JP6684865B2 - 磁気ディスク用基板及びその製造方法、並びに、当該磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスク - Google Patents

磁気ディスク用基板及びその製造方法、並びに、当該磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスク Download PDF

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Description

本発明は、安定したフラッタリング特性を有する磁気ディスク用基板及びその製造方法、並びに、この磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスクに関する。
コンピュータの記憶装置に用いられる磁気ディスクは、良好なめっき性を有すると共に、機械的特性や加工性が優れる磁気ディスク用基板を用いて製造されている(以下、磁気ディスク用基板を単に「基板」と記す場合がある)。この磁気ディスク用基板は、アルミニウム合金を基本としたアルミニウム合金基板や、ガラスを基本としたガラス基板等から製造されている。アルミニウム合金基板としては、例えば、JIS5086アルミニウム合金(Mg:3.5〜4.5mass%、Fe:0.50mass%以下、Si:0.40mass%以下、Mn:0.20〜0.70mass%、Cr:0.05〜0.25mass%、Cu:0.10mass%以下、Ti:0.15mass%以下及びZn:0.25mass%以下、残部Al及び不可避的不純物)からなるものが知られている。
一般的な磁気ディスクの製造においては、まず、円環状の磁気ディスク用基板を作製し、この磁気ディスク用基板の表面に磁性体を付着させることにより行われている。例えば、前記したJIS5086合金からなるアルミニウム合金製磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスクは、以下の製造工程により製造される。
まず、所定の化学成分としたアルミニウム合金素材を鋳造し、その鋳塊を熱間圧延し、次いで冷間圧延を施し、磁気ディスクとして必要な厚さを有する圧延材を作製する。この圧延材には、必要に応じて冷間圧延の途中等に焼鈍を施すことが好ましい。次に、この圧延材を円環状に打抜いて、円環状のアルミニウム合金板とする。そして、ここまでの製造工程により生じた歪み等を除去するため、円環状アルミニウム合金板を積層し、上限の両面から加圧しつつ焼鈍を施して平坦化する加圧焼鈍を行う。これにより円環状のアルミニウム合金のディスクブランクが作製される。
このようにして作製されたアルミニウム合金のディスクブランクに、前処理として切削加工、研削加工、脱脂、エッチング及びジンケート処理(Zn置換処理)を施す。次いで、下地処理として硬質非磁性金属であるNi−Pを無電解めっきし、該めっき表面をポリッシング(研磨)することで、磁気ディスク用のアルミニウム合金基板が製造される。
そして、製造された磁気ディスク用のアルミニウム合金基板に磁性体をスパッタリングすることで、アルミニウム合金製の磁気ディスクが製造される。
ところで、近年においては、マルチメディア等のニーズから、HDD等の磁気ディスク装置に対する大容量化及び高密度化の要求が強くなっている。更なる大容量化のため、記憶装置に搭載される磁気ディスクの枚数は増加傾向にあり、それに伴って磁気ディスクの薄肉化も要求されている。
しかしながら、磁気ディスクの薄肉化に伴う剛性の低下や、高速回転による流体力の増加に伴って磁気ディスクに対する励振力の増加によって、ディスクフラッタリングが発生し易くなるという問題が生じている。
ディスクフラッタリングは、磁気ディスクの振動(フラッタリング)に起因する現象である。フラッタリングは、磁気ディスクを高速で回転させたときに発生するディスク間の不安定な気流によって発生する。そして、基板の剛性が低い場合、フラッタリングによる変位量が大きくなり、読み取り部であるヘッドがその変化に追従し難くなる。そのようなディスクフラッタリングが継続的に発生すると、ヘッドの位置決め誤差が増加することとなる。
そのため、近年、磁気ディスク装置及び磁気ディスク用基板に対するフラッタリング改善への検討がなされている。例えば、磁気ディスク装置の構造に対する改善策として、ハードディスクドライブ内に、ディスクと対向するプレートを有する気流抑制部品を実装することが提案されている。特許文献1には、アクチュエータの上流側にエア・スポイラを設置した磁気ディスク装置が提案されている。このエア・スポイラは、磁気ディスク上のアクチュエータに向かう空気流を弱めて、磁気ヘッドの風乱振動を低減するものである。また、エア・スポイラは、磁気ディスク上の気流を弱めることで、ディスクフラッタリングを抑制する。
また、ディスクフラッタリングは、磁気ディスク用基板の剛性と関連して発生する可能性があることから、磁気ディスク用基板の剛性向上に関する検討例もある。その例として、特許文献2では、アルミニウム合金板の剛性向上に寄与するSiを多く含有させて、剛性を向上させる方法が提案されている。
特開2002−313061号公報 国際公開第2016/068293号
しかし、ディスクフラッタリングの問題について、磁気ディスク装置の構造面からの対策は、装置のコストアップに繋がる傾向がある。上記した特許文献1に開示されている方法では、設置したエア・スポイラと磁気ディスク用基板との間隔の違いによりフラッタリング抑制効果が異なる。よって、安定したフラッタリング抑制効果を得るためには、設計や加工面で高精度な部品が必要となり部品コストの増大を招く。磁気ディスク装置を含む記憶装置の分野においては、各種記憶装置が激しいコスト競争に曝されている。磁気ディスク装置も、生産性等の向上によるコストダウンが強く求められていることから、コスト増に繋がる対応は選択し難い。
そこで、ディスクフラッタリングの発生が抑制された磁気ディスク用基板の適用が期待される。しかしながら、ディスクフラッタリングの問題そのものを捉え、磁気ディスク用基板に対応する検討例は少ない。上記の特許文献2に示した、アルミニウム合金のSiを多く含有させる手法は、合金の剛性向上には効果的である。だが、フラッタリング特性の改善は十分に達成できていない。磁気ディスク装置の長時間作動によってフラッタリング特性が低下し、目標とする安定したフラッタリング特性が得られていないのが現状であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、安定したフラッタリング特性を有する磁気ディスク用基板、及び、その製造方法を提供することを目的とする。そして、かかる磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスクについても明らかにする。
本発明者等は、磁気ディスク用基板について、そのフラッタリング特性と基板の素材との関係について鋭意調査研究し、基板表面の平坦度変化がフラッタリング特性に大きな影響を与えることを見出した。特に、本発明者等は、磁気ディスク用基板の製造工程を考慮しつつ、表面研磨がなされた後であって磁性体付着前の磁気ディスク用基板の平坦度に着目した。そして、この平坦度が所定値以下である基板であって、更に、この基板に対して所定の加熱処理を行ったとき、処理前後の平坦度の差が低減された基板において、フラッタリング特性が安定することを見出した。本発明者等は、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
上記課題を解決する本発明は、磁気ディスク用基板において、平坦度が30μm以下であり、前記磁気ディスク用基板を190℃×20hの加熱処理をした前後の平坦度の差が20μm以下であることを特徴とする磁気ディスク用基板である。
また、本発明は、上記磁気ディスク用基板であって、板厚(mm)と損失係数との積が、0.10×10−3以上である磁気ディスク用基板とした。
そして、本発明は、この磁気ディスク用基板の製造方法を提示する。即ち、少なくとも1回の研磨工程を行って磁気ディスク用基板とする工程を含む製造方法であって、更に、前記研磨工程の最後の研磨工程での研磨後72h以内に、研磨後の磁気ディスク用基板を100〜250℃で加熱処理する工程を含む磁気ディスク用基板の製造方法である。
本発明に係る磁気ディスク用基板はアルミニウム合金で構成することができる。この本発明は、上記の磁気ディスク用基板であって、アルミニウム合金からなり、前記アルミニウム合金は、Fe:0.10〜3.00mass%、及び、Mn:0.10〜3.00mass%の少なくともいずれかを含有し、残部Al及び不可避的不純物からなる、磁気ディスク用基板である。
このアルミニウム合金基板のアルミニウム合金は、Mg:0.100〜5.000mass%、Ni:0.100〜5.000mass%、Cr:0.010〜5.000mass%、Zr:0.010〜5.000mass%、Zn:0.005〜5.000mass%、Cu:0.005〜5.000mass%、及び、Si:0.10〜0.40mass%、からなる群から選択される1種又は2種以上の元素を更に含有することができる。
更に、このアルミニウム合金は、Ti、B、及び、Vからなる群から選択される1種又は2種以上の元素を、合計含有量で0.005〜5.000mass%更に含有してもよい。
そして、本発明は磁気ディスクを提供する。この磁気ディスクは上記の磁気ディスク用基板の表面に、磁性体層が設けられていることを特徴とする磁気ディスクである。
本発明によれば、安定したフラッタリング特性を有する磁気ディスク用基板及びその製造方法、ならびに、この磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスクを提供することができる。
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法を示すフロー図。 本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を示すフロー図。
上記のとおり、本発明は、表面研磨の後の基板の平坦度を30μm以下とし、更に、190℃×20h所定の加熱処理前後の平坦度の差を20μm以下にすることで、フラッタリング特性が良好な磁気ディスク用基板とする。かかる平坦度に関する特性を有する磁気ディスク用基板は、アルミニウム合金で構成することができる。また、ガラスで構成することもできる。以下、本発明に係る磁気ディスク用基板に関し、その特徴を詳細に説明する。そして、本発明に係る基板に関し、アルミニウム合金で構成した基板(アルミニウム合金基板)とガラスで構成した基板(ガラス基板)についての詳細を説明する。
1.本発明に係る磁気ディスク用基板の平坦度と減衰特性
本発明に係る磁気ディスク用基板は、その表面の構成において特徴を有し、基板表面の平坦度に関する特性である。また、本発明に係る基板は、平坦度の制御に加えて、損失係数を向上させることが好ましい。以下、これらの特性に関して説明する。
1−1.平坦度
1−1a.基板表面研磨の後の平坦度
本発明者等の検討によれば、磁性体付着前であって基板表面研磨の後の平坦度を小さくすることによって、基板のフラッタリング特性を向上させる効果が発揮される。この平坦度が大きい基板は、磁気ディスク装置作動時の空気抵抗が大きくなり、フラッタリング特性が低下する。一方、この平坦度が小さい基板は、フラッタリング特性の低下を抑制することができる。そのため、基板表面研磨の後の平坦度は30μm以下とする。基板表面研磨の後に行われるこの平坦度は、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下である。
1−1b.190℃×20hの加熱処理前後の平坦度の差
そして、本発明者等によれば、上記した平坦度を有する基板について、190℃×20hの加熱処理を施したとき、当該処理前後の基板表面の平坦度の差を小さくすることによって、基板のフラッタリング特性を安定させる効果が発揮される。この加熱処理前後の平坦度の差が大きい基板は、内部歪が多く存在する。そのような基板においては、磁気ディスク装置作動時に温度が上昇した場合に内部歪が解放されて、基板の平坦度が悪化する。そのため、空気抵抗が大きくなりフラッタリング特性が低下する。
これに対して、190℃×20hの加熱処理前後の平坦度の差が小さい基板は、内部歪が少ないため、フラッタリング特性の低下を抑制することができる。即ち、この加熱処理前後の平坦度の差が小さいと、内部歪による平坦度の悪化の影響は小さいので、磁気ディスク装置を長時間作動させても安定したフラッタリング特性を長時間得ることができる。
以上の理由から、本発明に係る基板は、190℃×20hの加熱処理前後の平坦度の差を20μm以下とする。この加熱処理前後の平坦度の差は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下とする。尚、本発明が指標とする190℃×20hの熱処理の条件は、HDD等の磁気ディスク装置の長時間作動の加速試験の熱処理条件を参照して定められたものである。
尚、本発明において平坦度とは、基板の表面全体の最大山高さと最大谷深さの差で表わされる。ここで、最大山高さは測定範囲における輪郭曲線の平均線と測定範囲内で最も高い値との差であり、最大谷深さは当該平均線と測定範囲内で最も低い値との差である。
1−2.基板の板厚と損失係数との積
本発明に係る基板は、その損失係数を向上させることが好ましい。これにより、基板の耐衝撃性を向上させる効果が発揮される。基板の耐衝撃性の向上は、磁気ディスク装置の落下時等に基板に力が加わって振動が生じたとき、基板の平坦度の悪化を防止する効果を有する。基板の損失係数が高いほど、基板の振動が収束する時間が短時間で済むので、他の基板との接触を回避でき、基板同士の接触による平坦度悪化が防止されるからである。但し、基板の損失係数の適正値は、基板の板厚によって大きく変化する。これは板厚が薄くなるほど流体による励起力に対して抗力が失われるためである。
本発明者等によれば、本発明に係る基板においては、基板の損失係数と板厚(単位:mm)との積が0.10×10−3以上の場合に、耐衝撃性に優れた基板を得られることが確認されている。そのため、基板の板厚と損失係数との積は0.10×10−3以上とするのが好ましい。基板の板厚と損失係数との積は、より好ましくは0.30×10−3以上とする。基板の板厚と損失係数との積の上限は、特に限定されるものではないが、材料組成や製造条件によって自ずと決まるものであり、本発明においては、10.0×10−3程度とするのが好ましい。
尚、損失係数とは、減衰自由振動波形の隣り合う振幅の比の自然対数をとったものを円周率πで割ったものであり、時刻tにおけるn番目の振幅a、同様にn+1・・・n+m番目の振幅をan+1, ・・・an+mとすると、損失係数は{(1/m)×ln(a/an+m)}/πで表される。
2.本発明に係る磁気ディスク用基板の製造方法
磁気ディスク用基板について、上述した平坦度に関する2つの基準を達成するには、その製造工程において、研磨工程を行った後に好適な加熱処理行うことが必要である。
磁気ディスク用基板の製造方法においては、磁性体の付着前に、成形・加工した基板の研磨することがなされる。この研磨工程は、少なくとも1回の研磨作業を含む。また、アルミニウム合金基板及びガラス基板磁気ディスク用基板のいずれにおいても、研磨工程を経て製造される。本発明に係る磁気ディスク用基板の製造方法は、この研磨工程後の基板について、研磨後72h以内に100〜250℃で加熱処理することで製造することができる。この加熱処理の技術的意義については、後に詳細に説明する。
3.本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板
本発明に係る磁気ディスク用基板は、アルミニウム合金で構成することができる。以下、本発明に係る磁気ディスク用のアルミニウム合金基板の合金組成及びその製造方法について、それぞれの詳細を説明する。
3−1.アルミニウム合金の合金組成
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板に用いるアルミニウム合金は、第1の選択的元素として、Fe:0.10〜3.00mass%、及び、Mn:0.10〜3.00mass%の少なくともいずれかを含有することが好ましい(以下、mass%を単に「%」と記す。)。アルミニウム合金基板の耐フラッタリング性や耐衝撃性、めっき性を更に向上させるためである。
また、基板を構成するアルミニウム合金は、第2の選択的元素として、Mg:0.100〜5.000%、Ni:0.100〜5.000%、Cr:0.010〜5.000%、Zr:0.010〜5.000%、Zn:0.005〜5.000%、Cu:0.005〜5.000%及びSi:0.10〜0.40%からなる群から選択される1種又は2種以上を更に含有してもよい。
更に、基板を構成するアルミニウム合金は、第3の選択的元素として、含有量の合計が0.005〜5.000%のTi、B及びVからなる群から選択される1種又は2種以上を更に含有してもよい。
上記した各種の選択的元素を、アルミニウム合金に適宜に添加することで、耐フラッタリング性等が良好な磁気ディスク用アルミニウム基板とすることができる。以下、これらの選択的元素について、その作用を説明する。
Fe:
Feは、主として第二相粒子(Al−Fe系金属間化合物等)として存在すると共に、一部はマトリックスに固溶して存在する。第二相粒子生成とマトリックスへの固溶により、Feはアルミニウム合金基板のフラッタリング特性と損失係数を向上させる効果を発揮する。第二相粒子は、転位との相互作用により振動エネルギーを速やかに吸収し、良好なフラッタリング特性の材料を形成するからである。また、第二相粒子が増加することで、分散強化により合金の強度(ヤング率、耐力)も向上する。合金のヤング率や耐力が向上すると、磁気ディスク装置の落下時等に基板に力が加わって基板の振動が生じた際に、基板の振動による変形を弾性域内に留めることが可能となる。これにより、基板の平坦度変化を防止することが可能となる。
アルミニウム合金中のFe含有量が0.10%以上であることによって、アルミニウム合金基板のフラッタリング特性と損失係数、ヤング率、強度を向上させる効果を一層高めることができる。また、アルミニウム合金中のFe含有量が3.00%以下であることによって、粗大なAl−Fe系金属間化合物粒子が多数生成することを抑制する。粗大なAl−Fe系金属間化合物粒子が、エッチング時、ジンケート処理時、切削加工時や研削加工時に脱落すると、基板表面に大きな窪みが発生する。粗大なAl−Fe系金属間化合物粒子の生成を抑制することで、窪みの発生を抑制し、めっきによる表面平滑性の向上効果を一層高めることができる。また、窪みの抑制は、めっき剥離が生じることを一層抑制することができる。更に、窪みの抑制は、圧延工程における加工性低下を一層抑制することができる。以上のような理由から、アルミニウム合金中のFe含有量は、0.10〜3.00%の範囲とするのが好ましい。Fe含有量は、0.60〜2.40%の範囲とするのがより好ましい。
Mn:
Mnは、主として第二相粒子(Al−Mn系金属間化合物等)として存在し、アルミニウム合金基板のフラッタリング特性と損失係数を向上させる効果を発揮する。第二相粒子は、転位との相互作用により振動エネルギーを速やかに吸収し、良好なフラッタリング特性の材料を形成する。また、第二相粒子が増加することで、分散強化により合金の強度(ヤング率、耐力)も向上する。これにより、基板の振動が生じた際に、基板の平坦度変化を防止することが可能となる。
アルミニウム合金中のMn含有量が0.10%以上であることによって、アルミニウム合金基板のフラッタリング特性と損失係数、ヤング率、強度を向上させる効果を一層高めることができる。また、アルミニウム合金中のMn含有量が3.00%以下であることによって、粗大なAl−Mn系金属間化合物粒子が多数生成することを抑制する。これにより、エッチング時、ジンケート処理時、切削加工時や研削加工時において、大きな窪みが発生することを抑制する。そして、めっき表面の平滑性の低下及びめっき剥離が生じることを一層抑制することができる。また、圧延工程における加工性低下を一層抑制することができる。以上の理由により、アルミニウム合金中のMn含有量は、0.10〜3.00%の範囲とするのが好ましい。Mn含有量は、0.10〜1.50%の範囲とするのがより好ましい。
Mg:
Mgは、主としてマトリックスに固溶して存在し、一部は第二相粒子(Mg−Si系金属間化合物等)として存在する。これにより、アルミニウム合金基板の強度とヤング率を向上させる効果を発揮する。
アルミニウム合金中のMg含有量が0.100%以上であることによって、アルミニウム合金基板の強度とヤング率を向上させる効果を一層高めることができる。また、アルミニウム合金中のMg含有量が5.000%以下であることによって、フラッタリング特性の低下を一層抑制することができる。そのため、アルミニウム合金中のMg含有量は、0.100〜5.000%の範囲とするのが好ましい。Mg含有量は、0.100〜0.800の範囲とするのがより好ましい。
Ni:
Niは、主として第二相粒子(Al−Ni系金属間化合物等)として存在し、アルミニウム合金基板のヤング率と強度を向上させる効果を発揮する。
アルミニウム合金中のNi含有量が0.100%以上であることによって、アルミニウム合金基板のヤング率と強度を向上させる効果を一層高めることができる。また、アルミニウム合金中のNi含有量が5.000%以下であることによって、粗大なAl−Ni系金属間化合物粒子が多数生成することを抑制する。これにより、エッチング時、ジンケート処理時、切削加工時や研削加工時において、大きな窪みが発生することを抑制する。そして、めっき表面の平滑性の低下及びめっき剥離が生じることを一層抑制することができる。また、圧延工程における加工性低下を一層抑制することができる。以上の理由により、アルミニウム合金中のNi含有量は、0.100〜5.000%の範囲とするのが好ましい。Ni含有量は、0.100〜1.000%の範囲とするのがより好ましい。
Cr:
Crは、主として第二相粒子(Al−Cr系金属間化合物等)として存在し、アルミニウム合金基板のヤング率と強度を向上させる効果を発揮する。アルミニウム合金中のCr含有量が0.010%以上であることによって、アルミニウム合金基板のヤング率と強度を向上させる効果を一層高めることができる。また、アルミニウム合金中のCr含有量が5.000%以下であることによって、粗大なAl−Cr系金属間化合物粒子が多数生成することを抑制する。これにより、エッチング時、ジンケート処理時、切削加工時や研削加工時において、大きな窪みが発生することを抑制する。そして、めっき表面の平滑性の低下及びめっき剥離が生じることを一層抑制することができる。また、圧延工程における加工性低下を一層抑制することができる。以上の理由により、アルミニウム合金中のCr含有量は、0.010〜5.000%の範囲とするのが好ましい。Cr含有量は、0.100〜1.000%の範囲とするのがより好ましい。
Zr:
Zrは、主として第二相粒子(Al−Zr系金属間化合物等)として存在し、アルミニウム合金基板のヤング率と強度を向上させる効果を発揮する。
アルミニウム合金中のZr含有量が0.010%以上であることによって、アルミニウム合金基板のヤング率と強度を向上させる効果を一層高めることができる。また、アルミニウム合金中のZr含有量が5.000%以下であることによって、粗大なAl−Zr系金属間化合物粒子が多数生成することを抑制する。これにより、エッチング時、ジンケート処理時、切削加工時や研削加工時において、大きな窪みが発生することを抑制する。そして、めっき表面の平滑性の低下及びめっき剥離が生じることを一層抑制することができる。また、圧延工程における加工性低下を一層抑制することができる。以上の理由により、アルミニウム合金中のZr含有量は、0.010〜5.000%の範囲とするのが好ましい。Zr含有量は、0.100〜1.000%の範囲とするのがより好ましい。
Zn:
Znは、ジンケート処理時のAl溶解量を減少させ、またジンケート皮膜を均一に、薄く、緻密に付着させ、次工程のめっき工程での平滑性及び密着性を向上させる効果を発揮する。また、他の添加元素と第二相粒子を形成し、ヤング率と強度を向上させる効果を発揮する。
アルミニウム合金中のZn含有量が0.005%以上であることによって、ジンケート処理時のAl溶解量を減少させ、またジンケート皮膜を均一に、薄く、緻密に付着させ、めっきの平滑性を向上させる効果を一層高めることができる。また、アルミニウム合金中のZn含有量が5.000%以下であることによって、ジンケート皮膜が均一となりめっき表面の平滑性が低下することを一層抑制することができ、また、めっき剥離が生じることを一層抑制することができる。また、圧延工程における加工性低下を一層抑制することができる。以上の理由により、アルミニウム合金中のZn含有量は、0.005〜5.000%の範囲とするのが好ましい。Zn含有量は、0.100〜0.700%の範囲とするのがより好ましい。
Cu:
Cuは、主として第二相粒子(Al−Cu系金属間化合物等)として存在し、アルミニウム合金基板の強度とヤング率を向上させる効果を発揮する。また、ジンケート処理時のAl溶解量を減少させる。更に、ジンケート皮膜を均一に、薄く、緻密に付着させ、次工程のめっき工程での平滑性を向上させる効果を発揮する。
アルミニウム合金中のCu含有量が0.005%以上であることによって、アルミニウム合金基板のヤング率と強度を向上させる効果及び平滑生を向上させる効果とを一層高めることができる。また、アルミニウム合金中のCu含有量が5.000%以下であることによって、粗大なAl−Cu系金属間化合物粒子が多数生成することを抑制する。これにより、エッチング時、ジンケート処理時、切削加工時や研削加工時において、大きな窪みが発生することを抑制する。そして、めっき表面の平滑性の低下及びめっき剥離が生じることを一層抑制することができる。また、圧延工程における加工性低下を一層抑制することができる。以上の理由により、アルミニウム合金中のCu含有量は、0.005〜5.000%の範囲とするのが好ましい。Cu含有量は、0.005〜1.000%の範囲とするのがより好ましい。
Si:
Siは、主に第二相粒子(Si粒子やAl−Fe−Si系金属間化合物等)として存在し、アルミニウム合金基板のフラッタリング特性と損失係数、ヤング率及び強度を向上させる効果を発揮する。このような材料に振動を加えると、第二相粒子と転位との相互作用により振動エネルギーが速やかに吸収され、良好なフラッタリング特性と損失係数が得られる。また、アルミニウムよりもヤング率が高い第二相粒子が増加することで、ヤング率が向上する。更に、第二相粒子が増加することで、分散強化により強度が向上する。
アルミニウム合金中のSi含有量が0.100%以上であることによって、アルミニウム合金基板のフラッタリング特性と損失係数、ヤング率、強度を向上させる効果を一層高めることができる。また、アルミニウム合金中のSi含有量が0.400%以下であることによって、粗大なSi粒子が多数生成することを抑制する。これにより、エッチング時、ジンケート処理時、切削加工時や研削加工時において、大きな窪みが発生することを抑制する。そして、めっき表面の平滑性の低下及びめっき剥離が生じることを一層抑制することができる。また、圧延工程における加工性低下を一層抑制することができる。以上の理由により、アルミニウム合金中のSi含有量は、0.100〜0.400%の範囲とするのが好ましく、0.100〜0.350%の範囲とするのがより好ましい。
Ti、B、V:
Ti、B及びVは、鋳造時の凝固過程において、第二相粒子(TiBなどのホウ化物、或いは、AlTiやTi−V−B粒子等)を形成し、これらが結晶粒核となるため、結晶粒を微細化することが可能となる。その結果、めっき性が改善する。また、結晶粒が微細化することで、第二相粒子のサイズの不均一性を小さくし、アルミニウム合金基板中のフラッタリング特性と損失係数、ヤング率、強度のバラツキを低減させる効果を発揮する。
Ti、B及びVの含有量の合計が0.005%未満では、上記の効果が得られない。一方、Ti、B及びVの含有量の合計が5.000%を超えてもその効果は飽和し、それ以上の顕著な改善効果が得られない。そのため、Ti、B及びVを添加する場合のTi、B及びVの含有量の合計は、0.005〜5.000%の範囲とするのが好ましい。Ti、B及びVの含有量の合計は、0.005〜0.500%の範囲とするのがより好ましい。尚、合計量とは、Ti、B及びVのいずれか1種のみを含有する場合にはこの1種の量であり、いずれか2種を含有する場合にはこれら2種の合計量であり、3種全てを含有する場合にはこれら3種の合計量である。
その他の元素:
本発明に用いるアルミニウム合金の残部は、Al及び不可避的不純物からなる。ここで、不可避的不純物としてはGa、Sn等が挙げられる。不可避的不純物となる元素は、各々が0.10%未満で、かつ合計で0.20%未満であれば、本発明で得られるアルミニウム合金基板としての特性を損なうことはない。
尚、以上の説明において、金属間化合物とは、析出物や晶出物を意味し、具体的には、Al−Fe系金属間化合物(AlFe、AlFe、Al(Fe、Mn)、Al−Fe−Si、Al−Fe−Mn−Si、Al−Fe−Ni、Al−Cu−Fe等)、Mg−Si系金属間化合物(MgSi等)等の粒子等をいう。その他の金属間化合物としては、Al−Mn系金属間化合物(AlMn、Al−Mn−Si)、Al−Ni系金属間化合物(AlNi等)、Al−Cu系金属間化合物(AlCu等)、Al−Cr系金属間化合物(AlCr等)、Al−Zr系金属間化合物(AlZr等)等が挙げられる。尚、第二相粒子は、金属間化合物以外にSi粒子等も含む。
3−2.本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム基板の製造方法
以下に、本実施形態に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造工程の各工程及びプロセス条件を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板、並びに、これを用いた磁気ディスクの製造方法を説明するフローである。図1において、アルミニウム合金成分の調整工程(ステップS101)〜冷間圧延(ステップS105)は、溶解鋳造でアルミニウム合金素材を製造し、これをアルミニウム合金板にする工程である。次いで、加圧平坦工程(ステップS106)によって、アルミニウム合金のディスクブランクが製造される。そして、製造したディスクブランクに対して切削加工・研削加工工程(ステップS107)等の前処理を行い、ジンケート処理(ステップS109)及びNi−Pめっき処理(ステップS110)を行った後、表面研磨及び加熱処理(ステップS111)を経て、磁気ディスク用アルミニウム合金基板が製造される。製造された磁気ディスク用アルミニウム合金基板は、磁性体の付着工程(ステップS111)によって磁気ディスクとなる。以下、この図1のフローに従いつつ、各工程の内容を詳細に説明する。
まず、上述の成分組成を有するアルミニウム合金素材の溶湯を、常法に従って加熱・溶融することによって調製する(ステップS101)。次に、調製されたアルミニウム合金素材の溶湯を、半連続鋳造(DC鋳造)法や連続鋳造(CC鋳造)法等により鋳造して、アルミニウム合金素材を鋳造する(ステップS102)。DC鋳造法及びCC鋳造法における、アルミニウム合金素材の製造条件等は、以下のとおりとなる。
DC鋳造法においては、スパウトを通して注がれた溶湯が、ボトムブロックと、水冷されたモールドの壁、ならびに、インゴット(鋳塊)の外周部に直接吐出される冷却水で熱を奪われ、凝固し、アルミニウム合金の鋳塊として下方に引き出される。
一方、CC鋳造法では、一対のロール(又は、ベルトキャスタ、ブロックキャスタ)の間に鋳造ノズルを通して溶湯を供給し、ロールからの抜熱でアルミニウム合金の薄板を直接鋳造する。
DC鋳造法とCC鋳造法との大きな相違点は、鋳造時の冷却速度にある。冷却速度が大きいCC鋳造法では、第二相粒子のサイズがDC鋳造に比べ小さいのが特徴である。両方の鋳造法において、鋳造時の冷却速度は0.1〜1000℃/sの範囲とするのが好ましい。鋳造時の冷却速度を0.1〜1000℃/sとすることによって、第二相粒子が多数生成し、損失係数とヤング率が向上する。また、Fe固溶量が多くなり、強度を向上させる効果を得ることができる。鋳造時の冷却速度が0.1℃/s未満では、Fe固溶量が少なくなり、強度が低下する虞がある。一方、鋳造時の冷却速度が1000℃/sを超えると、第二相粒子の個数が少なくなる虞があり、十分なフラッタリング特性と損失係数、ヤング率が得られない場合がある。
DC鋳造されたアルミニウム合金鋳塊については、必要に応じて均質化処理を実施する(ステップS103)。均質化処理を行う場合は、280〜620℃で0.5〜30時間の加熱処理を行うことが好ましく、300〜620℃で1〜24時間の加熱処理を行うことがより好ましい。均質化処理時の加熱温度が280℃未満又は加熱時間が0.5時間未満の場合は、均質化処理が不十分で、アルミニウム合金基板毎の損失係数のバラツキが大きくなる虞がある。均質化処理時の加熱温度が620℃を超えると、アルミニウム合金鋳塊に溶融が発生する虞がある。均質化処理時の加熱時間が30時間を超えてもその効果は飽和し、それ以上の顕著な改善効果が得られない。
次に、必要に応じて均質化処理を施した、或いは、均質化処理を施していないアルミニウム合金鋳塊(DC鋳造)を熱間圧延し板材とする(ステップS104)。熱間圧延するに当たっては、特にその条件は限定されるものではないが、熱間圧延開始温度を好ましくは250〜600℃とし、熱間圧延終了温度を好ましくは230〜450℃とする。
次に、熱間圧延した圧延板、又は,CC鋳造法で鋳造した鋳造板を冷間圧延して1.3mmから0.45mm程度のアルミニウム合金板とする(ステップS105)。冷間圧延によって所要の製品板厚に仕上げる。冷間圧延の条件は特に限定されるものではなく、必要な製品板強度や板厚に応じて定めれば良く、圧延率を10〜95%とするのが好ましい。冷間圧延の前、或いは、冷間圧延の途中において、冷間圧延加工性を確保するために焼鈍処理を施してもよい。焼鈍処理を実施する場合には、例えばバッチ式の加熱ならば、300〜450℃で0.1〜10時間の条件で行うことが好ましく、連続式の加熱ならば、400〜500℃で0〜60秒間保持の条件で行うことが好ましい。ここで、保持時間が0秒とは、所望の保持温度に到達後直ちに冷却することを意味する。
そして、冷間圧延により得られたアルミニウム合金板を円環状に打ち抜き、円環状アルミニウム合金板とする。円環状アルミニウム合金板は、加圧平坦化処理(ステップS106)によってディスクブランクとなる。加圧平坦化処理では、大気中で、例えば150〜270℃で0.5〜10時間の加圧焼鈍が行われ、平坦化したブランクが作製される
ディスクブランクには、ジンケート処理等の前に、切削加工・研削加工(ステップS107)と加熱処理(ステップS109)加熱処理では、例えば130〜280℃の範囲で0.5〜10.0時間保持する。この加熱処理により、転位の減少を抑制することが可能となり、フラッタリング特性や耐衝撃性を向上させることができる。加熱処理温度が280℃を超える場合、又は、加熱処理時間が10.0時間を超える場合は転位が減少し、その結果、フラッタリング特性や耐衝撃性が低下する虞がある。一方、加熱処理温度が130℃未満の場合、又は、加熱処理時間が0.5時間未満の場合は、加工により導入された歪の除去が不十分となり、その結果、経時変化により基板の平坦度が悪化して磁気ディスク用アルミニウム合金基板としての使用が困難となるおそれがある。以上の理由により、切削・研削した後のブランクの加熱処理は、130〜280℃の範囲において0.5〜10.0時間保持を行うことが好ましい。
次に、ディスクブランク表面を脱脂、エッチングして、ジンケート処理(Zn置換処理)を施す(ステップS109)。ジンケート処理では、ディスクブランク表面にジンケート皮膜が形成される。ジンケート処理は、市販のジンケート処理液を用いることができ、温度10〜35℃、処理時間0.1〜5分、濃度100〜500mL/Lの条件で行うことが好ましい。ジンケート処理は、少なくとも1回なされ、2回以上行っても良い。ジンケート処理を複数回行うことで、微細なZnを析出させて均一なジンケート皮膜を形成することができる。ジンケート処理を2回以上行う場合、その合間にZn剥離処理を行っても良い。Zn剥離処理は、HNO溶液を用い、温度15〜40℃、処理時間10〜120秒、濃度:10〜60%の条件で行うことが好ましい。また、2回目以降のジンケート処理は、最初のジンケート処理と同様の条件で実施することが好ましい。
更に、ジンケート処理したディスクブランク表面に、磁性体付着の下地処理として無電解Ni−Pめっき処理(ステップS110)を施す。無電解Ni−Pめっき処理工程は、市販のめっき液等を用い、温度80〜95℃、処理時間30〜180分、Ni濃度3〜10g/Lの条件でめっき処理を行うことが好ましい。
無電解Ni−Pめっき処理後のめっき表面に、平滑化のための研磨を行う(ステップS111)。この研磨工程では、研磨砥粒の径を調整した複数段階での研磨を行うことが好ましい。例えば、粒径が0.1〜1.0μmの大径研磨砥粒を含む研磨液と硬質または軟質の研磨パッドとを用いて、主表面を研磨する。次に、粒径が0.01〜0.1μm程度の小径研磨砥粒を含む研磨液と軟質研磨パッドを用い表面の研磨を行う。
そして、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法では、磁性体を付着させる前の研磨後のアルミニウム合金基板に対して、研磨後72h以内に100〜250℃で加熱処理を行うこととする(ステップS112)。
このように、基板の表面研磨後72h以内に100〜250℃で加熱処理を行うことで、磁気ディスク装置作動時の平坦度変化を抑制することが可能となり、フラッタリング特性を安定させることができる。研磨後に基板を長時間放置すると、研磨で導入された歪が安定化する傾向がある。本発明者等の検討によれば、研磨後72hを超えた時間に加熱処理を行うと、安定化した歪が十分開放されない。開放されずに基板に残留する歪みは、磁気ディスク装置の長時間作動時に解放され、平坦度が悪化することとなる。そこで、本発明は、表面研磨後72h以内に加熱処理を行う。研磨から加熱処理までの時間は、48h以内が好ましく、24h以内がより好ましい。
また、加熱処理温度を100〜250℃としたのは、表面研磨から熱処理実施までの時間間隔(72h)を考慮しつつ、歪の開放に最適な条件だからである。即ち、加熱処理温度が100℃未満の場合は、研磨により導入された歪の除去が不十分となり、その結果、磁気ディスク装置の長時間作動時の経時変化により基板の平坦度が悪化してフラッタリング特性が悪化する。一方、加熱温度が250℃を超える場合は、平坦度が悪化し、その結果、フラッタリング特性が低下するからである。また、加熱温度が250℃を超えると、基板の耐衝撃性が低下するおそれもある。そのため、研磨後72h以内に100〜250℃で加熱処理を行う。加熱処理の温度は、120〜230℃の範囲が好ましい。
尚、この加熱処理を行うにあたっては、処理時間は限定されるものではない。但し、処理時間が長すぎるとコスト増に繋がるので、好ましくは0〜30分とする。ここで、保持時間が0分とは、所望の保持温度に到達後、直ちに冷却することを意味する。
以上説明した、表面研磨後の加熱処理により、本発明に係る磁気ディスク用のアルミニウム基板が製造される。最後に、アルミニウム基板の無電解Ni−Pめっき処理面に対して、スパッタリングによって磁性体を付着させる(ステップS113)。これにより、アルミニウム合金製の磁気ディスクが製造される。
4.本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板
本発明に係る磁気ディスク用基板は、ガラス材料で構成することもできる。以下、本発明に係る磁気ディスク用のガラス基板について、適用されるガラス材料と基板の製造方法について、それぞれの詳細を説明する。
4−1.ガラス材料
ガラスの材料としては、アモルファスガラスや結晶化ガラスなどのガラスセラミックスを用いることができる。尚、成形性や加工性の観点からアモルファスガラスを用いることが好ましい。例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることが好ましい。
4−2.本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
次に、本実施形態に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクの製造方法の一例を示すフロー図である。以下、この図2のフローに従いつつ、各工程の内容に説明する。
まず、原材料となるガラス板を製造する(ステップS201)。次いで、ステップS201で製造したガラス板をコアリングして、このガラス板からドーナツ状のガラス基板を成形する(ステップS202)。
次に、成形したガラス基板の内外周端面にチャンファ面を形成する(ステップS203)。そして、チャンファ面を形成したガラス基板の内外周端面を研磨した後、表面研磨を行う。この研磨工程は、粗研磨(ステップS204)と精密研磨(ステップS205)で構成される。粗研磨(ステップS204)の工程では、粒径が0.1〜1.0μmの大径研磨砥粒を含む研磨液と硬質または軟質の研磨パッドとを用いて、主表面を研磨する粗研磨工程を行う。これに次ぐ精密研磨(ステップS205)の工程では、粒径が0.01〜0.1μm程度の小径研磨砥粒を含む研磨液と軟質研磨パッドとを用いて、粗研磨したガラス基板の主表面をさらに精密に研磨する。
そして、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板は、上記の精密研磨による研磨後72h以内に100〜250℃で加熱処理を行うこととする(ステップS206)。
このように、基板の表面研磨後72h以内に100〜250℃で加熱処理を行うことで、磁気ディスク装置作動時の平坦度変化を抑制することが可能となり、フラッタリング特性を安定させることができる。研磨後に基板を長時間放置すると、研磨で導入された歪が安定化する傾向がある。本発明者等の検討によれば、研磨後72hを超えた時間に加熱処理を行うと、安定化した歪が十分開放されない。開放されずに基板に残留する歪みは、磁気ディスク装置の長時間作動時に解放され、平坦度が悪化することとなる。そこで、本発明は、表面研磨後72h以内に加熱処理を行う。研磨から加熱処理までの時間は、48h以内が好ましく、24h以内がより好ましい。
また、加熱処理温度を100〜250℃としたのは、表面研磨から熱処理実施までの時間間隔(72h)を考慮しつつ、歪の開放に最適な条件だからである。即ち、加熱処理温度が100℃未満の場合は、研磨により導入された歪の除去が不十分となり、その結果、磁気ディスク装置の長時間作動時の経時変化により基板の平坦度が悪化してフラッタリング特性が悪化する。一方、加熱温度が250℃を超える場合は、平坦度が悪化し、その結果、フラッタリング特性が低下するからである。また、加熱温度が250℃を超えると、基板の耐衝撃性が低下するおそれもある。そのため、研磨後72h以内に100〜250℃で加熱処理を行う。加熱処理の温度は、120〜230℃の範囲が好ましい。
尚、この加熱処理を行うにあたっては、処理時間は限定されるものではない。但し、処理時間が長すぎるとコスト増に繋がるので、好ましくは0〜30分とする。ここで、保持時間が0分とは、所望の保持温度に到達後、直ちに冷却することを意味する。
以上説明した、表面研磨後の加熱処理により、本発明に係る磁気ディスク用のガラス基板が製造される。最後に、ガラス基板の研磨面に対して、スパッタリングによって磁性体を付着させる(ステップS207)。これにより、ガラス製の磁気ディスクが製造される。
以下に、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例では、磁気ディスク用基板として、複数のアルミニウム合金基板及びガラス基板を製造し、その特性評価を行った。
A.磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造
まず、表1〜3に示す成分組成の各合金素材を常法に従って溶解し、アルミニウム合金溶湯を溶製した(ステップS101)。表1〜3中「−」は、測定限界値未満を示す。
Figure 0006684865
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次に、アルミニウム合金溶湯をDC鋳造法により鋳造し、厚さ200mmの鋳塊を作製した(ステップS102)。均質化処理前に、鋳塊の両面を15mm面削した。
次に、No.A2以外は380℃で10時間の均質化処理を施した(ステップS103)。次に、熱間圧延開始温度370℃、熱間圧延終了温度230℃の条件で熱間圧延を行ない、板厚3.0mmの熱間圧延板とした(ステップS104)。
熱間圧延後に、No.A3、A5及びAC1の合金の熱間圧延板は300℃で2時間の条件で焼鈍(バッチ式)を行った。このようにして作製した全ての熱間圧延板は、冷間圧延(圧延率73.3%)により最終板厚の0.8mmまで圧延し、アルミニウム合金板とした(ステップS105)。このアルミニウム合金板から外径96mm、内径24mmの円環状に打抜き、円環状のアルミニウム合金板を作製した。
このようにして作製した円環状のアルミニウム合金板を230℃で3時間加圧焼鈍(加圧平坦化処理)を施してディスクブランクとした(ステップS106)。このディスクブランクについて端面加工(切削加工)を行って、外径95mm、内径25mmとし、グラインディング加工(表面25μm研削加工)を行った(ステップS107)。更に、250℃で1時間の加熱処理を実施した(ステップS108)。その後、AD−68F(商品名、上村工業製)により60℃で5分の脱脂を行った後、AD−107F(商品名、上村工業製)により65℃で1分の酸エッチングを行い、さらに30%HNO水溶液(室温)で20秒間デスマットした。
このようにして表面状態を整えた後に、ディスクブランクをAD−301F−3X(商品名、上村工業製)の20℃のジンケート処理液に0.5分間浸漬して表面にジンケート処理を施した(ステップS109)。尚、ジンケート処理は合計2回行い、ジンケート処理の間に室温の30%HNO水溶液に20秒間浸漬して表面を剥離処理した。ジンケート処理した表面に、無電解Ni−Pめっき処理液(ニムデンHDX(商品名、上村工業製))を用いてNi−Pを13μm厚さに無電解めっきを実施した(ステップS110)。
得られためっき面を平均粒径800nmのアルミナスラリーおよび発泡ウレタン製研磨パッドを用いて粗研磨した。粗研磨の加工量を2μmとした。続いて、コロイダルシリカおよび発泡ウレタン製研磨パッドを用いて仕上げ精密研磨(ポリッシュ加工)を行った(ステップS111)。尚、仕上げポリッシュ加工工程においては、発泡ウレタン研磨パッドと、粒径が70〜90nmで平均粒径が80nmのコロイダルシリカに水を加えて遊離砥粒とした研磨液とを用いて、片面あたり厚さ1μmだけ研磨した。また、精密研磨工程におけるその他の研磨条件としては、研磨時間を8.5分、加工圧力を50〜120g/cmとした。次に、表4〜6に示す条件で、各試験材について加熱処理を行い、磁気ディスク用基板とした(ステップS112)。
Figure 0006684865
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B.磁気ディスク用ガラス基板の製造
表7に示す実施例57〜63、比較例7〜13として、リドロー法を用いてアルミノシリケートガラスからなるガラス板を製造して、磁気ディスク用ガラス基板を製造した。
上記で製造したガラス板をコアリングしてドーナツ状のガラス基板を成形し、さらに内外周にチャンファ面を形成し、板厚が0.8mm、外径が95mm、円孔の内径が25mmのガラス基板を製造した(ステップS201〜203)。
つぎに、これらのガラス基板に対して、両面同時研磨機を用いて、上述した製造方法に従った粗研磨工程(ステップS204)及び精密研磨工程(ステップS205)を行った。
ここで、粗研磨工程(ステップS204)においては、ウレタン研磨パッドと、粒径が0.1〜0.4μmで平均粒径が0.19μmの酸化セリウム研磨砥粒に水を加えて遊離砥粒とした研磨液とを用いて、上述の特性を有するガラス基板を、片面あたりの粗研磨量が14μmになるように研磨した。
また、精密研磨工程(ステップS205)においては、発泡ウレタン研磨パッドと、粒径が70〜90nmで平均粒径が80nmのコロイダルシリカに水を加えて遊離砥粒とした研磨液とを用いて、粗研磨したガラス基板を、片面あたり厚さ1μmだけ研磨した。なお、精密研磨工程におけるその他の研磨条件としては、研磨時間を8.5分、加工圧力を50〜120g/cm2とした。
以上の研磨工程後、表7に示す条件で加熱処理を行い、磁気ディスク用基板とした(ステップS206)。
Figure 0006684865
C.製造した磁気ディスク用基板の特性評価
加熱処理(ステップS112、S206)後の磁気ディスク用基板について、以下の方法により、平坦度(加熱処理後、190℃×20hの加熱処理後)、ディスクフラッタリング特性、損失係数特性の評価を行った。
〔平坦度〕
まず、上記の通り研磨後の加熱処理を行った磁気ディスク用基板について平坦度を測定した。その後、基板について190℃×20hの加熱処理を行って、加熱処理後の平坦度を測定し、加熱処理前の平坦度との差を算出した。尚、平坦度の意義については上述のとおりである。また、平坦度の測定は、ZyGO非接触フラットネス測定機にて行った。
〔ディスクフラッタリング特性の測定〕
研磨後の加熱処理(ステップS112、S206)後の磁気ディスク用基板について、190℃×20hの加熱処理を行った後、ディスクフラッタリングの測定を行った。ディスクフラッタリング特性は、ハードディスクドライブに空気の存在下、アルミニウム合金基板、ガラス基板を設置して測定を行った。ハードディスクドライブは市販の3.5インチハードディスクドライブであり、モーター駆動は、ブラシレスモータドライバ(商品名:SLD102 テクノハンズ株式会社製)をモーターに直結することにより駆動させた。
測定の際の回転数は7200rpmとし、ディスクは常に複数枚設置し、その上部の磁気ディスクの表面にレーザードップラー計(商品名:LDV1800 株式会社小野測器製)によって表面の振動を観察した。観察した振動は、FFT解析装置(商品名:DS3200 株式会社小野測器製)によってスペクトル分析した。観察はハードディスクドライブの蓋に孔を開けることにより、その穴からディスク表面を観察して行った。また、市販のハードディスクに設置されていたスクイーズプレートは外して評価を行った。
フラッタリング特性の評価は、フラッタリングが現れる300〜1500Hzの付近のブロードなピークの最大変位(ディスクフラッタリング(nm))によって行った。このブロードなピークはNRRO(Non−Repeatable Run Out)と呼ばれ、ヘッドの位置決め誤差に対して大きな影響があることがわかっている。フラッタリング特性の評価は、空気中にて、30nm以下の場合を「A(優)」、30nmを超えて40nm以下を「B(良)」、40nmを超えて50nm以下を「C(可)」、50nmより大きい場合は「D(劣)」と判定した。
〔損失係数×板厚〕
研磨後の加熱処理(ステップS112、S206)後の磁気ディスク用基板から、60mm×8mmのサンプルを採取し、減衰法により損失係数を測定した。そして、基板の厚さ(mm)を基に、損失係数×板厚を算出した。尚、損失係数の測定は、日本テクノプラス株式会社製のJE−RT型の測定装置を用い室温で行った。
本実施例で製造した磁気ディスク用基板に対する、各特性の評価結果を表8〜11に示す。
Figure 0006684865
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表8、9、11に示すように実施例1〜63ではいずれも、安定したフラッタリング特性を得ることが出来た。
これに対して、表10、11に示すように比較例1〜12では、いずれかの平坦度が劣っていたため、安定したフラッタリング特性を得ることが出来なかった。
具体的には、比較例1、2、7、8では、研磨後から加熱処理を行うまでの時間が長過ぎた。そのため、基板を190℃×20hの加熱処理をしたときの処理前後の平坦度の差が20μmを超えて大きくなり、フラッタリング特性が劣っていた。研磨から加熱処理までの時間が72hを超えたことにより、内部歪が安定化し、熱処理を行っても内部歪みが十分に開放されなかったためと考察される。
比較例5、6、9、10では、研磨後の加熱処理の温度が高過ぎた。これにより、研磨後の加熱処理後の平坦度が30μmを超えて大きくなり、フラッタリング特性が劣っていた。
比較例3、4、11、12では、研磨後の加熱処理の温度が低過ぎた。そのため、基板を190℃×20hの加熱処理をしたときの処理前後の平坦度の差が20μmを超えて大きくなり、フラッタリング特性が劣っていた。190℃×20hの加熱処理前後の平坦度の差が大きくなり劣った。研磨後の加熱処理温度が低く、内部歪みが十分開放されなかったことが要因と推定される。
本発明では、磁気ディスク基板表面の平坦度について、2方向で規定を行った。即ち、研磨後の加熱処理を行った後の平坦度(30μm以下)と、基板を190℃×20hの加熱処理をしたときの処理前後の平坦度の差(20μm以下)である。上記の実施例から、ディスクフラッタリングの安定化には、双方の平坦度が良好であることが要求されることが確認された。この平坦度に関する基準は、アルミニウム合金基板及びガラス基板の双方に適用されることがわかった。そして、これらの平坦度を良好にするためには、基板の研磨後72h以内に適切な加熱処理の実施が好ましい。この傾向もアルミニウム合金基板及びガラス基板の双方に適用される。
本発明により、安定したフラッタリング特性を有する磁気ディスク用基板及びその製造方法、ならびに、この磁気ディスク用基板を用いた磁気ディスクが得られる。

Claims (7)

  1. ガラス材料からなる磁気ディスク用基板において、
    前記ガラス材料は、アルミノシリケートガラスであり、
    平坦度が30μm以下であり、
    190℃×20hの加熱処理をした前後の平坦度の差が20μm以下となることを特徴とする磁気ディスク用基板。
  2. アルミニウム合金からなる磁気ディスク用基板において、
    前記アルミニウム合金は、Fe:0.10〜3.00mass%、及び、Mn:0.10〜3.00mass%の少なくともいずれかを含有し、残部Al及び不可避的不純物からなり、
    平坦度が30μm以下であり、
    190℃×20hの加熱処理をした前後の平坦度の差が20μm以下となることを特徴とする磁気ディスク用基板。
  3. アルミニウム合金は、Mg:0.100〜5.000mass%、Ni:0.100〜5.000mass%、Cr:0.010〜5.000mass%、Zr:0.010〜5.000mass%、Zn:0.005〜5.000mass%、Cu:0.005〜5.000mass%、及び、Si:0.10〜0.40mass%、からなる群から選択される1種又は2種以上の元素を更に含有する、請求項2に記載の磁気ディスク用基板。
  4. アルミニウム合金は、Ti、B、及び、Vからなる群から選択される1種又は2種以上の元素を、合計含有量で0.005〜5.000mass%更に含有する、請求項2又は請求項3に記載の磁気ディスク用基板。
  5. 板厚(mm)と損失係数との積が、0.10×10−3以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の磁気ディスク用基板。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の磁気ディスク用基板の製造方法であって、
    少なくとも1回の研磨工程を行って磁気ディスク用基板とする工程を含み、
    更に、前記研磨工程の最後の研磨工程での研磨後72h以内に、研磨後の磁気ディスク用基板を100〜250℃で加熱処理する工程を含む磁気ディスク用基板の製造方法。
  7. 磁気ディスクにおいて、
    請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の磁気ディスク用基板の表面に、磁性体層が設けられていることを特徴とする磁気ディスク。

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