JP6688260B2 - ごみピット容量管理システム、及びごみピット容量管理方法 - Google Patents
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Description
このごみピットでは、ごみ収集車で搬送されたごみが投入口を介してその内部空間に搬入される一方で、内部空間に貯留されたごみは天井クレーンによって焼却炉の投入ホッパへ投入処理される。
そして、このような状況に対応して、例えば、特許文献1では、ごみ収集車によるごみ搬入時、ごみクレーンバケットによるごみの掴み又はホッパ投下時の重量をそれぞれ計測し、予め設定した見掛け比重で除算することで、ごみ体積を求め、これによりピット内に貯留されるごみ体積の把握を可能としている。
このような誤差の要因としては、ピットに貯留されている間に、ごみ汚水のピットへの滞留や残渣の蓄積、水分蒸発、発酵ガスの発生、溶存ガスの離脱などが考えられ、これらの要因は、ごみの性状やピットの環境により季節的、あるいは時間的に変動することがあり、一義的に補正することは難しい。
この特許文献2は、クレーン本体部に設けられたごみ堆積状況検出センサ群のスキャニング式レーザレーダを用いてごみピット内のごみ表面全体を走査することにより、ごみ表面の三次元形状を計測し、ごみ体積を算出するものである。
また、スキャニング式レーザレーダを頻繁に作動させることで、全体の操作が煩雑となり、ごみ処理の作業性が低下するという問題もある。
本発明の第1形態に示されるごみピット容量管理システムでは、ごみピットに搬入される搬入ごみの重量を計測するごみ搬入重量計測装置と、ごみピットから搬出・投入処理される搬出ごみの重量を計測するごみ搬出重量計測装置と、ごみ重量に対するごみ体積の変化量を示すごみ体積変化率を複数格納するごみ体積変化率データ記憶装置と、該ごみ体積変化率データ記憶装置に記憶される前記複数のごみ体積変化率の中から1つを選択する選択装置と、前記ごみ搬入重量計測装置で計測された前記搬入ごみの重量と、前記ごみ搬出重量計測装置で計測された前記搬出・投入処理されたごみの重量と、前記選択装置で選択された前記ごみ体積変化率とを用いて前記ごみピット内のごみの体積を簡易計算する簡易計算装置と、前記ごみピット内をスキャン(走査)して前記ごみの体積を精密計算する精密計算装置と、予め設定したごみ搬入計画及びごみ搬出計画と、前記選択装置から供給されかつ基準値として選択されたごみ体積変化率に基づいて、前記ごみピット内のごみの体積を予測する予測演算装置とを有し、前記選択装置は、前記簡易計算の結果と前記精密計算の結果を比較し、前記簡易計算の結果と前記精密計算の結果との差分の絶対値が所定値より大きい場合に、前記ごみ体積変化率データ記憶装置に記憶される複数のごみ体積変化率の中から、前記基準値として選択されたごみ体積変化率と異なるごみ体積変化率を選択して差し替えることを特徴とする。
このような処理により、ごみ重量に対するごみ体積の変化量を示すごみ体積変化率を、最適値に容易に設定変更することができ、これにより予測演算装置でのごみピット内のごみの体積予測を状況に応じて正確に行うことができる。
このような処理により、ごみ重量に対するごみ体積の変化量を示すごみ体積変化率を、最適値に容易に設定変更することができ、これにより予測演算装置でのごみピット内のごみの体積予測を状況に応じて正確に行うことができる。
図1は本発明に適用されるごみ焼却設備のごみピット1であって、ピット側面2に形成されたごみ投入口3を通じて、ごみ回収車αからの排出されたごみが受け入れられる。
この天井走行クレーン4は、ごみピット1の上方空間に水平に設けられた天井レール5と、該天井レール5に沿って水平に走行する台車6と、該台車6上に設けられた巻上げ機7と、該巻上げ機7からのワイヤー8により上下動されて所定量のごみを把持するバケット9とを有し、該バケット9を通じて、ごみピット1内のごみが隣接する焼却炉10へと搬出・投入処理される。
ごみピット容量管理システム100は、ごみ搬入重量計測装置11と、ごみ搬出重量計測装置12と、ごみ体積変化率データ記憶装置13と、ごみ体積変化率選択装置14と、簡易計算装置15と、精密計算装置16と、予測演算装置17とを主な構成要素とする。
ごみ搬入重量計測装置11は、ごみ回収車αが通過する走行路3Aで、かつごみ投入口3の手前(例えばごみ焼却施設の入出口ゲート付近)に位置するものであって、ごみ回収車αの入場及び退場時の重量差を計測することで、該回収車αを介してごみピット1に投入される搬入ごみの重量を算出する。
ごみ搬出重量計測装置12は、天井走行クレーン4に設けられるものであって、バケット9によるごみ把持前と把持後の重量差を計測することで、ごみピット1から搬出・投入処理されるごみの重量を算出する。
精密計算装置16は、ごみピット1内をスキャン(走査)してごみの体積(R2)を精密計算するものであって、例えば、特許文献2に示されるような、クレーンに設けられたごみ堆積状況検出センサ群のスキャニング式レーザレーダを用いてごみピット1内のごみ表面全体の三次元形状を計測し、これによりごみピット1内の正確なごみの体積を算出する。
そして、このごみ体積変化率選択装置14では、簡易計算の結果(R1)と精密計算の結果(R2)を比較し、簡易計算の結果と精密計算の結果との差分の絶対値が所定値より大きい場合に、ごみ体積変化率データ記憶装置に記憶される複数のごみ体積変化率Aの中から、最初に基準値として選択されたごみ体積変化率A(例えばA1)と異なるごみ体積変化率A(例えばA2)を選択して差し替える。
さらに、このごみ体積変化率選択装置14では、最初の基準値とは異なるごみ体積変化率A2に基づき再計算された簡易計算の結果と精密計算の結果とを比較し、これら結果の差分の絶対値が所定値より大きいか否かに基づき、複数のごみ体積変化率Aのうち最適なごみ体積変化率A(例えばA3)を再度選択する。
このとき、ごみ体積変化率選択装置14にて、所定値を小さく設定すれば、簡易計算の結果と精密計算の結果との乖離は小さくなるが、ごみ体積変化率Aを頻繁に変更することが必要となるために、ごみ体積変化率データ記憶装置13にて多数のごみ体積変化率Aを事前に設定しておく必要がある。
また、このごみ体積変化率選択装置14では、複数のごみ体積変化率Aのうち最適なごみ体積変化率Aを選択する処理を、簡易計算装置15及び/又は精密計算装置16が計算処理を行う毎に繰り返し行わせると良い。
また、簡易計算装置15及び精密計算装置16が同時に計算処理を行う必要はない。精密計算装置16は、第1の所定期間(例えば1週間)ごとに精密計算を行い、簡易計算装置15は、第2の所定期間(例えば毎日)ごとに簡易計算を行うようにすれば良く、このとき、処理内容の煩雑さを考慮して、各装置15,16にて第2の所定期間を第1の所定期間より短く設定すると良い。
なお、ごみピット1へのごみ搬入計画は搬入計画入力・記憶装置18に設定され、ごみピット1からのごみ搬出計画は搬出計画入力・記憶装置19に設定されており、いずれの装置18,19でも記憶した計画の適宜の書き換えが可能である。
また、予測演算装置17での予測結果は、表示装置20に設けられたディスプレイ画面にて表示される。
このごみ体積変化率選択装置14は、季節に応じて、この中で最適なごみ体積変化率を基準値として1つ選択する(システムスタート時は、例えば、デフォルトでA1とする)。
また、 ごみ体積変化率選択装置14は、選択したごみ体積変化率Aを、ごみピット内ごみ体積簡易計算装置15とごみピット内ごみ体積予測演算装置17へ送信し、データを受信したごみピット内ごみ体積簡易計算装置15と、ごみピット内ごみ体積予測演算装置17はそれぞれ内蔵するメモリに当該データを保存する。
[数1]
ΔVα=ΔGα×(A1)
[数2]
ΔVC=ΔGC×(A1)
[数3]
VD= (VY)+ (ΣΔVα)−(ΣΔVC)
ごみピット内ごみ体積簡易計算装置15は、メモリを備え、搬入ごみ体積(ΔVα)と搬出ごみ体積(ΔVC)の値を、少なくとも所定期間(ここでは1営業日)の間は保存し、以下の項目《6》での別の体積データを受信した場合の再計算に備える。
すなわち、ごみ体積変化率選択装置14では、再度、上記絶対値を算出し、上記所定値より小さくなるまで、 ごみピット内ごみ体積簡易計算装置15に対して異なるごみ体積変化率A(A2、A3、A4…のいずれか)の発信を行い、 かつごみピット内ごみ体積簡易計算装置15では「当日の簡易計算ごみ体積(VD)」の再計算をして発信を繰り返す。
これにより、簡易計算により求めたごみ体積(VD)が、精密計算により求めたごみ体積(VR)に近似するようにする。
これにより、ごみピット1が近日あふれるような計画の場合には計画の修正を促すことができ、ごみピット体積を適切に管理することができる。
そして、ごみピット内ごみ体積予測演算装置17では、1月15日付けで、この設定変更した1月分のごみ体積変化率(A2=1.12)と、搬入計画入力・記憶装置18及び搬出計画入力・記憶装置19に保存されている計画データとに基づき、符号(イ)で示されるように、1月15日以降のごみピット体積の残量が、どの程度となるかを正確に予測演算することが可能となる。
そして、このような処理により、ごみ重量に対するごみ体積の変化量を示すごみ体積変化率Aを、最適値に容易に設定変更することができ、これにより予測演算装置17でのごみピット1内のごみの体積予測を状況(例えば、季節、ごみの種類等)に応じて正確に行うことができる。
4 天井クレーン
10 焼却炉
11 ごみ搬入重量計測装置
12 ごみ搬出重量計測装置
13 ごみ体積変化率データ記憶装置
14 ごみ体積変化率選択装置
15 簡易計算装置
16 精密計算装置
17 予測演算装置
100 ごみピット容量管理システム
Claims (8)
- ごみピットに搬入される搬入ごみの重量を計測するごみ搬入重量計測装置と、
ごみピットから搬出される搬出ごみの重量を計測するごみ搬出重量計測装置と、
ごみ重量に対するごみ体積の変化量を示すごみ体積変化率を複数格納するごみ体積変化率データ記憶装置と、
該ごみ体積変化率データ記憶装置に記憶される前記複数のごみ体積変化率の中から1つを選択する選択装置と、
前記ごみ搬入重量計測装置で計測された前記搬入ごみの重量と、前記ごみ搬出重量計測装置で計測された前記搬出ごみの重量と、前記選択装置で選択された前記ごみ体積変化率とを用いて前記ごみピット内のごみの体積を簡易計算する簡易計算装置と、
前記ごみピット内をスキャンして前記ごみの体積を精密計算する精密計算装置と、
予め設定したごみ搬入計画及びごみ搬出計画と、前記選択装置から供給されかつ基準値として選択されたごみ体積変化率に基づいて、前記ごみピット内のごみの体積を予測する予測演算装置とを有し、
前記選択装置は、前記簡易計算の結果と前記精密計算の結果を比較し、前記簡易計算の結果と前記精密計算の結果との差分の絶対値が所定値より大きい場合に、前記ごみ体積変化率データ記憶装置に記憶される複数のごみ体積変化率の中から、前記基準値として選択されたごみ体積変化率と異なるごみ体積変化率を選択して差し替えることを特徴とするごみピット容量管理システム。 - 前記選択装置は、前記基準値とは異なるごみ体積変化率に基づき再計算された前記簡易計算の結果と前記精密計算の結果とを比較し、これら結果の差分の絶対値が所定値より大きいか否かに基づき、前記複数のごみ体積変化率のうち最適なごみ体積変化率を再度選択することを特徴とする請求項1に記載のごみピット容量管理システム。
- 前記選択装置は、前記複数のごみ体積変化率のうち最適なごみ体積変化率を再度選択する処理を、設定期間毎に繰り返し行わせることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のごみピット容量管理システム。
- 前記精密計算装置は、第1の所定期間ごとに前記精密計算を行い、前記簡易計算装置は、第2の所定期間ごとに前記簡易計算を行い、
前記第2の所定期間は前記第1の所定期間より短いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のごみピット容量管理システム。 - 前記ごみ体積変化率データ記憶装置には、季節又は廃棄物種類に応じた複数のごみ体積変化率が予め設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のごみピット容量管理システム。
- 前記ごみ体積変化率データ記憶装置には、少なくとも夏、冬、春秋に対応する3つのごみ体積変化率が予め設定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のごみピット容量管理システム。
- 前記予測演算装置には、予め記憶したごみの搬入及び搬出計画を記憶する事業計画記憶装置が接続されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のごみピット容量管理システム。
- ごみピットに搬入される搬入ごみの重量を計測するごみ搬入重量計測工程と、
ごみピットから搬出される搬出ごみの重量を計測するごみ搬出重量計測工程と、
ごみ重量に対するごみ体積の変化量を示す複数のごみ体積変化率の中から1つを選択する選択工程と、
前記ごみ搬入重量計測工程で計測された前記搬入ごみの重量と、前記ごみ搬出重量計測工程で計測された前記搬出ごみの重量と、前記選択工程で選択された前記ごみ体積変化率を用いて前記ごみピット内のごみの体積を簡易計算する簡易計算工程と、
前記ごみピット内をスキャンして前記ごみの体積を精密計算する精密計算工程と、
予め設定したごみ搬入計画及びごみ搬出計画と、基準値として選択されたごみ体積変化率に基づいて、前記ごみピット内のごみの体積を予測する予測演算工程とを有し、
前記選択工程は、前記簡易計算の結果と前記精密計算の結果を比較し、前記簡易計算の結果と前記精密計算の結果との差分の絶対値が所定値より大きい場合に、前記ごみ体積変化率データ記憶装置に記憶される複数のごみ体積変化率の中から、前記基準値として選択されたごみ体積変化率と異なるごみ体積変化率を選択して差し替えることを特徴とするごみピット容量管理方法。
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JP2017129001A JP6688260B2 (ja) | 2017-06-30 | 2017-06-30 | ごみピット容量管理システム、及びごみピット容量管理方法 |
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