示された(受信ベースの)チューニング方式の両方を適用する。受信ベースのチューニングは、「RX設定」と呼ばれるチューニング設定をもたらし、送信ベースのチューニングは、「TX設定」と呼ばれるチューニング設定をもたらす。所与の時点で、制御ユニット56は、RX設定とTX設定の間で選択し、または、例えば使用されている通信プロトコルに応じて、2つの設定を組み合わせてもよい。
例えば、周波数分割複信(FDD)オペレーションでは、制御ユニット56は、RX専用アンテナに対し、そのアンテナについて計算されたRX設定を使用する。TX/RXアンテナの場合、制御ユニット56は、該当するユーザシナリオに適合させるために、TX設定またはRX設定、またはその2つを妥協させる設定を使用する。例えば、受信が重点のシナリオ(例えば、ファイルダウンロードまたはビデオストリーミング)の場合、より高い重み付けがRX方式に与えられ、逆もまた同様である。この妥協はまた、チャネル条件に依存し得る。例えば、受信が干渉制限されている場合、RX設定はほとんど有益ではないかもしれない。一方、TX設定はより電力効率がよいかもしれない。
二重FDD(HFDD)オペレーションでは、制御ユニット56は、受信中はRX設定を使用する。制御ユニット56は、送信中はTX設定が存在する場合にはTX設定を使用し、またはRX設定に基づいて概略のTX設定を計算する。時分割複信(TDD)オペレーションでは、送信と受信の両方が同じ周波数で実行されるので、制御ユニット56は常にRX設定を使用することができ、送信ベースのチューニングは完全に省略することができる。
上述の実施形態は例として引用されたものであり、本発明は、上記に特に示され記載されたものに限定されないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上述した様々な特徴の組み合わせおよび部分的な組み合わせ、ならびに前述の説明を読むことによって当業者に想起される変形および修正の両方を含み、本特許出願において参考として援用された文献は、本出願と一体とみなされるべきであり、明示的にまたは暗示的に本明細書の定義と矛盾する場合は、本明細書の定義が優先される。

Claims (24)

  1. 遠隔地の送信機から、チューニング可能な要素を含む電気的にチューニング可能なアンテナを介して、データと前記データの反復を有する、信号を受信するステップと;
    前記データの復号に成功した後に、前記電気的にチューニング可能なアンテナの応答に適用される調整を、前記データの前記反復を既知の信号として分析することにより、計算するステップと;そして
    前記計算された調整に応答して、前記チューニング可能な要素を制御することにより、前記電気的にチューニング可能なアンテナの前記応答を適合させるステップと;
    を有することを特徴とする方法。
  2. 前記調整を計算するステップと前記応答を適合させるステップは、前記受信された信号のレベルを最大にすることを目指す繰り返しチューニングプロセスを実行するステップを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記受信された信号は既知の信号要素を含み、前記調整を計算するステップは、前記既知の信号要素の計測された受信レベルから前記調整を得るステップを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記調整を計算するステップは、1つの周波数領域に亘って周波数の関数としての前記応答の勾配を計算するステップと、そして前記計算された勾配から前記調整を得るステップと、を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記調整を計算するステップは、周波数の関数としての前記応答の前記勾配の変化を前記チューニング可能な要素の少なくとも第1の設定と第2の設定の間で計算するステップと、そして前記勾配の前記計算された変化から前記調整を得るステップと、を有することを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. 前記調整を計算するステップは、前記チューニング可能な要素の少なくとも第1の設定と第2の設定のそれぞれの受信された信号のレベルを測定するステップと、そして前記受信された信号のレベルを比較することにより前記調整を得るステップと、を有することを特徴とする請求項1−のいずれかに記載の方法。
  7. 前記受信された信号のレベルを測定するステップは、前記第1の設定の第1の測定を実行するステップと、そして前記第1の測定の前および後に前記第2の設定の第2の測定を実行するステップと、を有し、そして前記受信された信号のレベルを比較するステップは、前記第1の測定を前記第2の測定の組み合わせと比較するステップを有する、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
  8. 前記調整を計算するステップは、前記受信された信号の単一のシンボルの間に、前記チューニング可能な要素の2つまたはそれ以上の異なる設定を評価するステップを有する、ことを特徴とする請求項1−のいずれかに記載の方法。
  9. 前記信号を受信するステップは、一連の通信時間フレームを受信するステップを有し、そして前記応答を適合させるステップは、前記時間フレームの間の境界において前記チューニング可能な要素を制御するステップを有する、ことを特徴とする請求項1−のいずれかに記載の方法。
  10. 求項1−のいずれかに記載の方法であって、前記信号を受信するステップは、間欠的受信モードで前記信号を受信する受信機を操作するステップを有し、そして前記方法は、既定の起動基準への適合に応答して、前記調整を計算するために前記受信機を起動するステップを有する、ことを特徴とする方法。
  11. 前記受信された信号は第1の基地局から第1の周波数で送信され、そして前記調整を計算するステップは、第2の基地局から第2の周波数で送信された後続の信号を受信する時に、前記チューニング可能な要素の使用されるべき設定を予測するステップを有する、ことを特徴とする請求項1−のいずれかに記載の方法。
  12. 前記適合された応答に基づいて、信号送信に使用されるべきアンテナチューニング設定を計算するステップを有する、ことを特徴とする請求項1−のいずれかに記載の方法。
  13. 装置であって、
    チューニング可能な要素を含む電気的にチューニング可能なアンテナと;
    遠隔地の送信機から、前記電気的にチューニング可能なアンテナを介して、データと前記データの反復を有する、信号を受信するように構成される受信機と;
    制御回路と;
    を有し、
    前記制御回路は、
    前記データの復号に成功した後に、前記電気的にチューニング可能なアンテナの応答に適用される調整を、前記データの前記反復を既知の信号として分析することにより計算し、そして
    前記計算された調整に応答して、前記チューニング可能な要素を制御することにより、前記電気的にチューニング可能なアンテナの前記応答を適合させる、
    ように構成される、
    ことを特徴とする装置。
  14. 前記制御回路は、前記調整を計算し、そして前記受信された信号のレベルを最大にすることを目指す繰り返しチューニングプロセスにおいて前記応答を適合させるように構成される、ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
  15. 前記受信された信号は既知の信号要素を含み、前記調整を計算するステップは、前記既知の信号要素の計測された受信レベルから前記調整を得るステップを有する、ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
  16. 前記制御回路は、1つの周波数領域に亘って周波数の関数としての前記応答の勾配を計算し、そして前記計算された勾配から前記調整を得るように構成される、ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
  17. 前記制御回路は、周波数の関数としての前記応答の前記勾配の変化を前記チューニング可能な要素の少なくとも第1の設定と第2の設定の間で計算し、そして前記勾配の前記計算された変化から前記調整を得るように構成される、ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
  18. 前記制御回路は、前記チューニング可能な要素の少なくとも第1の設定と第2の設定のそれぞれの受信された信号のレベルを測定し、そして前記受信された信号のレベルを比較することにより前記調整を得るように構成される、ことを特徴とする請求項1317のいずれかに記載の装置。
  19. 前記制御回路は、前記第1の設定の第1の測定を実行することにより前記受信された信号のレベルを測定し、そして前記第1の測定の前および後に前記第2の設定の第2の測定を実行し、そして前記第1の測定を前記第2の測定の組み合わせと比較するように構成される、ことを特徴とする請求項18に記載の装置。
  20. 前記制御回路は、前記受信された信号の単一のシンボルの間に、前記チューニング可能な要素の2つまたはそれ以上の異なる設定を評価することにより、前記調整を計算するように構成される、ことを特徴とする請求項1317のいずれかに記載の装置。
  21. 前記受信機は、一連の通信時間フレームにおいて前記信号を受信するように構成され、そして前記制御回路は、前記時間フレームの間の境界において前記チューニング可能な要素を制御するように構成される、ことを特徴とする請求項1317のいずれかに記載の装置。
  22. 前記受信機は間欠的受信モードで動作し、そして前記制御回路は、既定の起動基準への適合に応答して、前記調整を計算するために前記受信機を起動するように構成される、ことを特徴とする請求項1317のいずれかに記載の装置。
  23. 前記受信機は、第1の基地局から第1の周波数で送信された信号を受信するように構成され、そして前記制御回路は、第2の基地局から第2の周波数で送信された後続の信号を受信する時に、前記チューニング可能な要素の使用されるべき設定を予測するように構成される、ことを特徴とする請求項1317のいずれかに記載の装置。
  24. 前記制御回路は、前記適合された応答に基づいて、信号送信に使用されるべきアンテナチューニング設定を計算するように構成される、ことを特徴とする請求項1317のいずれかに記載の装置。
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