JP6683552B2 - ワイヤハーネスの水入り対策構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤハーネスの水入り対策構造に関する。
複数の電線を束ねたワイヤハーネスの止水構造として、1液止水(シリコン)や、ブチルゴムを用いるものがある。1液止水による止水構造は、図8の(a)に示すように、電線束を個々の電線501にばらして、シリコン503を塗布し、なじませ、成形し、固化させる。固化させたシリコン503の外周は、シート材505によって覆われる。このようにして止水構造が付与されたワイヤハーネスは、シート材505の外周にグロメット507が外挿される。グロメット507は、シート材505と車体パネル等のハーネス挿通穴(図示略)の間を防水する。
また、ブチルゴムによる止水構造は、図8の(b)に示すように、電線束を個々の電線501にばらしてブチルゴム509の上に乗せ、ブチルゴム509と電線501の敷きを繰り返し、加圧して電線間にブチルゴム509を充墳し、成形する。ブチルゴム509の外周は、粘着テープ511によって巻かれる。このようにして止水構造が付与されたワイヤハーネスは、粘着テープ511の外周にシールスポンジ513が巻かれる。シールスポンジ513は、粘着テープ511とハーネス挿通穴(図示略)の間を防水する。
特開2011−172412号公報
しかしながら、上述の1液止水による止水構造は、電線間に止水剤(シリコン503)が充填されて電線被覆と接着する。このため、止水性能は非常に優れているが、止水剤の管理が困難であるほか、固化するまでに数時間程度を必要とすることから、作業性がよくなかった。また、上述のブチルゴム509による止水構造は、電線間に止水剤(ブチルゴム509)が充填され、ブチルゴム自体が柔らかく、なじみ易く、それでいて接着性があるので、確実に充填されれば止水性能は優れるが、使用ブチルゴム量の管理が困難な問題がある。更に、ブチルゴム509による止水構造は、ブチルゴム509がベタベタしていて手に付くなど作業性が悪いとともに、充填状況の確認が行いにくい。
また、止水構造への応用が可能な技術として、電線束の外周を樹脂材料によってモールドするモールド構造が知られている(特許文献1等参照)。ところが、このようなモールド構造では、3本以上の電線を束にしてしまうと、隣接する電線間に樹脂を充填できない隙間(樹脂未充填空間)ができてしまう。
また、これらのモールド構造は、通常の射出成形機によって成形が行われる。このため、設備が大掛かりとなる。
また、別々にモールドされた封止樹脂部(堰き止め部)を1ヵ所で合わせて隔壁部の電線群挿通部にセットする場合、硬質樹脂材同士の合わせ面における水入り対策は困難となる。これに対し、合わせ面の水入り対策に、パッキン等の別部材を用いればコストアップとなる。また、合わせ面を、単純なリップ構造で水入り対策するには、強い押付力が必要となる。硬質樹脂材同士の合わせ面に強い押付力を付与するには、締結機構等が必要になり、これもコストアップとなる。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、一般的な硬質樹脂材同士の組み合わせのみで水入り対策を可能とすることができるワイヤハーネスの水入り対策構造を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 複数の電線が直径方向に並ぶと共に、前記電線の並び方向に交差する方向に離間して複数の段数で配置される電線群と、前記電線群の延在方向の一部分を包囲し電線群挿通部の内周形状に応じた外周形状部を有する硬質樹脂材製の堰き止め部と、を備えるワイヤハーネスの水入り対策構造であって、前記堰き止め部は、各段における前記電線群の延在方向の一部分をそれぞれ包囲する複数の堰き止め部材と、互いに相手方の前記堰き止め部材と合体するための係合機構と、前記複数の電線の並び方向に延びると共に、前記電線群の延在方向に沿って所定間隔で前記堰き止め部材同士の合わせ面に突設されて前記複数の堰き止め部材の間における水入りを抑制する複数の止水リップ片と、を備えることを特徴とするワイヤハーネスの水入り対策構造。
上記(1)の構成のワイヤハーネスの水入り対策構造によれば、堰き止め部における各段の堰き止め部材は、合わせ面同士が接触する。この合わせ面は、各段の電線群の間で電線群の延在方向に沿うものとなる。従って、堰き止め部は、電線群が貫通する電線群挿通部を塞いだ場合、堰き止め部材の合わせ面同士が電線群貫通方向の一方及び他方(すなわち、電線群挿通部の内外)に通じて延在することとなる。そして、合わせ面に設けられる止水リップ片は、電線の並び方向に延びることとなる。また、止水リップ片は、電線群の延在方向に沿って所定間隔で複数のものが配設されており、一方の合わせ面に突設された止水リップ片は、先端部が他方の合わせ面に接する。これにより、電線群挿通部の外部より合わせ面同士の間に入った水は、止水リップ片の先端部と、先端部が接する合わせ面とによって、電線群挿通部の内部への流入が抑制される。
堰き止め部材に突設された止水リップ片は、僅かな力で撓み、複数の堰き止め部材の間の隙間を無くすことができる。そして、上流の止水リップ片から漏れ入った水は、水圧が強くないので、下流の止水リップ片により容易に水入りが抑制される。そこで、パッキン等の別部材が必要なくなり、コストダウンが可能となる。また、堰き止め部材同士を強い力で押し付けなくともよいので、締結機構等が必要なく、簡易な係合機構でよい。
(2) 前記堰き止め部材の合わせ面には、前記複数の止水リップ片の間に止水溝が設けられていることを特徴とする上記(1)に記載のワイヤハーネスの水入り対策構造。
上記(2)の構成のワイヤハーネスの水入り対策構造によれば、上流の止水リップ片から漏れ入った水は、下流の止水リップ片の間に設けられた止水溝に滞留する。止水溝は、滞留させた水の容易な流下を抑制する。つまり、止水溝は、電線群挿通部の外部から内部へ浸入しようとする水の容易な流入を留める緩衝領域(バッファー)となる。従って、このワイヤハーネスの水入り対策構造では、上流の止水リップ片を通過した水は、下流の止水リップ片に達するまでの時間稼ぎができる。
(3) 前記止水リップ片の先端部と対向する相手側の前記堰き止め部材の合わせ面には、前記止水リップ片に沿って前記複数の電線の並び方向に延びると共に、前記止水リップ片の先端部と当接するテーパ面を有する止水リブが突設されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のワイヤハーネスの水入り対策構造。
上記(3)の構成のワイヤハーネスの水入り対策構造によれば、一方の合わせ面から突出した止水リップ片の先端部が、他方の合わせ面に設けられた止水リブに接する。止水リップ片の先端部が接する止水リブには、テーパ面が形成されているので、止水リップ片は、先端部が止水リブのテーパ面に当接することで緩やかに撓むことができる。このため、電線の並び方向に延在する止水リップ片は、延在方向の任意位置の弾性復元力が略同じとなる。これにより、テーパ面からの反力により撓んだ止水リップ片は、止水リブに対するシール圧が均一になるので、シール性が向上する。
本発明に係るワイヤハーネスの水入り対策構造によれば、一般的な硬質樹脂材同士の組み合わせのみで水入り対策を可能とすることができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の一実施形態に係るワイヤハーネスの水入り対策構造を備えるワイヤハーネスを用いた機器接続構造を表す要部分解斜視図である。 図1に示した堰き止め部の正面図である。 図2のA−A断面図である。 合わせられる前の図3に示した堰き止め部材同士の断面図である。 低圧射出成形機の斜視図である。 (a)は水が入り始めた堰き止め部の断面図、(b)は上流の止水リップ片からわずかに水の漏れた堰き止め部の断面図である。 (a)は上流の止水リップ片を越えた水が止水溝に溜まった堰き止め部の断面図、(b)は止水溝を通過した水が下流の止水リップ片を超えた堰き止め部の断面図である。 (a)は従来の1液止水による止水構造の横断面図、(b)はブチルゴムによる止水構造の横断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るワイヤハーネスの水入り対策構造を備えるワイヤハーネスを用いた機器接続構造を表す要部分解斜視図である。
本実施形態に係るワイヤハーネスの水入り対策構造を備えるワイヤハーネス100は、水平方向に並んで設けられた複数の電線11からなる電線群13と、硬質樹脂製の堰き止め部15と、係合機構17と、止水リップ片19と、有する。
なお、本実施形態において、水入り対策とは、防滴以上の止水性能を言う。
電線群13は、複数の電線11が、直径方向に少なくとも一列に並んでいる。それぞれの電線11は、導体の外周が絶縁性樹脂によって被覆されている。「少なくとも一列」とは、複数列が多段状に配置されてもよい意味である。但し、この場合には、各段の電線群同士は、離間して配置される。
複数の電線群13は、堰き止め部15において、電線11の並び方向に交差する方向に離間して複数の段数で配置される。本実施形態において、電線群13は、2段で配置されている。
図2に示すように、堰き止め部15は、各段における電線群13の延在方向の一部分をそれぞれ包囲する2つの堰き止め部材からなる。本実施形態において、堰き止め部15は、上段の電線群13に設けられる上段堰き止め部材21と、下段の電線群13に設けられる下段堰き止め部材23と、からなる。上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23は、それぞれの電線群13の延在方向の一部分を包囲するように一体にモールド成形されている。
ワイヤハーネス100は、例えば止水ボックス25に使用される。止水ボックス25は、一体ケースに隔壁部27が形成されており、この隔壁部27に、電線群挿通部29が形成されている。電線群挿通部29には、ワイヤハーネス100の堰き止め部15が嵌入される。つまり、ワイヤハーネス100は、電線群挿通部29に嵌入される堰き止め部15により隔壁部27を貫通する。
電線群挿通部29は、正面視で台形状の貫通穴31を有する筒状に形成される。堰き止め部15の外周形状部33は、この貫通穴31の内周形状に応じた形状を有するように成形されている。堰き止め部15は、電線群13の一端側から貫通穴31に嵌め入れられる。堰き止め部15は、挿入方向の任意位置の断面形状が、同一に形成される。なお、貫通穴31は、内周面にシールスポンジやゴムなどの止水材(図示せず)が貼り付けられ、堰き止め部15との間が止水される。
また、堰き止め部15は、挿入方向に先細のテーパー面で外周形状部33が形成されてもよい。これにより、堰き止め部15は、電線群挿通部29への挿入圧力によって、より貫通穴31の内周面に密接させることができ、高い止水性を得ることができるようになる。
止水ボックス25には、例えば図示しない電子機器が収容される。電線群13の一端に接続されたコネクタ35は、この電子機器と接続される。コネクタ35は、止水ボックス25に収容され、止水ボックス25の電線群挿通部29から導出された電線群13が、堰き止め部15によって水入り対策される。これにより、コネクタ35は、水入り対策された止水ボックス内に収容される。
堰き止め部15は、上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23を合体させた状態で、外周形状部33を画成できるように、それぞれが一体にモールド成形されている。そして、上段堰き止め部材21と下段堰き止め部材23とを合体した堰き止め部15が、電線群挿通部29に嵌入される。
堰き止め部15の外周形状部33は、例えば図示例の断面台形状に成形することができる。なお、堰き止め部15の外周形状部33は、これには限定されない。電線群13が3つ以上の多段の場合、堰き止め部15は、3つ以上の堰き止め部材により高さの高い台形状で成形される。
なお、図3に示すように、下段堰き止め部材23の下面(合わせ面37と反対の面)には、電線11の並び方向に延在する溝状の凹部である肉抜き部41が、電線群13の延在方向に複数設けられている。肉抜き部41は、厚肉部となる下段堰き止め部材23の下部におけるヒケやボイド等の成形不良を防止する。
上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23をモールド成形するには、後述の低圧射出成形機が使用される。低圧射出成形機では、硬質樹脂材である例えば一般のエンプラ(エンジニアリングプラスチック)が使用される。本発明に係るワイヤハーネスの水入り対策構造を備えるワイヤハーネス100は、換言すれば、このエンプラに、電線群13の延在方向一部分が埋入(インサート成形)されたものとなっている。
各列の隣接する電線11同士は、僅かに離間していても接触していてもよい。僅かに離間していれば、その間に樹脂が入り込み電線11の外周が包囲されて水入り対策され、接触していればそれによって水入り対策が可能となるためである。
また、ワイヤハーネス100は、各電線群13において複数の電線11が直径方向に一列で並ぶので、3本以上の電線11によって包囲された樹脂未充填空間が形成されることがなく、隣接する電線11同士の間を確実に水入り対策できる。
堰き止め部15に設けられる係合機構17は、上段堰き止め部材21と下段堰き止め部材23とを合体させる。互いに相手方の堰き止め部材と合体するための係合機構17は、枠状のロック部43と、ロック爪45を有したロックアーム47とからなる。本実施形態において、ロック部43は、下段堰き止め部材23に一体成形され、ロックアーム47は、上段堰き止め部材21に一体成形される。ロックアーム47は、片持ち梁状に形成され、先端の自由端にロック爪45が設けられる。ロックアーム47は、弾性変形することでロック部43にロック爪45が係止され、上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23の離反を規制する。
このようにして、堰き止め部15は、上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23の電線貫通側面49に設けられたロック部43とロックアーム47を係止ロックすることにより、上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23が直接組合わされて構成される。
合体される上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23は、誤った向きで合わせ面37同士が合体することを防止する為に、合体方向を規定する必要がある。そこで、上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23は、図2に示すように、非対称の誤挿入防止リブ51と誤挿入防止凹部53を有している。誤挿入防止リブ51と誤挿入防止凹部53とは、上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23が規定の合体方向のみで一致する。これにより、上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23は、誤った向きで合わせ面同士が合体することを防止されている。
図3及び図4に示すように、止水リップ片19は、複数の電線11の並び方向に延びている。止水リップ片19は、上段堰き止め部材21の下面(合わせ面37)には薄厚の垂下片として一体に成形されており、下段堰き止め部材23の上面(合わせ面37)には薄厚の起立片として一体に成形されている。
本実施形態において、上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23の合わせ面37には、それぞれの止水リップ片19を挟んで、電線11の並び方向に延びる一対の摺接壁55が形成されている。そして、上段堰き止め部材21の一対の摺接壁55の間に、下段堰き止め部材23の一対の摺接壁55が進入することにより、上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23は、電線群13の延在方向の相対位置が位置決めされる。
一対の止水リップ片19は、電線群13の延在方向に沿って所定間隔で堰き止め部材同士の合わせ面37にそれぞれ突設される。それぞれの止水リップ片19は、相手側の合わせ面37に、先端部が接することにより、堰き止め部材同士の間における水入りを抑制する。
また、下段堰き止め部材23の合わせ面37には、一対の止水リップ片19の間に配置されるように止水溝57が設けられる。本実施形態の止水溝57は、後述の止水リブ59と止水リップ片19との間に画成されている。
また、本実施形態に係るワイヤハーネスの水入り対策構造では、各止水リップ片19の先端部と対向する相手側の堰き止め部材の合わせ面37に、止水リップ片19に沿って止水リブ59が突設されている。止水リブ59は、止水リップ片19と同様に、電線11の並び方向に延びている。この止水リブ59は、止水リップ片19の先端部と当接するテーパ面61を有する。上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23が合体されると、それぞれから突出する止水リップ片19の先端部が、相手側の止水リブ59のテーパ面61に密着して撓む。硬質樹脂材製の止水リップ片19は、薄厚に成形されるため水密シールに十分な弾性復元力を有している。これにより、堰き止め部15の合わせ面37には、止水リップ片19と止水リブ59、及び摺接壁55が水の浸入方向に複数配置され、電線群13の延在方向に沿う水の容易な通過を抑制する構造となっている。
なお、本実施形態の堰き止め部15は、摺接壁55、止水リップ片19、止水リブ59及び止水溝57が、図1に示すように、それぞれ電線11の並び方向に延設されており、延設方向端部が外周形状部33で開放されている。この他、堰き止め部は、延設方向端部を薄壁により閉塞して外周形状部33で開放されなくしてもよい。
図5は低圧射出成形機の斜視図である。
本実施形態において、上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23の成形には、低圧射出成形機63が用いられる。低圧射出成形機63は、電線群13の途中位置に上段堰き止め部材21又は下段堰き止め部材23を一体にモールド成形することができる。なお、本実施形態に係るワイヤハーネスの水入り対策構造は、通常の射出成形機が用いられても勿論よい。低圧射出成形機63は、電動機等の外部動力なしに作業員が一人でも操作可能な成形機である。低圧射出成形機63は、成形型65と、図示しない型締め装置と、成形型65に溶融樹脂を加圧注入する低圧射出装置67と、から構成される。
低圧射出装置67は、合成樹脂等を加熱して溶融するヒータが設けられた加熱筒69と、加熱筒内の溶融樹脂を図示しないノズルから射出するプランジャ71と、プランジャ71を前進させる射出シリンダ73と、射出シリンダ73を駆動するハンドル75と、加熱筒69の加熱温度を所望の温度に保持する温調器77と、を有し、これらが台座79に立設する装置支柱81に支持されている。
なお、本実施形態における低圧射出成形機63とは、1回の射出成形で成形できる樹脂の量が最大で10g程度のものであって、且つ、成形型の型締め時に、エアシリンダ又はリンク等を用いて手動でも行うことができるものをいう。勿論、低圧射出装置67は、電動機やエア等の外部動力によって射出シリンダ73を駆動するものであってもよい。より具体的には、低圧射出成形機63としては、例えば、特開2010−260297号公報、特開2012−30429号公報及び特開2013−103492号公報などに開示された公知の「射出成形装置」を用いることができる。
本実施形態に係る成形型65は、台座79に配置される。成形型65は、上段堰き止め部材21と、下段堰き止め部材23との成形用に2種類のものが用意される。成形型65は、上型83と下型85とが、電線群13の延在方向に沿った外側両端部分に形成されたバリきり87で電線群13を挟むことにより、上段堰き止め部材21又は下段堰き止め部材23を成形可能な空間(キャビティ89)を画成する。
すなわち、上型83及び下型85は、上型分割面91及び下型分割面93を有する。上型分割面91及び下型分割面93には、上側ハーネス収容部95及び下側ハーネス収容部97が設けられる。成形型65は、上型83と下型85が型締めされると、内部に中空のキャビティ89を画成する。上側ハーネス収容部95は、このキャビティ89の上側部分と、バリきり87と、からなる。下側ハーネス収容部97は、このキャビティ89の下側部分と、バリきり87と、からなる。バリきり87は、一列の電線群13の延在方向に沿ったキャビティ89の外側両端部分において一列の電線群13の外周を挟む。本実施形態において、バリきり87は、電線群13を挟む面が平坦な面で形成される。
下型85におけるバリきり87は、一列の電線群13を収容可能な凹状部99を有し、下型分割面93からの深さが電線11の直径と略同じとされる。一方、上型83におけるバリきり87は、上型分割面91と同じ面上に平板状に形成されている。
なお、下型85と上型83のバリきり87は、同一の凹状部99で形成してもよい。この場合、下型85と上型83のバリきり87を構成する凹状部99は、下型分割面93と上型分割面91からの深さが電線11の半径と略同じとされる。
成形型65は、下型85におけるバリきり87の凹状部内に一列の電線群13を収容した状態で上型83と下型85を型締めする。下型85のみに凹状部99を設けた成形型65は、電線群13が下側ハーネス収容部97に配置し易くなり、型締め時の電線噛み込みが生じにくくなる。
図5に示す下段堰き止め部材23用の成形型65には、上側ハーネス収容部95に、摺接壁55、止水リップ片19、止水溝57及び止水リブ59の成形部(図示略)が形成される。また、図示しない上段堰き止め部材21用の成形型65には、下側ハーネス収容部97に、摺接壁55、止水リップ片19、止水溝57及び止水リブ59の成形部(図示略)が形成される。
次に、上記した構成の作用を説明する。
本実施形態に係るワイヤハーネスの水入り対策構造では、堰き止め部15における上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23は、合わせ面37同士が接触する。この合わせ面37同士は、上下段の一対の電線群13の間で電線群13の延在方向に沿うものとなる。従って、堰き止め部15は、一対の電線群13が貫通する電線群挿通部29を塞いだ場合、上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23の合わせ面37同士が、電線群挿通部29の内外に通じて延在することとなる。
そして、これら合わせ面37に設けられている止水リップ片19は、電線11の並び方向に延びることとなる。また、止水リップ片19は、電線群13の延在方向に沿って所定間隔で一対配設されており、一方の合わせ面37に突設された止水リップ片19は、先端部が他方の合わせ面37に接する。これにより、電線群挿通部29の外部より合わせ面37同士の間に入った水は、止水リップ片19の先端部と、先端部が接する他方の合わせ面37とによって、電線群挿通部29の内部への流入が抑制される。
上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23にそれぞれ突設された止水リップ片19は、僅かな力で撓み、これら上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23の間の隙間を無くすことができる。図6の(a)に示すように、電線群挿通部29の外側(図中、左側)が被水領域101である場合、堰き止め部15には、水が摺接壁55を越えて徐々に内方へ入る。
そして、図6の(b)に示すように、最初(上流)の止水リップ片19から漏れ入った水は、水圧が強くないので、次(下流)の止水リップ片19により容易に水入りが抑制される。そこで、本実施形態の水入り対策構造を備えたワイヤハーネス100は、パッキン等の別部材が必要なくなり、コストダウンが可能となる。また、ワイヤハーネス100は、上段堰き止め部材21と下段堰き止め部材23とを強い力で押し付けなくともよいので、締結機構等が必要なく、簡易な係合機構17でよい。
本実施形態に係るワイヤハーネスの水入り対策構造では、図7の(a)に示すように、最初の止水リップ片19から漏れ入った水は、次の止水リップ片19の間に設けられた止水溝57に滞留する。止水溝57は、滞留させた水の容易な流下を抑制する。つまり、止水溝57は、電線群挿通部29の外部から内部へ浸入しようとする水の容易な流入を留める緩衝領域(バッファー)となる。
これにより、本実施形態のワイヤハーネスの水入り対策構造では、最初の止水リップ片19を通過した水は、次の止水リップ片19に達するまでの時間稼ぎができる。その結果、図7の(b)に示すように、最終的に堰き止め部15を水が通過するまでには、十分な時間が稼げることになる。
更に、本実施形態のワイヤハーネスの水入り対策構造では、一方の合わせ面37から突出した止水リップ片19の先端部が、他方の合わせ面37に設けられた止水リブ59に接する。止水リップ片19の先端部が接する止水リブ59には、テーパ面61が形成されているので、止水リップ片19は、先端部が止水リブ59のテーパ面61に当接することで緩やかに撓むことができる。このため、電線11の並び方向に延在する止水リップ片19は、延在方向の任意位置の弾性復元力が略同じとなる。これにより、テーパ面61からの反力により撓んだ止水リップ片19は、止水リブ59に対するシール圧が均一になるので、シール性が向上する。
なお、上記実施形態では、堰き止め部は上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23からなる場合を説明したが、本発明の構成は、堰き止め部が3つ以上の堰き止め部材からなる構成としてもよい。これにより、ワイヤハーネスは、多数の電線群に対して同時に水入り対策をとることができる。
従って、本実施形態に係るワイヤハーネスの水入り対策構造によれば、一般的な硬質樹脂材同士の組み合わせのみで水入り対策を可能とすることができる。
ここで、上述した本発明に係るワイヤハーネスの水入り対策構造の実施形態の特徴をそれぞれ以下に簡潔に纏めて列記する。
[1] 複数の電線(11)が直径方向に並ぶと共に、前記電線の並び方向に交差する方向に離間して複数の段数で配置される電線群(13)と、
前記電線群の延在方向の一部分を包囲し電線群挿通部(29)の内周形状に応じた外周形状部(33)を有する硬質樹脂材製の堰き止め部(15)と、を備えるワイヤハーネス(100)の水入り対策構造であって、
前記堰き止め部は、
各段における前記電線群の延在方向の一部分をそれぞれ包囲する複数の堰き止め部材(上段堰き止め部材21及び下段堰き止め部材23)と、
互いに相手方の前記堰き止め部材と合体するための係合機構(ロック部43、ロックアーム47)と、
前記複数の電線の並び方向に延びると共に、前記電線群の延在方向に沿って所定間隔で前記堰き止め部材同士の合わせ面(37)に突設されて前記複数の堰き止め部材の間における水入りを抑制する複数の止水リップ片(19)と、
を備えることを特徴とするワイヤハーネスの水入り対策構造。
[2] 前記堰き止め部材の合わせ面には、前記複数の止水リップ片の間に止水溝(57)が設けられている
ことを特徴とする上記[1]に記載のワイヤハーネスの水入り対策構造。
[3] 前記止水リップ片の先端部と対向する相手側の前記堰き止め部材の合わせ面には、前記止水リップ片に沿って前記複数の電線の並び方向に延びると共に、前記止水リップ片の先端部と当接するテーパ面(61)を有する止水リブ(59)が突設されている
ことを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のワイヤハーネスの水入り対策構造。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
11…電線
13…電線群
15…堰き止め部
19…止水リップ片
21…上段堰き止め部材(堰き止め部材)
23…下段堰き止め部材(堰き止め部材)
29…電線群挿通部
33…外周形状部
37…合わせ面
43…ロック部(係合機構)
47…ロックアーム(係合機構)
57…止水溝
59…止水リブ
61…テーパ面
100…ワイヤハーネス

Claims (3)

  1. 複数の電線が直径方向に並ぶと共に、前記電線の並び方向に交差する方向に離間して複数の段数で配置される電線群と、
    前記電線群の延在方向の一部分を包囲し電線群挿通部の内周形状に応じた外周形状部を有する硬質樹脂材製の堰き止め部と、を備えるワイヤハーネスの水入り対策構造であって、
    前記堰き止め部は、
    各段における前記電線群の延在方向の一部分をそれぞれ包囲する複数の堰き止め部材と、
    互いに相手方の前記堰き止め部材と合体するための係合機構と、
    前記複数の電線の並び方向に延びると共に、前記電線群の延在方向に沿って所定間隔で前記堰き止め部材同士の合わせ面に突設されて前記複数の堰き止め部材の間における水入りを抑制する複数の止水リップ片と、
    を備えることを特徴とするワイヤハーネスの水入り対策構造。
  2. 前記堰き止め部材の合わせ面には、前記複数の止水リップ片の間に止水溝が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネスの水入り対策構造。
  3. 前記止水リップ片の先端部と対向する相手側の前記堰き止め部材の合わせ面には、前記止水リップ片に沿って前記複数の電線の並び方向に延びると共に、前記止水リップ片の先端部と当接するテーパ面を有する止水リブが突設されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤハーネスの水入り対策構造。
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