JP6688622B2 - 前後進操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、前後進操舵装置に関する。
ウォータージェット推進型の船舶は、例えばウォータージェットポンプにより海水を汲み上げて船体の噴射部分から噴射し、その反力を推進力として前後進する。このような船舶の前進、後進及び旋回を制御する装置として、前後進操舵装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような前後進操舵装置は、例えば、噴射部分から噴射された水を船体の進行方向の後方に噴射するノズルと、旋回可能でありノズルから噴射された水を内部に流通させ、後方開口部と下方開口部との間で切り替えて流出させる操舵ダクトと、下方開口部から流出する水を進行方向の前方に向けて流すルーバ翼と、を備えている。
船体を前進させる場合、前後進操舵装置は、ノズルから噴射される水の流出先を後方開口部とする。この場合、船体は後方に水が流出する際の反力を推進力として前進する。また、前後進操舵装置は、操舵ダクトを旋回させて後方開口部から流出する水の流出方向を切り替えることにより、船体を左右方向に旋回させる。また、船体を後進させる場合、前後進操舵装置は、ノズルから噴射される水の流出先を下方開口部に切り替える。これにより、下方開口部から流出する水がルーバ翼によって整流され前方に流出する。この場合、船体は、前方に水が流出する際の反力を推進力として後進する。
特開平5−270487号公報
上記のような前後進操舵装置は、船体の外部に設けられるものであり、近年では小型化が求められている。しかしながら、前後進操舵装置を小型化する場合、後進効率が低下してしまう。そこで、後進効率の低下を抑制しつつ、小型化が可能な前後進操舵装置を設計することが求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、後進効率の低下を抑制しつつ、小型化が可能な前後進操舵装置を提供することを目的とする。
本発明に係る前後進操舵装置は、船体の進行方向の後方に水を噴射するノズルと、鉛直方向に平行な旋回軸の軸線周りに旋回可能となるように前記ノズルに接続され、前記進行方向の後方の端部及び前記鉛直方向の下部にそれぞれ後方開口部及び下方開口部を有し、前記ノズルから噴射された水を内部に流通させて前記後方開口部と前記下方開口部との間で切り替えて流出させる操舵ダクトと、前記下方開口部に前記進行方向に複数並んで配置され、前記下方開口部から流出する水が前記進行方向の前方に向けて流れるように整流する平坦部を有するルーバ翼と、を備え、それぞれの前記平坦部は、水平面との間で20°以上28°以下の角度をなすように前記進行方向の前方側が前記水平面に対して下方に傾いて配置されている。
本発明では、複数のルーバ翼のそれぞれの平坦部が水平面との間で28°以下の角度をなすように進行方向の前方が下方に傾いて配置されているため、ルーバ翼間の各流路から前方に流出する水の推進力のうち水平方向成分を大きくすることができる。これにより、高い後進効率が得られるため、小型化による後進効率低下を補うことができる。また、本発明では、複数のルーバ翼のそれぞれの平坦部が水平面との間で20°以上の角度をなすように進行方向の前方が下方に傾いて配置されているため、ルーバ翼間の各流路から流出する水流が船体に噴射されることを抑制することができる。これにより、後進効率の低下を抑制しつつ、小型化が可能となる。
また、前記ノズルは、水を導入する導入口を有し、前記導入口の径をRとし、前記導入口から前記操舵ダクトの前記進行方向の後方の端部までの距離をLとすると、L/Rの値が、2.0以上2.6以下に設定される。
従って、L/Rの値が従来の構成よりも小さい値である2.0以上2.6以下に設定されるため、船外部分の長さを短縮化することができる。
また、複数の前記ルーバ翼は、前記操舵ダクトの内部に向けて設けられる返し部を有し、前記返し部の先端は、前記進行方向の前方を基準とした場合に前記水平面に対する仰角が35°以上100°以下となるように形成されている。
従って、返し部の先端が進行方向の前方を基準とした場合に水平面に対する仰角が35°以上100°以下となるように形成されることにより、ルーバ翼の返し部から平坦部側へ水を取り込みやすくすることができる。
また、複数の前記ルーバ翼は、前記操舵ダクトの一部に固定され、前記下方開口部の少なくとも一部を閉塞する第1位置と、前記後方開口部を閉塞する第2位置との間を移動可能なフラップ部材を有し、前記フラップ部材を前記第1位置と前記第2位置との間で切り替えて移動させることで前記操舵ダクトの内部に流通する前記水の流出先を前記後方開口部と前記下方開口部との間で切り替える切替機構をさらに備える。
従って、複数のルーバ翼を移動させることなくフラップ部材を第1位置と第2位置との間で移動させることにより前進と後進とを切り替える方式であるため、ルーバ翼間の各流路から流出する水の流出角を安定させることができる。
また、複数の前記ルーバ翼の少なくとも1つは、前記下方開口部を閉塞した状態の前記フラップ部材に対して前記進行方向の直前に配置され、前記鉛直方向の上方の端部の高さ位置が前記フラップ部材の上面の高さ位置に揃うように形成される。
従って、フラップ部材で下方開口部を閉塞させた場合、操舵ダクトの下方側開口部をより平坦な状態とすることができる。これにより、操舵ダクトを流れる水に対する抵抗を抑制することができる。
本発明によれば、装置全体を小型化及び軽量化する場合であっても、後進効率の低下を抑制できる前後進操舵装置を提供することができる。
図1は、前後進操舵装置の一例を示す縦断面図である。 図2は、操舵ダクトの後部及び整流部の一例を示す縦断面図である。 図3は、前後進操舵装置の後進動作の一例を示す図である。 図4は、前後進操舵装置の後進動作の一例を示す図である。
以下、本発明に係る前後進操舵装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下の説明において、前方及び後方と表記する場合は、船舶の進行方向に対する方向を指す。また、上下方向について表記する場合は、鉛直方向における上方及び下方を指す。
図1は、前後進操舵装置100の一例を示す縦断面図である。図1に示す前後進操舵装置100は、ウォータージェット推進型の船舶に用いられ、前進及び後進の切り替え制御や、旋回制御などを行う。前後進操舵装置100は、例えば船尾に配置されるウォータージェットポンプなど、船体から後方に水が噴射される噴射部分101に取り付けられる。前後進操舵装置100は、ノズル10と、操舵ダクト20と、切替機構30と、整流部40と、駆動装置50とを備えている。
ノズル10は、船体の進行方向の後方に水を噴射する。ノズル10は、船体から噴射される水を導入する導入口10aと、導入された水を噴射する噴出口10bとを有している。ノズル10は、導入口10aの径Rに対して噴出口10b径が小さくなるように形成されている。ノズル10の導入口10a側には、例えばウォータージェットポンプを構成するインペラなど、船体側の構造の一部が配置される。導入口10aの径Rは、ノズル10内に配置される当該インペラ等の寸法に応じて設定される。
操舵ダクト20は、例えば直管状に形成され、ノズル10の噴出口10b側に接続される。操舵ダクト20は、ノズル10から噴射された水を内部に流通させる。操舵ダクト20は、後方開口部20a及び下方開口部20bを有している。後方開口部20aは、操舵ダクト20のうち船体の進行方向の後方に形成されている。後方開口部20aは、操舵ダクト20の内部を流通する水を後方に向けて流出する。下方開口部20bは、操舵ダクト20のうち鉛直方向の下方に形成されている。下方開口部20bは、操舵ダクト20の内部を流通する水を下方に流出する。
操舵ダクト20は、軸部材21及び22を介してノズル10に連結されている。軸部材21は、ノズル10及び操舵ダクト20の上部を連結する。軸部材22は、ノズル10及び操舵ダクト20の下部を連結する。軸部材21及び22は、例えば円柱状に形成され、鉛直方向に中心軸が一致するように配置される。操舵ダクト20は、軸部材21及び22の中心軸に一致する旋回軸AX1の軸線周りに旋回可能に支持されている。また、操舵ダクト20には、不図示の旋回駆動装置が接続されている。この旋回駆動装置は、操舵ダクト20を旋回軸AX1の軸線周りに回動させるための駆動源である。旋回駆動装置としては、例えば油圧シリンダ機構などが用いられる。旋回駆動装置は、操舵ダクト20を旋回軸AX1の軸線周りに回動させることにより、操舵ダクト20の後方開口部20a又は下方開口部20bから流出する水の流出方向を制御することが可能となっている。
操舵ダクト20には、後方突出部23及び下方突出部24が設けられている。後方突出部23は、進行方向の両側方の壁部が後方開口部20aから後方に突出した状態に形成されている。また、下方突出部24は、進行方向の両側方の壁部が下方開口部20bから下方に突出した状態に形成されている。図1では、奥側の後方突出部23及び下方突出部24のみが図示されているが、手前側においても同様に後方突出部23及び下方突出部24が設けられている。
本実施形態では、上記ノズル10の導入口10aから操舵ダクト20の後方突出部23の後方の端部までの距離、すなわち、進行方向についての前後進操舵装置100の船外部分の寸法をLとすると、上記の導入口10aの径Rに対して、L/Rの値が2.0以上2.6以下となるように設定されている。また、本実施形態では、ノズル10の噴出口10bから導入口10aまでの距離と、噴出口10bから下方開口部20bの後方の端部までの距離とをほぼ等しくすることができる。また、操舵ダクト20の内側上部には、突起部25が設けられている。突起部25は、後述するフラップ部材31が第2位置P2に配置されるように回動を規制する。
切替機構30は、操舵ダクト20の内部に流通する水の流出先を、後方開口部20aと下方開口部20bとの間で切り替える。切替機構30は、フラップ部材31と、連結部材32とを有している。フラップ部材31は、板状に形成され、後方開口部20a及び下方開口部20bを閉塞可能な寸法に形成される。
連結部材32は、フラップ部材31と操舵ダクト20とを連結する。連結部材32は、軸部材33を介して操舵ダクト20の各後方突出部23に連結される。図1では、図中奥側の後方突出部23に軸部材33を介して連結部材32が連結される例が示されているが、図示を省略する手前側の突出部においても同様の構成となっている。各軸部材33は、例えば円柱状に形成され、船体の進行方向に直交し、かつ水平方向に平行な方向に中心軸が一致するように配置される。連結部材32は、この2つの軸部材33の中心軸に一致する回動軸AX2の軸線周りに回動可能に支持されている。連結部材32の上方には、駆動装置50が接続されている。駆動装置50は、連結部材32を回動軸AX2の軸線周りに回動させるための駆動源である。駆動装置50としては、例えば油圧シリンダ機構などが用いられる。駆動装置50は、連結部材32を回動軸AX2の軸線周りに回動させることにより、フラップ部材31を下方開口部20bを閉塞する第1位置P1と、後方開口部20aを閉塞する第2位置P2とに切り替えて配置させることが可能となっている。
整流部40は、下方開口部20bから流出する水が船体の進行方向の前方に向けて流れるように整流する。整流部40は、複数のルーバ翼41、42、43、44を有する。ルーバ翼41、42、43、44は、下方開口部20bに進行方向に所定の間隔を空けて並んで配置される。本実施形態では、進行方向の後方から前方に向けてルーバ翼41、42、43、44の順で配置されている。各ルーバ翼41、42、43、44は、操舵ダクト20の下方突出部24に固定されている。
隣り合うルーバ翼41、42、43、44の間の空間は、下方開口部20bから流出する水の流路となる。以下、ルーバ翼41とルーバ翼42との間の空間を第1流路T1とし、ルーバ翼42とルーバ翼43との間の空間を第2流路T2とし、ルーバ翼43とルーバ翼44との間の空間を第3流路T3とする。したがって、本実施形態では、整流部40は、4つのルーバ翼41、42、43、44により、第1流路T1、第2流路T2及び第3流路T3の3つの流路が形成されている。
図2は、操舵ダクト20の後部及び整流部40の一例を示す縦断面図である。図2では、後方開口部20aの一部を省略して示している。図2に示すように、ルーバ翼41、42、43、44は、操舵ダクト20の内部に向けられた返し部41a、42a、43a、44aと、進行方向の前方側の平坦部41b、42b、43b、44bと、を有している。
ルーバ翼41、42、43、44は、下方開口部20bから流出する水を返し部41a、42a、43a、44aから第1流路T1、第2流路T2及び第3流路T3に導入する。また、ルーバ翼41、42、43、44は、第1流路T1、第2流路T2及び第3流路T3を流れる水を平坦部41b、42b、43b、44bから前方に流す。
各返し部41a、42a、43a、44aは、湾曲した形状に形成される。各返し部41a、42a、43a、44aの先端(上端)は、下方開口部20bから流出する水を第1流路T1、第2流路T2及び第3流路T3に導入しやすくするように、進行方向の前方を基準とした場合に水平面に対する仰角γが設定されている。本実施形態では、仰角γは、例えば35°以上100°以下の範囲で設定することができる。
本実施形態では、各返し部41a、42a、43a、44aは、先端の仰角γが互いに異なっており、例えば進行方向の前方から後方にかけて大きくなっている。進行方向の最も後方のルーバ翼41は、返し部41aの先端の仰角γが90°よりも大きくなっている、つまり、返し部41aの先端が後方に向けられている。返し部41aの先端の位置又は仰角γは、上記フラップ部材31が第2位置P2に配置される場合に、当該フラップ部材31との間で操舵ダクト20の後方開口部20aを閉塞可能となるように設定される。
また、上記ルーバ翼41の1つ前方に配置されるルーバ翼42は、返し部42aの先端の仰角γがほぼ90°となっている、つまり、返し部42aの先端が鉛直方向の上方に向けられている。また、ルーバ翼42の1つ前方に配置されるルーバ翼43及び当該ルーバ翼43の1つ前方に配置されるルーバ翼44は、返し部43a、44aの先端の仰角γが90°よりも小さくなっている、つまり、返し部43a、44aの先端が前方に向けられている。このように各返し部41a、42a、43a、44aの先端の仰角γを設定することにより、隣り合う返し部の間、例えば返し部41aと返し部42aとの間、返し部42aと返し部43aとの間が、それぞれ鉛直方向の上方に向けて開いた状態となるため、第1流路T1及び第2流路T2に水が流れ込みやすくなる。
また、返し部41a、42a、43aは、先端の高さ位置が進行方向の後方から前方に至るに従って上方にずれるように配置される。つまり、返し部42aは、先端の高さ位置が返し部41aよりも上方に配置される。また、返し部43aは、先端の高さ位置が返し部42aよりも上方に配置される。一方、返し部44aの高さ位置は、返し部43aの高さ位置よりも下方に配置される。
また、上記のフラップ部材31が第1位置P1(下方開口部20bを閉塞する位置)に配置される場合、第1流路T1及び第2流路T2を塞ぐように配置される。つまり、フラップ部材31は、返し部41a及び42aの上方に配置されると共に、先端が返し部43aに近接する又は当接する位置に配置される。このとき、返し部43aの上端の高さ位置は、フラップ部材31の上面31aの高さ位置に揃うように形成される。これにより、返し部43aとフラップ部材31との間に段差が形成されることが抑制され、水が流れる際に受ける抵抗が抑制される。なお、フラップ部材31の上面31aには、不図示のリブが設けられてもよい。これにより、フラップ部材31の強度が高められる。
また、平坦部41b、42b、43b、44bは、水平面との間で角度αを成すように進行方向の前方側が水平面に対して下方に傾いて配置されている。本実施形態において、この角度αは、20°以上28°以下に設定される。本実施形態では、各平坦部41b、42b、43b、44bのそれぞれが水平面に対して等しい角度で下方に傾いている場合を例に挙げているが、これに限定するものではなく、20°以上28°以下の範囲内であれば、少なくとも1つが異なる角度であってもよい。また、平坦部41b、42b、43b、44bの先端の高さ位置は、進行方向の後方から前方にかけて上方にずれるように配置される。
また、隣り合う2つの平坦部の前後方向の間隔については、例えば平坦部41bと平坦部42bとの間隔が最も大きくすることができ、次に、平坦部42bと平坦部43bとの間隔を大きくすることができる。この場合、第1流路T1、第2流路T2及び第3流路T3の3つの流路のうち、第1流路T1の前後方向の寸法が最も大きく、次に第2流路T2の前後方向の寸法が大きくなる。ノズル10から噴射されてフラップ部材31で返された水は、下方開口部20bの前方側よりも後方側の方に多く流れやすい。したがって、上記のように進行方向の後方の流路ほど前後方向の寸法を大きくすることで、後方の流路の抵抗を小さくすることができるため、水を効率的に流すことが可能となる。
また、本実施形態では、4つのルーバ翼のうち最も前方に配置されるルーバ翼44は、平坦部44bがノズル10の噴出口10bよりも進行方向の前方に配置させることができる。この場合、整流部40は、流路の一部がノズル10の噴出口10bよりも進行方向の前方に突出して配置される。また、ルーバ翼44は、旋回軸AX1の軸回りに操舵ダクト20を旋回させる際にノズル10に干渉しない位置に配置される。このように、整流部40とノズル10とが進行方向について効率的に配置されるため、前後進操舵装置100の船外部分の寸法Lを小さくすることが可能となる。
次に、上記のように構成された前後進操舵装置100の動作を説明する。ウォータージェット推進型の船舶は、例えば海水を汲み上げてウォータージェットポンプにより船体の噴射部分101から噴射し、その反力を推進力として前後進する。船舶を前進させる場合、前後進操舵装置100は、フラップ部材31を第1位置P1に配置させる。この場合、噴射部分101から噴射された水は、ノズル10から操舵ダクト20内に噴出され、操舵ダクト20内を流通して後方開口部20aから流出する。このため、水が後方に流出する際の反力を推進力として前進する。また、操舵ダクト20を旋回させ、後方開口部20aから流出する水の流出方向を切り替えることにより、船体を左右方向に旋回させる。
次に、船舶を後進させる場合の前後進操舵装置100の動作を説明する。図3及び図4は、前後進操舵装置100の後進動作の一例を示す図である。船舶を後進させる場合、前後進操舵装置100は、図3に示すように、フラップ部材31を第2位置P2に配置させる。これにより、操舵ダクト20の後方開口部20aがフラップ部材31及びルーバ翼41によって閉塞された状態となる。
この状態で噴射部分101から水が噴射されると、図4に示すように、ノズル10から水流W1が操舵ダクト20内に噴出される。この水流W1は、操舵ダクト20内を流通してフラップ部材31によって下方開口部20b側へ案内され、下方開口部20bから流出する。そして、整流部40の第1流路T1、第2流路T2及び第3流路T3を流れて水流W2として前方に流出する。このため、水流W2が前方に流出する際の反力を推進力として後進する。
このとき、前後進操舵装置100は、平坦部41b、42b、43b、44bが水平面との間で28°以下の角度をなすように進行方向の前方が下方に傾いて配置されているため、第1流路T1、第2流路T2及び第3流路T3から前方に流出する水の推進力のうち水平方向成分を大きくすることができる。これにより、高い後進効率が得られるため、前後進操舵装置100を小型化することで後進効率が低下する場合であっても、当該後進効率の低下分の少なくとも一部を補うことができる。また、平坦部41b、42b、43b、44bが水平面との間で20°以上の角度をなすように進行方向の前方が下方に傾いて配置されているため、第1流路T1、第2流路T2及び第3流路T3から流出する水流が船体に噴射されることを抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る前後進操舵装置100は、複数のルーバ翼41、42、43、44のそれぞれの平坦部41b、42b、43b、44bが水平面との間で20°以上28°以下の角度をなすように進行方向の前方が下方に傾いて配置されている。このため、後進効率の低下を抑制しつつ、前後進操舵装置100を小型化することができる。
また、本実施形態に係る前後進操舵装置100は、ルーバ翼41、42、43、44が下方突出部24に固定されているため、ルーバ翼41、42、43、44を移動させることなくフラップ部材31を第1位置P1と第2位置P2との間で移動させることにより前進と後進とを切り替えることができる。これにより、第1流路T1、第2流路T2及び第3流路T3から水の流出角を安定させることができる。
以下、図4を参照して、角度αの値の設計手法について説明する。従来では、ノズル10から噴出されてフラップ部材31やルーバ翼41、42、43、44を流れる水の流動状態を予測することが困難であったため、水流W2の流出角βを正確に求めることができず、ルーバ翼41、42、43、44の角度α等の設計が困難であった。これに対して、本発明者は、フラップ部材31及びルーバ翼41、42、43、44での水流の流動状態を高精度に予測することにより、平坦部41b、42b、43b、44bの角度αに対する水流W2の流出角βを算出することが可能となった。本発明者は、この算出結果に基づいて、後進効率が低下しないような角度αの値を設計したものである。
ここで、ノズル10から噴出される水流W1の単位時間当たりの流量をQ1とし、当該水流W1の流速をV1とする。また、第1流路T1、第2流路T2及び第3流路T3から流出する水流W2の単位時間当たりの流量をQ2とし、当該水流W2の流速をV2とする。このとき、各流路から流出する水流W2の流出方向(水流W2の矢印方向)と進行方向の前方との間で形成される角度を流出角βとすると、以下の式で後進効率ηβを表すことができる。
ηβ=(Q2/Q1)×(V2/V1)×cosβ
このように、後進効率ηβは、船舶の前進時の推進力(水流W1による推進力)に対する後進時の推進力(水流W2による推進力)の割合を示す値として求めることができる。
上記式より、流出角βが小さいほど後進効率ηβの値が高くなる。したがって、流出角βが極力小さくなるように角度αを設定することが望ましい。一方、流出角βが小さすぎる場合、第1流路T1、第2流路T2及び第3流路T3から流出する水流W2が船体に噴射される可能性がある。このため、角度αは、水流W2が船体に噴射されないように20°以上に設定されている。
また、前後進操舵装置100を小型化する場合、水流W1が操舵ダクト20やフラップ部材31、ルーバ翼41、42、43、44を経て水流W2として流出するまでの流量及び流速の低下量が大きくなる。このため、小型化により後進効率ηβが低下してしまう。一方、上記のように流出角βを小さくすることにより後進効率ηβを高めることができる。そこで、角度αは、小型化によって生じる後進効率ηβの低下を補うことができるように、28°以下に設定されている。
なお、本実施形態のように平坦部41b、42b、43b、44bの水平面との間の角度αが20°以上28°以下に設定される場合、流出角βは、平坦部41b、42b、43b、44bの角度αよりもやや小さく、例えば35°以上100°以下となる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、ノズル10の導入口10aから操舵ダクト20の後方突出部23の後方の端部までを船外部分とした構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、噴射部分101の一部が船外部分として設けられた構成であってもよい。
また、上記実施形態では、第1位置P1に配置されたフラップ部材31が第1流路T1及び第2流路T2を覆い、第3流路T3を覆わない構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、第3流路T3を覆う構成であってもよい。
α 角度
γ 仰角
ηβ 後進効率
β 流出角
L 寸法
P1 第1位置
P2 第2位置
R 径
T1 第1流路
T2 第2流路
T3 第3流路
W1,W2 水流
AX1 旋回軸
AX2 回動軸
10 ノズル
10a 導入口
10b 噴出口
20 操舵ダクト
20a 後方開口部
20b 下方開口部
21,22,33 軸部材
23 後方突出部
24 下方突出部
25 突起部
30 切替機構
31 フラップ部材
31a 上面
32 連結部材
40 整流部
41,42,43,44 ルーバ翼
41a,42a,43a,44a 返し部
41b,42b,43b,44b 平坦部
50 駆動装置
100 前後進操舵装置
101 噴射部分

Claims (5)

  1. 船体の進行方向の後方に水を噴射するノズルと、
    鉛直方向に平行な旋回軸の軸線周りに旋回可能となるように前記ノズルに接続され、前記進行方向の後方の端部及び前記鉛直方向の下部にそれぞれ後方開口部及び下方開口部を有し、前記ノズルから噴射された水を内部に流通させて前記後方開口部と前記下方開口部との間で切り替えて流出させる操舵ダクトと、
    前記下方開口部に前記進行方向に複数並んで配置され、前記下方開口部から流出する水が前記進行方向の前方に向けて流れるように整流する平坦部を有するルーバ翼と、を備え、
    それぞれの前記平坦部は、水平面との間で20°以上28°以下の角度をなすように前記進行方向の前方側が前記水平面に対して下方に傾いて配置されており、
    複数の前記ルーバ翼は、前記進行方向の後方ほど隣り合う前記平坦部の間の前記進行方向の間隔が大きくなるように配置される
    前後進操舵装置。
  2. 前記ノズルは、水を導入する導入口を有し、
    前記導入口の径をRとし、前記導入口から前記操舵ダクトの前記進行方向の後方の端部までの距離をLとすると、L/Rの値が、2.0以上2.6以下に設定される請求項1に記載の前後進操舵装置。
  3. 複数の前記ルーバ翼は、前記操舵ダクトの内部に向けて設けられる返し部を有し、
    前記返し部の先端は、前記進行方向の前方を基準とした場合に前記水平面に対する仰角が35°以上100°以下となるように形成されている請求項1又は請求項2に記載の前後進操舵装置。
  4. 複数の前記ルーバ翼は、前記操舵ダクトの一部に固定され、
    前記下方開口部の少なくとも一部を閉塞する第1位置と、前記後方開口部を閉塞する第2位置との間を移動可能なフラップ部材を有し、前記フラップ部材を前記第1位置と前記第2位置との間で切り替えて移動させることで前記操舵ダクトの内部に流通する前記水の流出先を前記後方開口部と前記下方開口部との間で切り替える切替機構をさらに備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の前後進操舵装置。
  5. 複数の前記ルーバ翼の少なくとも1つは、前記下方開口部を閉塞した状態の前記フラップ部材に対して前記進行方向の直前に配置され、前記鉛直方向の上方の端部の高さ位置が前記フラップ部材の上面の高さ位置に揃うように形成される請求項4に記載の前後進操舵装置。
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