JP6684708B2 - 4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法 - Google Patents

4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法に関する。具体的には、4−イソプロピル−3−メチルフェノールを収率良く製造することができる製造方法に関する。さらには、臭気や着色の少ない4−イソプロピル−3−メチルフェノールを効率良く製造することができる製造方法に関する。
イソプロピルメチルフェノールは、抗菌剤、殺菌剤、防腐剤等として医薬品、医薬部外品、化粧品等に広く使用されている。イソプロピルメチルフェノールには異性体が存在するが、その中でも、4−イソプロピル−3−メチルフェノール(以下、p−チモールと称する場合がある。)は、抗菌・殺菌力が強力である上、対皮膚刺激性等の毒性が低く、無色無臭であるという特性を有している。
イソプロピルメチルフェノールの製造方法としては、m−クレゾールとプロピレンとを触媒の存在下で反応させてm−クレゾールをイソプロピル化する方法が知られている。この方法では、異性体である4−イソプロピル−3−メチルフェノール、6−イソプロピル−3−メチルフェノール(以下、o−チモールと称する場合がある。)、5−イソプロピル−3−メチルフェノール(以下、m−チモールと称する場合がある。)、および2−イソプロピル−3−メチルフェノール(以下、vic−チモールと称する場合がある。)が生成する。そのため、4−イソプロピル−3−メチルフェノールは、現在、一般的には、m−クレゾールとプロピレンとを触媒の存在下で反応させ、異性体の混合物を得た後、これらの混合物から、異性化、蒸留、抽出、晶析等の精製操作を経て製造されている。
m−クレゾールとプロピレンとからイソプロピルメチルフェノールを製造する方法としては、例えば、触媒として酸化カルシウムを用いる方法(特許文献1)や、触媒として硫酸金属塩およびγーアルミナを用いる方法(特許文献2)、臭化亜鉛、臭化水素および水を含む触媒溶液を用いる方法(特許文献3)等が知られている。
また、m−クレゾールとプロピレンとの反応において、リン酸を共存させる方法も知られている。例えば、m−クレゾール等のフェノール類とプロピレン等のオレフィン類とを活性白土または酸性白土を触媒として液相で反応させてアルキルフェノール類を製造するにあたり、無水リン酸、縮合リン酸およびその塩、ならびにリン酸およびその塩からなる群より選ばれたリン化合物を共存させる方法が報告されている(特許文献4)。さらには、m−クレゾールとプロピレンとを触媒存在下で反応させ、触媒としてシリカ・アルミナ、珪藻土およびシリカ・チタニアよりなる群から選ばれる少なくとも一種の担体にリン酸を所定の割合で担持させた固体リン酸触媒を用い、反応を加熱条件下液相でかつ所定のプロピレン圧の条件下で行うことにより、p−チモールおよびo−チモールを主体とし、o−チモール/p−チモールの生成比が3/1以下であるチモール類を製造する方法も報告されている(特許文献5)。
また、m−トルイジンを硫酸存在下にイソプロピル化することにより3−メチル−4−イソプロピルアニリンとし、これをジアゾ分解又は高温高圧下で加水分解することにより4−イソプロピル−3−メチルフェノールを製造する方法も報告されている(特許文献6)。
特公昭45−15491号公報 特公昭46−3053号公報 独国特許発明第2139622号明細書 特公昭41−16781号公報 特公昭61−52130号公報 中国特許出願公開第103044205号明細書
特許文献1〜3に開示された方法はいずれもo−チモールを製造することを目的としており、また反応の選択性が乏しいため、異性体であるo−チモール、p−チモール、m−チモールや、ジイソプロピルクレゾール等が生成するので、p−チモールを選択的に製造することは困難である。また、反応性自体も不十分である。
特許文献4に開示された方法では、反応性の改良は期待できるものの、反応の選択性については言及されておらず、依然としてp−チモールを選択的に製造することは困難である。
これに対して特許文献5に開示された方法では、p−チモールおよびo−チモールを主体とする生成物を得ることができ、m−チモールの生成を抑制することができる。しかしながら、p−チモールのみを選択的に製造するという点では未だ不十分であり、精製に依存せずに反応段階でp−チモールを高選択率および高収率で得るまでには遥かに及ばない。
また、p−チモール、o−チモール、m−チモールは沸点が近いために分離が困難であるという問題もある。
このように従来ではp−チモールのみを選択的に製造する方法は見出されておらず、その出現が強く望まれていた。
また、従来の方法では、原料としてプロピレンガスを使用するため、反応にはオートクレーブ等の圧力容器が必要であり、設備にコストがかかるという問題もあった。
さらには、本発明者らの検討によれば、従来の方法では、得られるp−チモールに臭気および着色が残るという問題があることが見出された。これは、従来の方法では、原料であるm−クレゾールや、生成物であるo−チモール、m−チモール、ジイソプロピルクレゾール等、臭気や着色の原因となり得る物質が多いためであると考えられる。具体的には、上述のp−チモール、o−チモール、m−チモールの分離が困難であること等が要因であると推定される。この問題を解消しようとすると、精製に大きな負荷がかかってしまう。
この問題に対し、特許文献6に開示された方法によれば、異性体が副生されずにp−チモールを製造することができる。しかしながら、この方法ではチモール類以外の副生成物や未反応物が多いことから、最高収率が50%に留まっている。このため、p−チモールを得るための精製の負荷という点では、相変わらず問題は解決できていなかった。また、この方法では製造工程数が多いことから、経済的にも実用性が低いものと考えられる。更には収率の低さに伴い、臭気や着色の問題についても課題が残されている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、4−イソプロピル−3−メチルフェノールを選択的に製造することができる製造方法を提供することを目的とする。さらには、本発明は、精製が容易であり、臭気や着色の少ない4−イソプロピル−3−メチルフェノールを効率良く製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、原料としてプロピレンを使用せずにイソプロピル金属化合物を使用し、このイソプロピル金属化合物と4−ハロゲン化−3−メチルフェノールとを、触媒および溶媒の存在下で反応させることにより、4−イソプロピル−3−メチルフェノールが高選択率かつ高収率で得られることが判明し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、4−ハロゲン化−3−メチルフェノール又はそのフェノール誘導体とイソプロピル金属化合物とを、触媒および溶媒の存在下で反応させることを特徴とする4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法を提供する。
本発明においては、4−ハロゲン化−3−メチルフェノール又はそのフェノール誘導体とイソプロピル金属化合物とを、触媒および溶媒の存在下で反応させることにより、異性体であるo−チモールやm−チモールの副生を抑え、4−イソプロピル−3−メチルフェノールを高選択率および高収率で製造することができる。その結果、臭気および着色の少ない4−イソプロピル−3−メチルフェノールを得ることができる。
上記発明においては、上記4−ハロゲン化−3−メチルフェノールが4−ブロモ−3−メチルフェノールであることが好ましい。4−ブロモ−3−メチルフェノールは反応性が高く、安価に入手可能だからである。
また本発明においては、上記イソプロピル金属化合物が臭化イソプロピル亜鉛であることが好ましい。臭化イソプロピル亜鉛は反応性が高いからである。
さらに本発明においては、上記触媒がパラジウム、ニッケル、ルテニウム、鉄および銅から選ばれる一種または二種以上を含むことが好ましい。これらの遷移金属触媒は上記反応に適用可能である。
また本発明においては、ビアリールホスフィン骨格を有する配位子の存在下で反応を行うことが好ましい。上記配位子は適度な嵩高さを有しており、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールの立体障害を有する3位メチル基に隣接する4位にイソプロピル基を導入することが容易となるため上記反応に有用である。また、上記配位子が嵩高いことにより、フェノール性水酸基を保護することなく、選択的に反応を進行させることができ、製造工程を大幅に簡略化することができる。
上記の場合、上記配位子が、ビアリールジアルキルホスフィン骨格を有することが好ましく、また、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2′,6′−ジイソプロポキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,6′−ジメトキシビフェニル、および2−ジシクロへキシルホスフィノ−2′,6′−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニルから選ばれる一種または二種以上の混合物であることがより好ましい。これらの配位子は嵩高さが適当であるため、上記と同様の理由により反応の選択性が良好だからである。
また本発明においては、上記溶媒が、上記イソプロピル金属化合物を溶解可能なエーテル類を含む溶媒であることが好ましい。
さらに本発明においては、上記触媒および上記配位子を上記溶媒に混合し、当該混合液に上記4−ハロゲン化−3−メチルフェノールおよび上記イソプロピル金属化合物を添加することが好ましい。
また本発明においては、上記触媒および上記配位子の少なくともいずれかが固体担体に固定されていることが好ましい。触媒や配位子が固体担体に固定されていれば、反応後にこれらを容易に分離することができるからである。
また本発明は、上述の製造方法に従って製造された4−イソプロピル−3−メチルフェノール組成物であって、4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノールを4−イソプロピル−3−メチルフェノールに対して0.1質量%〜10質量%の範囲内で含有する組成物を提供する。
また本発明は、上述の製造方法に従って製造された4−イソプロピル−3−メチルフェノールを含むことを特徴とする抗菌性組成物または殺菌性組成物を提供する。4−イソプロピル−3−メチルフェノールを抗菌剤や殺菌剤として含む組成物を得ることができる。
本発明においては、4−イソプロピル−3−メチルフェノールを高選択率および高収率で製造することができ、さらには臭気および着色の少ない4−イソプロピル−3−メチルフェノールを得ることができるという効果を奏する。また、本発明においては、フェノール性水酸基を保護することなく高選択率および高収率で4−イソプロピル−3−メチルフェノールを製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明の4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法、抗菌性組成物および殺菌性組成物について詳細に説明する。
A.4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法
本発明の4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法は、4−ハロゲン化−3−メチルフェノール又はそのフェノール誘導体とイソプロピル金属化合物とを、触媒および溶媒の存在下で反応させることを特徴とする方法である。
本発明は、クロスカップリング反応を利用した4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法である。具体的には、芳香環(芳香族化合物)に対して嵩高い2級アルキル基であるイソプロピル基を結合させるため、4−ハロゲン化−3−メチルフェノール又はそのフェノール誘導体とイソプロピル金属化合物とを、触媒および溶媒の存在下で反応させ、新たに炭素−炭素結合を形成する方法である。
したがって本発明においては、4−イソプロピル−3−メチルフェノールを選択的に製造することが可能である。これにより、4−イソプロピル−3−メチルフェノールの異性体であるo−チモールやm−チモールの生成を抑制することができ、4−イソプロピル−3−メチルフェノールを高収率で得ることが可能である。
また、これらの異性体は4−イソプロピル−3−メチルフェノールと沸点が近いために分離が困難であるが、本発明においてはo−チモールやm−チモールの生成が抑制されるので、精製でのロスを少なくし、精製工程を簡略化することが可能となる。
さらに、本発明の方法では、従来の方法のように原料としてm−クレゾールを使用せず、またo−チモールやm−チモール等の生成が抑えられるため、臭気や着色の原因となり得る物質が少ないので、臭気および着色の少ない4−イソプロピル−3−メチルフェノールを得ることができる。従来の方法では原料としてm−クレゾールを使用していたため、m−クレゾールのo位、m位、p位の何れにもイソプロピル化が進み、その中で最も安定なo位の生成物が多く、目的のp位は少量しか進行しなかった。本発明の方法ではm−クレゾールのp位のみを予めハロゲン化させた4−ハロゲン化−3−メチルフェノール又はそのフェノール誘導体を使用するため、o−チモールやm−チモールの生成を抑えることができる。
また、従来の方法のように原料としてプロピレンガスを使用しないため、オートクレーブ等の圧力容器を用いずに4−イソプロピル−3−メチルフェノールを製造することができ、製造コストを削減することも可能である。
なお、第二級のアルキル亜鉛ハロゲン化物と芳香族臭化物や芳香族塩化物等の芳香族ハロゲン化物とを遷移金属触媒の存在下に反応させると、芳香族への第二級のアルキル化反応が進むことは、根岸カップリング反応として広く知られており、種々の具体的な反応例が報じられている(例えば、Ranjan Jana, et al., Chemical Reviews 2011, 111, 1417-1492、Chong Han and Stephen L. Buchwald, J.Am.Chem.Soc.2009,131,7532、Amruta Joshi-Pangu et al., Organic Letters 2011, Vol.3, No.5, 1218-1221)。
しかしながら、原料として4−ハロゲン化−3−メチルフェノールおよびイソプロピル金属化合物を用い、本発明の目的とする4−イソプロピル−3−メチルフェノールを合成する反応に、この根岸カップリング反応を適応させた例はない。
ここで、本発明の製造方法において原料とする「4−ハロゲン化−3−メチルフェノール」は、当該化合物の誘導体を含むものである。4−ハロゲン化−3−メチルフェノール誘導体としては、当該化合物の水酸基が保護基によって保護された化合物が挙げられる。なお、本明細書では、上記の当該化合物の水酸基が保護基によって保護された化合物を、当該化合物のフェノール誘導体と称する場合がある。
本発明において、上記フェノール誘導体を用いる場合には、目的とする4−イソプロピル−3−メチルフェノールを製造する迄の任意の段階で保護基を外す(脱保護)反応を行えばよい。脱保護の方法は、用いる保護基の種類に応じて定法に従って行うことができる。
上記フェノール誘導体における水酸基の保護基としては特に限定されるものではなく、通常の有機合成に用いられる水酸基の保護基であればよいが、具体的には、メチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、t−ブチル基等を保護基とするエーテル系;メトキシメチル基、2−テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基等を保護基とするアセタール系;アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を保護基とするアシル系;トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジフェニルシリル等を保護基とするシリルエーテル系、等の保護基が挙げられる。これらの中でも、水酸基の保護基としてはエーテル系の保護基が好ましく、中でもメチル基が好ましい。
なお、上記の通り、本発明の製造方法においては、原料として上記フェノール誘導体を用いることができるものの、後述するように、使用する触媒や、任意で用いることができる配位子を適宜選択して用いることにより、水酸基を保護しなくとも目的とする4−イソプロピル−3−メチルフェノールを得ることができる。従って、製造工程の簡略化の観点から、保護基を有さない4−ハロゲン化−3−メチルフェノールを原料とすることが好ましい。
以下、原料として4−ハロゲン化−3−メチルフェノールを用いた場合について説明する。なお、上記の通り、4−ハロゲン化−3−メチルフェノール誘導体を用いた場合においても同様に適用することができる。また、上記フェノール誘導体以外の4−ハロゲン化−3−メチルフェノール誘導体についても、以下に説明する技術思想を適用することにより4−イソプロピル−3−メチルフェノールを製造することが可能である限り、本発明の技術範囲からこれを排除するものではない。
以下、本発明の4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法について詳しく説明する。
(1)4−ハロゲン化−3−メチルフェノール
4−ハロゲン化−3−メチルフェノールとしては、4−フルオロ−3−メチルフェノール、4−クロロ−3−メチルフェノール、4−ブロモ−3−メチルフェノールおよび4−ヨード−3−メチルフェノールを挙げることができる。中でも、取扱い性の観点から、4−クロロ−3−メチルフェノール、4−ブロモ−3−メチルフェノールおよび4−ヨード−3−メチルフェノールが好ましい。さらには、反応性が高いことから、4−ブロモ−3−メチルフェノールおよび4−ヨード−3−メチルフェノールが好ましく、特に、反応性およびコストの観点から、4−ブロモ−3−メチルフェノールが好ましい。
4−ハロゲン化−3−メチルフェノールの合成方法としては、特に限定されないが、コスト、収率および品質の観点から、m−クレゾールをハロゲン化する方法であることが好ましい。具体的には、m−クレゾールと金属ハロゲン化物とを反応させる方法であることが好ましい。例えば、4−ブロモ−3−メチルフェノールは、m−クレゾールを臭素化したものであることが好ましい。合成条件や精製方法等は、公知の方法を適宜採用することができる。また、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールは市販されているので、市販品を入手して用いることができる。
(2)イソプロピル金属化合物
本発明での反応において、イソプロピル金属化合物は有機金属試薬として用いられる。イソプロピル金属化合物としては、炭素−金属結合を有するものであればよいが、中でもイソプロピル金属ハロゲン化物であることが好ましい。イソプロピル金属ハロゲン化物としては、具体的には下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
(CHCH−MX (1)
(上記式中、Mは亜鉛、マグネシウム、アルニミウム、ジルコニウムおよびリチウムから選ばれる金属を表し、Xは塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子を表す。)
イソプロピル金属ハロゲン化物としては、上記式(1)における金属Mとして亜鉛又はマグネシウムを選択することが好ましく、亜鉛であることがより好ましい。また、上記式(1)におけるハロゲンXとしては臭素又はヨウ素であることが好ましく、臭素であることがより好ましい。すなわち、臭化イソプロピル亜鉛が特に好ましい。上記式(1)におけるMやXを上記の通り選択することにより、本発明に係るカップリング反応の反応性が向上する傾向にあるため望ましく、更には、後述する触媒としてパラジウムを含有するものを用いる際の反応性が向上する傾向にある。また、本発明の製造方法において、イソプロピル金属化合物として適当なものを選択して用いることにより、高温高圧下のような条件とすることなく、比較的低温かつ常圧条件下において良好に反応を行うことができる。
なお、ハロゲン化物以外のイソプロピル金属化合物としては、例えば、ジイソプロピル亜鉛、ジイソプロピルマグネシウム等が挙げられる。
ハロゲン化イソプロピル亜鉛の調製方法としては、特に限定されないが、ハロゲン化イソプロピルマグネシウムと亜鉛ハロゲン化物とのトランスメタル化による調製方法が挙げられる。臭化イソプロピル亜鉛の製造方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができ、例えばP. Knochel, Conprehensive Org. Syn., Vol.1, 211やC. F. Malosh et al, J. Am. Chem. Soc., 126, 10240 (2004)に記載されている。中でも、臭化イソプロピル亜鉛は、臭化イソプロピルマグネシウムおよび臭化亜鉛から調製されたものであることが好ましい。なお、臭化亜鉛の代わりに、金属亜鉛及び塩化リチウムを使用して調製することもできる。また、臭化イソプロピル亜鉛等のハロゲン化イソプロピル亜鉛は市販されているので、市販品を入手して用いることができる。
反応に使用するイソプロピル金属化合物の量は限定されないが、4−ハロゲン化−3−メチルフェノール1モルに対し、通常0.9モル〜3モルの範囲内、好ましくは1モル〜2モルの範囲内、より好ましくは1.0モル〜1.5モルの範囲内、更に好ましくは1.0モル〜1.3モルの範囲内、特に好ましくは1.0モル〜1.1モルの範囲内である。ここでイソプロピル金属化合物の量は、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールに対しクロスカップリング反応を行う反応における「モル当量」を意味する。イソプロピル金属化合物の量を上記範囲として本発明の反応を進行させるためには、各原料の添加順序や反応条件を最適化すればよい。
(3)触媒
触媒としては、クロスカップリング反応に適用可能なものであればよく、遷移金属触媒を挙げることができる。遷移金属触媒に含まれる遷移金属としては、周期表の第8族〜第11族(IUPAC)に属する元素を挙げることができ、中でも、パラジウム、ニッケル、ルテニウム、鉄および銅から選ばれる一種または二種以上であることが好ましい。特に、触媒作用に優れることから、パラジウムが好ましい。
遷移金属触媒としては、有機金属化合物を挙げることができる。有機金属化合物としては、後述の配位子と溶媒中で混合することで遷移金属に配位子が配位した錯体を得ることができるものであれば特に限定されるものではない。このような有機金属化合物において、金属イオンと結合するアニオン種としては、遷移金属への配位子の配位を阻害しないものであればよく、特に限定されないが、アニオン基を有する炭素数1〜20の炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基に結合しているアニオン基としては、例えば、カルボアニオン、硫酸イオン、青酸イオン、ニトロイオン、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)イオン等が挙げられる。中でも、炭素数1〜20の脂肪族カルボアニオンが好ましい。具体的には、酢酸イオン、アセチルアセトナート、プロピオン酸イオン、ピバリン酸イオン等が挙げられる。
金属の価数は、金属の種類に応じて異なり、特に限定されない。例えば、パラジウムの価数は0価であっても2価であってもよいが、中でも2価であることが好ましい。特に、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)が好適に用いられる。
触媒は単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。
また、触媒は固体担体に固定化されていてもよい。触媒が固体担体に固定されていれば、反応後に触媒を容易に分離および回収することができ、再利用することもできるからである。本発明の製造方法は反応選択性が極めて高く、異性体や副生成物の生成が抑制されることに特徴をもつ。このため、触媒を固定化しておけば、反応後の溶液から溶媒を除去することによって高収率、高純度で4−イソプロピル−3−メチルフェノールを得ることができる。
固体担体としては、例えばシリカ、アルミナ、合成ゼオライト等が挙げられる。
触媒を固体担体に固定化する方法としては公知の方法を適宜採用することができ、例えば固体担体にリンカーで触媒を固定化する方法が挙げられる。
なお、触媒の固定化は、上記触媒のみを固定化してもよいし、後述する配位子とともに錯体を形成し、当該錯体を固定化してもよい。
触媒の使用量は、反応温度等の反応条件に応じて適宜選択されるが、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールに対して、0.1モル%〜2モル%の範囲内であることが好ましい。
(4)配位子
本発明での反応においては、配位子を共存させることが好ましい。すなわち、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールおよびイソプロピル金属化合物を、触媒、配位子および溶媒の存在下で反応させることが好ましい。
本発明の4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法の一例を下記に示す。クロスカップリング反応では、下記に示すように、酸化的付加、トランスメタル化、および還元的脱離を経て、4−イソプロピル−3−メチルフェノールが得られると考えられる。なお、下記の反応スキームにおいて、Lは配位子を表す。
Figure 0006684708
配位子としては、遷移金属触媒の遷移金属に配位可能なものであれば特に限定されるものではないが、中でも、嵩高い構造を有することが好ましい。嵩高い配位子を選択することによって、還元的脱離を促進することができると考えられるからである。これにより、室温等の穏やかな反応条件で反応させることや、高収率で4−イソプロピル−3−メチルフェノールを得ることができるようになる。さらには、配位子が嵩高いことにより、反応性の高いフェノール性水酸基を保護することなく、選択的に反応を進行させることができる。そのため、水酸基の保護および脱保護が不要になり、工程を大幅に簡略化することができる。
このような配位子としては、ビアリールホスフィン骨格を有する配位子が好ましく用いられる。ビアリールホスフィン骨格を有する配位子が上記触媒と錯体構造を形成した場合、適度な嵩高さを有しているため、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールの立体障害を有する3位メチル基に隣接する4位にイソプロピル基を導入することが容易となるからである。
ビアリールホスフィン骨格のビアリール構造としては、ビフェニルであることが好ましい。
ビアリール構造におけるリン原子との結合位置は特に限定されないが、ビフェニルを例にすれば、下記式(2)で表される位置であることが好ましい。この配位子は適度な嵩高さを有するため、上記と同様の理由により反応の選択性が良好だからである。
Figure 0006684708
(上記式中、R1、R2はそれぞれ独立して任意の炭化水素基を表す。)
ビアリール構造の芳香環は、置換基を有していてもよい。置換基は、電子供与性を有することが好ましい。ビアリール構造の芳香環が電子供与性の置換基を有すると、本発明に係る反応の選択性及び反応性が一層最適化され、得られる4−イソプロピル−3−メチルフェノールの収率を向上させることができる傾向にある。電子供与性の置換基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、アミノ基が挙げられる。中でも、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基が好ましい。置換基の数は特に限定されないが、通常1〜4であり、好ましくは1〜3である。置換基を有するビアリール構造としては、具体的にはジイソプロプルビアリール、ジメトキシビアリール、ビス(ジメチルアミノ)ビアリールであることが好ましい。
ビアリールホスフィン骨格のホスフィン部位において、リン原子に結合する炭化水素基(上記式(2)におけるR1、R2に相当)としては特に限定されるものではなく、例えば脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよいが、中でも脂肪族炭化水素基であることが好ましい。脂肪族炭化水素基としては、例えば鎖状(直鎖又は分岐)アルキル基、シクロアルキル基を挙げることができ、中でも分岐アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましい。リン原子に結合する炭化水素基が分岐アルキル基又はシクロアルキル基である場合には、配位子の嵩高さが適当であるため、上記と同様の理由により反応の選択性が良好だからである。例えば、上記式(2)においてR1、R2が何れもシクロアルキル基であると、配位子の嵩高さが最適となる。
分岐アルキル基としては特に限定されないが、t−ブチル基であることが好ましい。シクロアルキル基としては特に限定されないが、シクロヘキシル基であることが好ましい。また、シクロアルキル基は、環を構成する水素が炭素数1〜4のアルキル基に置換されていてもよい。
リン原子に結合する炭化水素基としてのシクロアルキル基は1つであってもよく2つであってもよいが、2つであることが好ましい。すなわち、ホスフィン部位は、ジシクロアルキルホスフィノ基であることが好ましい。
したがって、配位子はビアリールジアルキルホスフィン骨格を有することが好ましい。更には、ビアリールジアルキルホスフィン骨格を有する配位子は、ビアリール構造がビフェニルであるビフェニルジアルキルホスフィンであることが好ましく、また、ジアルキル部位がシクロアルキルであるビアリールジシクロアルキルホスフィンであることも好ましい。
このように、適度な嵩高さを有する構造の配位子を選択することにより、本発明に係る反応の選択性及び反応性が最適化される傾向がある。一方、嵩高さの小さい配位子を用いた場合は、反応選択性が低下する場合があるとともに、原料である4−ハロゲン化−3−メチルフェノールの水酸基を保護せずに反応させた際の反応性に劣る場合がある。また、極端に嵩高い構造の配位子を用いると、触媒とうまく錯体を形成できない場合や、錯体が反応点と相互作用することができずに反応性に劣る場合がある。
配位子としては、具体的には、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2′,6′−ジイソプロポキシビフェニル(以下、RuPhosと称する場合がある。)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,6′−ジメトキシビフェニル(以下、SPhosと称する場合がある。)、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2′,6′−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(以下、CPhosと称する場合がある。)、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2′,4′,6′−トリイソプロピルビフェニル(以下、XPhosと称する場合がある。)が挙げられる。配位子は一種であってもよく二種以上の混合物であってもよい。
中でも、配位子は、RuPhos、SPhosおよびCPhosから選ばれる一種または二種以上の混合物であることが好ましい。これらは、反応速度や選択率が良好だからである。
また、配位子は固体担体に固定化されていてもよい。配位子が固体担体に固定されていれば、反応後に配位子を容易に分離および回収することができ、再利用することもできるからである。固体担体としては、例えばシリカ、アルミナ、合成ゼオライト等が挙げられる。
配位子を固体担体に固定化する方法としては、例えば固体担体にリンカーで配位子を固定化する方法や、固体担体に配位子を直接固定化する方法が挙げられる。
配位子の使用量は、触媒に対して、100モル%〜300モル%の範囲内であることが好ましく、250モル%以下であることがより好ましい。配位子の量が少ないと反応速度が遅くなる場合があり、配位子の量が多いとコストが高くなるからである。
遷移金属触媒および配位子は溶媒中で混合する。この際、反応系外で触媒および配位子を予め混合してもよく、反応系内で触媒および配位子を混合してもよい。
(5)溶媒
溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されるものではなく、例えば非プロトン性極性溶媒を挙げることができる。非プロトン性極性溶媒としては、常温で液体のものであればよく、具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。中でも、溶媒はイソプロピル金属化合物を溶解可能であることが好ましい。特に、イソプロピル金属化合物を溶解可能なエーテル類が好ましい。溶媒は単独で用いてもよく混合して用いてもよい。
溶媒の使用量は、反応様式や、反応スケール等に応じて適宜調整される。
(6)反応
本発明において反応温度は特に限定されないが、例えば−10℃以上、溶媒の沸点以下の範囲内で設定することができる。反応温度の下限は、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上である。反応温度が低いと反応速度が遅くなる場合や、副反応が起きやすくなる場合がある。また、反応温度の上限は、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは60℃以下である。反応温度が高いと、異性体である4−n−プロピル−3−メチルフェノールが生成する等の副反応が起こりやすくなるからである。
触媒および溶媒の存在下における4−ハロゲン化−3−メチルフェノールとイソプロピル金属化合物との反応は発熱反応であるので、除熱が不十分で反応系の温度が上昇するような場合は、各成分の濃度や添加速度、添加タイミング等を制御したり、反応器の撹拌効率や冷却装置の付加等を行うことによって温度上昇を抑制することが好ましい。
反応時間は、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールおよびイソプロピル金属化合物の種類、触媒や配位子の種類、反応温度、各原料の添加方法、反応方式(バッチ式、連続式)等に応じて適宜選択される。
反応は、常圧下で行うことが好ましい。反応を常圧下で行えば、減圧や加圧のための圧力容器が不要であり、製造コストを削減できるからである。
なお、反応阻害や副反応の抑制、可燃性溶媒を使用することに対する安全上の観点等より、反応は不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、具体的には、窒素、アルゴン等が挙げられる。
反応を行う際には、前記した反応スキームの通りに反応が進行するものであれば、各原料の添加順序や添加タイミングに限定されるものではなく、任意に設定することができる。具体的には、4−ハロゲン化−3−メチルフェノール、イソプロピル金属化合物、触媒および配位子を溶媒中で適宜混合することにより反応が進行するが、触媒および配位子は予め溶媒中で混合しておくことが好ましい。なお、配位子が固体担体に固定されたものを用いる場合は、通常、予め固定化触媒を製造しておく。
各原料を混合する方法としては、全ての原料を同時に添加して混合してもよいが、各原料を逐次に添加することが好ましく、具体的には以下のような添加順序が挙げられる。なお、以下においては、何れの原料もそれぞれ溶媒に溶解(懸濁を含む)したものとして記載しているが、溶媒に溶解せずに対象物質をそのまま使用してもよい。また、各原料の添加は、当該原料の全量を一度に添加してもよいが、液滴等で経時的に添加してもよいし、複数回に分割して添加してもよい。
(A)4−ハロゲン化−3−メチルフェノールの溶液に、触媒および配位子の混合液および、イソプロピル金属化合物の溶液を添加する。
(B)イソプロピル金属化合物の溶液に、触媒および配位子の混合液および、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールの溶液を添加する。
(C)触媒および配位子の混合液に、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールの溶液および、イソプロピル金属化合物の溶液を添加する。
上記(A)の混合順序の場合、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールを溶媒に溶解した後、当該溶液に触媒、配位子およびイソプロピル金属化合物を同時に添加してもよく逐次添加してもよい。逐次添加の際の触媒、配位子およびイソプロピル金属化合物の添加順は特に限定されないが、触媒および配位子の混合液を添加した後にイソプロピル金属化合物を逐次添加することが好ましい。また、触媒、配位子およびイソプロピル金属化合物を予め混合したものを添加してもよい。
上記(B)の混合順序の場合、イソプロピル金属化合物を溶媒に溶解した後、当該溶液に触媒、配位子および4−ハロゲン化−3−メチルフェノールを同時に添加してもよく逐次添加してもよい。逐次添加の際の触媒、配位子および4−ハロゲン化−3−メチルフェノールの添加順は特に限定されない。また、触媒、配位子および4−ハロゲン化−3−メチルフェノールを予め混合したものを添加してもよい。
上記(C)の混合順序の場合、触媒および配位子を溶媒中で混合した後、当該混合液に4−ハロゲン化−3−メチルフェノールおよびイソプロピル金属化合物を同時に添加してもよく逐次添加してもよい。逐次添加の際の4−ハロゲン化−3−メチルフェノールおよびイソプロピル金属化合物の添加順は特に限定されないが、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールおよびイソプロピル金属化合物をこの順に逐次添加することが好ましい。また、4−ハロゲン化−3−メチルフェノールおよびイソプロピル金属化合物を予め混合したものを添加してもよい。
反応はバッチ式(回分式)であっても連続式であってもよい。バッチ式で反応を行う場合は、通常、撹拌翼を有する回分式反応器を用いて行われる。連続式で反応を行うために、固体担体に固定化されている触媒を用いる場合には、触媒を固定床とした流通式連続反応器で反応を行ってもよい。本発明の製造方法は、高い転化率で4−イソプロピル−3−メチルフェノールを生成することが可能であるため、触媒を固定床として反応装置に固定化しておけば、反応液から触媒や配位子を分離する工程を簡略化することが可能となる。このため、高い生産性及び純度で4−イソプロピル−3−メチルフェノールを得ることができる。
本発明での反応の転化率は限定されないが、通常70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、特に好ましくは98モル%以上、最も好ましくは99モル%以上である。本発明の製造方法は反応選択性が高いため、原料や触媒、製造条件等を最適化することにより、前記の通りの転化率で反応を行うことが出来る。
ここで転化率とは、原料の1つである4−ハロゲン化−3−メチルフェノールが4−イソプロピル−3−メチルフェノールへ転化する反応率を意味する。なお、後述する通り、本発明の製造方法によって4−イソプロピル−3−メチルフェノールとともに4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノールが副生される場合は、これら双方の合計量を転化率として扱うものとする。
4−イソプロピル−3−メチルフェノールは一般的な方法により単離、精製することができる。具体的には、溶媒置換による析出、再結晶、抽出等を適宜組み合わせて行うことができる。
本発明の製造方法は反応選択性が高いため、得られる4−イソプロピル−3−メチルフェノールは不純物が少なく、臭気や着色が少ないものが得られる。従って、従来の方法に較べて精製への負荷が格段に軽減される。
(7)4−イソプロピル−3−メチルフェノール
本発明の製造方法は反応選択性が高いため、原料や触媒、製造条件(精製を含む)等を最適化することにより、高純度の4−イソプロピル−3−メチルフェノールを得ることが出来る。本発明の製造方法により製造される4−イソプロピル−3−メチルフェノールの純度は限定されるものではないが、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、特に好ましくは98質量%以上、最も好ましくは99質量%以上である。なお、ここで4−イソプロピル−3−メチルフェノールの純度には、溶媒は含まれないものとする。
本発明の製造方法は反応選択性が高いため、実質的に異性体を含有しない4−イソプロピル−3−メチルフェノールを得ることが出来る。4−イソプロピル−3−メチルフェノールに含まれる異性体の含有割合は限定されるものではないが、4−イソプロピル−3−メチルフェノールの量を基準とした異性体の含有割合が、通常5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下、最も好ましくは検出限界以下である。なお、ここで異性体とは、o−チモール、m−チモール及びvic−チモールの合計量を意味する。
本発明の製造方法により製造される4−イソプロピル−3−メチルフェノールには、副生成物として4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノールが含有されている場合がある。換言すれば、4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノールが含有されている4−イソプロピル−3−メチルフェノール組成物(混合物)は、本発明の製造方法で得られたものであるものと推定することができる。
本発明の製造方法により製造される4−イソプロピル−3−メチルフェノール組成物(混合物)に含まれる4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノールの含有割合は限定されるものではないが、4−イソプロピル−3−メチルフェノールの量を基準とした4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノールの含有量が、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノールの含有量の下限は限定されないが、通常0.1質量%以上である。本発明の製造方法は反応選択性が高いため、実質的に異性体を含有しない、或いは極めて少ない4−イソプロピル−3−メチルフェノールを得ることが出来る。
なお、4−イソプロピル−3−メチルフェノールと4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノールとの生成比率は、各原料の添加順序や反応条件によって制御することができる。このため、4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノールの含有量を積極的に増加させることも可能であり、上記の上限値を超える範囲、具体的には100質量%以下、更には200質量%以下の範囲で4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノールを生成することもできる。
(8)用途
本発明の製造方法により製造される4−イソプロピル−3−メチルフェノールは、例えば抗菌剤、殺菌剤、防腐剤等として用いることができる。また、本発明の製造方法により製造される4−イソプロピル−3−メチルフェノールを含む組成物は、例えば医薬品、医薬部外品、化粧品等として利用することができる。
B.抗菌性組成物および殺菌性組成物
本発明の抗菌性組成物および殺菌性組成物は、上述の製造方法に従って製造された4−イソプロピル−3−メチルフェノールを含むことを特徴とするものである。4−イソプロピル−3−メチルフェノールは、抗菌剤や殺菌剤等として含有される。
抗菌性組成物および殺菌性組成物は、4−イソプロピル−3−メチルフェノールの他に、種々の成分を含有することができる。各種成分は、抗菌性組成物および殺菌性組成物の用途等に応じて適宜選択される。また、4−イソプロピル−3−メチルフェノールの含有割合も、抗菌性組成物および殺菌性組成物の用途等に応じて適宜選択される。
本発明の抗菌性組成物および殺菌性組成物の性状に制限は無く、例えば、水、アルコール、その他の有機溶剤或いはこれらの混合溶液中に4−イソプロピル−3−メチルフェノールが溶解または分散された液状物;熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム、熱硬化性樹脂等に4−イソプロピル−3−メチルフェノールが含有または被覆された樹脂組成物(固形物)等が挙げられる。また、液状や固体状のみならず、ペースト状、ワックス状、ゲル状、ガム状等であってもよい。
本発明の抗菌性組成物および殺菌性組成物は、例えば医薬品、医薬部外品、化粧品等として用いることができ、具体的には洗浄剤組成物、制汗剤組成物、抗真菌剤組成物、化粧料組成物等が挙げられる。更には、抗菌性を付与した日用品等にも用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例になんら限定されるものではない。
[実施例1]
フラスコに、酢酸パラジウム(Pd(OAc))11.2mg(0.05mmol)と、2−ジシクヘキシルホスフィノ−2′,6′−ジメトキシビフェニル(SPhos)41.1mg(0.1mmol)と、4−ブロモ−3−メチルフェノール1870mg(10mmol)とを仕込み、窒素置換した。
次いで、上記フラスコに、脱水、脱酸素されたTHF50mLを注入し、液温を20℃とした。次に、上記の混合液に、臭化イソプロピル亜鉛3768mg(20mmol)の0.5mol/L THF溶液を、系内の温度が20℃を維持するようにゆっくり滴下しながら撹拌した。全量を滴下した後、20℃を保持して昼夜撹拌を継続した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィー(検出器:FID)で分析した結果、生成物の組成は、4−イソプロピル−3−メチルフェノール:97.7質量%、4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノール:1.6質量%、m−クレゾール:0.7質量%、他の不純物は痕跡量であった(溶媒であるTHFを除く。以下同じ。)。また、4−ブロモ−3−メチルフェノールの転化率は99モル%であった。
なお、反応液を経時的に採取してガスクロマトグラフィーで分析した結果、臭化イソプロピル亜鉛のTHF溶液を全量滴下して3時間後には、反応液の組成は上記の組成でほぼ安定していた。
[実施例2]
2−ジシクヘキシルホスフィノ−2′,6′−ジメトキシビフェニル(SPhos)の代わりに、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2′,6′−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(CPhos)を用いたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。
得られた反応液をガスクロマトグラフィー(検出器:FID)で分析した結果、生成物の組成は、4−イソプロピル−3−メチルフェノール:96.6質量%、4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノール:2.4質量%、m−クレゾール:1.0質量%、他の不純物は痕跡量であった。また、4−ブロモ−3−メチルフェノールの転化率は99モル%であった。
なお、反応液を経時的に採取してガスクロマトグラフィーで分析した結果、臭化イソプロピル亜鉛のTHF溶液を全量滴下して3時間後には、反応液の組成は上記の組成でほぼ安定していた。
[実施例3]
酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)の使用量を45.0mg(0.2mmol)とし、2−ジシクヘキシルホスフィノ−2′,6′−ジメトキシビフェニル(SPhos)の代わりに、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2′,6′−ジイソプロポキシビフェニル(RuPhos)を188.7mg(0.4mmol)用いたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。
得られた反応液をガスクロマトグラフィー(検出器:FID)で分析した結果、生成物の組成は、4−イソプロピル−3−メチルフェノール:95.9質量%、4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノール:4.1質量%、m−クレゾールは検出されず、他の不純物も痕跡量であった。また、4−ブロモ−3−メチルフェノールの転化率は95.4モル%であった。
なお、反応液を経時的に採取してガスクロマトグラフィーで分析した結果、臭化イソプロピル亜鉛のTHF溶液を全量滴下して3時間後には、反応液の組成は上記の組成でほぼ安定していた。
[実施例4]
フラスコに、臭化イソプロピル亜鉛2826mg(15mmol)の0.5mol/L THF溶液を仕込み、窒素置換した後、液温を20℃とした。
次いで、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)11.2mg(0.05mmol)と、2−ジシクヘキシルホスフィノ−2′,6′−ジメトキシビフェニル(SPhos)41.1mg(0.1mmol)と、4−ブロモ−3−メチルフェノール1870mg(10mmol)を脱水、脱酸素されたTHF50mLで予め混合溶解した溶液を上記フラスコに、ゆっくり滴下しながら撹拌した。系内の温度を20℃に維持しながら全量を滴下し、20℃を保持して昼夜撹拌を継続した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィー(検出器:FID)で分析した結果、生成物の組成は、4−イソプロピル−3−メチルフェノール:98.0質量%、4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノール:2.0質量%、m−クレゾールは検出されず、他の不純物も痕跡量であった。また、4−ブロモ−3−メチルフェノール転化率は93モル%であった。
なお、反応液を経時的に採取してガスクロマトグラフィーで分析した結果、臭化イソプロピル亜鉛のTHF溶液を全量滴下して3時間後には、反応液の組成は上記の組成でほぼ安定していた。
[実施例5]
フラスコに、酢酸パラジウム(Pd(OAc))と2−ジシクヘキシルホスフィノ−2′,6′−ジメトキシビフェニル(SPhos)とをモル比1:2で含有する固定担体(シグマ・アルドリッチ社製、商品名:酢酸パラジウム ChemDose tablet)472.2mg(10錠、SPhosとして10mmol)と、4−ブロモ−3−メチルフェノール93.6mg(5mmol)とを仕込み、窒素置換した。
次いで、上記フラスコに、脱水、脱酸素されたTHF16mLを加え、液温を40℃とした。次に、上記の混合液に、臭化イソプロピル亜鉛のTHF溶液2.5mL(臭化イソプロピル亜鉛として12.5mmol)を1時間かけて滴下しながら撹拌した。全量を滴下した後、40℃を保持して1時間撹拌を継続した。得られた反応液からは、濾過によって固定担体を容易に除去することができた。
得られた反応液をガスクロマトグラフィー(検出器:FID)で分析した結果、生成物の組成は、4−イソプロピル−3−メチルフェノール:59.4質量%、4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノール:6.3質量%、m−クレゾール:4.6質量%、原料の4−ブロモ−3−メチルフェノール:29.7質量%であった。また、4−ブロモ−3−メチルフェノールの転化率は75モル%であった。
[まとめ]
実施例1〜5の結果を表1に示す。溶媒に溶解した触媒を用いて製造を行った実施例1〜4では、何れにおいても極めて高い転化率(反応選択性)で4−イソプロピル−3−メチルフェノールを生成することが確認された。
また、触媒を固定化して固定床反応装置とした実施例5においても、目的とする4−イソプロピル−3−メチルフェノールを高い転化率で生成することが可能であることが確認された。更に上記装置を流通式連続反応器とし、原料を連続的に供給するとともに、得られる4−イソプロピル−3−メチルフェノールを回収する方式とすることにより、高純度の4−イソプロピル−3−メチルフェノールを効率良く製造することができる。
なお、表1中の添加順序(A)および(B)は、以下の順序を示すものである。
(A)4−ハロゲン化−3−メチルフェノール、触媒、配位子を含む溶液に、イソプロピル金属化合物を含む溶液を添加。
(B)イソプロピル金属化合物を含む溶液に、4−ハロゲン化−3−メチルフェノール、触媒、配位子を含む溶液を添加。
また、表1中のBMP、i−PMPおよびn−PMPは、それぞれ、4−ブロモ−3−メチルフェノール、4−イソプロピル−3−メチルフェノールおよび4−ノルマルプロピル−3−メチルフェノールを示すものである。
Figure 0006684708
なお、上記一連の実施例においては、本発明における具体的な形態について示したが、これらの実施例は単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。当業者に明らかな様々な変形は、全て本発明の範囲内であることが企図されている。本出願は2014年6月27日出願の日本特許出願(特願2014−132880)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (6)

  1. 4−ハロゲン化−3−メチルフェノールとイソプロピル金属化合物とを、触媒、配位子および溶媒の存在下で反応させ
    前記イソプロピル金属化合物が臭化イソプロピル亜鉛であり、
    前記触媒がパラジウムを含み、
    前記配位子が、ビアリールジアルキルホスフィン骨格を有することを特徴とする4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法。
  2. 前記4−ハロゲン化−3−メチルフェノールが4−ブロモ−3−メチルフェノールである、請求項1に記載の4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法。
  3. 前記配位子が、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2′,6′−ジイソプロポキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2′,6′−ジメトキシビフェニル、および2−ジシクロへキシルホスフィノ−2′,6′−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニルから選ばれる一種又は二種以上の混合物である、請求項または請求項に記載の4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法。
  4. 前記溶媒が、前記イソプロピル金属化合物を溶解可能なエーテル類を含む溶媒である、請求項1から請求項までのいずれかに記載の4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法。
  5. 前記触媒および前記配位子を前記溶媒に混合し、当該混合液に前記4−ハロゲン化−3−メチルフェノールおよび前記イソプロピル金属化合物を添加することを特徴とする請求項から請求項までのいずれかに記載の4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法。
  6. 前記触媒および前記配位子の少なくともいずれかが固体担体に固定されていることを特徴とする請求項から請求項までのいずれかに記載の4−イソプロピル−3−メチルフェノールの製造方法。
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