JP6684471B2 - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
前記シート収容部に収容されたシートの上面に接触してシートを搬送するシート搬送手段と、前記シート搬送手段が搬送するシート搬送方向と直交するシート幅方向で、前記シート収容部に収容されたシートの外側に配置され、シートの前記シート幅方向の位置を規制するシート幅方向規制部材と、を備えるシート搬送装置において、前記シート幅方向に対し傾斜した回転軸の回りで回転可能であり、前記シート搬送手段によって搬送されるシートに、前記シート搬送方向に対して前記シート幅方向規制部材の方へ傾く方向に移動する移動力を作用させる斜行部材と、前記斜行部材を支持する斜行支持部材と、前記斜行部材及び前記斜行支持部材を前記シート幅方向規制部材の規制位置よりも外側の退避位置に移動可能とする斜行部材移動手段と、を備えることを特徴とするものである。
プリンタ100は、プリンタ本体1のほぼ中央に中間転写ベルト16が設けられている。中間転写ベルト16の上方には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色のトナーで作像を行う四つの作像ユニット2(Y,M,C,K)を並べて配置している。四つの作像ユニット2(Y,M,C,K)の構成とその動作は実質的に同一であるため、ここでは色を示す符号を省略して作像ユニットについて説明する。
また、中間転写ベルト16の下方には、二次転写ローラ15を備え、中間転写ベルト16を挟んで二次転写ローラ15と対向する二次転写対向ローラ16aを備え、二次転写ニップを形成する。
プリンタ本体1の下部には、第一から第三の三段の給紙トレイ5が装置本体に対して引き出し可能なシート搬送装置である給紙装置200を備え、それぞれの給紙トレイ5には、転写紙又は樹脂フィルムなどから成る用紙Pが収容される。
図2中の符号「19」で示す破線は、プリンタ100内を用紙Pが通過する搬送路を示す。
これによって用紙Pが整合された後、レジストローラ対18は、中間転写ベルト16上のトナー像と合致するタイミングで用紙Pを二次転写ニップに向けて送り出す。二次転写ニップでのトナー像転写後の中間転写ベルト16の表面に付着する転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング装置によって除去される。
両面印刷の場合は、第一面に画像が形成された用紙Pは分岐爪40により搬送経路を切り替えることで両面経路へと搬送される。分岐爪40により反転ローラ対41まで送り出された用紙Pは反転ローラ対41の正逆転により、両面ローラ対42へと搬送される。この際、用紙Pの搬送方向に対する表裏は第一面画像形成時と反転する。そして、中継ローラ対43、レジストローラ対18まで用紙Pが搬送された後は、上述したのと同様のプロセスで第二面にも画像形成を施した後、排紙トレイ4に排出される。
図2に示すように、給紙装置200は、三段の給紙トレイ5のそれぞれに対応する給紙コロ51、分離搬送ローラ52及びリバースローラ53を備える。
給紙コロ51によって送り出された用紙Pは、分離搬送ローラ52とリバースローラ53との当接位置である分離ニップに送り込まれる。分離搬送ローラ52は駆動モータから駆動が入力されることにより、図1中の反時計回り方向に回転駆動して用紙Pに対して搬送方向下流側に向かう搬送力を付与する。
分離搬送ローラ52には、リバースローラ53が当接している。リバースローラ53は図1中の反時計回り方向に回転駆動するように駆動モータから駆動が入力される。
詳しくは、分離ニップにおいては、分離搬送ローラ52の表面が給紙方向に移動する。一方、リバースローラ53の表面は、給紙方向とは逆方向に移動しようとするが、リバースローラ53の駆動伝達部にはトルクリミッタを備える。このため、リバースローラ53の表面が給紙方向に向かう力がトルクリミッタの上限のトルクよりも大きいと、リバースローラ53は給紙方向に表面移動するように図1中の時計回り方向に回転する。
分離搬送ローラ52とリバースローラ53との作用によって一枚に分離された用紙Pは、レジストローラ対18に向けて搬送される。
給紙トレイ5は、用紙Pの給紙方向に直交する幅方向の側端部の位置を規制する一対のサイドフェンスとして、給紙トレイ5の引き出し方向手前側の手前サイドフェンス101と、給紙トレイ5の引き出し方向奥側の奥サイドフェンス102とを備える。また、用紙Pの搬送方向の後端部の位置を規制するエンドフェンス103を備える。
給紙トレイ5では、固定底板107及び可動底板106の上に積載された用紙Pの位置を、手前サイドフェンス101及び奥サイドフェンス102と、エンドフェンス103とによって規制する。
給紙トレイ5は、ユーザーが取っ手104を装置手前側に引っ張ることによってプリンタ本体1より引き出される。引き出された状態の給紙トレイ5に積載された用紙Pは、上述した二つのサイドフェンスとエンドフェンス103とによって位置が規制される。しかし、引き出された給紙トレイ5を再びプリンタ本体1にセットする際のセット時の衝撃等で積載された用紙Pがずれようとしてサイドフェンスに荷重がかかり、衝撃の大きさによっては倒れが発生する場合がある。
図1に示すように、給紙装置200は、斜行ローラ109を備える。斜行ローラ109は、給紙コロ51によって図1中の矢印Aで示す用紙搬送方向に搬送される用紙Pに、用紙搬送方向に対して手前サイドフェンス101の方へ傾く方向(図1中の矢印B方向)に移動する力を作用させる斜行部材である。
図5は、図4に示す三つの斜行ユニット108のうちの一つの拡大斜視図である。
図26(a)は、用紙Pの束の最上の一枚が搬送される際の先行用紙P1と、二枚目の用紙Pである後行用紙P2との位置関係を示す説明図である。図26(b)は、後行用紙P2がリバースローラ53によって戻される状態の説明図であり、図26(c)は、リバースローラ53によって戻された後行用紙P2が給紙コロ51によって給紙される状態の説明図である。
(1)先行用紙P1が給紙コロ51によって搬送された際に、後行用紙P2も分離搬送ローラ52とリバースローラ53とによって形成される分離ニップに進入する。
(2)分離ニップでは、リバースローラ53の分離作用によって、後行用紙P2は図26(b)に示すように給紙方向上流側に戻される。このとき、フリクション55の加圧によって後行用紙P2は図26(b)中の矢印Cで示す方向に回転しながら移動する。
(3)その後、後行用紙P2が給紙コロ51によって搬送される際も、フリクション55の加圧により回転しながら後行用紙P2は移動する。
しかし、この給紙装置200では、先行用紙P1に連れて後行用紙P2が同時に分離ニップに入ると、後行用紙P2はリバースローラ53によって給紙方向上流側に戻され、戻された後行用紙P2の先端位置や傾きがばらつく場合がある。このばらつきによって、後行用紙P2の姿勢が安定せず、一度戻された後行用紙P2を搬送する際に、フリクション55の加圧による回転だけでは、後行用紙P2を所望の姿勢で給紙することが出来ない場合があった。
これに対して、図1等の示す本実施形態の給紙装置200では、斜行ローラ109は用紙Pの束の最上部の一枚にのみ接触し、斜め方向に向かう力を作用させるため、二枚目以降の用紙Pには斜め方向に向かう力を直接は作用させない。
しかし、リバースローラ53の作用によって後行用紙P2が先行用紙P1とは逆方向に移動する状態では、後行用紙P2は先行用紙P1と分離しているため、斜行ローラ109による斜めに移動する力は後行用紙P2には作用しない。このとき、後行用紙P2は、リバースローラ53に作用によって給紙方向とは逆方向に略平行に移動するため、後行用紙P2の分離ニップへの入り込み量にばらつきがあっても、後行用紙P2の幅方向の位置や回転量のばらつきは生じ難い。このため、本実施形態の給紙装置200では、分離ニップで戻された後行用紙P2の姿勢も安定させることができ、後行用紙Pを所望の姿勢で給紙することが可能となる。
図6に示す斜行ユニット108では、ホルダ110に対して受台回転軸121を嵌め合いによって取り付けることで、ホルダ110に対して受台120を回転可能に取り付けている。
図7中の一点鎖線「PH」は、積載できる最大枚数の用紙Pを給紙トレイ5に積載したときの用紙Pの束の最上面の位置を示している。また、図7中の一点鎖線「PL」は、少数枚の用紙Pを給紙トレイ5に積載したときの用紙Pの束の最上面の位置を示している。
第一斜行ローラ109a〜第三斜行ローラ109cについて、図7中の符号に(A)を付したものは用紙Pの最上面の位置が「PH」にあるときの個々の斜行ローラ109の位置を示している。また、図7中の符号に(B)を付したものは用紙Pの最上面の位置が「PL」にあるときの個々の斜行ローラ109の位置を示している。
第二ユニット上下軸125b及び第三ユニット上下軸125cは、手前サイドフェンス101に設けられている。
本実施形態の給紙トレイ5は、スキュー防止のために斜行ユニット108を追加している。この斜行ユニット108の位置が固定であると、あるサイズの用紙Pの束をセットした後、同じサイズの用紙Pの束を、サイドフェンスを動かさずにセットしようとすると次のような問題が生じる。すなわち、用紙Pの束を斜行ユニット108の下に潜らせるように取り回す等、斜行ユニット108を避けて用紙Pの束をセットすることになり、用紙Pの束のセット性が悪くなるという問題が生じる。
図9中の第一斜行ユニット108aについて、符号に(A)を付したものが用紙Pの上面に対向する位置にある状態を示しており、符号に(B)を付したものが退避部111に退避した状態を示している。
第二斜行ユニット108b及び第三斜行ユニット108cは、第二ユニット上下軸125b及び第三ユニット上下軸125cを中心に回動することで、用紙Pの上面に対向する位置と、退避部111に退避する位置との間を移動することができる。
本実施形態では、斜行ユニット108が退避部111に退避した状態では、斜行ユニット108の全体が手前規制面101sよりも幅方向外側に退避している。斜行ユニット108が退避した状態としては、斜行ユニット108の少なくとも一部が手前規制面101sよりも幅方向外側に退避することで、斜行ローラ109を備えることに起因して用紙Pのセット性が損なわれることを抑制できる。
斜行ローラ109を備える構成では、給紙トレイ5の上方から用紙Pをセットする際に、斜行ローラ109を備えた斜行ユニット108が邪魔になり、用紙Pがセットし難いという問題がある。
退避方向が給紙時に作用する力の向きとは逆方向となっていることで、給紙時に第一斜行ユニット108aが退避部111に移動するように回転することを防止できる。さらに、ホルダ110の搬送方向下流側の縁部が手前サイドフェンス101の退避部111を形成する縁部に突き当たることで、給紙時に第一斜行ローラ109aに作用する力によって第一斜行ユニット108aが搬送方向下流側に回転することを防止できる。
ロック機構130は、手前サイドフェンス101の上面を形成する板材よりも下方に位置するため、上方から視認することはできないが図11では便宜的にロック機構130を実線で示している。
第一斜行ユニット108aを退避部111に移動させるために、第一ユニット回動軸118を中心に第一斜行ユニット108aを図11中の反時計回り方向に回転させると、第一斜行ユニット108aのホルダ110がロック部材131のテーパー面に突き当たる。さらに、第一斜行ユニット108aを回転させると、ロック部材131が図11中の矢印I方向にスライドし、第一斜行ユニット108aが退避部111に移動する。退避が完了すると、ロック付勢バネ132の付勢力によってロック部材131の位置が戻り、ホルダ110のロック突き当て面110rに突き当たることで、第一斜行ユニット108aを退避部111に固定することが可能となる。
図12に示すように手前サイドフェンス101の上面を形成する板材には、ロックを解除するときには、長穴134が設けられており、ロック解除レバー133を長穴134に沿って図12中の矢印I方向に手動でスライドさせる。これにより、ホルダ110のロック突き当て面110rに突き当たる位置からロック部材131を移動させることができ、第一斜行ユニット108aが用紙Pの上面に対向する図10(a)及び図11(b)で示す状態に戻すことができる。
同様のロック機構は、第二ユニット上下軸125b及び第三ユニット上下軸125cを中心に回動可能な第二斜行ユニット108b及び第三斜行ユニット108cを退避部111で固定するロック機構にも用いることができる。
図10等では、支点軸である第一ユニット回動軸118を中心に第一斜行ユニット108aを回動させる構成について説明した。第一斜行ユニット108aを退避させる構成としては、図13に示すように、第一斜行ユニット108aをスライド軸136に沿ってスライドさせて退避する構成としてもよい。
この構成では、第一斜行ユニット108aを退避させたままにすることで、薄紙など斜行させてサイドフェンス(基準面)に突き当てることによって用紙の座屈が生じるおそれのある用紙Pの搬送時に第一斜行ローラ109aを用いない給紙を行うことができる。これにより、第一斜行ローラ109a等の斜行ローラ109によって斜行させると座屈が生じるおそれのある用紙Pを給紙する際には斜行ローラ109を用いずに、給紙を行うことが可能となる。これにより、用紙Pの座屈に起因するシワなどの搬送不良を発生させずに給紙することができ、用紙対応性の向上を図ることができる。
これらの各因子を可変にすることによる用紙寄せへの影響を、以下で説明する。
対応用紙サイズ、対応用紙紙厚によって、斜行ローラ109による寄せ搬送力を可変させることができる。
斜行ローラ109による寄せ搬送力を可変とすることのメリットを図14に示す構成で説明する。図14は、上述した実施形態の給紙装置200が備える給紙トレイ5に対して斜行ユニット108の数を増やした給紙トレイ5の斜視説明図である。図14に示す給紙トレイ5では、五つの斜行ユニット108を上下方向に移動可能に支持する手前サイドフェンス101を給紙トレイ5の固定底板107にネジ固定している。それぞれの斜行ユニット108は、可変とする因子を異ならせる点以外は同様の構成を備えている。
用紙寄せ搬送力を大きくする方法としては、個々の斜行ローラ109の搬送力を大きくする方法の他に、斜行ローラ109同士の間で搬送力に差をつけることも、用紙Pに対して回転モーメントを与えることができ、効果的である。
斜行ローラ109のローラ幅が狭い方が、用紙Pに対する抵抗を少なくすることができるため、寄せ機能のばらつきを低減することができる。
斜行ローラ109を複数配置することにより、寄せ搬送力の総和を大きくすることが出来、厚紙や大サイズへの対応力を向上させることができる。また、斜行ローラ109を複数配置することにより、寄せ搬送力を分散させ、斜行ローラ109の一つ当たりの寄せ搬送力を小さくすることができ、薄紙搬送時のシワなどの不具合を回避することができる。
さらに、斜行ローラ109を複数配置する構成では、タンデムトレイのような底板水平上昇型や、ユニバーサルトレイの回転支点による上昇型というように、多様な底板上昇方式にも対応し易い。
図14に示す給紙トレイ5を用いて給紙を行った実験例について説明する。図15は、実験例で用いた給紙トレイ5の概略上面図である。
実験条件を以下に示す。
寄せ角度「α」:25[°]
斜行ローラの幅:5[mm]
斜行ローラの材質:エチレンプロピレンゴム
斜行ローラの搬送力
第一斜行ローラ109a〜第三斜行ローラ109c:0.1[N]
第四斜行ローラ109d及び第五斜行ローラ109e:0.18[N]
用紙:79[g/m2]、A3
サイドフェンスとの隙間「W」:3.0[mm]
例えば、斜行ローラ109の重量を給紙方向の下流側は軽く、給紙方向上流側は重く設定する。これにより、下流側よりも上流側の方が搬送力が大きくなるように、斜行ローラ109同士の搬送力を異ならせることができる。これにより、寄せ方向に移動距離が大きくなる給紙方向上流側の斜行ローラ109の搬送力を大きくすることが可能となる。
また、用紙Pが大きいほど重くなり、その分、寄せ搬送力も大きくする必要がある。搬送方向上流側の斜行ローラ109(図14及び図15中の109d及び109e)の搬送力を大きくすることで、この斜行ローラ109の位置まで届くような大サイズの用紙Pに対しては大きな寄せ搬送力を作用させることができる。一方、搬送方向上流側の搬送力を大きくした斜行ローラ109の位置には届かない小サイズの用紙Pに対しては作用する寄せ搬送力を小さくして過剰な寄せ搬送力が作用することを抑制できる。
次に、給紙装置200の一つ目の変形例(以下、「変形例1」と呼ぶ)について説明する。
図16は、変形例1の給紙装置200における第一斜行ユニット108aが、用紙Pの上面に対向する位置にある状態と、退避した状態とを示す第一斜行ユニット108a近傍の拡大斜視図である。
図16中の第一斜行ユニット108aについて、用紙Pの上面に対向する位置にある状態を実線で示しており、退避した状態を破線で示している。
図17(b)に示すセット途中の状態では、図16及図17中の矢印Eで示す鉛直方向下向きの用紙セット方向にセットされる用紙Pの束の自重によって第一斜行ユニット108aが下方に押され、図16及び図17中の矢印F方向に回転する。この回転により、第一斜行ユニット108aは図17(b)や図16中の破線で示すように、用紙Pのセットの邪魔にならない位置まで退避する。
変形例1の構成では、第一斜行ユニット108aの位置を初期位置で維持するように付勢するトーションスプリング114の付勢力は、少数枚の用紙Pの束をセットする際においても退避できる程度の弱い付勢力である。このため、トーションスプリング114の付勢力は、用紙Pの束の最上紙の表面に対する斜行ローラ109の接触圧を左右するものではない。
変形例1では、給紙時には用紙Pの束の最上紙の上面に第一斜行ローラ109aが接する位置にある第一斜行ユニット108aが、用紙Pのセット時にはセット動作を妨げない位置に用紙Pの束に押されることで退避する。これにより、用紙Pのセット性を損なうことなく、斜行ローラ109によってスキューを補正する構成を実現できる。
次に、給紙装置200の二つ目の変形例(以下、「変形例2」と呼ぶ)について説明する。
図18は、変形例2の給紙装置200が備える給紙トレイ5の手前サイドフェンス101に設けた斜行ユニット揺動機構300の説明図である。図18(a)は、プリンタ本体1に対して給紙トレイ5を引き出した状態を示す説明図であり、図18(b)は、プリンタ本体1に対して給紙トレイ5をセットした状態を示す説明図である。
図18では、給紙トレイ5が備える部材のうち、斜行ユニット108と、手前サイドフェンス101と、斜行ユニット揺動機構300を構成する各部材とを示している。
変形例2の給紙装置200は、プリンタ本体1に固定された本体側固定ラック150と、給紙トレイ5に配置された第一トレイピニオン301及び第二トレイピニオン302と、給紙トレイ5に配置されたトレイ内可動ラック303とを備える。
第一トレイピニオン301及び第二トレイピニオン302は、給紙トレイ5に対して回動可能であるが、給紙トレイ5における位置は固定となっている。トレイ内可動ラック303は、第二トレイピニオン302に連結し、給紙トレイ5において図18中の左右方向にスライド可能に設けられている。
次に、給紙装置200の三つ目の変形例(以下、「変形例3」と呼ぶ)について説明する。
図19は、変形例3の給紙装置200を備えるプリンタ100の模式図である。図19(a)は、プリンタ本体1に対して給紙トレイ5をセットした状態を示す説明図であり、図19(b)は、プリンタ本体1に対して給紙トレイ5を引き出した状態を示す説明図である。
図20は、図19に示す給紙トレイ5の手前サイドフェンス101近傍の拡大説明図であり、図20(a)は図19(a)に示す状態の拡大説明図であり、図20(b)は図19(b)に示す状態の拡大説明図である。
変形例3の斜行ユニット揺動機構300は、斜行ユニット108を回転可能に支持するホルダ回動軸306、本体側マグネット151及び斜行ユニット側マグネット311等を備える。
次に、給紙装置200の四つ目の変形例(以下、「変形例4」と呼ぶ)について説明する。
上述した実施形態の給紙装置200は、用紙Pの姿勢を安定させる斜行ローラ109を手前サイドフェンス101に取り付ける構成となっている。また、用紙Pのセット性を維持するために斜行ローラ109の退避部111を手前サイドフェンス101に設け、用紙Pをセットする際には斜行ローラ109を手前サイドフェンス101に取り入れる構成となっている。このような構成では、手前サイドフェンス101のサイズが大きくなる、という問題が生じる。
用紙Pは、給紙コロ51によって分離搬送ローラ52とリバースローラ53との当接部である分離ニップに給紙される。このとき、可動底板106及び固定底板107に積載された用紙Pの束の最上紙(給紙コロ51によって給紙される用紙)と圧接した斜行ローラ109は、用紙Pの給紙動作に従動して回転する。用紙Pは、斜行ローラ109の回転によって手前サイドフェンス101に沿わせる成分を持った状態で常に給紙搬送されるため、用紙Pの幅方向の位置はサイドフェンス101に沿う状態で常に安定する。
斜行ローラ109を回転可能に支持するホルダ110は、斜行ローラ支持アーム115によって支持されており、斜行ローラ109が用紙Pに接触する位置に対して、給紙方向下流側の給紙ユニット116に取り付けられている。
変形例4では、斜行ローラ支持アーム115が図22中の矢印S1、S2で示す方向に揺動することで、斜行ローラ109を用紙Pの上面に接触し得る位置と、給紙トレイ5の引き出し動作を阻害しない位置と、に移動させる。
斜行ローラ移動機構400は、モータ401が駆動し、駆動伝達手段であるカップリング402を介して支持アーム回転軸403を回転させて、斜行ローラ支持アーム115を図22中の矢印S1方向に回転させる。これにより、斜行ローラ109を給紙トレイ5の引き出し動作を阻害しない位置に移動させることができる。
給紙時以外は、斜行ローラ支持アーム115を図22中の矢印S1方向に回転し、斜行ローラ109を退避させる構成となっている。斜行ローラ支持アーム115を図22中の矢印S1方向に回転し、斜行ローラ109を退避させることによって、用紙Pの補給や再セットのために給紙トレイ5を引き出すときに、斜行ローラ109と給紙トレイ5とが干渉しない状態となる。また、給紙トレイ5をプリンタ本体1に戻すときにも、斜行ローラ109と給紙トレイ5とが干渉しない状態となる。
図21〜図24を用いて説明した構成のように、斜行ローラ109の上下動が給紙コロ51の上下動に連動しない構成の場合は、給紙コロ51が用紙Pに接触していないタイミングでも斜行ローラ109を用紙Pに接触させるように制御しても良い。
これに対して、給紙コロ51が用紙Pに接触していないタイミングでも斜行ローラ109を用紙Pに接触させると、分離搬送ローラ52によって搬送力を付与されている用紙Pにも手前サイドフェンス101に向けて斜行させる力を作用させることが可能となる。
用紙P等のシートを収容する給紙トレイ5等のシート収容部と、シート収容部に収容されたシートの上面に接触してシートを搬送する給紙コロ51等のシート搬送手段と、シート搬送手段が搬送する給紙方向等のシート搬送方向と直交する幅方向等のシート幅方向で、シート収容部に収容されたシートの外側に配置され、シートのシート幅方向の位置を規制する手前サイドフェンス101等のシート幅方向規制部材と、を備える給紙装置200等のシート搬送装置において、シート搬送手段によって搬送されるシートに、シート搬送方向に対してシート幅方向規制部材の方へ傾く方向に移動する移動力を作用させる斜行ローラ109等の斜行部材を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、搬送時にシートをシート幅方向規制部材の方へ移動させるので、このシート幅方向規制部材にシートを沿わせて搬送することができる。これにより、シート幅方向規制部材をシートのシート幅方向の基準としてシートの搬送が行われるため、シート収容部から搬送されるシートのスキューを抑制することができる。
態様Aにおいて、給紙トレイ5等のシート収容部に収容された用紙P等のシートの下面を支持し、水平面に対する角度が可変の可動底板106等の可動底板部材と、斜行ローラ109等の斜行部材を保持する受台120等の斜行保持部材と、可動底板部材の動作に追従して斜行保持部材の水平面に対する角度を変動させる受台回転軸121等の角度追従手段と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、可動底板部材の角度の変動を問わず、シートに対する斜行部材の片当たりを防止し、斜行部材によってシートを手前サイドフェンス101等のシート幅方向規制部材に寄せる作用が安定する。よって、シートの幅方向等のシート幅方向の位置をシート幅方向規制部材に沿う状態で安定させることが可能となる。
態様AまたはBにおいて、第二斜行ローラ109b及び第三斜行ローラ109c等の斜行部材の上下方向の位置を、給紙トレイ5等のシート収容部に収容された用紙P等のシートの最上面の高さ方向の位置に追従させる第二ユニット上下軸125b及び第三ユニット上下軸125c等の上下位置追従手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、シートの最上面の高さ方向の位置が変動しても、斜行部材によるシートに対する斜行成分を一定に付与することが可能となる。
態様A乃至Cの何れかの態様において、斜行ローラ109等の斜行部材を支持するホルダ110等の斜行支持部材と、斜行部材及び斜行支持部材を手前サイドフェンス101等のシート幅方向規制部材の手前規制面101s等の規制位置よりも外側の退避部111等の退避位置に移動可能とする第一ユニット回動軸118、第二ユニット上下軸125b及び第三ユニット上下軸125c等の斜行部材移動手段と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、用紙P等のシートを給紙トレイ5等のシート収容部にセットするときには、斜行部材及び斜行支持部材を退避位置に移動させることにより、斜行部材を備える構成でシートのセット性を維持することが出来る。よって、シートのセット性を損なうことなく、スキューを補正することが出来る構成を実現できる。
態様Dにおいて、斜行ローラ109等の斜行部材及びホルダ110等の斜行支持部材を退避部111等の退避位置に固定するロック機構130等の退避位置固定手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、給紙トレイ5等のシート収容部に用紙P等のシートをセットする際に、斜行部材がシート上面に対向する位置に誤って戻ることを防止できる。これにより、シートの重量によって斜行部材が破損することを防止できる。さらに、シートとして薄紙等の剛性の低いものを搬送する際に、斜行部材及び斜行支持部材を退避させたままでシートの搬送を行うことで、剛性の低いシートが斜行部材によって手前規制面101s等の規制位置に突き当てられることを防止できる。これにより、剛性の低いシートが規制位置に突き当てられることによって座屈し、シワの発生等の搬送不良が発生することを抑制しつつシートの搬送を行うことができ、多種のシートに対する対応性が向上する。
態様DまたはEにおいて、退避部111等の退避位置に移動した斜行ローラ109等の斜行部材及びホルダ110等の斜行支持部材が手前規制面101s等の規制位置の内側に向かうように斜行支持部材を付勢するロック解除付勢部材及びトーションスプリング114等の付勢手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、斜行部材及び斜行支持部材を容易に用紙P等のシートの上面に対向する位置に移動させることができる。
態様D乃至Fの何れかの態様において、斜行ユニット揺動機構300等の斜行部材移動手段は、給紙トレイ5等のシート収容部の引っ張り動作及び挿入動作等の開閉動作に連動して、斜行ローラ109等の斜行部材が用紙P等のシートの移動力を作用させ得る位置と、退避部111等の退避位置との間で斜行部材を移動させる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、用紙積載時等のシート収容部の開放時にユーザー等の作業者が斜行部材を退避させるための操作を行う必要が無くなり、作業者の操作負担を減らすことができる。さらに、シートを斜行部材の上に誤って積載することに起因して、斜行部材を破損することを防止できる。
態様A乃至Gの何れかの態様において、斜行ローラ109等の斜行部材の寄せ搬送力等の移動力を変更可能に構成する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、様々な種類の用紙P等のシートに対する対応力を向上することができる。
態様A乃至Hの何れかの態様において、斜行ローラ109等の斜行部材を複数備え、斜行部材同士で寄せ搬送力等の移動力の大きさが異なる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、大サイズの用紙P等のシートに対しては大きな移動力を作用させることができ、小サイズのシートに対しては過剰な移動力が作用することを抑制することができる。このため、種類の異なるシートに対する対応力を向上することができる。
態様A乃至Iの何れかの態様において、斜行ローラ109等の斜行部材を手前サイドフェンス101等のシート幅方向規制部材に設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、用紙P等のシートのサイズが異なっていても常に同じ位置で、寄せ搬送力等の移動力を付与することが可能となる。
態様A乃至Jの何れかの態様において、給紙トレイ5等のシート収容部はプリンタ本体1等の装置本体に対して移動可能で、斜行ローラ109等の斜行部材をシート収容部と共に移動しない装置本体の側に設ける。
これによれば、上記変形例2について説明したように、シート収容部に用紙P等のシートをセットするときに、斜行部材がシートセットの邪魔とならない構成とすることができる。
態様A乃至Kの何れかの態様において、給紙コロ51等のシート搬送手段が用紙P等のシートを搬送する搬送位置に対して給紙方向等のシート搬送方向下流側に、シート収容部から複数枚のシートが搬送されてきたときに、最上の一枚をシート搬送方向の下流側に向けて搬送し、他のシートをシート搬送方向の上流側に戻すことで、複数枚のシートから一枚のシートを分離してシート搬送方向下流側に搬送する分離搬送ローラ52及びリバースローラ53等のシート分離手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、より確実に重送を防止できる構成で、シート分離手段によって戻された後行用紙P2等のシートの姿勢を安定させることが可能となる。
用紙P等のシートに画像を形成する作像ユニット2、中間転写ベルト16及び二次転写ローラ15等の画像形成手段と、画像形成手段へ向けてシートを給送する給送手段とを備えたプリンタ100等の画像形成装置において、給送手段として、態様A乃至Lに係る給紙装置200等のシート搬送装置を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、スキュー画像の発生を抑制できる。
2 作像ユニット
5 給紙トレイ
15 二次転写ローラ
16 中間転写ベルト
51 給紙コロ
52 分離搬送ローラ
53 リバースローラ
100 プリンタ
101 手前サイドフェンス
101s 手前規制面
102 奥サイドフェンス
103 エンドフェンス
106 可動底板
107 固定底板
108 斜行ユニット
109 斜行ローラ
109a 第一斜行ローラ
109b 第二斜行ローラ
109c 第三斜行ローラ
110 ホルダ
111 退避部
118 第一ユニット回動軸
120 受台
121 受台回転軸
125 ユニット上下軸
125b 第二ユニット上下軸
125c 第三ユニット上下軸
130 ロック機構
200 給紙装置
300 斜行ユニット揺動機構
P 用紙
P1 先行用紙
P2 後行用紙
Claims (12)
- シートを収容するシート収容部と、
前記シート収容部に収容されたシートの上面に接触してシートを搬送するシート搬送手段と、
前記シート搬送手段が搬送するシート搬送方向と直交するシート幅方向で、前記シート収容部に収容されたシートの外側に配置され、シートの前記シート幅方向の位置を規制するシート幅方向規制部材と、を備えるシート搬送装置において、
前記シート幅方向に対し傾斜した回転軸の回りで回転可能であり、前記シート搬送手段によって搬送されるシートに、前記シート搬送方向に対して前記シート幅方向規制部材の方へ傾く方向に移動する移動力を作用させる斜行部材と、
前記斜行部材を支持する斜行支持部材と、
前記斜行部材及び前記斜行支持部材を前記シート幅方向規制部材の規制位置よりも外側の退避位置に移動可能とする斜行部材移動手段と、を備えることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1のシート搬送装置において、
前記シート収容部に収容されたシートの下面を支持し、水平面に対する角度が可変の可動底板部材と、
前記斜行支持部材に支持され、前記斜行部材を回転可能に保持する斜行保持部材と、
前記可動底板部材の動作に追従して前記斜行保持部材の水平面に対する角度を変動させる角度追従手段と、を備えることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1または2のシート搬送装置において、
前記斜行部材の上下方向の位置を、前記シート収容部に収容されたシートの最上面の高さ方向の位置に追従させる上下位置追従手段を備えることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至3の何れかに記載のシート搬送装置において、
上記前記斜行部材及び前記斜行支持部材を上記退避位置に固定する退避位置固定手段を備えることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至4の何れかに記載のシート搬送装置において、
前記退避位置に移動した前記斜行部材及び前記斜行支持部材が前記規制位置の内側に向かうように前記斜行支持部材を付勢する付勢手段を備えることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至5の何れかに記載のシート搬送装置において、
前記斜行部材移動手段は、前記シート収容部の開閉動作に連動して、前記斜行部材がシートの移動力を作用させ得る位置と、前記退避位置との間で前記斜行部材を移動させることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至6の何れかに記載のシート搬送装置において、
前記斜行部材の前記移動力を変更可能に構成したことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至7の何れかに記載のシート搬送装置において、
前記斜行部材を複数備え、前記斜行部材同士で前記移動力の大きさが異なることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至8の何れかに記載のシート搬送装置において、
前記斜行部材を前記シート幅方向規制部材に設けることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至8の何れかに記載のシート搬送装置において、
前記シート収容部は装置本体に対して移動可能で、
前記斜行部材を前記シート収容部と共に移動しない前記装置本体の側に設けることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至10の何れかに記載のシート搬送装置において、
前記シート搬送手段がシートを搬送する搬送位置に対して前記シート搬送方向下流側に、前記シート収容部から複数枚のシートが搬送されてきたときに、最上の一枚を前記シート搬送方向の下流側に向けて搬送し、他のシートを前記シート搬送方向の上流側に戻すことで、複数枚のシートから一枚のシートを分離して前記シート搬送方向下流側に搬送するシート分離手段を備えることを特徴とするシート搬送装置。 - シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段へ向けてシートを給送する給送手段とを備えた画像形成装置において、
前記給送手段として、請求項1乃至11の何れかに記載のシート搬送装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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