JP6686673B2 - 歪み検出センサ - Google Patents
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Description
該歪み検出センサの軸方向(Z)において、上記取付孔の開口側に位置する側を基端側(Z1)とし、上記取付孔の奥側に位置する側を先端側(Z2)としたとき、
上記基端側に位置し、上記被検出対象の端面(111)に係止される頭部(25)を有する第1ハウジング(2)と、
上記先端側に位置し、上記第1ハウジングに連結されるとともに、上記取付孔に設けられた螺子部(123)に螺合される第2ハウジング(3)と、
上記第1ハウジングと上記第2ハウジングとに挟まれる圧力検出機構(4)と、を備え、
上記第1ハウジングにおける、上記先端側に位置する第1端部(21)には、上記圧力検出機構における、上記先端側に位置する先端面(42)に対面する第1対向面(211)が形成され、
上記第2ハウジングにおける、上記基端側に位置する第2端部(31)には、上記圧力検出機構における、上記基端側に位置する基端面(41)に対面する第2対向面(311)が形成され、
上記圧力検出機構は、上記第1対向面と上記第2対向面との間に挟まれて、上記被検出対象から上記第1ハウジング及び上記第2ハウジングに加わる上記軸方向の圧縮応力の変化を検出する、歪み検出センサにある。
以下に、上述した歪み検出センサの実施形態につき、図1〜図6を参照して説明する。
本形態の歪み検出センサ1は、図1に示すように、被検出対象11としてのシリンダヘッド11に設けられた取付孔12としての有底孔12内に取り付けられて、シリンダヘッド11に生じる圧縮歪みを検出するために用いられる。
歪み検出センサ1においては、有底孔12の中心軸線に沿った方向を軸方向Zという。また、歪み検出センサ1の軸方向Zにおいて、有底孔12の開口側に位置する側を基端側Z1といい、有底孔12の奥側に位置する側を先端側Z2という。有底孔12の開口側とは、歪み検出センサ1を挿入する側のことをいう。
シリンダヘッド11の有底孔12の深さは、シリンダヘッド11の端面111に当接する第1ハウジング2の端面から第2ハウジング3の先端までの長さよりも大きい。有底孔12の奥側孔部分122における雌螺子部123は、第2ハウジング3の雄螺子部332が締め付けられる位置よりも深い位置まで形成されている。
本形態の歪み検出センサ1は、図1に示すように、第2ハウジング3の雄螺子部332を有底孔12の雌螺子部123に螺合する際、第1ハウジング2が基端側Z1の有底孔12の端面111に当接した後も螺合を進めることにより、第2ハウジング3が第1ハウジング2から離れる方向に相対変位することを利用して、第1ハウジング2の第1対向面211と第2ハウジング3の第2対向面311との間に圧力検出機構4を挟持するものである。
図4は、歪み検出センサ1の組付け状態を説明するための図である。同図においては、ハウジングカバー5を省略して示す。第1ハウジング2の第1対向面211と第1対向面211に対向する面231との間には、同図に示すように、圧力検出機構4及び第2端部31を挿入するための第1凹部20が形成されている。この第1凹部20の軸方向Zの距離s1は、歪み検出センサ1の組付けを可能にするために、圧力検出機構4の軸方向Zの厚みと第2端部31の軸方向Zの厚みとの和よりも大きい。そのため、第1凹部20と圧力検出機構4及び第2端部31との間には、隙間c1が形成されることになる。
歪み検出センサ1の各ハウジング2、3及び圧力検出機構4に作用する応力は、組付時、取付時及び検出時において変化する。図8は、歪み検出センサ1の組付時、取付時及び検出時において、各ハウジング2、3に作用する応力を示すグラフである。同図において、応力が0よりも大きい場合は、各ハウジング2、3に圧縮応力が作用することを示し、応力が0よりも小さい場合は、各ハウジング2、3に引張応力が作用することを示す。図9は、歪み検出センサ1の組付時、取付時及び検出時において、圧力検出機構4に作用する圧縮応力を示すグラフである。
図5、図8、図9に示すように、歪み検出センサ1自体が組み付けられる組付時においては、上述した隙間c1、c2の形成により、各ハウジング2、3及び圧力検出機構4には、応力は作用しない。
図6、図8、図9に示すように、歪み検出センサ1がシリンダヘッド11の有底孔12に取り付けられる取付時においては、上述したように、歪み検出センサ1を有底孔12内に締め付ける際に、第1ハウジング2に対して第2ハウジング3が有底孔12の先端側Z2へ進む。そのため、第1ハウジング2と第2ハウジング3との間には引張応力σ1が作用し、圧力検出機構4には圧縮応力σ2が作用する。
図6に示すように、歪み検出センサ1の取付時には、有底孔12に対して歪み検出センサ1を回転させる。そして、第1ハウジング2の第1頭部25がシリンダヘッド11の端面111に係止されるときには、有底孔12に対する第2ハウジング3の回転が進み、有底孔12における雌螺子部123の基端側Z1の螺子山面124Aに、第2ハウジング3における雄螺子部332の先端側Z2の螺子山面333Aが当接する。
図7、図8、図9に示すように、歪み検出センサ1によって内燃機関10の燃焼室14内の燃焼圧を検出する検出時においては、燃焼圧を受けてシリンダヘッド11に圧縮応力σ3が作用する。このとき、第1ハウジング2と第2ハウジング3との間には、圧縮方向の応力が作用し、組付時に作用していた引張応力σ1が減少する。また、圧力検出機構4には、引張方向の応力が作用し、組付時に作用していた圧縮応力σ2が減少する。
同各図に示すように、歪み検出センサ1の検出時において、シリンダヘッド11が圧縮されるときには、シリンダヘッド11に螺合された第2ハウジング3が第1ハウジング2に近づこうとし、第1ハウジング2と第2ハウジング3との間には圧縮方向の応力が作用する。これにより、歪み検出センサ1の取付後に第1ハウジング2と第2ハウジング3との間に作用する引張応力σ1の一部が解放される。
(比較形態1)
図17〜図19には、比較形態1としての歪み検出センサ9Aを示す。この歪み検出センサ9Aは、内燃機関の燃焼時において、シリンダヘッド92Aの有底孔93Aに螺合されるハウジング91Aの変位量に対して、ハウジング91A内に配置された中軸94Aの変位量が大きくなることを利用して、燃焼圧を検出するものである。圧力検出機構95Aは、中軸94Aの基端部に螺合されたナット96Aと、ハウジング91Aの基端面との間に配置されている。
図8、図9、図17に示すように、歪み検出センサ9Aの組付時においては、中軸94Aの先端面が有底孔93Aの底面に当接しておらず、ナット96Aを締め付ける力は、圧力検出機構95Aを圧縮する力として吸収されるため、ハウジング91Aには、ほとんど応力が作用しない。また、圧力検出機構95Aは、中軸94Aに締め付けられるナット96Aによって、ハウジング91Aとナット96Aとの間に挟持される。そのため、圧力検出機構95Aには、予圧として圧縮応力σA2が加わる。
図8、図9、図18に示すように、歪み検出センサ9Aの取付時においては、ハウジング91Aを有底孔93Aに螺合する際に、中軸94Aの先端面が有底孔93Aの底面に当接し、ナット96Aを締め付ける力が、中軸94Aを介してハウジング91Aに作用する。これにより、ハウジング91Aには、予圧として圧縮応力σA1が加わる。
また、ハウジング91Aに圧縮応力σA1が加わるときには、中軸94Aに螺合されたナット96Aが圧力検出機構95Aから離れようとする。そして、圧力検出機構95Aには、引張方向の応力が加わり、組付時に圧力検出機構95Aに加わった圧縮応力σA2の一部が解放される。
図19に示すように、歪み検出センサ9Aによる燃焼圧の検出時においては、内燃機関の燃焼によってシリンダヘッド92Aに圧縮応力σ3が生じた際には、ハウジング91Aに加わる圧縮応力σA1は、取付時の予圧としての圧縮応力に、検出時の燃焼圧による圧縮応力が加わった値となる。
また、図20〜図22には、比較形態2としての歪み検出センサ9Bを示す。この歪み検出センサ9Bは、内燃機関の燃焼時において、シリンダヘッド92Bの有底孔93Bに螺合されるハウジング91Bの変位量に対して、ハウジング91B内に配置された中軸94Bの変位量が大きくなることを利用して、燃焼圧を検出するものである。圧力検出機構95Bは、ハウジング91Bの基端部に固定された固定部材96Bと、中軸94Bの基端面との間に配置されている。
図8、図9、図20示すように、歪み検出センサ9Bの組付時においては、ハウジング91Bの固定部材96Bが圧力検出機構95Bを圧縮しない位置で固定されるために、ハウジング91Bには、ほとんど応力が作用しない。また、ハウジング91Bの固定部材96Bが圧力検出機構95Bを圧縮しない位置で固定されるために、圧力検出機構95Bにも、ほとんど応力が作用しない。
図8、図9、図21に示すように、歪み検出センサ9Bの取付時においては、ハウジング91Bを有底孔93Bに螺合する際に、ハウジング91Bの先端部が有底孔93Bの底部に当接し、ハウジング91Bが圧縮される。これにより、ハウジング91Bには、予圧として圧縮応力σB1が加わる。
また、ハウジング91Bに圧縮応力σB1が加わるときには、中軸94Bにも圧縮応力が加わって、圧力検出機構95Bが中軸94Bと固定部材96Bとの間で圧縮され、圧力検出機構95Bに予圧として圧縮応力σB2が加わる。
図22に示すように、歪み検出センサ9Bによる燃焼圧の検出時において、内燃機関の燃焼によってシリンダヘッド92Bに圧縮応力σ3が生じた際には、ハウジング91Bに加わる圧縮応力σB1は、取付時の予圧としての圧縮応力に、検出時の燃焼圧による圧縮応力が加わった値となる。
また、上述したように、比較形態1、2の歪み検出センサ9A、9Bの圧力検出機構95A、95Bも、取付時及び検出時において同一方向にのみ応力を受ける。そのため、圧力検出機構95A、95Bに作用する応力の絶対値σA2m、σB2mも大きくならざるを得ない。
これにより、第1ハウジング2及び第2ハウジング3には、組付時に、引張応力σ1が作用する一方、検出時には、この引張応力σ1が作用する方向とは逆の方向である圧縮方向に応力が作用する。そのため、各ハウジング2、3に作用する応力の絶対値σ1mは、引張応力σ1から圧縮方向の応力が差し引かれた値となり、各ハウジング2、3には、取付時に予圧として与えられた引張応力σ1よりも大きな応力は作用しない。従って、取付時に各ハウジング2、3に作用する引張応力σ1の大きさを管理することにより、各ハウジング2、3に作用する応力の絶対値σ1mを小さく抑えることができる。
本形態においては、圧力検出機構4を挟持する第1ハウジング2の第1端部21と、第2ハウジング3の第2端部31の構造の他の態様を示す。本形態においては、第1端部21を支える第1延設部22と、第2端部31を支える第2延設部32の構造が実施形態1の場合と異なる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
その他、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
本形態においては、第1ハウジング2の第1端部21と、第2ハウジング3の第2端部31の構造のさらに他の態様を示す。本形態の歪み検出センサ1は、第2ハウジング3を2つの部品に分割し、この2つの部品を組み付ける際に、第1ハウジング2の第1端部21と第2ハウジング3の第2端部31との間に圧力検出機構4を挟持するものである。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
その他、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
本形態においては、第1ハウジング2の第1端部21と、第2ハウジング3の第2端部31との構造のさらに他の態様を示す。本形態の歪み検出センサ1は、第1ハウジング2を2つの部品に分割し、この2つの部品を組み付ける際に、第1ハウジング2の第1端部21と第2ハウジング3の第2端部31との間に圧力検出機構4を挟持するものである。
その他の構成は、実施形態3と同様である。
本形態においても、実施形態3と同様の効果を得ることができる。
11 シリンダヘッド(被検出対象)
12 有底孔(取付孔)
2 第1ハウジング
21 第1端部
3 第2ハウジング
31 第2端部
4 圧力検出機構
5 ハウジングカバー
Claims (12)
- 被検出対象(11)に設けられた取付孔(12)内に取り付けられ、上記被検出対象に生じる圧縮歪みを検出するための歪み検出センサ(1)であって、
該歪み検出センサの軸方向(Z)において、上記取付孔の開口側に位置する側を基端側(Z1)とし、上記取付孔の奥側に位置する側を先端側(Z2)としたとき、
上記基端側に位置し、上記被検出対象の端面(111)に係止される頭部(25)を有する第1ハウジング(2)と、
上記先端側に位置し、上記第1ハウジングに連結されるとともに、上記取付孔に設けられた螺子部(123)に螺合される第2ハウジング(3)と、
上記第1ハウジングと上記第2ハウジングとに挟まれる圧力検出機構(4)と、を備え、
上記第1ハウジングにおける、上記先端側に位置する第1端部(21)には、上記圧力検出機構における、上記先端側に位置する先端面(42)に対面する第1対向面(211)が形成され、
上記第2ハウジングにおける、上記基端側に位置する第2端部(31)には、上記圧力検出機構における、上記基端側に位置する基端面(41)に対面する第2対向面(311)が形成され、
上記圧力検出機構は、上記第1対向面と上記第2対向面との間に挟まれて、上記被検出対象から上記第1ハウジング及び上記第2ハウジングに加わる上記軸方向の圧縮応力の変化を検出する、歪み検出センサ。 - 上記第1端部は、上記第1ハウジングから上記先端側に延設された第1延設部(22)の上記先端側において、上記軸方向に直交する第1横方向に突出して、上記第1延設部に片持ち状態で支持されており、
上記第2端部は、上記第2ハウジングから上記基端側に延設された第2延設部(32)の上記基端側において、上記第1横方向とは反対側の第2横方向に突出して、上記第2延設部に片持ち状態で支持されている、請求項1に記載の歪み検出センサ。 - 上記第1ハウジングの上記先端側には、上記軸方向に直交する横方向において互いに対向する少なくとも2つの第1延設部が延設されており、上記第1端部は、互いに対向する上記第1延設部の各端部に両持ち状態で支持されており、
上記第2ハウジングの上記基端側には、上記横方向における、上記第1延設部が形成された位置とは異なる位置において互いに対向する少なくとも2つの第2延設部が延設されており、上記第2端部は、互いに対向する上記第2延設部の各端部に両持ち状態で支持されている、請求項1に記載の歪み検出センサ。 - 上記第1端部は、上記第1ハウジングに形成された中空穴(26)における、上記先端側に位置する底部分として形成されており、かつ、該第1端部には、上記中空穴よりも小さな貫通穴(27)が形成されており、
上記第2端部は、上記第2ハウジングから上記基端側に延設されて上記貫通穴に挿通された延設部(38)における上記基端側に位置しており、かつ、上記延設部よりも大きな外形に形成されて、上記中空穴内に配置されている、請求項1に記載の歪み検出センサ。 - 上記第2端部及び上記延設部は、上記第2ハウジングの本体部(33)とは別体の締結部材(39)によって構成されており、
上記圧力検出機構は、上記中空穴内に配置されており、
上記締結部材の上記第2端部は、上記中空穴内における、上記圧力検出機構の上記基端側に対向する位置に配置されており、
上記締結部材の上記延設部は、上記貫通穴に挿通された状態で上記第2ハウジングの上記本体部に締め付けられている、請求項4に記載の歪み検出センサ。 - 上記第2端部は、上記第2ハウジングに形成された中空穴(36)における、上記基端側に位置する底部分として形成されており、かつ、該第2端部には、上記中空穴よりも小さな貫通穴(37)が形成されており、
上記第1端部は、上記第1ハウジングから上記先端側に延設されて上記貫通穴に挿通された延設部(28)における上記先端側に位置しており、かつ、上記延設部よりも大きな外形に形成されて、上記中空穴内に配置されている、請求項1に記載の歪み検出センサ。 - 上記第1端部及び上記延設部は、上記第1ハウジングの本体部(23)とは別体の締結部材(29)によって構成されており、
上記圧力検出機構は、上記中空穴内に配置されており、
上記締結部材の上記第1端部は、上記中空穴内における、上記圧力検出機構の上記先端側に対向する位置に配置されており、
上記締結部材の上記延設部は、上記貫通穴に挿通された状態で上記第1ハウジングの上記本体部に締め付けられている、請求項6に記載の歪み検出センサ。 - 上記第1ハウジングと上記第2ハウジングとは、該第1ハウジングの外周と該第2ハウジングの外周とに連続して配置されたハウジングカバー(5)によって一体化されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の歪み検出センサ。
- 上記ハウジングカバーは、上記第1ハウジングと上記第2ハウジングとが向き合う軸方向に直交する横方向に分割された2つのカバー分割部(5A、5B)からなる、請求項8に記載の歪み検出センサ。
- 上記2つのカバー分割部の少なくともいずれかの内周面(51A)には、内周側に突出する凸部(52A)が、上記軸方向に沿って形成されており、
上記第1ハウジングの外周面(24)と上記第2ハウジングの外周面(34)とには、上記凸部が嵌合される凹部(241、341)が、上記軸方向に沿って連続して形成されている、請求項9に記載の歪み検出センサ。 - 上記第1ハウジングの外周面と上記第2ハウジングの外周面とには、外周側に突出する凸部(242、342)が、上記軸方向に沿って連続して形成されており、
上記2つのカバー分割部の少なくともいずれかの内周面には、上記凸部が嵌合される凹部(54A)が、上記軸方向に沿って形成されている、請求項9に記載の歪み検出センサ。 - 上記被検出対象は、内燃機関であり、
上記取付孔は、上記内燃機関の燃焼室に連通される連通孔、又は上記燃焼室に連通されずに該燃焼室に隣接して形成された有底孔であり、
上記歪み検出センサは、上記内燃機関に生じる圧縮歪みに基づいて、上記燃焼室内の燃焼圧を検出するものである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の歪み検出センサ。
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