JP6684202B2 - タンク解体方法 - Google Patents

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本発明は、タンク解体方法に関する。
特許文献1には、タンク側板を解体するタンク解体工法が記載されている。このタンク解体工法では、タンク側板の下端部分における複数箇所を門型に切断して撤去することでタンク側板に切欠部を形成し、その切欠部にジャッキを配置してタンク屋根及びタンク側板を支え得るようにジャッキアップして初期状態を準備する。その状態でタンク側板の残存部を切欠部の上端より高い位置まで切断して撤去することにより、ジャッキにより支えられている部分を新たな残存部とし、ジャッキダウンした上で新たな残存部の間に別のジャッキを配置する。新たな残存部の間に配置した別のジャッキをタンク屋根及びタンク側板を支え得るようにジャッキアップし、これ以降は初期状態からの作業手順を繰り返してタンク側板を解体する。
特開平9−324544号公報
上記のようなタンク解体工法では、初期状態において切欠部にジャッキを配置すると共に、当該ジャッキにより支えられている部分を新たな残存部としたときには新たな残存部の間にもジャッキを配置する。そのため、多数のジャッキを用いることとなり、作業に用いる装置全体が大掛かりである。また、初期状態では、多数のジャッキのうちの一部によってタンク屋根及びタンク側板を支えており、初期状態でジャッキに支えられている部分を新たな残存部としたときには、多数のジャッキのうちの残部によってタンク屋根及びタンク側板を支えている。そのため、タンク屋根及びタンク側板の荷重を安定して支持するためには、一部のジャッキのみで当該荷重を支持し得るように、各ジャッキが十分な能力を備えていることが求められる。したがって、装置全体が一層大掛かりとなる。
そこで、本発明は、大掛かりな装置を用いることなくタンクを解体することが可能なタンク解体方法を提供することを目的とする。
本発明に係るタンク解体方法は、底板と底板から上方に延在する側壁とを備えるタンクを解体するタンク解体方法であって、側壁の下端部には、周方向に交互に配置される第1領域と第2領域とが設定され、第1領域と基礎部との間には、側壁が降下したときに、第1領域を側壁における壁面の面外方向に案内して湾曲させ変形させる案内面を有する変形ガイド部が設置され、第1領域と第2領域との境界線に沿って側壁に切込みを形成する切込み形成工程と、下端部における第2領域を除去する下端部除去工程と、基礎部と側壁とが切り離された状態において、側壁を降下させる降下工程と、を備え、降下工程では、降下する側壁の第1領域が変形ガイド部の案内面に案内されて変形する。
本発明に係るタンク解体方法によれば、第1領域と基礎部との間には変形ガイド部が設置されている。この変形ガイド部は、側壁が降下したときに、第1領域を側壁における壁面の面外方向に案内して変形させる案内面を有している。第1領域と第2領域との境界線に沿って側壁に切込みが形成され、第2領域の下端部が除去され側壁が降下すると、第1領域は面外方向に案内されて変形し、第2領域は基礎部に向けて降下する。このとき、側壁は、第1領域の変形に起因する抵抗力を受けながら降下する。これにより、例えばジャッキによって側壁の荷重を支持した状態で側壁を降下させる場合と比較して簡易な構成でタンクの解体作業を行うことができ、大掛かりな装置を用いることなくタンクを解体することが可能となる。
本発明に係るタンク解体方法は、下端部除去工程は、降下する側壁の第2領域が基礎部に接触した状態で実行されてもよい。この場合、側壁の第2領域が基礎部に接触して側壁が基礎部に支持された状態で、側壁の第2領域を除去することができる。
本発明に係るタンク解体方法は、下端部における第1領域を除去して変形ガイド部を設置するための切欠きを形成する切欠き形成工程を更に備えていてもよい。この場合、切欠きによって変形ガイド部を設置する場所を確保できると共に、下端部除去工程では側壁の下端部のうち切欠き以外の部分である第2領域を除去するため、除去作業を簡易に行うことができる。したがって、一層簡易な構成によってタンクの解体作業を行うことができる。
本発明に係るタンク解体方法は、変形ガイド部が設置された状態において、切込みを延長して形成する切込み形成工程と、降下工程とが繰り返し実行されてもよい。降下工程においては、切込み形成工程において形成した切込みの量に応じて側壁が降下する。そのため、切込みを延長して形成することにより、下端部が除去される範囲に対して段階的に側壁を降下させることができる。したがって、下端部が除去される範囲に一度に切込みを形成する場合と比較して、側壁をゆっくり降下させることができる。
本発明によれば、大掛かりな装置を用いることなくタンクを解体することが可能なタンク解体方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るタンク解体方法が適用されるタンクを示す側面図である。 図2は、本実施形態に係る各工程を示す図である。 図3は、本実施形態に係る各工程を示す図である。 図4は、本実施形態に係る各工程を示す図である。 図5は、本実施形態に係る各工程を示す図である。 図6は、本実施形態に係る各工程を示す図である。 図7は、本実施形態に係る各工程を示す図である。 図8は、図3に示す領域VIIIを拡大した断面図である。 図9は、図8に示すIX-IX線に沿った断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るタンク解体方法が適用されるタンクを示す部分断面側面図である。タンク1は、例えば、LNG(液化天然ガス:Liquefied Natural Gas)を貯蔵する地上式のLNGタンクである。タンク1は、例えば、容量2.5万KL〜14.0万KL、内径36.0m〜79.4m、液深24.3m〜30.3mの構造を有する大型タンクである。ただし、タンクは地上式のLNGタンクに限定されない。本実施形態に係るタンク解体方法は、例えば、石油、LPG(液化石油ガス:Liquefied petroleum Gas)等を貯蔵するタンクを解体する場合にも適用することができる。
図1に示されるように、タンク1は、コンクリート製の基礎スラブ2上に設けられている。タンク1は、基礎スラブ2を介して、地盤G及び地盤Gに先端が埋設された複数の杭3に支持されている。タンク1は、底板4と、側壁5と、屋根6と、を備えている。
底板4及び側壁5は、LNGを貯蔵するための貯蔵空間Sを形成している。底板4及び側壁5は、例えば鋼板によって構成されている。底板4は、基礎スラブ2の上面に沿うように設けられている。底板4は、平面視円形状に形成されている。側壁5は、鉛直な筒軸をもつ円筒形状を呈し、底板4から上方に延在している。側壁5の下端部5aは、例えば、溶接等により底板4に接合されている。側壁5の上端部5bには、上方に開口する開口部が形成されている。側壁5の上端部5bの開口部は、貯蔵空間Sを覆うドーム状の屋根6によって塞がれている。
上記の構造を備えるタンク1を解体するタンク解体方法について説明する。以下の説明において、単に「径方向」、「周方向」等と言うときは、円筒形状の側壁5の径方向、周方向を意味するものとする。図2〜図7は、第1実施形態に係る各工程を示す側面図である。本実施形態に係るタンク解体方法は、分断工程と、ガイド部設置工程と、切欠き形成工程と、切込み形成工程と、下端部除去工程と、降下工程と、を備える。
本実施形態に係るタンク解体方法では、側壁5の下端部5aには、周方向に交互に配置される第1領域R1と第2領域R2とが設定される。第1領域R1及び第2領域R2は、周方向の全周に亘って設定される。一例として、第1領域R1の周方向における長さは、2mであり、第2領域R2の周方向における長さは8mである。
<分断工程>
まず、図2に示されるように、側壁5を底板4から切り離す。具体的には、底板4に接合されている側壁5の下端部5aの接合箇所を、例えば、ガス切断により切断する。側壁5は、下端部5aの全周に亘って底板4から切り離される。以下、側壁5と分断された、地盤G、基礎スラブ2、杭3、及び底板4を含む部分を基礎部7と言う。
<切欠き形成工程>
続いて、側壁5に変形ガイド部を設置するための切欠き51を形成する。具体的には、側壁5の下端部5aにおける複数の第1領域R1を除去して、複数の切欠き51を形成する。すなわち、側壁5には、下端部5aの全周に亘って一定の間隔(ここでは、10m)をおいて複数の切欠き51が配列される。切欠き51は、例えば、ガス切断により側壁5を切断して形成される。切欠き51は、少なくとも周方向に水平な上縁部51sをもつように形成される。切欠き51は、例えば矩形状を呈している。切欠き51の高さは、例えば、1.5mである。ただし、切欠き51の寸法及び形状は、任意に変更してよい。
<ガイド部設置工程>
次に、図3に示されるように、切欠き51の上縁部51sと基礎部7との間に変形ガイド部8を挿入する。変形ガイド部8は、切欠き51に対してタンク1の内側からタンク1の外側に向かって挿入されて、切欠き51に設置される。具体的には、変形ガイド部8は、後述する案内面83sが切欠き51の上縁部51sに接触するまでタンク1の中心から径方向外側に向かって押し込まれ、変形ガイド部8が上縁部51sと底板4の上面4sとで挟み込まれた状態になる。その状態で、例えば溶接等により、変形ガイド部8を底板4に接合(固定)する。変形ガイド部8は、複数の切欠き51の全てに設置される。なお、変形ガイド部8の詳細な構成については後述する。
<下端部除去工程>
次に、図4に示されるように、側壁5の下端部5aにおける第2領域R2を除去する。具体的には、側壁5の下端縁から、切欠き51の高さ位置(ここでは、1.5mの高さ位置)における第2領域R2を、例えば、ガス切断により切断線L1(図3参照)に沿って周方向に切断する。また、作業中に側壁5が大きく傾くことを抑制するために、側壁5の下端部5aにおける複数の第2領域R2のうち、径方向に互いに対面する2つの第2領域R2ごとに、当該2つの第2領域R2を同時に又は交互に切断する。そして、第2領域R2の切断された部分を撤去する。ここでは、側壁5の下端部5aの全周に亘って設定された複数の第2領域R2を全て除去する。
<切込み形成工程>
更に、第1領域R1と第2領域R2との境界線L2に沿って切込み52を形成する。具体的には、切欠き51の側縁部51tから上方に延びるように、側壁5の下端部5aを、例えば、ガス切断により切断する。切込み52の長さは、例えば30cmである。
なお、上記の下端部除去工程、及び切込み形成工程は、いずれの工程が先に実行されてもよい。或いは、下端部除去工程、及び切込み形成工程の両方の工程が並行して実行されてもよい。また、分断工程は、下端部除去工程、及び切込み形成工程の両方の工程が完了する前までに行われていればよい。側壁5と底板4とは、次の降下工程において互いに切り離された状態であればよい。
<降下工程>
次に、図5に示されるように、側壁5を降下させる。ここでは、側壁5の自重によって側壁5を降下させる。側壁5は、分断工程において底板4から切り離された状態となっている。そして、下端部5aが除去されて、下端部5aにおける第1領域R1で変形ガイド部8に支持されて底板4から浮いた状態となる。その状態で第1領域R1と第2領域R2との境界線L2に沿って切込み52が形成されているため、側壁5の自重により、第1領域R1が変形ガイド部8によって変形しながら降下する。第1領域R1は、変形ガイド部8の案内面83sによって径方向外側(側壁5の外壁面5sの面外方向)に案内されて湾曲して変形する。側壁5は、第1領域R1の変形に起因して変形ガイド部8から上向きの抵抗力を受けながら降下する。また、第2領域R2は、底板4に向けてほぼ鉛直下方に降下する。降下中の側壁5は、上記のように第1領域R1に変形ガイド部8からの上向きの抵抗力を受けるため、降下速度が抑えられ、側壁5全体が徐々に降下する。
側壁5の降下が進行し、側壁5が第1領域R1において変形ガイド部8から受ける抵抗力が大きくなっていくと、側壁5の自重と側壁5が受ける抵抗力とが釣り合い、側壁5の降下が停止する。そのため、側壁5の降下が停止したときに、或いは側壁5の降下が停止する前に、切込み形成工程を実行して新たに切込み52を形成する。この新たな切込み52は、既存の切込み52を上方に延長するように形成される。このような切込み52の延長により、変形ガイド部8から側壁5が受ける上記の抵抗力が小さくなり側壁5の降下(降下工程)が継続する。このように、切込み形成工程と降下工程とが繰り返し実行されることで側壁5が降下していく。上記のように、側壁5の降下が停止する前に切込み52を延長して、降下工程を連続的に行ってもよい。或いは、切込み形成工程は、自重と抵抗力とが釣り合い、側壁5の降下が停止した状態から行ってもよい。
側壁5の降下が継続することにより、図6に示されるように、側壁5の下端部5aにおける第2領域R2が底板4に着地すると、側壁5の降下が停止する。そのため、図7に示されるように、再び、下端部除去工程を実行し、第2領域R2を周方向に切断して除去することにより、側壁5の降下を継続させる。このように、下端部除去工程と降下工程とが繰り返し実行されることで側壁5が降下しながら、側壁5は下端から少しずつ除去されていく。ここでは、側壁5が降下して、側壁5の下端部5aにおける第2領域R2が底板4に接触した状態で、上記の下端部除去工程を行う。ただし、下端部除去工程は、側壁5の下端部5aにおける第2領域R2が底板4に着地する前に行ってもよい。なお、側壁5の第1領域R1の部分は、変形ガイド部8に案内され側壁5の降下に伴って径方向外側に伸びていくので、側壁5の降下をほとんど阻害しない場合もある。従って、第1領域R1の部分は、適切なタイミングで除去すればよい。または、タンク解体終了後まで第1領域R1の部分が切断されずに、タンク解体後に全体が撤去されてもよい。
以上のように、側壁5の降下を継続させることで、側壁5が下端から少しずつ除去されていく。このように、降下工程と、側壁5の降下を継続させる下端部形成工程、及び切込み形成工程と、繰り返し実行され、側壁5の上端部5bまで除去されることで、タンク解体方法が完了する。
ここで、変形ガイド部8の構成について説明する。図2〜図7では詳細な図示が省略されているが、変形ガイド部8の構成は図8に示されるとおりである。図8は、図3に示す領域VIIIを拡大した断面図である。図9は、図8に示すIX-IX線に沿った断面図である。図8及び図9に示されるように、変形ガイド部8は、第1領域R1と底板4との間に設置されている。変形ガイド部8は、周方向に沿って配列された2つのガイド台81を備えている。
ガイド台81は、下方材82と、第1斜材83と、第2斜材84とを有する。下方材82、第1斜材83、及び第2斜材84は、例えば、鉄骨材によって構成されている。鉄骨材として、例えば、H型鋼を採用することができる。
ガイド台81、下方材82、第1斜材83、及び第2斜材84によって、下方材82を底辺とし、第1斜材83及び第2斜材84を等辺とする略二等辺三角形状に形成されている。下方材82及び第1斜材83と、下方材82及び第2斜材84と、第1斜材83及び第2斜材84とは、例えば、溶接、ボルト接合等により互いに接合されている。下方材82及び第1斜材83と、下方材82及び第2斜材84とは、例えば、65°の角度をなすように接合されている。ガイド台81は、降下する側壁5の第1領域R1をタンク1の径方向外側に案内するため、下方材82と第2斜材84との接合箇所、及び、第1斜材83と第2斜材84との接合箇所がタンク1の内側に位置し、下方材82と第1斜材83との接合箇所がタンク1の外側に位置するように、側壁5と底板4との間に設置されている。
下方材82は、底板4上に設置され底板4上を径方向に沿って延びている。第1斜材83及び第2斜材84のそれぞれは、径方向における下方材82の一端部82a及び他端部82bから、互いに近付くように上方に傾斜して延びている。第1斜材83の上面が、前述の変形ガイド部8の案内面83sであり、案内面83sは底板4及び側壁5に対して65°の角度をなす。変形ガイド部8の案内面83sは、タンク1の内側からタンク1の外側に向かうにつれて下降するように形成されている。変形ガイド部8が第1領域R1と底板4との間に設置された状態において、側壁5が降下したときに、変形ガイド部8の案内面83sが第1領域R1を外壁面5sの面外方向に案内して変形させる。
また、変形ガイド部8は、止め金具85を更に備えている。止め金具85は、下方材82上における一端部82aに、例えば、溶接、ボルト接合等により接合されている。止め金具85は、例えば、鉄骨によって構成されている。鉄骨材として、例えば、アングルを採用することができる。
止め金具85は、2つのガイド台81の下方材82間を架け渡すように設けられている。止め金具85は、アングルにおける鉛直部85aの外面85sが案内面83sに臨むように設けられている。したがって、降下工程で側壁5の降下によって第1領域R1が変形ガイド部8の案内面83sに沿って降下した際、第1領域R1の下端縁がアングルの外面85sに突き当たると、第1領域R1が更に降下することが規制される。第1領域R1が降下することが規制されるため、側壁5全体が降下することを規制することができる。
次に、第1実施形態に係るタンク解体方法の作用効果について説明する。
本実施形態に係るタンク解体方法によれば、第1領域R1と底板4(基礎部7)との間には変形ガイド部8が設置されている。この変形ガイド部8は、側壁5が降下したときに、第1領域R1を側壁5における外壁面5sの面外方向に案内して変形させる案内面83sを有している。第1領域R1と第2領域R2との境界線L2に沿って側壁5に切込み52が形成され、側壁5の下端部5aにおける第2領域R2が除去され側壁5が降下すると、第1領域R1は面外方向に案内されて変形し、第2領域R2は基礎部7に向けて降下する。このとき、側壁5は、第1領域R1の変形に起因する抵抗力を受けながら降下する。これにより、例えばジャッキによって側壁5の荷重を支持した状態で側壁5を降下させる場合と比較して簡易な構成でタンク1の解体作業を行うことができ、大掛かりな装置を用いることなくタンク1を解体することが可能となる。
本実施形態に係るタンク解体方法において、下端部除去工程は、降下する側壁5の第2領域R2が基礎部7に接触した状態で実行される。これにより、側壁5の第2領域R2が基礎部7に接触して側壁5が基礎部7に支持された状態で、側壁5の第2領域R2を除去することができる。従って、第2領域R2の切断中において、切断部分の落下防止のために当該切断部分を他の治具で支持するといった措置を省略することもできる。
本実施形態に係るタンク解体方法は、側壁5の下端部5aにおける第1領域R1を除去して変形ガイド部8を設置するための切欠き51を形成する切欠き形成工程を更に備えている。この場合、切欠き51によって変形ガイド部8を設置する場所を確保できる。またこの場合、下端部除去工程では側壁5の下端部5aのうち切欠き51以外の部分である第2領域R2を除去するための切断線L1を、水平な直線とすればよいので、除去作業を簡易に行うことができる。したがって、一層簡易な構成によってタンク1の解体作業を行うことができる。
本実施形態に係るタンク解体方法は、変形ガイド部8が設置された状態において、切込み52を延長して形成する切込み形成工程と、降下工程とが繰り返し実行される。降下工程においては、切込み形成工程において形成した切込み52の量に応じて側壁5が降下する。そのため、切込み52を延長して形成することにより、下端部5aが除去される範囲に対して段階的に側壁5を降下させることができる。したがって、下端部5aが除去される範囲に一度に切込み52を形成する場合と比較して、側壁5をゆっくり降下させることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、前述の実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な態様で実施することができる。また、前述の実施形態に記載されている技術的事項を利用して様々な変形例を構成することもできる。
例えば、第1領域及び第2領域の周方向の長さは、任意に設定してよい。例えば、側壁が降下する速度を遅くするために、第1領域を上記の第1領域R1よりも広くとることで、第1領域の変形に起因する抵抗力を大きくさせてもよい。
また、前述の実施形態においては、屋根6を備えるタンク1を例に挙げて説明したが、タンクは屋根を備えていなくてもよい。本発明の解体方法が適用されるタンクは、例えば、浮屋根タイプの原油タンク、有水ホルダーの気体ガス用貯槽等であってもよい。また、タンクは、側壁としての内槽と、内槽の外側に位置すると共に貯蔵空間Sの上部を覆う外槽と、を備えるタンクであってもよい。
また、前述の実施形態においては、側壁5の下端部5aにおける底板4との接合箇所を切断して、側壁5が底板4から切り離された状態とする構成を例に挙げて説明したが、このような構成に限定されない。降下工程において側壁が底板から切り離された状態であればよく、例えば、互いにボルト接合によって接合された側壁及び底板に対して、ボルト接合を解除すると共に底板4を撤去して、降下工程において側壁が底板から切り離された状態としてもよい。
また、前述の実施形態においては、止め金具85を備える変形ガイド部8を例に挙げて説明したが、変形ガイド部8は、止め金具85を備えていなくてもよい。また、変形ガイド部8のガイド台81は、H型鋼によって構成された下方材82と、第1斜材83と、第2斜材84と、を有していなくてもよい。変形ガイド部8は、降下する側壁の下端部を側壁の壁面の面外方向に案内して変形させる案内面を有していればよく、例えば、木材によって構成されていてもよい。
また、降下工程においては、側壁5の自重によって側壁5を降下させる構成を例に挙げて説明したが、降下工程においては、側壁の自重とは別の力を作用させて側壁を降下させてもよい。降下工程において、例えば、ジャッキを用いて、側壁を下方から引くことによって降下させてもよく、側壁を上方から押圧することによって側壁を降下させてもよい。
1…タンク、4…底板、5…側壁、5a…下端部、5s…外壁面(壁面)、7…基礎部、8…変形ガイド部、51…切欠き、51s…上縁部(縁部)、52…切込み、83s…案内面、L2…境界線、R1…第1領域、R2…第2領域。

Claims (4)

  1. 底板と前記底板から上方に延在する側壁とを備えるタンクを解体するタンク解体方法であって、
    前記側壁の下端部には、周方向に交互に配置される第1領域と第2領域とが設定され、
    前記底板を含む基礎部と前記第1領域との間には、前記側壁が降下したときに、前記第1領域を前記側壁における壁面の面外方向に案内して変形させる案内面を有する変形ガイド部が設置され、
    前記第1領域と前記第2領域との境界線に沿って前記側壁に切込みを形成する切込み形成工程と、
    前記下端部における前記第2領域を除去する下端部除去工程と、
    前記基礎部と前記側壁とが切り離された状態において、前記側壁を降下させる降下工程と、を備え、
    前記降下工程では、降下する前記側壁の前記第1領域が前記変形ガイド部の案内面に案内されて変形する、タンク解体方法。
  2. 前記下端部除去工程は、
    降下する前記側壁の前記第2領域が前記基礎部に接触した状態で実行される、請求項1に記載のタンク解体方法。
  3. 前記下端部における前記第1領域を除去して前記変形ガイド部を設置するための切欠きを形成する切欠き形成工程を更に備える、請求項1又は2に記載のタンク解体方法。
  4. 前記変形ガイド部が設置された状態において、前記切込みを延長して形成する前記切込み形成工程と、前記降下工程とが繰り返し実行される、請求項3に記載のタンク解体方法。
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