JP6687900B2 - 直噴エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直噴エンジンの冷却装置に係り、詳しくは筒内噴射インジェクタに供給される燃料を冷却する燃料クーラを備えた直噴エンジンの冷却装置に関する。
筒内に燃料を噴射する直噴エンジンでは、筒内に臨むようにインジェクタが配置されていることから、筒内の燃焼熱がインジェクタに直接的に伝達される。このためインジェクタが温度上昇してソレノイドの磁界再現性が低下し、燃料噴射量に誤差が生じて気筒間の空燃比にバラツキが生じる可能性がある。
このような課題を鑑みて、インジェクタに供給される燃料を冷却する対策が提案されている。例えば特許文献1に記載の技術では、各気筒のインジェクタに燃料を分配・供給するデリバリパイプにウォータジャケットを設け、ウォータポンプから供給される冷却水をウォータジャケットに流通させるようにして燃料クーラを構成している。そして、この燃料クーラによりデリバリパイプ内の燃料を冷却することでインジェクタの温度上昇の抑制を図っている。
特開平5−202821号公報
特許文献1に記載の燃料クーラは、単にウォータジャケットに冷却水を流通させるだけの構成のため、デリバリパイプ内の燃料が受ける冷却作用は、エンジンの運転状態等に関係なく一律のものとなる。しかしながら、エンジンの筒内の燃焼熱は運転状態等に応じて刻々と変化し、それに応じてインジェクタの温度上昇、ひいては温度上昇を抑制するために要求される燃料クーラの放熱量も増減する。特許文献1の技術によれば、冷却水の供給過小による冷却不足を回避するために、インジェクタの温度上昇が最も甚だしい条件を想定して、燃料クーラへの冷却水の供給量(燃料クーラの放熱量)を設定せざるを得ない。
このため、例えばインジェクタの冷却を要しないエンジン運転状態であっても、燃料クーラに十分な冷却水を供給すべくウォータポンプが駆動され、結果としてモータ駆動であれば無駄な電力消費、エンジン駆動であれば駆動ロス等が生じてしまう。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、燃料を冷却してインジェクタの温度上昇を抑制する燃料クーラに冷却水を過不足なく供給し、これにより燃料の冷却を最適化して不適切な燃料温度に起因する種々の不具合を未然に防止することができる直噴エンジンの冷却装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の直噴エンジンの冷却装置は、筒内に燃料を噴射するインジェクタの燃料経路に配設され、冷却水の流通により前記インジェクタに供給される燃料を冷却する燃料クーラと、前記燃料クーラに供給される冷却水の流量を調整可能な流量調整手段と、直噴エンジンの運転状態に基づき前記インジェクタに供給される燃料の冷却のために前記燃料クーラに要求される放熱量を算出する放熱量算出手段と、前記放熱量算出手段により算出された要求放熱量に基づき前記流量調整手段を制御する冷却制御手段とを備え、前記放熱量算出手段が、前記直噴エンジンの停止中に、前記インジェクタに供給される燃料が有する実熱量と予め設定された目標温度時の燃料の熱量との差に基づき、前記燃料クーラへの要求放熱量を算出し、前記直噴エンジンの運転中には、前記実熱量と前記目標温度時の熱量との差から筒内への燃料噴射により奪われる熱量を減算して、前記燃料クーラへの要求放熱量を算出することを特徴とする(請求項1)。
このように構成した直噴エンジンの冷却装置によれば、燃料冷却のための燃料クーラの要求放熱量に基づき流量調整手段を制御するため、燃料クーラに冷却水が過不足なく供給されて燃料の冷却が最適化される。さらに、エンジンの運転中と停止中の何れの場合でも適切な要求放熱量を算出可能となる。
その他の態様として、前記流量調整手段が、前記燃料クーラに供給される冷却水を吐出するウォータポンプまたは該ウォータポンプから吐出された冷却水の流量を制御する流量制御弁の少なくとも一方であり、前記冷却制御手段が、前記燃料クーラへの要求放熱量に基づき前記ウォータポンプの回転速度または前記流量制御弁の開度を制御することが好ましい(請求項2)。
この態様によれば、燃料クーラに要求される放熱量に基づきウォータポンプの回転速度や流量制御弁の開度が制御される。
その他の態様として、前記直噴エンジンにはターボチャージャの水冷式インタクーラが備えられ、前記流量調整手段が、冷却水を吐出するウォータポンプ、及び該ウォータポンプから吐出された冷却水を前記燃料クーラ側と前記インタクーラ側とに任意の比率で分配可能な流量制御弁であり、前記冷却制御手段が、前記燃料クーラ及び前記インタクーラに要求される放熱量に基づき、前記ウォータポンプの回転速度及び前記流量制御弁による冷却水の分配比率を制御することが好ましい(請求項3)。
この態様によれば、燃料クーラ及びインタクーラに要求される放熱量に基づきウォータポンプの回転速度及び流量制御弁による冷却水の分配比率が制御されることから、燃料クーラによる燃料の冷却に加えて、インタクーラによる吸気の冷却も最適化される
の他の態様として、所定の停止条件の成立に基づき前記直噴エンジンを自動停止させ、その後に所定の始動条件の成立に基づき前記直噴エンジンを自動始動するアイドルストップ制御手段をさらに備え、前記放熱量算出手段が、前記アイドルストップ制御手段による前記直噴エンジンの自動停止中に、前記実熱量と前記目標温度時の熱量との差に基づき前記燃料クーラへの要求放熱量を算出することが好ましい(請求項)。
この態様によれば、アイドルストップ制御手段による直噴エンジンの自動停止中においても適切な要求放熱量を算出可能となる。
その他の態様として、前記冷却制御手段が、前記インジェクタに供給される燃料の温度が予め設定された第1の判定値以下の場合、または前記インジェクタの燃料噴射量が予め設定された第2の判定値を超えている場合の何れかに該当するときに、前記流量調整手段により前記燃料クーラへの冷却水の供給を中止することが好ましい(請求項)。
この態様によれば、インジェクタに供給される燃料の温度が第1の判定値以下の場合には、燃料クーラによる燃料の冷却が不要と見なし、インジェクタの燃料噴射量が第2の判定値を超えている場合には、筒内への燃料噴射による燃料の温度低下が著しくて燃料クーラによる冷却が不要と見なし、何れの場合も燃料クーラへの冷却水の供給が中止される。
本発明の直噴エンジンの冷却装置によれば、燃料を冷却してインジェクタの温度上昇を抑制する燃料クーラに冷却水を過不足なく供給し、これにより燃料の冷却を最適化して不適切な燃料温度に起因する種々の不具合を未然に防止することができる。
実施形態の冷却装置が適用された直噴ガソリンエンジンを示す全体構成図である。 エンジンの運転中にECUが実行するエンジン運転時冷却制御ルーチンを示すフローチャートである。 エンジンの自動停止中にECUが実行するエンジン停止時冷却制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明を直噴ガソリンエンジンの冷却装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の冷却装置が適用された直噴ガソリンエンジンを示す全体構成図である。
本実施形態の直噴エンジン1(以下、単にエンジンという)は、走行用動力源として図示しない車両に搭載されている。エンジン1のシリンダブロック2に形成された各気筒のシリンダ3内にはピストン4が配設され、クランク軸5の回転に応じて各ピストン4がシリンダ3内で摺動する。クランク軸5の回転に同期して各気筒の吸気弁6及び排気弁7が駆動され、これにより吸気ポート8及び排気ポート9が所定クランク角で開閉される。
エンジン1の各気筒には筒内に臨むように点火プラグ10及びインジェクタ11が配設され、点火プラグ10はイグナイタ12の駆動により点火されるようになっている。各気筒のインジェクタ11は共通のデリバリパイプ13に接続され、デリバリパイプ13内には燃料経路14を経て高圧ポンプ15により加圧された燃料(ガソリン)が供給され、その燃料がデリバリパイプ13から各気筒のインジェクタ11に分配・供給される。
各気筒の吸気ポート8には吸気マニホールド17を介してサージタンク18が接続され、サージタンク18には吸気通路19の下流端が接続されている。吸気通路19には上流側よりエアクリーナ20、ターボチャージャ21のコンプレッサ21a、インタクーラ22、スロットル弁23が設けられている。
また、各気筒の排気ポート9には排気マニホールド24を介して排気通路25の上流端が接続され、排気通路25にはターボチャージャ21のタービン21b、触媒装置26及び図示しない消音器が設けられている。
エンジン1の運転中には、エアクリーナ20から吸気通路19内に導入された吸気がターボチャージャ21のコンプレッサ21aにより加圧され、インタクーラ22により冷却された後にスロットル弁23により流量調整され、さらにサージタンク18を経て吸気マニホールド17により各気筒に分配されて吸気弁6の開弁に伴いエンジン1の筒内に導入される。筒内で吸気中には所定クランク角でインジェクタ11から燃料が噴射されて点火プラグ10により点火され、発生した燃焼圧によりピストン4を介してクランク軸5が回転駆動される。
各気筒の筒内で燃焼後の排ガスは排気弁7の開弁に伴い排気ポート9に排出されて排気マニホールド24により集合され、排気通路25に案内されてターボチャージャ21のタービン21bを駆動した後に触媒装置26及び消音器を経て外部に排出される。
一方、本実施形態の冷却装置は、インジェクタ11に供給される燃料、インタクーラ22、ターボチャージャ21の軸受け部21cを冷却の対象としており、それらの冷却のために冷却水を循環させる冷却回路28(以下、補機冷却回路という)を備えている。なお、この補機冷却回路28は、エンジン1を冷却するためにラジエータとの間で冷却水を循環させる周知のエンジン冷却回路とは別系統で形成されたものである。
インジェクタ11への燃料の冷却は、[背景技術]で述べたように、筒内からの受熱によるインジェクタ11の温度上昇の抑制を目的としており、そのために、各気筒のインジェクタ11に燃料を分配・供給するデリバリパイプ13には燃料クーラ29が設けられている。燃料クーラ29のウォータジャケット29aはデリバリパイプ13の周囲を取り囲むように形成され、上記した補機冷却回路28を経てウォータジャケット29a内を流通する冷却水によりデリバリパイプ13内の燃料が冷却される。そして、冷却後の燃料がインジェクタ11を経て筒内に噴射されることにより、インジェクタ11の温度上昇の抑制作用が奏される。
燃料クーラ29による燃料の冷却は、筒内で燃焼が生起されるエンジン1の運転中は無論必要であり、後述するアイドルストップ制御でのエンジン1の自動停止中にも、エンジン1からの受熱でデリバリパイプ13内の燃料が温度上昇することから冷却が必要になる。
インタクーラ22は水冷式として構成されており、補機冷却回路28を経てインタクーラ22内を流通する冷却水により、同じくインタクーラ22内を別経路で流通する吸気が冷却される。なお、エンジン停止中にはインタクーラ22内での吸気の流通が中断されるため、その冷却は不要になる。
周知のように、ターボチャージャ21のコンプレッサ21aとタービン21bとは軸受け部21cにより同軸上で回転可能に支持され、エンジン運転中にはエンジンオイルの供給により軸受け部21cが潤滑及び冷却される。本実施形態のターボチャージャ21は、さらに冷却水を利用した軸受け部21cの冷却機能を備えており、そのために図示はしないが、軸受け部21cの近傍にウォータジャケットが形成され、このウォータジャケットに補機冷却回路28を経た冷却水が流通することにより軸受け部21cが冷却される。
冷却水による軸受け部21cの冷却は、エンジン停止によりエンジンオイルの供給が中止されたときの軸受け部21cの焼付き防止を目的とする。このため、冷却水による軸受け部21cの冷却はエンジン停止直後に要求され、特に高負荷運転の直後にはエンジン本体やタービン21b側から伝達される多量の熱により、エンジン停止にも拘わらず却って軸受け部21cの温度が上昇することから、冷却水による十分な冷却が必要になる。
以上の燃料クーラ29、インタクーラ22及びターボチャージャ21の軸受け部21cに対し、状況に応じて適宜冷却水を流通させるように補機冷却回路28が形成されており、以下、その構成について説明する。
補機冷却回路28のラジエータ31は、例えばエンジン冷却回路のラジエータと共に車両のエンジンルーム内に設置されており、走行風やファンの送風により内部を流通する冷却水を外気に放熱させるようになっている。
補機冷却回路28は、ラジエータ31の出口と燃料クーラ29とを接続する第1水路32、燃料クーラ29とターボチャージャ21の軸受け部21cとを接続する第2水路33、ターボチャージャ21の軸受け部21cとラジエータ31の入口とを接続する第3水路34、第1水路32の途中箇所に介装された流量制御弁37(流量調整手段)とインタクーラ22とを接続する第4水路35、及びインタクーラ22と第2水路33の途中箇所とを接続する第5水路36から構成されている。なお、第2水路33上には逆止弁39が介装され、ターボチャージャ21側から燃料クーラ29側への冷却水の逆流が防止されている。
第1水路32の流量制御弁37よりラジエータ31側には、図示しないモータにより駆動される電動式のウォータポンプ38(流量調整手段)が介装され、このウォータポンプ38から吐出された冷却水が補機冷却回路28内を循環する。モータのデューティ制御によりウォータポンプ38の回転速度が増減し、それに応じてウォータポンプ38からの冷却水の吐出量、ひいては補機冷却回路28内での冷却水の循環量を任意に調整可能となっている。
流量制御弁37は、ウォータポンプ38からの冷却水を燃料クーラ29側とインタクーラ22側とに任意の比率(100:0〜0:100)で分配可能な機能を有する。以下の説明では、燃料クーラ29及びインタクーラ22の両方に冷却水を供給するときの流量制御弁37の開度を中間位置、燃料クーラ29のみに冷却水を供給するときの開度を燃料クーラ位置(100:0)、インタクーラ22のみに冷却水を供給するときの開度をインタクーラ位置(0:100)と表現する。
なお、流量制御弁37の設置箇所及び機能は上記に限るものではなく、例えば第1水路32と第4水路35との分岐箇所より燃料クーラ29側及びインタクーラ22側のそれぞれの下流側に、各水路32,35の開度を調整可能な流量制御弁(流量調整手段)を介装してもよい。この場合でも、双方の流量制御弁の開度に応じて燃料クーラ29及びインタクーラ22への冷却水の分配比率を任意に調整可能となる。
以上の補機冷却回路28の構成により、ウォータポンプ38から吐出された冷却水は第1水路32を経て流量制御弁37に流入する。流量制御弁37が中間位置にある場合、冷却水は燃料クーラ29側及びインタクーラ22側の両方に所定比率で分配され、第1水路32を経て燃料クーラ29に供給されると共に、第4水路35を経てインタクーラ22に供給される。
燃料クーラ29のウォータジャケット29a内で燃料を冷却した後の冷却水は第2水路33を流通し、一方、インタクーラ22内で吸気を冷却した後の冷却水は第5水路36を流通し、互いに合流した後にターボチャージャ21の軸受け部21cに流入する。軸受け部21cを冷却後の冷却水は第3水路34を経てラジエータ31に戻され、外気への放熱により温度低下した後に再びウォータポンプ38から吐出され、以降は同様の循環を補機冷却回路28内で繰り返す。
また流量制御弁37が燃料クーラ位置にある場合、冷却水は第1水路32を経て燃料クーラ29に供給されて燃料を冷却し、第2水路33を経てターボチャージャ21の軸受け部21cを冷却し、その後に第3水路34を経てラジエータ31に流入する。
また流量制御弁37がインタクーラ位置にある場合、冷却水は第1水路32及び第4水路35を経てインタクーラ22に供給されて吸気を冷却し、第5水路36及び第2水路33を経てターボチャージャ21の軸受け部21cを冷却し、その後に第3水路34を経てラジエータ31に戻される。
車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU41(エンジン制御ユニット)が設置されており、エンジン1の総合的な制御を行う。ECU41の入力側には、エンジン1の吸気温度Taを検出する吸気温度センサ42、吸気量Gaを検出する吸気量センサ43、デリバリパイプ13内の燃料温度Tfdを検出する燃料温度センサ44、デリバリパイプ13内の燃圧Pfdを検出する燃圧センサ45、ターボチャージャ21の出口油温Toを検出する油温センサ46、及びインタクーラを流通後のIC下流温度Tbを検出するIC下流温度センサ47等の各種センサ類が接続されている。
また、ECU41の出力側には、インジェクタ11、点火プラグ10のイグナイタ12、補機冷却回路28の流量制御弁37及びウォータポンプ38等の各種デバイス類が接続されている。
ECU41は、各センサからの検出情報に基づき点火時期や燃料噴射量等を決定し、決定した目標値に基づいてイグナイタやインジェクタを駆動制御してエンジン1を運転する。
またECU41は、アイドルストップ制御を実行する(アイドルストップ制御手段)。周知のように当該制御は、信号待ちなどの車両の一時停止時にブレーキ操作などの所定の停止条件が成立するとエンジン1を自動停止させ、ブレーキ操作の中止などの所定の始動条件が成立するとエンジン1を自動始動するものである。
またECU41は、エンジン1の運転状態に応じて補機冷却回路28を循環する冷却水を燃料クーラ29、インタクーラ22及びターボチャージャ21の軸受け部21cに適宜流通させて冷却する。
そして、[発明が解決しようとする課題]で述べたように、特許文献1の技術では、冷却対象の1つである燃料クーラ29への冷却水の供給量について配慮していないことから、冷却水の供給不足によりインジェクタ11の温度上昇を抑制できなかったり、逆に冷却水の過剰な供給によりウォータポンプ38を駆動するモータの消費電力を無駄に増加させたりするという問題が生じた。
このような冷却装置に対する要望を鑑みて、本実施形態ではエンジン1の運転状態に応じて冷却が必要なデバイスを選択した上で、それらのデバイスに対し過不足のない適正量の冷却水を流通させるべく、ウォータポンプ38の回転速度(ポンプ吐出量であり、換言すると補機冷却回路28内での冷却水の循環量)及び流量制御弁37の開度(燃料クーラ29側とインタクーラ22側との冷却水の分配比率)を制御している。以下、具体的なECU41による制御を述べるが、それに先立って当該制御が如何なる知見に基づくかを説明する。
基本的に、冷却が必要なデバイスはエンジン1の運転状態に基づき選択され、選択された各デバイスへの冷却水の流通量はそれぞれのデバイスへの要求放熱量に基づき制御される。
まず冷却が必要なデバイスは、エンジン1の運転中とアイドルストップ制御による自動停止中とで相違する。
上記したようにエンジン1の運転中には、インジェクタ11の温度上昇を抑制するために燃料クーラ29による燃料の冷却が必要になると共に、吸気の冷却のためにインタクーラ22の冷却も必要となる。しかし、ターボチャージャ21の軸受け部21cはエンジンオイルで潤滑・冷却されると共に、コンプレッサ21aを流通する吸気で冷却されているため、アイドルストップ制御による自動停止中より、熱害に対する要件は幾分緩和される。
よって、このときの流量制御弁37は中間位置に切り換えられ(後述するフローチャートのように例外的にインタクーラ位置もあり)、燃料クーラ29及びインタクーラ22の両方に冷却水が供給される。このとき、下流側に位置するターボチャージャ21の軸受け部21cにも冷却水が流通するが、これを主目的としたものではない。
またエンジン1の自動停止中には、依然として燃料クーラ29による燃料の冷却は必要であるが、インタクーラ22については吸気が流通しなくなるため冷却が不要となる。その反面、ターボチャージャ21の軸受け部21cへのエンジンオイルの供給及びコンプレッサ21aの吸気流通が中止されるため、冷却水による冷却が必要になる。
よって、このときの流量制御弁37は燃料クーラ位置に切り換えられ、燃料クーラ29のみに冷却水が分配され(後述するフローチャートのように例外的に供給停止もあり)、必然的に下流側のターボチャージャ21の軸受け部21cにも冷却水が流通する。
一方、各デバイスへの要求放熱量は以下の観点に基づき算出され、この要求放熱量を達成可能な冷却水の流通量に基づきウォータポンプ38及び流量制御弁37が制御される。
まず、基本的に燃料クーラ29に要求される放熱量は、デリバリパイプ13内の燃料が有している実際の熱量と予め設定された目標温度時の燃料の熱量との乖離として表せ、燃料の冷却により要求放熱量が達成されることで乖離が解消される。
但し、エンジン1の運転中には、筒内への燃料噴射により相対的に高温の燃料がデリバリパイプ13内から流出し、新たにデリバリパイプ13内に相対的に低温の燃料が流入する。結果としてデリバリパイプ13内の燃料から熱が奪われる現象が発生し、その温度低下分だけ要求放熱量が低減される。
よって、エンジン運転中の燃料クーラ29への要求放熱量Qaは、次式(1)で表される。
Qa={C1×(Tfd―Tfdtgt)×C2×Vd}−C2×q×(Tfd−Tft) ……(1)
ここに、C1は定数、Tfdは燃料温度センサ44により検出されるデリバリパイプ13内の燃料温度、Tfdtgtは燃料の目標温度、C2は燃料比熱、Vdはデリバリパイプ13の内容積、qはインジェクタ11の噴射量、Tftは燃料タンク内の燃料温度である。なお、タンク内燃料温度Tftの検出には燃料タンク内にセンサを追加する必要があるため、簡易的に吸気温度センサ42により検出される吸気温度Ta(即ち外気温)を適用してもよい。
また、上記のように筒内への燃料噴射が中止されるエンジン自動停止中には、デリバリパイプ13への燃料の出入りがないことから、燃料クーラ29への要求放熱量Qaは次式(2)で表される。
Qa=C1×(Tfd―Tfdtgt)×C2×Vd ……(2)
なお、インジェクタ11の噴射量qは次式(3)で表される。
q=C3×Pfd×Pw ……(3)
ここに、C3は定数、Pfdは燃圧センサ45により検出されるデリバリパイプ13内の燃圧、PwはECU41がエンジン制御でインジェクタ11を駆動する際の噴射パルスである。
また、インタクーラ22への要求放熱量Qbは、次式(4)で表される。
Qb=C4×(Tb―Tbtgt)×Ga ……(4)
ここに、C4は定数、TbはIC下流温度センサ47により検出されるIC下流温度Tb、Tbtgtは目標下流温度、Gaは吸気量センサ43により検出される吸気量である。
なお、目標下流温度Tbtgtは、エンジン制御でインタクーラ22への冷却水の流通量を制御するときのIC下流温度Tbの目標値であるが、これに限るものではなく、予め設定された固定値としてもよい。
また、ターボチャージャ21の軸受け部21cへの要求放熱量Qcは、次式(5)で表される。
Qc=C5×(To―Totgt) ……(5)
ここに、C5は定数、Toは油温センサ46により検出されるターボチャージャ21の出口油温、Totgtは目標油温である。
なお、目標油温Totgtは、エンジン制御でのエンジン油温や負荷状態を考慮した制御値である。
このようにして各デバイス毎に算出された要求放熱量Qa,Qb,Qcに基づき、それぞれのデバイスに流通させるべき冷却水量を特定でき、その流通量を達成すべくウォータポンプ38の回転速度及び流量制御弁37の開度が制御される。
次に、具体的なECU41による制御を説明する。
まず、エンジン1の運転中に実行される冷却制御について述べる。
図2はエンジン1の運転中にECU41が実行するエンジン運転時冷却制御ルーチンを示すフローチャートであり、ECU41はエンジン1の運転中に当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。
まずステップS1で、上式(4)に従ってインタクーラ22への要求放熱量Qbを算出し、その要求放熱量Qbを達成するためにインタクーラ22に供給すべき冷却水量(必要冷却水量)を算出すると共に、必要冷却水量を達成可能なウォータポンプ38の駆動デューティを設定する。続くステップS2では、インタクーラ22のIC下流温度Tbが目標下流温度Tbtgtよりも予め設定された判定値Tb0以上高い(Tb≧Tbtgt+Tb0)か否かを判定する。
ステップS2の処理は、冷却水の一部を燃料クーラ29の冷却に利用可能であるか否かを見極めることを目的とする。ステップS2の判定がNo(否定)のときには、インタクーラ22による吸気の冷却に余裕があり、冷却水の一部を燃料クーラ29の冷却に利用する余地があると見なしてステップS3に移行する。
ステップS3では、デリバリパイプ13内の燃料温度Tfdが予め設定された判定値Tfd0(第1の判定値)を超えている(Tfd>Tfd0)か否かを判定する。ステップS3の処理は、燃料クーラ29による燃料の冷却が必要であるか否かを見極めることを目的とする。ステップS3の判定がYesのときには燃料クーラ29による冷却が必要と見なし、ステップS4に移行する。
ステップS4では、上式(3)により求めたインジェクタ11の噴射量qが予め設定された判定値q0(第2の判定値)を超えている(q>q0)か否かを判定する。ステップS4の処理は、筒内への燃料噴射によるデリバリパイプ13内の燃料の温度低下が著しいか否か(即ち、上式(1)の右辺の影響が大であるか否か)を見極めることを目的とする。ステップS4の判定がNoのときには、燃料噴射による燃料の温度低下が少なくて燃料クーラ29による冷却が必要と見なし、ステップS5に移行する。
ステップS5では、上式(1)に従って燃料クーラ29への要求放熱量Qaを算出し(放熱量算出手段)、その要求放熱量Qaを達成するために燃料クーラ29に供給すべき必要冷却水量を算出する。続くステップS6では、上記ステップS5で算出した燃料クーラ29への必要冷却水量を達成可能なウォータポンプ38の駆動デューティを算出し、その駆動デューティ分だけ上記ステップS1で算出した駆動デューティを増加補正する(冷却制御手段)。
続くステップS7では、燃料クーラ29への必要冷却水量とインタクーラ22への必要冷却水量との比率に対応するように、流量制御弁37を中間位置において所定の開度に設定する(冷却制御手段)。具体的には、ウォータポンプ38から供給される冷却水が必要冷却水量の比率で燃料クーラ29側とインタクーラ22側と分配されるように流量制御弁37の開度を設定し、その後にルーチンを終了する。
以上がエンジン1の運転中の基本的な制御内容であり、このときには燃料クーラ29及びインタクーラ22の冷却が必要であるとの観点の下に、両者29,22の冷却のために必要な冷却水量がステップS6での駆動デューティの設定に基づきウォータポンプ38から吐出されると共に、ステップS7での流量制御弁37の開度設定に基づく比率で燃料クーラ29及びインタクーラ22に冷却水が分配される。
従って、燃料クーラ29及びインタクーラ22は共に所期の冷却を実現して、デリバリパイプ13内の燃料及びエンジン1の供給される吸気を冷却可能となる。このため、燃料冷却によりインジェクタ11の温度上昇を抑制して気筒間の燃料噴射量のバラツキを防止できると共に、吸気の冷却により良好なエンジン性能を保つことができる。
一方、上記ステップS2の判定がYesの場合にはインタクーラ22による吸気の冷却に余裕がないと見なせるため、全ての冷却水をインタクーラ22の冷却に費やすべく、ステップS8に移行する。
また、上記ステップS3の判定がNoの場合には、デリバリパイプ13内の燃料温度Tfdが低くて燃料の冷却が不要と見なせることから、ステップS8に移行する。
また、上記ステップS4の判定がYesの場合には、筒内への燃料噴射によるデリバリパイプ13内の燃料の温度低下が著しくて燃料クーラ29による冷却が不要と見なせることから、ステップS8に移行する。
ステップS8では、流量制御弁37の開度をインタクーラ位置に設定し、その後にルーチンを終了する。
よって、上記ステップS2〜4の何れの場合も、燃料クーラ29には冷却水が供給されずに燃料クーラ29による燃料の冷却は実行されない。ウォータポンプ38からはインタクーラ22の必要冷却水量に相当する冷却水が吐出され、その冷却水がインタクーラ22のみに供給されてエンジン1への吸気の冷却に利用される。これにより、ウォータポンプ38を駆動するモータの電力消費の増大が防止される。
次いで、アイドルストップ制御によるエンジン1の自動停止中に実行される冷却制御について述べる。
図3はエンジン1の自動停止中にECU41が実行するエンジン停止時冷却制御ルーチンを示すフローチャートであり、ECU41はエンジン1の自動停止中に当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。
まずステップS11で流量制御弁37の開度を燃料クーラ位置に設定し(冷却制御手段)、続くステップS12で、上記ステップS3と同様にデリバリパイプ13内の燃料温度Tfdが予め設定された判定値Tfd0を超えている(Tfd>Tfd0)か否かを判定する。ステップS12の判定がYesのときには燃料クーラ29による冷却が必要と見なし、ステップS13に移行する。
ステップS13では、上式(1)に従って燃料クーラ29への要求放熱量Qaを算出し(放熱量算出手段)、上式(5)に従ってターボチャージャ21の軸受け部21cへの要求放熱量Qcを算出する。そして、要求放熱量Qaを達成するために燃料クーラ29に供給すべき必要冷却水量を算出すると共に、要求放熱量Qcを達成するためにターボチャージャ21の軸受け部21cに供給すべき必要冷却水量を算出し、双方の算出値を加算する。
続くステップS14では、ステップS13で加算した必要冷却水量を達成可能なウォータポンプ38の駆動デューティを設定し(冷却制御手段)、その後にルーチンを終了する。
以上がエンジン1の自動停止中の基本的な制御内容であり、このときには燃料クーラ29及びターボチャージャ21の軸受け部21cの冷却が必要であるとの観点の下に、両者29,21cの冷却のために必要な冷却水量がステップS14での駆動デューティの設定に基づきウォータポンプ38から吐出されると共に、ステップS11の流量制御弁37の開度設定に基づき燃料クーラ29側のみに冷却水が分配される。
従って、燃料クーラ29及びターボチャージャ21の軸受け部21cは共に所期の冷却を実現して、デリバリパイプ13内の燃料及び軸受け部21cを冷却可能となる。エンジン自動停止中の燃料冷却により、その後のエンジン始動後にインジェクタ11の温度上昇を抑制して、気筒間の燃料噴射量のバラツキを防止でき、またエンジン停止自動中のターボチャージャ21の軸受け部21cの焼付きを防止することができる。
一方、上記ステップS12の判定がNoの場合には、燃料の冷却が不要と見なしてステップS15に移行する。ステップS15では、ターボチャージャ21の出口油温Toが予め設定された判定値To0を超えている(To>To0)か否かを判定し、続くステップS16では、エンジン停止から遡る所定時間内における高負荷運転の積算時間Tload(エンジン発熱量と相関)が予め設定された判定値Tload0を超えている(Tload>Tload0)か否かを判定する。
ステップS15,16の処理は、ターボチャージャ21の軸受け部21cが冷却水による冷却を要するか否かを見極めることを目的とする。たとえステップS12で燃料の冷却が不要と判定しても、ターボチャージャ21の軸受け部21cの冷却を要する場合には、燃料クーラ29を経て冷却水をターボチャージャ21に供給する必要がある。よって、ステップS15またはステップS16の何れかでYesの判定を下したときにはステップS13に移行し、上記のように燃料クーラ29及びターボチャージャ21の軸受け部21cの冷却を実行する。
また、ステップS15,16の何れでもNoの判定を下したときには、ステップS17でウォータポンプ38の駆動デューティを0に設定し、その後にルーチンを終了する。この場合には、燃料クーラ29による燃料の冷却が不要であり、且つターボチャージャ21の軸受け部21cの冷却も不要であるため、ウォータポンプ38を停止させて補機冷却回路28の冷却水の循環を中止しているのである。これにより、ウォータポンプ38を駆動するモータの電力消費の増大が防止される。
ところで、エンジン自動停止の当初はステップS12の判定に基づき冷却が実行されたとしても、燃料温度Tfdや出口油温Toが次第に低下して冷却不要になるとステップS17の処理が実行される。このタイミングが車両の発進のためのエンジン1の自動始動よりも先行する場合には、エンジンの自動停止中に冷却が中止されることになる。
なお、本実施形態ではアイドルストップ制御によるエンジン1の自動停止中に冷却制御を実行したが、これに限るものではなく、通常のエンジン停止時に当該冷却制御を実行してもよい。この場合でもターボチャージャ21の軸受け部21cの焼付き防止が必要であり、また、エンジン停止から時間を経ずに始動した場合、エンジン停止中に燃料を冷却しておけば、上記と同じく、その後のエンジン始動後にインジェクタ11の温度上昇を抑制できる。そしてエンジン停止中に冷却不要になれば、ステップS17の処理に基づきウォータポンプ38が停止されるため、何ら問題は生じない。
また、燃料冷却を要するとしてステップS12からステップS13に移行した時点では、ターボチャージャ21の軸受け部21cに対する冷却の要否を判断していないが、それにも拘わらず燃料クーラ29への必要冷却水量にターボチャージャ21の軸受け部21cへの必要冷却水量を加算しているのは、燃料クーラ29の冷却が必要な状況ではターボチャージャ21の軸受け部21cも冷却を要するとの観点に基づく。但し、これに限るものではなく、例えば燃料の冷却のみを要する場合(ステップS12の条件が成立し且つステップS15,16の条件が成立しない場合)には、燃料クーラ29への必要冷却水量のみに基づきウォータポンプ38の駆動デューティを設定してもよい。
以上のように本実施形態の直噴エンジン1の冷却装置では、エンジン1のデリバリパイプ13にウォータジャケット29aを形成して燃料クーラ29を構成し、ウォータポンプ38からの冷却水を燃料クーラ29に供給することによりデリバリパイプ13内の燃料を冷却している。そして、このときの燃料冷却のために、燃料クーラ29に要求される放熱量Qaを算出すると共に、要求放熱量Qaに基づき燃料クーラ29に供給すべき必要冷却水量を算出し、この必要冷却水量を達成するようにウォータポンプ38及び流量制御弁37を制御している。
このように燃料冷却のために燃料クーラ29に要求される放熱量Qaに基づきウォータポンプ38及び流量制御弁37を制御しているため、燃料クーラ29に冷却水を過不足なく供給して燃料の冷却を最適化することができる。よって、不適切な燃料温度に起因する不具合、例えば燃料の冷却不足によるインジェクタ11の温度上昇、或いはウォータポンプ38を駆動するモータの電力消費の増大等の不具合を未然に防止することができる。
また燃料クーラ29の要求放熱量Qaは、基本的に燃料の実熱量と目標温度時の熱量との差であるとの観点の下に、エンジン1の自動停止中には、上式(2)に従って要求放熱量Qaを算出している。これに対してエンジン1の運転中には、筒内への燃料噴射によりデリバリパイプ13内の燃料から奪われる熱量が存在することに着目し、この熱量を考慮した上式(1)に従って要求放熱量Qaを算出している。
従って、エンジン1の運転中と自動停止中の何れの場合でも適切な要求放熱量を算出でき、ひいては燃料の冷却を一層最適化することができる。
またエンジン1の運転中において、デリバリパイプ13内の燃料温度Tfdが判定値Tfd0以下の場合には、燃料クーラ29による燃料の冷却が不要と見なし(ステップS3)、インジェクタ11の噴射量qが判定値q0を超えている場合には、筒内への燃料噴射によるデリバリパイプ13内の燃料の温度低下が著しくて燃料クーラ29による冷却が不要と見なし(ステップS4)、何れの場合も燃料クーラ29への冷却水の供給を中止している(ステップS8)。よって、ウォータポンプ38を駆動するモータの電力消費の増大を防止することができる。
またエンジン1の運転中には、燃料クーラ29の要求放熱量のみならずインタクーラ22の要求放熱量も考慮してそれぞれの必要冷却水量を算出し、それらの必要冷却水量を達成するために必要なウォータポンプ38の駆動デューティ、及び流量制御弁37の開度を設定している。従って、燃料クーラ29による燃料の冷却に加えて、インタクーラ22による吸気の冷却も最適化することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、直噴ガソリンエンジン1の冷却装置に具体化したが、エンジンの種別はこれに限ることはなく、例えばディーゼルエンジンに適用してもよい。
また上記実施形態では、インジェクタ11に供給される燃料、インタクーラ22、ターボチャージャ21の軸受け部21cを冷却対象としたが、これに限るものではない。例えば、本発明をターボチャージャ21を備えない直噴エンジン1に適用した上で、そのデリバリパイプ13に設けた燃料クーラ29のみを冷却対象として上記実施形態の制御を実行してもよい。
また、燃料クーラ29を設ける位置に関してもデリバリパイプ13に限るものではなく、例えば高圧ポンプ15の入口側の燃料経路14に燃料クーラ29を配設して、高圧ポンプ15に流入する燃料を冷却するようにしてもよい。この場合でも上記実施形態の制御を実行すれば、同様の作用効果を得ることができる。
1 直噴エンジン
11 インジェクタ
14 燃料経路
21 ターボチャージャ
22 インタクーラ
29 燃料クーラ
37 流量制御弁(流量調整手段)
38 ウォータポンプ(流量調整手段)
41 ECU(放熱量算出手段、冷却制御手段、アイドルストップ制御手段)

Claims (5)

  1. 筒内に燃料を噴射するインジェクタの燃料経路に配設され、冷却水の流通により前記インジェクタに供給される燃料を冷却する燃料クーラと、
    前記燃料クーラに供給される冷却水の流量を調整可能な流量調整手段と、
    直噴エンジンの運転状態に基づき前記インジェクタに供給される燃料の冷却のために前記燃料クーラに要求される放熱量を算出する放熱量算出手段と、
    前記放熱量算出手段により算出された要求放熱量に基づき前記流量調整手段を制御する冷却制御手段と
    を備え
    前記放熱量算出手段は、前記直噴エンジンの停止中に、前記インジェクタに供給される燃料が有する実熱量と予め設定された目標温度時の燃料の熱量との差に基づき、前記燃料クーラへの要求放熱量を算出し、前記直噴エンジンの運転中には、前記実熱量と前記目標温度時の熱量との差から筒内への燃料噴射により奪われる熱量を減算して、前記燃料クーラへの要求放熱量を算出する
    ことを特徴とする直噴エンジンの冷却装置。
  2. 前記流量調整手段は、前記燃料クーラに供給される冷却水を吐出するウォータポンプまたは該ウォータポンプから吐出された冷却水の流量を制御する流量制御弁の少なくとも一方であり、
    前記冷却制御手段は、前記燃料クーラへの要求放熱量に基づき前記ウォータポンプの回転速度または前記流量制御弁の開度を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の直噴エンジンの冷却装置。
  3. 前記直噴エンジンにはターボチャージャのコンプレッサにより加圧された吸気を冷却するための水冷式インタクーラが備えられ、
    前記放熱量算出手段は、吸気の冷却のために前記水冷式インタクーラに要求される放熱量を算出し、
    前記流量調整手段は、冷却水を吐出するウォータポンプ、及び該ウォータポンプから吐出された冷却水を前記燃料クーラ側と前記水冷式インタクーラ側とに任意の比率で分配可能な流量制御弁であり、
    前記冷却制御手段は、前記燃料クーラ及び前記インタクーラに要求される放熱量に基づき、前記ウォータポンプの回転速度及び前記流量制御弁による冷却水の分配比率を制御する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の直噴エンジンの冷却装置。
  4. 所定の停止条件の成立に基づき前記直噴エンジンを自動停止させ、その後に所定の始動条件の成立に基づき前記直噴エンジンを自動始動するアイドルストップ制御手段をさらに備え、
    前記放熱量算出手段は、前記アイドルストップ制御手段による前記直噴エンジンの自動停止中に、前記実熱量と前記目標温度時の熱量との差に基づき前記燃料クーラへの要求放熱量を算出する
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の直噴エンジンの冷却装置。
  5. 前記冷却制御手段は、前記インジェクタに供給される燃料の温度が予め設定された第1の判定値以下の場合、または前記インジェクタの燃料噴射量が予め設定された第2の判定値を超えている場合の何れかに該当するときに、前記流量調整手段により前記燃料クーラへの冷却水の供給を中止する
    ことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の直噴エンジンの冷却装置。
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